JP2007306358A - 無線通信端末装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デュアルモード通信機たる無線通信端末装置において、2つの通信システムが同時に安定した通信を行うことを可能にする。
【解決手段】発振器100を制御してクロック信号S10aの周波数を変更することにより、第1無線周波送信信号S9を第1無線通信方式の無線基地局と同調させつつ、第2ベースバンド変調部119における位相変調処理を制御して第2無線周波送信信号S18の周波数を変更することにより、第2無線周波送信信号S18をも第2無線通信方式の無線基地局と同調させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、無線通信端末装置に関し、特に、無線基地局との通信を行う際の無線通信端末装置における無線周波数制御に関する。
従来の無線通信端末装置においては、一般的に無線周波数は以下のように制御されていた。すなわち、基地局から受信した信号に基づいて、通信が正しく行えるように、源振クロックを出力する温度補正型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)の周波数を逐次制御していた。
そのような技術を示す文献として、例えば下記特許文献1がある。この特許文献1においては、AFC(Automatic Frequency Control)回路を用いて、TCXOにおける発振周波数を補正する技術が開示されている。
特開平9−326752号公報
ところで、例えば広帯域符号分割多重アクセス方式(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)と汎欧州デジタルセルラーシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)とのような、2つの異なる無線通信システムを共に搭載した無線通信端末装置(“デュアルモード通信機”とも称する)が存在する。
このようなデュアルモード通信機に、上記特許文献1に記載のAFC回路によるTCXO周波数の補正技術を適用する場合、2つの異なるシステムの無線基地局からの受信信号のいずれかに基づいて、1つのTCXOの周波数を制御することとなる。すると、両方式の基地局に同時に、周波数を同調させることが難しくなる。その結果、安定した無線通信の確保が困難となる。
また、2つの異なるシステムの受信部が1つのTCXOを制御するためには、制御遅延や、制御権の競合などの問題が生じ、最適な動作が困難となる。
この発明は、上記の問題を解消するためになされたもので、デュアルモード通信機たる無線通信端末装置において、2つの通信システムが同時に安定した通信を行うことを可能にすることを目的とする。
本発明は、所定周波数のクロック信号を出力する発振器と、前記クロック信号に基づいて第1無線通信方式の第1無線周波受信信号を受信し、前記第1無線周波受信信号を第1ベースバンド受信信号に周波数変換する第1無線受信部と、前記第1ベースバンド受信信号を復調する第1ベースバンド復調部と、前記第1無線通信方式の第1ベースバンド送信信号を変調する第1ベースバンド変調部と、変調された前記第1ベースバンド送信信号を第1無線周波送信信号に周波数変換し、前記クロック信号に基づいて前記第1無線周波送信信号を送信する第1無線送信部と、復調された前記第1ベースバンド受信信号に基づいて、前記第1無線通信方式の無線基地局の送信周波数に対する前記第1無線周波送信信号の搬送波周波数の偏差を検出する第1周波数偏差検出部と、前記第1無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差に基づいて、第1制御信号を生成する第1AFC(Automatic Frequency Control)部と、前記クロック信号に基づいて、前記第1無線通信方式とは異なる第2無線通信方式の第2無線周波受信信号を受信し、前記第2無線周波受信信号を第2ベースバンド受信信号に周波数変換する第2無線受信部と、前記第2ベースバンド受信信号を復調する第2ベースバンド復調部と、前記第2無線通信方式の第2ベースバンド送信信号を変調する第2ベースバンド変調部と、変調された前記第2ベースバンド送信信号を第2無線周波送信信号に周波数変換し、前記クロック信号に基づいて前記第2無線周波送信信号を送信する第2無線送信部と、復調された前記第2ベースバンド受信信号に基づいて、前記第2無線通信方式の無線基地局の送信周波数に対する前記第2無線周波送信信号の搬送波周波数の偏差を検出する第2周波数偏差検出部と、前記第2無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差に基づいて、第2制御信号を生成する第2AFC部とを備え、前記第2ベースバンド変調部は、前記第2ベースバンド送信信号に対して位相変調処理を行うことが可能であって、前記第1制御信号は、前記第1無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差を減少させるために、前記発振器への、前記所定周波数を制御する第1周波数制御信号として機能し、前記第2制御信号は、前記第2無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差を減少させるために、前記第2ベースバンド変調部において前記位相変調処理を制御する第1位相制御信号として機能する無線通信端末装置である。
本発明によれば、第1制御信号は、第1無線周波送信信号の搬送波周波数の偏差を減少させるために、発振器への、所定周波数を制御する第1周波数制御信号として機能し、第2制御信号は、第2無線周波送信信号の搬送波周波数の偏差を減少させるために、第2ベースバンド変調部において位相変調処理を制御する第1位相制御信号として機能する。そのため、発振器を第1周波数制御信号により制御してクロック信号の所定周波数を変更することにより、第1無線周波送信信号を第1無線通信方式の無線基地局と同調させつつ、第2ベースバンド変調部における位相変調処理を第1位相制御信号により制御して第2無線周波送信信号の周波数を変更することにより、第2無線周波送信信号を第2無線通信方式の無線基地局と同調させることができる。よって、デュアルモード通信機たる無線通信端末装置において、2つの通信システムが同時に安定した通信を行うことが可能となる。
<実施の形態1>
