JP2004110882A - 情報記録媒体用スタンパ及び基板の製造方法並びに情報記録媒体 - Google Patents

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Toshinori Sugiyama
杉山 寿紀
Zen Kon
近 禅
Terufumi Yoshioka
吉岡 照文
Minoru Ichijo
一條 稔
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Abstract

【課題】面荒れの少ない情報記録媒体用スタンパ及び基板の製造方法並びに情報記録媒体を提供することである。
【解決手段】マスタースタンパ27を真空装置30内で酸化処理して、マスタースタンパ27の表面に剥離層31を形成する。さらに、剥離層31の凹凸パターンが形成されている表面に導電膜32を形成する。その導電膜32を陰極として、導電膜32上に電鋳によりマザースタンパ33を形成する。次いで、マザースタンパ33をマスタースタンパ27から剥離する。作製されたマザースタンパ33を用いて、射出成形により基板34を作製すると本発明の情報記録媒体用基板が得られる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報記録媒体用スタンパ及び基板の製造方法並びに情報記録媒体に関し、より詳細には、マスタースタンパを用いてマザースタンパを製造する方法及び該マザースタンパを用いて情報記録媒体用基板を製造する方法、並びに該情報記録媒体用基板を用いて製造された情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報化社会の到来により、大量のディジタルデータを高密度に記録でき、且つ高速なランダムアクセス性を備えた情報記録媒体に対する要求が高まっている。そのような要求に応える情報記録媒体として、相変化記録膜あるいは光磁気記録膜等を用いたRAM記録媒体や、予め基板上に設けられた凹凸パターン上に反射膜を施したROM記録媒体が開発されている。
【0003】
上記のような情報記録媒体で、アドレス情報などを含むヘッダー情報やトラッキング用のピット及び溝などは、予め微細な凹凸パターンで基板上に形成されている。このような微細な凹凸パターンを基板上に形成するための従来の方法には、まず、フォトリソグラフィにより表面に所定の凹凸パターンが形成されたガラス原盤を用いてマスタースタンパを作製する。次いで、マスタースタンパを用いてマザースタンパを作製する。さらに、マザースタンパ表面に形成された所定の凹凸パターンを基板表面に転写すると、ガラス原盤上に凹凸パターンを形成する際に露光した領域に対応する部分が凸形状となる基板が作製される(例えば、特許文献1参照。)。この従来の情報記録媒体用スタンパ及び基板の製造方法は、青色レーザーなどの短波長レーザーと高NA(開口数)の対物レンズを用いて記録再生を行うための情報記録媒体の製造方法としてよく用いられる。以下に、従来の情報記録媒体用スタンパ及び基板の製造方法の詳細を説明する。
【0004】
まず、ポジ型フォトレジストをガラス原盤上に塗布して、露光及び現像処理を行いガラス原盤上に所定の凹凸パターンを形成する。次いで、凹凸パターン上に導電膜を形成した後、導電膜上に金属メッキによりマスタースタンパを形成する。マスタースタンパをガラス原盤から剥離すると、所定の凹凸パターンが表面に形成されたマスタースタンパが得られる。この際、導電膜もマスタースタンパとともにガラス原盤から剥離される。
【0005】
次に、上記プロセスで作製されたマスタースタンパを用いてマザースタンパ及び基板を作製する方法を、図1を用いて説明する。まず、図1(a)に示すように、凹凸パターン側の表面に導電膜12が形成されたマスタースタンパ10を重クロム酸溶液11などに浸漬してマスタースタンパ10の表面を酸化処理すると、図1(b)に示すように、マスタースタンパ10の表面に剥離層として酸化膜13が形成される。ただし、この酸化膜13は導電性を有する。次いで、図1(c)に示すように、マスタースタンパ10の凹凸パターンが形成されている側の表面に酸化膜13を介して金属メッキを施し、マザースタンパ14を形成する。