以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有している。上記遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品などが取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
ガラス扉枠2は、額縁状に形成され、その下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の前面には、チャンスボタン16が設けられている。チャンスボタン16は、可変表示装置9などの演出手段において所定の種類の演出が実行されているときに、遊技者がこれを操作し、その操作が所定の操作条件を満たしたか否かにより、演出の結果を変化させることができるボタンである。
打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、回転操作することにより遊技領域7に遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
可変表示装置9は、例えば液晶表示装置(LCD)により構成され、遊技領域7の中央付近に設けられている。可変表示装置9の周囲を取り巻く円形状の枠の中に、演出手段としての装飾ランプ25a〜25cと、役物26と、が設けられている。遊技領域7の可変表示装置9よりも下側には、第1始動入賞口14aと第2始動入賞口14bとが上下に並べて配置されている。下側にある第2始動入賞口14bには、開放状態となることで遊技球の入賞を容易にする可変入賞装置15が設けられている。可変入賞装置15が閉鎖状態となっているときには、第2始動入賞口14bへの遊技球の入賞が困難になるが、完全に不可能となってしまう訳ではない。
第1始動入賞口14a、第2始動入賞口14bの下方には、大入賞口21を開放状態とする特別可変入賞装置20が設けられている。特別可変入賞装置20が閉鎖状態となっているときには、大入賞口21に遊技球が全く入賞し得なくなる。特別可変入賞装置20が設けられている位置は、遊技者が可変表示装置9を見て遊技を進めている場合には、大入賞口21が開放状態となっているのかどうかが遊技者にほとんど分からないような位置となっている。特別可変入賞装置20の両側には、7セグメントLEDにより構成される第1特別図柄表示器10aと、第2特別図柄表示器10bとが設けられている。第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bでは、7セグメントLEDによって表示される特別図柄の変動表示を行なっている。
第1特別図柄表示器10aは、第1始動入賞口14aへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示(特図ゲーム)を行い、第2特別図柄表示器10bは、第2始動入賞口14bへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示を行う。ここで、第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bの両方で同時に特別図柄の変動表示が行われることはなく、第1特別図柄表示器10aまたは第2特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示が終了した後に、第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bの両方で変動表示を開始させるための条件が成立しているときには、本実施形態では、いわゆる電チューサポートがされる方の第2特別図柄表示器10bで優先的に特別図柄の変動表示が行われることとなる。
第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bの表示結果の態様は、7つのセグメントの点灯/非点灯の組み合わせにより、2^7−1=127通りある(^は、べき乗を表し、7セグメントの全てを非点灯する態様が第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bの表示結果として除かれるため、1だけマイナスされている)。本実施形態では、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行させる第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bの表示結果として、第1特定表示結果、第2特定表示結果、第3特定表示結果、第4特定表示結果があり、これらの表示結果以外の場合には、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行されない。第1特定表示結果、第2特定表示結果、第3特定表示結果、第4特定表示結果には、「0」〜「9」の数字などの遊技者にとって比較的分かり易い図柄を含んでいてよいが、意味のある文字とは認識できない7つのセグメントの点灯/非点灯の組み合わせも採用しており、表示結果だけからは大当りの種類を特定することが非常に困難なものとなっている。
本実施形態では、第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bに第1特定表示結果(15ラウンド、確率変動(以下、確変)大当り図柄)を表示した後には、後述する第1大当り遊技状態(大当り1)に遊技状態を制御する。第1大当り遊技状態の終了後には、次の大当り(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、通常遊技状態(或いは、確変状態とならない時短状態)よりも大当り確率が高くなる確変状態に遊技状態が制御される。
第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bに第2特定表示結果(15ラウンド、非確変大当り図柄)を表示した後には、後述する第2大当り遊技状態(大当り2)に遊技状態を制御する。第2大当り遊技状態の終了後には、第1特別図柄表示器10a、第2特別図柄表示器10bにおいて、本実施形態では70回の変動表示が行われるまでの間は時短状態に遊技状態が制御されるものの、次の大当り発生までの大当り確率を通常とする(確変状態の大当り確率よりも低くなる)通常遊技状態に制御される。
第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bに第3特定表示結果(7ラウンド、確変大当り図柄)を表示した後には、後述する第3大当り遊技状態(大当り3)に遊技状態を制御する。第3大当り遊技状態の終了後には、次の大当り(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、前記した確変状態に遊技状態が制御される。
第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bに第4特定表示結果(7ラウンド、非確変大当り図柄)を表示した後には、後述する第4大当り遊技状態(大当り4)に遊技状態を制御する。第4大当り遊技状態の終了後には、第1特別図柄表示器10a、第2特別図柄表示器10bにおいて、本実施形態では70回の変動表示が行われるまでの間は時短状態に遊技状態が制御されるものの、次の大当り発生までの大当り確率を通常とする(確変状態の大当り確率よりも低くなる)通常遊技状態に制御される。なお、通常遊技状態において何れかの種類の大当りが発生することを、初当りという。また、上述した各大当りにおけるラウンド数は15ラウンドまたは7ラウンドと説明したが、16ラウンドや4ラウンドなど他のラウンド数であってもよい。
可変表示装置9では、横方向に3つ並べられた飾り図柄表示領域9a〜9cにて飾り図柄(例えば、「0」〜「9」の10種類)を縦方向にスクロールさせる変動表示を行う。可変表示装置9は、第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bで行われる変動表示の内容を、飾り図柄の変動表示によって演出効果を高めて遊技者に表示するための変動表示装置である。第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示が継続されている限り、飾り図柄の変動表示が一旦停止(仮停止)していても、大当り抽選及び大当り種別抽選に対する確定的な表示結果が示されたことにはならない。
また、可変表示装置9においては、飾り図柄が変動表示されるのに合わせてキャラクタの表示などによる演出(リーチ予告や大当り予告などの各種演出)が行われるものとなる。可変表示装置9は、特別図柄の変動表示に合わせて飾り図柄の変動表示を行うため以外に、後述する各種大当り演出における画像を表示するためにも用いられる。
また、第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bにて特別図柄の変動表示が行われ、可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が行われているときに、装飾ランプ25a〜25cの点灯や役物26の駆動などによる演出が実行されることがある。なお、パチンコ遊技機1において実行される演出には、大きく分けて予告と告知とがあるが、予告とは、それによって示される内容が生じる可能性があることの報知であり、それによって示される内容が生じることを確定的に示す報知である告知と区別される。但し、一連の演出の終了間際までは可能性を示すだけであるが、当該一連の演出の最終部分で確定的な報知がなされる場合は、最終部分が告知、それよりも前の部分が予告としての意味を持つ演出となる。
また、可変表示装置9の表示領域のうちの下部の表示領域には、第1始動入賞口14aまたは第2始動入賞口14bに遊技球が入り、始動条件が成立したが、未だ第1特別図柄表示器10a、第2特別図柄表示器10bの開始条件(例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当り遊技状態の終了)が成立していない始動条件の成立回数として後述する主基板31のRAM55(図2参照)に記憶された保留記憶数をそれぞれ表示する保留記憶数表示手段として特別図柄保留記憶表示部11a、11bが設定されている。
特別図柄保留記憶表示部11aは、4つのアイコンの表示部を備え、第1始動入賞口14aへの有効始動入賞(本実施形態では、保留記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示するアイコンをその時点で表示されているアイコンの右側に1つ追加し、第1特別図柄表示器10aにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、最も左側に表示されていたアイコン(今回開始した変動表示に対応していたもの)を消去するとともに、他に表示されていたアイコンを1つずつ左にずらして表示する。すなわち、表示するアイコンの数を1つ減らす。特別図柄保留記憶表示部11bについても、同様に、第2始動入賞口14bへの有効始動入賞がある毎に、アイコンを1つ増やし、特別図柄表示器10bにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、アイコンを1つ減らす。
RAM55(図2参照)には、第1特別図柄表示器10aにおける特別図柄の始動条件が成立(遊技球が第1始動入賞口14aへ入賞)したときに主基板31のCPU56(図2参照)により抽出された大当り判定用乱数などの各種乱数の抽出順番を特定可能に記憶する4つの保留記憶バッファが設けられている。特別図柄保留記憶表示部11aは、保留記憶バッファのうちで各種乱数の記憶された保留記憶バッファの数(保留記憶数)を特定可能に表示する。保留記憶バッファには、抽出された各種乱数のうち未だ開始条件(例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当り遊技状態の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶される。特別図柄保留記憶表示部11bについても、同様の保留記憶バッファが設けられている。
上記した第1始動入賞口14aまたは第2始動入賞口14bに入った入賞球は、それぞれ遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ62a、62b(図2参照)によって検出される。可変入賞装置15は、ソレノイド71(図2参照)によって開放状態とされる。後述する普通図柄の変動表示の結果に応じてソレノイド71により可変入賞装置15が開放状態となることにより、遊技球が第2始動入賞口14bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
また、特別可変入賞装置20は、ソレノイド72(図2参照)により可動して大入賞口21に遊技球が入賞可能な受入可能状態と、大入賞口21に遊技球が入賞不能な受入不能状態とに変化可能であり、受入可能状態において大入賞口21が開放状態とされるものとなる。また、特別可変入賞装置20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球は、カウントスイッチ63(図2参照)で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73(図2参照)も設けられている。
本実施形態では、特別可変入賞装置20は、第1大当り遊技状態及び第2大当り遊技状態において、大入賞口21の開放から一定時間経過するまで、または所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口21を開放状態とする。大入賞口21が開閉されてから一定期間(例えば、29.5秒)経過するまで、または所定個数(例えば、9個)の遊技球が大入賞口21に入賞するまでが、1ラウンドである。本実施形態における第1大当り遊技状態及び第2大当り遊技状態は、このような大入賞口21の開放が所定回数(15回)に亘って繰り返して提供される遊技状態である。
また、特別可変入賞装置20は、第3大当り遊技状態及び第4大当り遊技状態において、大入賞口21の開放から一定時間経過するまで、または所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口21を開放状態とする。大入賞口21が開閉されてから一定期間(例えば、29.5秒)経過するまで、または所定個数(例えば、9個)の遊技球が大入賞口21に入賞するまでが、1ラウンドである。本実施形態における第3大当り遊技状態及び第4大当り遊技状態は、このような大入賞口21の開放が所定回数(7回)に亘って繰り返して提供される遊技状態である。
