JP2007309403A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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宏史 石川
Toshishige Sano
敏成 佐野
Masami Sugaya
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Abstract

【課題】ヨークと傾転軸受との間に生じる摩擦力を低減することにより、変速制御の安定性やトラニオンおよびヨークの耐久性の向上を図るとともに、形状の複雑化や位置管理の必要性などの問題を招くことがない小型で安価なトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】このトロイダル型無段変速機では、傾転軸受であるラジアルニードル軸受30とヨーク23A,23Bとの接触面に摩擦係数を低減するための低摩擦材120,121がコーティングされている。そのため、パワーローラ11のスラスト荷重に起因するヨーク23A,23Bとラジアルニードル軸受30との間に生じる摩擦力が低減され、変速制御の安定性やトラニオン15およびヨーク23A,23Bの耐久性の向上を図ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図4及び図5に示すように構成されている。図4に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図5参照)が回転自在に挟持されている。
図4中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図4の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図4のA−A線に沿う断面図である図5に示すように、ケーシング50の内側であって、出力側ディスク3,3の側方位置には、両ディスク3,3を両側から挟む状態で一対のヨーク23A,23Bが支持されている。これら一対のヨーク23A,23Bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン15の両端部に設けられた枢軸14を揺動自在に支持するため、ヨーク23A,23Bの四隅には、円形の支持孔18が設けられるとともに、ヨーク23A,23Bの幅方向の中央部には、円形の係止孔19が設けられている。
一対のヨーク23A,23Bは、ケーシング50の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト64,68により、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト64,68はそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク3の内側面3aとの間にある第1キャビティ221および第2キャビティ222にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト64,68に支持された状態で、その一端部が第1キャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ222の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ221,222は同一構造であるため、以下、第1キャビティ221のみについて説明する。
図5に示すように、ケーシング50の内側において、第1キャビティ221には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図5においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、その本体部である支持板部16の長手方向(図5の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、前述したように、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図5の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。前述したように、各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受(傾転軸受)30を介して揺動自在(傾転自在)に支持されている。また、前述したように、ヨーク23A,23Bの幅方向(図5の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、支持ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68及びこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図5で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図5の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、駆動軸22の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2および入力軸1に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図5の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11及びこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上記構成のトロイダル型無段変速機において、トラニオン15の枢軸14を揺動自在に且つ軸方向に変位自在に支持する前述したヨーク23A,23Bは、従来から様々な構造形態のものが知られているが、一般的には、それ自体が球面ポスト64,68を中心に揺動することにより、例えば一方のトラニオン15(例えば図5の右側のトラニオン15)の上側への変位に伴って他方のトラニオン15(例えば図5の左側のトラニオン15)を下側へ変位させるといったように、同一キャビティ内で対向する一対のトラニオン15の動きをシーソーのように同期させてこれらをそれぞれ逆方向に変位させる機能を有している。
