JP2007309357A - 空気ばねおよび、その空気ばねを用いたサスペンション - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化を招くことなく、耐荷重やばね定数を向上でき、ばねの成立性を維持できる空気ばねを提供する。
【解決手段】空気ばね14は、ピストンと、ピストン18の端面と対面する固定板20と、ピストン18と固定板20との間に配置され空気室26を形成するダイヤフラム22と、空気室26内に配置され、一端がピストン18と接触し他端が固定板20と接触するコイルばね24と、を含んでいる。ダイヤフラム22は、空気室26の容積減少時などにピストン18の外周に垂れ下がる垂下部44を有し、コイルばね24のピストン接触側は、ピストン18を包囲するように垂下部44内に配置されている。垂下部44にコイルばね24を配置することにより、空気ばね14は大型化を招くことなく、また、ばねの成立性を損なうことなく耐荷重やばね定数を向上できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気ばねおよび、その空気ばねを用いたサスペンション、特に小型化を図りつつ、耐荷重やばね定数の向上を図ることのできる空気ばねおよびその空気ばねを用いたショックアブソーバ別体型のサスペンションに関する。
通常、車両のアクスルには、サスペンションが接続されている。サスペンションは、走行中路面から受ける振動や衝撃が直接ボディに伝わるのを、タイヤとともに吸収して乗り心地を良くしたり、車体や積荷の損傷を防ぐなどの機能を有する。サスペンションの主要部品であるばねは、車体の重量を支えて路面からの衝撃を和らげる機能を有し、従来から金属ばねが一般的に多用されている。金属ばねは、構造が簡単で比較的安価で製造でき、1トン前後の小型車から数十トンの大型車まで広く用いることができる。しかし、最大積載時に最低限の安定性を確保できる強さを持つばねを使う必要があるため、乗員が少なかったり、積載量が少ない場合には、ばねの十分な伸縮が得られず衝撃緩和機能が十分に得られない場合がある。この金属ばねの不具合を解消するものとして空気ばねがある。空気ばねは、伸縮機能のある空気室に車体重量を支える高圧空気を閉じ込めたもので、高圧空気の出し入れを行うことにより、荷重や車体姿勢、走行状態の変化に応じてばね力を発生できる。
空気ばねを用いたエアサスペンションとしては、たとえば特許文献1に開示されるものがある。このエアサスペンションは、いわゆるアブソーバ同軸一体型エアサスペンションで、ショックアブソーバのシリンダおよびロッドの周囲に懸架ばねを配置するとともに、その懸架ばねの外側に空気ばねの空気室を形成するダイヤフラムを配置している。
ところで、近年の車両は乗り心地を重要視するとともに、車両の居住性の向上も要求されている。前述したように、空気ばねを用いることで車両の乗り心地は大幅に向上する。しかし、特許文献1に開示されるようなアブソーバ同軸一体型エアサスペンションは、ショックアブソーバの周囲に空気ばねを配置しているので、空気ばねの口径が大きくなる。その結果、ショックアブソーバを従来通りタイヤの近傍に配置すると居住スペースの減少を招き好ましくない。そこで、径の細いショックアブソーバのみをタイヤ近傍に配置して、居住スペースを確保するとともに、空気ばねは、アクスルケースやロアアームなどの上の任意の空いているスペースに配置する、いわゆるアブソーバ別体型空気ばねも考案されている。
実開平1−132832号公報
近年、車両の高級化、高性能化が盛んに行われる結果、車両重量が増加する傾向にある。その結果、アブソーバ別体型空気ばねにおいても耐荷重やばね定数の向上が望まれている。ただし、この場合も空気ばね自体の大径化は避ける必要がある。また、耐荷重やばね定数の向上のために特許文献1のように金属ばねと空気ばねとを並列ばねとすることも考えられるが、アブソーバ別体型空気ばねの場合、アブソーバ同軸一体型のように中心となる軸が存在しないので、金属ばねが座屈してしまい、ばねとして成立しなくなるという問題があった。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、大型化を招くことなく、耐荷重やばね定数を向上でき、ばねの成立性を維持できる空気ばねを提供することを目的とする。また、この空気ばねを用いたショックアブソーバ別体型のサスペンションを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の空気ばねは、振動発生部に連結されるピストンと、前記ピストンの端面と対面する位置で振動受け部と連結される固定板と、前記ピストンと前記固定板との間に配置され可変容積の空気室を形成する筒状のダイヤフラムと、前記空気室内に配置され、一端が前記ピストンと接触し他端が前記固定板と接触する内蔵ばねと、を含み、前記ダイヤフラムは、前記空気室で前記ピストンの外周に垂れ下がる垂下部を有し、前記内蔵ばねのピストン接触側は、前記ピストンを包囲するように前記垂下部内に配置されていることを特徴とする。
