JP2007306888A - コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番を蓄積する形質転換イネおよびその作出方法 - Google Patents

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【課題】栽培上の様々な利点を有するイネを利用し、高製パン性に寄与するタンパク質であるグルテニン・サブユニットの1つGluDxタイプ5番を蓄積する、コムギ代替植物としての品種改良イネの提供。
【解決手段】コムギグルテニンタンパク質GluDxタイプ5番をコードする遺伝子を含有する形質転換イネ、コムギグルテニンタンパク質GluDxタイプ5番を含有する該形質転換イネの種子、及び、コムギグルテニンタンパク質GluDxタイプ5番をコードする遺伝子を含有する組換えベクター。
【選択図】なし

Description

本発明は、製パン性に関与するコムギ由来タンパク質であるグルテニン・サブユニットの1つGlu1Dxタイプ5番を蓄積する品種改良イネの作出に関する。
コムギの穀実から生産される小麦粉は、パンの主たる原料である。小麦粉に含まれるタンパク質としてはグルテニン、グリアジン、アルブミンなどがあるが、このうち、良質のパンを作るために一番重要な成分はグルテニンであると考えられている。グルテニンは、低分子及び高分子の各種グルテニン・サブユニットから構成される重合体であり、高い弾力性を有する。なお小麦粉に含まれる上記タンパク質をコードする遺伝子については、既に各種タイプの塩基配列が決定され、報告されている(例えば、非特許文献1)。
近年、日本ではパン食が普及したが、一方でパンの原料であるコムギの自給率は非常に低率に留まっている。これは日本の気候がコムギの栽培にあまり適していないことが一因である。日本では、コムギは北海道の一部を除いて秋に蒔かれ、春先の3月の中旬頃から伸び始める。しかし6月上旬にはもう梅雨に入るため、コムギが成長し、花を開き、実を充実させる期間が正味3ヶ月しかなく、このため日本におけるコムギの収量増加が困難になっている。日本において良質な小麦粉を安定的に生産するためには、日本の気候でも高収量が期待できるコムギ新品種又はコムギ代替植物の作出が望まれる。
従来、植物新品種の作出は、交配育種あるいは突然変異育種などを基盤としていた。近年では遺伝子工学的手法を利用した植物新品種の作出も行われている。例えば、イネに外来遺伝子産物を発現・蓄積させる試みとして、ダイズグリシニンタンパク質を発現させる研究など、多数の報告がある(特許文献1)。またコムギグルテニンGlu1Dyタイプ10番遺伝子を導入した形質転換イネも作出され、製パン性を有する非コムギ植物の開発も試みられている(特許文献2)。しかしそのようにして得られるイネ種子の製パン性についてはなお改善の余地がある。
特開2000−50871号公報 特開2006−109735号公報 Anderson O.D. et al., Nucleic Acids Research (1989) 17 (1), p.461-462
本発明は、製パン性に関与するタンパク質を蓄積するコムギ代替植物を提供することを課題とする。
水田による湛水栽培は、畑作にはない多くの特長をもつ。畑作では、特定の成分が欠乏したり、老廃物が溜まったり、病害を起こす生物が増えたりすることにより連作障害を生じる可能性が高い。一方、水田では、灌漑水によって欠けた成分が運び込まれ、老廃物が洗い流される。病害を起こす生物も水をかぶった土中では生き残るのが難しい。水田はまた気温の変動を和らげ、洪水の緩和に役立つ。逆に、畑地では、表土は雨水や風によって運び去られ、土壌の侵食・亡欠が起こる。
日本では現在、水田をフルに使ってイネを育てると1年に1500万トンの米が生産できるにもかかわらず、最近の米の消費量の低下により、水田の約40%(600万トン相当)がイネの作付け制限を受けている。一方、コムギに関しては、日本の単位面積当たりの生産量が極めて低く、輸入量が年間600万トンに達する。この輸入量は、ちょうど、イネの作付け制限を受けている面積に相当する。一方、イネは、コムギより寒さに弱く水田に移植するのは日本では5月の初めになるが、夏中かかって茎葉を育て、9月中旬までゆっくり実を充実させるため、収量は欧州のコムギ並みに高い。
そこで本発明者らは、このような栽培上の様々な利点を有するイネを利用して高製パン性のコムギ代替植物を作出できれば、コムギの栽培には一般に適さない日本の気候の下でも小麦粉代替品を効率的に生産することが可能になるばかりか、イネの作付け制限を受けている水田を有効活用することができ、農業振興の上でも有用であろうと考えた。
本発明者らは、このような考えの下に、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、コムギのDゲノムに座乗するGlu1Dxタイプ5番のグルテニン・サブユニットタンパク質(コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番)をコードする遺伝子をコムギゲノムから単離して植物形質転換用ベクター中に挿入し、アグロバクテリウム法にてイネ細胞に導入し、形質転換植物体を作製し、米粒内へのグルテニンタンパク質の蓄積の有無を検証したところ、米粒中にコムギグルテニンタンパク質を大量蓄積する形質転換イネを取得することに成功した。この形質転換イネは、高製パン性を示す良質な小麦粉の原料となる穀実(ブレッドライス)を生産することが示されたことから、本発明は完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] コムギグルテニンタンパク質Glu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を含有する形質転換イネ。
