JP2007307442A - 溶液の供給装置及び供給方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は塗布ヘッドのノズルの目詰まりやノズルに残留する溶液の変質を防止する溶液の供給装置を提供することにある。
【解決手段】上面に基板を載置して所定方向に駆動される搬送テーブル13と、搬送テーブルの上方に所定方向に対して交差する方向に沿って配置され溶液を基板に液滴状に噴射して塗布する複数のノズルと、搬送テーブルによる基板の搬送方向と交差する方向にノズルと基板を相対的に移動させるY駆動源21と、ノズルのうちの基板における塗布パターンの形成予定領域に対向するノズルから溶液を噴射させて塗布させるとともに、所定の切り換えタイミングで移動手段を駆動して形成予定領域に対向していなかったノズルを形成予定領域に対向させて溶液を噴射させる制御装置を具備する。
【選択図】図2

Description

この発明はインクジェット方式によって溶液を液滴状に噴射供給して基板に塗布する溶液の供給装置及び供給方法に関する。
一般に、液晶表示装置や半導体装置の製造工程においては、ガラス基板や半導体ウエハなどの基板に回路パターンを形成するための成膜プロセスがある。この成膜プロセスでは、基板の板面にたとえば配向膜やレジストなどの機能性薄膜が形成される。
基板に機能性薄膜を形成する場合、この機能性薄膜を形成する溶液をノズルから液滴状にして噴射し、基板の板面に供給塗布する、インクジェット方式による供給装置が用いられている。
この供給装置は、基板を搬送する搬送テーブルを有しており、この搬送テーブルの上方には、上記ノズルが穿設されたノズルプレートを有する複数のヘッドが基板の搬送方向に対して直交する方向に沿ってたとえば千鳥状に設けられている。それによって、搬送される基板の上面には複数のノズルから液滴状の溶液が搬送方向と交差する方向に所定間隔で噴射塗布される。
基板に溶液を噴射塗布する場合、基板に塗布される溶液の塗布パターンに応じてノズルからの溶液の噴射を制御するようにしている。ノズルからの溶液の噴射を制御するには、塗布データとして上記塗布パターンの座標データを設定し、その座標データに基づいてビットマップデータ(以下、BMPデータとする)を作成する。
そして、BMPデータに基づいて各ヘッドのノズルに対向して設けられた圧電素子への通電を制御することで、上記基板上における塗布パターンの形成予定領域に対向するノズルから溶液を噴射させるということが行なわれていた。
つまり、基板に形成される塗布パターンが基板の搬送方向と交差する幅方向に対して複数に分割されていたり、基板の品種に応じて塗布パターンの形状が異なるような場合、その塗布パターンの形成予定領域から外れるノズルが生じる。そのため、塗布パターンの形成予定領域に対向するノズルから溶液を噴射させ、塗布パターンの形成予定領域から外れた位置にあるノズルからは溶液を噴射させないように制御している。
インクジェット方式によって溶液を基板に塗布する塗布装置としては特許文献1に示されている。
特開2005−137971号公報
しかしながら、基板に形成される塗布パターンに応じて溶液が噴射されるノズルを設定し、その設定に基いて溶液の塗布作業を繰り返して行なっていると、溶液が噴射されないノズルは、そのノズルに残留する溶液が乾燥して目詰まりが生じたり、残留する溶液が変質してしまうということがある。
そのため、基板の品種が変更になって溶液が噴射されるノズルが変わり、それまで溶液を噴射していなかったノズルから溶液を噴射させるようになった場合、そのノズルが目詰まりを生じて溶液が噴射されなかったり、変質した溶液が基板に供給されて不良品の発生を招くということが生じる。
この発明は、ノズルが目詰まりを生じたり、基板に変質した溶液が供給されることがないようにした溶液の供給装置及び供給方法を提供することにある。
