JP2007304631A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高発光効率なプラズマディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】 少なくともアドレス期間と発光表示のためのサステイン期間を含む駆動をうプラズマディスプレイ装置に対して、前記サステイン期間内にパルス印加期間と隙間期間を有し、前記隙間期間の直前のパルス印加期間において前記サステイン電極対の相対的に正の電圧が印加されている電極の電圧をVspとし、他方の電極の電圧をVsnとし、前記隙間期間においてVsp−Vsnが有意に負の値を有し、前記隙間期間に放電発光を有することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、プラズマディスプレイパネル(Plasma DisplayPanel:以下、PDPと称する)を用いたプラズマディスプレイ装置及びその駆動方法に関するものである。本願発明は、特に、紫外線発生効率を向上させ発光効率を向上させる際に有効である。
最近、大型薄型カラー表示装置として、いわゆるac面放電型PDPを用いたプラズマディスプレイ装置が量産段階に入った。略称であるac面放電型PDPとは、ac電圧駆動で面放電型のPDPを意味する。
図21はこれまでに知られた3電極構造のac面放電型PDPの例を示す斜視図である。図21に示すac面放電型PDPでは、2枚のガラス基板、即ち、前面基板21および背面基板28が対向配置され、それらの間隙が放電空間33となる。放電空間33には、放電ガスが通常数百Torr以上の圧力で封入されている。放電ガスとしては、He、Ne、Xe、或いはAr等の混合ガスを用いるのが一般的である。
表示面としての前面基板21の下面には、主に表示発光のためのサステイン放電(維持放電とも呼ぶ)を行なうサステイン電極対(維持放電電極対とも呼ぶ)が形成されている。このサステイン電極対はX電極、Y電極と称される。通常、X電極及びY電極は、透明電極と透明電極の導電性を補う不透明電極から構成される。即ち、X電極34は、X透明電極22−1、22−2・・・と、不透明なXバス電極24−1、24−2・・・とから構成され、Y電極35は、Y透明電極23−1、23−2・・・と、不透明なYバス電極25−1、25−2・・・とから構成される。又、X電極を共通電極、Y電極を独立電極とする場合が多い。通常、X、Y電極の放電間隙Ldgは放電開始電圧が高くならないように狭く、隣接間隙Lngは隣接放電セルとの誤放電を防止するように広く設計される。
これらサステイン電極は、前面誘電体26によって被覆され、この誘電体26の表面には酸化マグネシウム(MgO)等の保護膜27が形成される。MgOは耐スパッタ性、二次電子放出係数が高いため、前面誘電体26を保護し、放電開始電圧を低下させる。
一方、背面基板28の上面には、サステイン電極(X電極、Y電極)と直交方向に、アドレス放電(書き込み放電とも呼ぶ)のためのアドレス電極(書き込み電極、アドレス放電電極、A電極とも呼ぶ)29が設けられている。このA電極29は背面誘電体30によって被覆される。この背面誘電体30の上には隔壁31がA電極29の間の位置に設けられている。更に、隔壁31の壁面と背面誘電体30の上面によって形成される凹領域内には蛍光体32が塗布されている。この構成において、サステイン電極対とA電極との交差部が1つの放電セルに対応している。そして、放電セルは二次元状に配列されている。カラー表示の場合には、赤、緑、青色の各蛍光体が塗布された3種の放電セルを一組として1画素を構成する。
図21中の矢印D1の方向から見た放電セル1個分の断面図を図22に、図21中の矢印D2の方向から見た放電セル1個分の断面図を図23に示す。尚、図23において、セルの境界は概略点線で示す位置である。図23中、符号3は電子、4は正イオン、5は正の壁電荷、6は負の壁電荷を示す。
次に、この例のPDPの動作について説明する。
PDPの発光の原理は、X、Y電極間に印加するパルス電圧によって放電を起こして、励起された放電ガスから発生する紫外線を蛍光体によって可視光に変換するというものである。
図24はPDP装置の基本構成を示すブロック図である。上記PDP(プラズマディスプレイパネル、又はパネルとも呼ぶ)100は、プラズマディスプレイ装置102に組み込まれる。駆動回路101は、画像源103から表示画面の信号を受取り、駆動電圧に変換してPDP100の各電極に供給する。この駆動電圧の具体的な例を図25に示す。
図25の(a)は、図21に示したPDPに1枚の画を表示するのに要する1TVフィールド期間の駆動電圧のタイムチャートを示す図である。図25の(b)は、図25の(a)のアドレス期間(アドレス放電期間、書き込み放電期間とも呼ぶ)50においてA電極29、X電極34およびY電極35に印加される電圧波形を示す図である。図25の(c)は、図25の(a)のサステイン期間(サステイン放電期間、維持放電期間、発光表示期間とも呼ぶ)51の間に、サステイン電極であるX電極とY電極の間に一斉に印加されるサステインパルス電圧(サステイン電極パルス駆動電圧、維持放電電圧とも呼ぶ)とアドレス電極に印加される電圧を示す図である。
1TVフィールド期間40は複数の異なる発光回数を持つサブフィールド41〜48に分割されている。この状態を、図25の(a)中の(I)に示す。
そして、各サブフィールド毎の発光と非発光の選択により階調を表現する。例えば、2進法に基づく輝度の重みをもった8個のサブフィールドを設けた場合、3原色表示用放電セルはそれぞれ28(=256)階調の輝度表示が得られ、約1678万色の色表示ができる。
各サブフィールドは、図25の(II)に示すように、次の3つの期間を有する。第1は放電セルを初期状態に戻すリセット期間(リセット放電期間とも呼ぶ)49、第2は発光する放電セルを選択するアドレス期間(アドレス放電期間、書き込み放電期間とも呼ぶ)50、そして、第3はサステイン期間(サステイン放電期間、維持放電期間、発光表示期間とも呼ぶ)51である。