[2] コムギグルテニンタンパク質Glu1Dxタイプ5番を含有する上記[1]の形質転換イネの種子。
[3] イネ種子に高製パン性を付与するための、コムギグルテニンタンパク質Glu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を含有する組換え発現ベクター。
本発明に係る形質転換イネは、イネの種子(米粒)中に、高製パン性を示すコムギグルテニンタンパク質を大量に蓄積することができる。本発明の方法によれば、減反によりイネの生産制限がされている水田で、良質な小麦粉代替品の原料となる穀実(ブレッドライス)を生産できる。
1.コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子
本発明では、Glu1Dxタイプ5番のグルテニン・サブユニットタンパク質(コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番)をコードする遺伝子をイネに導入し、形質転換イネを作製する。
本発明に係るコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子は、元々、コムギのDゲノム上のGlu-D1遺伝子座に存在するグルテニン・サブユニットをコードする対立遺伝子の1つとして見出された遺伝子である。高製パン性を示す多くのパンコムギ品種が、このコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を有することが知られている。コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番の遺伝子を含む塩基配列は、国際塩基配列データベースにおけるアクセッション番号X12928としても報告されている。
本発明に係るコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子の特に好ましい例は、配列番号1に示す塩基配列を有するDNAからなる遺伝子(遺伝子導入用ベクターにクローニングしたコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番遺伝子のDNA挿入断片(3495bp))、及び配列番号2に示されるアミノ酸配列(848アミノ酸)からなるタンパク質をコードするDNAからなる遺伝子である。配列番号1の塩基配列において、547番〜549番が開始コドンであり、3091番〜3093番は終止コドンである。そこで配列番号1の配列上のその開始コドンから終止コドンまでの連続した配列を少なくとも含む配列からなる核酸断片も本発明の上記遺伝子に含まれる。あるいは、本発明のコムギグルテニンGluD1xタイプ5番をコードする遺伝子は、GluD1xタイプ5番タンパク質のグルテニン特性を保持する限り、配列番号2に示されるアミノ酸配列において1又は数個(例えば2〜10個)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAからなる遺伝子であってもよい。また本発明のコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子は、配列番号1に示される塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番のグルテニン特性を保持するタンパク質をコードするDNAからなる遺伝子でもありうる。本発明において「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成される条件をいう。例えば、相同性が高い核酸同士、すなわち90%以上、好ましくは95%以上の相同性を有するDNA同士がハイブリダイズし、それより相同性が低い核酸同士がハイブリダイズしない条件が挙げられる。より具体的には、ナトリウム塩濃度が15〜750mM、好ましくは50〜750mM、より好ましくは300〜750mM、温度が25〜70℃、好ましくは50℃〜70℃、より好ましくは55〜65℃、ホルムアミド濃度0〜50%、好ましくは20〜50%、より好ましくは35〜45%での条件をいう。さらに、ストリンジェントな条件では、ハイブリダイゼーション後のフィルターの洗浄条件が、通常はナトリウム塩濃度が15〜600mM、好ましくは50〜600mM、より好ましくは300〜600mM、温度が50〜70℃、好ましくは55〜70℃、より好ましくは60〜65℃である。本発明における「グルテニン特性」は、強い弾性のあるグルテニンを構成できることを始めとする天然のコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番のもつ物性及び活性を意味する。本発明のコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子は、任意のコムギゲノム由来のものが好ましい。