そして、図1(d)に示すように、マザースタンパ14をマスタースタンパ10から剥離する。図1(a)〜(d)の工程を奇数回繰り返してマザースタンパ14を完成させる。図1(a)〜(d)の工程を奇数回繰り返すことにより、ガラス原盤上に凹凸パターンを形成する際に露光した領域に対応する部分が凹形状となるマザースタンパが作製される。最後に、2P(Photo Polymerization)法などの基板成形技術を用いてマザースタンパ14の表面に形成された凹凸パターンを基板に転写すると、図1(e)に示すように、マザースタンパ14表面の凹凸パターンが反転して、ガラス原盤上に凹凸パターンを形成する際に露光した領域に対応する部分が凸形状となる凹凸パターンが表面に形成された情報記録媒体用基板15が得られる。
【0006】
また、上述の情報記録媒体用スタンパ及び基板の製造方法以外の従来の製造方法として、マスタースタンパ上に剥離層を形成する際、マスタースタンパ表面を酸素プラズマアッシングにより酸化処理して剥離層を形成する方法がある(例えば、特許文献2参照。)。さらに、UV硬化性樹脂で作製されたマスタースタンパの凹凸パターンが形成されている側の表面に導電化膜を形成して、その導電化膜を電極として電鋳によりマザースタンパを形成する方法もある(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−106047号公報(第5−7頁、第3−10図)
【特許文献2】
特開平6−111384号公報(第2−4頁、第1図)
【特許文献3】
特開平8−96426号公報(第4−5頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者らは、図1に示した従来の情報記録媒体用スタンパ及び基板の製造方法を用いて、トラックピッチ320nmでウォブル形状の凸部(ランド)を有する情報記録媒体用基板を製造した。その結果、トラックピッチ320nmのウォブル形状の凸部を有する基板を製造することはできたが、基板表面に数nm程度の大きさの突起が多数発生し、いわゆる面荒れが基板表面に生じた。この突起により、基板表面の面粗さRaは0.8nm以上になった。この面荒れの一例を図5に示した。従来のマザースタンパの製造方法を用いると、図5に示すように、マザースタンパ表面には数nm程度の大きさの多数の凹陥が発生する。このようなマザースタンパを用いて射出成形などにより基板を作製すると、凹陥の反転した形状がそのまま基板表面に転写されるので、基板表面に多数の突起が形成されて面荒れが生じる。
【0009】
本発明の目的は上記従来技術の問題を解決するものであって、マスタースタンパを用いてマザースタンパを作製する際に、マザースタンパの凹凸パターンが形成されている側の表面に面荒れが生じないスタンパの製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に従えば、情報記録媒体用スタンパの製造方法であって、表面に所定の凹凸パターンを有するマスタースタンパを作製する工程と、前記マスタースタンパの凹凸パターン側の表面に剥離層を形成する工程と、前記剥離層上に導電層を形成する工程と、前記導電層上に電鋳によりマザースタンパを形成する工程と、前記マザースタンパを前記マスタースタンパから剥離する工程とを含む情報記録媒体用スタンパの製造方法が提供される。
【0011】
本発明の情報記録媒体用スタンパの製造方法では、所定の凹凸パターンが表面に形成されたマスタースタンパを作製した後、マスタースタンパの凹凸パターンが形成された側の表面に剥離層を形成して、さらに剥離層上に導電膜を形成する。次いで、導電膜上に電鋳によりマザースタンパを形成する。電鋳終了後、マザースタンパをマスタースタンパから剥離すると、本発明の製造方法で製造された情報記録媒体用スタンパが得られる。
【0012】
本発明者らは、上記従来技術の製造方法で生じた面荒れの問題の原因を検討したところ、以下の事柄が明らかになった。図5に示すような多数の凹陥がマザースタンパの表面に発生した原因として、2つの原因が考えられる。第1の原因は、マスタースタンパの表面に剥離層として酸化膜を形成する際に、重クロム酸溶液内でマスタースタンパの表面を酸化処理したことにより、マスタースタンパ表面が面荒れしたためであると考えられる。第2の原因は、マスタースタンパ上に形成された酸化膜の結晶性がマスタースタンパ表面内で不均一であるため、この酸化膜を介して電鋳によりマザースタンパをマスタースタンパ上に形成する際に、マスタースタンパ表面内における酸化膜の導電性が不均一になり、電鋳開始直後、マスタースタンパ上に形成されるマザースタンパの膜厚がマスタースタンパ表面内で不均一になったためであると考えられる。