この発明は、インクジェット方式によって基板に溶液を予定された塗布パターンに基いて供給塗布する溶液の供給装置であって、
上面に上記基板を載置して所定方向に駆動される搬送テーブルと、
この搬送テーブルの上方に上記所定方向に対して交差する方向に沿って配置され上記溶液を上記基板に液滴状に噴射して塗布する複数のノズルと、
上記搬送テーブルによる上記基板の搬送方向と交差する方向に上記ノズルと上記基板を相対的に移動させる移動手段と、
上記ノズルのうちの上記基板における上記塗布パターンの形成予定領域に対向するノズルから溶液を噴射させて塗布させるとともに、所定の切り換えタイミングで上記移動手段を駆動して上記形成予定領域に対向していなかったノズルを上記形成予定領域に対向させて溶液を噴射させる制御手段と
を具備したことを特徴とする溶液の供給装置にある。
この発明は、インクジェット方式によって溶液を噴射する直線状に配置された複数のノズルと基板とを上記複数のノズルの配置された方向と交差する所定の方向に沿って相対的に移動させ溶液を上記基板上の塗布パターンの形成予定領域にその形成予定領域に対向するノズルから吐出させて塗布する溶液の供給装置であって、
上記基板と上記複数のノズルとを上記所定の方向と交差する方向に相対的に移動させる移動手段と、
上記溶液を上記塗布パターンの形成予定領域に塗布する際、所定の切り換えタイミングで上記移動手段を駆動させ、切り換え前に上記形成予定領域に対向していなかったノズルを上記形成予定領域に対向させる制御手段と
を具備したことを特徴とする溶液の供給装置にある。
この発明は、インクジェット方式によって基板に溶液を予定された塗布パターンに基いて供給塗布する溶液の供給方法であって、
上記基板を所定方向に搬送する工程と、
基板の搬送方向と交差する方向に沿って配置された複数のノズルのうちの上記基板における上記塗布パターンの形成予定領域に対向するノズルから溶液を噴射させて上記基板に塗布する工程と、
所定の切り換えタイミングで上記ノズルと上記基板を上記所定方向と交差する方向に相対的に移動させて上記形成予定領域に対向していなかったノズルを上記形成予定領域に対向させて溶液を噴射させて塗布する工程と
を具備したことを特徴とする溶液の供給方法にある。
この発明によれば、所定のタイミングで塗布パターンの形成予定領域に対向するノズルを切り換え、それまで塗布パターンの形成予定領域に対向していなかったノズルから溶液を噴射させるため、長時間にわたって溶液が噴射されないノズルが生じることがなくなるから、ノズルが目詰まりしたり、溶液がノズル内で変質するのを防止でき、塗布品質を向上させることができる。
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1と図2に示すこの発明に係る塗布装置はほぼ直方体状のベース1を有する。このベース1の下面の所定位置にはそれぞれ脚2が設けられており、上記ベース1を水平に支持している。
図2に示すように、上記ベース1の上面の幅方向両端部には、長手方向に沿ってそれぞれ取付け板3が設けられている。これら取付け板3の上面の幅方向一端部には長手方向に沿ってそれぞれガイド部材4が設けられている。これらガイド部材4の上面には、矩形板状のXテーブル5が、その下面の幅方向両側に平行に設けられた断面ほぼ逆U字状の一対の受け部材6をスライド可能に係合させて支持されている。つまり、Xテーブル5は上記ガイド部材4に沿うX方向に移動可能となっている。
上記ベース1の長手方向一端にはXエンコーダ7aを有するX駆動源7が設けられている。このX駆動源7はねじ軸8を回転駆動する。このねじ軸8は上記ベース1の長手方向に沿って回転可能に支持されて設けられ、上記Xテーブル5の下面に設けられたナット体9に組み付けられている。したがって、上記X駆動源7によってねじ軸8が回転駆動されれば、上記Xテーブル5が図1に矢印で示すように上記ガイド部材4に沿うX方向に駆動されるようになっている。
