JP2007304375A - 位相差フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、均一に配列された液晶材料を含む位相差層を有する位相差フィルムを提供することを主目的とするものである。
【解決手段】本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、透明無機物質からなる遮蔽層と、上記遮蔽層上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を備える配向層と、上記配向層上に形成され、液晶材料を含む位相差層とを有することを特徴とする位相差フィルムを提供することにより上記課題を解決するものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、透明無機物質からなる遮蔽層と、上記遮蔽層上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を備える配向層と、上記配向層上に形成され、液晶材料を含む位相差層とを有することを特徴とする位相差フィルムを提供することにより上記課題を解決するものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶表示装置等に用いられる位相差フィルムに関するものであり、より詳しくは、均一に配列された液晶材料を含む位相差層を有する位相差フィルムに関するものである。
液晶表示装置は、その省電力、軽量、薄型等といった特徴を有することから、従来のCRTディスプレイに替わり、近年急速に普及している。一般的な液晶表示装置としては、図3に示すように、入射側の偏光板102Aと、出射側の偏光板102Bと、液晶セル104とを有するものを挙げることができる。偏光板102Aおよび102Bは、所定の振動方向の振動面を有する直線偏光(図中、矢印で模式的に図示)のみを選択的に透過させるように構成されたものであり、それぞれの振動方向が相互に直角の関係になるようにクロスニコル状態で対向して配置されている。また、液晶セル104は画素に対応する多数のセルを含むものであり、偏光板102Aと102Bとの間に配置されている。
液晶表示装置には特有の欠点として視野角特性の問題がある。視野角特性の問題とは、液晶表示装置を正面から見た場合と、斜め方向から見た場合とでコントラストや色味等が変化する問題である。このような問題は、液晶表示装置に用いられる液晶セルが複屈折性を示すことやクロスニコルに配置された2枚の偏光板を有することに起因するものである。
上記視野角特性の問題を改善するため、現在までに様々な技術が開発されている。そして、その代表的な方法の一つに所定の複屈折率を有する位相差フィルムを用いる方法がある。この位相差フィルムを用いる方法は、液晶表示装置における液晶セルと偏光板との間に所定の複屈折率を示す位相差フィルムを配置することによって視野角特性を改善する方法である。このような方法は、液晶セルの種類に応じて複屈折率の異なる位相差フィルムを用いることにより、様々の光学特性を有する液晶セルを用いた液晶表示装置の視野角依存性の問題を改善できる点において有用であり、現在種々の表示方式を採用した液晶表示装置において採用されるに至っている。
また、上記位相差フィルムとしては、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されているように、通常、基材と、上記基材上に形成された配向膜と、上記配向膜上に形成され、液晶材料を含有する位相差層とを有するものが広く用いられている。そして、このような位相差フィルムにおいては、上記位相差層において上記液晶材料が規則的に配列されていることにより、所望の複屈折率が発現されるようになっている。
ところで、上述したような液晶材料が用いられた位相差フィルムは、基材上に配向層および位相差層を形成する際に、上記基材に含有される添加剤が上記配向層または上記位相差層に移動し、これに起因して位相差層に含まれる液晶分子の配列が乱されてしまい、位相差フィルムに所望の複屈折率を付与することが困難であるという問題点が指摘されている。
このような問題点に対し特許文献3には、基材上に位相差層を形成する際に基材中に含まれる添加剤が上記配向層および上記位相差層に移動することを防止するため、上記基材と、上記配向層との間に樹脂材料から構成され、上記添加剤の移動を遮蔽する遮蔽層が形成された位相差フィルムが開示されている。このような位相差フィルムは上記遮蔽層によって上記添加剤の移動をある程度は低減することができる点において利点を有するものである。
しかしながら、近年の液晶表示装置の著しい技術の発展に伴って、位相差フィルムに求められる光学的特性も非常に厳しいものになっており、所望の複屈折率を示す位相差フィルムを得るには上記位相差層において液晶材料をより均一に配列させることが必要とされるところ、上記特許文献3に記載された遮蔽層では基材からの添加剤の移動を十分に防止することができず、結果として所望の複屈折率を備える位相差フィルムを得ることが困難であるという問題点があった。
このような問題点に対し特許文献3には、基材上に位相差層を形成する際に基材中に含まれる添加剤が上記配向層および上記位相差層に移動することを防止するため、上記基材と、上記配向層との間に樹脂材料から構成され、上記添加剤の移動を遮蔽する遮蔽層が形成された位相差フィルムが開示されている。このような位相差フィルムは上記遮蔽層によって上記添加剤の移動をある程度は低減することができる点において利点を有するものである。
しかしながら、近年の液晶表示装置の著しい技術の発展に伴って、位相差フィルムに求められる光学的特性も非常に厳しいものになっており、所望の複屈折率を示す位相差フィルムを得るには上記位相差層において液晶材料をより均一に配列させることが必要とされるところ、上記特許文献3に記載された遮蔽層では基材からの添加剤の移動を十分に防止することができず、結果として所望の複屈折率を備える位相差フィルムを得ることが困難であるという問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、均一に配列された液晶材料を含む位相差層を有する位相差フィルムを提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、透明無機物質からなる遮蔽層と、上記遮蔽層上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を備える配向層と、上記配向層上に形成され、液晶材料を含む位相差層とを有することを特徴とする位相差フィルムを提供する。
本発明によれば、上記遮蔽層が透明無機物質からなるものであることにより、上記基材上に、上記配向層および上記位相差層を形成する際に、上記基材中に含まれる添加剤が上記配向層および上記位相差層に移動することを著しく抑制することができるため、均一に配列した液晶材料を含む位相差層を形成することができる。
したがって、本発明によれば均一に配列された液晶材料を含む位相差層を有する位相差フィルムを得ることができる。
したがって、本発明によれば均一に配列された液晶材料を含む位相差層を有する位相差フィルムを得ることができる。
本発明においては、上記透明無機物質が酸化珪素を含有するものであることが好ましい。酸化珪素は透明性に優れ、かつ、位相差性を示さないことから、このような酸化珪素を含有する透明無機物質を用いることにより、本発明の位相差フィルムを液晶表示装置の視野角補償フィルムとして用いた場合に、液晶表示装置の表示品質が低下することを防止できるからである。また、酸化珪素は汎用性に富むことから、本発明に適用することが容易だからである。
また本発明においては、上記配向層が光配向材料を含有する光配向膜であることが好ましい。このような光配向膜を用いることにより液晶材料の配列方向を調整することが容易となるため、任意方向の遅相軸を有する位相差フィルムを得ることが容易になるからである。
さらに本発明においては、上記遮蔽層と上記配向層との間に、樹脂材料を含む応力緩和層が形成されていることが好ましい。このような応力緩和層が形成されていることにより、上記位相差層、上記配向層、或いは上記遮蔽層に外力が加わった際に、これらの層が損傷を受けることを防止できるため、本発明によって液晶材料の配列性に優れた位相差層を備える位相差フィルムを得ることが容易になるからである。
本発明は、均一に配列された液晶材料を含む位相差層を有する位相差フィルムを提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明の位相差フィルムについて詳細に説明する。
上述したように本発明の位相差フィルムは、透明基板と、上記透明基板上に形成され、透明無機物質からなる遮蔽層と、上記遮蔽層上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を備える配向層と、上記配向層上に形成され、液晶材料を含む位相差層とを有することを特徴とするものである。
このような本発明の位相差フィルムについて図を参照しながら説明する。図1は本発明の位相差フィルムの一例を示す概略図である。図1に例示するように本発明の位相差フィルム10は、透明基板上1に、透明無機物質からなる遮蔽層2と、液晶材料に対する配向規制力を備える配向層3と、液晶材料を含む位相差層4とがこの順で積層された構成を有するものである。
本発明によれば、上記遮蔽層が緻密性に優れた透明無機物質からなるものであることにより、上記基材上に、上記配向層および上記位相差層を形成する際に、上記基材中に含まれる添加剤が配向層および位相差層に移動することを著しく抑制することができるため、均一に配列した液晶材料を含む位相差層を形成することができる。
従来、基材上に、配向膜および液晶分子を含有する位相差層が形成された構成を有する位相差フィルムにおいては、上記配向膜および位相差層を形成する際に、上記基材に含まれる添加剤が上記配向膜または位相差層に移動し、これによって上記配向層の構成分子、または、上記位相差層中の液晶分子の配列が阻害されてしまうため、液晶分子が均一に配列した位相差層を形成することが困難であるという問題点があった。このような問題点に対し、上記基材と、上記配向層との間に樹脂材料から構成され、上記添加剤の移動を遮蔽する遮蔽層が形成する方法も開示されているが、このような遮蔽層では上記添加剤の移動を十分に防止することができなかった。