本実施の形態は、第1及び第2の無線通信方式の両方の通信が可能なデュアルモード通信機であって、発振器を制御してクロック信号の周波数を変更することにより、第1無線周波送信信号を第1無線通信方式の無線基地局と同調させつつ、第2ベースバンド変調部における位相変調処理を制御して第2無線周波送信信号の周波数を変更することにより、第2無線周波送信信号をも第2無線通信方式の無線基地局と同調させる無線通信端末装置である。
図1は、本実施の形態に係る無線通信端末装置のブロック図である。この無線通信端末装置は、WCDMA無線通信処理部103、TCXO100、D/Aコンバータ101およびGSM無線通信処理部113を備えている。なお、本願の各実施の形態においては、第1の無線通信方式としてWCDMAを、第2の無線通信方式としてGSMを、それぞれ例に採る。もちろん、その他の異なる無線通信方式を第1及び第2の無線通信方式に採用しても良い。
図1において、発振器たるTCXO100は、本実施の形態に係る無線通信端末装置の源振クロック信号S10a,S10bを生成する部分である。源振クロック信号は、所定周波数にて発振する。また、D/Aコンバータ101は、後述の制御信号S5aに基づいて、TCXO100の発振周波数を制御するためのアナログ電圧信号S6を生成するデジタル−アナログ変換器である。
次に、WCDMA無線通信処理部103について説明する。WCDMA無線通信処理部103は、WCDMAアンテナ102、WCDMA無線通信部104およびWCDMA無線信号処理部105を含む。WCDMAアンテナ102は、WCDMA無線通信用のアンテナである。WCDMA無線通信部104は、WCDMA無線受信部106およびWCDMA無線送信部107を備える。WCDMA無線信号処理部105は、WCDMAベースバンド復調部108、WCDMAベースバンド変調部109、WCDMA周波数偏差検出部110、WCDMAAFC(Automatic Frequency Control)部111を備える。
WCDMA無線受信部106は、源振クロック信号S10aに基づいて、WCDMAアンテナ102からのWCDMA無線周波受信信号S1を受信し、WCDMA無線周波受信信号S1をWCDMAベースバンド受信信号S2に周波数変換する。WCDMAベースバンド復調部108は、WCDMAベースバンド受信信号S2を復調し、受信データS3aとして出力する。また、WCDMAベースバンド復調部108は、WCDMAベースバンド受信信号S2中に含まれている基準信号S3bも抽出して、出力する。
WCDMAベースバンド変調部109は、送信データたるWCDMAベースバンド送信信号S7を変調し、信号S8として出力する。WCDMA無線送信部107は、変調されたWCDMAベースバンド送信信号S8をWCDMA無線周波送信信号に周波数変換し、源振クロック信号S10aに基づいて、WCDMA無線周波送信信号を信号S9としてWCDMAアンテナ102を介して送信する。
WCDMA周波数偏差検出部110は、基準信号S3bを受けて、WCDMA無線基地局(図示せず)の送信周波数に対するWCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数の偏差を検出する。WCDMAAFC部111は、検出された偏差のデータS4に基づいて、TCXO100の発振周波数を制御するためのデジタルデータたる制御信号S5aを生成する。
次に、GSM無線通信処理部113について説明する。GSM無線通信処理部113は、GSMアンテナ112、GSM無線通信部114およびGSM無線信号処理部115を含む。GSMアンテナ112は、GSM無線通信用のアンテナである。GSM無線通信部114は、GSM無線受信部116およびGSM無線送信部117を備える。GSM無線信号処理部115は、GSMベースバンド復調部118、GSMベースバンド変調部119、GSM周波数偏差検出部120、GSMAFC部121を備える。
GSM無線受信部116は、源振クロック信号S10bに基づいて、GSMアンテナ112からのGSM無線周波受信信号S11を受信し、GSM無線周波受信信号S11をGSMベースバンド受信信号S12に周波数変換する。GSMベースバンド復調部118は、GSMベースバンド受信信号S12を復調し、受信データS13aとして出力する。また、GSMベースバンド復調部118は、GSMベースバンド受信信号S12中に含まれている基準信号S13bも抽出して、出力する。
GSMベースバンド変調部119は、送信データたるGSMベースバンド送信信号S16を変調し、信号S17として出力する。なお、この変調に際してGSMベースバンド変調部119は、GSMベースバンド送信信号S16に対して位相変調処理を行うことが可能である。GSM無線送信部117は、変調されたGSMベースバンド送信信号S17をGSM無線周波送信信号に周波数変換し、源振クロック信号S10bに基づいて、GSM無線周波送信信号を信号S18としてGSMアンテナ112を介して送信する。
なお、図1では、WCDMAアンテナ102とGSMアンテナ112とを別個に設けているが、1つのアンテナを用いて両無線通信方式の兼用のアンテナとして構成することも可能である。
GSM周波数偏差検出部120は、基準信号S13bを受けて、GSM無線基地局(図示せず)の送信周波数に対するGSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数の偏差を検出する。GSMAFC部121は、検出された偏差のデータS14に基づいて、GSMベースバンド変調部119にて位相変調処理を制御するためのデジタルデータたる位相制御信号S15aを生成する。
次に、図1の無線通信端末装置が、WCDMAとGSMとのデュアルモード通信を行う場合の動作について説明する。まず、WCDMA無線通信について説明する。WCDMAアンテナ102からのWCDMA無線周波受信信号S1は、WCDMA無線受信部106にてWCDMAベースバンド受信信号S2に周波数変換される。WCDMAベースバンド受信信号S2は、WCDMAベースバンド復調部108に入力され、受信データS3aとして復調される。
この復調の際に抽出された基準信号S3bに基づいて、WCDMA周波数偏差検出部110は、WCDMA無線基地局に対する本無線通信端末装置の搬送波周波数の偏差、すなわち、WCDMA無線基地局の送信周波数に対するWCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数の偏差を検出する。なお、この周波数の偏差の値の測定単位には、周波数に依存しない相対値であるppm(parts per million)を採用すればよい。そうすれば、TCXO100の制御を正確に行うことが可能となる。