図25の(b)は、図25の(a)のアドレス期間50においてA電極29、X電極34、およびY電極35に印加される電圧波形を示す図である。波形52はアドレス期間50に於ける1本のA電極29に印加する電圧波形、波形53はX電極34に印加する電圧波形、54、55はそれぞれY電極35のi番目と(i+1)番目に印加する電圧波形である。これに対する、それぞれの電圧はV0、V1、V21およびV22(V)である。
図25の(b)に示すように、Y電極35のi行目にスキャンパルス56が印加された時、電圧V0のA電極29との交点に位置するセルではY電極とA電極の間、次いでY電極とX電極の間にアドレス放電が起こる。グランド電位のA電極29との交点に位置するセルではアドレス放電は起こらない。Y電極の(i+1)行目にスキャンパルス57が印加された場合も同様である。
アドレス放電が起こった放電セルでは、図23に示すように、放電で生じた電荷(壁電荷)がX、Y電極を覆う誘電体膜26および保護膜27の表面に形成され、X電極とY電極との間に壁電圧Vw(V)が発生する。前述したように、図23中、符号3は電子、4は正イオン、5は正壁電荷、6は負壁電荷を示す。この壁電荷の有無が、次に続くサステイン期間51でのサステイン放電の有無を決める。
図25の(c)は、図25の(a)のサステイン期間51の間に、サステイン電極であるX電極とY電極の間に一斉に印加されるサステインパルス電圧を示す図である。X電極には電圧波形58のサステインパルス電圧が、Y電極には電圧波形59のサステインパルス電圧が印加される。いずれも、電圧値はV3(V)である。A電極29には、電圧波形60の駆動電圧が印加され、サステイン期間内は一定電圧(V4)に保持される。尚、この電圧V4は、グランド電位の場合もある。V3の電圧のサステインパルス電圧が交互に印加されることにより、X電極とY電極との間の相対電圧は反転を繰り返す。このV3の電圧値は、アドレス放電による壁電圧の有無でサステイン放電の有無が決まるように設定される。
アドレス放電が起こった放電セルの1番目の電圧パルスにおいて、放電が起り逆極性の壁電荷がある程度蓄積するまで放電は続く。この放電の結果、蓄積された壁電圧は2番目の反転した電圧パルスを支援する方向に働き、再び放電が起こる。3番目のパルス以降も同様である。このように、アドレス放電を起こした放電セルのX電極とY電極の間には、印加電圧パルス数分の維持放電が起こり発光する。逆に、アドレス放電を起こさなかった放電セルでは発光しない。以上が、通例のPDP装置の基本構成及びその駆動方法である。
また、発光効率を向上させる駆動方法に関する主な技術として、下記のごときものを挙げることが出来る。
(1)特開平11−65514号(特許文献1)。これは、一回のサステイン放電を発生させる印加電圧波形が、低電圧の印加を先行させた後に、維持放電を発生させるに十分な高電圧、かつ長時間の電圧を印加するものである。しかし、前記低電圧の印加は、放電発光を発生させない範囲に限定された非放電パルスであり、プライミング効果のみを利用するものであった。
(2)特開2001−13919号(特許文献2)。これは、X電極にインダクタンス成分を介して第一の電圧源を接続し、第1の電圧源より高い波高値のプライミングパルスを印加するスイッチと、プライミングパルス印加後、前記波高値より低い第2の電圧を印加するスイッチとを有する維持放電パルス発生回路を有するというものである。しかし、前記インダクタンス成分によるパルスもプライミング効果のみを利用するものであった。
以上の従来例の特徴は、サステイン電極に2段階の電圧印加が行なわれているが発光を伴う放電は2段回目のパルス印加時に発生する一回だけである。即ち、少なくとも2段階のサステインパルスの1段階めのパルスにおいて、サステイン電極間の発光を伴う放電を利用し、また、インダクタンス成分を前記1段階目の発光を伴う放電を起させるために利用したものはなかった。
特開平11−65514号公報 特開2001−13919号公報
現在、PDPをテレビ(TV)として普及するための最重要課題の一つが発光効率の向上である。本発明は、プラズマディスプレイパネルを用いたプラズマディスプレイ装置において、駆動法の工夫によりサステイン放電の発光効率を向上させる技術を提供することにある。
先ず、本発明の駆動原理を裏付ける発光効率向上の基本メカニズムを説明する。高効率化の基本的な物理原理は、弱電場(低放電空間電圧)の放電においては電子温度が低くなるため、紫外線発生効率が高くなることである。紫外線発生効率が高くなれば発光効率も当然高くなる。従って、技術の基本は放電時における放電空間電圧を低くすることである。ここで、放電空間電圧とはX電極の誘電体表面電位とY電極の誘電体表面電位との差の絶対値であり、放電空間に実際に印加されている電圧である。即ち、放電空間電圧はサステイン電極間に印加されている電圧と、X、Y電極の誘電体に形成されている壁電圧の和である。尚、前述の放電空間電圧と紫外線発生の関係自体は、例えば論文J. Appl. Phys. 88、pp.5605(2000)によって知られている。本発明の基本的考え方は、次の通りである。
(1)隙間期間に行なう前置放電とその後に引き続いて行なう本放電の少なくとも2段階でサステイン放電(以下2段階サステイン放電という)を行なうこと。
(2)上記2段階サステイン放電をサステイン電圧波形の特性により実現すること。
ここで、サステイン電極に所望の外部電圧が印加されている期間を、パルス印加期間と呼び、それ以外のサステイン期間を隙間期間と呼ぶ。従って、上記前置放電での放電空間電圧は主に(その前の放電で形成された)壁電圧であり、低放電空間電圧での高発光効率放電が実現する。更に、前置放電に続く本放電では、前置放電により壁電圧が低下しており、従来例に比べて低放電空間電圧での高発光効率な本放電が実現する。本放電が低放電空間電圧で発生するのは、前置放電で発生した空間電荷がプライミング効果を発揮するからである。