上記Xテーブル5の上面にはθテーブル11が水平面と直交する軸線を中心にして回転可能に設けられている。このθテーブル11は上記Xテーブル5に設けられたθ駆動源12によって回転方向に駆動されるようになっている。
上記θテーブル11の上面には搬送テーブル13が設けられている。この搬送テーブル13にはアクティブマトリックス方式の液晶表示装置に用いられるガラス製の基板Wが供給される。
上記基板Wは、上記搬送テーブル13に下面が真空吸着や静電吸着などの手段によって吸着保持される。したがって、搬送テーブル13に保持された基板Wは上記Xテーブル5とθテーブル11とによってX方向とθ方向とに駆動されるようになっている。
上記ベース1の長手方向中途部には上記一対のガイド部材4を跨ぐように門型の支持体17が立設されている。この支持体17の両側上部には角柱状のガイド部材18が水平に架設されている。
上記ガイド部材18にはヘッドテーブル19が上記Xテーブル5の駆動方向である、X方向と直交するY方向(図2に矢印で示す)に沿って移動可能に設けられている。上記支持体17の幅方向一側には移動手段としてのYエンコーダ21aを有するY駆動源21が設けられている。このY駆動源21は上記ヘッドテーブル19をY方向に沿って駆動するようになっている。
上記ヘッドテーブル19の一側面にはインクジェット方式によって機能性薄膜である、たとえば配向膜を形成する溶液を液滴状に噴射する複数の塗布ヘッド22がY方向に沿って配置されている。この実施の形態では、たとえば5つ塗布ヘッド22が千鳥状に二列で配置されている。
図3と図4に示すように、上記各塗布ヘッド22はヘッド本体28を備えている。ヘッド本体28は筒状に形成され、その下面開口は可撓板29によって閉塞されている。この可撓板29はノズルプレート31によって覆われており、このノズルプレート31と上記可撓板29との間には複数の液室32が形成されている。
各液室32は、ノズルプレート31内に形成された主管31Aに図示しない枝管を介してそれぞれ連通していて、上記主管31Aから上記枝管を介して溶液が各液室32に供給される。主管31Aは、一端が後述する給液孔33に接続され、他端が後述する回収孔37に接続される。
上記ヘッド本体8の長手方向一端部には上記液室32に連通する上記給液孔33が形成されている。この給液孔33から上記液室32には機能性薄膜を形成する上記溶液が供給される。それによって、上記液室32内は溶液で満たされるようになっている。
図4に示すように、上記ノズルプレート31には、基板Wの搬送方向に直交する方向である、Y方向に沿って複数のノズル34が千鳥状に穿設されている。したがって、複数のノズル34は全体として直線状に配置されている。上記可撓板29の上面には、図3に示すように上記各ノズル34にそれぞれ対向して複数の圧電素子35が設けられている。
各圧電素子35は上記ヘッド本体28内に設けられた駆動回路部36によって駆動電圧が供給される。それによって、圧電素子35は伸縮し、可撓板29を部分的に変形させるから、その圧電素子35に対向位置するノズル34から溶液が液滴となって吐出され、搬送される基板Wの上面に供給塗布される。したがって、基板Wの上面には、液滴状の溶液が行列状に配列された塗布パターンが形成される。そして、この塗布パターンは、液滴状の各溶液が流動して濡れ広がることにより、付着し合って1つの膜となる。
なお、圧電素子35に印加する電圧の強さを変えて圧電素子35の作動量を制御すれば、各圧電素子35が対向するノズル34からの溶液の吐出量、つまり液滴の大きさを変えることができる。
上記ヘッド本体28の長手方向他端部には上記液室32に連通する上記回収孔37が形成されている。上記給液孔33から液室32に供給された溶液は、上記回収孔37から回収することができるようになっている。すなわち、各ヘッド22は上記液室32に供給された溶液をノズル34から吐出させるだけでなく、上記液室32を通じて上記回収孔37から回収することが可能となっている。