本発明において「遺伝子」には、DNAおよびRNAが含まれるものとする。また、DNAには少なくともゲノムDNA、cDNAが含まれ、RNAには、mRNAなどが含まれる。本発明の遺伝子は、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードするオープンリーディングフレーム配列に加えて、TATAボックスやポリA付加シグナル等の非翻訳領域(UTR)などを含んでいてもよい。
本発明に係るコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子は、例えば配列番号1又は2の配列に基づいて設計したプライマーを用いて、コムギ(好ましくは高製パン性を示すコムギ)由来の核酸を鋳型としたPCR増幅を行うことにより、核酸断片として得ることができる。また本発明の遺伝子は、コムギ(好ましくは高製パン性を示すコムギ)由来の核酸に対し、上記コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子の一部であるDNA断片をプローブとしてハイブリダイゼーションを行うことにより、核酸断片として得ることができる。これらの方法において鋳型として用いる核酸は、常法により抽出したゲノムDNAであってよいし、常法により抽出したmRNAから逆転写合成したcDNA等であってもよい。鋳型として用いる核酸は、精製ゲノムDNA、精製cDNA、cDNAライブラリー又はゲノムDNAライブラリー等であってもよい。あるいは本発明のコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子は、化学合成法等の当技術分野で公知の各種の核酸配列合成法によって、核酸断片として合成してもよい。
さらに、部位特異的突然変異誘発法等によって、得られたコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子の塩基配列(ひいては、それにコードされるアミノ酸配列)に所望の突然変異を導入してもよい。遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法、Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法を採用することができる。例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutan-K(TAKARA社製)やMutan-G(TAKARA社製))などを用いて、あるいは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズキットを用いて変異の導入が行われうる。
なお本発明において用いるmRNAの調製、cDNAの作製、PCR、RT-PCR、ライブラリーの作製、ベクター中へのライゲーション、細胞の形質転換、DNAの塩基配列の決定、核酸化学合成、タンパク質のN末端側のアミノ酸配列決定、突然変異誘発、タンパク質の抽出等の実験は、通常の実験書に記載の方法によって行うことができる。そのような実験書としては、例えば、SambrookらのMolecular Cloning, A laboratory manual, 2001, Eds., Sambrook, J. & Russell, DW. Cold Spring Harbor Laboratory Pressを挙げることができる。
本発明において「高製パン性」とは、高品質(柔らかく味がよい)のパンの製造に特に適していることを意味する。「高製パン性」は、典型的には、当該植物若しくは植物組織の種子(穀実)を挽いて得られる小麦粉などの粉を用いてパンを製造したときに、対照サンプルと比較して、そのパン体積が増大することによって確認することができる。「高製パン性」の判断においては、パン体積の増大に加えて、官能評価の向上が確認されることが好ましい。
2.宿主植物
本発明において、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を導入する宿主植物としては、イネ(Oryza sativa)が好ましい。イネの品種は特に限定されないが、好ましいイネ品種の例としては、「日本晴(Nihonbare)」「ほしのゆめ(Hoshinoyume)」、「きらら397(Kirara397)」、「ゆきひかり(Yukihikari)」、「ゆきまる(Yukimaru)」、「ほのか224(Honoka224)」、「どんとこい(Dontokoi)」、「コシヒカリ(Koshihikari)」、「ササニシキ(Sasanishiki)」、「ヒトメボレ(Hitomebore)」、「あきたこまち(Akitakomachi)」、「はえぬき(Haenuki)」、「キヌヒカリ(Kinuhikari)」、「むつほまれ(Mutsuhomare)」、「ヒノヒカリ(Hinohikari)」、「津軽おとめ(Tsugaruotome)」、「つがるロマン(Tsugaruroman)」、「ゆめあかり(Yumeakari)」、「ハナエチゼン(Hanaechizen)」、「夢つくし(Yumetsukushi)」、「ハツシモ(Hatsushimo)」、「どまんなか(Domannaka)」、「かけはし(Kakehashi)」、「いわてっこ(Iwatekko)」、「まなむすめ(Manamusume)」、「めんこいな(Menkoina)」、「チヨニシキ(Chiyonishiki)」、「ふくみらい(Fukumirai)」等が挙げられる。これらのイネ品種は、例えば独立行政法人農業生物資源研究所 ジーンバンクから入手することができる。