本願発明では、上記の低放電空間電圧での前置放電を発生させるために、隙間期間においてサステイン電極間に適切な外部電圧を印加する。適切な外部電圧とは、安定な上記2段放電を実現し、且つ高発光効率を実現する(低放電空間電圧を実現する)電圧のことである。
更に、本願発明には、上記隙間期間における適切な外部電圧を実現するために、サステイン電極に接続されたインダクタンスを利用する形態も含むものである。尚、以下の説明のために、サステインパルス電圧の立下がりと立上がりを次のように定義する。即ち、隙間期間の開始時においてサステインパルス電圧が変化することを立下がりと呼び、隙間期間の終了時においてサステインパルス電圧が変化することを立上がりと呼ぶ。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を説明すれば、下記の通りである。
本願発明の骨子は次のようなプラズマディスプレイ装置である。
(1)少なくともサステイン電極対を有する複数の放電セルを少なくとも構成要素とするプラズマディスプレイパネルを備え、少なくともアドレス期間と発光表示のためのサステイン期間を含む駆動を行い、前記サステイン期間内に、前記複数の放電セルの前記サステイン電極対の少なくとも一方に、サステインパルス電圧が印加されるプラズマディスプレイ装置に対して、前記サステイン期間において、少なくとも前置放電とそれに引き続き発生する本放電を有し、前記サステインパルスは少なくとも前記前置放電のための電圧レベルと前記本放電のための電圧レベルを有することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
(2)少なくともサステイン電極対を有する複数の放電セルを少なくとも構成要素とするプラズマディスプレイパネルを備え、少なくともアドレス期間と発光表示のためのサステイン期間を含む駆動を行い、前記サステイン期間内に、前記複数の放電セルの前記サステイン電極対の少なくとも一方に、サステインパルス電圧が印加されるプラズマディスプレイ装置に対して、前記サステイン期間内にパルス印加期間と隙間期間を有し、前記隙間期間の直前のパルス印加期間において前記サステイン電極対の相対的に正の電圧が印加されている電極の電圧をVspとし、他方の電極の電圧をVsnとし、前記隙間期間においてVsp−Vsnが有意に負の値を有し、前記隙間期間に放電発光を有することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
(3)パルス印加期間と隙間期間から成るサステインパルスの半周期の期間での前記Vsp−Vsnの最大値と最小値との差(Vsp−Vsnの振幅と呼ぶ)が、前記サステイン電極対間の放電開始電圧以上となることを特徴とする前項(1)又は前項(2)のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
(4)少なくとも前記前置放電の発光強度より前記本放電の発光強度の方が大きいことを特徴とする前項(1)又は前項(2)のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
(5)前記前置放電のための電圧レベルが前記インダクタンス素子の付設によることを特徴とする前項(1)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(6)前記隙間期間においてVsp−Vsnが有意に負の値をとるようにための手段がインダクタンス素子を有することを特徴とする前項(2)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(7)パルス立上り時にインダクタンス素子を介しない形態が有用である。
即ち、本例は、前記サステインパルスの立上り時に前記インダクタンス素子には電流が流れない構成としたことを特徴とする前項(5)又は前項(6)に記載のプラズマディスプレイ装置である。
(8)前記隙間期間において、サステインパルス電圧の立下りを有した方のサステイン電極1と異なるサステイン電極2に、直前のパルス印加期間の前記サステイン電極1と同符号の電圧が印加されることを特徴とする前項(2)に記載のプラズマディスプレイ装置である。
(9)前記サステイン期間内で、前記サステイン電極対に印加される前記サステインパルス電圧は、少なくとも0VレベルとVsレベルを有するパルスであり、互いに位相が半周期ずれることを特徴とする前項(1)又は前項(2)に記載のプラズマディスプレイ装置。
(10)前記サステイン期間内で、前記サステイン電極対に印加される前記サステインパルス電圧は、少なくとも−Vsレベルと+Vsレベルを有するパルスであり、互いに位相が半周期ずれることを特徴とする前項(1)又は前項(2)に記載のプラズマディスプレイ装置。
本願発明は、プラズマディスプレイパネルの発光効率を向上させる駆動方法を提供する。更に、本願発明の別な形態では、より高発光効率のプラズマディスプレイ装置を提供することが出来る。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1のプラズマディスプレイ装置のPDPの電圧波形(図1(a))とXe828nm発光(励起Xe原子からの828nm波長の発光のことで、以下この略称を用いる)波形(図1の(b))を示す図である。図1の(a)、(b)の各図面の横軸の時間軸は、揃えて示されている。図2は本発明の実施の形態1のプラズマディスプレイ装置のPDPの基本構成図である。図3は、本発明の実施の形態1のプラズマディスプレイ装置のサステインパルス発生回路の例を示す図、図4はその動作波形である。また、図5は前記サステインパルス発生回路の等価回路である。更に、図26は従来のプラズマディスプレイ装置のPDPの電圧波形(図26の(a))とXe828nm発光波形(図26の(b))を示す図である。図26を本例との比較の為に参酌する。先ず、本例のプラズマディスプレイ装置の基本構成は次の通りである。