検出された偏差のデータS4は、WCDMAAFC部111に与えられる。WCDMAAFC部111は、偏差のデータS4に基づいて、TCXO100の周波数制御特性(制御電圧値[V]と周波数変化量[Hz]との関係)を考慮した最適な制御電圧量を算出し、その制御電圧量をデジタルデータたる制御信号S5aとしてD/Aコンバータ101へと出力する。すなわち、この制御信号S5aは、検出された上記の偏差を減少させるために、TCXO100への、発振周波数を制御する周波数制御信号として機能する。
制御信号S5aは、D/Aコンバータ101に入力される。D/Aコンバータ101は、入力された制御信号S5aのデジタルデータに対応した電圧信号S6を生成し、TCXO100へと出力する。
例えば源振クロック信号S10a,S10bの発振周波数を上げる場合には、制御信号S5aとして、電圧信号S6の電圧を上げるデータがD/Aコンバータ101に与えられる。一方、源振クロック信号S10a,S10bの発振周波数を下げる場合には、制御信号S5aとして、電圧信号S6の電圧を下げるデータがD/Aコンバータ101に与えられる。その結果、TCXO100における発振周波数が変化する。
以上の動作により、TCXO100からの源振クロック信号S10aの発振周波数が最適に制御され、WCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数をWCDMA無線基地局の送信周波数に同調させることができ、安定した通信を行うことが可能となる。
次に、GSM無線通信について説明する。GSMアンテナ112からのGSM無線周波受信信号S11は、GSM無線受信部116にてGSMベースバンド受信信号S12に周波数変換される。GSMベースバンド受信信号S12は、GSMベースバンド復調部118に入力され、受信データS13aとして復調される。
この復調の際に抽出された基準信号S13bに基づいて、GSM周波数偏差検出部120は、GSM無線基地局に対する本無線通信端末装置の搬送波周波数の偏差、すなわち、GSM無線基地局の送信周波数に対するGSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数の偏差を検出する。なお、この周波数の偏差の値の測定単位にも、周波数に依存しない相対値であるppmを採用すればよい。
検出された偏差のデータS14は、GSMAFC部121に与えられる。GSMAFC部121は、偏差のデータS14に基づいて、位相制御データたる制御信号S15aを生成し、GSMベースバンド変調部119に対して制御信号S15aを出力する。制御信号S15aは、GSMベースバンド変調部119におけるGSMベースバンド送信信号S16に対する位相変調処理を制御し、それによりGSMベースバンド送信信号S16の周波数を変調するための信号である。
原理的に、位相変調を行えば周波数変調を行うことも可能である。そのため、GSMベースバンド送信信号S16の位相を変調することによりその周波数を変調し、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数を制御することが可能である。すなわち、この制御信号S15aは、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数の偏差を減少させるために、GSMベースバンド変調部119において位相変調処理を制御する位相制御信号として機能する。
例えば、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数を上げる場合には、制御信号S15aとして、ある固定位相値を連続的にGSMベースバンド送信信号S16に対して加算してゆくデータが生成される。一方、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数を下げる場合には、制御信号S15aとして、ある固定位相値を連続的にGSMベースバンド送信信号S16から減算してゆくデータが生成される。その結果、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数が変化する。
以上の動作により、GSMベースバンド送信信号S16への位相変調処理が最適に制御され、その結果、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数が最適に制御され、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数をGSM無線基地局の送信周波数に同調させることができ、安定した通信を行うことが可能となる。
このように本無線通信端末装置では、WCDMA及びGSMの各無線基地局への無線周波数の同調を行うために、WCDMA通信時には源振クロック信号S10aを出力するTCXO100における発振周波数の制御を行い、GSM通信時にはGSMベースバンド変調部119における周波数制御を行う。つまり、無線通信方式毎に無線周波数が独立して制御される。
次に、効果について説明する。デュアルモード通信機では、2つの通信システム、例えば上記のようなWCDMAとGSMとの両方の同時通信を可能とする必要がある。しかし、同時通信の際、両システムともに無線基地局への無線周波数の同調手段として同一の手段、例えばTCXO100の周波数制御を用いた場合には、どちらか一方のシステムの無線基地局に対しては最適な同調制御が可能なものの、他方のシステムの無線基地局へは最適な同調ができなくなる可能性がある。特に、フェージングやドップラー効果などによる通信路の影響を受ける場合には、この問題が顕著となる。
一方、本発明によれば、上記動作の説明に記載のように、各システムで無線基地局への無線周波数の同調手段が独立している。そのため、両システムともに無線基地局に対し最適な無線周波数同調が可能となり、安定した通信が確保できる。また、TCXO100の周波数制御を2つのシステムから行うことがないため、TCXO制御権の調停や制御スケジューリングなどの複雑な仕組みが不要となる。