この態様によれば、内蔵ばねは、空気室の容積減少時などにピストンの外周に垂れ下がるデッドスペースとしての垂下部の内部に配置される。その結果、ダイヤフラムの径を増大することなく、内蔵ばねを空気ばねの内部に配置し、空気ばねの耐荷重やばね定数を向上することができる。また、内蔵ばねをピストンの外周に垂れ下がる垂下部から立ち上げて、ピストンの上面を超えて空気室内部に配置できるので、内蔵ばねのばね長の設定自由度が向上する。また、内蔵ばねをピストンの外周に垂れ下がる垂下部から立ち上げることができるので、ダイヤフラムの内壁近傍に内蔵ばねを配置でき、空気ばねの形状の安定性を向上できる。
また、上記態様において、前記ピストンは、当該ピストン端面からピストン周面に沿って前記垂下部内に延出するコイル受け部を有していてもよい。この態様によれば、コイル受け部により内蔵ばねの下端を支持するとともに、ピストン周面を用いて内蔵ばねの下端胴部分を支持できるので、空気室内で内蔵ばねを安定的に支持することができる。また、内蔵ばねの下端胴部分を支持することで、内蔵ばねの座屈を抑制することができる。
また、上記態様において、前記コイル受け部は、前記垂下部の内底面に臨む、垂下部破損防止部材を備えていてもよい。垂下部内にコイル受け部が配置されている場合、空気室の容積が増加すると、垂下部が引き上げられてコイル受け部に接近するが、コイル受け部に垂下部破損防止部材を形成することにより、ダイヤフラムの破損を容易に回避することができる。この垂下部破損防止部材は、前記垂下部の内底面に臨む部分が曲面形状であってもよい。垂下部破損防止部材の垂下部内底面に臨む部分を曲面形状とすることで、ダイヤフラムとコイル受け部とが接触した場合でも、ダイヤフラムの一部への応力集中を緩和し、ダイヤフラムの破損を防止できる。また、前記垂下部破損防止部材は、弾性体で形成されてもよい。垂下部破損防止部材を弾性体、たとえばゴムや樹脂で形成することができる。また、垂下部破損防止部材を弾性体とする場合、垂下部破損防止部材の形状によって構造的に弾性を持たせてもよい。この場合もダイヤフラムとコイル受け部とが接触しても、ダイヤフラムの破損を防止できる。
また、上記態様において、前記コイル受け部は、前記内蔵ばねと前記ダイヤフラムとを分離する分離壁を有してもよい。内蔵ばねが縮むと線間密着状態になる。この線間密着は特にばねの端部で発生しやすく周囲のものを挟み込みやすい。しかし、コイル受け部に内蔵ばねとダイヤフラムとを分離する分離壁を設けることにより、内蔵ばねが縮んだときでも、ばねの線間にダイヤフラムが挟まれることを回避できる。
上記課題を解決するために、本発明の別の態様では、ショックアブソーバが空気ばねの配置位置より車両外側に配置されたサスペンションであって、前記空気ばねは、振動発生部に連結されるピストンと、前記ピストンの端面と対面する位置で振動受け部と連結される固定板と、前記ピストンと前記固定板との間に配置され可変容積の空気室を形成する筒状のダイヤフラムと、前記空気室内に配置され、一端が前記ピストンと接触し他端が前記固定板と接触する内蔵ばねと、を含み、前記ダイヤフラムは、前記空気室で前記ピストンの外周に垂れ下がる垂下部を有し、前記内蔵ばねのピストン接触側は、前記ピストンを包囲するように前記垂下部内に配置されていることを特徴とする。
この態様によれば、空気ばねの径を増大することなく、サスペンションの耐荷重やばね定数を向上できる。また、空気ばねの径が増大しないので、サスペンションにおける空気ばねの配置自由度が向上できる。
本発明の空気ばねによれば、大型化を招くことなく、またばねの成立性を損なうことなく耐荷重やばね定数を向上できる。また、本発明のサスペンションによれば、大型化を招くことなく耐荷重やばね定数を向上できる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