3.コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を含有する組換えベクター
上記1のようにして得られた本発明の遺伝子をベクター中に挿入して、組換えベクターを作製することができる。
本発明の組換えベクターは、適当なベクターに、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を連結(挿入)することにより作製することができる。ベクターにコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を挿入するには、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、適当なベクター DNAの制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入してリガーゼを用いて連結する方法などが採用される。遺伝子を挿入するベクターは、特に限定されず、例えば、プラスミドDNA、ファージDNA等が挙げられるが、リゾビウム由来のプラスミドDNA、バイナリーベクターなどの、植物形質転換用のベクターであることが好ましい。本発明では、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を含有する組換えベクターとしては、当該遺伝子を、導入したイネ細胞のゲノム中に組み込むことができるベクターがより好ましい。本発明のこのような組換えベクターを用いれば、イネにコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を導入し、該遺伝子をイネ細胞中で発現させて形質転換イネとし、それを栽培して実を充実させることにより、イネ種子(米粒、穀実とも呼ばれる)にコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番を蓄積させることができ、すなわち当該イネに高製パン性を付与することができる。本発明によれば、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をイネ種子の胚乳内に特に大量に(例えばコムギと比較して1.2〜1.5倍)蓄積させることができる。従って本発明は、イネ種子にコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番を蓄積させ、イネに高製パン性を付与するための、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を含有する組換えベクターにも関する。
コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を含有する本発明の組換えベクターには、該遺伝子配列の他に、当該遺伝子を発現させるための構成性または一過性のプロモーター配列(カリフラワーモザイクウイルス由来の35Sプロモーターや熱ショック誘導タンパク質のプロモーターなど)、形質転換体の選抜を容易にする選択マーカー遺伝子やリポーター遺伝子、リゾビウムのバイナリーベクター系を使用するための複製開始点(TiまたはRiプラスミド由来の複製開始点など)等を含んでもよい。選択マーカーとしては、限定するものではないが、例えばハイグロマイシン耐性遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子等の薬剤耐性遺伝子が挙げられ、リポーター遺伝子としては緑色蛍光蛋白遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子、LacZ遺伝子等が挙げられる。
4.コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子の導入による形質転換イネの作製
本発明では、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を常法に従ってイネ細胞に導入することにより、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番遺伝子を含有する形質転換イネを作製することができる。
本発明において「遺伝子の導入」とは、例えば公知の遺伝子工学的手法により、当該遺伝子を、上記宿主植物(すなわち、イネ)の細胞内に発現可能な形で導入することを意味する。ここで導入された遺伝子は、宿主植物のゲノムDNA中に組み込まれてもよいし、外来ベクターに含有されたままで維持されていてもよい。
コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子をイネ細胞中に導入する方法としては、限定するものではないが、例えば、例えばアグロバクテリウム法、パーティクルガン法、エレクトロポレーション法、ポリエチレングリコール(PEG)法、マイクロインジェクション法、プロトプラスト融合法などの、すでに確立され、本願発明の技術分野において広く用いられている様々な植物形質転換法を用いることができる。これらの植物形質転換法は、『島本功、岡田清孝 監修 「新版 モデル植物の実験プロトコール 遺伝学的手法からゲノム解析まで」(2001) 秀潤社』などの一般的な教科書の記載に従って行うことができる。例えばアグロバクテリウム法を用いる場合は、上記3のようにして作製したコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を組み込んだアグロバクテリウム由来のプラスミドベクター(例えばpBI101やpBI121)又はバイナリーベクター(pPZP2H-lacなど)を、リゾビウム、例えばリゾビウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobactor)に導入し、この土壌細菌をイネのカルスに接種して感染させ、イネの形質転換体を得ることができる。アグロバクテリウム法は、近年いくつかのバリエーションが開発されているが(例えば、Hiei Y, et al., Plant J., 6: 271 (1994);国際公開WO 01/06844に開示された土岐らの方法など)、一例としては、形質転換しようとするイネの完熟種子を滅菌し、その種子からカルスを誘導し培養し、これとバイナリーベクターを導入したリゾビウム・ラジオバクターを共培養させて感染させる方法により、イネ細胞にコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を導入することができる。続いて、カルスに付着したリゾビウムを洗浄し、選択培地でカルスを培養し、生存したカルスを再分化培地(適当な濃度の植物ホルモン(オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン、アブシジン酸、エチレン、ブラシノライド等)を含む)で培養すれば、形質転換されたイネ細胞から選択的に植物体を再生することができる。
他に、ポリエチレングリコール法を用いる場合には、まず細胞壁を酵素で溶かして取り除き、プロトプラストにしてから、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子をポリエチレングリコールを用いて細胞内に導入し、植物体に再生すればよい(Datta SK: In Gene Transfer To Plants(Potrykus I and Spangenberg, Eds)pp. 66-74 (1995))。この方法では、遺伝子を導入するイネは、インド型イネ品種がより適している。エレクトロポレーション法を用いる場合には、まず細胞壁を酵素で溶かして取り除き、プロトプラストにしてから、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を、電気パルスをかけることにより細胞内に導入し、その後植物体に再生すればよい(Toki S, et al., Plant Physiol., 100: 1503 (1992))。この方法では、遺伝子を導入するイネは、日本型イネ品種がより適している。エレクトロポレーション法では、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子は、遺伝子そのものの形態であってもよいし、ベクター中に組み込まれたものでもよい。また、パーティクルガン法を用いる場合には、イネ植物体、イネ器官、イネ組織自体をそのまま使用してもよく、切片を調製した後に使用してもよく、プロトプラストを調製して使用してもよい(Christou P, et al., Biotechnology 9: 957 (1991))。このように調製した試料に対し、遺伝子導入装置(例えばPDS-1000(BIO-RAD社)等)を用いて、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子でコーティングした金やタングステンなどの微粒子(径約1〜2μm)を高圧ガスで噴射することにより、当該遺伝子をイネ細胞内に導入する。処理条件は植物又は試料により異なるが、通常は450〜2000psi程度の圧力、4〜12cm程度の距離で行う。パーティクルガン法では、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子は、遺伝子そのものの形態であってもよいし、ベクター中に組み込まれたものでもよい。
コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子がイネ細胞に組み込まれたか否かの確認は、PCR法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザンハイブリダイゼーション法等の周知の方法により行うことができる。例えば、形質転換イネからゲノムDNAを調製し、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を特異的に増幅できるプライマーを用いて、PCRを行う。