すなわち、本実施の形態に係る無線通信端末装置によれば、制御信号S5aは、WCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数の偏差を減少させるために、発振器たるTCXO100への、発振周波数を制御する周波数制御信号として機能し、制御信号S15aは、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数の偏差を減少させるために、GSMベースバンド変調部119において位相変調処理を制御する位相制御信号として機能する。そのため、TCXO100を周波数制御信号により制御してクロック信号S10aの発振周波数を変更することにより、WCDMA無線周波送信信号S9をWCDMA無線基地局と同調させつつ、GSMベースバンド変調部119における位相変調処理を位相制御信号により制御してGSM無線周波送信信号S18の周波数を変更することにより、GSM無線周波送信信号S18をGSM無線基地局と同調させることができる。よって、デュアルモード通信機たる無線通信端末装置において、2つの通信システムが同時に安定した通信を行うことが可能となる。
<実施の形態2>
本実施の形態は、実施の形態1に係る無線通信端末装置の変形例であって、制御信号S5aの変化量を所定の関数にて演算し、演算結果を出力する周波数変化量算出部と、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数の偏差に対して演算結果を加算する加算部とをさらに備え、GSMAFC部121が、演算結果が加算された偏差に基づいて、制御信号S15aを生成するようにしたものである。
図2は、本実施の形態に係る無線通信端末装置を示す図である。なお、図2においては、GSM周波数偏差検出部120の後段に設けられた加算器220aと、制御信号S5aを受けるTCXO周波数変化量算出部220bとが追加され、加算器220aが、GSM周波数偏差検出部120にて検出された偏差のデータS14aにTCXO周波数変化量算出部220bでの演算結果S14bを加算して、制御信号S14cをGSMAFC部121に出力するように変更されている点以外、装置構成は図1と同じである。
TCXO周波数変化量算出部220bは、WCDMAAFC部111からの制御信号S5aを受け、TCXO周波数変化量算出部220b内のメモリ等の一時格納場所(図示せず)に、制御信号S5aのデータを格納する。このデータをV1とする。
次に、WCDMAAFC部111からの制御信号S5aが新しい値に変化した場合(新しいデータをV2とする)、V2とV1との差分から、TCXO周波数変化量算出部220bは、TCXO100の制御電圧と周波数との関係に基づいて、TCXO100の周波数変化量(func(V2−V1))を算出する。すなわち、TCXO周波数変化量算出部220bは、制御信号S5aを受け、制御信号S5aの変化量(V2−V1)を所定の関数func( )にて演算し、その演算結果を信号S14bとして出力する。なお、所定の関数func( )の内容については、TCXO100の制御電圧と周波数との関係に基づいて、下記の制御が実現できるような関数を適宜、選択すればよい。
その後、演算結果S14bの値は、加算器220aにより、GSM周波数偏差検出部120にて検出された偏差のデータS14a(これをΔfGaとする)に加算され、加算結果が制御信号S14c(これをΔfGbとする)としてGSMAFC部121に出力される。すなわち、ΔfGb=ΔfGa+func(V2−V1)との関係が成り立つ。そして、GSMAFC部121は、偏差のデータS14aと演算結果S14bとの加算結果たる制御信号S14cに基づいて、制御信号S15aを生成する。
図3は、GSMの無線通信フレームとWCDMAの無線通信フレームとを示すタイミングチャートである。GSMの無線通信フレームタイミングを考慮した動作について、図3を用いて具体的に説明する。
まず、WCDMA無線通信とGSM無線通信とのフレームタイミングの関係について説明する。WCDMA無線通信フレームは10msec周期、GSM無線通信のフレームは約4.61msec周期であり、お互いの無線通信フレームは非同期の関係にある。一方、本実施の形態においては、TCXO100の周波数制御は、WCDMAベースバンド復調部108での復調結果に基づいて、WCDMA無線通信フレームタイミングに同期して行われる。そのため、WCDMA無線通信フレーム周期でTCXO100での発振周波数は変化する。よって、通常は、GSM無線通信フレームの周期途中で、TCXO100の発振周波数が変化することになる。
次に、本実施の形態に係る無線通信端末装置の制御方法について説明する。GSM周波数偏差検出部120で算出される周波数の偏差ΔfGaは、GSM無線通信のフレームタイミング周期(4.61msec)で更新される。例えば、図3に示すようにフレーム番号がNの時はΔfGa_Nとの値となる。
一方、WCDMAAFC部111から出力されるTCXO100制御用デジタルデータたる制御信号S5aは、WCDMA無線通信のフレームタイミング周期(10msec)でV1からV2へと更新される。この時、TCXO周波数変化量算出部220bは、V2とV1との差分に基づいて、TCXO100の周波数変化量(func(V2−V1))を算出し、加算器220aはΔfGa_Nとfunc(V2−V1)とを加算して、制御信号S14cを出力する。
GSMAFC部121は、制御信号S14cに基づいて位相制御用の制御信号S15を生成する。これにより、GSM無線通信フレーム中の、WCDMAからのTCXO100制御によるGSM無線送信周波数のずれを打ち消すことが可能となる。
上述のΔfGb=ΔfGa+func(V2−V1)につき、より具体的な関数の例と数値例とを下記に示す。例えば、GSM周波数偏差検出部120にて検出された周波数偏差ΔfGaの値が450[Hz]であるとする。また、WCDMAAFC部111より出力される制御信号S5aのデジタルデータが、V1=330からV2=300へと変化したとする。また、制御信号S5aのV1,V2のデータが、D/Aコンバータ101にて電圧信号S6に変換されると、電圧信号S6の値がそれぞれV1a=1.1[V]、V2a=1.0[V]になるとする。また、TCXO100における基準発振周波数fsが13[MHz]であるとする。
図4は、電圧信号S6とTCXO100における発振周波数ft(Vxa)との関係を示すグラフである。このグラフでは例として、電圧信号S6とTCXO100における発振周波数ft(Vxa)とが線形特性を有する場合を示しており、V1a=1.1[V]のときには発振周波数が13000003[Hz]と、V2a=1.0[V]のときには発振周波数が13000000[Hz]とされている。