即ち、図2に示すように、本実施の形態1は、従来例の図21と同様の構造の放電セルを有するパネル201と、パネル内の電極群と外部回路の接続部となるX電極端子部202、Y電極端子部203、及びA電極端子部204と、これらを駆動するX駆動回路205、Y駆動回路206、及びA駆動回路207とこれらの駆動回路205、206、207に表示画面の画像信号を与える画像源103、及び、これ等の各駆動回路205、206、207と画像源103に電力を投入する電源回路208を有している。X駆動回路205は、リセット・アドレス期間X駆動回路209、サステイン期間X駆動回路210と、これらを適当なタイミングで切り替えるスイッチ211と、スイッチを制御するXスイッチ駆動回路212を有している。また、Y電源駆動部206は、リセット・アドレス期間Y駆動回路213、サステイン期間Y駆動回路214と、これらを適当なタイミングで切り替えるスイッチ215と、スイッチを制御するYスイッチ駆動回路216を有している。
本実施のプラズマディスプレイ装置の駆動方法について、図25、図1、及び図2を用いて説明する。PDPの1TVフィールド期間の駆動方法の基本は図25に示したものと同様である。即ち、各サブフィールドは、図25の(a)の(II)に示すように、放電セルを初期状態に戻すリセット期間49、発光する放電セルを選択するアドレス期間50、選択した放電セルを表示発光させるサステイン期間51からなる。
放電期間は、少なくともアドレス期間と発光表示の為にサステイン放電を発生させるサステイン期間を有する。アドレス期間においては、まず、図2の画像源103からの信号に基づいて、X、Yスイッチ駆動回路212、216によってスイッチ211、215が、リセット・アドレス期間X駆動回路209、リセット・アドレス期間Y駆動回路213に繋がる。次に、画像源103の信号に従ってA駆動回路103と前記リセット・アドレス期間X、Y駆動回路209、213により、発光させるべき所望の放電セルにアドレス放電を発生、前記所望の放電セルのX、Y電極間に、壁電圧Vw(V)を発生させる。これにより、サステイン期間に発光する放電セルとしない放電セルが選択される。サステイン期間内に、X電極34とY電極35間に、この壁電圧があるときだけ放電する程度の電圧をX電極とY電極間に印加することにより、所望の放電セルだけが放電発光する。サステイン期間51には、スイッチ211、215がサステイン期間X、Y駆動回路210、214側に繋がる。図1の(a)に、サステイン期間51にX電極とY電極に一斉に印加されるサステインパルスの電圧波形、及びA電極29に印加される一定電圧V4のアドレス電圧波形を示す。ここで、Vx、VyはX、Y電極に印加するサステインパルス電圧、Vx−Vyはこれらの電圧の差分、すなわちX−Y電極間電圧である。このサステイン期間での、Xe828nm発光波形を図1の(b)に示す。本放電401の前に前置放電402を有する複数ピークの発光波形となっている。本発明の実施形態1のプラズマディスプレイ装置と、従来のそれとの相違点は以下の通りである。
従来技術では、図25の(c)に示すように、サステイン期間内にX、Y電極34、35には、ピーク電圧V3の矩形状電圧波形58、59のサステインパルス電圧が印加される。若しくは、パルスの立上り、立下りを考慮すると、図26(a)に示すようなサステインパルス電圧が印加される。このとき、パルス印加期間のVx−Vyの絶対値の最大値と、隙間期間の中で前記パルス印加期間とは異符号か、又は有意に0Vの期間でのVx−Vyの絶対値の最大値との和は、サステインパルス電圧のピーク値V3程度である。別の表現では、パルス印加期間と隙間期間から成るサステインパルスの半周期の期間でのVx−Vyの最大値と最小値との差(Vx−Vyの振幅と呼ぶ)は、サステインパルス電圧のピーク値V3程度である。このとき、通常は、図26の(b)に示すような単一ピークの発光波形(例えばXe828nm発光波形)となる。
これに対して、本発明の実施の形態1では、サステイン期間内にX、Y電極34、35には、図1の(a)に示すサステインパルス電圧が印加される。このとき、従来技術とは異なり、パルス印加期間のVx−Vyの絶対値の最大値と、隙間期間の中で前記パルス印加期間とは異符号か、又は有意に0Vの期間でのVx−Vyの絶対値の最大値との和はV3+V5となり、有意にサステインパルス電圧のピーク値V3以上となる。別の表現では、パルス印加期間と隙間期間から成るサステインパルスの半周期の期間でのVx−Vyの最大値と最小値との差(Vx−Vyの振幅と呼ぶ)は、サステインパルス電圧のピーク値V3以上となる。このとき、前述したように、図1の(b)に示すような本放電401の前に前置放電402を有する複数ピークの発光波形(例えばXe828nm発光波形)となる。ここで、前記V5は前置放電402が発生し、且つ本放電も発生するように設定される。まず、前置放電が発生するための条件は、パルス印加期間のVx−Vyの絶対値の最大値と、隙間期間の中で前記パルス印加期間とは異符号か、又は有意に0Vの期間でのVx−Vyの絶対値の最大値との和はV3+V5となり、このV3+V5がサステイン電極対間の放電開始電圧以上となることである。別の表現では、パルス印加期間と隙間期間から成るサステインパルスの半周期の期間でのVx−Vyの振幅は、サステイン電極対間の放電開始電圧以上となることである。次に、前置放電402が発生し、且つ本放電も発生するためには、少なくとも前置放電402の発光強度より本放電401の発光強度の方が大きいことが必要である。次に、サステインパルス発生回路の具体的回路を例示する。図3は実施の形態1のサステインパルス発生回路である。この回路は、図2で示した基本構成図のサステイン期間におけるX、Y電極の駆動に関する具体的回路である。即ち、図3は、図2のパネル201、サステイン期間X、Y駆動回路210、214、画像源103、電源回路208から成る基本構成の具体的回路例である。パネル201はサステイン電極のX−Y電極間の容量Cpで表される。