増幅産物についてアガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又はキャピラリー電気泳動等を行い、臭化エチジウム、SYBR Green液等により染色し、そして増幅産物を期待されるサイズのバンドとして検出することにより、そのイネ細胞にムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子がイネゲノムに導入されたことを確認することができる。また、常法により抽出した核酸を鋳型として予め蛍光色素等により標識したプライマーを用いてPCRを行い、増幅産物を検出することもできる。またマイクロプレート等の固相に増幅産物を結合させ、蛍光又は酵素反応等により増幅産物を確認する方法も採用することができる。さらに、そのイネ細胞からタンパク質を抽出し、2次元電気泳動を行って分画し、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番に相当するタンパク質のバンドを検出することにより、イネ細胞に導入されたコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番が発現されていること、すなわちそのイネ細胞が形質転換されていることが示唆される。続いて、検出されたタンパク質についてエドマン分解等によりN末端のアミノ酸配列を決定し、配列番号2のN末端の配列と一致するかどうかを確認することにより、そのイネ細胞の形質転換をさらに実証することができる。
また、形質転換イネ細胞を常法により植物体へと再生し、それを栽培して得られるイネ種子については、例えば実施例の記載と同様に、イネ種子からタンパク質を抽出し、それを例えばSDS-PAGE又はウェスタンブロット解析に供し、常法に従ってコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番を検出することにより、本発明の形質転換イネの種子(胚乳中)にコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番が蓄積していることを確認することができる。
本発明の形質転換イネは、導入されたコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を、発現されているか若しくは発現されうる状態で細胞内に有するイネの形質転換細胞でありうる。本発明の形質転換イネは、その遺伝子を導入した形質転換細胞を増殖させたカルス、そこから再生させた植物体、再生した植物体の一部をも包含する。本発明の形質転換イネは、前記形質転換細胞を少なくとも一部に含むイネの植物体全体又はその器官(例えば葉、花弁、茎、根、穀実(種子)等)、組織(例えば表皮、師部、柔組織、木部、維管束、柵状組織、海綿状組織等)若しくは培養細胞(例えばカルス)をも意味する。また本発明の形質転換イネには、当該遺伝子を導入した植物体(形質転換された細胞やカルスから再生された植物体を含む)の有性生殖又は無性生殖により得られる子孫の植物体、及びその子孫植物体の組織や器官等の一部(種子、プロトプラストなど)も包含するものとする。本発明の形質転換イネは、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を導入して形質転換したイネ植物体から、種子(穀粒、穀実)、プロトプラストなどの繁殖材料を取得し、それを栽培又は培養することによって量産することができる。
本発明の形質転換イネは、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番を、その種子中に、好ましくは該遺伝子の起源であるコムギ品種と比較しても大量に蓄積していることが好ましい。本発明の形質転換イネの種子に蓄積するコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番は、高製パン性を付与するグルテニン・サブユニットである。従って本発明の形質転換イネの穀粒は、良質な小麦粉代替品の原料として用いることができる。すなわち本発明の形質転換イネの穀粒は、製パン用の穀粒として使用されうる。
上記のような本発明の成果は、作付け制限を受けている日本国内の水田を利用して、輸入に依存している小麦粉の代替植物(ブレッドライス)を国内生産する手段を提供することにより、製パン粉の安定供給をもたらすものである。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1) コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子の単離
高製パン性を示すコムギ品種Max(Triticum aestivum;ホクレン農業協同組合連合会から分与)から、常法に従いゲノムDNAを抽出した。次に、これを鋳型にして、PCR法にてコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子(3495塩基対)を増幅した。このPCRに用いたプライマー配列は以下の通りであった。
フォワード・プライマーGlu-D1-1d-3353U:GCTGGAAATCCAACTAC(配列番号3)
リバース・プライマーGlu-D1-1d-6803L:TTCTCTCGTATCCCTAA(配列番号4)
このPCR反応条件は、以下の通りであった:94℃で1分、94℃で1分→58℃で1分→72℃で2分30秒(30サイクル)、72℃で8分。
