JP2007311195A - X線管 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電子源の位置決めを確実に行うことによりX線照射特性を広範囲に安定化すること。
【解決手段】 X線管1は、真空外囲器5と、炭素系電子放出材料6a,6b,6cを有する金属線7a,7b,7cを含み、両端が真空外囲器5によって保持されることによって真空外囲器5内に配置された電子源8a,8b,8cと、真空外囲器5内において電子源8a,8b,8cに対向して設けられ、電子源8a,8b,8cからの電子の入射に応じてX線を発生するターゲット材15と、真空外囲器5に取り付けられ、ターゲット材15から発生したX線を外部に取り出すための貫通孔13及びシリコン薄膜14と、真空外囲器5の内面3a上において、電子源8a,8b,8cとターゲット材15との間に設けられた引出電極11とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】 X線管1は、真空外囲器5と、炭素系電子放出材料6a,6b,6cを有する金属線7a,7b,7cを含み、両端が真空外囲器5によって保持されることによって真空外囲器5内に配置された電子源8a,8b,8cと、真空外囲器5内において電子源8a,8b,8cに対向して設けられ、電子源8a,8b,8cからの電子の入射に応じてX線を発生するターゲット材15と、真空外囲器5に取り付けられ、ターゲット材15から発生したX線を外部に取り出すための貫通孔13及びシリコン薄膜14と、真空外囲器5の内面3a上において、電子源8a,8b,8cとターゲット材15との間に設けられた引出電極11とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、X線を照射させるX線管に関し、特に、幅広い範囲にX線を照射するのに適した構造を有するX線管に関するものである。
X線管は、高真空の管内において電子源を用いて電子を発生させ、その電子をターゲットに入射させることによってX線を発生する装置である。このようなX線管としては、例えば、下記特許文献1に示されたX線装置がある。このX線装置では、平面状陰極から放出された電子線がターゲットである平面状陽極に衝突し、平面状陽極から発生したX線が取り出し窓を通して外部に取り出される。
特開2003−288853号公報
ところで、上述した平面状の電子源を有するX線管は小型化に有利であるが、その一方で、より広範囲に照射可能なX線管が望まれている。例えば、管に対して相対移動する物体に対してX線を照射するような状況下では、移動方向に対して交わる方向(例えば、垂直方向)に延びるように、広範囲にX線を照射可能なX線管が好ましく、このようなX線管に用いる電子源として線状部材を用いることが考えられる。また、このように表面に電子放出材料を設けた冷陰極の電子源としての線状部材は、主に引出電極との間に形成される電界によって電子放出を制御されるために、線状部材の真空管内での位置決めが重要となる。そして、このような線状部材を用いてより広範囲の照射を実現するためには、線状部材を広範囲にわたって配置することになるために、その位置決めは容易でないため電子放出の制御を難しくする傾向にある。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、電子源の位置決めを確実に行うことによりX線照射特性を広範囲に安定化することが可能なX線管を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のX線管は、少なくとも一部に絶縁部材を含む真空外囲器と、炭素系電子放出材料を表面に有する線状部材を含み、線状部材の両端が真空外囲器によって保持されることによって真空外囲器内に配置された電子源と、真空外囲器内において電子源に対向して設けられ、電子源からの電子の入射に応じてX線を発生するターゲットと、真空外囲器に取り付けられ、ターゲットから発生したX線を外部に取り出すためのX線取出窓と、真空外囲器の絶縁部材の内面上において、電子源とターゲットとの間に設けられた引出電極とを備える。
このようなX線管によれば、電子源を構成する線状部材が、その両端を真空を保持するために十分な強度を有する真空外囲器によって保持されることによって、真空外囲器内において位置決めされるとともに、真空外囲器の絶縁部材の内面上における電子源とターゲットとの間には引出電極が設けられる。このような構成において、線状部材の表面の炭素系電子放出材料から放出された電子がターゲットに入射することによってX線が発生し、このX線はX線取出窓を通じて外部に取り出されるが、線状部材と引出電極との位置関係が安定化されることにより広範囲に渡って安定したX線照射特性が得られる。
絶縁部材には、ターゲットと対向するように開口部が設けられ、X線取出窓は、開口部を覆うように設けられていることが好ましい。この場合、電子の入射方向に対して異なる方向にX線を取り出すような、いわゆる反射型のターゲットを利用した場合に、外部の広範囲にX線を照射することができる。
また、平板状の絶縁部材の内面には、線状部材に対応した溝部が形成されており、線状部材は、溝部によって囲まれた空間内に配置され、引出電極は、絶縁部材の溝部を挟んだ内面に沿って布設されていることも好ましい。こうすれば、電子源を構成する線状部材の全体に渡って引出電極に対する位置決めが容易に為され、電子源からの電子放出がより均一化される。