X駆動回路は、電圧源Vsに接続されたP型トランジスタPx2、グランドに接続されたN型トランジスタNx1、Nx3、インダクタンスL、ダイオードDx1、Dx2、Dx3を有して構成される。Y駆動回路も同様に、電圧源Vsに接続されたP型トランジスタPy2、グランドに接続されたN型トランジスタNy1、Ny3、インダクタンスL、ダイオードDy1、Dy2、Dy3を有して構成される。図4は実施の形態1のサステインパルス発生回路の動作波形図である。VxはX電極の電圧波形、VyはY電極の電圧波形、Vx−VyはX−Y電極間電圧波形(電圧の差分波形)である。Sx1〜Sx3、Sy1〜Sy3は制御信号波形である。各符号は、図3の各端子での電圧波形を示している。図4に従って、図3の動作を説明する。時刻t1でSx2がLレベルとなり、トランジスタPx2が導通してダイオードDx2を介して電圧源Vsに接続されるので、VxはCpと配線の抵抗等で決まる時定数で電圧源Vsの設定電圧V3になる。このときSy3はHレベルとなり、トランジスタNy3が導通してグランドに接続されるので、Vyはグランド電位となる。時刻t2ではSx1がHレベルとなり、トランジスタNx1が導通してインダクタンスLを介してグランドに接続される。このとき、Sy3もHレベルとなり、トランジスタNy3が導通してグランドに接続される。したがって、Rを配線等の抵抗として図5のLCR直列回路が形成される。この場合、X電極の電圧Vx(t)は次式の減衰振動の式で表される。
Figure 2007304631
Figure 2007304631
従って、この振幅、及び周期はLで調節して、図1の(a)のようなサステインパルス電圧波形を得ることが出来る。時刻t3、t4における動作は、時刻t1、t2における動作でXとYを逆にしたものに等しいので説明を省略する。
また、X、Y、A電極の電圧、電流波形測定系を図6に示す。電圧波形は、X電極端子部202、Y電極端子部203、A電極端子部204から各駆動回路205、206、207間の配線露出部をオシロスコープにより測定した。又、電流波形は、各電極から駆動回路間の配線に電流プローブを接続してオシロスコープにより測定した。各電流の測定方向は、電流がパネル201外部から各電極に流れ込む時に正となるように設定した。
アドレス期間50にある所定の放電セル群を選択した状態W(白表示)と、前記所定の放電セル群以外は状態Wと同じで前記所定の放電セル群を非選択にした状態B(黒表示)での、サステイン電極対1、2とA電極の電圧波形を、それぞれ、Vs1W(t)、Vs2W(t)、VsaW(t)、およびVs1B(t)、Vs2B(t)、VsaB(t)とする。各電流波形をそれぞれ、js1W(t)、js2W(t)、及びjs1B(t)、js2B(t)、jsaB(t)とする。ここで、サステイン電極1は隙間期間の直後にサステイン電極対で相対的に正電位になる電極(今の場合Y電極)であり、他方のX電極がサステイン電極2である。
まず、本願発明による駆動法と従来駆動法による放電電力、輝度、効率を比較した。放電電力Wは1周期についての下記積分
Figure 2007304631
により算出した。
輝度Bは輝度計により測定、WとBから発光効率η∝B/Wを算出した。
従来の駆動法では、サステイン電圧V3=180V、サステイン期間でのアドレス電極電圧V4=90Vで駆動した。
一方、本発明による駆動法ではV3=180V、V5=60V、サステイン期間でのアドレス電極電圧V4=90Vで駆動した。この時、各放電発光特性値の比(本発明による駆動法での値/従来駆動法での値)は、次の通りである。すなわち、放電電力比は0.86、輝度比は1.12、そして効率比は1.30である。このように、従来法と比較して、本願発明は約3割の発光効率向上を確認した。
次に、本願発明による放電と発光効率向上のメカニズムを、図7から図10に示す誘電体表面電位モデルを用いて説明する。高効率化の基本的原理は、前に述べたように、弱電場(低放電空間電圧)の放電においては電子温度が低くなるため、紫外線発生効率が大きくなることである。
図7が従来駆動法の駆動電圧波形、および図8の(A)、(B)、(C)が、図7の時刻a、b、cでの各誘電体表面電位モデル図である。サステイン電極X、Yの電圧Vs=Vsx=Vsy=180V、A電極電圧Va=90Vとする。時刻aではX電極電圧パルスによる放電が終了しており、放電空間に電場が存在しなくなるまで放電したとする。この時、X、Y、A電極の誘電体表面電位はすべて90Vである。この時、X、Y、A電極と誘電体表面間には図に示す壁電圧が発生している。時刻bの隙間期間には、X電極電圧が0Vになるので、X電極の誘電体表面電位は壁電圧分の−90Vである。時刻cにはY電極電圧が180Vになるので、Y電極の誘電体表面には270Vの電位が発生する。この時、X、Y電極誘電体表面間電位差が360Vとなるので、放電開始電圧(約230V)以上となり面放電が発生する。また、X、A電極の誘電体表面間の電位差は、180Vであり、放電開始電圧(約210V)以下なので放電は発生しない。尚、図8において、符号33は放電空間、401はサステインY電極、402はサステインX電極、403、404は誘電体層である。
一方、図9が本実施の形態1の駆動電圧波形、および図10が図9の時刻a、b1、b2、cでの各表面誘電体電位モデル図である。
時刻aでは前記従来駆動法と同様に、X、Y、A電極の誘電体表面電位はすべて90Vである(図10の(A))。この時、X、Y、A電極と誘電体表面間には図に示す壁電圧が発生している。隙間期間の時刻b1ではX電極電圧が0Vになるので、X電極の誘電体表面電位は壁電圧分の−90Vである(図10の(B1))。隙間期間の時刻b2ではX電極電圧が−V5=−60Vとなるので、X電極の誘電体表面電位は−150Vとなる(図10の(B2))。この時、X、Y電極の誘電体表面間電位差が放電開始電圧(約230V)以上の240Vとなり、X、A電極の誘電体表面間電位差が放電開始電圧(約210V)以上の240Vとなるので、X−Y−A電極間の3者放電となる前置放電が発生する(P)。その後、この前置放電によるX、Y、A電極誘電体表面の壁電圧の低下、およびX電極の電圧変化により放電は一旦弱まる。時刻cでは前置放電の結果、各電極壁電圧が図10の(C)のように低下している。尚、図10は図8と同一部位は同一符号で示している。