例えば、図5の左側の駆動ピストン33が同図の下側に変位し且つ右側の駆動ピストン33が同図の上側に変位すると、これらの駆動ピストン33に結合されているトラニオン15,15が互いに逆方向に変位し(左側のトラニオン15が下側に変位し、右側のトラニオン15が上側に変位し)、これにより、上側のヨーク23Aは、その右側が上になる方向に、ケーシング50の固定部材52に当接したその突起(図示せず)を中心に傾く。同様に、下側のヨーク23Bも、シリンダ31の上側バルブボディ61に当接したその突起(図示せず)を中心に、上側のヨーク23Aと同じ方向に傾く。逆に、図5の左側の駆動ピストン33が同図の上側に変位し且つ右側の駆動ピストン33が同図の下側に変位すると、上側のヨーク23Aは、その左側が上になる方向に、ケーシング50の固定部材52に当接した前記突起を中心に傾き、同様に、下側のヨーク23Bも、上側のヨーク23Aと同じ方向に傾く。
前述したように、ヨーク23A,23Bは、スラスト荷重を支持し、トラニオン15の位置決めを行なうとともに、変速時のシーソー運動を可能にする。変速時にトラニオン15を上下に動かすことにより、パワーローラ11の回転中心とディスク2,3の回転中心とがずれることで接触面に傾転させる力が発生し、目標変速比になると中立の位置(パワーローラ11の回転中心とディスク2,3の回転中心とが一致する位置)に戻される。
ここで、問題となるのは、変速時にトラニオン15が傾転運動(揺動)する際、トラニオン15とヨーク23A,23Bとの間に介在する傾転軸受であるラジアルニードル軸受(傾転軸受)30とヨーク23A,23Bとの接触面に大きな荷重が作用するという点である。これは、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重をこの接触面で受けるためである。そのため、トラニオン15を軸方向に移動させる前記傾転時に前記接触面で大きな摩擦力(摺動抵抗)が発生し、摩耗により耐久性が低下するとともに、変速制御が不安定になってしまう。また、ラジアルニードル軸受(傾転軸受)30とヨーク23A,23Bとの接触面の摩擦係数が大きくなると、トラニオン15の軸方向移動により、ヨーク23A,23Bとトラニオン15との接触位置の接触荷重が大きくなってしまう。これにより、トラニオン15とヨーク23A,23Bとの接触面の摩擦力が大きくなり、傾転運動の阻害やトラニオン15もしくはヨーク23A,23Bの摩耗が発生してしまう。
そこで、従来においては、前記接触面に熱硬化処理を行なったり、トラニオン15とヨーク23A,23Bとの間の接触位置を不変に保つための突起をヨーク23A,23Bに設けたり(例えば、特許文献1参照)、あるいは、トラニオン15とヨーク23A,23Bとの接触幅を小さくしたり(例えば、特許文献2参照)している。また、ヨーク23A,23Bとトラニオン15との間に貫通孔を設けたり(例えば、特許文献3参照)、あるいは、ヨーク23A,23Bとトラニオン15との間に継手を介在させるとともに傾転軸受30の曲率半径を枢軸14の中心軸O’と前記継手の外周面との間の距離と等しくする(例えば、特許文献4参照)ことも提案されている。
特開平7−174201号公報 特開平9−291998号公報 特開平10−169742号公報 特開2000−274504号公報
前述した特許文献1ないし特許文献4において提案された技術はいずれも、トラニオン15の軸方向の移動や傾転運動時の摩擦抵抗を小さくするためのものであるが、形状の複雑化や位置管理の必要性などの問題がある他、大型化および高コスト化を招いている。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、ヨークと傾転軸受との間に生じる摩擦力を低減することにより、変速制御の安定性やトラニオンおよびヨークの耐久性の向上を図るとともに、形状の複雑化や位置管理の必要性などの問題を招くことがない小型で安価なトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、ケーシングと、このケーシングの内側で互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記各トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記各トラニオンの前記各枢軸をそれぞれ傾転自在に且つ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークと、を備えるトロイダル型無段変速機であって、前記トラニオンの前記枢軸は、当該枢軸を傾転自在に支持する軸受を介して、前記ヨークの支持孔内に受けられ、互いに接触する前記軸受の外輪の表面および前記ヨークの支持孔の内面のうちの少なくとも一方には、これらの接触面における摩擦係数を低減するための低摩擦材がコーティングされていることを特徴とする。
この請求項1に記載された発明においては、傾転軸受とヨークとの接触面に摩擦係数を低減するための低摩擦材がコーティングされているため、パワーローラのスラスト荷重に起因するヨークと傾転軸受との間に生じる摩擦力が低減され(摩擦力自体を低摩擦材により低減させることによりトラニオンの肩部の荷重が低減され)、変速制御の安定性やトラニオンおよびヨークの耐久性の向上を図ることができる。また、接触面に対して単に摩擦材をコーティングするだけであるため、形状の複雑化や位置管理の必要性などの問題を招くこともなく、小型で安価な構造を実現することができる。
また、請求項2に記載されたトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載された発明において、前記低摩擦材のコーティングは、前記枢軸の周方向に沿って180度以下の角度範囲で施されることを特徴とする。
この請求項2に記載された発明においては、低摩擦材のコーティング範囲を一般的に使用される範囲のみに限っているため、製造性を更に向上させることができる。
また、請求項3に記載されたトロイダル型無段変速機は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記低摩擦材がダイヤモンドライクカーボンまたはタングステンカーバイトカーボンであることを特徴とする。