本実施形態の空気ばねは、ピストンと、このピストンの端面と対面する固定板と、ピストンと固定板との間に配置され空気室を形成するダイヤフラムと、空気室内に配置され、一端がピストンと接触し他端が固定板と接触する内蔵ばねと、を含んでいる。ダイヤフラムは、空気室の容積減少時などにピストンの外周に垂れ下がる垂下部を有し、内蔵ばねのピストン接触側は、ピストンを包囲するように垂下部内に配置されている。垂下部に内蔵ばねを配置することにより、空気ばねの大型化を招くことなく、またばねの成立性を損なうことなく耐荷重やばね定数を向上できる。
図1は、本実施形態の空気ばねを用いたサスペンションの構成を説明する概略図である。図1に示すサスペンション10は、車軸懸架型の後輪駆動車においてショックアブソーバ12と空気ばね14が別体で配置されるばね別置き(ショックアブソーバ別体型)リアサスペンションである。ショックアブソーバ12と空気ばね14は、それぞれ車輪ごとに配置されている。なお、図1において、左後輪位置のショックアブソーバは図示を省略しているが、右後輪位置に図示したショックアブソーバ12と同じものが配置されている。ショックアブソーバ12の下端は、車輪に近い位置でアクスルケース16に接続され、上端は、図示しない車体のフレームに接続されている。また、空気ばね14はショックアブソーバ12より車両内側の位置で、下端がアクスルケース16に接続され、上端が図示しない車体のフレームに接続されている。なお、空気ばね14は、ショックアブソーバ12の内側であれば、アクスルケース16上の任意の位置に配置可能であり、フロア下の余裕のあるスペースに配置することができる。その結果、荷室のスペース確保と、空気ばね14の効率的な配置を両立させることができる。
図2は、本実施形態の空気ばね14の内部構造の一例を説明する概略図である。空気ばね14は、ピストン18と固定板20とダイヤフラム22と、内蔵ばねとして機能するたとえばコイルばね24を含んでいる。ピストン18は、振動発生部となる、たとえばアクスルケース16と接続される。また、固定板20は、ピストン18の上端面と対面する位置で振動受け部となる、たとえば車体フレームと連結されている。ダイヤフラム22は、ピストン18と固定板20との間に配置され可変容積の空気室26を形成する筒状の部材である。ダイヤフラム22の上端側は、固定リング28に巻き付けられている。このダイヤフラム22の上端部は、固定リング28を軸として、固定板20のダイヤフラム22の接続側に形成されたフランジ30と、固定バンド32との間で挟持されている。一方、ダイヤフラム22の他方端は、ピストン18の周辺を示す拡大図である図3に示すように、固定リング34に巻き付けられている。このダイヤフラム22の他方端部は、固定リング34を軸として、ピストン18の上面に形成された固定フランジ36と、コイルばね24を支持するコイル受け部38との間で挟持されている。その結果、ダイヤフラム22はピストン18と固定板20との間に気密性の高い空気室26を形成する。なお、図示を省略しているが、空気ばね14の一部には、圧縮空気の供排バルブが設けられ、必要に応じて空気室26に圧縮空気の出し入れを行うことができる。圧縮空気の供排により空気室26の容積を変化させ、空気ばね14のばね定数やばね長(空気ばね14の高さ)を変化させることができる。その結果、走行中路面から受ける振動や衝撃が直接ボディに伝わるのを吸収して乗り心地を改善する。また、搭乗人数や積載量に応じたばね定数やばね長の設定が可能になる。また、空気ばね14の高さ調整を行うことにより、車高の調整が可能になり、操縦の安定性の向上や乗降性の向上にも寄与することができる。
ダイヤフラム22は、たとえばシート状のゴム材に金属ワイヤを通したものであり、圧縮空気の供排時の形状維持と強度維持ができる。また、ピストン18の上面には、ゴムなどの弾性体で形成されたバウンドストッパ40が配置されている。このバウンドストッパ40は空気ばね14がストロークしたときに、圧縮ストロークの最後でばね定数が急激に上昇するのを防ぎ、ばね定数が徐々に高くなるようにして、ショックを和らげている。また、ダイヤフラム22の周囲には、たとえばゴムなどの樹脂でできた蛇腹状のカバー42が装着され、ダイヤフラム22を保護している。
ところで、一般に空気ばねの耐荷重は、図3に示す受圧径Aで決まる。したがって、空気ばねをサスペンションに利用する場合、取り付ける車両が許容できるスペースによって、受圧径Aが制限を受けてしまう。つまり、一般の空気ばねは利用形態によって耐荷重の制限を受ける。そこで、本実施形態では、空気ばね14の耐荷重を向上させるために、当該空気ばね14と並列ばねとして機能する内蔵ばね(たとえばコイルばね)を配置している。本実施形態のようなショックアブソーバ12が同軸配置されない空気ばね14は、伸縮方向に実質的な軸部材が存在しないため、コイルばねを配置する場合、圧縮時に座屈が生じないように配慮する必要がある。
