JP2007312470A - リニアモータ、ステージ装置、露光装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents

リニアモータ、ステージ装置、露光装置、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い内圧の下で冷媒として純水を用いた場合でも、信頼性の高いリニアモータ、ステージ装置、露光装置、及びデバイス製造方法を提供する。
【解決手段】 複数のコイル1a〜1cからなるコイル列と、そのコイル列を覆い内部空間に冷媒が供給されるジャケットカバー4a,4bとを有するリニアモータにおいて、ジャケットを二つのジャケットカバー4a,4bの接着接合で構成し、前記ジャケットの冷媒内圧による接着剥離を防止すべく、非磁性金属材料から成る剥離防止部材としての複数のピン6を前記ジャケット内に有する。
【選択図】図1a−b

Description

本発明は、例えば、半導体露光装置や高精度加工機など精密な位置決めを行うための装置などに好適に使用されるリニアモータ、ステージ装置に関し、さらにそのステージ装置を用いた露光装置、デバイス製造方法に関する。
半導体露光装置や高精度加工機などで使用される精密位置決め装置では、駆動源であるリニアモータからの発熱が、構造部材の熱変形や計測手段の誤差をもたらし、位置決め精度を悪化させる場合がある。
そのため、リニアモータから発生する熱を効率良く改善して周囲の空間及び部材の温度上昇を抑制することが重要である。
又、コイルの発熱は位置決め精度へ影響するだけでなく、コイルの被覆を劣化させてレアショートを生じたり非可逆な形状変形を生じたりして信頼性を低下させる恐れもあるため、この観点からもコイル冷却は重要である。
一方、精密位置決め装置等では高性能化に伴って、リニアモータの高出力化が要求されており、そのためにコイルに流れる電流を増加させる必要が有る。
その結果、発熱量も大きく増大するため、さらなる冷却能力の増強が必要である。
コイルの冷却手段を備えた、精密位置決め装置に好適な機構としてリニアモータがある。
例えば特開10−309071号公報(特許文献1)、特開2003−199318号公報(特許文献2)により、リニアモータの一例が提案されている。
図7は冷却手段を備えた従来の多相リニアモータの一例の構成を示す斜視図である。
図7に示すように、複数のコイル列1はジャケット4で保護されており、ジャケット4は両端の固定部材10に固定されている。
ジャケット4には、磁気回路を構成するヨーク2、2とともに、ヨーク2、2に固定されて異なる磁極同士が互いに対向する配置の永久磁石3が移動可能に配設されている。尚、ヨーク2、2は固定部材9に固定されている。
上記構成において、固定磁界を発生している永久磁石3の間の空間に位置するコイル列1に所定の電流を流すとローレンツ力が働き、コイル列1を含むジャケット4に対し永久磁石3が相対的に運動する。
また、複数のコイル列1が駆動方向に配列されているため、コイル個数に応じてリニアモータのストロークを変えることができる。
この例は、コイル列1側が固定子、永久磁石3が保持されたヨーク2、2側が可動子となったいわゆるムービングマグネット型のリニアモータとなっている。但し固定子と可動子は逆であっても良い。
図8(a)、(b)は上記ジャケット4の構造を示す断面図であり、図8(a)は長手方向の断面図、図8(b)はその直交方向の断面図である。
二つのジャケットカバー4、4は、図示の様にコイル形状に彫り込まれており、コイル1a〜1cはそれぞれの空芯部でジャケットカバー4に固定されている。
ジャケットカバー4、4はコイル1a〜1cの空芯部分で結合されており、各コイル1a〜1cの間でも互いに結合されている。
磁気回路にかからないジャケットカバー4、4周辺部の締結は、ステンレス等の非磁性ボルトと接着剤を用いて行っている。
ここで特開平10−309071号公報に記載されている様に、ジャケットカバーの材質及びその補強部材の材質には、非磁性材料の高分子材料又はセラミックスが好ましい。
磁性材料ならばコイルにかかる磁束密度を低下させるし、非磁性材料であっても金属材料などの電導性材料ならば渦電流の影響で発熱が生じたり速度リップルが生じたりするからである。
従って、一般に多相リニアモータにおいて磁気回路にかかる空芯部分およびコイル間部分での結合は、接着剤で接着固定されるか、あるいはPEEKやRENYなどの高分子樹脂製ボルト又はセラミックス製ボルトと接着剤の併用で固定されている。