この点、本発明によれば上記遮蔽層として、緻密性に優れた透明無機物質を用いることにより低分子量の添加剤に対しても、その移動を防止することが可能になる結果、上記基材からの添加剤の移動を著しく防止することができる。このため、本発明によれば、均一に配列された液晶材料を含む位相差層を有する位相差フィルムを得ることができる。
この点、本発明によれば上記遮蔽層として、緻密性に優れた透明無機物質を用いることにより低分子量の添加剤に対しても、その移動を防止することが可能になる結果、上記基材からの添加剤の移動を著しく防止することができる。このため、本発明によれば、均一に配列された液晶材料を含む位相差層を有する位相差フィルムを得ることができる。
本発明の本発明の位相差フィルムは、透明基板、遮蔽層、配向層、および、位相差層を有するものであり、必要に応じて他の層を有しても良いものである。以下、このような本発明の位相差フィルムの各構成について詳細に説明する。
1.遮蔽層
まず、本発明に用いられる遮蔽層について説明する。本発明に用いられる遮蔽層は透明無機物質からなるものである。本発明はこのような遮蔽層を有することにより、後述する透明基板上に位相差層および配向層を形成する際に、上記透明基板に含まれる添加剤が上記位相差層および上記配向層に移動することを著しく防止できるのである。
以下、このような遮蔽層について説明する。
まず、本発明に用いられる遮蔽層について説明する。本発明に用いられる遮蔽層は透明無機物質からなるものである。本発明はこのような遮蔽層を有することにより、後述する透明基板上に位相差層および配向層を形成する際に、上記透明基板に含まれる添加剤が上記位相差層および上記配向層に移動することを著しく防止できるのである。
以下、このような遮蔽層について説明する。
本発明の位相差フィルムは液晶表示装置等に用いられるものであるため、本発明における遮蔽層に用いられる透明無機物質には透明性が求められるところ、このような透明性としては、本発明の位相差フィルムの可視光領域の透過率を所望の範囲内にすることができる範囲であれば特に限定されない。なかでも本発明に用いられる透明無機物質は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。透過率が上記範囲であることにより、例えば、本発明の位相差フィルムを液晶表示装置の視野角補償フィルムとして用いた場合に、液晶表示装置の表示輝度が低下すること等を防止することができるからである。
なお、本発明に用いられる透明無機物質の上記透過率は、透過率が既知の基材上に、透明無機物質からなる層を形成し、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)に従って当該基材および透明無機物質からなる層の積層体の透過率を測定した後、当該測定値から上記基材の透過率を差し引くことによって求めることができる。
なお、本発明に用いられる透明無機物質の上記透過率は、透過率が既知の基材上に、透明無機物質からなる層を形成し、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)に従って当該基材および透明無機物質からなる層の積層体の透過率を測定した後、当該測定値から上記基材の透過率を差し引くことによって求めることができる。
また、本発明に用いられる透明無機物質は位相差性を有さないことが好ましい。上記透明無機物質が位相差性を有すると、その程度によっては、たとえ本発明によって均一に配列した液晶材料を含有する位相差層を形成することができたとしても、本発明の位相差フィルムの複屈折率を所望の範囲内とすることが困難となる可能性があるからである。
本発明に用いられる透明無機物質の位相差性としては、本発明の位相差フィルムの使用態様に応じて、本発明の位相差フィルムの位相差性を損なわない範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも、本発明に用いられる透明無機物質は面内レターデーション(Re)(以下、単に「Re」と称する場合がある。)の絶対値が、0nm〜5nmの範囲内であることが好ましく、特に0nm〜2nmの範囲内であることが好ましい。
ここで、上記Reとは、上記透明無機物質からなる層の進相軸方向(屈折率が最も小さい方向)の屈折率Nx、および、遅相軸方向(屈折率が最も大きい方向)の屈折率Nyと、透明無機物質からなる層の厚みdとにより、Re=(Nx−Ny)×dの式で表される値であり、自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製、商品名:KOBRA−21ADH)により測定することができる。
また、本発明に用いられる透明無機物質のReは、Reが既知の基材上に、透明無機物質からなる層を形成し、上記の方法に従って当該基材および透明無機物質からなる層の積層体のReを測定した後、当該測定値から上記基材のReを差し引くことによって求めることができる。
ここで、上記Reとは、上記透明無機物質からなる層の進相軸方向(屈折率が最も小さい方向)の屈折率Nx、および、遅相軸方向(屈折率が最も大きい方向)の屈折率Nyと、透明無機物質からなる層の厚みdとにより、Re=(Nx−Ny)×dの式で表される値であり、自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製、商品名:KOBRA−21ADH)により測定することができる。
また、本発明に用いられる透明無機物質のReは、Reが既知の基材上に、透明無機物質からなる層を形成し、上記の方法に従って当該基材および透明無機物質からなる層の積層体のReを測定した後、当該測定値から上記基材のReを差し引くことによって求めることができる。
また、本発明に用いられる透明無機物質は、厚み方向レターデーション(Rth)(以下、単に「Rth」と称する場合がある。)の絶対値が、0nm〜5nmの範囲内であることが好ましく、特に0nm〜2nmの範囲内であることが好ましい。
ここで、Rthとは、透明無機物質からなる層の面内における進相軸方向(屈折率が最も小さい方向)の屈折率Nx、および、遅相軸方向(屈折率が最も大きい方向)の屈折率Nyと、厚み方向の屈折率Nzと、透明無機物質からなる層の厚みdとにより、Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×dの式で表される値である。
また、本発明に用いられる透明無機物質のRthは、上述したReと同様の方法により測定することができる。
ここで、Rthとは、透明無機物質からなる層の面内における進相軸方向(屈折率が最も小さい方向)の屈折率Nx、および、遅相軸方向(屈折率が最も大きい方向)の屈折率Nyと、厚み方向の屈折率Nzと、透明無機物質からなる層の厚みdとにより、Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×dの式で表される値である。
また、本発明に用いられる透明無機物質のRthは、上述したReと同様の方法により測定することができる。
このような透明無機物質としては、通常、金属酸化物および金属窒化物を主成分とした材料が用いられる。このような材料としては、例えば、酸化珪素、酸化珪素を主成分として含み、酸化アルミニウムなどの金属酸化物の1種以上を含む化合物、窒化珪素、窒化珪素を主成分として含み窒化アルミニウムなどの金属窒化物の1種以上を含む化合物、酸化珪素または上記酸化珪素を主成分として含む化合物と、窒化珪素または上記窒化珪素を主成分として含む化合物との混合物等を挙げることができる。
なかでも本発明においては、上記透明無機物質として酸化珪素、酸化珪素を主成分として含み、酸化アルミニウムなどの金属酸化物の1種以上を含む化合物を用いることが好ましい。酸化珪素は透明性に優れ、かつ、位相差性を示さないことから、このような酸化珪素を用いることにより、本発明の位相差フィルムを液晶表示装置に用いた場合に、液晶表示装置の表示品質が低下することを防止できるからである。また、酸化珪素は汎用性に富むことから、本発明に適用することが容易だからである。
さらに、上記酸化珪素は、珪素原子Siと酸素原子Oとからなり、通常SiOXと標記されるが、本発明に用いられる酸化珪素は、上記Xが1.3〜1.8の範囲内であることが好ましく、特に1.5であることが好ましい。上記Xがこのような範囲内である酸化珪素を用いることにより、本発明に用いられる遮蔽層の酸素ガスおよび水蒸気バリヤー性を向上することができるからである。
なかでも本発明においては、上記透明無機物質として酸化珪素、酸化珪素を主成分として含み、酸化アルミニウムなどの金属酸化物の1種以上を含む化合物を用いることが好ましい。酸化珪素は透明性に優れ、かつ、位相差性を示さないことから、このような酸化珪素を用いることにより、本発明の位相差フィルムを液晶表示装置に用いた場合に、液晶表示装置の表示品質が低下することを防止できるからである。また、酸化珪素は汎用性に富むことから、本発明に適用することが容易だからである。
さらに、上記酸化珪素は、珪素原子Siと酸素原子Oとからなり、通常SiOXと標記されるが、本発明に用いられる酸化珪素は、上記Xが1.3〜1.8の範囲内であることが好ましく、特に1.5であることが好ましい。上記Xがこのような範囲内である酸化珪素を用いることにより、本発明に用いられる遮蔽層の酸素ガスおよび水蒸気バリヤー性を向上することができるからである。
また、可撓性、耐衝撃性および有機物からなる透明基板との密着性に優れた遮蔽層として好ましい形態の一つとして、酸化珪素中に炭素原子Cをさらに含みSiOYCZと表記される組成の層を挙げることができる。本発明における遮蔽層としてこのような組成からなる層を用いる場合、上記Yは0.1〜1.95の範囲内であることが好ましく、上記Zは0.1〜2.0の範囲内であることが好ましい。上記Yが上記範囲より少ないと、可撓性、耐衝撃性、および、密着性の向上効果が十分に発揮できない場合があるからである。また上記Zが上記範囲よりも多いと、基板添加物の遮蔽効果が低下する場合があるからである。