【0013】
また、突起が基板表面に多数存在する情報記録媒体用基板を用いて作製された情報記録媒体を、青色レーザーなどの短波長レーザーを用いて記録再生を行うと、その記録再生性能が劣化することが分かった。これは波長が短くなったことで、基板表面の突起による段差の影響が大きくなり、反射光の信号対雑音比(以下、S/Nという)が劣化したためであると考えられる。また、波長が短くなると波長と比例関係にあるスポットサイズも小さくなるので、スポットサイズに対する突起の面積比率が大きくなり、反射光のS/Nが劣化して記録再生性能に悪影響を及ぼしたものと考えられる。本発明者らは、上記のような分析結果に基づいて本発明を完成するに至った。
【0014】
本発明の情報記録媒体用スタンパの製造方法では、マスタースタンパの凹凸パターン側の表面に形成された剥離層上に、さらに導電膜を形成して、この導電膜を電極として電鋳を行う。この際、マスタースタンパ表面内の導電性が不均一である剥離層を介して電鋳する必要が無くなり、マスタースタンパ表面内の導電性をより均一な状態で電鋳することができる。これにより、電鋳開始直後のマスタースタンパ表面に形成されるマザースタンパの膜厚をマスタースタンパ表面内で均一にすることができ、マザースタンパ表面の面荒れを防ぐことができる。即ち、剥離層上に形成された導電膜を電極として電鋳を行うことにより、上記で説明した面荒れの第2の原因を排除することができる。こうして本発明の製造方法で製造された面荒れの非常に少ないマザースタンパを用いて、射出成形法などによりマザースタンパ表面の所定の凹凸パターンを基板に転写して情報記録媒体用基板を作製すると、面荒れの非常に少ない情報記録媒体用基板が得られる。
【0015】
本発明の情報記録媒体用スタンパの製造方法では、マスタースタンパ上に剥離層を形成する方法に、酸素ガスを用いた酸化処理、フッ化ガスを用いたフッ化処理及び窒素ガスを用いた窒化処理のいずれかの処理あるいはそれらの複合処理により形成するのが好ましい。また、マスタースタンパ表面にプラズマCVDなどを用いて炭素を混入させて剥離層を形成しても良い。これらのマスタースタンパの表面処理方法を用いることにより、マスタースタンパ表面の面荒れを少なくすることができる。即ち、これらの剥離層の製造プロセスを用いることにより、上記で説明した面荒れの第1の原因を排除することが可能になり、より面荒れの少ない情報記録媒体用スタンパ及び基板を製造することができる。
【0016】
また、本発明の情報記録媒体用スタンパの製造方法では、マスタースタンパを作製する方法として、原盤上にフォトレジストを塗布する工程と、前記フォトレジストに所定の凹凸パターンに相当するマスクパターンを形成する工程と、前記フォトレジストのマスクパターンを介して前記原盤表面をエッチングして、原盤上に所定の凹凸パターンを形成する工程と、前記原盤上に残存したフォトレジストを除去する工程と、前記原盤表面に形成された前記凹凸パターン上に導電膜を形成する工程と、前記導電膜上に電鋳によりマスタースタンパを形成する工程と、前記原盤から前記マスタースタンパを剥離する工程とを含む製造方法であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の情報記録媒体用スタンパ及び基板の製造方法について実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0018】
【実施例】