近年、ステージ装置のさらなる高性能化のため、リニアモータには高推力と低発熱という相反する課題がある。
高推力を実現するためには、磁束密度を上げる必要があり、磁気回路のギャップ寸法を小さくするため冷却のための空隙も小さくしなくてはならない。
さらに同じ磁束密度において高い推力を得るために、コイルに通電する電流を増大させる必要がある。
しかし、その結果として発熱量が増大するという問題が惹起している。
一方、移動精度への影響を極力下げるため、熱回収効率は向上させなければならない。即ち、狭い流路の中で高い発熱を高い効率で回収する必要が有る。
この解決のため、従来は二つの手段が取られていた。一つは冷媒の流量増加である。しかしジャケット内面に加わる圧力が高くなってしまう欠点がある。
もう一つは冷媒の変更である。狭い流路を高速で流れるために高い流動性が必要であり、かつ高発熱を回収するために高い比熱が必要である。このため従来のフッ素系非活性冷媒に代って純水が採用される例が多い。
しかしながら、冷却効率を向上するために冷媒として純水を採用し、さらに内圧を上げた場合、接着剤の経年変化による信頼性低下を招く恐れがあった。
即ち一般に接着剤は水中での使用により、接着剤自体が膨潤したり可塑化して強度劣化を生じたり、接着界面への水の分散から被着剤との結合が劣化して界面剥離を生じたりする可能性があった。
特に、位置決め装置に用いるリニアモータでは、交番応力が加わる環境で長期にわたり連続運転するため、その影響は大きい。
また接着と樹脂製ボルトを併用した場合であっても、樹脂製ボルトは引っ張り強度が小さい事と、高い内圧のために長期使用の間にどうしてもクリープ現象が避けられない。
従っていずれは接着剤に過度な応力が加わるため、純水中で使用する接着剤劣化のため剥離する可能性がある。
樹脂製ボルトではなくセラミックス製ボルトを併用した場合であっても、脆性材料であるために引っ張り方向の強度が小さく、かつ高い内圧の下での長期使用の間では破断の恐れがあり、信頼性確保には不十分であった。
特開10−309071号公報 特開2003−199318号公報
そこで、本発明は、上記問題を解決し、高い内圧の下で冷媒として純水を用いた場合でも、信頼性の高いリニアモータ、及びステージ装置を提供することを目的とし、かつそのステージ装置を用いた信頼性の高い露光装置、及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のリニアモータは、複数のコイルからなるコイル列と、前記コイル列を覆い内部空間に冷媒が供給されるジャケットとを有するリニアモータにおいて、前記ジャケットを二つのジャケットカバーの接着接合で構成し、前記ジャケットの冷媒内圧による接着剥離を防止すべく、非磁性金属材料から成る剥離防止部材を前記ジャケット内に有することを特徴とする。
また、本発明のリニアモータは、前記ジャケットカバーは、非磁性非導電性材料からなることを特徴とする。
また、本発明のリニアモータは、前記剥離防止部材は、前記複数コイルのそれぞれの空芯部に位置することを特徴とする。
また、本発明のリニアモータは、前記剥離防止部材は、一または複数のピンから成ることを特徴とする。
また、本発明のリニアモータは、前記剥離防止部材は、一または複数の繊維材料から成ることを特徴とする。
また、本発明のリニアモータは、前記剥離防止部材は、一または複数のチタン製のボルトから成ることを特徴とする。
また、本発明のリニアモータは、前記ジャケットに供給する前記冷媒は、純水であることを特徴とする。
さらに、本発明のリニアモータは、前記ジャケットに相対する位置に永久磁石を配置し、前記ジャケットが固定側で前記永久磁石を可動側として相対運動をするように配置した事を特徴とする。
本発明のステージ装置は、請求項1〜8のいずれかに記載のリニアモータを駆動機構として有することを特徴とする。
本発明の露光装置は、請求項9記載のステージ装置で基板を搭載して、前記基板に露光を行う手段を有することを特徴とする。
本発明のデバイス製造方法は、請求項10記載の露光装置を用いてウエハを露光する工程と、前記ウエハを現像する工程とを備えることを特徴とする。
本発明のリニアモータによれば、冷媒として純水を用いたとしてもジャケットの信頼性を確保できるので、高推力かつ高精度で信頼性を向上させることができる。
本発明のステージ装置によれば、上記リニアモータを適用するため、同じく高推力かつ高精度で信頼性を向上させることができる。