なお、この実施の形態においては、5つの塗布ヘッド22におけるノズル34列の全体の長さ(図6に示す塗布領域R1〜R5)は、基板W上に形成する塗布パターンのY方向における全体の長さ(図6に符号Lで示す長さ)よりも長くなるよう設定される。
図5は溶液の供給装置の制御回路図で、同図中41は制御装置である。この制御装置41にはヘッドコントローラ42、ノズルコントローラ43、上記X駆動源7、Y駆動源21、上記Xエンコーダ7a及びYエンコーダ21aが接続されている。
上記コントローラ42,43は上記Xエンコーダ7aとYエンコーダ21aが検出する、搬送テーブル13のX、Y座標の検出信号に基づいて駆動信号をマスタユニット44に出力する。
上記マスタユニット44は、第1のCPU45、第1のトランシーバ46、24Vの直流電圧を供給する電源47を有し、複数の塗布ヘッド22のノズル34からの溶液の噴射を制御する。
各ヘッド22(図5には1つのみ図示)には上述した駆動回路部36が設けられている。この駆動回路部36には第2のCPU52が設けられている。この第2のCPU52には上記第1のCPU45からの同期パルスが入力されるとともに、上記第1のトランシーバ46と通信する第2のトランシーバ53を介して上記ノズルコントローラ43から駆動信号が入力される。
上記第1のCPU45は、上記搬送テーブル3のX方向の移動量に基づいて上記Xエンコーダ7aから出力される複数のパルス信号に対し、上記制御装置41及び上記ヘッドコントローラ42を介して1つの同期パルスを上記第2のCPU52に出力するようになっている。
第2のCPU52には塗布データが格納されるメモリ54が接続されている。この塗布データは、上記第1のCPU45からの同期パルス信号が駆動回路部36の第2のCPU52に入力されることで、この第2のCPU52に読み出される。第2のCPU52に読み出された塗布データはシリアル−パラレルデータ変換部55に出力される。
シリアル−パラレルデータ変換部55には第1の変圧部56が接続されている。この第1の変圧部56は、上記マスタユニット44の電源47からの24Vの電圧を、上記第2のCPU52からの電圧指令に応じて0〜90Vの電圧に変圧し、上記シリアル−パラレルデータ変換部55に出力する。このシリアル−パラレルデータ変換部55には上記塗布ヘッド22に設けられた複数の圧電素子35が接続されている。
第1のCPU45から第2のCPU52に同期信号が入力されると、上記シリアル−パラレルデータ変換部55には上記第2のCPU52から発振信号が出力される。それによって、メモリ54からの塗布データに基づく所定の圧電素子35に第1の変圧部56からの電圧が印加されるから、その圧電素子35に対応するノズル17から溶液が噴射されることになる。
上記メモリ54に格納される塗布データは、基板Wに塗布される溶液の塗布パターンに応じてパターン化されている。たとえば、基板Wに図6(a)に示すように溶液を5つの塗布ヘッド22によって基板Wの幅方向に対して2つに分割形成された矩形状の塗布パターンPに塗布する場合、まず、制御装置41は、予め設定された基板W上における各塗布パターンPの形成領域(形成予定領域S)における対角のX、Y座標データと、ノズル34の配列間隔から決定される溶液のY方向の塗布ピッチ、および予め設定された溶液のX方向の塗布ピッチから基板W上における液滴の塗布位置を表すBMPデータを作成する。
次に、制御装置41は、図6(a)において、R1〜R5で示す基板7の搬送方向に沿う各塗布ヘッド22の塗布領域のうち塗布領域R1の左端が、左側の形成予定領域Sにおける左端に一致していると仮定して、上記BMPデータを塗布領域R1〜R5ごとに細分化する。
