JP2007303434A - 排気ガス制御弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安価で、しかもシステム全体の搭載性を悪化させることなく、EGR制御弁のバルブハウジングの第2圧入部の腐食の進行を抑制する。
【解決手段】 アルミニウムダイカスト製品であるバルブハウジング7と、第2圧入部42に圧入固定されたステンレス鋼よりなる第2バルブシート5と、この第2バルブシート5に着座するダブルポペットバルブとによってEGR制御弁を構成している。そして、第2バルブシート5の環状端面上に張り出した第2ブロック62によって、第2バルブシート5の環状端面を部分的に被覆することで、排気ガス流路54と第2流路孔12との間に形成される第2段差面92の面積を小さくしている。これにより、排気ガス中に発生した凝縮水が、第2バルブシート5の第2段差面上に滞留し難くなり、第2圧入部42への滞留および浸入も抑制されるので、第2圧入部42の腐食の進行が抑制される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば高濃度の硫黄分を多量に含んだ燃料を使用する内燃機関より流出した排気ガスを制御する排気ガス制御弁に関するもので、特に内燃機関より流出した排気ガスを冷却する排気ガスクーラ(EGRクーラ)を配置した排気ガス再循環装置において、排気ガスクーラよりも排気ガスの流れ方向の下流側に接続される排気ガス制御弁に係わる。
[従来の技術]
従来より、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関の燃焼室内より流出する排気ガス中に含まれる有害物質(例えば窒素酸化物:NOx)の低減を図るという目的で、排気ガスの一部(EGRガス)を内燃機関の吸気系に再循環させる排気ガス再循環装置が知られている。この排気ガス再循環装置においては、排気ガスを吸気通路に再循環させると、内燃機関の出力および運転性の低下を伴うので、排気通路から吸気通路に排気ガスを再循環させるための排気ガス還流管の途中に、排気ガスの還流量を制御する排気ガス還流量制御弁が設置されている。
そして、排気ガス再循環装置の排気ガス還流管の途中に組み込まれる排気ガス還流量制御弁の一例として、図1(a)および図6に示したように、内部に排気ガス流路が形成されたハウジング101と、このハウジング101に内蔵された金属ブッシュ(軸受部品)102と、この金属ブッシュ102の貫通孔の内周に摺動自在に軸支されたバルブシャフト103と、このバルブシャフト103を駆動する電磁駆動部(電磁式アクチュエータ)とを備えた電磁式のEGR制御弁が公知である(例えば、特許文献1参照)。
ここで、EGR制御弁のハウジング101は、軽量化および低コスト化を図るという目的で、アルミニウムを主体とするアルミニウム合金よりなるダイカスト製品が使用されている。また、バルブシャフト103の外周には、2つの第1、第2バルブシート104、105にそれぞれ着座する2つの第1、第2バルブ106、107が装着されている。
そして、2つの第1、第2バルブシート104、105は、耐熱性および耐腐食性に優れるステンレス鋼よりなる金属製品が使用されている。そして、第1バルブシート104は、内部に第1流路孔111が形成された円環状部を有している。また、第2バルブシート105は、内部に第2流路孔112が形成された円環状部を有している。
そして、第1バルブシート104は、その円環状部の外径面自体が、ハウジング101の第1圧入部(第1圧入孔)113の内周(孔壁面)に圧入固定される第1圧入面を成す。また、第2バルブシート105は、その円環状部の外径面自体が、ハウジング101の第2圧入部(第2圧入孔)114の内周(孔壁面)に圧入固定される第2圧入面を成す。そして、ハウジング101の内部には、EGRガスが導入される排気ガス流路120、第1流路孔111を介して排気ガス流路120に連通する第1排気ガス流路121、および第2流路孔112を介して排気ガス流路120に連通する第2排気ガス流路122が形成されている。
近年、ディーゼルエンジンの排気ガス規制の強化から大量の排気ガス(EGRガス)を内燃機関の吸気通路に再循環させて内燃機関の燃焼室内にEGRガスを投入する必要があり、充填効率を上げるためにEGRクーラを採用して排気ガス温度を低下させるシステムが主流となっている。
ここで、排気ガス再循環装置の排気ガス還流管内に導入されたEGRガスをEGRクーラの内部を通過させて吸気通路に再循環させるようにすると、排気ガス温度が低く、密度の小さい低温EGRガスが、吸気通路内で吸入空気と混入することになるので、内燃機関の出力を低下させることなく、燃焼温度を低下して効果的に窒素酸化物(NOx)の発生を低減させることができる。
[従来の技術の不具合]
しかるに、排気ガス還流管の途中にEGRクーラを設置した排気ガス再循環装置においては、EGRクーラによって排気ガスを冷却しているため、凝縮水の発生頻度が高まる。すなわち、排気ガスの温度が露点温度以下に低下すると、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)が溶解した凝縮水が発生し、排気ガス還流管や吸気管の流路壁面に付着する可能性がある。
また、EGRクーラよりもEGRガスの流れ方向の下流側にEGR制御弁を設置した排気ガス再循環装置においては、発生した凝縮水が、排気ガス中に含まれる硫黄酸化物(SOx)と反応し、それによって生成された硫酸で、EGR制御弁のハウジング101の流路壁面や吸気系部品の腐食が懸念される。
あるいは、高濃度の硫黄分を多量に含んだ燃料を使用する内燃機関においては、EGRクーラを備えなくても、排気ガス中に含まれる硫黄酸化物(SOx)によってEGR制御弁のハウジング101の流路壁面や吸気系部品の腐食の進行が加速される場合がある。
特に、特許文献1に記載のEGR制御弁は、図6ないし図8に示したように、ステンレス鋼よりなる2つの第1、第2バルブシート104、105が、ハウジング101の第1、第2圧入部113、114に圧入固定されている。このようなEGR制御弁のハウジング101を天地方向(図示上下方向)に配置した場合には、ハウジング101の流路壁面に付着した凝縮水が重力により図示下方側の第2バルブシート105に向けて落下または滴下する。そして、落下または滴下した凝縮水は、図8(a)に示したように、ハウジング101の流路壁面と第2バルブシート105の軸線方向の一端面(環状端面)との間に形成される流路径の差による段差面123、つまり排気ガス流路120と第2流路孔112との間に形成される段差面上に水滴となって滞留する。
そして、第2バルブシート105の段差面上に滞留した凝縮水は、図8(b)に示したように、ハウジング101の流路壁面、特に第2圧入部112よりも天地方向の天側の流路壁面の腐食を進行させる。そして、時間経過に伴ってハウジング101の流路壁面の腐食が更に進行すると、その腐食が、図8(c)に示したように、図示上下方向(天地方向)に広がり、最終的にはハウジング101の第2圧入部112に到達する。そして、ハウジング101の第2圧入部112が腐食されると、ハウジング101と第2バルブシート105との結合強度が低下し、第2圧入部112に圧入固定されてハウジング101の嵌合孔(圧入孔)の孔壁面に嵌合保持されていた第2バルブシート105が、ハウジング101の第2圧入部112から天地方向の地側に抜け落ちてしまう。
これによって、バルブシャフト103の外周に装着された2つの第1、第2バルブ106、107を全閉作動させた場合に、第2バルブ107によって第2流路孔112を気密的に閉鎖することができず、つまりシール性の悪化に伴ってバルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量が増加するという問題が生じる。
そこで、排気ガスの凝縮水に含まれる硫酸を中和させる中和剤を排気ガス還流管内に噴霧することで、排気ガス還流管の流路壁面の腐食を防止するようにした排気ガス再循環装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかるに、特許文献1に記載の排気ガス再循環装置には、中和剤を貯蔵する中和剤タンクと、中和剤を噴射する中和剤噴射ノズルと、中和剤タンク内の中和剤を中和剤噴射ノズルに供給する中和剤ポンプとを具備した中和剤供給装置が設置されている。このため、中和剤供給装置が非常に大掛かりなシステムとなっており、コストアップとなると共に、システム全体の体格が大型となり、搭載スペースを確保することが困難になるという問題が生じている。
特開2004−340053号公報(第1−13頁、図1−図3) 特開平9−324706号公報(第1−4頁、図1−図2)