ところで、コイルばねを並列ばねとして空気ばね14に配置する場合、ダイヤフラム22の外側に当該ダイヤフラム22を取り囲むように配置するパターンと、ダイヤフラム22の内側で、ダイヤフラム22によってコイルばねを取り囲むように配置するパターンが考えられる。コイルばねをダイヤフラム22の外側に配置する場合、当該コイルばねはダイヤフラム22とカバー42の間または、カバー42の外側に配置することになる。この場合、耐荷重やばね定数の十分な向上が望めるが、空気ばね14全体としての直径の増加を招き、空気ばね14の小型化の要望を満たせない。一方、ダイヤフラム22の内側にコイルばねを配置する場合、ダイヤフラム22の内壁から離間した位置に配置するパターンと、ダイヤフラム22の内壁に接近した位置に配置するパターンが考えられる。ダイヤフラム22の内壁から離間した位置に配置する場合、たとえばピストン18の径より小さいコイル径のコイルばねを用いることになる。この場合、コイルばねで耐荷重やばね定数の向上を行おうとすると、ばねの縦横比(自由巻数/コイル平均径)が大きくなり、座屈する可能性が増加する。
以上の点を考慮し、本実施形態の空気ばね14では、図2に示すように、コイルばね24をダイヤフラム22の内側で、かつダイヤフラム22の内壁に接近した位置に配置している。空気ばね14は圧縮空気の供排や振動や衝撃の入力により伸縮するため、圧縮時に空気室26の容積の減少に伴いダイヤフラム22の余り部分が垂下部44として、ピストン18の周囲に垂れ下がる。そこで、本実施形態では、コイルばね24のピストン18の接触側がダイヤフラム22の垂下部44の内部に位置するようにしている。本実施形態の場合、コイルばね24をダイヤフラム22の垂下部44内で支持できるように、ピストン18は当該ピストン18上端面からピストン周面に沿って垂下部44内に延出するコイル受け部46を有している。このコイル受け部46はお椀を裏返したような形状とすることができ、ピストン18の上端面とバウンドストッパ40との間に挟持固定されている。コイル受け部46をピストン18の周面に沿って垂下部44の内部に延出させることにより、ダイヤフラム22の内側に配置するコイルばね24のコイル径をダイヤフラム22の内径が許容できる径まで拡大できる。また、ピストン18の側面からコイルばね24を立ち上げ、ピストン18の上面を超えて空気室26内部に配置することにより、コイルばね24のコイル長を長くすることが可能となる。さらに、コイル受け部46の延出長さを調整することにより、配置するコイルばね24のばね長の設定自由度も向上する。その結果、コイルばね24の耐荷重やばね定数の選択自由度が向上する。また、実質的にコイルばね24のピストン接触側にピストン18を挿入することになる。つまり、ピストン18をコイルばね24の支持軸として機能させることができる。その結果、コイルばね24の耐荷重の増大のためにコイル長を長くしても、座屈を抑制することができる。
ところで、垂下部44の内部にコイル受け部46を配置した場合、空気室26の容積が増大したとき、垂下部44の内底面とコイル受け部46の下端面とが接触するおそれがある。たとえば、サスペンション10の高さ調整を行うために、圧縮空気の供給量が増大した場合や、車両がバウンドして、アクスルケース16が路面側に引き下げられ、ピストン18が空気室26を広げた場合、図3中のクリアランスBが縮まり、垂下部44とコイル受け部46とが接触する可能性が出る。垂下部44とコイル受け部46の接触は、ダイヤフラム22の破損を招く。そこで、本実施形態のコイル受け部46は、クリアランスBの減少に伴うダイヤフラム22の破損を防止するために、垂下部44の下端面側に、垂下部破損防止部材48を備えている。この垂下部破損防止部材48は、図3に示すように曲面形状とすることができる。この曲面形状は、垂下部44の形成する垂下曲面と類似または実質的に同等の曲率で形成することが望ましい。このように、曲面形状の垂下部破損防止部材48を形成することにより、垂下部44の内底面とコイル受け部46の下端、すなわち垂下部破損防止部材48が接触した場合でも、接触応力を曲面上に分散させダイヤフラム22を突き抜けたり、傷を付けたりすることが防止できる。