一方、Y電極には180Vの電圧が印加されるので、Y電極の誘電体表面電位が255Vとなる。又、X電極の誘電体表面電位は-50Vである。この結果、X、Y電極の誘電体表面間の電位差は305Vとなり、放電開始電圧(約230V)以上となる。従って、X−Y電極の誘電体表面間に本放電(面放電)が発生する(M)。このとき、A電極の壁電圧が−25Vになっているので、A電極誘電体表面の電位は65Vであり、X電極との間に放電は発生しない。又、このとき実際には、前置放電Pのプライミング効果のため、Y電極の電圧が最大となる時刻cとなる以前に本放電が開始されるので、より低放電空間電圧で放電することになる。前置放電P、本放電Mの両放電とも、従来駆動法の場合に比べて低放電空間電圧下で発生する。従って、より低放電空間電圧での放電の方が紫外線発生効率がよいので、当該PDPの発光効率が向上する。
以上のように、前置放電によりサステイン電極対間の面放電が発生して一旦弱まり、更に、本放電が前置放電のプライミング効果を利用して発生する。各放電とも従来駆動法に比べて低放電空間電圧で発生するため、紫外線発生効率が高くなる。又、X、Y電極の誘電体表面への入射イオンのエネルギーが従来駆動法に比べて低くなるので、保護膜、すなわち、MgOの寿命は長くなる。
又、前置放電ではA電極も放電に関与するが、A電極には電子が入射するので蛍光体へのイオン衝撃はなく、蛍光体寿命への悪影響はほとんどない。
以上のように、本発明による駆動法によれば、従来法に比べて発光効率が向上し、かつ寿命特性劣化等の少ない駆動が可能となる。
更に、従来法と大きくは異ならない駆動法で駆動することが可能であることも利点である。
又、前置放電が強すぎると、本放電が発生しなくなるので、前置放電は本放電を阻害しない程度の適当な強さに抑えなければならない。図11はこのような場合の本発明の実施の形態の他のサステインパルス波形例である。この隙間期間に減衰振動のほぼ1周期を含む波形は図3と同じ回路を用い、Lとして図1の場合より小さい値を選ぶことにより得られる。図11の時刻tb2では図9の時刻b2と同じように前置放電が発生する。しかし、前置放電開始後Vxがすぐ正のV6まで上昇するので、前置放電が強くなり過ぎる前に抑制する。このため、次に続く本放電を阻害せずサステイン放電を持続できる。このような波形に調節することにより、動作マージンの広い最適な前置放電にすることが出来る。なお、ここでは隙間期間に減衰振動のほぼ1周期を含む波形を用いたが、場合に応じて適当な周期と強度を選択すればよい。
[実施の形態2]
図12は、本発明の実施の形態2のプラズマディスプレイ装置のPDPのサステインパルス発生回路の例である。X駆動回路は、電圧源Vsに接続されたP型トランジスタPx2、グランドに接続されたN型トランジスタNx1、インダクタンスL、ダイオードDx1、Dx2を有する。Y駆動回路も同様に、電圧源Vsに接続されたP型トランジスタPy2、グランドに接続されたN型トランジスタNy1、インダクタンスL、ダイオードDy1、Dy2を有する。図13は実施の形態2のサステインパルス発生回路の動作波形である。Sx1、Sx2、Sy1、Sy2は制御信号波形である。図13に従って、図12の回路の動作を説明する。
時刻t1でSx2がLレベルとなり、トランジスタPx2が導通してダイオードDx2を介して電圧源Vsに接続される。このとき、Sy1はHレベルとなり、トランジスタNy1が導通してインダクタンスLを介してグランドに接続される。従って、Rを配線等の抵抗として図5のLCR直列回路が形成され、Vx−Vyに減衰振動が発生する。時刻t2ではSx1がHレベルとなり、トランジスタNx1が導通してインダクタンスLを介してグランドに接続される。このとき、Sy1もHレベルとなり、トランジスタNy1が導通してインダクタンスLを介してグランドに接続される。したがって、Rを配線等の抵抗としてLCR直列回路が形成され、Vx,Vy、Vx−Vyは、図13に示すような減衰振動波形となる。時刻t3、t4における動作は、時刻t1、t2における動作でXとYを逆にしたものに等しいので説明を省略する。
この場合も隙間期間に実施の形態1と同じように、Vx−Vyがオーバーシュート波形になるので、適当にインダクタンス値を選ぶことにより、前置放電、本放電が発生し、PDPの発光効率を向上させることができる。
以上のように、本実施の形態では、従来技術にインダクタンスLを挿入するだけなので低コストで容易に回路が製作でき、PDPの発光効率を向上させることができる。
[実施の形態3]
図14は、本発明の実施の形態3のプラズマディスプレイ装置のPDPのサステインパルス発生回路の例である。本実施の形態3以降は、インダクタンスLを用いない例である。X駆動回路は、電圧源Vsoに接続されたN型トランジスタNx1、電圧源Vsに接続されたP型トランジスタPx2、グランドに接続されたN型トランジスタNx3、ダイオードDx1〜Dx3を有して構成される。Y駆動回路も同様に、電圧源Vsoに接続されたN型トランジスタNy1、電圧源Vsに接続されたP型トランジスタPy2、グランドに接続されたN型トランジスタNy3、ダイオードDy1〜Dy3を有して構成される。図15は実施の形態3のサステインパルス発生回路の動作波形である。Sx1〜Sx3、Sy1〜Sy3は制御信号波形である。図15に従って図14の回路の動作を説明する。時刻t1でN型トランジスタNy1が導通してダイオードDy1を介して電圧源Vsoに接続され、Vyは電圧−V5に維持される。このときN型トランジスタNx3が導通してグランドに接続される。時刻t2ではトランジスタNy1が不通となり、トランジスタNy3が導通してグランドに接続されるので、Vyは0Vとなる。時刻t3ではトランジスタNx2とNy3が導通して、VxはV3に、Vyはグランドになる。以下同様で図15をみれば明らかなので説明を省略する。