このようなSiOYCZからなる層を形成する方法としては、例えば、化学気相成長法(CVD法)を挙げることができる。具体的には、透明基板上に有機珪素化合物からなる原料気体、酸素気体、および、アルゴン等の不活性気体との混合気体を供給し、当該混合気体を放電励起して低温プラズマ化する方法(低温プラズマ気相成長法)を挙げることができる。
このようなSiOYCZからなる層を形成する方法としては、例えば、化学気相成長法(CVD法)を挙げることができる。具体的には、透明基板上に有機珪素化合物からなる原料気体、酸素気体、および、アルゴン等の不活性気体との混合気体を供給し、当該混合気体を放電励起して低温プラズマ化する方法(低温プラズマ気相成長法)を挙げることができる。
本発明における遮蔽層は、単層からなるものであっても良く、または、複数の層が積層された構成を有するものであっても良い。複数の層が積層された態様としては、同種の透明無機物質からなる層が積層された態様であっても良く、または、異種の透明無機物質からなる層が積層された態様であっても良い。
本発明における遮蔽層の厚みは、上記透明無機物質に応じて、所望の遮蔽性を得ることができる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、5nm〜5000nmの範囲内であることが好ましく、特に50nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、さらには100nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。また、上記透明無機物質として酸化珪素を用いた場合は、10nm〜300nmの範囲内であることがより好ましい。厚みが上記範囲よりも薄いと所望の遮蔽性が得られない場合があり、また上記範囲よりも厚いと、遮蔽層形成時にクラック等が入る可能性があるからである。
なお、本発明における遮蔽層が複数の層が積層された構成を有する場合、上記厚みは、遮蔽層トータルの厚みを指すものとする。
なお、本発明における遮蔽層が複数の層が積層された構成を有する場合、上記厚みは、遮蔽層トータルの厚みを指すものとする。
2.配向層
次に、本発明に用いられる配向層について説明する。本発明に用いられる配向層は、後述する位相差層に含有される液晶材料を配向させる配向規制力を備えるものである。
次に、本発明に用いられる配向層について説明する。本発明に用いられる配向層は、後述する位相差層に含有される液晶材料を配向させる配向規制力を備えるものである。
本発明に用いられる配向膜としては、上記液晶材料に対する配向規制力を備えるものであれば特に限定されるものではない。このような配向膜としては、通常、高分子フィルムの表面をラビング処理することにより配向規制力を発現させたラビング膜、または、光配向法により配向規制力を発現する光配向材料を含有する光配向膜が用いられる。なかでも本発明においては、上記光配向膜を用いることが好ましい。光配向膜を用いることにより液晶材料の配列方向を調整することが容易となるため、任意方向の遅相軸を有する位相差フィルムを得ることが容易になるからである。また、上記ラビング膜は、配向規制力を発現させるためのラビング処理で発生する塵に起因して、例えば、本発明の位相差フィルムを液晶表示装置等に用いた場合に輝点欠陥が生じる可能性があるが、上記光配向膜は光を照射することにより非接触で配向規制力を発現することが可能であるためそのような問題が少ないからである。
ここで、上記「光配向法」とは、任意の偏光状態を有する光(偏光)を配向層に照射することにより配向層の配向規制力(異方性)を発現させる方法である。
ここで、上記「光配向法」とは、任意の偏光状態を有する光(偏光)を配向層に照射することにより配向層の配向規制力(異方性)を発現させる方法である。
本発明に用いられる光配向材料は、偏光を照射することにより分子形状のみを変化させて配向規制力を可逆的に変化させる光異性化材料と、偏光を照射することにより分子そのものを変化させる光反応材料とに大別することができる。本発明においては上記光異性化材料、および、光反応材料のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでも光反応材料を用いることがより好ましい。上述したように光反応材料は、偏光が照射されることによって分子が反応して配向規制力を発現するものであるため、不可逆的に配向規制力を発現することが可能になることから、配向規制力の経時安定性が優れるからである。
上記光反応材料は、偏光照射によって生じる反応の種類によってさらに分別することができる。具体的には、光二量化反応を生じることによって配向規制力を発現する光二量化型材料、光分解反応を生じることによって配向規制力を発現する光分解型材料、光結合反応を生じることによって配向規制力を発現する光結合型材料、および、光分解反応と光結合反応とを生じることによって配向規制力を発現する光分解−結合型材料等に分けることができる。本発明においてはこのような光二量化型材料、光分解型材料、光結合型材料および光分解−結合型材料のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでも光二量化型材料を用いることがより好ましい。
本発明に用いられる光二量化型材料は、光二量化反応を生じることにより配向規制力を発現できる材料であれば特に限定されない。なかでも本発明においては光二量化反応を生じる光の波長が200nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。
このような光二量化型材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、または、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマーを挙げることができる。なかでも本発明においてはシンナメート、または、クマリンの少なくとも一方を有するポリマー、シンナメートおよびクマリンを有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型材料の具体例としては、例えば特開平9−118717号公報、特表10−506420号公報、および、特表2003−505561号公報に記載された化合物を挙げることができる。
本発明における上記シンナメート、および、クマリンとしては、下記式Ia、Ibで表されるものが好適に用いられる。
上記式中、Aは、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、2,5−チオフェニレン、2,5−フラニレン、1,4−もしくは2,6−ナフチレンを表すか、非置換であるか、フッ素、塩素または炭素原子1〜18個の環式、直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル残基(非置換であるか、フッ素、塩素によって一または多置換されており、1個以上の隣接しない−CH2−基が独立して基Cによって置換されていてもよい)によって一または多置換されているフェニレンを表す。
上記式中、Bは、水素原子を表すか、第二の物質、たとえばポリマー、オリゴマー、モノマー、光活性ポリマー、光活性オリゴマーおよび/または光活性モノマーもしくは表面と反応または相互作用することができる基を表す。
上記式中、Cは、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR1−、−NR1−CO−、−CO−NR1−、−NR1−CO−O−、−O−CO−NR1−、−NR1−CO−NR1−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−および−Si(CH3)2−O−Si(CH3)2−(R1は水素原子または低級アルキルを表す)から選択される基を表す。
上記式中、Dは、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR1−、−NR1−CO−、−CO−NR1−、−NR1−CO−O−、−O−CO−NR1−、−NR1−CO−NR1−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−および−Si(CH3)2−O−Si(CH3)2−(R1は水素原子または低級アルキルを表す)から選択される基、芳香族基または脂環式基を表す。
上記式中、S1およびS2は、互いに独立して、単結合またはスペーサー単位、たとえば炭素原子1〜40個の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキレン基(非置換であるか、フッ素、塩素によって一または多置換されており、1個以上の隣接しない−CH2−基が独立して基Dによって置換されていてもよいが、酸素原子が互いに直接的には結合していない)を表す。
上記式中、Qは、酸素原子または−NR1−(R1は水素原子または低級アルキルを表す)を表す。
上記式中、XおよびYは、互いに独立して、水素、フッ素、塩素、シアノ、炭素原子1〜12個のアルキル(場合によってはフッ素によって置換されており、場合によっては1個以上の隣接しない−CH2−基が−O−、−CO−O−、−O−CO−および/または−CH=CH−によって置換されている)を表す。
上記式中、Bは、水素原子を表すか、第二の物質、たとえばポリマー、オリゴマー、モノマー、光活性ポリマー、光活性オリゴマーおよび/または光活性モノマーもしくは表面と反応または相互作用することができる基を表す。
上記式中、Cは、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR1−、−NR1−CO−、−CO−NR1−、−NR1−CO−O−、−O−CO−NR1−、−NR1−CO−NR1−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−および−Si(CH3)2−O−Si(CH3)2−(R1は水素原子または低級アルキルを表す)から選択される基を表す。