ここで、関数func(V2−V1)を、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数をfGCとして、(ft(V2a)−ft(V1a))/fs×fGCと定義する。このとき、fGC=947.4[MHz](Channel=62)とすれば、関数func(V2−V1)の値は、(13000000−13000003)/13[MHz]×947.4[MHz]=−219[Hz]と計算される。
よって、ΔfGb=ΔfGa+func(V2−V1)より、ΔfGb=450−219=231[Hz]と計算される。そして、このΔfGbの値が、GSMAFC部121に与えられる。
その他の点については、実施の形態1に係る無線通信端末装置と同様のため、説明を省略する。
本実施の形態に係る無線通信端末装置によれば、TCXO周波数変化量算出部220bは、制御信号S5aの変化量を所定の関数にて演算し、演算結果S14bを出力する。そして、GSMAFC部121は、演算結果S14bが加算されたGSM無線周波送信信号の搬送波周波数の偏差のデータS14aに基づいて、制御信号S15aを生成する。よって、WCDMAの無線通信フレームとGSMの無線通信フレームとが非同期である場合に、GSMの通信フレーム途中で発生する、WCDMAによるTCXO100制御の影響を打ち消すことが可能となり、GSM無線周波送信信号の送信周波数をGSM無線基地局に同調させることができ、安定した通信を行うことが可能となる。
<実施の形態3>
本実施の形態も、実施の形態1に係る無線通信端末装置の変形例であって、WCDMAでの通信ができない場合などに、本無線通信端末装置を、安定した通信が可能なGSMの無線通信端末装置として利用することができるよう、更なる他のGSMAFC部と二個のセレクタとを設けたものである。
図5は、本実施の形態に係る無線通信端末装置のブロック図である。この無線通信端末装置は、図1の無線通信端末装置の構成に加えて、第1セレクタ300、第2セレクタ322、及び、他のGSMAFC部321を更に備える。
第2セレクタ322は、検出された偏差のデータS14を、選択信号S21に応じてGSMAFC部121,321のいずれかに出力可能である。GSMAFC部321は、検出された偏差のデータS14に基づいて、TCXO100の発振周波数を制御するためのデジタルデータたる制御信号S15bを生成する。すなわち、制御信号S15bは、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数の偏差を減少させるために、TCXO100への、発振周波数を制御する周波数制御信号として機能する。第1セレクタ300は、制御信号S5a,S15bを受け、通信モード選択信号S19に応じて制御信号S5a,S15bのいずれかを選択して、TCXO100に向けてD/Aコンバータ101へと出力する。
次に、動作について説明する。WCDMAおよびGSMのデュアルモード通信機において、実施の形態1の場合のようにTCXO100における発振周波数をWCDMA用に制御することで、WCDMAの安定通信が行える。しかし、デュアルモード通信機をGSM通信のみを行うモードで動作する場合、WCDMA無線通信処理部103はWCDMA無線信号を受信しない。そのため、TCXO100の周波数制御を行うことがない。その場合、TCXO100における発振周波数とGSM無線基地局の送信周波数との間に大きな偏差が発生しやすい。
そこで、本実施の形態のように、GSM無線通信処理部113にも、TCXO100の制御信号S15bを出力可能なGSMAFC部321を設け、さらに、TCXO100を制御する制御信号S5a,S15bを選択する第1セレクタ300、および、GSMAFC部121,321のいずれに偏差のデータS14を与えるか選択する第2セレクタ322を設ける。
そして、無線通信端末装置がGSM通信モードとして起動される場合、選択信号S21に応じて第2セレクタ322は、GSMAFC部321に偏差のデータS14を与える。そして、GSMAFC部321は、偏差のデータS14に基づいて、TCXO100の周波数制御特性(制御電圧値[V]と周波数変化量[Hz]との関係)を考慮した最適な制御電圧量を算出し、その制御電圧量をデジタルデータたる制御信号S15bを生成する。すなわち、この制御信号S5aは、検出された上記の偏差を減少させるために、TCXO100への、発振周波数を制御する周波数制御信号として機能する。
この場合、通信モード選択信号S19は例えば‘1’となり、セレクタ300はGSMAFC部321からの制御信号S15bをD/Aコンバータ101に出力する。その結果、TCXO100は、GSM無線基地局に同調するように制御され、安定した通信を行うことが可能となる。なお、この場合は、実施の形態1にて行っていた、GSMベースバンド変調部119におけるGSMベースバンド送信信号S16への位相変調処理を行う必要はない。
一方、無線通信端末装置がWCDMA通信モードもしくはデュアルモードとして起動される場合、選択信号S21に応じて第2セレクタ322は、GSMAFC部121に偏差のデータS14を与える。そして、GSMAFC部121は、偏差のデータS14に基づいて、実施の形態1の場合と同様、GSMベースバンド変調部119にて位相変調処理を制御するためのデジタルデータたる位相制御信号S15aを生成する。この場合、通信モード選択信号S19が、例えば‘0’となり、セレクタ300はWCDMAAFC部111からの制御信号S5aをD/Aコンバータ101に出力する。すなわち、WCDMAモードまたはWCDMAおよびGSMのデュアルモード時の動作は、実施の形態1の場合と同様である。
なお、通信モード選択信号S19および選択信号S21は、無線通信端末装置に搭載された、CPUなどのプロセッサ(図示せず)により、通信状態に合わせて動的に生成すればよい。