本発明の露光装置によれば、上記ステージ装置を適用するため、露光処理に際して高速かつ高精度で信頼性を向上させることができる。
本発明のデバイス製造方法によれば、上記露光装置を用いるため、信頼性の高いデバイスを製造することができる。
以下、本発明を、その実施例に基づいて、図面を参照して説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の実施例1のリニアモータ(多相リニアモータ)におけるジャケット部分の内部構造を説明する説明図であり、図1(a)は長手方向の断面図、図1(b)はその直交方向の断面図である。
図1(a)、(b)に示すように、駆動用の電流が流れるコイル1a〜1cは二つのジャケットカバー4a,4bで覆われて固定されており、ジャケットカバー4a,4b同士は接合されている。
ジャケットカバー4a,4bはコイル形状に彫り込まれており、コイル1a〜1cはそれぞれの空芯部でジャケットカバー4bに固定されている。但しコイル数はさらに多くとも良く、任意の数で構わない。
ジャケットカバー4a,4bはコイル1a〜1cの空芯部分で結合されており、各コイル1a〜1cの間でも互いに結合されている。
ジャケットカバー4a,4bの前記空芯部分および前記コイル1a〜1c間の部分での結合は接着剤を使用して行い、冷媒圧力でジャケットカバー4a,4bの肉薄部が外側に広がろうとするのを抑えている。
ジャケットカバー4a,4bの材質は非磁性体材料、例えば高分子樹脂材料(PEEK)又はセラミックス材料が好ましい。
ジャケットカバー4a,4bの内部から外部へ引き出されるコイル1a〜cのリード線(各2本)は不図示とする。
また、冷媒は図示されていない供給管から供給されてジャケットカバー4a,4b内を流れコイル1a〜1cの発生熱を受け取り、図示されていない回収管から排出されて回収される。
冷媒は高い流動性と大きな比熱から熱改修能力に優れた純水を用いている。コイル1a〜1cの表面には、コイル1a〜1cが直接純水に触れないようにゴム又は樹脂の薄い防水膜が構成されている。
磁気回路(不図示)にかからないジャケットカバー4a,4b外周部は、ステンレス等の金属製ボルト5で締結固定している。
しかしながら、外周部のみのボルト締結では、長期に亘ってリニアモータを駆動した際の接着剤の剥離を防止できないという懸念が残る。
即ち多相リニアモータの場合、ジャケットカバー4a,4bの受圧面積が大きいため、冷媒圧力でジャケットカバー4a,4b内面に加わる力が大きく、ジャケットカバー4a,4bが撓んで中央の接合部に過大な応力が生じ得る。
また上述したように、純水中で用いる接着剤は、材料の膨潤や可塑化が生じたり、水分の進入から接着界面剥離が生じたりする可能性がある。
この場合、わずかな領域でも接着剥離が生じると、その剥離面に水圧が加わるため、剥離させようとする力は増加し、それに耐えるべき接着面積は減少するので、接着剥離は加速度的に進行する。
ジャケットカバー4a,4b内部で接着剥離が進行した場合、前記外周部のみのボルト締結ではジャケット全面に加わる圧力に耐えられず、ついにはジャケットが破断してしまう可能性がある。
そのため、コイル1a〜1cの空芯部に接着剥離を防止する部材が必要である。しかしながらコイル空芯部は磁気回路(不図示)の中に入っているため、一般的にはここに金属材料を配置できない。
即ち磁性材であれば、永久磁石3,3が生じる磁束はこの金属の中を通り、肝心のコイル部の磁束密度が低下してしまい、推力の得られないリニアモータとなってしまう。
また、永久磁石3,3とコイル1a〜1cが相対運動をする時に、磁性材と永久磁石3,3が引き合うため、相対運動を妨げる力として働き、最終的には推力リップルとして現れて移動の高速性と位置決め精度の両者を悪化させる。
一方、非磁性金属を用いたとしても、導電性が有るために永久磁石3,3とコイル1a〜1cが相対運動をする時に渦電流が発生して、発熱が生じたり速度リップルが生じたりする。
しかしながら、この渦電流は金属のごく表層で生じる現象であり、面積が大きい場合に大きな影響として現れる。
実施例1はその点に着目したものであり、コイル1a〜1cの空芯部の剥離防止部材として、線型の十分細いチタン等の非磁性金属製のピン6を複数本構成する。
チタン製等の各ピン6の両端はカシメでジャケットカバー4a,4bに固定されている。このピン6は樹脂と違ってクリープ現象は無いため、長期に亘ってジャケット接着面の接着寸法を維持することができる。