上記式中、Dは、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR1−、−NR1−CO−、−CO−NR1−、−NR1−CO−O−、−O−CO−NR1−、−NR1−CO−NR1−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−および−Si(CH3)2−O−Si(CH3)2−(R1は水素原子または低級アルキルを表す)から選択される基、芳香族基または脂環式基を表す。
上記式中、S1およびS2は、互いに独立して、単結合またはスペーサー単位、たとえば炭素原子1〜40個の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキレン基(非置換であるか、フッ素、塩素によって一または多置換されており、1個以上の隣接しない−CH2−基が独立して基Dによって置換されていてもよいが、酸素原子が互いに直接的には結合していない)を表す。
上記式中、Qは、酸素原子または−NR1−(R1は水素原子または低級アルキルを表す)を表す。
上記式中、XおよびYは、互いに独立して、水素、フッ素、塩素、シアノ、炭素原子1〜12個のアルキル(場合によってはフッ素によって置換されており、場合によっては1個以上の隣接しない−CH2−基が−O−、−CO−O−、−O−CO−および/または−CH=CH−によって置換されている)を表す。
本発明においては、上記式で表されるシンナメート、および、クマリンのなかでも、特表2004−536185号公報に記載のものを用いることが好ましい。
本発明における配向層として光配向膜を用いる場合、上記配向層には上記光配向材料以外に他の材料が含まれていても良い。このような他の材料としては、通常、一つ以上の官能基を持つモノマー又はオリゴマーが用いられる。このようなモノマー又はオリゴマーとしては、例えば、アクリレート系の官能基を有する単官能モノマー(例えば、反応性エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン)及び多官能モノマー(例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリエチレン(ポリプロピレン)グリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ポリ(メタ)アクリレート(例えば、イソシアヌル酸EOジアクリレート等))や、ビスフェノールフルオレン誘導体(例えば、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノールフルオレンジエポキシアクリレート)等を単体もしくは混合したものとして用いることができる。
また、本発明に用いられる上記モノマー又はオリゴマーは重合性液晶材料であることが好ましい。後述する位相差層に重合性液晶材料が含まれる場合、上記重合性液晶材料は、位相差層に含まれる重合性液晶材料と同一種類のものを含むことが好ましい。
さらに、上記モノマー又はオリゴマーは、本発明に用いられる位相差フィルムを製造する方法として、透明基板上に配向層が積層された時点でロール巻きされる方法を用いる場合は、配向層が常温(20〜25℃)で固体になるものを用いることが好ましい。この場合、モノマー又はオリゴマーの種類としては、常温(20〜25℃)において固体であるものを用いることが好ましい。これにより、透明基板上に配向層が積層された時点でロール巻きされる場合でも、透明基板の裏面に配向層が貼り付くことに起因するブロッキングが生じることを防止できるからである。
上記モノマー又はオリゴマーの含有量は、配向層と後述する位相差層とを所望の強度で密着できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記光反応材料の質量に対して0.01倍〜3倍の範囲内が好ましく、特に0.05倍〜1.5倍の範囲内であることが好ましい。含有量が上記範囲よりも少ないと、配向層と、位相差層とを所望の強度で密着できない場合があるからである。また、上記範囲よりも多いと配向層の配向規制力が低下してしまう可能性があるからである。
本発明における配向層の厚みは、0.01μm〜0.5μmの範囲内が好ましく、なかでも0.02μm〜0.2μmの範囲内が好ましい。
3.位相差層
次に、本発明に用いられる位相差層について説明する。本発明の位相差層は液晶材料を含むものであり、本発明の位相差フィルムに所望の位相差性(複屈折性)を付与する機能を有するものである。
次に、本発明に用いられる位相差層について説明する。本発明の位相差層は液晶材料を含むものであり、本発明の位相差フィルムに所望の位相差性(複屈折性)を付与する機能を有するものである。
本発明に用いられる液晶材料は、本発明に用いられる位相差フィルムに所望の位相差性を発現できる材料であれば特に限定されるものではない。なかでも、本発明においては、ネマチック相を示す液晶材料が好適に用いられる。ネマチック液晶は、他の液晶相を示す液晶材料と比較して規則的に配列させることが容易だからである。
また、本発明に用いられる液晶材料としては、重合性官能基を有する重合性液晶材料を用いることが好ましい。重合性液晶材料は重合性官能基を介して互いに重合して、分子の配向状態を固定化することができるため、本発明における位相差層の機械強度を向上することができるからである。また、液晶材料の配向の安定性も向上することができるからである。また、経時や高温環境下における分子配向変動に起因するReやRthの変動等を防止できるからである。
上記重合性官能基としては、紫外線、電子線等の電離放射線、或いは熱の作用によって重合する各種重合性官能基が用いられる。これら重合性官能基の代表例としては、ラジカル重合性官能基、或いはカチオン重合性官能基等が挙げられる。さらにラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例としては、置換基を有するもしくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。又、カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和3重結合等が挙げられる。本発明においては、これらの重合性官能基のなかでもプロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
本発明に用いられる重合性液晶材料は、上記重合性官能基を複数有するものであっても良く、または、1つのみを有するものであっても良い。また、本発明においては重合性官能基を複数有する重合性液晶材料と、重合性官能基を1つのみを有する重合性液晶材料とを混合して用いても良い。
本発明に用いられる重合性液晶材料の具体例としては、例えば、特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報、特開2003−287623号公報に記載されているような化合物を挙げることができる。なかでも本発明においては、上記重合性液晶材料として、以下の化学式(1)〜(10)で表される化合物を用いることが好ましい。
本発明に用いられる液晶材料は1種類でも良く、または、2種類以上を混合して用いても良い。本発明において2種類以上の液晶材料を混合して用いる場合は、重合性液晶材料と、重合性官能基を有さない液晶材料とを混合して用いても良い。
本発明における位相差層には、上記液晶材料以外の他の化合物が含まれていても良い。このような他の化合物としては、位相差層における上記液晶材料の配列状態や、位相差層の光学特性発現性を損なわないものであれば特に限定されるものではなく、本発明に用いられる位相差フィルムの用途等に応じて適宜選択して用いることができる。このような他の化合物としては、例えば、カイラル剤、重合開始剤、重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤、および、シランカップリング剤等を挙げることができる。なかでも本発明においては、上記液晶材料として上記重合性液晶材料を用いる場合、上記他の化合物として重合開始剤または重合禁止剤を用いることが好ましい。
上記重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、アデカ社製N1717、四臭化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性色素とアスコルビン酸やトリエタノールアミンのような還元剤との組み合わせ等を例示できる。本発明では、これらの光重合開始剤を1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、上記光重合開始剤を用いる場合には、光重合開始助剤を併用することができる。このような光重合開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の3級アミン類や、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミド安息香酸エチル等の安息香酸誘導体を例示することができるが、これらに限られるものではない。
上記重合禁止剤としては、例えば、ジフェニルピクリルヒドラジド、トリ−p−ニトロフェニルメチル,p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ピクリン酸、塩化銅、メチルハイドロキノン、メトキノン、tert−ブチルハイドロキノン等の反応の重合禁止剤を用いることができるが、なかでも保存安定性の点からハイドロキノン系重合禁止剤が好ましく、メチルハイドロキノンを用いるのが特に好ましい。