細分化された塗布領域R1〜R5ごとのBMPデータは、制御装置41において基板Wの搬送方向に交差するY方向において液滴を塗布する部分と塗布しない部分とにパターン化されて、第1の塗布データとして制御装置41の不図示のメモリに記憶される。
制御装置41は、塗布領域R1〜R5ごとのBMPデータから、各塗布ヘッド22において形成予定領域Sに対向する位置にあるノズル34と形成予定領域Sから外れた位置にあるノズル34とを判別することができる。
図6(a)において、塗布ヘッド22の斜線で示す部分に位置するノズル34が形成予定領域Sから外れたノズル34である。
また、制御装置41は、図6(b)において、塗布領域R1〜R5のうち塗布領域R5の右端が、右側の形成予定領域Sの右端に一致していると仮定して、上記BMPデータを塗布領域R1〜R5ごとに細分化する。そして、制御装置41は、細分化された塗布領域R1〜R5ごとのBMPデータを基板Wの搬送方向に交差するY方向において液滴を塗布する部分と塗布しない部分とにパターン化し、これを第2の塗布データとして不図示のメモリに記憶させる。
ここで、塗布ヘッド22を図6(a)に示す位置から図6(b)に示す位置へ移動させるためのヘッドテーブル19の移動量は、図6(a)に示す移動領域R5における形成予定領域Sから外れる範囲の長さから算出することができる。そこで、制御装置41は、このようにして算出した移動量を、不図示のメモリに記憶する。
第2の塗布データにおいて、形成予定領域Sから外れる範囲を図6(b)に斜線で示す。なお、比較のために、図6(a)に斜線で示した、第1の塗布データにおいて形成予定領域Sから外れる範囲を2点鎖線で示す。
したがって、図6(a)の状態では溶液が噴射されていないノズル34であっても、所定のタイミングで塗布ヘッド22のY方向の位置を、図6(a)に示す状態から図6(b)に示す状態に変更することで、それまで溶液が噴射されていなかったノズル34から溶液が噴射されることになる。
このような塗布装置の動作をいかに説明する。
まず、図1に示す搬送テーブル13の位置において、不図示の搬送装置によって最初の基板Wが搬送テーブル13上に供給される。このとき、制御装置41は、塗布領域R1〜R5に対応する塗布ヘッド22の駆動回路部36のメモリ54にそれぞれ伝送する。
搬送テーブル13上に基板Wが供給されると、制御装置41は、図1に示す搬送テーブル13の上方に配置された不図示の撮像装置を用いて基板Wの位置決めマークを撮像し、この撮像画像から搬送テーブル13上における基板Wの位置をパターン認識などの画像処理技術を用いて求める。また、制御装置41は、ヘッドテーブル19の現在位置をYエンコーダ21の出力値から求める。そして、制御装置41は、これら位置情報と、設計データから算出して予め記憶されたヘッドテーブル19上におけるノズル34の位置とから、形成予定領域Sの左端の位置を基準とした基板Wとノズル34とのY方向における現在の位置関係を算出する。
制御装置41は、この位置関係から塗布領域R1の左端を左側の形成予定領域Sの左端に一致させるためのヘッドテーブル19の移動量を算出し、算出した移動量だけヘッドテーブル19をYエンコーダ21の出力値を頼りに移動させ、塗布領域R1の左端を左側の形成予定領域Sの左端に一致させる。
次に、制御装置41は、X駆動源7を制御して搬送テーブル13を図1における右側端部位置へ向けて所定の速度で移動させる。そして、制御装置41は、この移動中、Xエンコーダ7aの出力によって搬送テーブル13のX方向における位置を検出し、各ノズル17の下を基板Wの形成予定領域Sが通過するタイミングに合わせて溶液が吐出されるように、第1の塗布データに従って各圧電素子35に対する電圧指令を出力する。したがって、この移動中に、各形成予定領域Sには液滴による所定の塗布パターンPが形成される。
塗布された溶液は、基板W上で流動して濡れ広がり、互いに付着し合って機能性薄膜を形成する。