本発明の目的は、安価で、しかもシステム全体の搭載性を悪化させることなく、ハウジングの圧入部の腐食を防止または抑制する、あるいはハウジングの圧入部の腐食の進行を抑制することのできる排気ガス制御弁を提供することにある。また、ハウジングの圧入部からバルブシートが脱落するのを抑制することのできる排気ガス制御弁を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、内部に排気ガス流路が形成されたハウジングと、このハウジングの圧入部(圧入孔の孔壁面)に圧入固定されるバルブシートと、このバルブシートに対して着座、離脱して流路孔を閉鎖、開放するバルブとによって、内燃機関より流出した排気ガスを制御する排気ガス制御弁を構成している。この排気ガス制御弁は、ハウジングの流路壁面、特にハウジングの圧入部よりも天地方向の天側の流路壁面が、バルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との境界およびバルブシートの端面を被覆するように、バルブシートの端面上に張り出している。
これによって、バルブシートの端面がハウジングの流路壁部(ブロック)によって部分的または全体的に被覆されるため、ハウジングの流路壁面とバルブシートの端面との間に形成される流路径の差による段差面、つまり排気ガス流路と流路孔との間に形成される段差面の面積が縮小化またはゼロになる。これにより、排気ガス中(または排気ガス流路中)で発生した凝縮水が、バルブシートの端面上、つまりバルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との境界近傍、特にハウジングの圧入部近傍に設けられる段差面上に滞留し難くなる、あるいは滞留しなくなる。
したがって、ハウジングの内部に設けられる排気ガス流路に、例えば排気ガスクーラを通過する際に冷却された低温排気ガスが流入する場合、あるいは高濃度の硫黄分を多量に含んだ燃料を使用する内燃機関より流出した排気ガスが流入する場合で、しかもハウジングの材質として耐腐食性の劣る金属材料(例えばアルミニウム合金)を採用した場合であっても、バルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との境界、特にハウジングの圧入部への凝縮水の滞留または浸入を抑制することができる。
この結果、安価で、しかもシステム全体の搭載性を悪化させることなく、ハウジングの圧入部の腐食の進行を抑制することができるので、ハウジングの圧入部の耐久寿命を向上させることができる。また、ハウジングの圧入部からバルブシートが脱落するのを抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、ハウジングの、圧入部よりも天地方向の天側に、バルブシートの端面に密着または接触してバルブシートの端面を係止する係止部を設けたことにより、ハウジングの圧入部に対する、流路孔の中心軸線方向と平行なバルブシートの軸線方向の位置決めを行うことができる。しかも、ハウジングの係止部が、バルブシートの端面に密着または接触しているので、バルブシートの端面、特にバルブシートの天地方向の天側端面を係止部によって液密的に被覆することができる。これによって、バルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との境界のうちの天地方向の天側部分を係止部によって液密的に塞ぐことができるので、バルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との境界、特にハウジングの圧入部への凝縮水の滞留または浸入を確実に抑制することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ハウジングの圧入部を通る基準線で、且つ排気ガス流路の中心軸線と平行な基準線から、排気ガス流路の中心軸線側に向けて突き出す(張り出す)ように係止部(突起部)を設けている。
請求項4に記載の発明によれば、ハウジングの圧入部を通る基準線で、且つ排気ガス流路の中心軸線と平行な基準線から、排気ガス流路の流路断面積を縮小化する方向に突き出す(張り出す)ように係止部(突起部)を設けている。
請求項5に記載の発明によれば、ハウジングの流路壁面の全周に渡って周方向に係止部(筒状の突起部)を設けている。
請求項6に記載の発明によれば、ハウジングの、圧入部よりも天地方向の天側に、内部に排気ガス流路が形成された流路管部を設けている。そして、流路管部の流路壁面を、排気ガス流路の流路断面積がバルブシートに近づくに従って徐々に減少するように傾斜させることにより、流路管部の流路壁面からバルブシートの流路孔へ凝縮水を円滑に排水することができる。
請求項7に記載の発明によれば、ハウジングの、圧入部よりも天地方向の天側に、内部に排気ガス流路が形成された流路管部を設けている。そして、流路管部の流路壁面を、バルブシート側の開口端で流路孔の孔壁面に滑らかに繋がるように傾斜させることにより、流路管部の流路壁面からバルブシートの流路孔へ凝縮水を円滑に排水することができる。
請求項8に記載の発明によれば、ハウジングの、圧入部よりも天地方向の天側に、内部に排気ガス流路が形成された流路管部を設けている。そして、流路管部のうちでバルブシート側に位置する部位の内径を、バルブシートの圧入面の外径よりも小さくしたり、また、バルブシート内部に形成される流路孔の孔径と略同一の寸法としたり、また、流路孔の孔径よりも小さくしたりしている。
これによって、バルブシートの端面がハウジングの流路管部(ブロック)によって部分的または全体的に被覆されるため、流路管部の流路壁面とバルブシートの端面との間に形成される流路径の差による段差面、つまり排気ガス流路と流路孔との間に形成される段差面の面積が縮小化またはゼロになる。
また、流路管部の流路壁面からバルブシートの流路孔へ凝縮水を円滑に排水することができる。
請求項9に記載の発明によれば、内部に排気ガス流路が形成されたハウジングと、このハウジングの圧入部に圧入固定されるバルブシートと、このバルブシートに対して着座、離脱して流路孔を閉鎖、開放するバルブとによって、内燃機関より流出した排気ガスを制御する排気ガス制御弁を構成している。そして、ハウジングに、バルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との境界、あるいはバルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との間の隙間をシールするシール手段を設けている。
これによって、仮にハウジングの流路壁面とバルブシートの端面との間に形成される流路径の差による段差面、つまり排気ガス流路と流路孔との間に形成される段差面上に、排気ガス中(または排気ガス流路中)で発生した凝縮水が滞留した場合であっても、その凝縮水が、バルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との境界、特にハウジングの圧入部に浸入し難くなる。
したがって、ハウジングの内部に設けられる排気ガス流路に、例えば排気ガスクーラを通過する際に冷却された低温排気ガスが流入する場合、あるいは高濃度の硫黄分を多量に含んだ燃料を使用する内燃機関より流出した排気ガスが流入する場合で、しかもハウジングの材質として耐腐食性の劣る金属材料(例えばアルミニウム合金)を採用した場合であっても、バルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との境界、特にハウジングの圧入部への凝縮水の浸入を抑制することができる。
この結果、安価で、しかもシステム全体の搭載性を悪化させることなく、ハウジングの圧入部の腐食の進行を抑制することができるので、ハウジングの圧入部の耐久寿命を向上させることができる。また、ハウジングの圧入部からバルブシートが脱落するのを抑制することができる。
請求項10および請求項11に記載の発明によれば、バルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との境界に、この境界をシールするシール剤を塗布する、あるいはバルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との間の隙間に、この隙間をシールするシール材を装着することにより、バルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との境界への凝縮水の滞留または浸入を抑制することができる。なお、バルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との境界全体にシール剤を塗布することが望ましい。また、バルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との間の隙間のうちで、最も排気ガス流路側に位置する部分にシール材を装着することが望ましい。