また、本発明における位相差層には、本発明の目的を損なわない範囲内で、下記に示すような化合物を添加することができる。添加できる化合物としては、例えば、多価アルコールと1塩基酸または多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオール基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂、アミノ基エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性化合物;アクリル基やメタクリル基を有する光重合性の液晶性化合物等が挙げられる。
本発明における位相差層中の上記液晶材料の配列状態としては、本発明に用いられる位相差フィルムに所望の光学特性を発現できる配列状態であれば特に限定されるものではない。このような配列状態としては、例えば、透明基板に対して液晶材料が平行に配向した状態や、透明基板に対して液晶材料が垂直に配向した状態を挙げることができる。前者の液晶構造はホモジニアス構造(平行配向構造)と称され、このような構造を有することにより、本発明に用いられる位相差フィルムに光学的にAプレートとしての性質を付与することができる。また、後者の液晶構造はホメオトロピック構造(垂直配向構造)と称され、このような構造を有することにより、本発明の位相差フィルムに光学的に正のCプレートとしての性質を付与することができる。
また、上記液晶材料の配列状態としては、液晶材料が規則的な螺旋構造を示すコレステリック配列状態であっても良い。このような配列状態を有することにより、本発明に用いられる位相差フィルムに光学的に負のCプレートとしての性質を付与することができる。
上記液晶材料の配列状態をコレステリック配列状態とする場合は、通常、位相差層に螺旋構造を誘起させるカイラル剤が添加される。このようなカイラル剤としては、分子内に軸不斉を有する低分子化合物が好ましく用いられる。本発明に用いられるカイラル剤としては、例えば、下記式(11)、(12)又は(13)で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(11)又は(12)において、R1は水素又はメチル基を示す。Yは上記に示す式(i)〜(xxiv)の任意の一つであるが、なかでも、式(i)、(ii)、(iii)、(v)及び(vii)のいずれか一つであることが好ましい。また、アルキレン基の鎖長を示すc及びdは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。
本発明における位相差層の厚みは、上記液晶材料の種類等に応じて、本発明に用いられる位相差フィルムに所望の光学特性を付与できる範囲内であれば特に限定されないが、0.5μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.5μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜3μmの範囲内であることが好ましい。
本発明における位相差層は位相差性を示すものであるが、このような位相差性は、本発明の位相差フィルムの用途等に応じて任意に調整することができる。なかでも本発明用いられる位相差層はλ/4板としての性質、または、λ/2板としての性質を有することが好ましい。
ここで、上記「λ/4板としての性質を有する」とは、通常、位相差層のReが、入射光の波長の1/4の値を示すことを意味するものであるが、なかでも本発明における位相差層は、波長550nmにおけるReが120nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。
また、上記「λ/2板としての性質を有する」とは、通常、位相差層のReが、入射光の波長の1/2の値を示すことを意味するものであるが、なかでも本発明における位相差層は、波長550nmにおけるReが250nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記位相差層のRe定義および測定方法は上記「1.遮蔽層」の項において説明した方法と同様であるためここでの説明は省略する。
ここで、上記「λ/4板としての性質を有する」とは、通常、位相差層のReが、入射光の波長の1/4の値を示すことを意味するものであるが、なかでも本発明における位相差層は、波長550nmにおけるReが120nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。
また、上記「λ/2板としての性質を有する」とは、通常、位相差層のReが、入射光の波長の1/2の値を示すことを意味するものであるが、なかでも本発明における位相差層は、波長550nmにおけるReが250nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記位相差層のRe定義および測定方法は上記「1.遮蔽層」の項において説明した方法と同様であるためここでの説明は省略する。
4.透明基板
次に、本発明に用いられる透明基板について説明する。本発明に用いられる透明基板は、透明性を有するものであり、上記遮蔽層、配向層および位相差層を支持する機能を有するものである。また、従来、透明基板として添加剤等が含まれるものを用いた場合には、上述した配向層または位相差層を形成した際に、上記添加剤が上記配向層または位相差層に移動し、上記位相差層に含有される液晶材料の配列が阻害されるという問題があったが、本発明の位相差フィルムは透明無機物質からなる遮蔽層を有することから、このような添加物の移動を著しく防止できるため、本発明においては添加剤を含有する透明基板であっても好適に用いることができる。
次に、本発明に用いられる透明基板について説明する。本発明に用いられる透明基板は、透明性を有するものであり、上記遮蔽層、配向層および位相差層を支持する機能を有するものである。また、従来、透明基板として添加剤等が含まれるものを用いた場合には、上述した配向層または位相差層を形成した際に、上記添加剤が上記配向層または位相差層に移動し、上記位相差層に含有される液晶材料の配列が阻害されるという問題があったが、本発明の位相差フィルムは透明無機物質からなる遮蔽層を有することから、このような添加物の移動を著しく防止できるため、本発明においては添加剤を含有する透明基板であっても好適に用いることができる。
本発明に用いられる透明基板の透明度は、本発明の位相差フィルムに求める透明性等に応じて任意に決定すればよいが、通常、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が上記範囲であることにより、例えば、本発明の位相差フィルムを液晶表示装置の視野角補償フィルムとして用いた場合に、液晶表示装置の表示輝度が低下すること等を防止することができるからである。
ここで、透明基板の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
ここで、透明基板の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
本発明に用いられる透明基板は、上記透明性を具備するものであれば、可撓性を有するフレキシブル材でも、可撓性のないリジッド材でも用いることもできる。なかでも本発明においてはフレキシブル材を用いることが好ましい。フレキシブル材を用いることにより、本発明の位相差フィルムの製造工程をRoll to Roll(基材を帯状の薄膜(ウェブの形態とし、巻芯上に巻き取ったRollの状態から巻き出して、加工し、その後再度巻芯上に巻き取る加工形態)プロセスとすることが可能になるため、生産性に優れた位相差フィルムを得ることができるからである。
上記フレキシブル材を構成する材料としては、後述の各種セルロース誘導体、ノルボルネン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、アモルファスポリオレフィン等のポリオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、変性アクリル系ポリマー等のアクリル系ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類などを例示することができる。なかでも本発明においては上記材料としてセルロース誘導体またはシクロオレフィン系ポリマーを用いることが好ましい。セルロース誘導体は特に光学的等方性に優れるからである。また、シクロオレフィン系ポリマーは耐久性に優れるからである。
上記セルロース誘導体としては、セルロースエステルを用いることが好ましく、さらに、セルロースエステル類のなかでも、セルロースアシレート類を用いることが好ましい。セルロースアシレート類は工業的に広く用いられていることから、入手容易性の点において有利だからである。
上記セルロースアシレート類としては、炭素数2〜4の低級脂肪酸エステルが好ましい。このような低級脂肪酸エステルとしては、例えばセルロースアセテートのように、単一の低級脂肪酸エステルのみを含むものでもよく、また、例えばセルロースアセテートブチレートやセルロースアセテートプロピオネートのような複数の脂肪酸エステルを含むものであっても良い。
本発明においては、上記低級脂肪酸エステルのなかでもセルロースアセテートを特に好適に用いることができる。また、セルロースアセテートとしては、平均酢化度が57.5〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のトリアセチルセルロースを用いることが最も好ましい。ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算により求めることができる。なお、トリアセチルセルロースフィルムを構成するトリアセチルセルロースの酢化度は、フィルム中に含まれる可塑剤等の不純物を除去した後、上記の方法により求めることができる。
一方、上記シクロオレフィン系ポリマーとしては、シクロオレフィンポリマー(COP)またはシクロオレフィンコポリマー(COC)を挙げることができる。なかでも本発明においては、シクロオレフィンポリマーを用いることが好ましい。シクロオレフィンポリマーは、水分の吸収性および透過性が低いため、本発明に用いられる透明基板がシクロオレフィンポリマーから構成されることにより、本発明の位相差フィルムを光学特性の経時安定性に優れたものにできるからである。