遊技領域7の左側には、「15」及び「7」と付された一対のLEDからなるラウンド数表示器19が設けられている。このラウンド数表示器19は、発生される大当り遊技状態のラウンド数(第1、第2大当り遊技状態では、それぞれ15ラウンド、第3、第4大当り遊技状態では、それぞれ7ラウンド)を表示するものである。一方、遊技領域7の右側には、「○」及び「×」と付された左右一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を変動表示可能なものである。
また、可変入賞装置15の左右には、ゲート28a、28bが設けられている。ゲート28a、28bを遊技球が通過したことがゲートスイッチ61(図2参照)で検出されると、普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31(図2参照)に搭載されるRAM55(図2参照)の普通図柄バッファに格納される。この実施形態では、RAM55(図2参照)の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態(前回の普通図柄表示器12における変動表示の終了)であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。
普通図柄表示器12の上方には、普通図柄バッファに格納される普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器13が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器13は、ゲート28a、28bを遊技球が通過したことがゲートスイッチ61で検出されて新たに普通図柄当り判定用乱数が記憶されると、点灯するLEDを1つ増やし、また普通図柄表示器12にて普通図柄(例えば、「○」及び「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
普通図柄表示器12にて、「○」と「×」の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行われ、変動表示は所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に「○」の付された左側のランプが点灯すれば当りとなる。普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当りである場合には、可変入賞装置15が所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ1.4秒)だけ開放状態になる。なお、時短状態における可変入賞装置15の開放態様は、所定期間(例えば2.9秒)の開放状態を複数回(例えば、3回)繰り返すものなどでもよい。
普通図柄の変動表示の結果を当りとするか否かは、ゲート28a、28bを遊技球が通過し、ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された普通図柄当り判定用乱数の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。この当り確率は、時短状態では非常に高い(例えば、35/36)が、時短状態でなければ低い(例えば、1/36)ものとなっている。時短状態は、このように可変入賞装置15が開放状態にある割合が非常に多いので、遊技者の手持ちの遊技球を減少させずに(或いは、減少したとしても減少量はごく僅かで)、遊技を進められる状態となっている。
また、ゲート28aの左方及び下方、並びにゲート28bの下方及び右方には、それぞれ入賞口29a〜29dが設けられている。入賞口29a〜29dに遊技球が入賞したことが入賞口スイッチ64a(図2参照)で検出されると、所定数の遊技球が払い出される。遊技球の払い出しは、始動入賞口14a、14b、大入賞口21への遊技球の入賞によっても行われるが、ゲート28a、28bを遊技球が通過しても行われない。
遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口30が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41及び枠ランプ右42が設けられている。
また、図1には示していないが、パチンコ遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45(図2参照)が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。第1始動入賞口14a、第2始動入賞口14b、大入賞口21、入賞口29a〜29dのいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口30から排出されるものとなっている。
なお、遊技領域7において、可変表示装置9の左側に位置する領域は左領域と呼ばれ、可変表示装置9の右側に位置する領域は右領域と呼ばれる。パチンコ遊技機には、遊技者の操作により、第1の操作態様で発射された遊技球を左領域に流下させ、遊技状態に応じて、例えば第1の操作態様よりも打球操作ハンドル5の回動操作量が大きい第2の操作態様で遊技球を発射させ、この発射させた遊技球を右領域に流下させる仕様のものがある。本実施形態のパチンコ遊技機1は、上記のように遊技球の発射に係る操作態様を変化させるものではないが、遊技機の仕様によっては、上記のように遊技球の発射に係る操作態様を変化させる必要のあるものもある。
図2は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、遊技制御用のプログラムなどを記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、及び表示制御基板80などに制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。
この実施形態では、ROM54、RAM55、CPU56及びI/Oポート部57を含む基本回路53は、1チップマイクロコンピュータとして構成されているが、この基本回路53を構成する1チップマイクロコンピュータには、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間にもバックアップバッテリから電力が供給されている。すなわち、RAM55に記憶されているデータは、バックアップバッテリから電力が供給される限りにおいて、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間も保持される。
なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、などの周辺回路のことである。
また、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63、入賞口スイッチ64、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、可変入賞装置15を開閉するソレノイド71、特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、などを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報などの情報出力信号をホールコンピュータなどの外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
また、電源起動時において内部状態(RAM55)をリセットするリセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94も、主基板31に接続されており、これらのスイッチの検出信号を基本回路53へと送る。これらのスイッチ93、94は、パチンコ遊技機1の内部に設けられている。
また、主基板31に搭載されたCPU56は、第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bの表示制御、普通図柄表示器12、及びラウンド数表示器19の表示制御を行う。さらに、普通図柄保留記憶表示器13の発光制御を行う。
また、主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56及びROM54、RAM55などの周辺回路)は、プリペイドカードなどが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行う球払出装置44を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、などの周辺回路)は、可変表示装置9の表示制御を行う。表示制御用マイクロコンピュータには、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間にバックアップバッテリから電力が供給されず、そのRAMに記憶されたデータは、パチンコ遊技機1の電源が遮断されると消去される。
表示制御基板80における表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って可変表示装置9の表示制御を行う。具体的には例えば、画像表示を行う表示制御機能及び高速描画機能を有するVDP(図示しない)により可変表示装置9の表示制御を行う。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、敵、文字、図形または記号などを予め格納しておくためのものである。
そして、表示制御用CPUは、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、表示制御用CPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP(図示しない)が表示制御基板80に搭載されている。また、VDPは、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM(図示しない)をマッピングしている。VDPは、キャラクタ画像データに従って可変表示装置9に表示するための画像データを生成し、VRAMに展開する。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、VDPは生成した画像データを可変表示装置9に出力する。なお、可変表示装置9の表示制御には、特別図柄の変動表示、大当り演出、保留記憶のアイコン表示などが含まれる。
また、表示制御基板80には、スイッチ回路(図示しない)を介してチャンスボタン16が接続されており、チャンスボタン16の操作によって内容が変化される演出を可変表示装置9において実行しているときには、チャンスボタン16の操作を検出した検出信号に基づいて、可変表示装置9における画像の表示を制御するものとしている。
また、この実施形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータは、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することによりスピーカ27の音声出力制御を行うとともに、ランプドライバ基板35に役物、ランプ・LEDの駆動信号を出力することによりパチンコ遊技機1に設けられた役物、ランプ・LEDの発光制御を行う。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される可変表示装置9の表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生などの演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)に基づいて可変表示装置9、スピーカ27、パチンコ遊技機1に設けられるランプ・LEDなどの発光体の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータである。なお、図2に示すソレノイド51は、役物を駆動させるためのソレノイドである。
スピーカ27から出力される音声の再生の処理そのものは、音声出力基板70に搭載された音声制御用マイクロコンピュータ(CPU、RAM、ROMを含む)が行い、ランプ・LEDの点灯制御の処理そのものは、ランプドライバ基板35に搭載されたランプ制御用マイクロコンピュータ(CPU、RAM、ROMを含む)が行うものとなっている。もっとも、これらのマイクロコンピュータは、表示制御基板80の表示制御用CPUから指示されたままに音声の再生出力やランプ・LEDの点灯を単純に行うのみであり、どの様な音声を再生出力させるか、或いはランプ・LEDをどの様に点灯させるかは、表示制御基板80の表示制御用CPUが制御していると言える。
また、表示制御基板80には、現在時刻を出力するリアルタイムクロック(RTC)82から現在の日付(年、月、日、曜日)を示す日付信号や現在の時刻(時、分、秒)を示す時刻信号が入力され、表示制御基板80は、現在の日時に基づいて各種処理を実行することが可能となっている。リアルタイムクロック82は、通常、遊技機に電源が供給されているときには遊技機からの電源によって動作し、遊技機の電源が切られているときには、例えばランプドライバ基板35に搭載されたバックアップ電源回路(例えば、バッテリ)から供給される電源によって動作する。したがって、リアルタイムクロック82は、パチンコ遊技機1の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。
以下、本実施形態にかかるパチンコ遊技機1における第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bにおける特別図柄の変動表示、及び可変表示装置9における飾り図柄の変動表示について説明する。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否か、大当たりとする場合にはいずれの種類(種別)の大当たりとするか、さらには特別図柄の変動パターンをいずれとするかは、始動入賞時に抽出される各種乱数に基づいて、第1特別図柄表示器10a、第2特別図柄表示器10bにおける特別図柄の変動表示の始動条件が成立したときに決定される。