本実施の形態に係る無線通信端末装置によれば、制御信号S15bは、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数の偏差を減少させるために、TCXO100への、発振周波数を制御する周波数制御信号として機能する。そのため、第1及び第2セレクタ300,321を選択信号S19,S21で制御することにより、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数の偏差のデータS14をGSMAFC部321に与え、制御信号S15bをTCXO100へと与えることができる。この場合は、TCXO100をGSM側の周波数制御信号により制御して源振クロック信号S10bの発振周波数を変更することにより、GSM無線周波送信信号S18をGSM無線基地局と同調させることができる。よって、WCDMAでの通信ができない場合などに、本無線通信端末装置を、安定した通信が可能なGSMの端末として利用することもできる。
<実施の形態4>
本実施の形態も、実施の形態1に係る無線通信端末装置の変形例であって、実施の形態1におけるWCDMA側のTCXO100の制御とGSM側の位相変調処理とを入れ替えたものである。
図6は、本実施の形態に係る無線通信端末装置のブロック図である。この無線通信端末装置では、WCDMAベースバンド変調部109は、送信データたるWCDMAベースバンド送信信号S7の変調に際して、WCDMAベースバンド送信信号S7に対して位相変調処理を行うことが可能である。そして、この無線通信端末装置は、WCDMAAFC部111に代わってWCDMAAFC部411を備えている。WCDMAAFC部411は、検出された偏差のデータS4に基づいて、WCDMAベースバンド変調部109にて位相変調処理を制御するためのデジタルデータたる位相制御信号S5bを生成する。
また、GSM側には、実施の形態3にて示した、TCXO100の発振周波数の制御信号S15bを生成可能なGSMAFC部321が設けられている。その他の点については、実施の形態1に係る無線通信端末装置と同様のため、説明を省略する。
次に、図6の無線通信端末装置が、WCDMAとGSMとのデュアルモード通信を行う場合の動作について説明する。まず、WCDMA無線通信について説明する。WCDMA無線受信部106、WCDMAベースバンド復調部108及びWCDMA周波数偏差検出部110の各部の動作は、実施の形態1に係る無線通信端末装置と同様のため、説明を省略する。
WCDMAAFC部411は、偏差のデータS4に基づいて、位相制御データたる制御信号S5bを生成し、WCDMAベースバンド変調部109に対して制御信号S5bを出力する。制御信号S5bは、WCDMAベースバンド変調部109におけるWCDMAベースバンド送信信号S7に対する位相変調処理を制御し、それによりWCDMAベースバンド送信信号S7の周波数を変調するための信号である。すなわち、この制御信号S5bは、WCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数の偏差を減少させるために、WCDMAベースバンド変調部109において位相変調処理を制御する位相制御信号として機能する。
例えば、WCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数を上げる場合には、制御信号S5bとして、ある固定位相値を連続的にWCDMAベースバンド送信信号S7に対して加算してゆくデータが生成される。一方、WCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数を下げる場合には、制御信号S5bとして、ある固定位相値を連続的にWCDMAベースバンド送信信号S7から減算してゆくデータが生成される。その結果、WCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数が変化する。
以上の動作により、WCDMAベースバンド送信信号S7への位相変調処理が最適に制御され、その結果、WCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数が最適に制御され、WCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数をWCDMA無線基地局の送信周波数に同調させることができ、安定した通信を行うことが可能となる。
次に、GSM無線通信について説明する。GSM無線受信部116、GSMベースバンド復調部118及びGSM周波数偏差検出部120の各部の動作は、実施の形態1に係る無線通信端末装置と同様のため、説明を省略する。
GSMAFC部321は、偏差のデータS14に基づいて、TCXO100の発振周波数を制御するためのデジタルデータたる制御信号S15bを生成する。すなわち、この制御信号S15bは、検出された上記の偏差を減少させるために、TCXO100への、発振周波数を制御する周波数制御信号として機能する。
制御信号S15bは、D/Aコンバータ101に入力される。D/Aコンバータ101は、入力された制御信号S15bのデジタルデータに対応した電圧信号S6を生成し、TCXO100へと出力する。
例えば源振クロック信号S10a,S10bの発振周波数を上げる場合には、制御信号S15bとして、電圧信号S6の電圧を上げるデータがD/Aコンバータ101に与えられる。一方、源振クロック信号S10a,S10bの発振周波数を下げる場合には、制御信号S15bとして、電圧信号S6の電圧を下げるデータがD/Aコンバータ101に与えられる。その結果、TCXO100における発振周波数が変化する。
以上の動作により、TCXO100からの源振クロック信号S10bの発振周波数が最適に制御され、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数をGSM無線基地局の送信周波数に同調させることができ、安定した通信を行うことが可能となる。
すなわち、本実施の形態に係る無線通信端末装置によれば、制御信号S15bは、GSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数の偏差を減少させるために、発振器たるTCXO100への、発振周波数を制御する周波数制御信号として機能し、制御信号S5bは、WCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数の偏差を減少させるために、WCDMAベースバンド変調部109において位相変調処理を制御する位相制御信号として機能する。そのため、TCXO100を周波数制御信号により制御してクロック信号S10bの発振周波数を変更することにより、GSM無線周波送信信号S18をGSM無線基地局と同調させつつ、WCDMAベースバンド変調部109における位相変調処理を位相制御信号により制御してWCDMA無線周波送信信号S9の周波数を変更することにより、WCDMA無線周波送信信号S9をWCDMA無線基地局と同調させることができる。よって、デュアルモード通信機たる無線通信端末装置において、2つの通信システムが同時に安定した通信を行うことが可能となる。