本発明に用いられる上記シクロオレフィンポリマーの具体例としては、例えば、JSR株式会社製、商品名:ARTONや日本ゼオン株式会社製、商品名ゼオノア等を挙げることができる。
本発明に用いられる透明基板の厚みは、本発明の位相差フィルムの用途等に応じて、必要な自己支持性を備えることができる範囲内であれば特に限定されない。なかでも本発明においては25μm〜1000μmの範囲内であること好ましく、特に30μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。透明基板の厚みが上記の範囲よりも薄いと、本発明の位相差フィルムに必要な自己支持性を付与することができない場合があるからである。また、厚みが上記の範囲よりも厚いと、例えば、本発明の位相差フィルムを裁断加工する際に、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が早くなってしまう場合があるからである。
本発明における透明基板の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されても良い。
また、本発明に用いられる透明基板は、上述した遮蔽層との密接着性を向上させるための表面処理が表面に施されたものであっても良い。本発明用いられる表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いたプラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等を挙げることができる。なかでも本工程においては、実施容易性の観点からコロナ放電処理を用いることが好ましい。
本発明に用いられる透明基板は位相差性を示すものであっても良い。このような位相差性としては、本発明の位相差フィルムに所望の屈折率異方性を付与できるものであれば特に限定されない。なかでも本発明においては、λ/4板としての性質、または、λ/2板としての性質を有することが好ましい。
上記「λ/4板としての性質を有する」とは、通常、透明基板のReが、入射光の波長の1/4の値を示すことを意味するものであるが、なかでも本発明に用いられる透明基板は、波長550nmにおけるReが120nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。
また、上記「λ/2板としての性質を有する」とは、通常、透明基板のReが、入射光の波長の1/2の値を示すことを意味するものであるが、なかでも本発明に用いられる透明基板は、波長550nmにおけるReが250nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記透明基板のRe定義および測定方法は上記「1.遮蔽層」の項において説明した方法と同様であるためここでの説明は省略する。
上記「λ/4板としての性質を有する」とは、通常、透明基板のReが、入射光の波長の1/4の値を示すことを意味するものであるが、なかでも本発明に用いられる透明基板は、波長550nmにおけるReが120nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。
また、上記「λ/2板としての性質を有する」とは、通常、透明基板のReが、入射光の波長の1/2の値を示すことを意味するものであるが、なかでも本発明に用いられる透明基板は、波長550nmにおけるReが250nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記透明基板のRe定義および測定方法は上記「1.遮蔽層」の項において説明した方法と同様であるためここでの説明は省略する。
5.その他の層
本発明に用いられる位相差フィルムは、上記透明基板、遮蔽層、配向層および位相差層以外の他の構成を有していても良い。このような他の構成としては応力緩和層を挙げることができる。
本発明に用いられる位相差フィルムは、上記透明基板、遮蔽層、配向層および位相差層以外の他の構成を有していても良い。このような他の構成としては応力緩和層を挙げることができる。
上記応力緩和層は、上記透明基板と、上記配向層との間に形成され、本発明に用いられる位相差フィルムに対して外部から応力が加わった際に、当該応力緩和層が変形して外部から加わった応力を分散し、緩和することにより、遮蔽層、位相差層または配向層等が損傷することを防止する機能を有するものである。
本発明の位相差フィルムにこのような応力緩和層が形成されている例について図を参照しながら説明する。図2は本発明の位相差フィルムの一例を示す概略図である。図2に例示するように、本発明の位相差フィルム10’は、上述した透明基板1、遮蔽層2、配向層3および位相差層4に加えて、上記遮蔽層2と上記配向層3との間に応力緩和層5が形成されたものであっても良い。
本発明においては、上記配向層として光配向膜を用いる際に、このような応力緩和層が形成されていることが好ましい。光配向膜は機械強度が低いことから、例えば、本発明の位相差フィルムを長尺のロール状で形成して巻き取る際に加わる外力によって、その形態や配向規制力が損なわれる恐れがあるが、このような応力緩和層が形成されていればこのような恐れが解消することができるからである。
また、本発明に用いられる上記遮蔽層は透明無機物質からなるものであることから、上記遮蔽層と、上記配向層および位相差層とに熱膨張率に差が生じるため、例えば、本発明の位相差フィルムを製造する工程において高温での加熱乾燥が施されると、上記熱膨張率の差に起因して上記遮蔽層に損傷が生じたり、上記位相差層中の液晶材料の配列状態が損なわれてしまう可能性があるが、上記応力緩和層が形成されていることによりこのような現象が生じることを防止できるという利点もある。
また、本発明に用いられる上記遮蔽層は透明無機物質からなるものであることから、上記遮蔽層と、上記配向層および位相差層とに熱膨張率に差が生じるため、例えば、本発明の位相差フィルムを製造する工程において高温での加熱乾燥が施されると、上記熱膨張率の差に起因して上記遮蔽層に損傷が生じたり、上記位相差層中の液晶材料の配列状態が損なわれてしまう可能性があるが、上記応力緩和層が形成されていることによりこのような現象が生じることを防止できるという利点もある。
本発明に用いられる応力緩和層を構成する材料としては、応力緩和層に所望の硬度および弾性率等を付与できる材料であれば特に限定されず、任意の樹脂材料によって形成することができる。なかでも本発明においては、活性エネルギー線によって三次元的架橋が生じる活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
また、上記活性エネルギー線硬化性樹脂としては、紫外線によって三次元的架橋が生じる紫外線硬化性樹脂および電子線によって三次元的架橋が生じる電子線硬化性樹脂を挙げることができるが、本発明においては紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
さらに上記紫外線硬化性樹脂としては、三次元的架橋が生じる紫外線の波長が、波長100〜450nmの範囲であることが好ましく、さらには、250〜400nmの範囲であることが好ましい。この波長範囲の紫外線は、一般的な光源により容易に得ることができるからである。
本発明に用いられる上記紫外線硬化性樹脂の具体例としては、反応性エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリエチレン(ポリプロピレン)グリコール(メタ)ジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン誘導体、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノールフルオレンジエポキキアクリレート等を挙げることができる。なかでも本発明においては、上記紫外線硬化性樹脂として、トリエチレン(ポリプロピレン)グリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、ビスフェノールフルオレン誘導体、カプロラクトン変性ウレタンアクリレート、および、カプロラクトン変性アクリレートを用いることが好ましい。
本発明においてはこれらの紫外線硬化性樹脂を1種類のみ用いても良く、または、2種類以上を混合して用いても良い。
本発明に用いられる応力緩和層の構成材料として、上記紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、応力緩和層に光重合開始剤および光増感剤を含むことが好ましい。上記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類を挙げることができる。また、上記光増感剤としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等を挙げることができる。
なお、本発明に用いられる応力緩和層としては、配向させた重合性液晶層あるいは等方相において重合させた液晶層を用いてもよい。
本発明に用いられる応力緩和層の硬度および弾性率は、本発明の位相差フィルムに外部からの応力が加わった際に、位相差層等が損傷することを防止できる範囲内であれば特に限定されず、本発明の位相差フィルムの用途等に応じて適宜決定すればよい。なかでも本発明に用いられる応力緩和層は、厚み4μmにおけるユニバーサル硬度が200N/mm2〜800N/mm2の範囲内であることが好ましく、300N/mm2〜700N/mm2の範囲内であることがより好ましく、400N/mm2〜600N/mm2の範囲内であることがさらに好ましい。ここで、上記ユニバーサル硬度とは、応力緩和層に対し、試験加重F(0.4mN〜1N)にてビッカース角錐圧子を押し込み、ビッカース角錐圧子の押し込み深さ変位量を測定し、応力緩和層のユニバーサル硬さ値(HU)をHU=F/(26.3×h2)の式により求めたものである。なお、ユニバーサル硬さ値(HU)は試験加重Fと圧子の押し込み表面積から求められ、その表面積は押し込み深さ(h)から求めることができる。