また、垂下部破損防止部材48は弾性体で形成してもよい。弾性体で形成することにより、垂下部44の内底面とコイル受け部46の下端、すなわち垂下部破損防止部材48が接触した場合でも衝撃力を緩和しダイヤフラム22を突き抜けたり、傷を付けたりすることが防止できる。垂下部破損防止部材48を弾性体とする場合、たとえば、垂下部破損防止部材48自体を弾性材料で形成することができる。弾性材料としては、樹脂やゴム材を利用することができる。この場合、垂下部破損防止部材48全体を樹脂やゴム材で形成してもよいし、金属などのベース材の表面に樹脂やゴム材を配置してもよい。また、図3に示すように垂下部破損防止部材48を片持ち形状として、構造的に弾性体としてもよい。この場合、垂下部44の内底面とコイル受け部46の下端、すなわち垂下部破損防止部材48が接触した場合、垂下部破損防止部材48は容易に撓み、接触時の衝撃力を緩和しダイヤフラム22を突き抜けたり、傷を付けたりすることが防止できる。なお、図3に示すように、本実施形態では、垂下部破損防止部材48を片持ち形状としているが、両端部を固定する形態としてもよい。
ところで、コイルばね24が圧縮状態になった場合、線間密着状態になる。この線間密着は特にばねの端部で発生しやすく、本実施形態のように、ダイヤフラム22の内壁とコイルばね24との距離が接近している場合、線間密着時にダイヤフラム22を挟み込み破損してしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、コイル受け部46が、コイルばね24とダイヤフラム22とを分離する分離壁50を有している。この分離壁50は、コイル受け部46の外周端部からダイヤフラム22の内壁面に沿って立ち上げられた薄板材で形成することができる。分離壁50は、たとえば金属板や樹脂板で形成することができ、ダイヤフラム22に沿った高さは、たとえば線間密着が発生しやすいコイルばね24のばね端部を覆うように、コイルばね24のコイル長の約1/4に相当する長さとすることができる。このように、分離壁50は線間密着によるダイヤフラム22の挟み込みを確実に防止することができる。なお、分離壁50はコイルばね24を包囲する連続した面形状とする必要は必ずしもなく、たとえば、所定間隔で立設される小片で構成してもよい。
このように、本実施形態では、垂下部破損防止部材48や分離壁50を設けることにより、ダイヤフラム22に損傷を与えることなく、ダイヤフラム22の内壁近傍の位置にコイルばね24を配置することが可能になる。その結果、空気ばね14全体としての耐荷重やばね定数の向上を障害なく実施できる。
本実施形態では、垂下部破損防止部材48と分離壁50を一体的に形成した例を示しているが、別部品で構成してもよい。また、本実施形態の場合、一体化した垂下部破損防止部材48と分離壁50をコイル受け部46のコイル支持面に配置する例を示しているが、コイル受け部46、垂下部破損防止部材48、分離壁50を一体化してもよい。一体化することにより部品点数の減少や組み立て工数の削減を実施することができる。
なお、コイルばね24の上端側は、固定板20に形成された突起部20aに装着されて位置決めされている。コイルばね24の上端部は、固定板20に固定されていてもよいし、非固定とされていてもよいが、コイルばね24の圧縮時には、しっかりとコイルばね24を受け止める形状となっていることが望ましい。また、コイルばね24の固定板20の接触側も圧縮時に、前述したように線間密着状態となる。したがって、下端側と同様にダイヤフラム22とコイルばね24の間に分離壁を形成してもよい。なお、本実施形態の場合、固定板20のフランジ30の外周にダイヤフラム22が巻き付け固定されているので、ダイヤフラム22を支持するフランジ30が分離壁の機能を果たしている。
このように、本実施形態によれば、空気ばね14の内部にコイルばね24を並列ばねとして配置する場合、ダイヤフラム22の垂下部44にコイル受け部46を形成し、コイルばね24を支持している。その結果、空気ばね14の大型化やばねの成立性を損なうことなく、空気ばね14全体としての耐荷重やばね定数の向上を図ることができる。言い換えれば、従来と同様な耐荷重やばね定数を有する空気ばね14の小型化が容易に実施できる。
また、上述したように空気ばね14をショックアブソーバ別体型のサスペンションに用いることにより、サスペンション10全体としての大型化やばねの成立性を損なうことなく、サスペンション10の耐荷重やばね定数の向上を図ることができる。言い換えれば、空気ばね14の小型化が可能になることにより、従来と同様な耐荷重とばね定数を有するサスペンション10の小型化が容易に実施できる。