各ピン6の強度によって、純水の水圧に伴うジャケットカバー4a,4bに加わる内圧に拘らず接着剥離が防止できる。
以上の実施例によれば、冷媒として純水を用い、流量を上げるために内圧を上げたとしても、ジャケットカバー4a,4bの接合強度が維持されるので、信頼性の高いリニアモータを得ることができる。
尚、実施例では、チタンを用いた場合を説明したが、他の非磁性金属材料であっても同等の効果を得ることができる。また、カシメ接合ではなく、スタッド溶接やスナップフィット等の接合であっても同様である。
次に、本発明の実施例2を説明する。
図2(a)、(b)は、本発明の実施例2のリニアモータ(多相リニアモータ)におけるジャケット部分の内部構造を説明する説明図であり、図2(a)は長手方向の断面図、図2(b)はその直交方向の断面図である。
尚、図2(a)、(b)に示す部分で図1(a)、(b)に示す部分と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例2においては、実施例1で説明した複数本のピン6の代りに、パラ系アラミド繊維等の高張力繊維材料を用いた剥離防止部材7を用いる。
剥離防止部材7は、ジャケットカバー4a,4bの複数箇所に設けた穴を貫通して両者4a,4bを束縛している。
剥離防止部材7の端部は熱融着や接着によりジャケットカバー4a,4bに固定されている。
この場合、接着剤を使用したとしても直接純水に触れないため、これまで述べてきたような経年変化で生じ得るジャケットカバー4a,4bの剥離は回避できる。
実施例2でも、冷媒として純水を用い流量を上げるために内圧を上げたとしても、ジャケットカバー4a,4bの接合強度が維持されるので、信頼性の高いリニアモータを得ることができる。
次に、本発明の実施例3を説明する。
図3(a)、(b)は、本発明の実施例3のリニアモータ(多相リニアモータ)におけるジャケット部分の内部構造を説明する説明図であり、図3(a)は長手方向の断面図、図3(b)はその直交方向の断面図である。
尚、図3(a)、(b)に示す部分で図1(a)、(b)に示す部分と同一部分には同じく同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例3においては、実施例1で説明した複数本のピン6の代りに、直接にチタン製ボルト8を用いる。
この場合、ボルト8には原理的には渦電流の影響があり得る。しかしチタン製ボルト8は、ステージ装置が要求する位置決め精度及び移動速度によっては、過電流を許容し得る場合も有る。
チタン製ボルト8を実際に試作して、例えばボルト系がM3〜M4、磁束密度が1T以下、永久磁石3,3とコイル1a〜1cの相対速度が1〜2m/sec以下の条件の下で評価を行った。
その結果、リニアモータの推力低下もリップル量も発熱もすべて、もともと永久磁石3,3やコイル1a〜1cのもつ製造ばらつき以下であり、有意差として現れてはこないことが明らかに判った。
即ち、チタン製ボルト8を使用した場合、これまで述べてきたような経年変化で生じ得るジャケットカバー4a,4bの剥離に強いことが判った。
実施例3でも、冷媒として純水を用い流量を上げるために内圧を上げたとしても、ジャケットカバー4a,4bの接合強度が維持されるので、信頼性の高いリニアモータを得ることができる。
(ステージ装置の実施例)
次に、ステージ装置の実施例を説明する。
図4は、本発明の実施例のステージ装置の構成を示す斜視図である。尚、図4に示す部分で図1(a)、(b)に示す部分と同一部分には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本例のステージ装置は、所謂半導体製造装置の一つである露光装置に適用したものである。即ち露光装置(不図示)において、基板(ウエハ:不図示)を搭載してその露光の位置決めを図るためのステージ装置に適用したものである。
上記ステージ装置は、ウエハを搭載して移動するステージ14と、ステージ14を駆動するための上記実施例で説明したリニアモータを備える。
但し、そのリニアモータは、図4中ではコイルを覆うジャケット4と永久磁石(不図示)を保持するヨーク2を示すに留める。
ウエハを保持するチャック(不図示)を搭載したステージ14は気体軸受によって定盤13上に移動可能に支持されている。
ステージ14には、X方向を長手方向とする可動ガイド15aと、Y方向を長手方向とする可動ガイド16aが貫通されている。