請求項12に記載の発明によれば、アルミニウム合金によってハウジングを形成しても良い。なお、腐食物質(硫黄酸化物や硫酸等)に対して耐腐食性に劣るが、大量生産に適し、寸法精度や表面の平滑度の高さ、薄肉軽量化、切削加工の削減等の効果を有するアルミニウムダイカストによってハウジングを形成しても良い。また、ハウジングの材質として、バルブシートよりも耐腐食性に劣る金属材料(例えばアルミニウム合金等)を使用しても良い。
請求項13に記載の発明によれば、ステンレス鋼によってバルブシートを形成しても良い。また、バルブシートの材質として、ハウジングよりも耐腐食性に優れる金属材料(例えばステンレス鋼等)を使用しても良い。
本発明を実施するための最良の形態は、安価で、しかもシステム全体の搭載性を悪化させることなく、ハウジングの圧入部の腐食を防止または抑制する、あるいはハウジングの圧入部の腐食の進行を抑制するという目的を、ハウジングの流路壁面とバルブシートの端面との間に形成される流路径の差による段差面、つまり排気ガス流路と流路孔との間に形成される段差面の面積を縮小化またはゼロにすることで実現した。あるいはハウジングの流路壁面とバルブシートの端面との間に形成される流路径の差による段差面、つまり排気ガス流路と流路孔との間に形成される段差面から、バルブシートの圧入面とハウジングの圧入部との境界、特にハウジングの圧入部への凝縮水の浸入を抑制することで実現した。
[実施例1の構成]
図1(b)および図2は本発明の実施例1を示したもので、図2は排気ガス還流量制御弁を示した図である。
本実施例の排気ガス再循環装置は、例えば自動車等の車両に搭載される内燃機関(以下エンジンと呼ぶ)に使用されるもので、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスの一部であるEGRガス(排気再循環ガス)等の高温流体を、エンジンの吸気系に導いて再循環させるEGR装置である。ここで、エンジンは、燃料が直接燃焼室内に噴射供給される直接噴射式のディーゼルエンジンが採用されている。なお、エンジンとして、高濃度の硫黄分を多量に含んだ燃料を使用するディーゼルエンジンを採用しても良い。そして、エンジンは、各気筒毎の燃焼室内に吸入空気を供給するためのエンジン吸気管、および各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスを排気浄化装置を経由して外部に排出するためのエンジン排気管を有している。
また、排気ガス再循環装置は、エンジン排気管からエンジン吸気管にEGRガスを導入する排気ガス還流管と、この排気ガス還流管の途中に配設された排気ガス還流量制御弁(以下EGR制御弁と呼ぶ)と、このEGR制御弁の弁体のバルブ開度に相当するリフト量を電子制御するエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)とを備えている。ここで、排気ガス還流管のEGRガス流方向の上流端は、エンジン排気管(例えばエキゾーストマニホールド)に気密的に接続されている。また、排気ガス還流管のEGRガス流方向の下流端は、エンジン吸気管(例えばインテークマニホールド)に気密的に接続されている。なお、EGR制御弁よりもEGRガスの流れ方向の上流側に、高温EGRガスをエンジン冷却水と熱交換させてEGRガスを冷却する排気ガスクーラ(以下EGRクーラと呼ぶ)を接続しても良い。すなわち、EGRクーラを備えた排気ガス再循環装置において、EGRクーラよりもEGRガスの流れ方向の下流側にEGR制御弁を接続しても良い。
本実施例のEGR制御弁は、本発明の排気ガス制御弁に相当するもので、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスの一部であるEGRガスを吸入空気中に混入させるEGR量(新規吸入空気量に対するEGR率)を可変制御する電磁式流量制御弁(電磁弁)である。このEGR制御弁の弁体は、エンジン吸気管に再循環させるEGRガスの還流量(EGR量)を可変制御するダブルポペットバルブが採用されている。このダブルポペットバルブは、EGRガスの流量に相当するEGR量を可変制御する2つの第1、第2バルブ1、2と、これらの第1、第2バルブ1、2と一体的に動作するバルブシャフト3とによって構成されている。
そして、EGR制御弁は、上記のダブルポペットバルブと、第1バルブ1によって開閉される第1流路孔11を形成する第1バルブシート4と、第2バルブ2によって開閉される第2流路孔12を形成する第2バルブシート5と、バルブシャフト3に対して2つの第1、第2バルブ1、2を各第1、第2バルブシート4、5に押し当てる方向(各第1、第2流路孔を閉じる側)に付勢するバネ荷重(付勢力、スプリング力)を与えるコイルスプリング(荷重付与手段)6と、圧入嵌合等によって2つの第1、第2バルブシート4、5を保持固定するバルブハウジング7と、このバルブハウジング7の内部においてダブルポペットバルブを軸線方向に開弁駆動または閉弁駆動するバルブ駆動装置(電磁式アクチュエータ、電磁駆動部)とを備えている。
ここで、電磁式アクチュエータは、通電によって磁力を発生するソレノイドコイル9を含む電磁石と、この電磁石に吸引されるムービングコア21と、2つの第1、第2バルブ1、2およびバルブシャフト3とムービングコア21とを連結するソレノイドシャフト22と、ムービングコア21およびソレノイドシャフト22をバルブシャフト3のシャフト外径部に形成された鍔状部(後述する)に押し付ける方向に付勢するコイルスプリング23とによって構成されている。
電磁石は、ソレノイドコイル9、ステータコア24、マグネチックプレート25およびヨーク26を有している。これらのうちステータコア24、マグネチックプレート25およびヨーク26は、ソレノイドコイル9に駆動電力が供給されると磁化されて電磁石となる。また、ステータコア24は、ムービングコア21を吸引するための吸引部を有している。
ムービングコア21は、ソレノイドシャフト22の外周に圧入固定されており、ソレノイドコイル9に駆動電力が供給されると磁化されてソレノイドシャフト22を伴ってストローク方向(軸線方向の図示下方側)に移動する。このムービングコア21の内周とセンサハウジング27のスリーブ部(円筒状部)との間には、コイルスプリング23が収容されている。ソレノイドシャフト22は、軸受部材28、29を介して、センサハウジング27のスリーブ部および電磁石のステータコア24の内周に摺動自在に支持されている。そして、電磁式アクチュエータ、特にヨーク26は、バルブハウジング7の図示上端面にボルト等の締結具30を用いて締め付け固定されている。
ソレノイドコイル9は、樹脂製のコイルボビン31の外周に、絶縁被膜を施した導線が複数回巻装されており、駆動電力が供給されると磁気吸引力(起磁力)を発生する励磁コイルで、通電されると周囲に磁束を発生する。これにより、ムービングコア21、ステータコア24、マグネチックプレート25およびヨーク26が磁化されるため、ムービングコア21がステータコア24の吸引部に吸引されてストローク方向(軸線方向の図示下方側)に移動する。そして、ソレノイドコイル9およびコイルボビン31は、ステータコア24の円筒状部およびマグネチックプレート25の円筒状部の外周とヨーク26の円筒状部の内周との間に形成される円筒状空間(コイル収納部)に保持されている。そして、ソレノイドコイル9は、コイルボビン31の一対の鍔状部間に巻装されたコイル部、およびこのコイル部より取り出された一対の端末リード線(端末線)を有している。
なお、ソレノイドコイル9のコイル部の外径側は、樹脂ケースとして機能する樹脂モールド部材32によって被覆されて保護されている。また、ソレノイドコイル9の一対の端末リード線は、一対の外部接続端子(ターミナル)33に、例えばかしめまたは溶接等により電気的に接続されている。また、一対のターミナル33の先端部は、樹脂製のセンサハウジング27のコネクタシェル(雄型コネクタ)34内に露出して、外部電源側または電磁弁駆動回路側の雌型コネクタに差し込まれて電気的な接続を成すコネクタピンとして機能する。
そして、EGR制御弁、特に電磁式アクチュエータの図示上端部に組み付けられたセンサハウジング27には、2つの第1、第2バルブ1、2のバルブ開度を電気信号に変換し、ECUへどれだけ2つの第1、第2バルブ1、2が開いているかを出力するリフト量センサ(バルブ開度センサ)35が搭載されている。このリフト量センサ35は、2つの第1、第2バルブシート4、5に対するダブルポペットバルブ、つまり2つの第1、第2バルブ1、2のリフト量(図示下方側へのストローク量)を検出する。
