JP2007305276A - 微細パターンの形成方法、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用基板並びに光ディスク媒体 - Google Patents

微細パターンの形成方法、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用基板並びに光ディスク媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程を削減することができ、かつ光ビームの集光スポット以下のパターンを形成する。
【解決手段】光吸収層2上に、光吸収層2の融点よりも熱分解温度が低い材料からなる第1パターン形成層3が形成された積層体10に対し、光ビーム38を照射することにより、第1パターン形成層3に貫通するパターンを形成し(図1(b))、光ビーム38照射後の積層体10上に、第2パターン形成層7を堆積させ(図1(c))、第1パターン形成層3を溶解させることにより、第1パターン形成層3上に堆積した第2パターン形成層7aを除去し、光吸収層2上に堆積した微細パターン7bを残留させる(図1(d))。
【選択図】図1

Description

本発明は、リフトオフ法による微細パターンの形成方法と、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用基板並びに光ディスク媒体に関するものである。
従来から、金属配線等の微細パターンを形成する方法としてリフトオフ法が広く使われている。リフトオフ法においては、非特許文献1に示すように有機溶媒浸漬法が広く利用されている。
図5は、従来の有機溶媒浸漬法による微細パターン形成方法を示す断面図である。
まず、図5(a)に示すように、基板101上にフォトレジスト層102をスピンコート法等により成膜し、光ビーム4をフォトレジスト層102に照射する。
この後、図5(b)に示すように、フォトレジスト層102に対して、クロロベンゼン等の有機溶媒を接触させ、表面のみを難溶性に改質し、難溶性の変性層103及び非変性層104を形成する。
この後、図5(c)に示すように、有機溶剤等の現像液を用いて現像を行うことで、変性層103と非変性層104との溶解性の違いから、オーバーハング構造のホールパターン105を形成する。
このようなパターンに対して、金属等のパターン形成層106を堆積させると、図5(d)に示すように、フォトレジストの変性層103上に堆積したパターン形成層106a及び基板101上に堆積したパターン形成層106bが得られる。
また、ホールパターン105はオーバーハング構造を有しているためにパターン形成層106は、フォトレジストの変性層103上にパターン形成層106aと、基板101上にパターン形成層106bとに分離して形成される。
最終的に、図5(e)に示すように、フォトレジストの変性層103及び非変性層104を一般にストリッパーと呼ばれる有機溶剤等により溶解させることで、変性層103上に堆積したパターン形成層106aも除去され(リフトオフ)、基板101上に堆積したパターン形成層106bのみが基板101上に残留しパターンが形成される。
上述したように、パターン形成層106bは、パターン形成層106aとは分離して形成されているため、リフトオフを行った後にパターンのエッジ部分にバリ等が形成されにくくなる。
このように、従来、リフトオフ法に適したオーバーハング構造を得るために、有機溶媒浸漬法を用いたパターン形成が行われている。
また、特許文献1では、露光感度の異なる2種類のレジストを積層させる2層レジスト法によって、オーバーハング構造もしくはレジストパターンの断面形状が下部より、上部の方が広い、逆テーパ形状を有したパターン形成方法が開示されている。
M.Hatzakis著、"Single-Step Optical Lift-Off Process"、IBM J.Res.Develop.(VOL.24、No.4)、1980年7月、p.452−453 特開平6−104256号公報(公開日:1994年4月15日)
しかしながら、上記従来技術では、リフトオフ法に適したパターンを得るためには有機溶媒浸漬法や2層レジスト法等を用いる必要があり、工程が多くなるという問題があった。
また、一般的に、フォトレジストにおいては光酸発生剤(PAG)等が必要とされ、露光光源の波長に応じたフォトレジストの開発が必要であった。
一方でまた、上記のような従来の微細加工法においては、感光部がパターンとなるため、光ビームの集光スポット以下のサイズでパターンを形成することが難しい。例えば、DeepUVレーザ(波長:257nm)を光源とし、NA0.9の集光レンズを用いる場合、得られる円形パターンの直径は最小でも150nm程度である。このことから、より微細なパターンを形成するために、電子線による露光等の開発が進められているが、電子線源は真空チャンバーを必要とするほか、露光における線速が遅く、開発コストやプロセスコストが肥大化してしまうという問題点があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、製造工程を削減することができ、かつ光ビームの集光スポット以下のパターンを形成することができる微細パターンの形成方法、及びこれら微細パターンの形成方法によって製造された光ディスク用スタンパ、及び光ディスク用基板、並びに光ディスク媒体を提供することである。
本発明の微細パターンの形成方法は、上記課題を解決するために、光吸収層上に、該光吸収層の融点よりも熱分解温度が低い材料からなる第1パターン形成層が形成された積層体に対し、光ビームを照射することにより、上記第1パターン形成層を貫通して光吸収層を露出させたパターンを形成する工程と、上記光ビーム照射後の上記積層体上に、第2パターン形成層を堆積させる工程と、上記第1パターン形成層を溶解させることにより、上記第1パターン形成層上に堆積した上記第2パターン形成層を除去し、上記光吸収層上に堆積した上記第2パターン形成層を残留させる工程とを含むことを特徴としている。