図16は本発明の実施の形態3の他のサステインパルス電圧波形である。これはVx−Vyの波形において、+−V5レベルの電圧が+−Vsレベルの電圧に直接移行するようにしたものである。
これらの場合も隙間期間に実施の形態1と同じようにVx−Vyがオーバーシュート波形になるので、前置放電、本放電が発生し、PDPの発光効率を向上させることができる。本実施の形態では、インダクタンスLを用いるよりも自由に制御性よくサステインパルス波形を形成することが出来る。
[実施の形態4]
図17は本発明の実施の形態4のプラズマディスプレイ装置のPDPのサステインパルス電圧波形の例である。実施の形態3の図15の波形との違いは、X,Y電極に印加されるV5の電圧が正であることである。Vx−Vyの波形は図15と同じである。
図27の誘電体表面電位モデル図を用いて放電、および発光効率向上メカニズムを説明する。図27は図10と同様に、図17の各時刻a、b1、b2、cでの誘電体表面電位の状態を示している。実施の形態1と同様にV3=180V、V5=60V、A電極電圧を90V一定とする。時刻a、b1までは実施の形態1の図10と同じである(図27の(A)、(B1))。隙間期間の時刻b2ではY電極電圧がV5=60Vとなるので、Y電極の誘電体表面電位は150Vとなる。この時、X、Y電極の誘電体表面間電位差が放電開始電圧(約230V)以上の240Vとなるので、X−Y電極間の面放電となる前置放電が発生する(P)(図27の(B2))。図10の例とは異なり、X、A電極の誘電体表面間電位差は放電開始電圧(約210V)以下の180Vであるので、X−A電極間の対向放電は発生しない。その後、この前置放電によるX、Y、A電極誘電体表面の壁電圧の低下、およびX電極の電圧変化により放電は一旦弱まる。時刻cでは前置放電の結果、各電極壁電圧が図27の(C)のように低下している。
一方、Y電極には180Vの電圧が印加されるので、Y電極の誘電体表面電位が230Vとなる。又、X電極の誘電体表面電位は-50Vである。この結果、X、Y電極の誘電体表面間の電位差は280Vとなり、放電開始電圧(約230V)以上となる。したがって、X−Y電極の誘電体表面間に本放電(面放電)が発生する(M)。前置放電P、本放電Mの両放電とも、従来駆動法の場合に比べて低放電空間電圧下で発生する。したがって、より低放電空間電圧での放電の方が紫外線発生効率がよいので、当該PDPの発光効率が向上する。
又、図18、図19は、いずれも本実施の形態の他のサステインパルス電圧波形の例である。これらの波形の場合も図17の波形の場合と同様な発光効率向上の効果がある。
本実施形態4では前置放電にサステイン電極とA電極間の対向放電をほとんど含まないので、蛍光体寿命への悪影響がない。
[実施の形態5]
図20は本発明の実施の形態5のプラズマディスプレイ装置のPDPのサステインパルス電圧波形である。VxとVyが上下対称になっているが、Vx−Vyの波形は実施の形態4の図17と同じである。この場合も同様な発光効率向上の効果がある。
図28は本発明の実施の形態5のプラズマディスプレイ装置のPDPのサステインパルス電圧波形の変形例である。この場合も同様な発光効率向上の効果がある。又、図20で必要であったV5の電源が不要になる利点もある。
また、前述した各実施の形態の諸組み合わせで、可能なもの全てが本願発明として実施可能であることは云うまでもない。
以上、前記諸実施の形態に基づき具体的に説明したが、本願発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
図1は、本願発明の実施の形態1のプラズマディスプレイ装置のPDPの電圧波形とXe828nm発光波形を示す図である。 図2は本発明の実施の形態1のプラズマディスプレイ装置のPDPの基本構成図である。 図3は、本発明の実施の形態1のプラズマディスプレイ装置のサステインパルス発生回路を示す図である。 図4は本発明の実施の形態1のプラズマディスプレイ装置のサステインパルス発生回路の動作波形である。 図5は前記サステインパルス発生回路の等価回路である。 図6は、本願発明の実施の形態4のプラズマディスプレイ装置の一例の概略構成を示すブロック図である。 図7は従来駆動法の駆動電圧波形である。 図8は、図7の時刻a、b、cでの各誘電体表面電位モデル図である。 図9は本実施の形態1の駆動電圧波形である。 図10は、図9の時刻a、b1、b2、cでの各表面誘電体電位モデル図である。 図11は本発明の実施の形態1の他のサステインパルス波形例である。 図12は、本発明の実施の形態2のプラズマディスプレイ装置のPDPのサステインパルス発生回路である。 図13は実施の形態2のサステインパルス発生回路の動作波形である。 図14は、本発明の実施の形態3のプラズマディスプレイ装置のPDPのサステインパルス発生回路である。 図15は実施の形態3のサステインパルス発生回路の動作波形である。 図16は本発明の実施の形態3の他のサステインパルス電圧波形である。 図17は本発明の実施の形態4のプラズマディスプレイ装置のPDPのサステインパルス電圧波形である。 図18は本実施の形態の他のサステインパルス電圧波形である。 図19は本実施の形態の他のサステインパルス電圧波形である。 図20は本発明の実施の形態5のプラズマディスプレイ装置のPDPのサステインパルス電圧波形である。 図21はこれまでに知られた3電極構造のac面放電型PDPの例を示す斜視図である。 図22は、図21中の矢印D1の方向から見たプラズマディスプレイパネルの断面図である。 図23は、図21中の矢印D2の方向から見たプラズマディスプレイパネルの断面図である。 図24は、従来のプラズマディスプレイ装置の基本構成を示すブロック図である。 図25は、プラズマディスプレイパネルに1枚の画を表示する1TVフィールド期間の駆動回路の動作を説明するための図である。 図26は従来のプラズマディスプレイ装置のPDPの電圧波形とXe828nm発光波形を示す図である。 図27は実施の形態4の誘電体表面電位モデル図である。 図28は本発明の実施の形態5のプラズメディスプレイ装置のPDPの他のサステインパルス電圧波形である。