ここで、EGR制御弁のソレノイドコイル9は、電磁弁駆動回路を介して、ECUによって通電制御されるように構成されている。そして、ECUには、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムや各種データを保存する記憶装置(ROMやRAM等のメモリ)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)および電磁弁駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、ECUは、リフト量センサ35、クランク角度センサ、アクセル開度センサ、エアフロメータおよび冷却水温度センサ等の各種センサからのセンサ信号が、A/D変換器でA/D変換された後に、ECUに内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
また、ECUは、図示しないイグニッションスイッチをオン(IG・ON)すると、マイクロコンピュータのメモリ内に格納された制御プログラムに基づいて、エンジンの運転状態に応じて制御目標値(目標開度)を演算し、リフト量センサ35によって検出されるリフト量が制御目標値に略一致するようにEGR制御弁のソレノイドコイル9に供給される供給電流量をフィードバック制御するように構成されている。また、ECUは、EGR制御弁のソレノイドコイル9を通電する時間比、例えば一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比(オン/オフ時間割合:デューティ比)を可変制御することによって、EGR制御弁のソレノイドコイル9への供給電流量を可変制御して、EGR制御弁のダブルポペットバルブのリフト量を連続的または段階的に制御(変更)するように構成されている。これにより、EGRガスをエンジン排気管からエンジン吸気管内に導入するEGR量がエンジンの運転状態に応じた最適値となるように制御される。
ダブルポペットバルブ、特に2つの第1、第2バルブ1、2は、耐熱性および耐腐食性に優れた金属材料(例えばSUS304等のステンレス鋼等)によって円環板状に形成されており、バルブシャフト3の外周に固定されている。これらの第1、第2バルブ1、2は、所定の軸線方向寸法(所定のバルブ間距離)を隔てて対向して配置されており、EGR制御弁の弁体を構成している。なお、2つの第1、第2バルブ1、2を、両方ともバルブシャフト3の外周に溶接等の手段を用いて組み付けても良い。また、2つの第1、第2バルブ1、2を、両方ともバルブシャフト3の外周に圧入固定して組み付けても良い。
第1バルブ1は、バルブハウジング7の内部において軸線方向(例えば天地方向)に往復移動可能に配設されて、第2バルブ2よりも天地方向の天側で、バルブシャフト3の中間部(シャフト外径部)の外周に組み付けられている。この第1バルブ1は、第1バルブシート4に対して着座、離脱して第1バルブシート4の内部に形成される第1流路孔11を閉鎖、開放する弁体(EGR制御弁の第1弁体)を構成している。そして、第1バルブ1は、バルブシャフト3のシャフト外径部の外周に圧入固定される円筒状の嵌合部、およびこの嵌合部より半径方向の外径側に延びる円環状のフランジ部を有している。本実施例では、第1バルブ1のフランジ部の外周端面(傾斜面)が、第1バルブシート4に着座するように構成されている。つまり、第1バルブ1のフランジ部の外周端面(傾斜面)がバルブフェースとなっている。
第2バルブ2は、バルブハウジング7の内部において軸線方向(例えば天地方向)に往復移動可能に配設されて、第1バルブ1よりも天地方向の地側で、バルブシャフト3の軸線方向の他端部(先端部)の外周に組み付けられている。この第2バルブ2は、第2バルブシート5に対して着座、離脱して第2バルブシート5の内部に形成される第2流路孔12を閉鎖、開放する弁体(EGR制御弁の第2弁体)を構成している。そして、第2バルブ2は、バルブシャフト3の先端部の外周に溶接等の手段を用いて固定される円筒状の嵌合部、およびこの嵌合部より半径方向の外径側に延びる円環状のフランジ部を有している。本実施例では、第2バルブ2のフランジ部の外周端面(傾斜面)が、第2バルブシート5に着座するように構成されている。つまり、第2バルブ2のフランジ部の外周端面(傾斜面)がバルブフェースとなっている。
バルブシャフト3は、耐熱性および耐腐食性に優れる金属材料(例えばSUS304等のステンレス鋼等)によって形成されており、バルブハウジング7の内部において2つの第1、第2バルブシート4、5を軸線方向(バルブ軸方向)に貫通するように配設されている。このバルブシャフト3は、バルブハウジング7の内部に軸線方向に摺動自在に収容されている。そして、バルブシャフト3は、円形状の断面を有し、一方側(図示上方側)から他方側(図示下方側)に向けて軸線方向に真っ直ぐに形成された円柱状の金属部材である。そして、バルブシャフト3には、圧入治具の押圧力によって第1バルブ1が押し付け(突き当て)られる第1鍔状部、およびコイルスプリング23の付勢力によってソレノイドシャフト22の軸線方向の図示下端部(先端部)が押し付け(突き当て)られる第2鍔状部を有している。
なお、バルブシャフト3の第2鍔状部には、コイルスプリング6の軸線方向の一端を保持するスプリング座36が組み付けられている。また、コイルスプリング6の軸線方向の他端は、スプリング座36に対向して配置されたスプリング座37に保持されている。すなわち、コイルスプリング6は、2つのスプリング座36、37間に弾性変形自在に配設されている。また、バルブシャフト3の外周とスプリング座37の内周との間には、EGR制御弁の内部を通過するEGRガスが大気開放孔38を介して外部に漏洩するのを防止するガスシール39が装着されている。なお、大気開放孔38は、バルブシャフト3、ソレノイドシャフト22、スプリング座36の開閉動作(軸線方向の往復動作)を容易化するための圧力抜き孔である。
第1バルブシート4は、耐熱性および耐腐食性に優れた金属材料(例えばSUS304等のステンレス鋼等)によって円環板状に一体的に形成された第1環状体(円環状板)よりなる。
この第1バルブシート4は、バルブハウジング7と別体で製造された後に、バルブハウジング7の流路壁面(第1圧入部)41に圧入固定されている。そして、第1バルブシート4は、内部に第1流路孔11が形成された円環状部を有している。この円環状部は、第1流路孔11の周囲を周方向に取り囲むように配設された開口周縁部(第1流路孔11の開口周縁部)である。また、第1バルブシート4の円環状部の内径面は、第1バルブシート4の円環状部の軸線方向の一端部から他端部に向けて、第1流路孔11の流路断面積を徐々に減少するように、第1流路孔11の中心軸線に対して所定の傾斜角度分だけ傾斜した傾斜面となっている。
第1流路孔11は、第1バルブシート4の円環状部の軸線方向の両端面(環状端面)を連通するように第1バルブシート4を板厚方向に貫通して設けられている。この第1流路孔11は、第1バルブシート4(または第1流路孔11)の軸線方向の一方側(天地方向の天側)から他方側(天地方向の地側)に向けて徐々に孔径が縮径するテーパー状(円錐台形状)の縮径孔となっている。また、第1流路孔11は、EGRガス流方向の上流側から下流側に向けて徐々に孔径が拡径するテーパー状(円錐台形状)の拡径孔となっている。なお、第1流路孔11の孔径を、第1バルブシート4の軸線方向(板厚方向)全体に渡って同一径としても良い。
そして、第1バルブシート4は、円環状部の中で最も外径側に位置する最大外径部の外径面が、バルブハウジング7の第1圧入部41に圧入固定される第1圧入面13として利用されている。また、第1バルブシート4の円環状部の軸線方向(圧入方向)の一端側(先端側)のエッジ部には、バルブハウジング7の第1圧入部41に第1バルブシート4を圧入し易いようにR形状またはテーパー形状の面取りが施されている。
そして、第1バルブシート4の円環状部の軸線方向の他端部、特に第1流路孔11の開口周縁部の開口端には、2つの第1、第2バルブ1、2の第1バルブ1が着座する円環状の第1弁座部(バルブシート部)15が設けられている。この第1弁座部15は、2つの第1、第2バルブ1、2の軸線方向の移動範囲を規制する規制部として利用されている。これにより、2つの第1、第2バルブ1、2の第1バルブ1が第1バルブシート4の第1弁座部15に着座した際に、2つの第1、第2バルブ1、2のそれ以上の軸線方向の一方側(第1流路孔11を閉じる側、閉弁作動方向)への動作が規制される。ここで、第1バルブシート4の第1弁座部15に、2つの第1、第2バルブ1、2の第1バルブ1とのシート接触面積を小さくして第1バルブシート4の密着面と第1バルブ1の密着面とのシール面圧を向上させるための円環状凸部を設けても良い。
第2バルブシート5は、耐熱性および耐腐食性に優れた金属材料(例えばSUS304等のステンレス鋼等)によって円環板状に一体的に形成された第2環状体(円環状板)よりなる。