また、本発明に用いられる応力緩和層は、弾性変形量/総変形量の値で定義される弾性率が0.2〜0.6の範囲内であることが好ましく、なかでも0.3〜0.5の範囲内であることが好ましい。ここで、上記弾性変形量/総変形量の値で定義される弾性率は、例えば、上記ユニバーサル硬度測定時に得られる弾性変形量および塑性変形量から算出できる。
さらに本発明においては、上記応力緩和層の平均硬化度が60%以上であることが好ましく、特に80%〜90%の範囲内であることが好ましい。平均硬化度が上記範囲内であることにより、例えば、本発明の位相差フィルムの形態をロール巻きとした場合においても、互いに重なり合った位相差フィルムが密着することによって生じるブロッキングを抑制できるからである。ここで、上記平均硬化度とは、基材近傍の硬化度と配向膜近傍の硬化度の平均値である。
上記応力緩和層の平均硬化度は、応力緩和層中の反応性基の残存量を観測することにより求めることができる。また、応力緩和層の平均硬化度の層内分布を観測するためには、応力緩和層の断面を作製する必要がある。このため、上記平均硬化度の具体的な測定方法としては、まず、応力緩和層を斜め切除法によって切断する。なお、このようにして応力緩和層を斜めに切断すると、それに得られる断面は、通常の断面と異なり、見かけの厚さが大きくなるので、以降の反応性基の残存量を観測する際に、空間分解能を高くすることができる。次に、このようにして応力緩和層の断面が得られた後、反応性基の残存量を観測する。なお、反応性基の残存量を観測する代表的な方法としては、反応性基由来の分子振動を赤外線の吸収で観測する方法と、反応性基の構造に帰属する質量を測定する方法とがある。より具体的には、(1)顕微赤外分光光度計の反射測定方法を用いて反応性基に帰属する炭素の二重結合(C=C)の伸縮振動の強度分布を測定する方法や、(2)時間飛行型2次イオン質量分析法を用いて反応性基に起因した質量数でのマッピングを行う方法、(3)X線光電子分光装置を用いて全炭素中の反応性基に起因した信号強度を測定する方法等が挙げられる。
本発明においては上記平均硬化度を%として表すが、上記(1)、(2)および(3)の方法により平均硬化度の測定を行う場合の%の基準は次の通りである。すなわち、上記応力緩和層は、後述するように応力緩和層形成用組成物を基材上に塗布・乾燥することによって塗膜を形成した後、紫外光または可視光等を露光することによって形成するが、上記露光を行う前の段階の塗膜について上記(1)、(2)および(3)の測定を行った際の各測定値の信号強度を0%とする。そして、上記(1)、(2)および(3)において信号強度0の状態(反応性基が応力緩和層中に存在していない状態)を100%とする。
本発明に用いられる応力緩和層の厚みは、0.5μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、なかでも1μm〜10μmの範囲内が好ましい。応力緩和層の厚みが上記範囲よりも薄いと上述した応力緩和機能が十分でない場合があるからである。また、上記範囲よりも厚いと、位相差フィルムの全体が厚くなってしまい、かつコスト的に不利となる可能性があるからである。
上記応力緩和層以外に本発明の位相差フィルムに用いられるその他の層としては、例えば、上記遮蔽層と他の層との密着性を向上させるアンカー層等を挙げることができる。
6.位相差フィルム
本発明に用いられる位相差フィルムが示す位相差性は、本発明の位相差フィルムの用途等に応じて適宜決定することができるが、なかでも本発明の位相差フィルムは、λ/4板としての性質、または、λ/2板としての性質を有することが好ましい。
上記「λ/4板としての性質を有する」とは、通常、本発明の位相差フィルムReが、入射光の波長の1/4の値を示すことを意味するものであるが、なかでも本発明の位相差フィルムは、波長550nmにおけるReが120nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。
また、上記「λ/2板としての性質を有する」とは、通常、本発明の位相差フィルムのReが、入射光の波長の1/2の値を示すことを意味するものであるが、なかでも本発明の位相差フィルムは、波長550nmにおけるReが250nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記Reの定義および測定方法については上記「1.遮蔽層」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる位相差フィルムが示す位相差性は、本発明の位相差フィルムの用途等に応じて適宜決定することができるが、なかでも本発明の位相差フィルムは、λ/4板としての性質、または、λ/2板としての性質を有することが好ましい。
上記「λ/4板としての性質を有する」とは、通常、本発明の位相差フィルムReが、入射光の波長の1/4の値を示すことを意味するものであるが、なかでも本発明の位相差フィルムは、波長550nmにおけるReが120nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。
また、上記「λ/2板としての性質を有する」とは、通常、本発明の位相差フィルムのReが、入射光の波長の1/2の値を示すことを意味するものであるが、なかでも本発明の位相差フィルムは、波長550nmにおけるReが250nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記Reの定義および測定方法については上記「1.遮蔽層」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本発明の位相差フィルムのReの波長分散は、波長が短くなるほどRe値が小さくなる逆分散型であっても良く、波長が短くなるほどRe値が大きくなる正分散型であっても良く、または、Re値に波長依存性を有さないフラット型であっても良い。
本発明の位相差フィルムの形態は特に限定されるものではなく、例えば、本発明の位相差フィルムを用いる液晶表示装置の画面サイズに合致したシート状であっても良く、または、長尺帯状であっても良い。
7.位相差フィルムの製造方法
本発明の位相差フィルムを製造する方法としては、上記構成を有する位相差フィルムを製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、透明基板上に遮蔽層を形成する遮蔽層形成工程と、上記遮蔽層上に配向層形成用組成物を塗工することにより配向層を形成する配向層形成工程と、上記配向層上に位相差層形成用組成物を塗工することにより位相差層を形成する位相差層形成工程とを用いる方法を挙げることができる。
以下、本発明の位相差フィルムの製造方法の一例として、このような製造方法について説明する。
本発明の位相差フィルムを製造する方法としては、上記構成を有する位相差フィルムを製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、透明基板上に遮蔽層を形成する遮蔽層形成工程と、上記遮蔽層上に配向層形成用組成物を塗工することにより配向層を形成する配向層形成工程と、上記配向層上に位相差層形成用組成物を塗工することにより位相差層を形成する位相差層形成工程とを用いる方法を挙げることができる。
以下、本発明の位相差フィルムの製造方法の一例として、このような製造方法について説明する。
(1)遮蔽層形成工程
まず、上記遮蔽層形成工程について説明する。本工程は、透明基板上に透明無機物質からなる遮蔽層を形成する工程である。
まず、上記遮蔽層形成工程について説明する。本工程は、透明基板上に透明無機物質からなる遮蔽層を形成する工程である。
本工程において透明基板上に遮蔽層を形成する方法としては、膜厚が均一な遮蔽層を形成できる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)や、化学的気相成長法(CVD)などにより形成することができる。
本工程に用いられる透明無機物質としては、上記「1.遮蔽層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。また、本工程に用いられる透明基板については、上記「4.透明基板」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)配向層形成工程
次に上記配向層形成工程について説明する。本工程は上記遮蔽層形成工程により形成された遮蔽層上に配向層形成用組成物を塗工することにより、上記遮蔽層上に配向層を形成する工程である。以下、本工程において光配向膜を形成する方法の一例について説明する。
次に上記配向層形成工程について説明する。本工程は上記遮蔽層形成工程により形成された遮蔽層上に配向層形成用組成物を塗工することにより、上記遮蔽層上に配向層を形成する工程である。以下、本工程において光配向膜を形成する方法の一例について説明する。
本工程に用いられる配向層形成用組成物としては、通常、光配向材料と、一つ以上の官能基を持つモノマー又はオリゴマーと、これらを溶解する溶媒とを含むものが用いられる。
なお、上記光配向材料および、一つ以上の官能基を持つモノマー又はオリゴマーは、上記「2.配向層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、上記光配向材料および、一つ以上の官能基を持つモノマー又はオリゴマーは、上記「2.配向層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記配向層形成用組成物に用いられる溶媒としては、光配向材料およびモノマー又はオリゴマーを所望の濃度に溶解できるものであれば特に限定されるものではない。本工程に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶媒を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、本発明に用いられる溶媒は、1種類でもよく、2種類以上の溶媒の混合溶媒でもよい。