まず、大当たりの決定について説明する。図3(a)は、ROM54に記憶されている大当たり判定用テーブルを示す図である。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否かは、図3(a)の大当たり判定用テーブルと、始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり判定用乱数(ランダムR:0〜65535)の値とに基づいて決定される。通常時(非確変時)においては、大当たり判定用乱数の値が1000〜1059、13320〜13477であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。一方、確変時においては、大当たり判定用乱数の値が1020〜1519、13320〜15004であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。
大当たり種別の決定について説明する。図3(b)及び図3(c)は、ROM54に記憶されている大当たり種別判定用テーブルを示す図である。ここで、図3(b)は、第2特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行う場合に大当たり種別を決定するための大当たり種別判定用テーブルであり、図3(c)は、第1特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う場合に大当たり種別を決定するための大当たり種別判定用テーブルである。
第2特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行う場合に、大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合は、さらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数(ランダムQ:0〜9)の値が0、3、5または7であれば確変大当り(以下、大当り1(上述した第1大当り遊技状態とする大当りであり、15ラウンド・確変の大当り))と決定し、1であれば非確変大当り(大当り2(上述した第2大当り遊技状態とする大当りであり、15ラウンド・非確変の大当り))と決定し、2、4、6または8であれば確変大当り(大当り3(上述した第3大当り遊技状態とする大当りであり、7ラウンド・確変の大当り))と決定し、9であれば非確変大当り(大当り4(上述した第4大当り遊技状態とする大当りであり、7ラウンド・非確変の大当り))と決定する。
一方、第1特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う場合には、大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合、ささらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数(ランダムQ:0〜9)の値が0、3、5または7であれば確変大当り(大当り1)と決定し、1であれば非確変大当り(大当り2)と決定し、2、4、6または8であれば確変大当り(大当り3)と決定し、9であれば非確変大当り(大当り4)と決定する。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bに対応する大当り種別判定用テーブルが同じものであるが、各テーブルにおいて、ランダムQに対応する大当り種別を変更し、確変となる割合を変えてもよい。
次に、特別図柄の変動パターンの決定について説明する。特別図柄の変動パターンは、開始条件(より先の始動入賞に基づく変動表示が全て終了する(している)ことにより成立)が成立したときに、特別図柄の変動表示の結果(大当たりとするか否か、大当たりとする場合は大当たりの種別)に応じて決定されるものとなる。また、変動パターンを決定する場合、まず始動入賞時に抽出された乱数のうちの変動種別判定用乱数の値に基づいて変動パターンの種別を決定し、さらに始動入賞時に抽出された変動パターン判定用乱数の値に基づいて変動パターンを決定するものとなる。
変動パターンの種別には、ハズレとすることが決定された場合には、例えば、非リーチハズレ、ノーマルリーチ、スーパーリーチの3種類があるようにしてもよい。上記大当り1〜4とすることが決定された場合には、例えば、ノーマルリーチ、スーパーリーチの2種類があるようにしてもよい。
ここで、ノーマルリーチ、スーパーリーチは、何れも変動表示の過程において1番目、2番目にそれぞれ停止される左と右の飾り図柄が同一の種類の図柄で揃うリーチ表示態様が出現するパターンであるが、ノーマルリーチは、中の飾り図柄の変動表示の態様がハズレの場合と異ならない(最終的に停止される図柄は異なる)変動パターンであり、変動表示の開始から終了までに要する時間が非リーチハズレと比べて通常の場合には変わりがないものである。
一方、スーパーリーチは、リーチ表示態様が出現した後、最後に停止される中の飾り図柄の変動表示が通常とは異なる態様となるリーチ演出表示が行われる変動パターンとなっており、変動表示に要する時間が非リーチハズレやノーマルリーチと比べると、かなり長くなるものである。
また、保留記憶の数が3以上となったときには、選択された変動パターンの本来の変動表示時間よりも特別図柄及び飾り図柄の変動表示が実行される時間が短縮される(4となったときには、3となったときよりも一層短縮される)。非リーチハズレとノーマルリーチでは、通常の場合に変動表示が実行される時間に変わりがないものの、ノーマルリーチでは一旦リーチ表示態様を出現させてから表示結果を導出させるという過程を経ることになるため、短縮された変動時間については、このような過程を経ないでよい非リーチハズレよりもノーマルリーチハズレの方が長くなる。また、スーパーリーチの変動パターンでは、中の飾り図柄における演出表示が(全部または一部)省略されて飾り図柄の変動表示の結果が表示されることがある。
変動パターンの種別の選択割合は、当該変動表示の開始条件が成立した時点における保留記憶の数に応じて異なっていてもよい。もっとも、少なくともスーパーリーチの種別を選択する割合は、開始条件が成立した時点での保留記憶の数に関わらずに同じであり、変動パターンの種別がスーパーリーチとなることは、始動入賞時に抽出された各種乱数の値によって既に定まっている。
変動パターンの種別が決定されると、そこからより細かく変動パターンが決定される。ここで、変動パターンの種別が非リーチハズレ、大当り1〜4でノーマルリーチの場合に選択される変動パターンは、例えばそれぞれ1種類だけとしてもよい。また、変動パターンの種別がノーマルリーチハズレの場合に選択される変動パターンには、飾り図柄のすべりコマ数が異なる複数の変動パターン(1コマ前、1コマ後、2コマ後)などがあるようにしてもよい。
また、スーパーリーチの場合に選択される変動パターンには、大当り1〜4となるときにも出現し得るが、全体としての出現率は非常に小さいレアリーチと、大当り1〜4となるときのみに出現し得るプレミアリーチとを用意してもよい。なお、ここで説明した変動パターン種別の決定、及び変動パターンの決定は一例であり、他の態様であっても構わない。例えば、上記大当り1〜4とすることが決定された場合に、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、擬似連の3種類があるようにしてもよい。疑似連は、特別図柄の変動表示に応じて可変表示装置9で飾り図柄が変動表示されるが、1回分の特別図柄の変動表示(すなわち、1回の始動入賞)に対して、飾り図柄表示領域9a〜9cの全てにおいて飾り図柄の変動表示を仮停止(図柄の更新を停止しているが確定はしていない状態であって、揺り動かすなどの状態としていてもよい)させた後に、全ての飾り図柄を再度変動表示させる再変動表示を1回または複数回実行する飾り図柄の変動パターンを指す。
第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bにおける特別図柄の変動表示の開始条件は、当該変動表示を行わせることとなる始動入賞よりも先の始動入賞に基づく全ての変動表示が終了していることによって成立する(但し、大当たり遊技状態に制御されたときには、その終了によって成立する)。従って、保留記憶が全くない状態で始動入賞した場合には、当該始動入賞によって直ちに特別図柄の変動表示の開始条件が成立することとなる。
これに対して、未だ先の始動入賞に基づく変動表示が終了していないときの始動入賞(特定始動入賞とする)によって保留記憶がされていた場合には、特定始動入賞よりも1つだけ先の始動入賞(先始動入賞とする)に基づく特別図柄の変動表示が終了したときに、特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の開始条件が成立する。このとき、先始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の終了後に、遅滞なく特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることとなる。
前述したとおり、第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bにおいて特別図柄が変動表示されるときにおいては、可変表示装置9において飾り図柄が変動表示される。第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bにおける特別図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるものとなるが、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるのではなく、開始条件の成立から一定の遅延時間(インターバル期間)を経過してから開始されるものとなっている。なお、特別図柄の変動表示は、開始条件が成立してから選択された変動パターンに応じて定められた変動表示時間を経過するまで実行されることとなる。
上記したように、第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10bに、第1特定表示結果、第2特定表示結果、第3特定表示結果、または第4特定表示結果が導出されると、すなわち複数種類の大当りうちのいずれかの大当りが発生すると、上記結果に対応する大当たり遊技状態に制御されるが、この大当りを発生させることとなる始動入賞が発生しても、そのときには先の始動入賞に基づいて特別図柄の(飾り図柄も)変動表示が行われていることもある。この場合は、始動入賞に基づいて変動表示を行う権利(始動入賞時に抽出された各種乱数)が保留記憶されるが、保留記憶されている旨が特別図柄保留記憶表示部11a、11bに表示されて、遊技者に報知されるものとなる。
この特別図柄保留記憶表示部11a、11bへのアイコンの表示、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示や大当たり演出は、表示制御基板80の表示制御用CPUにより実行されるものとなっている。もっとも、これらのアイコンの表示や各種演出は、遊技の進行状況に沿って行われるものとなるため、上記各種の決定を含む主基板31のCPU56による遊技の進行状況に応じて、CPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへ制御信号が送信されるものとなっている。
すなわち、第1始動入賞口14aまたは第2始動入賞口14bに遊技球が入賞したときに、このときに抽出された大当たり判定用乱数により大当たりとなるか否か(さらに、大当たり種別乱数により決定される大当たりの種別を含んでいてもよい)、及び変動種別判定用乱数の値により選択される変動パターンの種別、並びに遊技球が入賞した始動入賞口の種類と該始動入賞後の保留記憶数と対応付けた始動入賞コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
また、第1特別図柄表示器10aまたは第2特別図柄表示器10bにて特別図柄の変動表示を開始させるときに、これを開始させた始動入賞と、この変動表示において大当たりとするか否か及び大当たり種別と、決定された変動パターンと、を示す開始時コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。また、遊技状態が変化したときに、変化した後の遊技状態を示す遊技状態コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
また、第1特別図柄表示器10aまたは第2特別図柄表示器10bに第1特定表示結果〜第4特定表示結果が導出されて、大当たり遊技状態に制御されたときには、各ラウンドが開始される度に当該ラウンド数を示す大当たりラウンドコマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。各ラウンドが終了したときにも、ラウンドの終了を示すラウンド終了コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
さらに、パチンコ遊技機1の電源を立ち上げたときには、前回の電源遮断時のデータがクリアされずにRAM55に記憶されていれば該電源遮断時の状態(第1始動入賞口14a、第2始動入賞口14bの保留記憶がある場合もあり)から、RAM55がクリアされていれば初期状態(第1始動入賞口14a、第2始動入賞口14bの何れの保留記憶の数も0)から、遊技の進行を開始させることとなるが、このときに、第1始動入賞口14a、第2始動入賞口14bの保留記憶数と遊技状態とを特定可能な情報を含む起動時コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
以下、パチンコ遊技機1において遊技の進行のために行われる処理について説明する。まず、電源起動時の処理について説明する。リセットスイッチ93をON状態とした状態でメインスイッチ94をON状態としてパチンコ遊技機1を起動すると、RAM55の格納領域のうち使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する。ここで、RAM55が初期化されたときには、確変状態にも時短状態にも制御されていない遊技状態となる。そして、遊技を進行させるための処理を開始させることができる。