<実施の形態5>
本実施の形態は、実施の形態1、3及び4に係る無線通信端末装置の変形例であって、WCDMA側でのTCXO100の制御および位相変調処理、並びに、GSM側でのTCXO100の制御および位相変調処理、のいずれをも可能とするため、実施の形態3の構成に、更なるセレクタと実施の形態4に示したWCDMAAFC部とを設けたものである。
図7は、本実施の形態に係る無線通信端末装置の一部を示すブロック図である。図7は、本発明を1つの半導体チップ(LSI)で実現する場合の構成を示しており、上記の実施の形態1、3及び4をLSI内のセレクタを用いて実現する場合である。
図7において、LSI500はWCDMA及びGSMのベースバンド信号処理を行う機能を搭載したLSIである。この無線通信端末装置は、図5の無線通信端末装置の構成に加えて、第3セレクタ412及び他のWCDMAAFC部411を更に備える。また、この無線通信端末装置では、WCDMAベースバンド変調部109は、送信データたるWCDMAベースバンド送信信号S7の変調に際して、WCDMAベースバンド送信信号S7に対して位相変調処理を行うことが可能である。
第3セレクタ412は、検出された偏差のデータS4を、選択信号S20に応じてWCDMAAFC部111,411のいずれかに出力可能である。WCDMAAFC部411は、実施の形態4におけると同様、偏差のデータS4に基づいて、位相制御データたる制御信号S5bを生成し、WCDMAベースバンド変調部109に対して制御信号S5bを出力する。制御信号S5bは、WCDMAベースバンド変調部109におけるWCDMAベースバンド送信信号S7に対する位相変調処理を制御し、それによりWCDMAベースバンド送信信号S7の周波数を変調するための信号である。すなわち、この制御信号S5bは、WCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数の偏差を減少させるために、WCDMAベースバンド変調部109において位相変調処理を制御する位相制御信号として機能する。
次に、実施の形態1、3及び4のそれぞれのケースにおけるLSI500内の各セレクタ300、322、412の各位置について説明する。各セレクタ300、322、412は対応する各選択信号S19,S20,S21によって、以下のように選択される。すなわち、実施の形態1の場合は、セレクタ300は制御信号S5aをTCXO100へと与え、セレクタ322はGSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数の偏差のデータS14をGSMAFC部121に与える。また、セレクタ412はWCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数の偏差のデータS14をWCDMAAFC部111に与える。
また、実施の形態3の場合は、セレクタ300は制御信号S5aまたはS15bをTCXO100へと与え、セレクタ322はGSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数の偏差のデータS14をGSMAFC部121または321に与える。また、セレクタ412はWCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数の偏差のデータS4をWCDMAAFC部111に与える。また、実施の形態4の場合は、セレクタ300は制御信号S15bをTCXO100へと与え、セレクタ322はGSM無線周波送信信号S18の搬送波周波数の偏差のデータS14をGSMAFC部321に与える。また、セレクタ412はWCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数の偏差のデータS4をWCDMAAFC部411に与える。
なお、各選択信号は、LSI500に搭載のCPUなどのプロセッサ(図示せず)により、通信状態に合わせて動的に生成すればよい。
本実施の形態に係る無線通信端末装置によれば、制御信号S5bは、WCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数の偏差を減少させるために、WCDMAベースバンド変調部109において位相変調処理を制御する位相制御信号として機能する。そのため、セレクタ300,412,322を選択信号S19,S20,S21で制御することにより、実施の形態4の場合のように、WCDMA無線周波送信信号S9の搬送波周波数の偏差のデータS4をWCDMAAFC部411に与え、制御信号S5bをWCDMAベースバンド変調部109へと与えることもできる。この場合は、TCXO100を周波数制御信号により制御してクロック信号S10bの発振周波数を変更することにより、GSM無線周波送信信号S18をGSM無線基地局と同調させつつ、WCDMAベースバンド変調部109における位相変調処理を位相制御信号により制御してWCDMA無線周波送信信号S9の周波数を変更することにより、WCDMA無線周波送信信号S9をWCDMA無線基地局と同調させることができる。よって、デュアルモード通信機たる無線通信端末装置において、2つの通信システムが同時に安定した通信を行うことが可能となる。
また、LSI500内に各セレクタ300,412,322を搭載することで、本発明が小型に実現可能となる。また、各セレクタ300,412,322の選択をCPUなどで設定可能とすることにより、WCDMA、GSMの各通信状態に合わせて、無線基地局への同調を最適に実現することが可能となる。
なお、本実施の形態におていは、WCDMA無線信号処理部105およびGSM無線信号処理部115の部分をLSI500内に搭載しているが、WCDMA無線通信部104及びGSM無線通信部114、D/Aコンバータ101、TCXO100を同一LSI内に搭載することも可能である。
実施の形態1に係る無線通信端末装置のブロック図である。 実施の形態2に係る無線通信端末装置のブロック図である。 GSMの無線通信フレームとWCDMAの無線通信フレームとを示すタイミングチャートである。 電圧信号とTCXOの発振周波数との関係を示すグラフである。 実施の形態3に係る無線通信端末装置のブロック図である。 実施の形態4に係る無線通信端末装置のブロック図である。 実施の形態5に係る無線通信端末装置の一部を示すブロック図である。