上記配向層形成用組成物を透明基板上に塗工する塗布方式としては、透明基板上に連続塗布できる方式であって、所望の平面性を達成できる方法であれば、特に限定されるものではない。具体的には、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、プリント法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法などを例示することができるが、これに限られるものではない。
上記配向層形成用組成物の塗膜の厚みについても、所望の平面性を達成できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、通常、0.01μm〜0.5μmの範囲内が好ましく、特に0.02μm〜0.2μmの範囲内が好ましい。
上記配向層形成用組成物の塗膜の乾燥方法は、加熱乾燥方法、減圧乾燥方法、ギャップ乾燥方法等、一般的に用いられる乾燥方法を用いることができる。また、本発明における乾燥方法は、単一の方法に限られず、例えば残留する溶媒量に応じて順次乾燥方式を変化させる等の態様により、複数の乾燥方式を採用してもよい。
このようにして形成された配向層形成用組成物の塗膜は、配向膜用組成物の吸収波長をカットしながら、上記モノマーもしくはオリゴマーを硬化させ、その後、任意の偏光状態を持つ紫外線を照射して配向規制力を発現させることにより配向層とすることができる。ここで、遅相軸の方向がフィルムの長手方向の方向軸と交差する位相差フィルムを製造するには、上記偏光状態を持つ紫外線を照射する際に偏光の照射方向をフィルム長手方向の軸と交差するようにすれば良い。
また、上記透明基板が位相差性を示すものである場合において、上記透明基板の遅相軸と、後述する位相差層形成工程により形成される位相差層の遅相軸とが交差する位相差フィルムを製造するには、上記偏光状態を持つ紫外線を照射する際に偏光の照射方向を上記透明基板の遅相軸と交差するようにすれば良い。
このように、本発明においては上記偏光の照射方向を任意に変更することで、遅相軸が任意の方向を向いた位相差フィルムを製造することができる。
また、上記透明基板が位相差性を示すものである場合において、上記透明基板の遅相軸と、後述する位相差層形成工程により形成される位相差層の遅相軸とが交差する位相差フィルムを製造するには、上記偏光状態を持つ紫外線を照射する際に偏光の照射方向を上記透明基板の遅相軸と交差するようにすれば良い。
このように、本発明においては上記偏光の照射方向を任意に変更することで、遅相軸が任意の方向を向いた位相差フィルムを製造することができる。
(3)位相差層形成工程
上記位相差層形成工程について説明する。本工程は、上記配向層形成工程により形成された配向層上に、位相差層形成用組成物を塗工することにより、配向層上に位相差層を形成する工程である。
上記位相差層形成工程について説明する。本工程は、上記配向層形成工程により形成された配向層上に、位相差層形成用組成物を塗工することにより、配向層上に位相差層を形成する工程である。
上記位相差層形成用組成物は、液晶材料と、これを溶解する溶媒とを含むものである。なお、上記位相差層形成用組成物に用いられる液晶材料は、上記「3.位相差層」の項に記載したものと同様であるためここでの説明は省略する。
上記位相差層形成用組成物に用いられる溶媒は、上記液晶材料を所望の濃度で溶解できるものであれば特に限定されない。このような溶媒の具体例としては、上記「(2)配向層形成工程の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本工程において、配向層上に位相差層形成用組成物の塗膜を形成する方法としては、上記「(2)配向層形成工程」の項に記載した方法を用いることができる。
本工程においては、配向層上に、位相差層形成組成物の塗膜を形成した後、当該塗膜に含まれる液晶材料を配列させることにより位相差層を形成する。本工程において液晶材料を配列させる方法としては、通常、上記塗膜を液晶材料の液晶層形成温度以上に加温する方法が用いられる。
上記液晶材料として重合性液晶材料を用いる場合、上記重合性液晶材料を重合する方法は、上記重合性液晶材料が有する重合性官能基の種類に応じて任意に決定すればよい。
8.位相差フィルムの用途
本発明の位相差フィルムの用途としては、例えば、液晶表示装置に用いられる光学補償フィルム(例えば、視野角補償フィルム)、楕円偏光板、輝度向上板等を挙げることができる。なかでも本発明の位相差フィルムは、液晶表示装置の視野角依存性改善のための光学補償フィルムとして好適に用いることができる。
本発明の位相差フィルムの用途としては、例えば、液晶表示装置に用いられる光学補償フィルム(例えば、視野角補償フィルム)、楕円偏光板、輝度向上板等を挙げることができる。なかでも本発明の位相差フィルムは、液晶表示装置の視野角依存性改善のための光学補償フィルムとして好適に用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
次に、実施例を示すことにより本発明についてさらに具体的に説明する。
(1)実施例
厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルムからなる基板上に、蒸着により50nmのシリカ薄膜による遮蔽層を成膜した。
厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルムからなる基板上に、蒸着により50nmのシリカ薄膜による遮蔽層を成膜した。
次に、シンナモイル基を持つポリマー(1.0重量部)にシクロヘキサノン(99重量部)を加えて溶解させ、配向層形成用組成物を得た。この配向層形成用組成物を、遮蔽層を形成したトリアセチルセルロースフィルムの遮蔽層上にワイヤーバーコーターで塗布した後、80℃の温風で2分間乾燥し、膜厚0.1μmの塗膜を得た。その塗膜に偏光UVを10mJ/cm2照射し、配向層を形成した。
次に、重合性ネマチック液晶化合物モノマーを含む液晶性組成物をトルエン溶液に20質量%の比率で溶解させ、さらに重合開始剤を添加し、位相差層形成用組成物を得た。この位相差層形成用組成物を上記配向層上に塗工し、乾燥後、85℃で2分間加熱し、液晶分子を配向させた。さらに配向状態を維持しながら、高圧水銀灯を用いて100mJの紫外線を照射することにより硬化することにより位相差層を形成し、位相差フィルムを得た。
(2)比較例1
上記遮蔽層として、ウレタンアクリレートからなる厚み7μmの層を用いたこと以外は、上記実施例と同様に位相差フィルムを作製した。このとき、ウレタンアクリレートをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分を40%とした液体をトリアセチルセルロースフィルム上にバーコーターを用いて塗布し、紫外線を120mJ照射することで硬化させて厚さ約7μmの遮蔽層を形成した。
上記遮蔽層として、ウレタンアクリレートからなる厚み7μmの層を用いたこと以外は、上記実施例と同様に位相差フィルムを作製した。このとき、ウレタンアクリレートをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分を40%とした液体をトリアセチルセルロースフィルム上にバーコーターを用いて塗布し、紫外線を120mJ照射することで硬化させて厚さ約7μmの遮蔽層を形成した。
(3)比較例2
遮蔽層を形成しなかったこと以外は、実施例と同様の方法により位相差フィルムを作製した。
遮蔽層を形成しなかったこと以外は、実施例と同様の方法により位相差フィルムを作製した。
(4)評価
上記実施例および比較例において作製した位相差フィルムを2枚の偏光板の間に配置し、上記偏光板がクロスニコル配置、および、パラレル配置の場合における漏れ光を測定することにより、コントラスト(パラレル時の輝度値/クロス時の輝度値)を算出した。
その結果、各実施例および比較例において作製した位相差フィルムのコントラストは、実施例:1526、比較例1:1465、比較例2:1290であった。
上記実施例および比較例において作製した位相差フィルムを2枚の偏光板の間に配置し、上記偏光板がクロスニコル配置、および、パラレル配置の場合における漏れ光を測定することにより、コントラスト(パラレル時の輝度値/クロス時の輝度値)を算出した。
その結果、各実施例および比較例において作製した位相差フィルムのコントラストは、実施例:1526、比較例1:1465、比較例2:1290であった。
10、10’ … 位相差フィルム
1 … 透明基板
2 … 遮蔽層
3 … 配向層
4 … 位相差層
5 … 応力緩和層
1 … 透明基板
2 … 遮蔽層
3 … 配向層
4 … 位相差層
5 … 応力緩和層
Claims (4)
- 透明基板と、
前記透明基板上に形成され、透明無機物質からなる遮蔽層と、
前記遮蔽層上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を備える配向層と、
前記配向層上に形成され、液晶材料を含む位相差層と、を有することを特徴とする位相差フィルム。 - 前記透明無機物質が酸化珪素を含有するものであることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。
- 前記配向層が光配向材料を含む光配向膜であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の位相差フィルム。
- 前記遮蔽層と前記配向層との間に、樹脂材料を含む応力緩和層が形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の位相差フィルム。
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- 2006-05-12 JP JP2006133478A patent/JP2007304375A/ja active Pending
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