この第2バルブシート5は、バルブハウジング7と別体で製造された後に、バルブハウジング7の流路壁面(第2圧入部)42に圧入固定されている。そして、第2バルブシート5は、内部に第2流路孔12が形成された円環状部を有している。この円環状部は、第2流路孔12の周囲を周方向に取り囲むように配設された開口周縁部(第2流路孔12の開口周縁部)である。また、第2バルブシート5の円環状部の内径面は、第2バルブシート5の円環状部の軸線方向の一端部から他端部に向けて、第2流路孔12の流路断面積を徐々に減少するように、第2流路孔12の中心軸線に対して所定の傾斜角度分だけ傾斜した傾斜面となっている。
第2流路孔12は、第2バルブシート5の円環状部の軸線方向の両端面(環状端面)を連通するように第2バルブシート5を板厚方向に貫通して設けられている。この第2流路孔12は、第2バルブシート5(または第2流路孔12)の軸線方向の一方側(天地方向の天側)から他方側(天地方向の地側)、すなわち、EGRガス流方向の上流側から下流側に向けて徐々に孔径が縮径するテーパー状(円錐台形状)の縮径孔となっている。なお、第2流路孔12の孔径を、第2バルブシート5の軸線方向(板厚方向)全体に渡って同一径としても良い。
そして、第2バルブシート5は、円環状部の中で最も外径側に位置する最大外径部の外径面が、バルブハウジング7の第2圧入部42に圧入固定される第2圧入面14として利用されている。また、第2バルブシート5の円環状部の軸線方向(圧入方向)の一端側(先端側)のエッジ部には、バルブハウジング7の第2圧入部42に第2バルブシート5を圧入し易いようにR形状またはテーパー形状の面取りが施されている。
そして、第2バルブシート5の円環状部の軸線方向の他端部、特に第2流路孔12の開口周縁部の開口端には、2つの第1、第2バルブ1、2の第2バルブ2が着座する円環状の第2弁座部(バルブシート部)16が設けられている。この第2弁座部16は、2つの第1、第2バルブ1、2の軸線方向の移動範囲を規制する規制部として利用されている。これにより、2つの第1、第2バルブ1、2の第2バルブ2が第2バルブシート5の第2弁座部16に着座した際に、2つの第1、第2バルブ1、2のそれ以上の軸線方向の一方側(第2流路孔12を閉じる側、閉弁作動方向)への動作が規制される。ここで、第2バルブシート5の第2弁座部16に、2つの第1、第2バルブ1、2の第2バルブ2とのシート接触面積を小さくして第2バルブシート5の密着面と第2バルブ2の密着面とのシール面圧を向上させるための円環状凸部を設けても良い。
バルブハウジング7は、アルミニウムを主体とするアルミニウム合金(Al−Cu−Si系合金またはAl−Mg系合金)よりなるダイカスト製品(アルミニウムダイカスト製品:例えばJIS記号AC2A,2BまたはJIS記号AC7A,7B)またはアルミニウム鋳物(アルミニウム鋳造成形品)であって、アルミニウム合金によって所定の形状に形成されている。そして、バルブハウジング7は、内部にダブルポペットバルブを軸線方向に移動自在に保持する装置である。ここで、本実施例のEGR制御弁、特にバルブハウジング7は、図2に示したように、2つの第1、第2バルブ1、2の軸線方向、つまりバルブシャフト3の軸線方向(バルブ軸方向)が天地方向と略同一となるように例えば自動車等の車両のエンジンルーム内部に設置されている。そして、バルブハウジング7は、排気ガス還流管(またはエンジン排気管)および排気ガス還流管(またはエンジン吸気管)にボルト等の締結具(図示せず)を用いて締め付け固定されている。
バルブハウジング7の軸線方向の一端部(図示上端部)には、電磁式アクチュエータの結合端面(ステータコア24の片端面およびヨーク26の片端面)に結合する円環状の結合端面が設けられている。そして、バルブハウジング7は、電磁式アクチュエータの軸線方向の他端面(ステータコア24の片端面)との間に、コイルスプリング6および2つのスプリング座36、37等を収容するスプリング収容室43を形成している。
また、バルブハウジング7には、バルブシャフト3を軸線方向に摺動自在に軸支するバルブ軸受部44が設けられている。そして、バルブシャフト3のシャフト外径部の外周とバルブハウジング7のバルブ軸受部44の内周との間には、圧入嵌合等によってハウジング内蔵部品(ガスシール39、ブッシング45等)が嵌合保持されている。
ガスシール39は、例えばゴムシールであって、円環形状に形成されている。また、ブッシング45は、例えば銅や鉄等の金属材料を焼結した焼結部品(軸受部品)または焼結含油軸受(軸受部品)であって、バルブハウジング7のバルブ軸受部44の内周に圧入固定されている。このブッシング45の内部には、バルブシャフト3のシャフト外径部を軸線方向に摺動自在に軸支する摺動孔が形成されている。そして、バルブシャフト3のシャフト外径部の外周面とブッシング45の摺動孔の孔壁面(内周面)との間には、バルブシャフト3をブッシング45の内部で円滑に往復摺動させるために、円筒状隙間(クリアランス)が形成されている。
ここで、ダブルポペットバルブは、燃焼残滓やカーボン等の微粒子状の不純物(煤、煤に付着している炭化水素、黒煙や不完全燃焼物等の粉末状固体微粒子:パティキュレート)が含まれるEGRガスが流れるバルブハウジング7の内部に開閉自在に収容されている。このため、エンジンの運転中に、排気ガス中に含まれる微粒子状の不純物が、2つの第1、第2バルブ1、2の表面、バルブシャフト3のシャフト外径面、バルブハウジング7の流路壁面に付着し堆積してデポジットを形成する可能性がある。特に、排気ガス中に含まれる微粒子状の不純物がバルブシャフト3のシャフト外径部の外周面とブッシング45の摺動孔の孔壁面との間に侵入すると、ダブルポペットバルブの動作不良が発生する可能性がある。
そこで、本実施例では、バルブシャフト3のシャフト外径部にカップ状のスリーブ46を装着している。また、バルブハウジング7の流路壁面には、スリーブ46の内部に入り込み、EGRガスがブッシング45に直接当たることを防止するための円筒状のガイド47が装着されている。これらのスリーブ46およびガイド47によって排気ガス中に含まれる微粒子状の不純物がバルブシャフト3のシャフト外径部の外周面とブッシング45の摺動孔の孔壁面との間に侵入するのを抑制している。これにより、ダブルポペットバルブの動作不良の発生を防止できる。
そして、バルブハウジング7には、流路管部(三方流路管部)50、この流路管部50よりもEGRガス流方向の下流側に接続される第1流路管部51、および流路管部50よりもEGRガス流方向の下流側に接続される第2流路管部52が一体的に形成されている。そして、バルブハウジング7の内部には、エンジン排気管に接続する排気ガス還流管の下流端(またはEGRクーラの出口側)から、エンジン吸気管に接続する排気ガス還流管の上流端に向けてEGRガスが流れる2つの第1、第2排気ガス経路が形成されている。
第1排気ガス経路は、1つの入口ポート(入口部)53から導入されたEGRガスを、流路管部50の内部に形成された排気ガス流路54、第1バルブシート4の内部に形成された第1流路孔11、第1流路管部51の内部に形成された第1排気ガス流路55を経由して第1出口ポート(第1出口部)56より排出する経路である。
第2排気ガス経路は、入口ポート53から導入されたEGRガスを、排気ガス流路54、第2バルブシート5の内部に形成された第2流路孔12、第2流路管部52の内部に形成された第2排気ガス流路57を経由して第2出口ポート(第2出口部)58より排出する経路である。
ここで、排気ガス流路54は、2つの第1、第2流路孔11、12の入口側に連通しており、第1バルブシート4よりも天地方向の地側に設けられ、且つ第2バルブシート5よりも天地方向の天側に設けられている。また、第1排気ガス流路55は、第1流路孔11の出口側に連通しており、第1バルブシート4よりも天地方向の天側に設けられている。また、第2排気ガス流路57は、第2流路孔12の出口側に連通しており、第2バルブシート5よりも天地方向の地側に設けられている。なお、EGR制御弁の2つの第1、第2出口ポート56、58よりもEGRガス流方向の下流側に接続される排気ガス還流管内に形成される排気ガス還流路には、2つの第1、第2出口ポート56、58より排出されたEGRガスを合流させる合流部が設けられている。
そして、バルブハウジング7の流路管部50と第1流路管部51との間には、排気ガス流路54と第1排気ガス流路55とを気密的に区画する第1隔壁部が設けられている。この第1隔壁部には、円形状断面を有する第1圧入孔、およびこの第1圧入孔よりも孔径の小さい第1バルブポート(第1排気ガス流路55の入口側ポート)が設けられている。