なお、図1に示すサスペンション10の構成は一例であり、本実施形態で示す空気ばね14を用いる構成であれば、他の構成は任意であり適宜変更しても、本実施形態と同様な効果を得ることができる。すなわち、図1は、オフロード車両に多く用いられる車軸懸架型のサスペンションに本実施形態の空気ばね14を適用した例であるが、乗用車などに多く用いられる4輪独立懸架型のサスペンションに本実施形態の空気ばね14を適用可能である。4輪独立懸架型のサスペンションに本実施形態の空気ばね14を適用する場合、空気ばね14はたとえば、ロアアームなどの上に配置されることになる。
また、図2に示す空気ばね14の構造も一例であり、内蔵ばね(実施形態ではコイルばね24)がダイヤフラム22の内側で、かつ垂下部44の内部に配置されるものであれば、他の部分の構造は適宜変更可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、本実施形態では、空気ばね14の使用例として、車両のサスペンションに用いる場合を説明したが、車両のサスペンションに限らず、工作機械やその他振動や衝撃の伝達を抑制することが求められる構造体に適用可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
本実施形態に係る空気ばねを用いたサスペンションの構成を示す概略図である。 本実施形態に係る空気ばねの内部構造を説明する概略図である。 本実施形態に係る空気ばねのコイルばねのコイル受け部および垂下部破損防止部材、分離壁を説明する部分拡大図である。
符号の説明
10 サスペンション、 12 ショックアブソーバ、 14 空気ばね、 16 アクスルケース、 18 ピストン、 20 固定板、 20a 突起部、 22 ダイヤフラム、 24 コイルばね、 26 空気室、 28 固定リング、 30 フランジ、 32 固定バンド、 34 固定リング、 36 固定フランジ、 38 コイル受け部、 40 バウンドストッパ、 A 受圧径、 42 カバー、 44 垂下部、 B クリアランス、 46 コイル受け部、 48 垂下部破損防止部材、 50 分離壁。

Claims (7)

  1. 振動発生部に連結されるピストンと、
    前記ピストンの端面と対面する位置で振動受け部と連結される固定板と、
    前記ピストンと前記固定板との間に配置され可変容積の空気室を形成する筒状のダイヤフラムと、
    前記空気室内に配置され、一端が前記ピストンと接触し他端が前記固定板と接触する内蔵ばねと、
    を含み、
    前記ダイヤフラムは、前記空気室で前記ピストンの外周に垂れ下がる垂下部を有し、前記内蔵ばねのピストン接触側は、前記ピストンを包囲するように前記垂下部内に配置されていることを特徴とする空気ばね。
  2. 前記ピストンは、当該ピストン端面からピストン周面に沿って前記垂下部内に延出するコイル受け部を有していることを特徴とする請求項1記載の空気ばね。
  3. 前記コイル受け部は、前記垂下部の内底面に臨む、垂下部破損防止部材を備えていることを特徴とする請求項2記載の空気ばね。
  4. 前記垂下部破損防止部材は、前記垂下部の内底面に臨む部分が曲面形状であることを特徴とする請求項3記載の空気ばね。
  5. 前記垂下部破損防止部材は、弾性体で形成されることを特徴とする請求項3または請求項4記載の空気ばね。
  6. 前記コイル受け部は、前記内蔵ばねと前記ダイヤフラムとを分離する分離壁を有することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の空気ばね。
  7. ショックアブソーバが空気ばねの配置位置より車両外側に配置されたサスペンションであって、
    前記空気ばねは、
    振動発生部に連結されるピストンと、
    前記ピストンの端面と対面する位置で振動受け部と連結される固定板と、
    前記ピストンと前記固定板との間に配置され可変容積の空気室を形成する筒状のダイヤフラムと、
    前記空気室内に配置され、一端が前記ピストンと接触し他端が前記固定板と接触する内蔵ばねと、
    を含み、
    前記ダイヤフラムは、前記空気室で前記ピストンの外周に垂れ下がる垂下部を有し、前記内蔵ばねのピストン接触側は、前記ピストンを包囲するように前記垂下部内に配置されていることを特徴とするサスペンション。
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