さらに、平板状の絶縁部材の内面には、線状部材に対応した溝部が形成されており、線状部材は、溝部によって囲まれた空間内に配置され、引出電極は、絶縁部材の溝部を挟んで、前記ターゲットの内面に垂直な中心軸線側が低くなるように形成された内面に沿って布設されていることも好ましい。このような構成により、電子源を構成する線状部材の全体に渡って引出電極に対する位置決めが容易に為され、電子源からの電子放出がより均一化されるとともに、ターゲットに電子を効率的に入射させることができる。
またさらに、線状部材の両端は、真空外囲器の絶縁部材によって保持されていることも好ましい。このようにすることで、線状部材における絶縁不良を防止することができる。
さらにまた、引出電極は、線状部材の長手方向に沿って複数に分割されていることも好ましい。かかる引出電極を備えれば、線状部材の長手方向に沿って分割領域毎に電子の引出量を制御することができ、線状部材の長手方向に沿って分割領域内で任意のX線照射特性を得ることができる。
本発明によるX線管によれば、電子源の位置決めを確実に行うことによりX線照射特性を広範囲に安定化することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るX線管の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面は説明用のために作成されたものであり、説明の対象部位を特に強調するように描かれている。そのため、図面における各部材の寸法比率は、必ずしも実際のものとは一致しない。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態であるX線管1の平面図、図2は、図1のX線管1の上部面板を取り除いた状態を示す平面図、図3は、図1のIII−III線に沿った断面図、図4は、図1のIV−IV線に沿った断面図である。これらの図に示すように、X線管1は、平板状のガラス等の絶縁部材からなる上部面板2及び下部面板3と、ガラス等の絶縁部材からなる四角柱状の側壁4とから構成される真空外囲器5を有している。上部面板2、下部面板3、及び側壁4は、ガラスによって形成され、上部面板2及び下部面板3がフリットガラス等により側壁4の開口端と封着されることにより真空外囲器5の内部が気密に保たれている。
図1は、本発明の第1実施形態であるX線管1の平面図、図2は、図1のX線管1の上部面板を取り除いた状態を示す平面図、図3は、図1のIII−III線に沿った断面図、図4は、図1のIV−IV線に沿った断面図である。これらの図に示すように、X線管1は、平板状のガラス等の絶縁部材からなる上部面板2及び下部面板3と、ガラス等の絶縁部材からなる四角柱状の側壁4とから構成される真空外囲器5を有している。上部面板2、下部面板3、及び側壁4は、ガラスによって形成され、上部面板2及び下部面板3がフリットガラス等により側壁4の開口端と封着されることにより真空外囲器5の内部が気密に保たれている。
この真空外囲器5の一部を構成する下部面板3の内面3a上には、周面に炭素系電子放出材料6a,6b,6cがCVD法、スプレー法、印刷法等でそれぞれ被覆された金属線(線状部材)7a,7b,7cによって構成される電子源8a,8b,8cが配置されている。ここで、炭素系電子放出材料6a,6b,6cは、カーボンナノチューブ、カーボンナノウォール、カーボンナノファイバ、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン等に代表され、電界の作用によって電子を外部に放出する性質を有するいわゆる電界放出型の電子放出材料である。それぞれの電子源8a,8b,8cにおいては、金属線7a,7b,7cの両端部を除く周面の全体に渡って炭素系電子放出材料6a,6b,6cが被覆されている。また、以下、内面3aとは、下部面板3aの真空側を向いた面であって、側壁4との接合部分を含む面のことを示すものとする。
上記のような構成を有する電子源8a,8b,8cは、それぞれ、金属線7a,7b,7cの両端部が、金属線7a,7b,7cの全体に一定のテンションがかかった状態で下部面板3の内面3aの溝部9a,9b,9cに嵌め込まれることによって、側壁4の長手方向に沿って互いに平行に等間隔になるように保持されている(図3参照)。この溝部9a,9b,9cは、側壁4の短手方向に沿った壁のそれぞれと内面3aとの接合部分において金属線7a,7b,7cの径とほぼ同一の幅で形成されることによって、電子源8a,8b,8cの真空外囲器5の内部における位置決めを確実にしている。このとき、溝部9a,9b,9cの底面が内面3aに対して一定の深さになるように形成されて金属線7a,7b,7cがその底面に接触することによって、金属線7a,7b,7cの全長に渡っての内面3aとの距離が安定に保たれている。さらに、金属線7a,7b,7cの両端部が溝部9a,9b,9cに嵌め込まれた上で、フリットガラス等を用いて溝部9a,9b,9cを封止することにより、真空外囲器5の内部を気密に保っている。なお、金属線7a,7b,7cをフリットガラスを用いて溝部9a,9b,9cに固定する際には、位置ズレ防止のために治具を用いることが好ましい。