バルブハウジング7の第1隔壁部は、第1圧入孔の孔壁面が、圧入嵌合等によって第1バルブシート4の第1圧入面13を締まり嵌めする第1圧入部41として利用されている。このため、第1バルブシート4は、バルブハウジング7の第1圧入部41に強固に嵌合保持されて組み付けられる。
なお、第1バルブシート4は、バルブハウジング7の第1圧入部41の内径(第1圧入孔の孔径)よりも大きい最大外径部(第1圧入面13)を有している。したがって、第1バルブシート4をバルブハウジング7に組み付ける場合には、先ず第1バルブシート4をバルブハウジング7の入口ポート53から排気ガス流路54の内部に嵌め込む。次に、第1バルブシート4を、圧入治具によって第1ブロック61の第1係止部63に第1バルブシート4の環状端面が当接する(突き当たる)まで圧入方向に押圧して第1圧入孔の内部に差し込む。これにより、第1バルブシート4が、バルブハウジング7の第1圧入部41、すなわち、第1圧入孔の孔壁面に圧入固定される。
そして、バルブハウジング7の第1圧入部41よりも軸線方向の一方側(天地方向の天側)、また、第1バルブシート4よりもEGRガス流方向の下流側には、円環状の第1ブロック(内周突起、内周凸部)61が設けられている。この第1ブロック61は、第1隔壁部の第1圧入部41よりも天地方向の天側の流路壁面を、第1バルブシート4の第1圧入面13とバルブハウジング7の第1圧入部41との境界および第1バルブシート4の軸線方向の一端面(環状端面、天側端面)を部分的に被覆するように第1バルブシート4の環状端面上に張り出す(突き出させる)ことで設けられている。
そして、第1ブロック61は、第1圧入部近傍の流路壁面の全周に渡って周方向に均等な肉厚で円環状に配設されて、内部に第1排気ガス流路55の入口側ポートが形成された流路管部(バルブハウジング7の流路壁部)を構成している。また、第1ブロック61は、第1バルブシート4の環状端面に対向する対向面が、第1バルブシート4の環状端面に密着または接触して第1バルブシート4の環状端面を係止する第1係止部(第1規制面)63として利用されている。この第1係止部63は、バルブハウジング7の第1圧入部41に対する第1バルブシート4の軸線方向位置を規制する弁座位置規制手段として機能する。なお、第1係止部63を、第1バルブシート4の環状端面に密着または接触する第1当接部として利用しても良い。
第1ブロック61および第1係止部63は、バルブハウジング7の第1圧入部41を通り、バルブシャフト3の軸線方向と平行な基準線(仮想の基準線、想像線)から、第1排気ガス流路55の入口側ポートの中心軸線側に向けて突き出すように配設されている。また、第1ブロック61および第1係止部63は、バルブハウジング7の第1圧入部41を通り、バルブシャフト3の軸線方向と平行な基準線から、第1排気ガス流路55の入口側ポートの流路断面積を縮小化する方向に突き出すように配設されている。さらに、第1ブロック61および第1係止部63は、第1隔壁部の内周面(バルブハウジング7の流路壁面)の全周に渡って、第1排気ガス流路55の入口側ポートの周囲を周方向に取り囲むように配設されている。
なお、第1圧入部41のみで第1バルブシート4を確実に嵌合保持できる場合には、バルブハウジング7の第1隔壁部から第1ブロック61および第1係止部63を廃止しても良い。
そして、バルブハウジング7の流路管部50と第2流路管部52との間には、排気ガス流路54と第2排気ガス流路57とを気密的に区画する第2隔壁部が設けられている。この第2隔壁部には、円形状断面を有する第2圧入孔、およびこの第2圧入孔よりも孔径の小さい第2バルブポート(排気ガス流路54の出口側ポート)が設けられている。
バルブハウジング7の第2隔壁部は、第2圧入孔の孔壁面が、圧入嵌合等によって第2バルブシート5の第2圧入面14を締まり嵌めする第2圧入部42として利用されている。このため、第2バルブシート5は、バルブハウジング7の第2圧入部42に強固に嵌合保持されて組み付けられる。
なお、第2バルブシート5は、バルブハウジング7の第2圧入部42の内径(第2圧入孔の孔径)よりも大きい最大外径部(第2圧入面14)を有している。したがって、第2バルブシート5をバルブハウジング7に組み付ける場合には、先ず第2バルブシート5をバルブハウジング7の開口部65から第2排気ガス流路57の内部に嵌め込む。次に、第2バルブシート5を、圧入治具によって第2ブロック62の第2係止部64に第2バルブシート5の環状端面が当接する(突き当たる)まで圧入方向に押圧して第2圧入孔の内部に差し込む。これにより、第2バルブシート5が、バルブハウジング7の第2圧入部42、すなわち、第2圧入孔の孔壁面に圧入固定される。その後、バルブハウジング7の開口部65は、プラグ66によって気密的に閉塞される。
そして、バルブハウジング7の第2圧入部42よりも軸線方向の一方側(天地方向の天側)、また、第2バルブシート5よりもEGRガス流方向の上流側には、円筒状の第2ブロック(内周突起、内周凸部)62が設けられている。この第2ブロック62は、第2隔壁部の第2圧入部42よりも天地方向の天側の流路壁面を、第2バルブシート5の第2圧入面14とバルブハウジング7の第2圧入部42との境界および第2バルブシート5の軸線方向の一端面(環状端面、天側端面)を部分的に被覆するように第2バルブシート5の環状端面上に張り出す(突き出させる)ことで設けられている。
そして、第2ブロック62は、第2圧入部近傍の流路壁面の全周に渡って周方向に均等な肉厚で円筒状に配設されて、内部に排気ガス流路54の出口側ポートが形成された流路管部(バルブハウジング7の流路壁部)を構成している。また、第2ブロック62は、第2バルブシート5の環状端面に対向する対向面が、第2バルブシート5の環状端面に密着または接触して第2バルブシート5の環状端面を係止する第2係止部(第2規制面)64として利用されている。この第2係止部64は、バルブハウジング7の第2圧入部42に対する第2バルブシート5の軸線方向位置を規制する弁座位置規制手段として機能する。なお、第2係止部64を、第2バルブシート5の環状端面に密着または接触する第2当接部として利用しても良い。
第2ブロック62および第2係止部64は、バルブハウジング7の第2圧入部42を通り、バルブシャフト3および排気ガス流路54の軸線方向と平行な基準線Aから、排気ガス流路54の出口側ポートの中心軸線側に向けて突き出すように配設されている。また、第2ブロック62および第2係止部64は、バルブハウジング7の第2圧入部42を通り、バルブシャフト3および排気ガス流路54の軸線方向と平行な基準線Aから、排気ガス流路54の出口側ポートの流路断面積を縮小化する方向に突き出すように配設されている。さらに、第2ブロック62および第2係止部64は、第2隔壁部の内周面(バルブハウジング7の流路壁面)の全周に渡って、排気ガス流路54の出口側ポートの周囲を周方向に取り囲むように配設されている。
[実施例1の作用]
次に、本実施例のEGR制御弁の作用を図2に基づいて簡単に説明する。
ECUは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、エンジン冷間始動時を除き、リフト量センサ35によって検出されるリフト量が、エンジンの運転状態に対応して設定される制御目標値に略一致するように、一制御周期当たりのオン時間とオフ時間との時間比(デューティ比)を可変制御している。すなわち、デューティ比制御の制御周波数を、ECUで演算された制御指令値(例えばデューティ比の制御信号)に基づいて可変制御している。なお、制御指令値は、リフト量センサ35によって検出されるリフト量(実リフト量)とエンジンの運転状態に対応して設定される制御目標値(目標リフト量)との偏差に応じて設定される。これによって、EGR制御弁のソレノイドコイル9への供給電流量が制御されてEGR制御弁のダブルポペットバルブ(2つの第1、第2バルブ1、2)のリフト量が連続的または段階的に変更される。
ここで、EGR制御弁のソレノイドコイル9が通電されると、ソレノイドコイル9に起磁力が発生し、ムービングコア21、ステータコア24、マグネチックプレート25およびヨーク26が磁化される。これにより、ムービングコア21がステータコア24の吸引部に吸引される。このとき、EGR制御弁のソレノイドコイル9への供給電流量(単位時間当たりの電力量)が大きい程、ソレノイドコイル9に発生する起磁力が大きくなるので、図2に示したデフォルト位置からのムービングコア21のストローク量も大きくなる。そして、ムービングコア21の軸線方向の移動に伴ってソレノイドシャフト22も軸線方向に移動する。
これに伴って、ソレノイドシャフト22の移動によってバルブシャフト3が軸線方向に押し出されるため、バルブシャフト3の外周に固定された2つの第1、第2バルブ1、2の各バルブフェースが、バルブハウジング7の2つの第1、第2圧入部41、42に圧入固定された2つの第1、第2バルブシート4、5の各第1、第2弁座部15、16より同時に離脱(離座)し、2つの第1、第2流路孔11、12が開放される。このとき、エンジンの運転状態に対応して設定される制御目標値(目標リフト量)に対応したリフト量(バルブ開度)分だけ、2つの第1、第2流路孔11、12が開放される。