一方、リセットスイッチ93をOFF状態でメインスイッチ94をON状態としてパチンコ遊技機1を起動した場合は、RAM55のデータが壊れているかどうかを診断し、RAM55のデータが壊れていなかった場合、すなわち前回のパチンコ遊技機1の電源をOFFしたときのデータが正常なままで残っている場合には、RAM55に記憶されているデータはそのままとして、前回にパチンコ遊技機1の電源をOFFしたときの状態から、遊技を進行させるための処理を開始させることができる。
パチンコ遊技機1において遊技を進行させるための処理は、主基板31側で2ms毎に実行されるタイマ割り込みに従って実行される。なお、打球操作ハンドル5の操作に基づく遊技領域7への遊技球の発射は、2ms毎のタイマ割り込み処理とは独立して行われるものとなっている。
図4は、CPU56が実行するメイン処理にて2ms毎に実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS21)を行った後、ステップS22〜S36の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63、クリアスイッチ(図示せず)、などのスイッチの検出信号を入力し、それらの状態を判定するスイッチ処理を行う(ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数、大当り種別判定用乱数などの各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、更に、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理(ステップS24)及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS25)。
更に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器10a及び第2特別図柄表示器10b、可変表示装置9、特別可変入賞装置20などを所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。なお、特別図柄プロセス処理の詳細については後述する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞装置15の開閉制御が実行される。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理でRAM55の所定領域に設定された、可変表示装置9などにおいて各種演出を行うためのコマンドを表示制御基板80に送出する特別図柄コマンド制御処理を行う(ステップS28)。また、普通図柄プロセス処理でRAM55の所定の領域に設定された普通図柄に関するコマンドを送出する普通図柄コマンド制御処理を行う(ステップS29)。
更に、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確変情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63などの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63などの何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS32)。記憶処理においては、始動口スイッチ62a、62bの検出信号に基づいて大当り判定用乱数などの各種乱数を抽出し、抽出した乱数の値を始動口スイッチ62a、62bごとに保留記憶させる。また、抽出した各種乱数の値などを示すコマンドを送出する処理も行う。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。更に、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行う(ステップS34)。可変入賞装置15、特別可変入賞装置20を開放状態または閉鎖状態としたり、大入賞口21内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜73を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS35)、割込許可状態に設定する(ステップS36)。
次に図5は、本実施形態に係る特別図柄プロセス処理を示した図である。特別図柄プロセス処理では、CPU56は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S101)。始動入賞判定処理を開始すると、CPU56は、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口14aまたは第2始動入賞口14bに遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ62a,62bがオンしているかどうか、すなわち遊技球が第1始動入賞口14aまたは第2始動入賞口14bに入賞する始動入賞が発生しているかどうかを判定し、始動入賞が発生していたら始動口スイッチ通過処理を行う。始動口スイッチ通過処理では、大当り判定用乱数、大当り種別判定用乱数、変動種別判定用乱数、及び変動パターン判定用乱数を抽出して第1始動入賞口14aまたは第2始動入賞口14bの各々に対応する保留記憶バッファに記憶させる(但し、保留記憶バッファが満杯のときは、抽出した乱数を破棄する)とともに、抽出した乱数の値と遊技球が入賞した始動入賞口の種類を始動入賞毎の識別情報と対応付けたコマンドを表示制御基板80へと送信する。
その後、特別図柄プロセスフラグの状態(特別図柄プロセスフラグ)に応じて、次に説明する特別図柄通常処理、変動パターン設定処理、特別図柄変動処理、特別図柄停止処理、大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理の何れかの処理を選択して行う。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”の時に実行される。この特別図柄通常処理では、CPU56は、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認し、保留データの有無などに基づいて、特図ゲームを開始するか否の判定を行う。また、特別図柄通常処理では、大当り判定用乱数の値に基づいて大当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)を、その可変表示結果が導出される以前に決定(事前決定)する。大当りとする場合には、大当り種別判定用乱数の値に基づいて大当たりの種別も決定する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示器10a又は第2特別図柄表示器10bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。そして特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。なお、特別図柄通常処理についての詳細は、後述する。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理では、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果、始動入賞時に抽出した変動種別判定用乱数の値、及び保留記憶の数などに基づき、第1特別図柄表示器10aまたは第2特別図柄表示器10bにおける特別図柄の変動パターン種別を決定する。そして、変動パターン設定処理では、決定した変動パターンの種別と始動入賞発生時に抽出した変動パターン判定用乱数の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中からいずれかの変動パターンを決定する処理を行う。そして、変動パターン設定処理では、決定された変動パターンと時短状態に制御されているか否かに基づいて、特別図柄の変動時間(可変表示時間)を特別図柄プロセスタイマ(ダウンタイマにより構成される)にセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、第1特別図柄表示器10aまたは第2特別図柄表示器10bに特別図柄の変動表示開始を指示する信号を出力するとともに、選択した変動パターンを示すコマンドと大当たりとするか否か及び大当たり種別を示すコマンドとを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理では、変動パターン設定処理で選択された変動パターンに応じて変動時間のセットされた特別図柄プロセスタイマの計時時間を監視し、当該変動時間が経過して特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、次に特別図柄停止処理に移行させるよう制御を行う。特別図柄変動処理では、特別図柄プロセスタイマの計時時間を監視し、当該変動時間が経過して特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときに、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理では、第1特別図柄表示器10aまたは第2特別図柄表示器10bにて変動表示する特別図柄の変動表示を停止するとともに、時短状態に制御されているときには、時短状態での変動表示が実行された回数をカウントし、本実施形態では70回となっていたならば時短状態を終了させる。また、この特別図柄停止処理では、図柄の停止を示すコマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する。そして、特別図柄停止処理では、大当りフラグがオンとなっている場合には、特図プロセスフラグが“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理では、大当り後に最初にこの処理が行われるときには大入賞口21のラウンド数を設定し、ラウンド数表示器19にラウンド数を表示させた後、大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド72を駆動して大入賞口21を開放状態として特別可変入賞装置20を開放状態とする。また、大入賞口21の開放されたラウンド数をカウントするとともに、開放タイマによって大当り開放中処理の実行時間を設定する。そして、大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。大当り開放中処理では、大当たり遊技状態中のラウンド表示のためのコマンド(ラウンドの開始時におけるラウンド数を示すコマンド、及び各ラウンドの終了を示すコマンド)を、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する処理や、大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理などを行う。そして、大当り開放中処理では、大入賞口21の閉成条件が成立したときに、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。大当り開放後処理では、大入賞口21を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数(本実施形態では、15回または7回)に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などを実行する。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としての、例えばエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。また、この大当り終了処理では、大当たり遊技状態が終了したことを示すコマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する。
次に、上記特別図柄通常処理について図6を用いて詳述する。図6に示す特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器10bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM55に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS2
31;No)、RAM55内に設定される第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、大当り判定用乱数の値(乱数値)、大当り種別判定用乱数の値(乱数値)、及び変動種別判定用乱数の値(乱数値)をそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、RAM55内に設定される第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM55内に設定される合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器10aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM55に記憶されている第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS2
35;No)、RAM55内に設定される第1特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、大当り判定用乱数の値(乱数値)、大当り種別判定用乱数(乱数値)、及び変動種別判定用乱数の値(乱数値)をそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、RAM55内に設定される第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、RAM55内に設定される遊技制御カウンタ設定部にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS239)。ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブル(図3(a)に示したテーブルのこと)を選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、確変制御が行われる確変状態であるか否かなどに応じて、特図表示結果決定用の乱数値(大当り判定用乱数の値)と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられている。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定する。