また、下部面板3の内面3aの側壁4との接合部分を除く中央部には、溝部9a,9b,9cのそれぞれと同一線上に繋がるように、金属線7a,7b,7cに対応した溝部10a,10b,10cが形成されている。この溝部10a,10b,10cは、それぞれ、炭素系電子放出材料6a,6b,6cを含む金属線7a,7b,7cの径より大きな幅を有し、溝部9a,9b,9cより深く形成されている。金属線7a,7b,7cは、それぞれ、炭素系電子放出材料6a,6b,6cが溝部10a,10b,10cの側面及び底面に接触しないように、真空外囲器5内の溝部9a,9b,9cで囲まれる空間内に一直線状に張架されている。
下部面板3の内面3aの中央部には、網目状の引出電極11が、溝部10a,10b,10c内に配置された電子源8a,8b,8cを覆うように、溝部10a,10b,10cの両側を挟む内面3a上に亘って布設されている(図2)。この引出電極11は、金属線7a,7b,7cの長手方向に沿って3分割されて布設され、分割された引出電極11毎に印加電圧を調整できるように、分割された引出電極11毎に独立に接続された外部接続用の複数のピン12が真空外囲器5から外部に貫通して設けられている。このような構成の引出電極11は、真空外囲器5内において、電子源8a,8b,8cと後述するターゲット材15との間に位置することになる。
上部面板2は、それぞれの電子源8a,8b,8cに対向する位置に略矩形状の貫通孔13が形成されることによって、X線を外部に取り出すためのX線取出窓として機能する(図1)。これらの貫通孔13は、電子源8a,8b,8cの長手方向に沿って2個ずつに分割されて合計6個配列されている。また、上部面板2の外側表面には、全ての貫通孔13を覆うようにシリコン薄膜14が陽極接合によって接合されており、真空外囲器5の内部の気密封止が実現される。さらに、シリコン薄膜14の内面の貫通孔13から露出する部位には、タングステン等のターゲット材15が蒸着により形成されている(図4)。このターゲット材15は、電子源8a,8b,8cからの電子の入射に応じてX線を発生させる性質を有する。このように、ターゲット材15が真空外囲器5内で電子源8a,8b,8cに対向して設けられることにより、引出電極11に印加された電圧に応じて各電子源8a,8b,8cから放出された電子がターゲット材15に入射し、それに応じてターゲット材15から発生したX線がシリコン薄膜14を透過して外部に取り出される。なお、貫通孔13の内壁も含めて、上部面板2の真空側にもタングステン等の導電性部材が蒸着されている。電子源8からの電子は、絶縁部材である上部面板2にも入射するため、上部面板2が帯電し、真空容器5内に形成される電界に影響を与えてしまう場合がある。そのため、導電性部材で電子入射側を覆うことによって、帯電を防止している。なお、本実施形態においては、ターゲット材15と一体に蒸着形成されている。また、ターゲット材15への電圧供給も、真空外囲器5から外部に貫通して設けられた外部接続用ピン17と接触する導電性部材を介して行われる。
以上説明したX線管1においては、金属線7a,7b,7cの表面の炭素系電子放出材料6a,6b,6cから放出された電子がターゲット材15に入射することによってX線が発生し、このX線は貫通孔13及びシリコン薄膜14を通じて外部に取り出される。このとき、金属線7a,7b,7cと引出電極11及びターゲット材15との位置関係が安定化されることにより広範囲に渡って安定したX線照射特性が得られる。
具体的には、電子源8a,8b,8cを構成する金属線7a,7b,7cが、その両端を真空を保持するために十分な強度を有する真空外囲器5の下部面板3によって保持されることによって、真空外囲器5内の高さ方向(内面3aに対して垂直な方向)及び横方向(内面3aに対して平行な方向)において位置決めされる。すなわち、金属線7a,7b,7cが一定のテンションが与えられた状態で溝部9a,9b,9cに嵌め込まれることによって、電子源8a,8b,8cと下部面板3の内面3aとの距離が一定に保たれる。一方、絶縁部材からなる真空外囲器5の下部面板3の内面3a上において電子源8a,8b,8cとターゲット材15との間に引出電極11が布設されることによって、電子源8a,8b,8cと引出電極11との距離が保たれる結果、電子源8a,8b,8cからの電子のエミッション量が均一化される。特に、X線管1においては、電子源8a,8b,8cと引出電極11との間の電界強度が2V/μm〜3V/μm程度と大きく、炭素系電子放出材料から放出される電流密度も2〜50mA/cm2程度と大きいため電子エミッション量の安定化の効果は大きい。さらには、一般的なX線管においては電流量を大きくする必要があり、電子源8a,8b,8cを構成する金属線7a,7b,7cを0.5mm〜数mm程度に太くする必要があるので、真空外囲器5によって保持されることによる電子源の位置安定化の効果も大きい。
また、端部における保持構造を採ることにより電子源8a,8b,8cと溝部10a,10b,10cの底面及び側面とが接触することがないので、炭素系電子放出材料6a,6b,6cの剥がれに起因する電子放出特性の劣化や、剥がれた炭素系電子放出材料6a,6b,6cが電極等に接触することによる絶縁不良を防止することができる。