上記第1パターン形成層を貫通して光吸収層を露出させたパターンを形成する工程において、上記積層体に対し光ビームを照射することにより、光吸収層及び第1パターン形成層の界面部分で第1パターン形成層の熱分解が生じ、特に高温となる光ビームの集光スポットのうち、中心部分のみが貫通するため、第1パターン形成層において、光ビームの集光限界以下の微細なホールパターンを形成することが可能である。
また、主に、第1パターン形成層及び光吸収層の界面部分で熱が発生することから、熱分解により発生した気体の圧力を受け、第1パターン形成層における微細パターンのエッジ部分が隆起するため、逆テーパ形状を有する、リフトオフ法に適したパターンが得られる。このあと、マグネトロンスパッタ法などにより、第2パターン形成層を形成する。
なお、第2パターン形成層を形成する方法としてはマグネトロンスパッタ法が好ましいが、これに限定されるわけではなく、第2パターン形成層を平滑に形成できればよい。
これにより、該第1パターン形成層上に堆積した第2パターン形成層と、光吸収層上に堆積した第2パターン形成層が分離して形成されることになる。
この後、第1パターン形成層を溶解させる工程において、第1パターン形成層を溶解させることにより、第2パターン形成層上に堆積した第2パターン形成層を除去し、光吸収層上に堆積した第2パターン形成層を残留させる。
言い換えると、除去されるパターンと、残留するパターンとが予め、分離して形成されているため、パターンエッジにバリが形成されることなく、微細パターンを形成することが可能となる。
また、光吸収層の融点は、第1パターン形成層の熱分解温度よりも高いため、光吸収層が変形することは無く、光吸収層の第1パターン形成層側の面は、平滑性が保たれる。
また、光ビームの照射によって直接パターンが形成されることから、光ビームの短波長化または、集光レンズの高NA化等の設備投資を行う必要がない。
また、現像工程がないため、従来の有機溶媒浸漬法による微細パターン形成方法と比較して、工程を簡略化することが可能となる。
さらに、第1パターン形成層において、PAG材料を必要としないため、第1パターン形成層の材料コストを低減させることが可能である。
以上より、上記微細パターンの形成方法によれば、リフトオフ法において、プロセスの開発や製造に関わるコストなどを低く抑えることができ、また、光ビームの集光限界以下の微細パターンを形成することが可能である。
さらに、本発明の微細パターンの形成方法は、上記微細パターンをマスクとして、エッチングを施す工程をさらに含むことを特徴としている。
これにより、さらに、上記光吸収層に対して微細なパターンを形成することが可能となり、成膜等を行うことが困難なバルク材料においても、より微細なパターンを形成することが可能となる。
また、上記光吸収層に対して、上記第1パターン形成層とは反対側に多層構造を設けたとしても、これに微細パターンを形成することが可能である。このため、例えば、半導体素子やトンネル磁気抵抗素子等にも応用することができ、光ビームの短波長化または、集光レンズの高NA化等の設備投資を行うことなく、光ビームの集光限界以下の微細パターンを有した半導体素子やトンネル磁気抵抗素子等を製造することが可能となる。
さらに、本発明の微細パターンの形成方法は、上記エッチングを施す工程において、上記第1パターン形成層が単位時間あたりにエッチングされる深さより、上記光吸収層が単位時間あたりにエッチングされる深さの方が深いことを特徴としている。
これにより、さらに、残存した第2パターン形成層をマスクとしてエッチングを行う際に、上記第2パターン形成層の膜厚よりも深い微細パターンを上記光吸収層に形成することが可能となる。つまり、より薄い第2パターン形成層の膜厚で、より高いアスペクト比の微細パターンを上記光吸収層に形成することが可能となる。
このため、上記第2パターン形成層が薄い膜厚でもよいことから、材料コストを低く抑えることができ、かつ、パターン形成層の成膜プロセスに要する時間を短縮することが可能となる。なお、エッチングは、ドライエッチングであってもよいし、他のエッチング方法であってもよい。
さらに、本発明の微細パターンの形成方法は、上記第1パターン形成層が樹脂層であることが好ましい。
これにより、さらに、上記第1パターン形成層を無機物層とするよりも良好なパターンエッジ形状のパターンを、第1パターン形成層に形成することが可能となる。
また、良好なパターンエッジ形状の第2パターン形成層を光吸収層上に堆積させることができるため、良好なパターンエッジ形状の微細パターンを形成することが可能となる。
さらに、本発明の微細パターンの形成方法は、上記第1パターン形成層がポリヒドロキシスチレン(PHS)樹脂からなることが好ましい。
これにより、さらに、上記光ビームとして、DeepUVレーザを使用する場合、ポリヒドロキシスチレン(PHS)は、DeepUVレーザに対して透明度が高い材料であるため、光吸収層での熱発生効率がよく、また、DeepUVレーザの集光スポットのうち、中心部分がより貫通しやすいため、パターンエッジ形状が良好であり、かつ、高度に微細な、直径30nm程度の微細パターンを光吸収層上に形成することが可能である。
また、本発明の光ディスク用スタンパは、上記微細パターンの形成方法により製造されたことを特徴としている。
これにより、また、従来のスタンパ製造で行われる、導電膜形成工程や電鋳工程を実施することなく、微細パターンを有した光ディスク用スタンパを製造することが可能となり、製造プロセスが簡略化される。また、従来の方式によれば、電鋳工程にて、スタンパのそり等が問題となることがあるが、上記微細パターンの形成方法によれば、この問題が生じないため、スタンパ製造における歩留まりを向上させることが可能となる。
また、本発明の光ディスク用基板は、上記光ディスク用スタンパから転写形成されたことを特徴としている。
これにより、光ビームの短波長化または、集光レンズの高NA化等の設備投資を行うことなく、光ビームの集光限界以下の微細パターンを有した光ディスク用基板を製造することが可能となり、製造コストを低減させることができる。