実施例の光ディスク用スタンパ及び基板の製造方法を図2及び3を用いて説明する。最初に、マスタースタンパの製造方法を図2を用いて説明する。まず、図2(a)に示すように、石英のガラス原盤20上に、ポジ型フォトレジストであるノボラックI線フォトレジスト21を80nmの厚さで塗布する。次いで、波長257nmのレーザー光源及び開口数0.9の対物レンズを有する原盤露光装置22を用いて、図2(b)に示すように、所望の凹凸パターンに従いフォトレジストを露光した。この際、図2(b)中の領域23が露光した領域であり、トラックピッチ320nm、ウォブル振幅5nm及びウォブル周期10μmのウォブル形状の溝パターンを露光した。露光後、現像処理を行うと、図2(c)に示すように、露光されていない領域のフォトレジスト24がガラス原盤20上に残り、ガラス原盤20上にはフォトレジスト24により、フォトレジスト24開口部の底部の溝幅が170nm、溝深さが70nm及びトラックピッチが320nmであるマスクパターンが形成された。
【0019】
次に、ガラス原盤20をリアクティブイオンエッチング装置(不図示)に装着し、図2(d)に示すように、ガラス原盤20上に残存したフォトレジスト24をマスクとして、ガラス原盤20の表面をCガスでリアクティブイオンエッチングした。エッチング後、ガラス原盤20上のフォトレジストを除去すると、図2(e)に示すように、所定の凹凸パターンが表面に形成されたガラス原盤20が得られた。この際、図2(b)の露光プロセスで露光された領域23に対応する部分が溝25となり、溝25の半値幅が190nm、溝25の深さが25nm及びトラックピッチが320nmの凹凸パターンを有するガラス原盤20が得られた。
【0020】
次に、図2(f)に示すように、ガラス原盤20の凹凸パターンが形成されている側の表面に、無電解メッキによりニッケルリンを50nm程度の膜厚で堆積させて導電膜26を形成した。ただし、導電膜26の形成方法として、無電解メッキ以外にスパッタ法あるいは蒸着法を用いても良い。次いで,図2(g)に示すように、導電膜26上に、電鋳によりニッケルを290μm堆積させてマスタースタンパ27を形成した。そして、マスタースタンパ27をガラス原盤20から剥離すると、図2(h)に示すように、表面に所定の凹凸パターンが形成されたマスタースタンパ27が得られた。この際、導電膜26もマスタースタンパ27とともにガラス原盤20から剥離される。
【0021】
次に、上記プロセスで作製されたマスタースタンパを用いてマザースタンパ及び基板を製造する方法を、図3を用いて説明する。まず、図3(a)に示すように、マスタースタンパ27を真空装置30内に装着する。真空装置30内で、RFパワー500W、酸素分圧40Paの条件下で、酸素プラズマによりマスタースタンパ27の表面を酸化処理した。この酸化処理によりマスタースタンパ27の表面に酸化膜が形成され、図3(b)に示すように、剥離層31が形成された。
【0022】
剥離層31を形成した後、図3(c)に示すように、剥離層31の凹凸パターンが形成されている側の表面に、スパッタによりニッケルを膜厚50nm堆積させて、マザースタンパ表面の導電性を均一にするための導電膜32を形成した。ただし、導電膜32は、スパッタ法以外に蒸着法あるいは無電解メッキ法を用いて形成しても良い。次に、導電膜32が表面に形成されたマスタースタンパ27を電鋳装置(不図示)に装着して、導電膜32を陰極として電鋳を行い、図3(d)に示すように、導電膜32上に、マザースタンパ33を形成した。この際、マザースタンパ43の厚さは290μmとした。
【0023】
電鋳終了後、マザースタンパ33をマスタースタンパ27から剥離すると、図3(e)に示すように、表面に所定の凹凸パターンが形成されたマザースタンパ33が得られた。この際、導電膜32もマザースタンパ33とともにマスタースタンパ27から剥離される。次いで、マザースタンパ33の凹凸パターンが形成されていない側の面を研磨してマザースタンパ33を完成させた。ここで、完成したマザースタンパ33の表面にはトラックピッチ320nm、溝34の半値幅190nm及び溝34の深さ25nmの凹凸パターンが形成された。また、図3(e)に示すように、図2(b)の露光プロセスで露光した領域23に対応する部分がマザースタンパ33の表面に形成された溝34になる。
【0024】
上記プロセスで作製されたマザースタンパ33の表面に形成された凹凸パターンを射出成形法により基板に転写すると、図3(f)に示すように、マザースタンパ33の凹凸パターンが反転した凹凸パターンが表面に形成された光ディスク用基板35が得られた。ここで、図3(f)に示すように、図2(b)の露光プロセスで露光した領域23に対応する部分が基板35の表面に形成された溝間の凸部36になる。