また、下部面板3の内面3aには、金属線7a,7b,7cの延びる方向に沿った方向に溝部10a,10b,10cが形成されており、金属線7a,7b,7cは、溝部10a,10b,10cによって囲まれた空間内に配置され、引出電極11は、溝部10a,10b,10cを挟んだ内面3aに沿って布設されているので、電子源8a,8b,8cを構成する金属線7a,7b,7cの全体に渡って引出電極11に対する位置決めが容易に為され、電子源8a,8b,8cからの電子放出がより均一化される。
また、金属線7a,7b,7cの両端は、絶縁部材であるガラス製の下部面板3によって保持されているので、金属線7a,7b,7cにおける絶縁不良をより一層防止することができる。
また、引出電極11は、金属線7a,7b,7cの長手方向に沿って複数に分割され、それぞれの引出電極11ごとに電圧を調整可能なので、金属線7a,7b,7cの長手方向に沿って電子の引出量を制御することができる結果、金属線7a,7b,7cの長手方向に沿って均一なX線照射特性を得ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、本発明の第2実施形態であるX線管21の上部面板を取り除いた状態を示す平面図、図6は、図5のX線管21の上部面板を含んだ状態におけるVI−VI線に沿った断面図である。本実施形態にかかるX線管21では、下部面板3の内面3a上に設けられた引出電極の構成が第1実施形態のものと異なる。なお、X線管21のX線取出窓として機能する上部面板2の構成は第1実施形態と同一である。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、本発明の第2実施形態であるX線管21の上部面板を取り除いた状態を示す平面図、図6は、図5のX線管21の上部面板を含んだ状態におけるVI−VI線に沿った断面図である。本実施形態にかかるX線管21では、下部面板3の内面3a上に設けられた引出電極の構成が第1実施形態のものと異なる。なお、X線管21のX線取出窓として機能する上部面板2の構成は第1実施形態と同一である。
詳細には、図5及び図6に示すように、下部面板3の内面3a上には、アルミ金属膜、ITO(Indium Tin Oxide)膜等の導電性薄膜からなる引出電極31が形成されている。この引出電極31は、溝部10aと溝部10bとで挟まれる内面3a上,溝部10bと溝部10cとで挟まれる内面3a上、及びこれら2箇所の内面3a上の部位とで溝部10a,10cを挟むような内面3a上において、金属線7a,7b,7cの炭素系電子放出材料6a,6b,6cが塗布された部分と平行に帯状で形成されている。また、引出電極31には、真空外囲器5から外部に貫通して設けられた外部接続用の端子32が接続されている。
このようなX線管21によっても、引出電極31等によって形成された電界により金属線7a,7b,7cの表面の炭素系電子放出材料6a,6b,6cからターゲット材15に向けて電子が放出されてX線が発生し、このX線はシリコン薄膜14を通じて外部に取り出されるが、金属線7a,7b,7cと引出電極31との位置関係が安定化されることにより広範囲に渡って安定したX線照射特性が得られる。特に、この引出電極31として内面3a上に成膜された導電性薄膜を用いることで、電子源8a,8b,8cから放出された電子が引出電極に吸収されることを防ぐことができ、電子放出量の損失を低減することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図7は、本発明の第3実施形態であるX線管41の上部面板を取り除いた状態を示す平面図、図8は、図7のX線管41の上部面板を含んだ状態におけるVIII−VIII線に沿った断面図、図9は、図7のX線管41の上部面板を含んだ状態におけるIX−IX線に沿った断面図である。本実施形態にかかるX線管41では、電子源8a,8b,8cが真空外囲器5の側壁4に形成された溝によって保持される点が第1実施形態のものと異なる。また、X線管41のX線取出窓として機能する上部面板2の構成は第1実施形態と同一である。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図7は、本発明の第3実施形態であるX線管41の上部面板を取り除いた状態を示す平面図、図8は、図7のX線管41の上部面板を含んだ状態におけるVIII−VIII線に沿った断面図、図9は、図7のX線管41の上部面板を含んだ状態におけるIX−IX線に沿った断面図である。本実施形態にかかるX線管41では、電子源8a,8b,8cが真空外囲器5の側壁4に形成された溝によって保持される点が第1実施形態のものと異なる。また、X線管41のX線取出窓として機能する上部面板2の構成は第1実施形態と同一である。