このようにして得られた増幅断片を、常法により、pCR(登録商標)2.1-TOPO(登録商標)ベクター(Invitrogen社)中にサブクローンし、得られたクローンをpTOPO-Glu1Dx5と命名した。次いでそのクローン中の増幅断片全体の塩基配列を決定し、その増幅断片が、すでに塩基配列が報告されているコムギグルテンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子(非特許文献1、アクセッション番号X12928)であることを確認した。クローニングしたコムギグルテンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子の塩基配列を、配列番号1に示す。
(2) コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を導入した形質転換イネの作製
得られた上記クローンpTOPO-Glu1Dx5をEcoRIで切断して、Glu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を含むゲノム断片を切り出し、その末端を平滑化した後、それを植物形質転換用バイナリーベクターであるpPZP2H-lac(Fuse T, et al., Plant Biotechnol., 18: 219 (2001))のSmaIサイトに挿入した。こうして得られたバイナリーベクターをpPZP-Glu1Dx5と命名した。このバイナリーベクターをリゾビウム・ラジオバクターEHA101(Hood EE, et al., J. Bacteriol., 168: 1291 (1986))に導入した後、アグロバクテリアを介する形質転換法(土岐らの方法:国際公開WO 01/06844)に従い、イネ品種日本晴(Oryza sativa;独立行政法人農業生物資源研究所ジーンバンクから分与)のカルスに感染させ、ハイグロマイシン存在下で再生個体を選別した。
(3) 形質転換イネにおいて発現され、蓄積されたコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番の確認
上記で得た形質転換イネ(宿主品種:日本晴)の植物体から穀実を採種し、その胚乳部分から常法により全タンパク質を抽出した。抽出したタンパク質を、8%ポリアクリルアミドゲルによるSDS-PAGE電気泳動にかけ、全タンパク質を染色試薬CBB-R250によりタンパク質染色することにより、遺伝子導入していない日本晴では認められず、形質転換イネにだけ認められるバンドが確認された(図1A、矢印)。従ってこのバンドがコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番に相当すると思われる。
このコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番に相当するタンパク質バンドが真に導入した当該遺伝子由来の翻訳産物であることを確認するために、常法によりウェスタンブロット解析を行った(図1B)。この解析に用いたコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番と特異的に結合する抗体(抗Glu1Dx5抗体)は、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番の部分ぺプチドEGEASEQ(配列番号5;配列番号2の22〜28番目のアミノ酸配列に相当する)を合成し、これを抗原として用いて常法により作製した。得られた抗体については、コムギ種子からのタンパク質抽出物とイネ種子(日本晴)からのタンパク質抽出物に対するウェスタンブロット解析に使用して、コムギ種子からのタンパク質抽出物のみに含まれるコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番のバンド(SDS-PAGE後のクーマシー染色により確認されたバンド)を特異的に検出できることを確認した。すなわち得られた抗Glu1Dx5抗体はコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番タンパク質に特異的に結合する抗体である。図1Bに示されるように、形質転換イネ種子の胚乳タンパク質に対するウェスタンブロット解析においては、図1A(SDS-PAGE)で形質転換体のみで認められたバンドと同じサイズのバンドだけが、抗Glu1Dx5抗体によって検出された(図1B、矢印)。
従って、上記で得られた形質転換イネでは導入した遺伝子からコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番が発現され、特にその穀実(種子)中に蓄積することが示唆された。
(4) 形質転換イネの穀実におけるコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番の蓄積量