符号の説明
3…電子、4…正イオン、5…正の壁電荷、6…負の壁電荷、21…前面基板、22…X透明電極、23…Y透明電極、24…Xバス電極、25…Yバス電極、26…前面誘電体、27…保護膜、28…背面基板、29…アドレス電極(書き込み電極、A電極とも呼ぶ)、30…背面誘電体、31…隔壁、32…蛍光体、33…放電空間、34…X電極、35…Y電極、40…TVフィールド、41〜48…サブフィールド、49…リセット放電期間、50…アドレス期間、51…サステイン期間、52…A電極29に印加する電圧波形、53…X電極34に印加する電圧波形、54…Y電極のi番目に印加する電圧波形、55…Y電極の(i+1)番目に印加する電圧波形、56…スキャンパルス、57…スキャンパルス、58…X電極電圧波形、59…Y電極電圧波形、60…A電極電圧波形、100、201…パネル(プラズマディスプレイパネル、PDPとも呼ぶ)、101…駆動回路、102…プラズマディスプレイ装置、103…画像源、202…Y電極端子部、203…X電極端子部、204…A電極端子部、205…Y駆動回路、206…X駆動回路、207…A駆動回路、208…電源回路、209…リセット・アドレス期間X駆動回路、210…サステイン期間X駆動回路、211…スイッチ、212…Xスイッチ駆動回路、213…リセット・アドレス期間Y駆動回路、214…サステイン期間Y駆動回路、215…スイッチ、216…Yスイッチ駆動回路、401…本放電、402…前置放電。

Claims (10)

  1. 少なくともサステイン電極対と、アドレス電極とを有する複数の放電セルを少なくとも具備するプラズマディスプレイパネルを有し、
    少なくともアドレス期間と発光表示のためのサステイン期間を含む駆動を行い、
    前記サステイン期間内に、前記複数の放電セルの前記サステイン電極対の少なくとも一方に、サステインパルス電圧が印加され、且つ
    前記サステイン期間において、少なくとも前置放電とそれに引き続き発生する本放電を有し、
    前記サステインパルスに少なくとも前記前置放電のための電圧レベルと前記本放電のための電圧レベルを有せしめることが可能なことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
  2. 少なくともサステイン電極対と、アドレス電極とを有する複数の放電セルを少なくとも具備するプラズマディスプレイパネルを有し、
    少なくともアドレス期間と発光表示のためのサステイン期間を含む駆動を行い、
    前記サステイン期間内に、前記複数の放電セルの前記サステイン電極対の少なくとも一方に、サステインパルス電圧が印加され、且つ
    前記サステイン期間内にパルス印加期間と隙間期間を有し、
    前記隙間期間の直前のパルス印加期間において、前記サステイン電極対の相対的に正の電圧が印加されている電極の電圧をVspとし、他方の電極の電圧をVsnとし、
    前記隙間期間においてVsp−Vsnが有意に負の値を有し、
    前記隙間期間に放電発光を有せしめることが可能なことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
  3. 前記パルス印加期間と前記隙間期間を有するサステインパルスの半周期の期間での、前記Vsp−Vsnの最大値と最小値との差(Vsp−Vsnの振幅と呼ぶ)が、前記サステイン電極対間の放電開始電圧以上となることを可能とすることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
  4. 前記前置放電の発光強度より前記本放電の発光強度の方が少なくとも大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
  5. 前記前置放電のための電圧レベルが前記インダクタンス素子の付設によりなされることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  6. 前記隙間期間においてVsp−Vsnが有意に負の値をとるようにための手段が、インダクタンス素子を有する手段であることを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置。
  7. インダクタンス素子を有するパルス発生回路において、前記サステインパルスの立ち上り時に、前記インダクタンス素子には電流が流れない構成としたことを特徴とする請求項5又は請求項6のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
  8. 前記隙間期間において、サステインパルス電圧の立下りを有した第1のサステイン電極と異なる、第2のサステイン電極に、直前のパルス印加期間の前記第1のサステイン電極と同符号の電圧が印加されることを可能としたことを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置。
  9. 前記サステイン期間内で、前記サステイン電極対に印加される前記サステインパルス電圧は、少なくとも0VレベルとVsレベルを有するパルスであり、互いに位相が半周期ずれることを可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
  10. 前記サステイン期間内で、前記サステイン電極対に印加される前記サステインパルス電圧は、少なくとも−Vsレベルと+Vsレベルを有するパルスであり、互いに位相が半周期ずれることことを可能としたを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
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