すなわち、金属線7a,7b,7cの両端部は、それぞれ、金属線7a,7b,7cの全体に一定のテンションがかかった状態で、側壁4において下部面板3との接合面から上方に形成された溝部49a,49b,49cに嵌め込まれることによって、互いに平行に等間隔になるように保持されている(図8参照)。この溝部49a,49b,49cは、金属線7a,7b,7cの径とほぼ同一の幅で形成されることによって、電子源8a,8b,8cの真空外囲器5の内部における位置決めを確実にしている。このとき、金属線7a,7b,7cが溝部49a,49b,49cに収容される際には、内面3aに接触することによって金属線7a,7b,7cの全長に亘って上下方向の位置が安定に保たれている。さらに、金属線7a,7b,7cの両端部が溝部49a,49b,49cに嵌め込まれた上で、フリットガラス等を用いて溝部49a,49b,49cを封止することにより、真空外囲器5の内部が気密に保たれている。なお、金属線7a,7b,7cをフリットガラスを用いて溝部49a,49b,49cに固定する際には、位置ズレ防止のために治具を用いることが好ましい。
また、下部面板3の内面3aの側壁4との接合部分を除く中央部には、溝部49a,49b,49cと同一線上に繋がるように、それぞれ、金属線7a,7b,7cに対応した溝部50a,50b,50cが形成されている。この溝部50a,50b,50cは、それぞれ、炭素系電子放出材料6a,6b,6cを含む金属線7a,7b,7cの径より大きな幅を有して形成されている。金属線7a,7b,7cは、それぞれ、炭素系電子放出材料6a,6b,6cが溝部50a,50b,50cの側面及び底面に接触しないように、真空外囲器5内の溝部49a,49b,49cで囲まれる空間内に一直線状に張架されている。
下部面板3の内面3aの中央部には、導電性薄膜の引出電極51が、溝部50a,50b,50cの両側を挟む凸部56上に、金属線7a,7b,7cの炭素系電子放出材料6a,6b,6cが塗布された部分と平行に帯状で形成されている(図9)。この引出電極51は、金属線7a,7b,7c毎にそれぞれの金属線の両側に分割して設けられ、それぞれの引出電極51は、金属線7a,7b,7cの長手方向に沿って2分割されて布設されている(図7)。さらに、分割された引出電極51毎に印加電圧を調整できるように、分割された引出電極51毎に独立に接続された外部接続用の端子52が真空外囲器5から外部に貫通して設けられている。
このようなX線管41によっても、電子源8a,8b,8cを構成する金属線7a,7b,7cが、その両端を真空を保持するために十分な強度を有する真空外囲器5の側壁4及び下部面板3によって保持されることによって、真空外囲器5内の高さ方向(内面3aに対して垂直な方向)及び横方向(内面3aに対して平行な方向)において位置決めされる結果、金属線7a,7b,7cと引出電極31との位置関係が安定化されることにより広範囲に渡って安定したX線照射特性が得られる。
また、引出電極51は、金属線7a,7b,7c毎に金属線の長手方向に沿って複数に分割され、それぞれの引出電極51ごとに電圧を調整可能なので、金属線毎又は金属線間での引出電極との距離のばらつきや炭素系電子放出材料のコーティング量のばらつきがあっても、金属線7a,7b,7cごとに長手方向に沿って電子の引出量を制御することができる結果、全体で均一なX線照射特性を得ることができる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について説明する。図10は、本発明の第4実施形態であるX線管61の平面図、図11は、図10のX線管61の上部面板を取り除いた状態を示す平面図、図12は、図10のX線管61のXII−XII線に沿った断面図、図13は、図10のX線管61のXIII−XIII線に沿った断面図である。本実施形態にかかるX線管61は、下部面板3上に設けられた電子源から放出された電子に応じて、上部面板2に設けられたターゲット75より放射されるX線を、下部面板3側に設けられたX線取出窓から照射する、いわゆる反射型のX線管である。
以下、本発明の第4実施形態について説明する。図10は、本発明の第4実施形態であるX線管61の平面図、図11は、図10のX線管61の上部面板を取り除いた状態を示す平面図、図12は、図10のX線管61のXII−XII線に沿った断面図、図13は、図10のX線管61のXIII−XIII線に沿った断面図である。本実施形態にかかるX線管61は、下部面板3上に設けられた電子源から放出された電子に応じて、上部面板2に設けられたターゲット75より放射されるX線を、下部面板3側に設けられたX線取出窓から照射する、いわゆる反射型のX線管である。
具体的には、真空外囲器5内の下部面板3上には、2本の電子源8a,8bが側壁4の長手方向に平行になるように設けられ、これらの電子源8a,8bを構成する金属線7a,7bの両端部は、金属線7a,7bの全体に一定のテンションがかかった状態で下部面板3の内面3aの溝部69a,69bに嵌め込まれている(図12参照)。この溝部69a,69bは、側壁4の短手方向に沿った壁のそれぞれと内面3aとの接合部分において金属線7a,7bの径とほぼ同一の幅で形成されることによって、電子源8a,8bの真空外囲器5の内部における位置決めを確実にしている。このとき、溝部69a,69bの底面が内面3aに対して一定の深さになるように形成されて金属線7a,7bがその底面において接触することによって、金属線7a,7bの全長に亘って内面3aとの距離が安定に保たれている。さらに、金属線7a,7bの両端部が溝部69a,69bに嵌め込まれた上で、フリットガラス等を用いて溝部69a,69bを封止することにより、真空外囲器5の内部が気密に保たれている。