その後、ステップS239にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM55の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。
ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブル(図3(b),(c)に示したテーブルのこと)を選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図指定バッファ値などに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられている。CPU56は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定する。
ここで、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには、第1特別図柄表示器10aによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第1特図となる。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには、第2特別図柄表示器10bによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第2特図となる。ステップS242では、変動特図指定バッファ値の値に応じて、対応する大当り種別決定テーブルが選択され、大当り種別が判定されることになる。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶する(ステップS243)。ステップS243の処理では、例えばRAM55に設けられた大当り種別バッファといった所定領域に、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することで、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図5に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行され、変動パターンなどが決定される。
また、ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば可変表示装置9において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板31から表示制御基板80側に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
次に、図7は、大当り終了処理として、図5のステップS117にて実行される処理を示すフローチャートである。以下では、図7を用いて、大当り終了処理について詳述する。
図7に示す大当り終了処理において、CPU56は、まず、大当り終了前時間が経過したか否かを判定する(ステップS361)。このとき、大当り終了前時間が経過していなければ(ステップS361;No)、大当り終了処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り終了処理が再び実行され、大当り終了前時間が経過するまで待機する。
ステップS361にて大当り終了前時間が経過した場合には(ステップS361;Yes)、時短制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を時短状態とするための設定を行う(ステップS362)。一例として、ステップS361の処理では、時短フラグをオン状態にセットすることに加え、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(本実施形態では「70」)を、時短回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS363)。
ステップS363にて確変確定フラグがオンであるときには(ステップS363;Yes)、確変制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS364)。一例として、ステップS364の処理では、確変フラグをオン状態にセットすることに加え、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(本実施形態では、「無制限」)を、確変回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS365)。
ステップS363にて確変確定フラグがオフであるときや(ステップS363;No)、ステップS365の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS366)、大当り終了処理を終了する。特図プロセスフラグが“0”に初期化されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
次に、表示制御基板80の表示制御用CPUが実行するメイン処理を図8を用いて説明する。表示制御基板80などのサブ側の各種基板においては、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて可変表示装置9において飾り図柄を変動表示させる処理、或いは大当たり遊技状態に制御されているときに大当たり演出を実行する処理を行う。
このメイン処理では、まず、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータに含まれるRAMのうちで必要な領域を初期化する初期化処理を行う(ステップS701)。次に、所定時間(例えば33ms(可変表示装置9の1フレーム期間))毎に実行されるタイマ割り込み処理によってセットされるタイマ割り込みフラグの状態が1となっているかどうかを判定し(ステップS702)、タイマ割り込みフラグの状態が1となるまでステップS702の処理を繰り返して行う。
タイマ割り込みフラグの状態が1となっている後、まず、このタイマ割り込みフラグを0にクリアし(ステップS703)、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドを受信したかどうかをチェックし、コマンドを受信している場合には、その内容を解析するコマンド解析処理を実行する(ステップS704)。
次に、コマンド解析処理におけるコマンドの解析結果に基づいて、可変表示装置9において飾り図柄を変動表示させたり、大当たり演出を実行させたりする演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。また、コマンドの解析結果に基づいて、飾り図柄の変動表示や大当たり演出以外の各種演出(リーチ予告など)を実行させる予告制御プロセス処理を実行する(ステップS706)。さらに、予告態様判定用乱数などの乱数を更新する乱数更新処理を実行して(ステップS707)、ステップS702の処理に戻る。
ここで、本実施形態に係るパチンコ遊技機1において、表示制御基板80の表示制御用CPUにより実行される演出の制御について具体的に説明する。まず、表示制御基板80の表示制御用CPUが、開始時コマンド(ここでは、飾り図柄の開始命令)を受信した場合の、飾り図柄の可変表示について説明すると、この場合は、後に説明するように飾り図柄の種類を選択し、開始時コマンドが示す変動パターンで飾り図柄を可変表示装置9において変動表示させた後、選択した種類の飾り図柄を可変表示装置9に表示して、変動表示の結果を示す。
変動表示の結果として表示される飾り図柄の選択について説明すると、前述したように、飾り図柄の変動表示において具体的に表示される飾り図柄の種類は、主基板31のCPU56によって行われた大当たりの決定、大当たり種別の決定、変動パターンの決定に従うことを条件として、表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとなっている。本実施形態では、図3(b),(c)で例示したように、確変の大当り1が決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、3つとも「0」、「3」、「5」または「7」の同じ図柄となり、確変の大当り3が決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、3つとも「2」、「4」、「6」または「8」の同じ図柄となる。
一方で、本実施形態では、通常(時短)の大当り2が決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、3つとも「1」の同じ図柄となり、通常(時短)の大当り4が決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、3つとも「9」の同じ図柄となる。
次に、大当たり演出について説明する。大当たり演出は、大当たり遊技状態において実行される演出であるが、大当たり遊技状態では、前述したように、大入賞口21を開放状態とするラウンドが15ラウンド又は7ラウンド提供される。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、特定演出実行条件が成立しているか否かによって、可変表示装置9に、ノーマル演出画像またはスペシャル演出画像のいずれかが表示される。特定演出実行条件は、詳細は後述するが、その条件が成立している場合に、大当り遊技状態のラウンド遊技中にスペシャル演出画像を表示させることを決定する条件である。
ここで、図9には、大当たり遊技状態のラウンド遊技中に可変表示装置9に表示されるノーマル演出画像900(図中の「ノーマル演出」と記載した部位には所定の演出画像が表示される)が示され、図10には、大当たり遊技状態のラウンド遊技中に可変表示装置9に表示される特定演出としてのスペシャル演出画像1000(図中の「スペシャル演出」と記載した部位には、上記所定の演出画像と異なる特定の演出画像が表示される)が示されている。
ノーマル演出画像900は、特定演出実行条件が達成されていない場合のラウンド遊技中に表示され、この例では、ノーマル演出画像900が初当りで大当り遊技状態に移行された場合のものが示されている。また、スペシャル演出画像1000は、上記特定演出実行条件が達成された場合に、ラウンド遊技中に表示されるものである。なお、この実施形態では、ノーマル演出画像900及びスペシャル演出画像1000がラウンド開始時からラウンド終了時にかけて種々態様を変えながら表示されるものとする。
本実施形態において特定演出実行条件は、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されてから大当り遊技状態の終了後に確変状態も終了するまでの期間中に達成されるために、大当り遊技状態に制御された回数が少なくとも複数回必要となる条件であり、その達成のための期待値として、前記期間中に大当り遊技状態に制御された回数が所定回数に演算される条件である。
言い換えれば、特定遊技演出実行条件は、確変大当り遊技状態→確変状態→確変大当り遊技状態→確変状態・・・といった確変状態が継続している限りの連チャン中において、大当り遊技状態に制御された回数が少なくとも複数回必要で、かつその複数回の大当り遊技状態の組み合わせが、さらに所定の条件を充足することで成立する条件であり、当該所定の条件の達成の期待値として演算される、大当り遊技状態に制御される回数が所定回数とされるものである。
具体的に本実施形態において、複数回の大当り遊技状態の組合せが所定の条件を満たす場合とは、大当り遊技状態の種類によって割り振られたポイントを、大当り遊技状態に制御される度に累積していき、このポイントの累積値が、所定のポイント以上になった場合をいう。
さらに詳しくは、本実施形態では、確変か時短か否か、及びラウンド数に応じてポイントが定まっており、例えば、図12(a)は、大当りの種別によって割り当てられたポイントを示すポイントテーブルの一例を示している。図12(a)に示すように、この例では、7ラウンド・確変の大当り3及び7ラウンド・非確変の第4大当りでは、ポイントが「1」に設定され、15ラウンド・確変の大当り1及び15ラウンド・非確変の大当り2では、ポイントが「2」に設定されている。
本実施形態では、連チャン中の大当り遊技状態に制御される度にポイントテーブルに従ってポイントが累積され、ポイントの累積値が、一例として20ポイント以上となったときに、特定演出実行条件が達成されるようになっている。したがって、特定演出実行条件が達成されるためには、少なくとも複数回(最低10回)大当り遊技状態に制御されることが必要で、かつその複数回の大当り遊技状態で累積したポイントが、さらに20ポイント以上となっていなければ充足されないものとなっている。
ここで、確変大当り遊技状態(7ラウンド・確変の大当り3または15ラウンド・確変の大当り1)で複数回連チャンしている場合を想定すると、大当り3または大当り1となる確率は同一の割合(図3参照)のため、それぞれ確率は50%である。
この場合、1回の大当り単位で得られるポイントの平均獲得数は、1(ポイント)×1/2+2(ポイント)×1/2=1.5ポイントとなる。本実施形態では、達成のための必要ポイント20を、1.5ポイントで除した値を、「期待値」の一例として演算するようにしている。この場合、この期待値は、13.33・・回と演算される。すなわち、上述した条件であれば、最短であれば、10回、最長であれば20回の大当りが必要となる場合もあるが、13〜14回の確変での連チャンで20ポイントを平均的に取得して、特定演出実行条件を達成できると演算される。