搬送テーブル13が、右側端部位置に到達したならば、制御装置41は、X駆動源7を制御して搬送テーブル13を図1に示す位置へ戻す。搬送テーブル13が図1に示す位置に位置付けられると、不図示の搬送装置によって、溶液の塗布が完了した最初の基板Wが搬出されるとともに、次の基板Wが供給される。
このような動作を繰り返し、順次供給される基板Wに対して溶液の塗布を行なう。
設定枚数の基板Wに対する溶液の塗布が完了したならば、制御装置41は、次の基板Wが搬送ステージ13に供給されるまでの間に、第2の塗布データを各塗布ヘッド22のメモリ54に伝送し、メモリ54のデータを第1の塗布データから第2の塗布データに書き換える。また、制御装置41は、この書き換え動作と並行して、不図示のメモリに記憶された移動量だけ、ヘッドテーブル19をY方向左端に移動させる。この移動によって、塗布領域R5の右端が右側の形成予定領域Sの右端に一致する。
そして、制御装置41は、上述した第1の塗布データによる溶液の塗布と同様の動作で、次の設定枚数の基板Wに対して第2の塗布データに従って溶液の塗布を行う。
第2の塗布データによる設定枚数の基板Wに対する溶液の塗布が完了し、次の基板Wが搬送ステージ13に供給されるまでの間に、制御装置41は、メモリ54に記憶された第2の塗布データを第1の塗布データに書き換えるとともに、ヘッドテーブル19を記憶された移動量で今度はY方向右側に移動させる。そして、次の設定枚数の基板Wに対する溶液の塗布を行なう。
このような動作を、溶液を塗布すべき基板W仮名かうなるまで繰り返して行なう。
したがって、同じ品種の基板Wに対して溶液の塗布を連続して行なうような場合、その品種に対して溶液を塗布している間、溶液が噴射されない状態が継続されるノズル34が生じるということがないから、ノズル34に溶液が長時間にわたって残留し続けて固まって目詰まりが生じたり、ノズル34に溶液が長時間にわたって残留して溶液が変質するなどのことを防止することができる。
このため、基板Wの品種が変更になり、塗布すべきパターンが変更されたとしても、ノズル34の目詰まりが生じていたり、変質した溶液が吐出されるたりすることが防止でき、溶液を基板Wの塗布パターンの形成予定領域Sに確実にかつ品質良く塗布することができる。よって、塗布される溶液によって形成される機能性薄膜の品質を向上させることができる。
しかも、各塗布ヘッド22のノズル34からは、基板Wに所定の塗布パターンPで溶液を塗布するためだけに溶液が噴射され、ノズル34の目詰まりを防止するために溶液が噴射されるということがない。
つまり、ノズル34からは基板Wに塗布するためだけに溶液を噴射させるため、目詰まり防止のために溶液を無駄に噴射させるということを行なわなくて済むから、ランニングコストを低減することができる。
なお、図6の例は、塗布ヘッド22の位置を、塗布領域R1〜R5のうち塗布領域R1の左端が左側の形成予定領域Sにおける左端に一致する状態と、塗布領域R5の右端が右側の形成予定領域Sにおける右端に一致する状態とに切り換えることで、切り換え前に形成予定領域Sから外れる範囲に位置していたノズル34が切り換え後に形成予定領域Sに対向する位置となるものである。
しかしながら、基板Wに形成する溶液の塗布パターンPによっては、上述のいずれの移動位置においても、形成予定領域Sから外れて位置するノズル34が生じることも考えられる。このような場合には、塗布ヘッド22を3回以上に分けて移動させ、全てのノズル34から一度は溶液が噴射されるようにすれば良い。
上記一実施の形態では所定のタイミングで塗布ヘッドが設けられたヘッドテーブルをY方向に移動させ、それまで塗布パターンの形成予定領域に対向していなかったノズルを塗布パターンの形成予定領域に対向させるようにしたが、搬送テーブルをY方向に駆動可能に設け、塗布ヘッドに代わり搬送テーブルによって基板をY方向に駆動させるようにしてもよい。つまり、ノズルと基板を相対的にY方向に移動させることができるようにすればよい。