また、本発明の光ディスク媒体は、上記光ディスク用基板をもとに、光ディスク媒体を提供することが好ましい。
これにより、例えば、従来の光ディスク媒体の製造工程により、光ディスク媒体を製造することが可能となる。
以上のように、本発明に係る微細パターンの形成方法は、光吸収層上に、該光吸収層の融点よりも熱分解温度が低い材料からなる第1パターン形成層が形成された積層体に対し、光ビームを照射することにより、上記第1パターン形成層を貫通して光吸収層を露出させたパターンを形成する工程と、上記光ビーム照射後の上記積層体上に、第2パターン形成層を堆積させる工程と、上記第1パターン形成層を溶解させることにより、上記第1パターン形成層上に堆積した上記第2パターン形成層を除去し、上記光吸収層上に堆積した上記第2パターン形成層を残留させる工程とを含む方法である。
よって、上記積層体に対し光ビームを照射することにより、光吸収層及び第1パターン形成層の界面部分で第1パターン形成層の熱分解が生じ、特に高温となる光ビームの集光スポットのうち、中心部分のみが貫通するため、第1パターン形成層において、光ビームの集光限界以下の微細なホールパターンを形成することが可能である。
このため、リフトオフ法による微細パターンの形成方法において、プロセスの開発や製造に関るコストなどを低く抑えることができ、光ビームの集光限界以下の微細パターンを形成することが可能であるという効果を奏する。したがって、光ビームの集光限界以下の微細パターンを有した、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用基板並びに光ディスク媒体を製造することが可能となる効果を奏する。
以下、本発明における実施の形態の例を示す。ただし、本発明の実施の形態は以下に限られるものではなく、材料、膜構成及び膜厚等は、本発明の技術思想に基づくものであればよい。
また、本実施の形態における熱分解とは、温度上昇により分解すること意味している。例えば、第1パターン形成層3(図1(a))として樹脂層を用いた場合、樹脂を構成する分子がばらばらになり、気体化することを意味している。樹脂等の有機物の場合、気体化する温度が熱分解温度又は酸化分解温度と呼ばれることがある。また、多くの樹脂材料の場合、段階的に熱分解又は酸化分解が起こる場合があり、本実施の形態では、そのうちの最も低い温度を熱分解温度とする。
また、本実施の形態の微細パターンの形成方法は、光ディスク用原盤を製造するときの微細パターンを形成する場合について説明しているが、必ずしもこれに限らず、他の用途にも使用が可能である。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1および図2に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、本実施形態にかかる、微細パターン形成方法を示す断面図である。
また、図2は、図1における微細パターンを形成するための、描画装置を示す構成図である。
図1(a)に示すように、積層体10は、基板1の上に、光ビーム38を吸収する材料からなる光吸収層2が形成され、さらにその上に、樹脂からなる第1パターン形成層3が形成されることによりなる。
また、光ビーム38は集光レンズ39により集光され、光吸収層2に照射される。
また、光ビーム38は集光レンズ39により集光されていることから、光ビーム38の集光スポットのうち、特に高温となる中心部分のみが、第1パターン形成層3を貫通する。
そして、この第1パターン形成層3を貫通した、光ビーム38の集光スポットの中心部分により、主に、第1パターン形成層3及び光吸収層2が接している部分、すなわち、界面部分で熱が発生する。
これにより、光吸収層2上の光ビーム38が照射されているエリアは温度が上昇し、第1パターン形成層3の熱分解温度を超えることにより、主に、光吸収層2と第1パターン形成層3との界面部分で第1パターン形成層3の熱分解が生じる。
この熱分解により発生した気体の圧力を受け、第1パターン形成層3におけるホールパターン6として孔が形成され、さらにこの孔のエッジ部分が光吸収層2とは逆の方向に隆起する。
このため、ホールパターン6は、基板1側へのテーパ形状を順テーパ形状とすると、基板1とは逆方向にエッジ部分が隆起した、逆テーパ形状を有しており、リフトオフ法に適したホールパターン6が得られる。ここで、ホールパターン6が逆テーパ形状を有するとは、基板1およびホールパターン6に垂直な平面による、ホールパターン6の断面形状が略「ハ」字状であることをいう(図1(b))。
また、第1パターン形成層3において、光ビーム4の集光スポットのうち中心部分のみが貫通しているため、図4(b)に示すように、光ビーム38の集光限界以下の微細なホールパターン6を形成することが可能である。
また、光吸収層2の融点は、第1パターン形成層3の熱分解温度よりも高いため、光吸収層2が変形することは無く、光吸収層2の第1パターン形成層3側の面は、平滑性が保たれている。
なお、本実施形態においては、第1パターン形成層3側から光ビーム38を照射する場合について説明を行ったが、基板1において、例えば石英などの透明な材質を使用することにより、光ビーム4を基板1側から光吸収層2に照射を行い、同様にホールパターン6を形成することが可能である。
この後、図1(c)に示すように、マグネトロンスパッタ法により、第2パターン形成層7を形成する。なお、第2パターン形成層7を形成する方法としてはマグネトロンスパッタ法が好ましいが、これに限定されるわけではなく、第2パターン形成層7を平滑に形成できればよい。
ここで、第1パターン形成層3に形成されたホールパターン6は、逆テーパ形状を有しているため、第1パターン形成層3上に堆積した第2パターン形成層7aと、光吸収層2上に堆積した微細パターン7bとは、分離して形成される。