また、下部面板3の内面3aの側壁4との接合部分を除く中央部には、溝部69a,69bと同一線上に繋がるように、それぞれ、金属線7a,7bに対応した溝部70a,70bが形成されている(図11及び図13)。この溝部70a,70bは、それぞれ、炭素系電子放出材料6a,6bを含む金属線7a,7bの径より大きな幅を有し、溝部69a,69bより深く形成されている。金属線7a,7bは、それぞれ、炭素系電子放出材料6a,6bが溝部70a,70bの側面及び底面に接触しないように、真空外囲器5内の溝部69a,69bで囲まれる空間内に一直線状に張架されている。
下部面板3の内面3a上には、導電性薄膜からなる引出電極71が布設されている。この引出電極71は、溝部70a及び溝部70bの外側(側壁4の長手方向に沿った壁に近い側)の内面3a上、及び溝部70a及び溝部70bの内側に形成された凸部76上において、金属線7a,7bの炭素系電子放出材料6a,6bが塗布された部分と平行になるように帯状に形成されている。ここで、引出電極71は、溝部69a,69bの底面からの高さに関して、溝部70a,70bを挟んだ内側、すなわち、後述するターゲット75の内面に垂直なターゲット75の中心軸線L1に近い側(後述する貫通孔(開口部)73側)が溝部70a,70bの外側よりも低くなるように配置されている。また、これらの引出電極31には、真空外囲器5から外部に貫通して設けられた外部接続用の端子72が接続されている。
下部面板3は、その中央部において、電子源8a,8bの長手方向に沿って2分割された略矩形状の貫通孔(開口部)73が形成されることによって、X線を外部に取り出すためのX線取出窓として機能する(図11)。また、下部面板3の外面には、貫通孔73を覆うようにシリコン薄膜74が陽極接合によって接合されており、真空外囲器5の内部の気密封止が実現されている。さらに、上部面板2の内面の貫通孔73と対向する部位に、ターゲット材75が蒸着により形成されている(図13)。なお、本実施形態においては、上部面板2の帯電防止のための導電性部材として、上部面板2の真空側のほぼ全面にわたってタングステンをターゲット材75と一体に蒸着形成している。また、ターゲット材75への電圧供給も、真空外囲器5から外部に貫通して設けられた外部接続用ピン77と接触する導電性部材を介して行われる。このように、ターゲット材75が真空外囲器5内で電子源8a,8b及び貫通孔73に対向して設けられることにより、引出電極71に印加された電圧に応じて各電子源8a,8bから放出された電子がターゲット材75に入射し、それに応じてターゲット材75から発生したX線がシリコン薄膜74を透過して外部に取り出される。
以上説明したX線管61においても、金属線7a,7bの表面の炭素系電子放出材料6a,6bから放出された電子がターゲット材75に入射することによってX線が発生し、このX線は、下部面板3のターゲット材75に対向する位置に設けられた貫通孔73及びシリコン薄膜74を通じて外部に取り出される。このとき、金属線7a,7bと引出電極71及びターゲット材75との位置関係が安定化されることにより広範囲に渡って安定したX線照射特性が得られる。
また、引出電極71は、溝部70a,70bを挟んで貫通孔73側が低くなるように形成されており、電子源8a,8bから放出された電子がターゲット材75の中央部に向けられるので、反射型X線管におけるターゲット材75に効率的に電子を入射させることができる。その結果、X線照射量が向上する。
また、本実施形態は反射型のX線管であり、X線取出窓(シリコン薄膜74)とターゲット材75とが別体に設けられているために、ターゲット材75への電子入射に伴って発生する熱が、シリコン薄膜74へ及ぼす影響が少ない。特に、本実施形態においては、X線取出窓(シリコン薄膜74)とターゲット材75とが対面するように配置されているために、真空外囲器5を介した沿面的にも、また空間的にも距離が大きく、特に影響を受けにくい。さらに、ターゲット材75を介してX線を取り出す必要がないために、ターゲット材75の厚みを厚くすることもできる。そのため、多量のX線を得るべく、電子流量を大きくするような場合に特に好ましい。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図14は、本発明の第5実施形態であるX線管81の上部面板を取り除いた状態を示す平面図、図15は、図14のX線管81の上部面板を含んだ状態におけるXV−XV線に沿った断面図、図16は、図14のX線管81の上部面板を含んだ状態におけるXVI−XVI線に沿った断面図である。本実施形態にかかるX線管81では、線状の電子源が1本であり、その電子源の中央部はX線取出窓である貫通孔73内に収容される点で第4実施形態のものと異なる。なお、ターゲット材75が形成された上部面板2の構成は第4実施形態と同一である。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図14は、本発明の第5実施形態であるX線管81の上部面板を取り除いた状態を示す平面図、図15は、図14のX線管81の上部面板を含んだ状態におけるXV−XV線に沿った断面図、図16は、図14のX線管81の上部面板を含んだ状態におけるXVI−XVI線に沿った断面図である。本実施形態にかかるX線管81では、線状の電子源が1本であり、その電子源の中央部はX線取出窓である貫通孔73内に収容される点で第4実施形態のものと異なる。なお、ターゲット材75が形成された上部面板2の構成は第4実施形態と同一である。