また、塗布ヘッドを5つ設けた例で説明したが、要はダウいつの塗布パターンを繰り返し塗布する際に常に溶液が噴射されないノズルが生じるものであれば適用可能であるので、塗布ヘッドは1つであっても良い。
また、ノズルと基板を相対的にY方向に移動させる所定のタイミングとして設定数枚の基板に対して溶液を塗布した場合を例に挙げたが、たとえば基板を往復動させて塗布パターンに溶液を塗布する場合、基板の往動と復動時にノズルと基板を相対的にY方向に移動させるようにしてもよく、さらには所定の時間ごとにY方向に対する相対的移動を行うようにしてもよい。つまり、所定のタイミングとはノズルに残留する溶液が固まって目詰まりを生じたり、変質する前のタイミングであれば、制限されるものでない。
この発明の一実施の形態の溶液の供給装置を示す正面図。 図1に示す溶液の供給装置の側面図。 溶液の塗布ヘッドの縦断面図。 塗布ヘッドの下面側の図。 塗布ヘッドのノズルから溶液を噴射させるための制御回路図。 (a)は塗布ヘッドを基板に対してY方向に移動させる前の状態の説明図、(b)は塗布ヘッドを図6(a)の状態からY方向に移動させた状態の説明図。
符号の説明
13…搬送テーブル、19…ヘッドテーブル、21…Y駆動源(移動手段)、22…塗布ヘッド、28…ヘッド本体、34…ノズル、41…制御装置(制御手段)。

Claims (3)

  1. インクジェット方式によって基板に溶液を予定された塗布パターンに基いて供給塗布する溶液の供給装置であって、
    上面に上記基板を載置して所定方向に駆動される搬送テーブルと、
    この搬送テーブルの上方に上記所定方向に対して交差する方向に沿って配置され上記溶液を上記基板に液滴状に噴射して塗布する複数のノズルと、
    上記搬送テーブルによる上記基板の搬送方向と交差する方向に上記ノズルと上記基板を相対的に移動させる移動手段と、
    上記ノズルのうちの上記基板における上記塗布パターンの形成予定領域に対向するノズルから溶液を噴射させて塗布させるとともに、所定の切り換えタイミングで上記移動手段を駆動して上記形成予定領域に対向していなかったノズルを上記形成予定領域に対向させて溶液を噴射させる制御手段と
    を具備したことを特徴とする溶液の供給装置。
  2. インクジェット方式によって溶液を噴射する直線状に配置された複数のノズルと基板とを上記複数のノズルの配置された方向と交差する所定の方向に沿って相対的に移動させ溶液を上記基板上の塗布パターンの形成予定領域にその形成予定領域に対向するノズルから吐出させて塗布する溶液の供給装置であって、
    上記基板と上記複数のノズルとを上記所定の方向と交差する方向に相対的に移動させる移動手段と、
    上記溶液を上記塗布パターンの形成予定領域に塗布する際、所定の切り換えタイミングで上記移動手段を駆動させ、切り換え前に上記形成予定領域に対向していなかったノズルを上記形成予定領域に対向させる制御手段と
    を具備したことを特徴とする溶液の供給装置。
  3. インクジェット方式によって基板に溶液を予定された塗布パターンに基いて供給塗布する溶液の供給方法であって、
    上記基板を所定方向に搬送する工程と、
    基板の搬送方向と交差する方向に沿って配置された複数のノズルのうちの上記基板における上記塗布パターンの形成予定領域に対向するノズルから溶液を噴射させて上記基板に塗布する工程と、
    所定の切り換えタイミングで上記ノズルと上記基板を上記所定方向と交差する方向に相対的に移動させて上記形成予定領域に対向していなかったノズルを上記形成予定領域に対向させて溶液を噴射させて塗布する工程と
    を具備したことを特徴とする溶液の供給方法。
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