【0025】
【比較例】
この例では図1に示した従来の光ディスク用マザースタンパ及び基板の製造方法を用いて、光ディスク用マザースタンパ及び基板を作製した。ここでは、実施例で作製したマザースタンパとこの例で作製したマザースタンパの表面状態を比較した。
【0026】
最初に、DI社製AFMナノスコープIIIで測定したマザースタンパの断面図を比較した。実施例で作製したマザースタンパ33の断面図を図4に示し、この例で作製したマザースタンパの断面図を図5に示した。図5に示すように、この例で作製されたマザースタンパの表面には数nm程度の凹陥が多数見られた。一方、実施例で作製したマザースタンパの表面は、この例で作製したマザースタンパの表面状態と比較して、図4に示すように、凹陥の大きさが小さくなるとともに凹陥の数も減少した。また、この例で作製した光ディスク基板の基板表面の面粗さを測定したところ、面粗さRaは、0.8nm以上であったが、実施例で作製した光ディスク基板の基板表面の面粗さRaは、0.8nmより小さくなった。従って、本発明の製造方法を用いることにより、面荒れの少ない光ディスク基板を作製することができた。
【0027】
次に、実施例で作製したマザースタンパ及びこの例で作製したマザースタンパの凹凸パターンが形成されている側の表面のX線回折パターンによる解析を行い、それらの結果を比較した。その結果を図6及び7に示す。図6が実施例で作製したマザースタンパ表面のX線回折パターンであり、図7が比較例で作製したマザースタンパ表面のX線回折パターンである。なお、X線回折パターンによる解析に用いたX線の波長は0.15nm、光束の径は1mmであった。これらの結果から、実施例で作製したマザースタンパの表面の方が、この例で作製したマザースタンパの表面より結晶構造が緻密であり、面荒れが減少していることが分かった。
【0028】
上記実施例では、図3(b)に示した剥離層の形成方法として、酸素ガスによる酸化処理を用いたが、本発明はこれに限定されない。酸素ガスの代わりに窒素ガスを用いた窒素処理でも良いし、また、分圧20Pa程度のCフロロカーボンガスを用いたフッ化処理により剥離層を形成しても良い。また、フロロカーボンガスには、CFあるいはCHFを用いても良い。さらに、剥離層の形成方法として、プラズマCVDなどを用いてマスタースタンパ表面に炭素を混入して高分子膜を形成しても良いし、その他ニッケルとの密着性が低い任意の堆積物を用いても良い。ただし、マスタースタンパ上に電鋳によりマザースタンパを形成する際に水溶液中に浸漬されるので、剥離層は非水溶液膜であることが望ましい。
【0029】
上記実施例では、マスタースタンパ上に電鋳によりマザースタンパを形成する際、剥離層上に形成された導電膜を陰極として電鋳を行ったが、本発明はこれに限定されない。剥離層が導電性を有する膜である場合には、マスタースタンパを電鋳時の陰極として用いても良い。ただし、プラズマCVDなどで形成した高分子膜を剥離層として用いた場合には、剥離層の導電性が悪いので、実施例と同様に、導電膜を陰極とする必要がある。
【0030】
上記実施例では、マザースタンパ表面の凹凸パターンを基板に転写する方法に射出成形法を用いたが、本発明はこれに限定されず、圧縮成形法、射出圧縮成形法、あるいは2P法などを用いても良い。
【0031】
【発明の効果】
本発明の情報記録媒体用スタンパ及び基板の製造方法に従えば、マスタースタンパを用いてマザースタンパを製造する工程で、酸素ガスによる酸化処理で剥離層がマスタースタンパ上に形成されるので、マスタースタンパの面荒れが防止される。さらに、剥離層上に導電膜を形成することにより、マスタースタンパ上にマザースタンパを電鋳により形成する際にマスタースタンパ表面内の導電性を均一にすることができる。これにより、電鋳開始直後のマスタースタンパ表面に形成されるマザースタンパの膜厚がマスタースタンパ表面内で均一になり、マザースタンパ表面の面荒れを防ぐことができる。これらの理由により、本発明の情報記録媒体用スタンパ及び基板の製造方法によれば、非常に面荒れの少ない情報記録媒体用スタンパ及び基板を製造することができる。
【0032】