すなわち、電子源8aを構成する金属線7aの両端部は、下部面板3の内面3aに形成された溝部89aに嵌め込まれることによって、側壁4と平行に保持されている(図14及び図15)。この金属線7aの炭素系電子放出材料6aが形成された部分は、下部面板3の貫通孔73内において貫通孔73の側壁及びシリコン薄膜74に接触しないように保持されている(図16)。
一方、下部面板3の内面3a上には、貫通孔73の開口及び金属線7aの周面に形成された炭素系電子放出材料6aを覆うように網目状の引出電極91が布設されている。なお、この引出電極91及び金属線7aの材料としては、これらがX線通過領域に配置されることから、できるだけ原子番号の小さい軽金属元素を用いると、発生したX線がこれらを透過しやすくなり、X線量が減少しないため好適である。
このようなX線管81によっても、金属線7aの表面の炭素系電子放出材料6aから放出された電子がターゲット材75に入射することによってX線が発生し、このX線は、下部面板3のターゲット材75に対向する位置に設けられた貫通孔73及びシリコン薄膜74を通じて外部に取り出される。このとき、金属線7aと引出電極91及びターゲット材75との位置関係が安定化されることにより広範囲に渡って安定したX線照射特性が得られる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、引出電極としては、電子源ごとに対応して分割して設けられてもよいし、電子源の長手方向に沿って分割して設けられていてもよい。このとき、分割された引出電極毎に外部接続用の端子が接続されていてもよい。
具体的には、図17に示すX線管101のように、第2実施形態であるX線管21に対して、溝部10a,10b,10cの両側の内面3a上に電子源8a,8b,8c毎に分割して引出電極111を布設して、電子源8a,8b,8cに対応するそれぞれの引出電極111に端子112を接続するようにしてもよい。また、図18に示すX線管121のように、さらに電子源8a,8b,8cの長手方向に分割された引出電極131を設けて、分割された引出電極131毎に端子132を接続してもよい。このように引出電極を分割することで、電子源間における引出電極との位置関係、1つの電子源の長手方向における引出電極との位置関係にずれがあったり、電子源間や1つの電子源において電子放出材料のコーティング量にばらつきがあった場合でも、電子源からの電子放出量を均一にすることができる。なお、分割された引出電極間の耐電圧性向上のためには、引出電極間に適切な厚さのリブを配置することが好適である。
さらに、図19には、X線管81に対して、電子源8aに長手方向に沿って2分割された引出電極151を有するX線管141が示されている。このX線管141においては、分割された引出電極151の間に、電子源8aに垂直な方向に沿ってリブ157が立設されている。また、図20には、X線管61に対して、電子源8a,8bの長手方向に沿って2分割された引出電極171を有するX線管161が示されている。
また、電子源の中央部は下部面板3上の溝部内に配置される場合には限られず、また、引出電極は下部面板3上に配置される場合には限られない。図21は、X線管41に対する変形例であるX線管181の平面図、図22は、図21のX線管181のXXII−XXII線に沿った断面図である。これらの図に示すように、側壁4においては下部面板3に向けて貫通する互いに平行な3つの溝部190a,190b,190cが形成され、電子源8a,8b,8cの中央部は、それぞれ、溝部190a,190b,190cと内面3aとで囲まれる空間内において、側壁4及び内面3aに接触しないように保持されている。このX線管181においては、引出電極51が、側壁4における溝部190a,190b,190cを挟む内面上に、電子源8a,8b,8cと平行になるように布設されている。ここで言う側壁4の内面とは、側壁4の真空側を向いた面のことを示している。
また、本発明のX線管は、電子源が真空外囲器5の端部において保持される構成には限定されない。図23において、(a)は、本発明の変形例であるX線管の主要部分を示す平面図、(b)は、(a)のX線管の電子源の軸線方向に沿った断面図である。これらの図に示すX線管においては、電子源8aの全体が下部面板3の溝部10a内に収まるように配置され、金属線7aの端部は、溝部10aの底面上に形成された平坦面を有する凸部203a上に載置される。さらに、金属線7aの両端の上部には、ある程度の強度を有するリード線207aが溶接等により接続され、リード線207aが溝部9aを通って下部面板3から外部に貫通されている。このとき、フリットガラス等を用いて溝部9aを封止することにより、金属線7a全体にテンションが加えられるとともに真空外囲器5の内部が気密に保たれている。