なお、本実施形態では、確変でない時短大当りとなる確率は20%あるため、上記の期待値は、必ず確変大当りに当選したとうい条件付の演算であり、厳密なものではなく、説明便宜のため上記のように簡易に説明したに過ぎない。すなわち、上記のような演算は一例であり、他の演算方法で上記のような期待値を演算しても構わない。
そして、図9及び図10に示すように、本実施形態において、ラウンド遊技中に表示される演出画像(ノーマル演出画像900及びスペシャル演出画像1000)には、特定演出実行条件の達成度を段階的に進行させていることを表示するものとして、「START」から「目標地点」までに複数個のマスが介在する経路画像901が表示される。
この経路画像901では、大当り遊技状態に制御される度に、キャラクタ画像902が「目標地点」に近づくように表示される。この例では、「○」に1マスが設定され、「EV1〜EV4」にはそれぞれ2マスが設定され、「START」から「目標地点」までに19個のマスが介在している。すなわち、「目標地点」に到達するには、20マス以上の進行が必要となり、このマスの数は、特定演出実行条件の達成に必要となるポイント数である20ポイントに対応している。
そして、本実施形態では、確変での連チャン中の大当り遊技状態の度にポイントが付与され、1ポイントあたりキャラクタ画像902が「目標地点」に向けて1マス進むようになっており(図11参照)、経路画像901及びキャラクタ画像902によって、特定演出実行条件の達成度が報知されるようになっている。図9において、実線で示されるキャラクタ画像902は、7ラウンド・確変の大当り3に初当りで当選した場合となっている。このような経路画像901では、初当り終了後の確変状態から、確変大当り遊技状態に制御され、確変状態に継続している限りにおいて複数回の大当り遊技状態に制御される度に、ポイントが累積していき、これに対応してキャラクタ画像902が「目標地点」に向けて進行していく。そして、20ポイントが取得されたときに、特定演出実行条件が成立し、キャラクタ画像902が「目標地点」に到達した画像とともに、図10に示すスペシャル演出画像1000が表示されることになる。
経路画像901では、「START」から「目標地点」までに、2マスが設定されるEV1〜EV4の表示が含まれるが、このような表示(以下、EV表示という)部位に、キャラクタ画像902が到達したときには、それぞれ「○」のところとは異なる表示をしてもよい。例えば、EV表示では、キャラクタ画像902が、敵キャラクタと対決するような演出画像を可変表示装置9上にしてもよく、段階毎に異なる敵キャラクタを表示して、連続する演出(ストーリー性を持った演出)を行うようにしてもよい。
また、図10に示すように、キャラクタ画像902がマスを通過した後は、通過後のマスと、未到達のマスとの表示態様を代えてもよい。具体的には例えば、図10に示すように通過した後は、マスが暗くなるように表示したりすることで、特定演出実行条件の達成段階を遊技者にとって分かり易くするようにしてもよい。
ここで、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、計時手段であるリアルタイムクロック82が計時した時間が特定時間に達した場合に、特定演出実行条件の成立を容易にするようにしており、詳しくは、リアルタイムクロック82が計時した時間が特定時間に達した場合に、リアルタイムクロック82が計時した時間が特定時間に達していないときよりも、特定演出実行条件が達成されるための、上記「期待値」を小さくすることで、特定演出実行条件が成立し易くするようにしている。また、図9及び図10には、「NEXTZONE」なる表示を示したが、特定演出が実行された後は、この「NEXTZONE」に進入するような表示を行い、新たな演出画像を表示するようにしてもよい。
具体的に本実施形態では、大当り遊技状態に制御される度に取得されるポイントを、特定時間の経過後に、特定時間経過前の場合よりも大きくすることで、期待値を小さくすることを図っている。
詳しくは、上述した図12(a)におけるポイントテーブル(以下、ポイントテーブルA)は、計時手段であるリアルタイムクロック82が計時した時間が特定時間に達しておらず、特定演出実行条件の成立を通常のものとする場合に用いられる場合のものであり、特定演出実行条件を容易化する場合には、図12(b)に示されるポイントテーブル(以下、ポイントテーブルB)を使用する。つまり、計時手段であるリアルタイムクロック82が計時した時間が特定時間に達し、特定演出実行条件の成立を容易にする場合には、ポイントテーブルBを用いる。
図12(b)に示すポイントテーブルBでは、7ラウンド・確変の大当り3及び7ラウンド・非確変の第4大当りでは、ポイントを「2」取得できるようにし、15ラウンド・確変の大当り1及び15ラウンド・非確変の大当り2では、ポイントを「4」に取得でいるようにしている。
この場合、上述と同じように、確変大当り遊技状態(7ラウンド・確変の大当り3または15ラウンド・確変の大当り1)で複数回連チャンしている場合を想定すると、1回の大当り単位で得られるポイントの平均獲得数は、2(ポイント)×1/2+4(ポイント)×1/2=3ポイントとなる。このため、達成のための必要ポイント20を、3ポイントで除すことで期待値は、6.66・・回と演算される。
したがって、特定時間に達したときの期待値が、達していないときに比べて下がるので、特定演出実行条件の成立が容易となる。なお、図9において二点鎖線で示すキャラクタ画像902の位置は、特定時間経過後に初当りで、7ラウンド・確変の大当り3に当選した場合のものである。このように、特定演出実行条件の容易化がなされると、この例では、容易化前に比べて、早期に条件が達成されることが期待できる。
ちなみに、図12に示したポイントテーブルA及びポイントテーブルBは、表示制御基板80におけるROMに記憶されている。
図13は、本実施形態において大当り遊技時におけるラウンド中に表示される演出画像を表示するために実行する、特図当り待ち処理のフローチャートの一例である。特図当り待ち処理は、演出プロセス処理中に実行される。表示制御基板80においても主基板31が実行する図5のプロセス処理と同じようなプロセス処理(ステップS705の演出制御プロセス処理)を行っており、ここで説明する特図当り待ち処理は、ラウンド開始時よりも前の大当り開放前(いわゆる、ファンファーレ中)の特図停止のタイミング(図5のステップS113の終了のタイミング)で行われる。
特図当り待ち処理は、ステップS704のコマンド解析処理において、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドに「当り開始指定コマンド」が含まれる場合に演出制御プロセス処理で実行され、まず、当該大当り演出を実行する大当りが、連チャン大当りであるか否かを判定する(ステップS1310)。
例えば、連チャン大当りであるか否かは、コマンドの中に含まれる「遊技状態指定コマンド」に基づき、遊技状態が確変であるか否かによって判定されるようにしてもよい。また、表示制御基板80におけるRAMに設けられたフラグ設定部(図示せず)に確変フラグが設定されているか否かによって判定されるようにしてもよい。ここで、本実施形態では、「遊技状態指定コマンド」の解析の結果、時短状態や通常状態である場合は、連チャン状態と判定しないようにしており、初当り扱いとするようにしている。
連チャン大当りと判定されない場合には、ステップS1311において、ポイントテーブルのクリアをする。具体的に、ステップS1311では、表示制御基板80におけるRAMに設けられたポイントテーブル記憶設定部(図示せず)に記憶されている図12に示したポイントテーブルA及びポイントテーブルBの種別をクリアする処理が行われる。
次に、ステップS1312において、「当り開始指定コマンド」を受信したときのリアルタイムクロック82が計時した時間が、特定時間を越えているか否か、すなわち、特定時間に達しているか否かを判定し、越えていない場合は、ステップS1313に進み、越えている場合は、ステップS1314に進む。特定時間は、例えば21時などの遊技場の閉店時間に近い時間に設定するのが好ましいが、任意のものであっても構わない。
そして、ステップS1313では、図12(a)で示したポイントテーブルAが参照されるとともに、次のステップS1315で当該テーブルに基づき大当りの種別に応じてポイントが設定(記憶)され、表示制御基板80におけるRAM内に設定されるポイントカウンタ(図示せず)にポイントが設定(記憶)される。
また、ステップS1314では、図12(b)で示したポイントテーブルBが参照されるとともに、次のステップS1315で当該テーブルに基づき大当りの種別に応じてポイントが決定され、RAM内に設定されるポイントカウンタにポイントが設定(記憶)される。
また、ステップS1313またはステップS1314では、RAMに設けられた上記ポイントテーブル記憶設定部に、参照したポイントテーブルAまたはポイントテーブルBの種別を設定(記憶)しておくようにする。
すなわち、本実施形態では、初当り時の時間が特定時間に達しているか否かによって、ポイントテーブルA又はポイントテーブルBが参照され、これを記憶しておくことで、初当り以降の連チャン中において、最初に参照されたポイントテーブルが継続して参照されるようになっている。
そして、ステップS1316では、ノーマル演出画像の表示設定が行われ、この場合、ステップS1315で記憶されたポイントに応じて、キャラクタ画像902の経路画像901中における位置が設定される。そして、その後、図9に示したノーマル演出画像900が表示され、経路画像901においては、キャラクタ画像902がポイントに対応した位置にて表示されることになる。
一方で、ステップS1310において、連チャンと判定された場合には、ステップS1317において、RAMに設けられたポイントテーブル記憶設定部に記憶されたポイントテーブルAまたはポイントテーブルBの種別に応じて、ポイントテーブルAまたはポイントテーブルBが参照され、大当りの種別に応じて、表示制御基板80におけるRAM内に設定されるポイントカウンタにポイントが、適宜加算されて設定(記憶)される。
そして、ステップS1318においては、ポイントカウンタに記憶されているポイントが20ポイント以上であるか否かを判定することで、特定演出実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、特定演出実行条件が成立している場合には、ステップS1319において、図10に示したスペシャル演出画像の表示設定が行われ、特定演出実行条件が成立していない場合には、ステップS1316に進み、ノーマル演出画像の表示設定が行われる。そして、ノーマル演出画像900を表示する場合には、その後、図9に示したノーマル演出画像900が表示され、経路画像901においては、キャラクタ画像902がポイントに対応した位置にて表示されることになる。
なお、ここでは、特図当り待ち処理がラウンド開始時よりも前の大当り開放前の特図停止のタイミングで行われると説明したが、この特図当り待ち処理は、特図の変動中や、特図の変動開始時に行うようにしてもよい。
以上説明した、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、計時手段であるリアルタイムクロック82が計時する時間に応じて、特定演出であるスペシャル演出画像表示の条件成立(特定演出実行条件の成立)が容易になる。このため、特定時間を越えた場合であってもスペシャル演出画像を見たい遊技者の意欲を維持することができるので、特定時間を越えた場合の遊技の興趣の低下を抑止できる。
具体的に、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特定遊技状態である大当り遊技状態に制御される度に、特定演出実行条件の達成度(ポイント)を段階的に進行(累積)させ、この達成度が所定の段階に達したときに特定演出実行条件が成立し、リアルタイムクロック82が計時した時間が特定時間に達した場合に、特定時間に達していないときよりも、大当り遊技状態に制御される度に進行させる特定演出実行条件の達成度の段階数を、図12(a)に示したポイントテーブルAから図12(b)に示したポイントテーブルBのように(初当り時を基準に)大きくすることで、期待値を小さくするようにしている。
これにより、特定時間に達した場合には達していないときよりも、特定遊技状態に制御される度に進行させる達成度の段階数を大きくして、特定時間を越えた後であっても特定演出が実行される可能性を高め、特定時間を越えた場合であってもスペシャル演出画像を見たい遊技者の意欲を維持し、興趣の低下を抑止するようにしている。
なお、本実施形態では、特定時間を、例えば21時などの遊技場の閉店時間に近い時間に設定するのが好ましいと説明したが、本実施形態のパチンコ遊技機1は、典型的には、このような閉店時間に近い時間を越えた場合の遊技の興趣の低下を抑止できるものである。その理由は以下である。
すなわち、いわゆる確変のパチンコ遊技機であって、複数回の連チャンなどの特定の条件成立の場合に特定の演出を実行するパチンコ遊技機では、初当りを引いてからその連チャンを消化するまでの時間が、本実施形態で説明した特定演出実行条件の成立と類似する関係にあり、閉店時間に近い時間であると、連チャンの消化も困難な上に、特定演出実行条件の成立も困難な状況が生じ得る。このため、確変のパチンコ遊技機では、遊技者が、閉店時間に近い時間と敬遠されがちとなる(つまり、遊技の興趣が低下してしまう)実情がある。
しかしながら、本実施形態のパチンコ遊技機1では、閉店時間に近い時間で特定演出実行条件を容易化することが可能であることで、閉店時間に近い時間であっても、特定演出(スペシャル演出画像)を遊技者が見ることができる可能性を高めることができる。このため、閉店時間に近い時間を越えた場合であっても、遊技者の遊技に対する意欲を維持させることができるので、遊技の興趣が低下してしまうのを抑止できるのである。
なお、特定演出のコンテンツによっては、パチンコ遊技機特有の映像を表示するものもあり、遊技の価値として出玉を重視するのではなく、特定演出のコンテンツを見ることを目的としている遊技者もいるため、特に、このような遊技者に対し本実施形態のパチンコ遊技機1は有益であり、このような遊技者による遅い時間の稼動を高めることができる。
また、パチンコ遊技機には、低確時(非確変時)の確率が低い機械(例えば、大当り確率1/400)や、低確時(非確変時)の確率が比較的高い機械(1/100)などがあるが、低確時の確率が低い機械は、初当りまでの時間が大きくなり易く、大当りの出玉が大きく設定されたものが多いため1回の大当りの消化時間が長くなって閉店までに連チャンを消化しきれないおそれがあり、また特定演出実行条件のような条件の成立も困難な状況が生じ得るため、閉店時間に近い時間に敬遠されがちとなる実情がある。
これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記のような低確時の確率が低い機械の遅い時間の稼動を高めるのにも効果的である。
つまり、本実施形態のパチンコ遊技機1では、閉店時間に近い時間となると特に敬遠されがちとなる低確時の確率が低い機械において、閉店時間に近い時間であっても、特定演出(スペシャル演出画像)を遊技者が見ることができる可能性を高めることで、閉店時間に近い時間を越えた場合であっても、出玉以外の点で、遊技者の遊技に対する意欲を維持させることができるので、効果的といえる。ちなみに、特定時間を21時とするのは一例であるが、遊技場の閉店時間が23時であり、特定演出実行条件の成立にかかる連チャン時間の平均時間が1時間半程度であれば、21時程度が好適という理由によるものであり、このような時間は、機械ごとに最適と考えられるものに設定すればよい。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特定演出実行条件の達成度を段階的に進行させていることを、可変表示装置9において経路画像901で示したように報知し、達成度の複数の段階の各々において連続する演出を実行するようにしている。これにより、このパチンコ遊技機1では、特定演出実行条件の達成度が段階的に進行されていることを遊技者が把握できるとともに、各段階で(他の段階と)連続する演出が行われるようにすることで、特定演出に対しての意欲が増し興趣が向上するようになっている。なお、本実施形態では、特定演出実行条件の達成度を段階的に報知するものであるが、このような報知はなくても構わない。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、可変表示結果に応じて、有利度合いの異なる複数種類の大当り遊技状態(大当り1〜4)のうちのいずれかに制御し、大当り遊戯状態の種類に応じて、大当り遊技状態に制御される度に進行させる特定演出実行条件の達成度の段階数を、1ポイント、2ポイントのように異ならせるようにしている。これにより、このパチンコ遊技機1によれば、当りの種類に興味が集まり興趣が向上するようになっている。
次に、図14は変形例1を説明する図であり、変形例1に係るパチンコ遊技機のラウンド遊技中に表示されるノーマル演出画像を示した図である。
変形例1では、リアルタイムクロック82が計時した時間が特定時間に達していない場合の初当り時には、大当り遊技状態で図9に示した経路画像901を表示する一方、リアルタイムクロック82が計時した時間が特定時間に達した場合の初当り時には、図14に示す経路画像1401を表示する。
経路画像1401は、「START」から「目標地点」までに14個のマスが介在しており、大当り遊技状態に制御される度に付与されるポイントが15点以上となることで、特定演出実行条件が成立することを示している。
つまり、変形例1では、リアルタイムクロック82が計時した時間が特定時間に達した場合に、達していないときよりも、特定演出実行条件を、達成度の少ない段階で成立するものに変更することで、達成の期待値を小さくするようにしている。なお、変形例1における容易化後の特定演出実行条件の達成のための期待値は、例えば、必要ポイント15を、1.5ポイントで除すことで、10回と演算され、容易化前の13.33・・回に比べて小さくなる。
次に、図15〜図17を用いて変形例2に係るパチンコ遊技機について説明する。図15は、変形例2に係るパチンコ遊技機の正面図を示している。なお、上記実施形態と同様の構成については同一符号で示し、説明を省略する。
図15に示す変形例2係るパチンコ遊技機では、遊技領域7の可変表示装置9よりも下側に、上述の実施形態と同様の第1始動入賞口14aと第2始動入賞口14bとが上下に並べて配置されている。下側にある第2始動入賞口14bには、開放状態となることで遊技球の入賞を容易にする可変入賞装置15が設けられている。また、第2始動入賞口14bの下方には、大入賞口が開放状態とされる第1特別可変入賞装置20Aが設けられている。なお、第1始動入賞口14a、第2始動入賞口14b及び可変入賞装置15の形状・配置は、上述の実施形態と異なるものであるが同一の符合で示すものとする。
変形例2に係るパチンコ遊技機では、可変表示装置9の右下方であって、第1特別可変入賞装置20Aの右上方の位置に、第2特別可変入賞装置20Bが設けられている。この例において、第2特別可変入賞装置20Bは、遊技盤6に沿った姿勢で大入賞口を閉鎖する閉鎖状態から前方に向けて倒れこむように回動して大入賞口を開放する開放状態に移行可能な開閉扉を備えている。
また、第2特別可変入賞装置20Bの周囲には、第2特別可変入賞装置20Bが開放状態とされた際に、遊技球を第2特別可変入賞装置20Bの背面の大入賞口側に誘導する誘導部材が複数設けられている。変形例2係るパチンコ遊技機では、可変表示装置9の右側に位置する右領域に遊技球を流下させた場合に、遊技球が第2特別可変入賞装置20Bの背面側の大入賞口に入賞し易くなっている。
変形例2に係るパチンコ遊技機では、ラウンド遊技の実行回数が15ラウンドの3種別の大当りA〜Cがあり、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「13(第13ラウンド)」または「15(第15ラウンド)」となったときに、第2特別可変入賞装置20Bを開放状態とするラウンド遊技が実行されるようになっている。
一方、ラウンド遊技の実行回数が「13」または「15」以外であるときには、第1特別可変入賞装置20Aが開放状態となるラウンド遊技が実行されるようになっている。
そして、変形例2に係るパチンコ遊技機では、第2特別可変入賞装置20Bの背面側の大入賞口に遊技球が入賞した場合に、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる確変制御条件が成立するようになっている。この確変制御条件の成立に係る処理を、図7を援用して説明すると、図7に示した大当り終了処理のステップS363においては、確変確定フラグがオンであるか否かを判定するが、変形例2に係るパチンコ遊技機では、この確変確定フラグが第2特別可変入賞装置20Bの背面側の大入賞口に遊技球が入賞したことによりオンになるため、第2特別可変入賞装置20Bの背面側の大入賞口の入賞に基づき、確変状態に制御するか否かが決定される。
そして、変形例2に係るパチンコ遊技機では、大当りA〜Cの種別に応じて、第1特別可変入賞装置20A及び第2特別可変入賞装置20Bの開放態様が異なるように設定される。
具体的には、大当り種別が、「大当りA」または「大当りB」であるときには、第13ラウンドに第2特別可変入賞装置20Bが、1秒間×6回開放状態とした後、0.3秒間開放状態となるように設定される。
一方、大当り種別が「大当りC」であるときには、第13ラウンドに第2特別可変入賞装置20Bが、29.5秒間開放状態となるように設定される。
また、第1〜第12,第14ラウンドでは、「大当りA」、「大当りB」及び「大当りC」の全てで、29.5秒間開放状態となるように設定される。
また、大当り種別が、「大当りA」であるときには、第15ラウンドに第2特別可変入賞装置20Bが、1秒間×6回開放状態とした後、0.3秒間開放状態となるように設定される。
一方、大当り種別が「大当りB」または「大当りC」であるときには、第15ラウンドに第2特別可変入賞装置20Bが、29.5秒間開放状態となるように設定される。
したがって、「大当りA」または「大当りB」の場合は、第13ラウンドで遊技球が入賞し難く、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される可能性が低く、「大当りC」の場合は、第13ラウンドで、遊技球が入賞し易く、第13ラウンドの時点で、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されることが確定する可能性が高くなっている。また、「大当りA」の場合は、第15ラウンドでも遊技球が入賞し難く、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される可能性が低い。一方で、「大当りB」または「大当りC」の場合は、第15ラウンドで、遊技球が入賞し易く、第15ラウンドの時点でも、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されることが確定する可能性が高くなっている。
このため、変形例2に係るパチンコ遊技機では、「大当りC」>「大当りB」>「大当りA」の順番で、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に制御され易くなっている。
変形例2に係るパチンコ遊技機では、大当り遊技状態の第13ラウンドまたは第15ラウンドに、可変表示装置9において、第2特別可変入賞装置20Bを狙うように遊技者に指示するための示唆報知演出表示を行うようにしている。図16(a)を参照し、本図では、第13ラウンドにおける示唆報知演出表示が示されている。この示唆報知演出表示は、大きく「楽勝だ!!Vを狙え!!」といった表示することでなされており、これにより、遊技者に第2特別可変入賞装置20Bを狙うことを指示する示唆をしている。
また、図16(b)を参照し、本図では、第13ラウンドにおいて第2特別可変入賞装置20Bに遊技球が入賞したことを報知する確変確定報知演出表示が示されている。この確変確定報知演出表示は、「V入賞!!」といった表示することでなされており、これにより、遊技者に、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されることが確定したことを報知している。また、図16(c)では、第14ラウンドにおいて、確変確定報知演出表示が継続してなされていることを示し、この第14ラウンドにおける確変確定報知演出表示は、大きく「V」と表示することで、遊技者に、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されることが確定したことを報知している。
なお、図16(d)は、第15ラウンド終了時に表示される表示画像を示している。この表示画像では、上述の実施形態で説明した経路画像901が表示されている。この変形例2に係るパチンコ遊技機では、特定演出実行条件に未到達の段階では、大当り遊技状態の最後に、経路画像901を表示し、遊技者に現在の特定演出実行条件の達成度を報知するようにしている。なお、図示しないが、経路画像901は、第1ラウンド開始時にも表示される。
ここで、この変形例2のパチンコ遊技機は、上述の実施形態と同様に特定演出実行条件が成立した場合には、スペシャル演出画像を表示するが、この場合に、上記で説明したような「示唆報知演出表示」及び「確変確定報知演出表示」を制限するようにしている。
図17(a)〜(d)には、変形例2において、スペシャル演出画像が表示された例が示されている。
図17(a)は、第1ラウンド開始時の表示例であるが、ここでは経路画像901においてキャラクタ画像902が「目標地点」に到達した状態が表示される。この例では、第2ラウンドからは経路画像901は非表示となり、例えば、図17(b)〜(d)に参照されるように、可変表示装置9には全体的にスペシャル演出画像が表示されるようになっている。そして、第15ラウンド終了時には、図示省略するが新たな経路画像を表示するようにする。なお、第15ラウンド終了時に新たな経路画像を表示せずに、異なる演出画像を表示してもよい。
そして、図17(b)〜図17(d)には、「示唆報知演出表示」及び「確変確定報知演出表示」の制限の一例が示されている。図17(b)を参照し、第13ラウンドにおける示唆報知演出表示は実行していない。図17(c)及び図17(d)を参照し、第13ラウンド及び第14ラウンドにおける確変確定報知演出表示は、可変表示装置9の下側で、小さく「V継続!!」といった表示することでなされており、図16(b)及び図16(c)の場合よりも、制限が課されて表示されている。「示唆報知演出表示」及び「確変確定報知演出表示」を制限するか否かは、特定演出実行条件が成立しているか否かで判定されるため、例えば、図13におけるステップS1319の処理の際に、「示唆報知演出表示」及び「確変確定報知演出表示」を制限する設定をしたりすればよい。
このように変形例2のパチンコ遊技機では、大当り遊技状態において特定演出であるスペシャル演出が実行される場合には、スペシャル演出が実行されない場合よりも、「示唆報知演出表示」、「確変確定報知演出表示」などの報知演出を制限して実行する。
この場合、確変状態が長く継続している期間中に大当り遊技状態となった場合でも、好適な演出を実行でき、遊技の興趣の低下を抑止できる。詳しくは、大当り遊技状態中の指示などにかかる報知演出により遊技者に煩わしさ、くどさを感じさせてしまうことを防止でき、特定遊技状態の特定演出を好適に実行できるので、遊技の興趣の低下を抑止できる。
より詳しくは、変形例2のような第2特別可変入賞装置20B(いわゆる確変判別アッタカー)を備える遊技機では、大当り中に第2特別可変入賞装置20Bへの入賞が発生しないと当り種別が有利(大当りCの様に遊技球が発射されればほぼ入賞する大当り)であったとしても、大当り遊技状態後に確変状態に制御されない。そのため、一般的な確変機(当りの種類で確変が決まっている機械)よりも、大当り中にしっかり遊技球を入賞させるように発射を促す必要がある。そのため、変形例2のパチンコ遊技機において、第2特別可変入賞装置20Bを狙うように遊技者に指示するための示唆報知演出表示を行っている。
しかし、特定演出(大連チャンが必要となる演出)が実行されるような場合には、遊技者はゲーム性を理解していると考えられるので、変形例2では、遊技者が困惑しないように最低限の指示は出す必要があるが、仰々しく指示を出す必要はないので、通常時よりも制限し、煩わしさ、くどさを感じさせてしまうことを防止して、特定遊技状態の特定演出を好適に実行できるようにすることで、遊技の興趣の低下を抑止できるようにしている。
また、変形例2では、報知演出を制限する場合に、特定のラウンドで、「示唆報知演出表示」については表示せず、「確変確定報知演出表示」については小さく表示する例を説明したが、他の態様であってもよい。