この後、第1パターン形成層3を現像溶液によって溶解させ、あわせて第1パターン形成層2上に堆積した第1パターン形成層3をリフトオフすることで、光吸収層2上に堆積した第2パターン形成層7が残留し、図1(d)に示すように、微細パターン7bが形成される。
上述したように、第1パターン形成層3上に堆積した第2パターン形成層7aと光吸収層2上に堆積した微細パターン7bとは、分離して形成されているため、エッジにバリが形成されることなく、光ビーム4の集光限界以下の微細パターン7bを形成することが可能となる。
次に、光ビーム4による描画装置について、図2に基づいて説明する。
本実施の形態において描画装置は、図2に示すような光ディスク用原盤のレーザ照射装置30を用いる。レーザ照射装置30は、レーザ光源32から出射されたレーザ光38が、ミラー33aにより反射された後、光変調器34により光強度が変調される。次に、再度、ミラー33bに反射された後、光ビームエキスパンダ35によりビーム径が拡大され、光ヘッド36に入射する。光ヘッド36に入射したレーザ光38は、立ち下げミラー33cにより反射され、集光レンズ39により基板1の第1パターン形成層3及び光吸収層2に集光照射される。
一方、積層体10は、スピンドル37上に固定され、スピンドル37と共に回転駆動される。同時に、光ヘッド36を積層体10の半径方向に移動させることにより、図1(b)に示すように、第1パターン形成層3には、逆テーパ形状のホールパターン6がスパイラル状に形成される。
ただし、基板1に石英を使用した場合、石英はDeepUVレーザに対して透明であるため、図1(a)に示すように、光ビーム38を第1パターン形成層3側から照射してもよく、また、基板1側から照射してもよい。
本実施の形態の一例として、図1(a)〜(d)及び図2並びに図3(a)〜(c)を用い、微細パターンの形成方法の具体例を示す。
まず、1.2mm厚の石英基板1上に融点が約3000℃のタンタル(Ta)をマグネトロンスパッタ法により堆積させ、膜厚10nmの光吸収層2を形成した後、粘度が約1cPとなるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)によって希釈した熱分解温度が約300℃のポリヒドロキシスチレン(PHS)樹脂を3500rpmでスピンコートする。
この後、95℃で30分のベークを行い、希釈溶剤を十分に揮発させ、膜厚約65nmの第1パターン形成層3を作製することにより、積層体10が形成される。
次に、図1(a)で示したように、光ビーム4を、第1パターン形成層3側から集光照射する。
なお、光ビーム4の照射は、以下の条件で実施した。
〔光ビームの照射条件〕
・線速:1.0m/s
・パルス幅:120ns
・光ビームの照射ピッチ:400nm
・トラックピッチ:400nm
・光ビームの照射パワー:2.0mW(図3(a)に対応)
1.8mW(図3(b)に対応)
1.6mW(図3(c)に対応)
また、図2において、集光レンズ5としてNA0.9の集光レンズを用いた。
図3(a)〜(c)は、第1パターン形成層に形成されたパターン6のAFM(原子間力顕微鏡)像であり、上面から見た図を示している。
このAFM像では、パターンの高低がグレースケールで示されており、黒色の部分が低く、白色になるに従い高くなっていることに対応する。図3(a)〜(c)に示されているように、光ビーム4の照射パワーが大きくなるに従い、第1パターン形成層3の隆起が高くなることがわかる。
また、図3(a)においては、直径30nm程度の円形の黒いゾーンが存在しており、この部分では第1パターン形成層3を貫通してパターンが形成されていることがわかる。これが、本実施の形態における微細加工法の実質的な加工サイズとなる。
このように、DeepUVレーザ及びNA0.9の集光レンズを用いて、従来技術で形成可能な150nmの円形パターンと比較して、5分の1程度に微細なパターンを形成することが可能である。
また、その円形の黒いゾーンの周囲の白で示されたゾーンが、樹脂の熱分解によって発生した気体の圧力によって、隆起した部分であり、上述した方法により、図1(b)で示したような逆テーパ形状のホールパターン6が形成されることがわかる。
この後、マグネトロンスパッタ法により、チタン(Ti)を30nm堆積させることにより、図1(c)に示すように、第2パターン形成層7が形成される。
ここで、第2パターン形成層7aは、第1パターン形成層3上に形成された第2パターン形成層7であり、また、微細パターン7bは、光吸収層2上に堆積された第2パターン形成層7である。
これは、第1パターン形成層3に形成されたホールパターン6は、逆テーパ形状を有しているため、第1パターン形成層3上に堆積した第2パターン形成層7である第2パターン形成層7aと、光吸収層2上に堆積した第2パターン形成層7である微細パターン7bとは、分離して形成される。
この後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)溶液を用いて第1パターン形成層2を溶解させ、あわせて第1パターン形成層2上に堆積した第1パターン形成層3をリフトオフすることで、図1(d)に示すように、光吸収層2上に堆積した第2パターン形成層7が残留し、微細パターン7bが形成される。
上述したように、第1パターン形成層3上に堆積した第2パターン形成層7である第2パターン形成層7aと、光吸収層2上に堆積した第2パターン形成層7である微細パターン7bとは、分離して形成されているため、エッジにバリが形成されることなく、光ビーム4の集光限界以下の微細パターン7bを形成することが可能となる。
上記は、本発明による微細パターンの形成方法の一例であるが、光吸収層2としては、照射する光ビーム4を吸収する材料であり、かつ、第1パターン形成層3を溶融させる際に使用する溶液に対して、耐性を持つ材料であればよく、金属や金属窒化物等の誘電体及び半導体等を用いることが可能である。露光光源は上記のようにDeepUVレーザが好ましい。また、溶液としてTMAH溶液を用いる場合、例えば、Au、Cu、W、Mo、GaN、GeN、Si、Ge、ZnO等を用いることが可能であるが、第1パターン形成層3でのパターン形成に対する感度を考慮すれば、熱伝導率が小さい材料を用いることが好ましい。