符号の説明
100 TCXO、101 D/Aコンバータ、106 WCDMA無線受信部、107 WCDMA無線送信部、108 WCDMAベースバンド復調部、109 WCDMAベースバンド変調部、110 WCDMA周波数偏差検出部、111,411 WCDMAAFC部、116 GSM無線受信部、117 GSM無線送信部、118 GSMベースバンド復調部、119 GSMベースバンド変調部、120 GSM周波数偏差検出部、121,321 GSMAFC部、220b TCXO周波数変化量算出部、220a 加算器、300,322,412 セレクタ。

Claims (4)

  1. 所定周波数のクロック信号を出力する発振器と、
    前記クロック信号に基づいて第1無線通信方式の第1無線周波受信信号を受信し、前記第1無線周波受信信号を第1ベースバンド受信信号に周波数変換する第1無線受信部と、
    前記第1ベースバンド受信信号を復調する第1ベースバンド復調部と、
    前記第1無線通信方式の第1ベースバンド送信信号を変調する第1ベースバンド変調部と、
    変調された前記第1ベースバンド送信信号を第1無線周波送信信号に周波数変換し、前記クロック信号に基づいて前記第1無線周波送信信号を送信する第1無線送信部と、
    復調された前記第1ベースバンド受信信号に基づいて、前記第1無線通信方式の無線基地局の送信周波数に対する前記第1無線周波送信信号の搬送波周波数の偏差を検出する第1周波数偏差検出部と、
    前記第1無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差に基づいて、第1制御信号を生成する第1AFC(Automatic Frequency Control)部と、
    前記クロック信号に基づいて、前記第1無線通信方式とは異なる第2無線通信方式の第2無線周波受信信号を受信し、前記第2無線周波受信信号を第2ベースバンド受信信号に周波数変換する第2無線受信部と、
    前記第2ベースバンド受信信号を復調する第2ベースバンド復調部と、
    前記第2無線通信方式の第2ベースバンド送信信号を変調する第2ベースバンド変調部と、
    変調された前記第2ベースバンド送信信号を第2無線周波送信信号に周波数変換し、前記クロック信号に基づいて前記第2無線周波送信信号を送信する第2無線送信部と、
    復調された前記第2ベースバンド受信信号に基づいて、前記第2無線通信方式の無線基地局の送信周波数に対する前記第2無線周波送信信号の搬送波周波数の偏差を検出する第2周波数偏差検出部と、
    前記第2無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差に基づいて、第2制御信号を生成する第2AFC部と
    を備え、
    前記第2ベースバンド変調部は、前記第2ベースバンド送信信号に対して位相変調処理を行うことが可能であって、
    前記第1制御信号は、前記第1無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差を減少させるために、前記発振器への、前記所定周波数を制御する第1周波数制御信号として機能し、
    前記第2制御信号は、前記第2無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差を減少させるために、前記第2ベースバンド変調部において前記位相変調処理を制御する第1位相制御信号として機能する
    無線通信端末装置。
  2. 請求項1に記載の無線通信端末装置であって、
    前記第1制御信号を受け、前記第1制御信号の変化量を所定の関数にて演算し、演算結果を出力する周波数変化量算出部と、
    検出された前記第2無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差に対して前記演算結果を加算する加算部と
    をさらに備え、
    前記第2AFC部は、前記演算結果が加算された前記第2無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差に基づいて、前記第2制御信号を生成する
    無線通信端末装置。
  3. 請求項1に記載の無線通信端末装置であって、
    前記第2無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差に基づいて、第3制御信号を生成する第3AFC部と、
    前記第1及び第3制御信号を受け、第1選択信号に応じて前記第1及び第3制御信号のいずれかを選択して、前記発振器へと出力可能な第1セレクタと、
    前記第2無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差の情報を、第2選択信号に応じて前記第2および第3AFC部のいずれかに出力可能な第2セレクタと
    をさらに備え、
    前記第3制御信号は、前記第2無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差を減少させるために、前記発振器への、前記所定周波数を制御する第2周波数制御信号として機能する
    無線通信端末装置。
  4. 請求項3に記載の無線通信端末装置であって、
    前記第1無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差に基づいて、第4制御信号を生成する第4AFC部と、
    前記第1無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差の情報を、第3選択信号に応じて前記第1および第4AFC部のいずれかに出力可能な第3セレクタと
    をさらに備え、
    前記第1ベースバンド変調部は、前記第1ベースバンド送信信号に対して位相変調処理を行うことが可能であって、
    前記第4制御信号は、前記第1無線周波送信信号の搬送波周波数の前記偏差を減少させるために、前記第1ベースバンド変調部において前記位相変調処理を制御する第2位相制御信号として機能する
    無線通信端末装置。
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