このような構成とすれば、金属線7aを直接フリットガラスによって真空外囲器5に封着することによる電子源8aの上下方向の数〜数十μmの位置ずれを防止することで、X線管全体のX線放出量の均一化及びX線管の特性の固体差の低減を実現することができる。これは、溝部10aの底面上に形成した凸部203a上に電子源8aを載置することで、真空外囲器5内での電子源の高精度の位置出しを図ることができるからである。また、図24(a)及び(b)に示すように、金属線7aの中間において炭素系電子放出材料6aが塗布されていない中間部位を設けて、その中間部位の下方から金属線7aを支持するために、溝部10aの底面における凸部203aの間にさらに凸部203bを形成してもよい。
また、X線管61の構成を、上部面板2側にX線取出窓を有する、いわゆる透過型X線管に適用してもよい。すなわち、図25に示すX線管221のように、上部面板2の短手方向の中央部に貫通孔233を形成し、上部面板2の外側に貫通孔233を覆うようにシリコン薄膜14を配置し、シリコン薄膜14の内面の貫通孔13から露出する部位にターゲット材235を形成してもよい。このような構成においても、引出電極71が、溝部69a,69bの底面からの高さに関して、溝部70a,70bを挟んだ内側、すなわち、ターゲット235の内面に垂直なターゲット235の中心軸線L2に近い側が溝部70a,70bの外側よりも低くなるように配置されることで、ターゲット材235に効率的に電子を入射させることができる。また、1つのX線取出窓に対して複数の電子源からの電子ビームを入射可能になるので、1つのX線取出窓あたりのX線出射量を増やすことができる。
また、引出電極を分割して設けた場合は、各分割領域毎の電子放出量を均一にするように印加電圧を設定するのみでなく、所望の分割領域において所望の電子放出量になるように、引出電極の各分割領域への印加電圧を変えてもよい。
また、真空外囲器5の長手方向に沿って電子源を配置したが、短手方向に沿って配置してもよい。この場合、長手方向に複数の電子源を並べるように配置するのが好ましい。
また、真空外囲器5は、長手方向と短手方向の辺の長さが等しくてもよい。
また、真空外囲器5を構成する部材は絶縁材料に限らず、例えば上部面板3に導電性部材を用いても良い。また、貫通孔13を覆う窓材としては、シリコンに限らず、ベリリウム等のX線透過が良好な材料を用いれば良い。
また、上部面板2の真空側に蒸着された導電性部材としては、ターゲット材と一体に形成される場合に限らず、ターゲット材とは異なる導電性材料を用いたもの、例えばアルミニウムや、ITO(Indium Tin Oxide)等による薄膜でもよい。
1,21,41,61,81,101,121,141,161,181…X線管、2…上部面板、3…下部面板、3a…内面、4…側壁、5…真空外囲器、6a,6b,6c…炭素系電子放出材料、7a,7b,7c…金属線(線状部材)、8a,8b,8c…電子源、10a,10b,10c,50a,50b,50c,70a,70b,190a,190b,190c…溝部、11,31,51,71,91,111,131,151,171…引出電極、13…貫通孔、15,75…ターゲット材、56,76…凸部(内面)、73…貫通孔(開口部)。
Claims (6)
- 少なくとも一部に絶縁部材を含む真空外囲器と、
炭素系電子放出材料を表面に有する線状部材を含み、前記線状部材の両端が前記真空外囲器によって保持されることによって前記真空外囲器内に配置された電子源と、
前記真空外囲器内において前記電子源に対向して設けられ、前記電子源からの電子の入射に応じてX線を発生するターゲットと、
前記真空外囲器に取り付けられ、前記ターゲットから発生したX線を外部に取り出すためのX線取出窓と、
前記真空外囲器の前記絶縁部材の内面上において、前記電子源と前記ターゲットとの間に設けられた引出電極と、
を備えることを特徴とするX線管。 - 前記絶縁部材には、前記ターゲットと対向するように開口部が設けられ、
前記X線取出窓は、前記開口部を覆うように設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のX線管。 - 平板状の前記絶縁部材の内面には、前記線状部材に対応した溝部が形成されており、
前記線状部材は、前記溝部によって囲まれた空間内に配置され、
前記引出電極は、前記絶縁部材の前記溝部を挟んだ内面に沿って布設されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線管。 - 平板状の前記絶縁部材の内面には、前記線状部材に対応した溝部が形成されており、
前記線状部材は、前記溝部によって囲まれた空間内に配置され、
前記引出電極は、前記絶縁部材の前記溝部を挟んで、前記ターゲットの内面に垂直な中心軸線側が低くなるように形成された内面に沿って布設されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線管。 - 前記線状部材の両端は、前記真空外囲器の前記絶縁部材によって保持されている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のX線管。 - 前記引出電極は、前記線状部材の長手方向に沿って複数に分割されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のX線管。
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