同様に、第1パターン形成層3でのパターン形成に対する感度を高めるために、熱伝導度が小さい材料からなる基板1を選定することが好ましく、また、基板1と光吸収層2との間に、熱伝導度の小さい中間層を設けることも可能である。
また、第1パターン形成層3としては、アクリル樹脂やポリスチレン樹脂等の樹脂層を用いることが好ましく、無機物層を用いる場合と比較して、良好なパターンエッジ形状のホールパターン6を、第1パターン形成層3に形成することが可能となる。
この結果、良好なパターンエッジ形状の微細パターン7bが光吸収層2上に堆積され、良好なパターンエッジ形状の微細パターン7bを形成することが可能となる。特に、光ビーム4を、光吸収層2からみて第1パターン形成層3側から入射させる場合は、照射する光ビーム4に対して透明度が高い材料を用いることが好ましい。
上記のようにDeepUVレーザを光ビーム38として用いる場合、ポリヒドロキシスチレン樹脂以外にも、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やフッ素樹脂等は、ともに、膜厚300nmであっても、透過率が80%程度であり、光吸収層2における熱発生の効率がよく、第1パターン形成層3のパターン形成に際し、光ビーム38の照射パワーを低減させることができる。
また、第2パターン形成層7aおよび微細パターン7bとしては、第1パターン形成層3を溶融させる際に使用する溶液に対して、耐性を持つ材料であればよく、例えば、Ta、Au、Ni、W、Si、Ge、SiO、GeN等を用いることができる。
また、光ビーム38を用いたレーザ照射装置30としては、上記に限られるものではなく、例えば、X−Y軸への駆動系を有した照射装置を用いることで、半導体デバイス向けに微細パターンを形成することもできる。
〔実施の形態2〕
次に第2の実施の形態として、実施の形態1での微細パターン形成方法で形成された微細パターン7bをマスクとして、光吸収層上に微細パターン12を形成する方法について、図4(a)〜(f)を用い一例を示す。
図4は、第2の実施形態にかかる微細パターン形成方法を示す断面図である。
図4(a)において、積層体11は、光ビーム38を吸収する材料からなる光吸収層2の上に、光吸収層2の融点温度より低い熱分解温度をもつ樹脂からなる第1パターン形成層3が形成されることによりなる。
また、光ビーム38は集光レンズ39により集光され、光吸収層2に照射される。
また、光ビーム38は集光レンズ39により集光されていることから、光ビーム38の集光スポットのうち、特に高温となる中心部分のみが、第1パターン形成層3を貫通する。
そして、この第1パターン形成層3を貫通した、光ビーム38の集光スポットの中心部分により、主に、第1パターン形成層3及び光吸収層2が接している部分、すなわち、界面部分で熱が発生する。
これにより、光吸収層2上の光ビーム38が照射されているエリアは温度が上昇し、第1パターン形成層3の熱分解温度を超えることにより、主に、光吸収層2と第1パターン形成層3との界面部分で第1パターン形成層3の熱分解が生じる。
この熱分解により発生した気体の圧力を受け、第1パターン形成層3におけるホールパターン6として孔が形成され、さらにこの孔のエッジ部分が光吸収層2とは逆の方向に隆起する。
このため、ホールパターン6は、基板1側へのテーパ形状を順テーパー形状とすると、基板1とは逆方向にエッジ部分が隆起した、逆テーパ形状を有しており、リフトオフ法に適したホールパターン6が得られる。
また、第1パターン形成層3において、光ビーム4の集光スポットのうち中心部分のみが貫通しているため、図4(b)に示すように、光ビーム38の集光限界以下の微細なホールパターン6を形成することが可能である。
また、光吸収層2の融点は、第1パターン形成層3の熱分解温度よりも高いため、光吸収層2が変形することは無く、光吸収層2の第1パターン形成層3側の面は、平滑性が保たれている。
なお、本実施形態においては、第1パターン形成層3側から光ビーム38を照射する場合について説明を行ったが、基板1において、例えば石英などの透明な材質を使用することにより、光ビーム4を基板1側から光吸収層2に照射を行い、同様にホールパターン6を形成することが可能である。
この後、図4(c)に示すように、マグネトロンスパッタ法により、第2パターン形成層7を形成する。なお、第2パターン形成層7を形成する方法としてはマグネトロンスパッタ法が好ましいが、これに限定されるわけではなく、第2パターン形成層7を平滑に形成できればよい。
ここで、第1パターン形成層3に形成されたホールパターン6は、逆テーパ形状を有しているため、第1パターン形成層3上に堆積した第2パターン形成層7である第2パターン形成層7aと、光吸収層2上に堆積した第2パターン形成層7である微細パターン7bとは、分離して形成される。
この後、第1パターン形成層3を現像溶液によって溶解させ、あわせて第1パターン形成層2上に堆積した第1パターン形成層3をリフトオフすることで、光吸収層2上に堆積した第2パターン形成層7である微細パターン7bが残留し、図4(d)に示すように、光吸収層2上に微細パターン7bのみが形成される。
上述したように、第1パターン形成層3上に堆積した第2パターン形成層7aと光吸収層2上に堆積した微細パターン7bとは、分離して形成されているため、エッジにバリが形成されることなく、光ビーム4の集光限界以下の微細パターン7bを形成することが可能となる。
また、実施の形態1と同様に、図2における光ディスク用原盤のレーザ照射装置30のスピンドル14上に積層体11を固定し、積層体11に対して光ビーム38を照射することにより、第1パターン形成層3には、逆テーパ形状のホールパターン6がスパイラル上に形成される。