また、本発明の情報記録媒体用スタンパ及び基板の製造方法に従えば、従来技術のようにマスタースタンパからマザースタンパを製造する工程を奇数回繰り返すことなく、1回のマスタースタンパからマザースタンパを製造する工程で、面荒れの少ない情報記録媒体用スタンパ及び基板を製造することができるので、製造プロセスが容易になり量産性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マスタースタンパを用いてマザースタンパ及び基板を製造する従来の製造方法のフローチャートである。
【図2】実施例のマスタースタンパを作製する方法のフローチャートである。
【図3】実施例のマザースタンパ及び基板を製造する方法のフローチャートである。
【図4】実施例で作製されたマザースタンパの断面図である。
【図5】比較例で作製されたマザースタンパの断面図である。
【図6】実施例で作製されたマザースタンパ表面のX線回折パターンの解析結果である。
【図7】比較例で作製されたマザースタンパ表面のX線回折パターンの解析結果である。
【符号の説明】
10,27 マスタースタンパ
12,26,32 導電膜
13,31 剥離層
14,33 マザースタンパ
15,35 基板
20 ガラス原盤

Claims (8)

  1. 情報記録媒体用スタンパの製造方法であって、
    表面に所定の凹凸パターンを有するマスタースタンパを作製する工程と、
    前記マスタースタンパの凹凸パターン側の表面に剥離層を形成する工程と、
    前記剥離層上に導電層を形成する工程と、
    前記導電層上に電鋳によりマザースタンパを形成する工程と、
    前記マザースタンパを前記マスタースタンパから剥離する工程とを含む情報記録媒体用スタンパの製造方法。
  2. 前記剥離層が、酸素ガスを用いた酸化処理、フッ化ガスを用いたフッ化処理及び窒素ガスを用いた窒化処理からなる群から選ばれる少なくとも一つの処理方法で形成されることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体用スタンパの製造方法。
  3. 前記剥離層が、前記マスタースタンパの表面に炭素を混入することにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体用スタンパの製造方法。
  4. 前記マスタースタンパから前記マザースタンパを剥離する工程で、前記導電層が前記マザースタンパと共に前記マスタースタンパから剥離されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報記録媒体用スタンパの製造方法。
  5. 前記マスタースタンパを作製する工程が、
    原盤上にフォトレジストを塗布する工程と、
    前記フォトレジストに所定の凹凸パターンに相当するマスクパターンを形成する工程と、
    前記フォトレジストのマスクパターンを介して前記原盤表面をエッチングして、原盤上に所定の凹凸パターンを形成する工程と、
    前記原盤上に残存したフォトレジストを除去する工程と、
    前記原盤表面に形成された前記凹凸パターン上に導電膜を形成する工程と、
    前記導電膜上に電鋳によりマスタースタンパを形成する工程と、
    前記原盤から前記マスタースタンパを剥離する工程とを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報記録媒体用スタンパの製造方法。
  6. 前記原盤から前記マスタースタンパを剥離する工程で、前記導電膜が前記マスタースタンパと共に前記原盤から剥離されることを特徴とする請求項5に記載の情報記録媒体用スタンパの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報記録媒体用スタンパの製造方法で製造されたマザースタンパを用いて、該マザースタンパ表面に形成された凹凸パターンを基板に転写することにより情報記録媒体用基板を製造する情報記録媒体用基板の製造方法。
  8. 請求項7に記載の情報記録媒体用基板の製造方法で製造された情報記録媒体用基板を用いて製造した情報記録媒体。
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