この請求項3に記載された発明においては、ダイヤモンドライクカーボンまたはタングステンカーバイトカーボンのコーティングは超高温での作業を伴わないため、部品強度を低下させることがなく、安価に製造できる。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、傾転軸受とヨークとの接触面に摩擦係数を低減するための低摩擦材がコーティングされているので、ヨークと傾転軸受との間に生じる摩擦力を低減することができるとともに、変速制御の安定性やトラニオンおよびヨークの耐久性の向上を図ることもでき、また、形状の複雑化や位置管理の必要性などの問題を招くことなく小型に且つ安価に製造することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、ヨークとトラニオンとの接触形態にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図4および図5と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1は、本発明の一実施形態に係るダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の要部断面を示している。図示のように、第1または第2のキャビティ221(222)には、パワーローラ11を支持する一対のトラニオン15が設けられている。トラニオン15の両端部には同心的に枢軸14が設けられており、これらの枢軸14は一対のヨーク23A,23Bの一端部に揺動且つ軸方向に変位自在に支持されている。すなわち、枢軸14は、ヨーク23A,23Bに形成された支持孔18の内側に、ラジアルニードル軸受30によって支持されている。ラジアルニードル軸受30は、その外周面が球状凸面で且つその内周面が円筒面である外輪30aと、複数本のニードル30bとから構成されている。
また、本実施形態においては、図2に拡大して示すように、互いに接触するラジアルニードル軸受30の外輪30aの表面およびヨーク23A(23B)の支持孔18の内面の両方に、これらの接触面における摩擦係数を低減するための低摩擦材120,121がコーティングされている。また、これらの低摩擦材120,121のコーティングは、図3に示すように、枢軸14(支持孔18)の周方向に沿って180度の角度範囲で施されている(図3は、ヨーク23A,23Bに施された低摩擦材120のコーティング状態を一例として示している)。
なお、本実施形態では、外輪30aの表面およびヨーク23A(23B)の支持孔18の内面の両方に低摩擦材120,121がコーティングされているが、外輪30aの表面または支持孔18の内面のうちのいずれか一方にのみ低摩擦材120,121がコーティングされていても良い。また、本実施形態では、低摩擦材120,121のコーティングが枢軸14(支持孔18)の周方向に沿って180度の角度範囲で施されているが、180度未満の角度範囲でコーティングされていても構わない。要は、変速制御で使用される範囲(枢軸14の傾動範囲)にわたってコーティングされていれば良い。
また、コーティングされる低摩擦材120,121としては、ダイヤモンドライクカーボンまたはタングステンカーバイトカーボンを挙げることができる。無論、接触面における摩擦係数を低減することができれば、どのような低摩擦材料を使用しても構わない。
以上のように、本実施形態では、傾転軸受であるラジアルニードル軸受30とヨーク23A,23Bとの接触面に摩擦係数を低減するための低摩擦材120,121がコーティングされているため、パワーローラ11のスラスト荷重に起因するヨーク23A,23Bとラジアルニードル軸受30との間に生じる摩擦力が低減され、変速制御の安定性やトラニオン15およびヨーク23A,23Bの耐久性の向上を図ることができる。また、接触面に対して単に低摩擦材120,121をコーティングするだけであるため、形状の複雑化や位置管理の必要性などの問題を招くこともなく、小型で安価な構造を実現することができる。
また、本実施形態において、低摩擦材120,121のコーティングは、枢軸14(支持孔18)の周方向に沿って180度以下の角度範囲で施されているため、すなわち、低摩擦材120,121のコーティング範囲を一般的に使用される範囲のみに限っているため、製造性を更に向上させることができる。
また、本実施形態において、低摩擦材120,121としてダイヤモンドライクカーボンまたはタングステンカーバイトカーボンを用いれば、超高温での作業を伴わないため、部品強度を低下させることがなく、安価に製造できる。
本発明は、様々な形態のシングルキャビティ型およびダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図である。 図1のトロイダル型無段変速機の要部拡大断面図である。 ヨークの平面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図4のA−A線に沿う断面図である。
符号の説明
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
14 枢軸
15 トラニオン
23A,23B ヨーク
30 ラジアルニードル軸受(傾転軸受)
32 駆動装置
50 ケーシング
120,121 低摩擦材

Claims (3)

  1. ケーシングと、このケーシングの内側で互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記各トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記各トラニオンの前記各枢軸をそれぞれ傾転自在に且つ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークと、を備えるトロイダル型無段変速機において、
    前記トラニオンの前記枢軸は、当該枢軸を傾転自在に支持する軸受を介して、前記ヨークの支持孔内に受けられ、
    互いに接触する前記軸受の外輪の表面および前記ヨークの支持孔の内面のうちの少なくとも一方には、これらの接触面における摩擦係数を低減するための低摩擦材がコーティングされていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記低摩擦材のコーティングは、前記枢軸の周方向に沿って180度以下の角度範囲で施されることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記低摩擦材がダイヤモンドライクカーボンまたはタングステンカーバイトカーボンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
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