Glu1Dxタイプ5番タンパク質の蓄積が確認できた形質転換イネの胚を培養して得られた植物体から茎葉部を採取し、常法により染色体DNAを抽出した。形質転換イネ染色体DNA中のGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子のコピー数を確認するために、DIGシステム(ロシュ・ダイアグノスティック株式会社)によりサザンブロット解析を行った(図2A)。抽出した染色体DNAをEcoRV及びBamHIで切断し、0.8%アガロースゲルにより電気泳動にかけた後、ナイロン膜にDNAを転写した。この解析に用いたコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子と特異的に結合するDNA断片は、pTOPO-Glu1Dx5を鋳型として、PCR法にて配列番号1の2910番〜3500番を増幅した。このPCRに用いたプライマー配列は、以下の通りであった。
フォワード・プライマーx5 up2:GACGTGTGTTCACAGTTTTTCATG(配列番号6)
リバース・プライマーx5 down2:GATGCATGCTCGAGCGGCCG(配列番号7)
このPCR反応条件は、以下の通りであった:95℃で1分、95℃で45秒→60℃で1分→72℃で2分(30サイクル)。
このDNA断片を、pTOPO-Glu1Dx5と日本晴からの染色体DNAに対するサザンブロット解析においてプローブとして使用して、pTOPO-Glu1Dx5に含まれるコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番のDNAを特異的に検出できることを確認した。染色体DNA中に含まれるGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子のコピー数を推定する目安として、日本晴からの染色体DNA5μgあたりクローンpTOPO-Glu1Dx5を50pg(1コピー)、150pg(3コピー)、250pg(5コピー)加えたものを用いた。
図2Aに示されるサザンブロット解析の結果から、形質転換イネからの染色体DNAに含まれるGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子のコピー数を図2Bに示した。図2Bに示されるように、形質転換イネからの染色体DNAには、1〜12コピーのGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子が含まれていた。図2Cには、形質転換イネ種子の胚乳タンパク質に対するウェスタンブロット解析を示した。この結果から、コムギ種子胚乳中に含まれるGlu1Dxタイプ5番タンパク質蓄積量を1としたときの各形質転換イネ種子の胚乳タンパク質に含まれるGlu1Dxタイプ5番タンパク質蓄積量を図2Dに示した。図2B及びDに示される通り、コムギ穀実の蓄積量と比べてコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番タンパク質を大量にイネ穀実に蓄積している形質転換イネが多く認められた。一方、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番タンパク質の蓄積量は、導入遺伝子のコピー数と比例関係には無いことが示された。
以上の結果から、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番タンパク質をコードする遺伝子を導入してイネを形質転換することにより、イネ種子胚乳中に、製パン性を高めるコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番タンパク質をコムギよりも多量に蓄積させることが可能であることが示された。
本発明のコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を含有する形質転換イネは、日本の気候条件下でも、コムギグルテニンタンパク質を大量に蓄積した穀粒を生産することができる植物として、有利に使用することができる。
図1は、イネ穀実中に蓄積されたコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番タンパク質を特異的に検出した写真である。図1Aは、イネ穀実より抽出した全タンパク質をSDS-PAGE電気泳動にかけ、分画された全タンパク質をタンパク質染色した結果を示す。図1Bは、図1Aと同じタンパク質抽出物に対して抗Glu1Dx5抗体を用いてウェスタンブロット解析を行った結果を示す。 図2は、コムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子の導入コピー数と、イネ穀実中のコムギグルテニンGlu1Dxタイプ5番の蓄積量との関係を示す。1-1、3-4、5-2、5-3、9-1、11-2、12-1、12-4は各形質転換体の名称である。
配列番号3及び4の配列はプライマー、配列番号5の配列は合成ペプチド、配列番号6及び7の配列はプライマーである。

Claims (3)

  1. コムギグルテニンタンパク質Glu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を含有する形質転換イネ。
  2. コムギグルテニンタンパク質Glu1Dxタイプ5番を含有する、請求項1に記載の形質転換イネの種子。
  3. イネ種子に高製パン性を付与するための、コムギグルテニンタンパク質Glu1Dxタイプ5番をコードする遺伝子を含有する組換えベクター。
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