各可動ガイド15a,16aとステージ14の間には力を伝達するための気体軸受または電磁継手が設けられる。
可動ガイド15aには脚部15bが設けられており、脚部15bは定盤13上に気体軸受によって支持されている。
同様に可動ガイド16aには脚部16bが設けられており、脚部16bは定盤13上に気体軸受によって支持されている。
可動ガイド15にはリニアモータ可動子としての永久磁石(不図示:図4中ではヨーク2のみ図示)が固定されている。
そのリニアモータ可動子としての永久磁石(不図示)は、定盤13に固定されたリニアモータ可動子としてのコイル(不図示:図4中ではジャケット4のみ図示)との間で力を発生して、可動ガイド15をX方向に駆動する。
可動ガイド16にはリニアモータ可動子としての永久磁石(不図示:図4中ではヨーク2のみ図示)が固定されている。
そのリニアモータ可動子としての永久磁石(不図示)は、定盤13に固定されたリニアモータ可動子としてのコイル(不図示:図4中ではジャケット4のみ開示)との間で力を発生して、可動ガイド16をY方向に駆動する。
一方、可動ガイド15、16は、定盤13に固定された固定ガイド17、18によって気体軸受を介してガイドされている。
さらに、リニアモータは固定ガイド17,18の両側に設けられているため、各リニアモータを逆方向に駆動することでステージ14を回転(θ)方向に駆動することができる。
このような構成で、ステージ装置は、ステージ14上の基板(ウエハ:不図示)をXYθ方向に駆動することができる。ここで、ステージ14上に微動ステージを搭載して、さらに6軸方向に駆動するようにしても良い。
上述のジャケット4は、このようなステージ装置に適用されるが、ステージ14の構成についてはこれに限定されるものではなく、その他任意の構成を検討し得ることは勿論である。
また、本発明のステージ装置は、露光装置に用いられるステージ装置に限定されるものではなく、その他任意の装置に用いることが可能である。
(デバイス製造方法の実施例)
次に上記説明した露光装置を利用したデバイス製造方法の例を説明する。
図5は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。
まず、ステップ1(回路設計)ではデバイスのパターン設計を行なう。ステップ2(マスク製作/レクチル製作)では設計したデバイスのパターンを形成したレチクルを製作する。
一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコンやガラス等の材料を用いてはウエハを製造する。
ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したレチクルとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路パターンを形成する。
ウエハプロセスに際しては、上記説明したステージ装置を備える露光装置を用いる。
実際のウエハ上への回路パターンの形成においては、露光装置の測距用レーザ干渉計によりレチクルステージやウエハステージの水平面内の二次元的な位置の計測を含む。
この計測値に基づいてレチクルやウエハの位置決めや同期制御が可能となり、その制御の下、投影光学系の照明系により照明されたレチクルの回路パターンが第2物体としてのウエハに投影される。
次のステップ5(組み立て工程)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製された基板(ウエハ)を用いて半導体チップ化する工程である。
組み立て工程には、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。
ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図6は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。
ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。
ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハにレジストを塗布する。
ステップ16(露光)では上記説明した露光装置 によってレチクルの回路パターンをウエハの複数のショット領域に並べて焼付露光する。ステップ17(現像)では露光した基板を現像する。
次いでステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
このデバイス製造方法を用いれば、高速高精度で信頼性の高いデバイスを安定して製造することができる。
図1(a)は、本発明の実施例1のリニアモータ(多相リニアモータ)におけるジャケット部分の内部構造を説明するその長手方向の断面図である。 図1(b)は、その直交方向の断面図である。 図2(a)は、本発明の実施例2のリニアモータ(多相リニアモータ)におけるジャケット部分の内部構造を説明するその長手方向の断面図である。 図2(b)は、その直交方向の断面図である。 図3(a)は、本発明の実施例3のリニアモータ(多相リニアモータ)におけるジャケット部分の内部構造を説明するその長手方向の断面図である。 図3(b)は、その直交方向の断面図である。 本発明の実施例のステージ装置の構成を示す斜視図である。 本発明の実施例の微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造方法を示すフローチャートである。 図5に示すフローチャートのステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。 冷却手段を備えた従来の多相リニアモータの一例の構成を示す斜視図である。 図8(a)は、従来のジャケットの構造を示すその長手方向の断面図である。 図8(b)は、その直交方向の断面図である。
符号の説明
1 コイル
2 ヨーク
3 永久磁石
4a,4b ジャケットカバー
5 金属製ボルト
6 ピン
7 剥離防止部材
8 チタン製ボルト

Claims (11)

  1. 複数のコイルからなるコイル列と、前記コイル列を覆い内部空間に冷媒が供給されるジャケットとを有するリニアモータにおいて、
    前記ジャケットを二つのジャケットカバーの接着接合で構成し、前記ジャケットの冷媒内圧による接着剥離を防止すべく、非磁性金属材料から成る剥離防止部材を前記ジャケット内に有することを特徴とするリニアモータ。
  2. 前記ジャケットカバーは、非磁性非導電性材料からなることを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。
  3. 前記剥離防止部材は、前記複数コイルのそれぞれの空芯部に位置することを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。
  4. 前記剥離防止部材は、一または複数のピンから成ることを特徴とする請求項1または3に記載のリニアモータ。
  5. 前記剥離防止部材は、一または複数の繊維材料から成ることを特徴とする請求項1または3に記載のリニアモータ。
  6. 前記剥離防止部材は、一または複数のチタン製のボルトから成ることを特徴とする請求項1または3に記載のリニアモータ。
  7. 前記ジャケットに供給する前記冷媒は、純水であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のリニアモータ。
  8. 前記ジャケットに相対する位置に永久磁石を配置し、前記ジャケットが固定側で前記永久磁石を可動側として相対運動をするように配置した事を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のリニアモータ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のリニアモータを駆動機構として有することを特徴とするステージ装置。
  10. 請求項9記載のステージ装置で基板を搭載して、前記基板に露光を行う手段を有することを特徴とする露光装置。
  11. 請求項10記載の露光装置を用いてウエハを露光する工程と、
    前記ウエハを現像する工程とを備えることを特徴とするデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009210033A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Canon Inc エアスライダー装置、ステージ、露光装置およびデバイス製造方法
CN107241002A (zh) * 2016-03-28 2017-10-10 佳能特机株式会社 真空用直线电动机的动子

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