続いて、光吸収層2上に残留した微細パターン7bをマスクとして、エッチングを行う。本実施形態においては、反応性ドライエッチング(RIE)を行うが、これに限定されるわけでなく、例えば、反応性イオンビームエッチング(RIBE)や、逆スパッタ等のように、光吸収層2を平滑にエッチングすることができればよい。
ここで、本実施形態においては、マスクとする微細パターン7bのエッチングレートをR、光吸収層2のエッチングレートをRsとするとき、R/Rs<1とする。
こうすることにより、光吸収層2上に残留した微細パターン7bをマスクとしてドライエッチングを行う際に、微細パターン7bの膜厚よりも深く光吸収層2をエッチングすることができる。
これにより、図4(f)に示すように、微細パターン7bの膜厚よりも厚い微細パターン12を光吸収層2上に形成することが可能となる。
つまり、より薄い微細パターン7bの膜厚で、より高いアスペクト比の微細パターン12を光吸収層2に形成することが可能となる。
この結果、第2パターン形成層7の材料コストを低く抑えることができ、かつ、微細パターン7bの成膜プロセスに要する時間を短縮することが可能となる。
次に第2の実施の形態にかかる具体例を示す。
まず、光吸収層2としての1.2mm厚のタンタル基板(融点:3000℃)上に、粘度が約1cPとなるようにアニソールを用いて希釈した、熱分解温度が約300℃のポリスチレン(PS)樹脂(熱分解温度:約300℃)を3500rpmでスピンコートする。
この後、95℃で30分のベークを行い、希釈溶剤を十分に揮発させ、膜厚約65nmの第1パターン形成層3を作製する。
これにより、図4(a)に示すように、積層体11が形成され、また、上述した第1の実施形態と同様に、図2で示されたレーザ照射装置30を用いて、光吸収層2に対して、第1パターン形成層3側から、光吸収層2に光ビーム4を集光照射する。
この工程により、図4(b)に示すように、第1パターン形成層3において、逆テーパ形状を有したホールパターン6が形成される。
また、光吸収層2の融点は、第1パターン形成層3の熱分解温度よりも高いため、光吸収層2が変形することは無く、光吸収層2の第1パターン形成層3側の面は、平滑性が保たれている。
その後、図4(c)のように、マグネトロンスパッタ法により、ニッケル(Ni)を30nm堆積させて、第2パターン形成層7を形成する。
この後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)溶液を用いて第1パターン形成層2を溶解させ、あわせて第1パターン形成層3上に堆積した第2パターン形成層7である第2パターン形成層7aをリフトオフする。これにより、光吸収層2上に堆積した第2パターン形成層7である微細パターン7bが残留し、図4(d)に示すように、微細パターン7bが形成される。
続いて、光吸収層2上に残留した微細パターン7bをマスクとして、反応性ドライエッチング(RIE)を、CF4ガス雰囲気中、入力電力400W、10分行う。用いたドライエッチング装置においては、Ni及びTaのエッチングレートがそれぞれ、0.5nm/分及び3.5nm/分である。
つまり、Ni及びTaがエッチングされた深さがそれぞれ、5nm及び35nmである。
このようにして図4(e)に示す形状に加工し、光吸収層2上に残留した第2パターン形成層7である微細パターン7bを希硝酸にて除去することにより、図4(f)に示すように、スパイラル上に形成された深さ35nmの微細パターン12を備えた、光吸収層2が得られる。
上述したように、光吸収層2の第1パターン形成層3側の面は、平滑性が保たれているため、微細パターン7bを希硝酸にて除去した後に現れる微細パターン12の微細パターン7bと接していた面は、平滑性が保たれている。
上記は、本実施の形態による微細パターンの形成方法の一例であるが、例えば、光吸収層2に対して、第1パターン形成層3とは反対側に、基板1が備えられている場合は、光吸収層2及び基板1をドライエッチングにより加工することもできる。
また、同様に、光吸収層2に対して、第1パターン形成層3とは反対側に多層構造を設けた構造であれば、これをドライエッチングによって微細化することも可能であり、例えば、半導体素子やトンネル磁気抵抗素子等を微細化することが可能である。
このようにすることで、光ビーム38の短波長化または、集光レンズ39の高NA化等の設備投資を行うことなく、光ビーム38の集光限界以下の微細パターンを有した半導体素子やトンネル磁気抵抗素子等を製造することが可能となる。
また、光吸収層2や第1パターン形成層3及び第2パターン形成層7としては、第1の実施の形態で示したような材料を用いることが可能である。
〔実施の形態3〕
次に第3の実施の形態として、図4(a)〜(f)を用い、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用基板並びに光ディスク媒体の製造方法を示す。
本実施の形態の微細パターンの形成方法では、図4(a)において、積層体11は、光吸収層2としてのタンタル(Ta)基板(融点:約3000℃)上に、光吸収層2の融点温度より低い熱分解温度をもつ樹脂からなる第1パターン形成層3が形成されることによりなる。
また、光ビーム38は集光レンズ39により集光され、光吸収層2に照射される。
また、光ビーム38は集光レンズ39により集光されていることから、光ビーム38の集光スポットのうち、特に高温となる中心部分のみが、第1パターン形成層3を貫通する。
そして、この第1パターン形成層3を貫通した、光ビーム38の集光スポットの中心部分により、主に、第1パターン形成層3及び光吸収層2が接している部分、すなわち、界面部分で熱が発生する。
これにより、光吸収層2上の光ビーム38が照射されているエリアは温度が上昇し、第1パターン形成層3の熱分解温度を超えることにより、主に、光吸収層2と第1パターン形成層3との界面部分で第1パターン形成層3の熱分解が生じる。
この熱分解により発生した気体の圧力を受け、第1パターン形成層3におけるホールパターン6として孔が形成され、さらにこの孔のエッジ部分が光吸収層2とは逆の方向に隆起する。