したがって、EGR制御弁のダブルポペットバルブ(2つの第1、第2バルブ1、2)は、コイルスプリング6の付勢力に抗して、制御目標値に相当するリフト量に開弁制御される。これにより、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスの一部であるEGRガスが、エンジン排気管内に形成される排気通路から、排気ガス還流管内に形成される排気ガス還流路(またはEGRクーラの排気ガス冷却通路)、EGR制御弁内に形成される2つの第1、第2排気ガス経路、排気ガス還流管内に形成される排気ガス還流路を経てエンジン吸気管内に形成される吸気通路に再循環される。すなわち、EGRガスがエンジンの各気筒毎の燃焼室に供給される吸入空気に混入される。
ここで、排気ガス還流管内に形成される排気ガス還流路(またはEGRクーラの排気ガス冷却通路)からEGR制御弁内の第1排気ガス経路に導入されたEGRガスは、入口ポート53→排気ガス流路54→第1流路孔11→第1排気ガス流路55を経由して第1出口ポート56よりエンジン吸気管内に形成される吸気通路に排出される。
また、排気ガス還流管内に形成される排気ガス還流路(またはEGRクーラの排気ガス冷却通路)からEGR制御弁内の第2排気ガス経路に導入されたEGRガスは、入口ポート53→排気ガス流路54→第2流路孔12→第2排気ガス流路57を経由して第2出口ポート58よりエンジン吸気管内に形成される吸気通路に排出される。
一方、EGR制御弁のダブルポペットバルブ(2つの第1、第2バルブ1、2)を全閉作動させる場合には、EGR制御弁のソレノイドコイル9への通電を停止する、あるいはEGR制御弁のソレノイドコイル9への供給電流量を制限する。このため、EGR制御弁のダブルポペットバルブ(2つの第1、第2バルブ1、2)が、コイルスプリング6の付勢力によってバルブ全閉位置に戻される。
これによって、2つの第1、第2バルブ1、2の各バルブフェースが、2つの第1、第2バルブシート4、5の各第1、第2弁座部15、16に同時に密着(着座)し、2つの第1、第2流路孔11、12が閉鎖される。これにより、2つの第1、第2バルブ1、2の全閉時に、EGRガスの洩れが確実に抑止されるため、EGRガスが吸入空気に混入しなくなる。
[実施例1の特徴]
ここで、排気ガス再循環装置に組み込まれるEGR制御弁は、アルミニウムダイカスト製品であるバルブハウジング7と、このバルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42に圧入固定された2つの第1、第2バルブシート4、5と、第1バルブシート4の第1弁座部15に着座して第1流路孔11を閉鎖する第1バルブ1、および第2バルブシート5の第2弁座部16に着座して第2流路孔12を閉鎖する第2バルブ2をバルブシャフト3の外周に固定したダブルポペットバルブと、このダブルポペットバルブを駆動する電磁式アクチュエータとによって構成されている。
なお、アルミニウムダイカストは、腐食物質(硫黄酸化物や硫酸等)に対して耐腐食性に劣るが、大量生産に適し、寸法精度や表面の平滑度の高さ、薄肉軽量化、切削加工の削減等の効果を有するため、バルブハウジング7に使用されている。また、ステンレス鋼は、アルミニウムダイカストよりも耐腐食性に優れる金属材料であるため、EGR制御弁の主要部品である2つの第1、第2バルブ1、2、バルブシャフト3および2つの第1、第2バルブシート4、5に使用されている。
そして、排気ガス還流管の途中にEGRクーラを設置した排気ガス再循環装置においては、EGRクーラによってEGRガスを冷却しているため、EGRガス中(または排気ガス流路中)に、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)が溶解した凝縮水が発生する頻度が高い。
また、EGRクーラよりもEGRガス流方向の下流側にEGR制御弁を設置した排気ガス再循環装置においては、発生した凝縮水が、排気ガス中に含まれる硫黄酸化物(SOx)と反応し、それによって生成された硫酸により、EGR制御弁のバルブハウジング7の流路壁面、特に2つの第1、第2圧入部近傍の流路壁面の腐食が懸念される。あるいは、高濃度の硫黄分を多量に含んだ燃料を使用するエンジンにおいては、EGRクーラを備えなくても、排気ガス中に含まれる硫黄酸化物(SOx)によってEGR制御弁のバルブハウジング7の流路壁面、特に2つの第1、第2圧入部近傍の流路壁面の腐食の進行が加速される場合がある。
そこで、本実施例のEGR制御弁のバルブハウジング7は、第1圧入部41よりも天地方向の天側の流路壁面が、第1バルブシート4の第1圧入面13とバルブハウジング7の第1圧入部41との境界および第1バルブシート4の環状端面を部分的に被覆するように第1バルブシート4の環状端面上に張り出している。すなわち、バルブハウジング7の第1圧入部41よりも天地方向の天側、また、第1バルブシート4よりもEGRガス流方向の下流側に、第1圧入部41を通る基準線Aから、第1排気ガス流路55の入口側ポートの中心軸線側に向けて突き出すように、しかも第1圧入部41を通る基準線Aから、第1排気ガス流路55の入口側ポートの流路断面積を縮小化する方向に突き出すように円環状の第1ブロック61が配設されている。
そして、第1ブロック61の図示下端面、つまり第1バルブシート4の環状端面に対向する対向面(第1係止部63)は、第1バルブシート4の環状端面に密着または接触している。これによって、第1バルブシート4の環状端面上に張り出した第1ブロック61の第1係止部63によって、第1バルブシート4の環状端面を部分的に円環状に被覆することができるので、第1ブロック61の流路壁面と第1バルブシート4の環状端面との間に形成される流路径の差による第1段差面(91)、すなわち、第1排気ガス流路55の入口側ポートと第1流路孔11との間に形成される第1段差面(91)の面積を縮小化(従来の技術と比べて小さく)することが可能となる。
また、本実施例のEGR制御弁のバルブハウジング7は、第2圧入部42よりも天地方向の天側の流路壁面が、第2バルブシート5の第2圧入面14とバルブハウジング7の第2圧入部42との境界および第2バルブシート5の環状端面を部分的に被覆するように第2バルブシート5の環状端面上に張り出している。すなわち、バルブハウジング7の第2圧入部42よりも天地方向の天側、また、第2バルブシート5よりもEGRガス流方向の上流側に、第2圧入部42を通る基準線Aから、排気ガス流路54の出口側ポートの中心軸線側に向けて突き出すように、しかも第2圧入部42を通る基準線Aから、排気ガス流路54の出口側ポートの流路断面積を縮小化する方向に突き出すように円筒状の第2ブロック62が配設されている。
そして、第2ブロック62の図示下端面、つまり第2バルブシート5の環状端面に対向する対向面(第2係止部64)は、第2バルブシート5の環状端面に密着または接触している。これによって、第2バルブシート5の環状端面上に張り出した第2ブロック62の第2係止部64によって、第2バルブシート5の環状端面を部分的に円環状に被覆することができるので、第2ブロック62の流路壁面と第2バルブシート5の環状端面との間に形成される流路径の差による第2段差面(92)、すなわち、排気ガス流路54の出口側ポートと第2流路孔12との間に形成される第2段差面(92)の面積を縮小化(従来の技術と比べて小さく)することが可能となる。
以上により、EGRガス中(または排気ガス流路中)で発生した凝縮水、特にEGRガス中に含まれる硫黄酸化物(SOx)が溶解した凝縮水が、2つの第1、第2バルブシート4、5の各第1、第2段差面上に滞留し難くなり、2つの第1、第2バルブシート4、5の各第1、第2圧入面13、14とバルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42との境界、特にバルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42、つまり第1、第2隔壁部の各第1、第2圧入孔の孔壁面への凝縮水の滞留または浸入も抑制される。よって、バルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42の腐食の進行を抑制することができる。