例えば、「示唆報知演出表示」について小さく表示する(画像の出力サイズを抑える)ようにしたりしてもよい。また、変形例2では、「示唆報知演出表示」及び「確変確定報知演出表示」などの表示にかかる報知演出を制限するものであるが、表示に伴って、音による報知やLEDランプの点灯による指示や可動役物の動作等の複数種類の報知指示を組合わせて行う場合は、報知演出の制限として、表示の制限と同時に、または表示の制限は行わずに、音量を抑えたり、LEDランプの輝度を抑えたりしてもよい。さらに具体的に言えば、表示、LEDランプ及び音によって報知指示を行い、これを制限する場合に、表示及びLEDランプの報知指示は、通常と同じように行うが、音の音量は通常よりも抑える又は消すようにしてもよい。このように音の音量のみを抑えるなどした場合には、遊技者に特定演出の画像を見ながら指示を促すとともに、特定演出で、特別な音楽などが出力される場合に、遊技者が好適に音楽などを聴くことができるようになる。
なお、本発明は、以上で説明した実施形態及び変形例に限られず、その他、種々の変形、応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、特定演出実行条件の成立を大当り遊技状態の有利度合いに依存するものとしたが、特定演出実行条件は、大当り遊技状態の有利度合い(15ラウンド確変と、7ラウンド確変など)に依存させることなく、単純に大当り遊技状態の連チャン回数が、大当りの種別によらず所定回数(例えば15回)となった場合に、特定演出実行条件が成立するものとしてもよい。この場合の特定演出実行条件の容易化の態様としては、条件成立に必要な所定回数を、例えば15回から10回のように減らせばよい。この場合、例えば、容易化前の特定演出実行条件の期待値は15であり、容易化後は10回となる。
また、大当り遊技状態の度に、ラウンド遊技中に、出現確率が100%でない確率αでキャラクタを表示させるか否かの抽選を行い、連チャン中に複数のキャラクタ(大当り1回あたり1キャラクタが出現する)を所定個出現させたことにより、特定演出実行条件が成立するようにしてもよい。この場合の特定演出実行条件の容易化の態様としては、キャラクタの出現確率をαよりも高いβなどにすればよい。
この場合、例えば、キャラクタを10個集めた(出現させた)場合に特定演出実行条件が成立するものとして、αを50%とした場合には、容易化前におけるキャラクタを10個集めるための期待値の一例は、例えば、10(個)を1/2(大当り1回あたりのキャラクタの獲得期待値)で除した場合、20回となる。一方で、容易化後に、βを80%とした場合には、10(個)を4/5で除した、12.5回となる。
なお、複数のキャラクタを所定個出現させたことにより、特定演出実行条件が成立するようにした場合の容易化の手法としては、出現させるキャラクタの数を減らすようにしてもよい。
また、上記実施形態では、特定演出実行条件の成立を大当り遊技状態の有利度合いに依存させ、大当りの種別に応じて、大当り遊技状態に制御される度に取得されるポイントを異なるものとしたが、このようなポイントの取得に関して、さらに多くの要素を考慮し、大当りの種別に応じて設定されるポイントに、さらにポイントが加算されるようにしてもよい。
具体的には、例えば確変状態において大当りに当選するまでの変動回数(可変表示回数)が所定回数以上となった場合に、ポイントを加算したり、確変状態の大当りの当選が1回目の変動(可変表示)で生じた場合に、ポイントを加算したりしてもよい。
また、特定の日や特定の時間において、特定演出実行条件の容易化前及び容易化後の双方で、他の日や他の時間に比べて、ポイントを多く取得できる(特定演出実行条件の容易化をする)ようにしたりしてもよい。
具体的に例えば、朝開店直後の1時間以内の初当りや、日曜の夕方18時台の初当りについて、特定演出実行条件の容易化をするようにしてもよい。こうすれば、開店直後に遊技者が遊技機の選択に悩んだ際に、遊技機を選択する目安にすることができる。なお、このようにする場合に、遊技機のデモ表示において、特定演出実行条件が容易化されていること(及び容易化された)を遊技者に報知する表示をしてもよい。このように報知すれば、遊技者の選択が容易になる。
また、遊技機が遊技店に導入された後、特定の期間(例えば、導入開始から3ヶ月)経過後に、遊技機が、特定演出実行条件を特定時間に容易化するようにしてもよい。このようにすれば、特定の期間の経過後にゲーム性が変化するといえるので、遊技機の寿命(稼動する期間、つまり遊技場に設置される期間)を長くすることができる。
また、上述の実施形態などでは、特定演出であるスペシャル演出画像がラウンド開始時からラウンド終了時にかけて種々態様を変えながら表示されるものと説明したが、スペシャル演出画像は、ラウンド開始時からラウンド終了時における特定のラウンド、またはラウンド終了後の一定期間で表示(いわゆる、エンディング演出として表示)されるようなものとしてもよい。また、特定演出であるスペシャル演出画像を表示する場合には、特定演出が実行されない場合と異なる、効果音や音楽及び/またはランプの発光パターンを伴うものとしてもよい。また、特定演出として、効果音や音楽のみを特定演出が実行されない場合と異なるものとしてもよい。
また、上述の実施形態では、経路画像901において「目標地点」を越えた場合に、「NEXTZONE」に進入するような表示を行い、新たな演出画像を表示するようにしてもよいと説明したが、この場合に、一旦、第1段階の特定演出(以下、第1の特定演出と呼ぶ)を表示した後に、さらに、次の異なる特定演出実行条件(以下、第2の条件と呼ぶ。また、第1段階の特定演出に係る特定演出実行条件を第1の条件と呼ぶものとする)を達成した場合に、異なる特定演出(第2の特定演出と呼ぶ)を表示するようにしてもよい。
このようにした場合には、特定時間に達した場合に、第1の条件及び第2の条件の双方を容易化してもよいし、どちらか一方を容易にしてもよい。なお、第1の条件のみが容易になるようにする場合は、遊技者に一定の達成感を与えることが可能となるとともに、第2の条件は困難なままなので、遊技者に不公平感を与えるのを抑止できる。つまり、第1の条件よりもより困難な第2の条件を達成するのは、相当なプレミア感があるが、この第2の条件も容易化してしまうと、プレミア感が低下してしまうし、純粋に困難な状況下で第2の条件の達成を望む遊技者にとっては、特定時間の達成に不公平感が生じる虞があるが、このような感覚を抑止できる。
また、上述の実施形態では、大当りに確変大当りと時短大当りがあるものを説明したが、大当り終了後に100%確変状態に制御されるとともに、当該確変状態において大当りとならずに所定回数(例えば、150回)の可変表示が実行されたときに確変状態が終了するパチンコ遊技機において本発明を適用してもよい。また、大当り終了後に100%確変状態に制御されるとともに、当該確変状態において可変表示が実行されるごとに確変状態を終了させるか否かの判定(転落抽選)を行うパチンコ遊技機に本発明を適用してもよい。
また、上述の実施形態では、大当りに確変大当りと時短大当りがあるものを説明したが、これらに加えて、突確大当りを含めるようにしてもよい。ここで、突確大当りの終了後に制御される確変状態で大当りに当選した場合を、ステップS1310の連チャンに含めるか否かは、含める設定としてもよいし、含めない設定としてもよい。
また、上述の実施形態では、確変大当り終了後に制御される確変状態で大当りに当選した場合に、連チャンであると判定する(S1310)ようにしたが、連チャンとみなすものとして、時短状態内での大当り当選や、時短状態終了後(例えば、70回経過後)であって変動回数(可変表示回数)が所定回数以内(例えば、100回以内)の当選なども含めるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、初当り時の時間が特定時間に達しているか否かによって、ポイントテーブルA又はポイントテーブルBが参照され、これを記憶しておくことで、初当り以降の連チャン中において、最初に参照されたポイントテーブルが継続して参照されると説明したが、連チャン状態が特定時間を跨いだ場合に、特定時間移行の大当り遊技状態では、ポイントテーブルBが参照されるようにしてもよい。
また、近時の遊技機では、可変表示装置上にQRコード(登録商標)などが表示され、これを撮影してパスワードを取得し、改めて遊技を行う場合に、パスワードを入力して前回の続きの遊技履歴(レベルやミッションの達成状況)から遊技を行うことが可能な遊技機がある。そして、このような遊技機において、パスワードを入力して前回の続きの遊技履歴から遊技を行う場合に、未だ特定演出が実行されるミッションなどが達成されていない場合に、特定演出実行条件を容易にするとともに、ミッションなどが達成されている場合には、特定演出実行条件を容易にしないようにしてもよい。この場合には、特定演出が実行されるミッションなどが達成されていない場合で、かつ特定時間に達したときに特定演出実行条件を容易にし、ミッションなどが達成されている場合には、特定演出実行条件を容易にしないようにしてもよい。ちなみに、特定時間と無関係に、パスワードを入力して前回の続きの遊技履歴から遊技を行う場合に、未だ特定演出が実行されるミッションなどが達成されていない場合に、特定演出実行条件を容易にするようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、計時手段としてのリアルタイムクロック82が主基板31の外部に設けられる構成を説明したが、リアルタイムクロック82は、主基板31内部に設けられ、適宜、表示制御基板側に時刻の情報を送信するようにしてもよい。
また、計時手段を、遊技機に対する電源投入からカウントを開始するようなカウンタとしてもよい。このようなカウンタを用いる場合には、カウンタが所定の時間をカウンタしたときに、特定時間に達したと判定するようにしてもよい。このようなカウンタを用いた場合には、電源投入のタイミングを調整することで、特定演出実行条件の容易化の切替時間を調整することができる。また、特定演出実行条件の容易化の切替時間、つまり、特定演出実行条件の容易化するか否かの閾値となる特定時間は、ユーザ(遊技店員、または遊技者)によって任意に設定可能であるものとしてもよい。
遊技店は地域や時期(年末、正月など)によって営業時間が変化したりするため、特定時間が予め定まっていると不具合(意図しない事態)が生じる虞があるが、遊技店員が特定時間を設定可能とした場合には、このような不具合を回避できる。また、遊技店員のみが特定時間を設定可能とする場合には、遊技者(客)が操作できない位置(遊技盤の裏の基板など)に設定のためのスイッチを設けるようにするのがよい。また、遊技機の電源投入から所定期間(例えば、5分以内)に、遊技者も操作可能な遊技盤のボタンやトリガーを使って設定可能としてもよい。
また、上述の実施形態では、「期待値」の演算方法を具体的に説明したが、このような演算は一例であり、他の演算方法で本発明(本実施形態)でいう期待値を求めてもよい。
また、上記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用した場合を例として説明したが、本発明は、スロットマシンにも適用することができる。スロットマシンでは、ビッグボーナス、レギュラーボーナスやチャレンジボーナス(以下、これらをまとめてボーナスという)、或いはAT(Assist Time)やRT(Replay Time)などの遊技者にとって遊技状態を連チャンさせることができる。なお、スロットマシンに本発明を適用する場合は、ドラムの可変表示が単位遊技に対応し、ドラムの停止が単位遊技の結果に対応する。
典型的な例としては、ボーナス後にATまたはRTに状態に制御され、ATまたはRT中にボーナスに当選して、その後またATまたはRTに状態に制御される・・・といった連チャンにおいて、一定の期間におけるボーナスの回数が所定回数(例えば、ビッグボーナス5回)に達した場合に、特定演出実行条件が成立するようにするなどの態様が考えられる。また、AT(RT)が1セットで例えば50ゲームで複数セット繰り返すものであれば、継続した回数が20セット以上(ボーナス回数不問)となった場合に、特定演出実行条件が成立するようにするなどしてもよい。また、AT(RT)のセットは関係なく、1回のAT(RT)のゲーム数が例えば1000ゲーム以上などとなった場合に、特定演出実行条件が成立するようにしてもよい。また、AT(RT)及びボーナスの一連の獲得枚数が3000枚以上となったときに、特定演出実行条件が成立するようにしてもよい。また、AT(RT)が継続した回数が所定セット以上、1回のAT(RT)のゲーム数が例えば1000ゲーム以上、及びAT(RT)及びボーナスの一連の獲得枚数が3000枚以上などの複数の条件の組合わせが達成されたときに、特定演出実行条件が成立するようにしてもよい。具体的には、1回のAT(RT)のゲーム数が例えば1000ゲーム以上で、かつこの間にボーナスを3回引いたときに、特定演出実行条件が成立するなどにしてもよい。
また、AT(RT)においては、特定演出実行条件が成立した上で、終了条件(残りセット数やゲーム数がなくなること)が成立された場合には、AT(RT)の終了前の複数ゲームに割り当てられる演出期間を、特定演出を実行するために長い期間としてもよく、この長めとされた期間に特定演出を実行するようにしてもよい。具体的には、通常は、AT(RT)の最後のゲームのときにエンディング表示をするようなものにおいて、エンディング表示する期間をAT(RT)の終了前20ゲームから始まるようにして、この20ゲームの間に、特定演出である特別なエンディング表示をするようにしてもよい。
また、スロットマシンにおいては、特定演出実行条件が成立している場合で、かつ終了条件が成立していなくても、閉店間際の特定時間に達したときには、抽選によって特定演出を実行するようにしてもよい。AT(RT)があるスロットマシンでは、閉店となった場合にも、AT(RT)のゲームを消化しきれない場合があるが、このような場合に、特定演出実行条件が成立している場合が考えられ、この際、AT(RT)の終了条件が成立していなくても閉店間際で特定演出を実行するようにすれば、遊技者に一定の達成感を与えることができる。
なお、AT(RT)及びボーナスの一連の獲得枚数が3000枚以上となる場合の、本発明にかかる期待値の考え方としては、例えば、AT(RT)の1セットで獲得できるメダルの平均枚数、AT(RT)にボーナスを引く確率、及びボーナスでのメダルの平均獲得枚数などを勘案して、3000枚以上となるには、平均的に、AT(RT)及びボーナスがどの程度あれば良いかを演算するなどすればよい。