このため、ホールパターン6は、基板1側へのテーパ形状を順テーパー形状とすると、基板1とは逆方向にエッジ部分が隆起した、逆テーパ形状を有しており、リフトオフ法に適したホールパターン6が得られる。
また、第1パターン形成層3において、光ビーム4の集光スポットのうち中心部分のみが貫通しているため、図4(b)に示すように、光ビーム38の集光限界以下の微細なホールパターン6を形成することが可能である。
また、光吸収層2の融点は、第1パターン形成層3の熱分解温度よりも高いため、光吸収層2が変形することは無く、光吸収層2の第1パターン形成層3側の面は、平滑性が保たれている。
なお、本実施形態においては、第1パターン形成層3側から光ビーム38を照射する場合について説明を行ったが、基板1において、例えば石英などの透明な材質を使用することにより、光ビーム4を基板1側から光吸収層2に照射を行い、同様にホールパターン6を形成することが可能である。
この後、図4(c)に示すように、マグネトロンスパッタ法により、第2パターン形成層7を形成する。なお、第2パターン形成層7を形成する方法としてはマグネトロンスパッタ法が好ましいが、これに限定されるわけではなく、第2パターン形成層7を平滑に形成できればよい。
ここで、第1パターン形成層3に形成されたホールパターン6は、逆テーパ形状を有しているため、第1パターン形成層3上に堆積した第2パターン形成層7である第2パターン形成層7aと、光吸収層2上に堆積した第2パターン形成層7である微細パターン7bとは、分離して形成される。
この後、第1パターン形成層3を現像溶液によって溶解させ、あわせて第1パターン形成層2上に堆積した第1パターン形成層3をリフトオフすることで、光吸収層2上に堆積した第2パターン形成層7である微細パターン7bが残留し、図4(d)に示すように、光吸収層2上に微細パターン7bのみが形成される。
上述したように、第1パターン形成層3上に堆積した第2パターン形成層7aと光吸収層2上に堆積した微細パターン7bとは、分離して形成されているため、エッジにバリが形成されることなく、光ビーム4の集光限界以下の微細パターン7bを形成することが可能となる。
また、実施の形態1と同様に、図2における光ディスク用原盤のレーザ照射装置30のスピンドル14上に積層体11を固定し、積層体11に対して光ビーム38を照射することにより、第1パターン形成層3には、逆テーパ形状のホールパターン6がスパイラル上に形成される。
続いて、残留した微細パターン7bをマスクとして、反応性ドライエッチング(RIE)を行うことにより、図4(e)に示す形状に加工し、光吸収層2上に残留した第2パターン形成層7である微細パターン7bを現像溶液により除去し、図4(f)に示すように、スパイラル状に形成された微細パターン12を備えた光吸収層2が得られる。
上述したように、光吸収層2の第1パターン形成層3側の面は、平滑性が保たれているため、残留した第2パターン形成層7である微細パターン7bを除去した後に現れる光吸収層2の面は、平滑性が保たれている。
Ta基板は強度が強く、熱伝導率も優れているため、製造された上記基板を光ディスク用スタンパとして利用することが可能である。
従来、光ディスク用スタンパを製造する方法としては、フォトリソグラフィー法や電子線リソグラフィー法等が利用されており、以下の工程を通して、パターンを転写したスタンパが製造される。
第1の工程として、原盤に対し、導電性のNi薄膜をスパッタ法等により成膜する。次に第2の工程として、Ni電解液の中に浸し、電界をかける。この工程において、Ni薄膜上に厚いNi層が形成される。さらに、第3の工程として、上記のNi層を原盤から剥がし取る。これにより原盤と接していた面にパターンが転写される。
上記工程にて形成されたNi層をスタンパと呼び、光ディスク基板等の射出成形用の鋳型として利用されている。
上記工程の中で、第2の工程は、電鋳工程と一般的に呼ばれており、本発明により、この電鋳工程を行うことなく、スタンパを製造することが可能となる。
つまり、従来工程で必要な導電層の形成や電鋳を行う必要が無くなることにより、コストを抑え、微細パターンを有した光ディスク用スタンパを製造することが可能となる。
また、従来の方式によれば、電鋳工程にて、スタンパのそり等が問題となることがあるが、本発明においては、この問題が生じないため、スタンパ製造における歩留まりを向上させることが可能となる。
このように、光ビーム38の短波長化または、集光レンズ39の高NA化等の設備投資を行うことなく、光ビーム38の集光限界以下の微細パターンを有した光ディスク用基板及び光ディスク媒体を製造することが可能となり、製造コストを低減させることができる。
次に第3の実施の形態にかかる具体例を示す。
まず、光吸収層2としてのタンタル(Ta)基板(融点:約3000℃)上に、粘度が0.5cP程度となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)によって希釈したポリヒドロキシスチレン(PHS)樹脂(熱分解温度:約300℃)を3500rpmでスピンコートした。この後、95℃で30分のベークを行い、希釈溶剤を気化させ、膜厚約65nmの第1パターン形成層2とする。これにより、図4(a)に示すように積層体11が形成される。
続いて、第2の実施の形態と同様に、図4(a)に示すように、光吸収層2に対し、第1パターン形成層3側からDeepUVレーザによる光ビーム4の照射を行う。
この後、図4(b)に示すように、第1パターン形成層3を貫通した、逆テーパ形状のホールパターン6を形成する。
また、光吸収層2の融点は、第1パターン形成層3の熱分解温度よりも高いため、光吸収層2が変形することは無く、光吸収層2の第1パターン形成層3側の面は、平滑性が保たれている。
この後、図4(c)に示すように、第2パターン形成層7として膜厚20nmのNiを、マグネトロンスパッタ法により成膜する。
続いて、アルカリ溶液により、第1パターン形成層3を溶解させるとともに第1パターン形成層3上に堆積した第2パターン形成層7である第2パターン形成層7aを除去することで、光吸収層2上に直接堆積した第2パターン形成層7である微細パターン7bのみが残留し、光吸収層2上に微細パターン7bが形成される。
続いて、反応性ドライエッチング(RIE)を、CF4ガス雰囲気中、入力電力400W、18分35秒行った。用いたドライエッチング装置においては、Ni及びTa基板のエッチングレートがそれぞれ、0.5nm/分及び3.5nm/分である。つまり、Ni及びTaがエッチングされた深さがそれぞれ、9.3nm及び65nmである。
このようにして図4(e)に示す形状に加工し、光吸収層2上に残留した第2パターン形成層7である微細パターン7bを希硝酸にて除去し、図4(f)に示すように、スパイラル状に形成された深さ65nmの微細パターン12を備えた光吸収層が得られる。
上述したように、光吸収層2の第1パターン形成層3側の面は、平滑性が保たれているため、微細パターン7bを希硝酸にて除去した後に現れる微細パターン12の微細パターン7bと接していた面は、平滑性が保たれている。
本実施の形態で得られたスタンパは、例えば、Blu−ray(登録商標)Disc(BD)規格のROMディスクに適した深さ65nmの微細パターンを備えており、Blu−ray(登録商標)Disc(BD)規格に準じたROMディスク用のスタンパとして利用することができる。
このスタンパを鋳型として、射出成形によって光ディスク用基板を製造することができるほか、2層の光ディスクで利用され、2P法と一般的に呼ばれる、鋳型に樹脂を押し付けて、パターンを転写するパターン形成方法にも利用することが可能である。
また、PMMA樹脂等を用いたインプリント方法によっても、微細パターンを転写することが可能である。
この後、上記で得られた光ディスク用基板をもとに、例えば、従来の光ディスク媒体の製造工程により、光ディスク媒体を製造することが可能である。
以上のように、本発明により、従来から金属配線等の微細パターンを形成する方法として利用されているリフトオフ法を、光ディスク用の原盤に微細パターンを形成する方法としての新規リフトオフ法を提供することが可能である。さらに、この新規リフトオフ法により、電鋳工程を必要としない光ディスク用スタンパの製造方法を提供することが可能である。
本発明によれば、光吸収層上に該光吸収層よりも融点の低い第1パターン形成層を形成することにより、光ビームを照射したとき、光吸収層と第1パターン形成層との界面で熱分解が生じる。これによりリフトオフ法に適した逆テーパー形状のホールパターンを形成することができる。このため、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用基板並びに光ディスク媒体の製造分野に利用することができるだけでなく、さらには、各種光学デバイスに関る分野に広く応用が可能である。
図1(a)〜(d)は、本発明の実施形態を示すものであり、微細パターンの形成方法を示す断面図である。 図2は、図1に示す微細パターンを形成するための微細パターン形成装置を示す構成図である。 図3(a)〜(c)は、図1に示す微細パターンの形成方法で形成されたパターンのAFM像を示す図である。 図4(a)〜(f)は、本発明における微細パターンの形成方法の他の実施の形態を示す断面図である。 図5(a)〜(e)は、従来の微細パターンの形成方法で形成されたパターンを示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 光吸収層
3 第1パターン形成層
6 ホールパターン
7a 第2パターン形成層
7b 微細パターン(第2パターン形成層)
10 積層体
11 積層体
12 微細パターン
30 レーザ照射装置
32 レーザ光源
33a、33b 反射ミラー
33c 立ち下げミラー
34 光変調器
35 ビームエキスパンダ
36 ヘッド
37 スピンドル
38 光ビーム
39 集光レンズ

Claims (8)

  1. 光吸収層上に、該光吸収層の融点よりも熱分解温度が低い材料からなる第1パターン形成層が形成された積層体に対し、光ビームを照射することにより、上記第1パターン形成層を貫通して光吸収層を露出させたパターンを形成する工程と、
    上記光ビーム照射後の上記積層体上に、第2パターン形成層を堆積させる工程と、
    上記第1パターン形成層を溶解させることにより、上記第1パターン形成層上に堆積した上記第2パターン形成層を除去し、上記光吸収層上に堆積した上記第2パターン形成層を残留させる工程とを含むことを特徴とする微細パターンの形成方法。
  2. 上記光吸収層上に残留した上記第2パターン形成層をマスクとして、エッチングを施す工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の微細パターンの形成方法。
  3. 上記エッチングを施す工程において、上記第1パターン形成層が単位時間あたりにエッチングされる深さより、上記光吸収層が単位時間あたりにエッチングされる深さの方が深いことを特徴とする請求項2に記載の微細パターンの形成方法。
  4. 上記第1パターン形成層が樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細パターンの形成方法。
  5. 上記第1パターン形成層がポリヒドロキシスチレン樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細パターンの形成方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の微細パターンの形成方法により製造されたことを特徴とする光ディスク用スタンパ。
  7. 請求項6に記載の光ディスク用スタンパから転写形成されることを特徴とする光ディスク用基板。
  8. 請求項7に記載の光ディスク用基板から製造されたことを特徴とする光ディスク媒体。
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