また、2つの第1、第2バルブシート4、5の各第1、第2圧入面13、14とバルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42との境界が、2つの第1、第2ブロック61、62の各第1、第2係止部63、64によって被覆されているため、2つの第1、第2バルブシート4、5の各第1、第2圧入面13、14とバルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42との境界、特にバルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42、つまり第1、第2圧入孔の孔壁面が、排気ガス中に含まれる硫黄酸化物(SOx)に直接晒されることがない。また、バルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42、つまり第1、第2圧入孔の孔壁面が、EGRガス中に含まれる硫黄酸化物(SOx)と発生した凝縮水とが反応し、それによって生成された硫酸に直接晒されることもない。
したがって、バルブハウジング7の流路管部50の内部に形成された排気ガス流路54、および第1流路管部51の内部に形成された第1排気ガス流路55に、EGRクーラを通過する際に冷やされた低温EGRガスが流入する場合、あるいは高濃度の硫黄分を多量に含んだ燃料を使用するエンジンの燃焼室より流出した排気ガスが流入する場合で、しかもバルブハウジング7を硫黄酸化物(SOx)や硫酸(H2 SO4 )等に対する耐腐食性の劣るアルミニウムダイカスト製品とした場合であっても、2つの第1、第2バルブシート4、5の各第1、第2圧入面13、14とバルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42との境界、特にバルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42、つまり第1、第2隔壁部の各第1、第2圧入孔の孔壁面への凝縮水の滞留または浸入を抑制することができる。
この結果、安価で、しかもシステム全体の搭載性を悪化させることなく、バルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42の腐食の進行を抑制することができる。仮に2つの第1、第2ブロック61、62が腐食した場合でも、2つの第1、第2ブロック61、62の突出量分(上記の基準線Aから第1排気ガス流路55または排気ガス流路54の中心軸線側への突出量分)だけ、バルブハウジング7の各第1、第2圧入部近傍が腐食するまでの時間を稼ぐことができるので、バルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42の耐久寿命を向上(長寿命化)させることができる。これにより、バルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42への腐食の進行を抑制する防食構造を備えたEGR制御弁を構成することが可能となる。
また、バルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42の腐食の進行を抑制することができるので、バルブハウジング7の各第1、第2圧入部41、42から第1、第2バルブシート4、5が脱落するのを抑制することができる。したがって、ダブルポペットバルブの各第1、第2バルブ1、2を2つの第1、第2バルブシート4、5の各第1、第2弁座部15、16に密着(着座)させた場合に、ダブルポペットバルブの各第1、第2バルブ1、2によって2つの第1、第2バルブシート4、5の内部に形成される各第1、第2流路孔11、12を気密的に閉鎖することができるので、バルブ全閉時におけるシール性の悪化を防止することができる。
図3は本発明の実施例2を示したもので、図3(a)〜(c)はEGR制御弁の主要構造を示した図である。
本実施例のEGR制御弁は、図3(a)、(c)に示したように、第2バルブシート5の円環状部の内径面が、第2バルブシート5の円環状部の軸線方向の一端部から他端部に向けて、第2流路孔12の流路断面積を徐々に減少するように、第2流路孔12の中心軸線に対して所定の傾斜角度分だけ傾斜した傾斜面となっている。つまり、第2流路孔12は、第2バルブシート5(または第2流路孔12)の軸線方向の一方側(天地方向の天側)から他方側(天地方向の地側)、すなわち、EGRガス流方向の上流側から下流側に向けて徐々に孔径が縮径するテーパー状(円錐台形状)の縮径孔となっている。なお、図3(b)に示したように、第2バルブシート5の第2流路孔12の孔径を、第2バルブシート5の軸線方向(板厚方向)全体に渡って同一径としても良い。
また、バルブハウジング7は、図3(a)、(b)に示したように、流路管部50の流路壁面、特に第2ブロック62の流路壁面が、排気ガス流路54の流路断面積を第2バルブシート5の環状端面に近づくに従って徐々に減少するように、バルブハウジング7の第2圧入部42を通り、バルブシャフト3および排気ガス流路54の軸線方向と平行な基準線Aに対して所定の傾斜角度分だけ傾斜した傾斜面となっている。また、第2ブロック62の流路壁面(傾斜面)は、図3(a)に示したように、第2バルブシート側の開口端で、第2流路孔12の孔壁面(傾斜面)に滑らかに繋がるように傾斜している。
また、バルブハウジング7の流路管部50の第2ブロック62のうちで第2バルブシート側に位置する部位(第2係止部64)の内径は、図3(a)、(b)に示したように、第2バルブシート5の第2圧入面14の外径よりも小さく、しかも第2バルブシート5の第2流路孔12の孔径と略同一寸法である。なお、図3(c)に示したように、実施例1の第2ブロック(円筒体)62を使用し、第2ブロック62の内径を、第2バルブシート5の第2流路孔12の孔径の中で最も大きい最大孔径よりも小さくしても良い。
そして、第2ブロック62は、第2バルブシート5の環状端面に対向する第2係止部64が、第2バルブシート5の第2圧入面14とバルブハウジング7の第2圧入部42との境界および第2バルブシート5の環状端面を全体的に被覆するように第2バルブシート5の環状端面上に張り出すように設けられている。
以上のように、本実施例のEGR制御弁においては、図3(a)に示したように、第2バルブシート5の環状端面が第2ブロック62の第2係止部64によって全体的に被覆されるため、第2ブロック62の流路壁面と第2バルブシート5の環状端面との間に形成される流路径の差による第2段差面、つまり排気ガス流路54の出口側ポートと第2流路孔12との間に形成される第2段差面の面積がゼロになる。また、バルブハウジング7の流路管部50の流路壁面に付着し、流路管部50の流路壁面を伝って第2ブロック62の流路壁面(傾斜面)に到達した凝縮水、あるいは第2ブロック62の孔壁面(傾斜面)に直接付着した凝縮水は、重力によって第2ブロック62の流路壁面(傾斜面)、第2バルブシート5の円環状部の孔壁面(傾斜面)を伝って第2バルブシート5よりも天地方向の地側に形成される第2排気ガス流路57内に円滑に排水される。
したがって、EGRガス中に含まれる硫黄酸化物(SOx)が溶解した凝縮水が、第2バルブシート5の第2段差面上に滞留しなくなる。これにより、第2バルブシート5の環状端面上に凝縮水が溜まらない構造を備えたEGR制御弁を構成することが可能となる。 なお、第2バルブシート5の環状端面上に凝縮水が溜まらない構造を、第1バルブシート4の環状端面上に凝縮水が溜まらない構造となるように、バルブハウジング7の第1圧入部近傍の流路壁面に採用しても良い。
図4および図5は本発明の実施例3を示したもので、図4はEGR制御弁を示した図で、図5(a)、(b)はEGR制御弁の主要構造を示した図である。
本実施例のEGR制御弁は、図4に示したように、軸線方向に往復移動するダブルポペットバルブと、このダブルポペットバルブを軸線方向に開弁駆動または閉弁駆動する電磁式アクチュエータ(電磁駆動部)と、エンジンの燃焼室より流出した排気ガスの一部であるEGRガスが流入する排気ガス流路54および2つの第1、第2排気ガス流路55、57等を形成するバルブハウジング7と、このバルブハウジング7の第1圧入部41に圧入固定された第1バルブシート(円環状板)4と、バルブハウジング7の第2圧入部42に圧入固定された第2バルブシート(円環状板)5とを備えている。
ここで、ダブルポペットバルブは、第1バルブシート4の第1弁座部15に対して着座、離脱して第1流路孔11を閉鎖、開放する第1バルブ1、第2バルブシート5の第2弁座部16に対して着座、離脱して第2流路孔12を閉鎖、開放する第2バルブ2、およびブッシング45等を介して、バルブハウジング7のバルブ軸受部44に摺動自在に支持されたバルブシャフト3を有している。そして、第1バルブシート4は、内部に第1流路孔11が形成された円環状部を有している。この第1バルブシート4の円環状部の外径面には、バルブハウジング7の第1圧入孔の孔壁面(第1圧入部41)に圧入固定される第1圧入面13が形成されている。また、第2バルブシート5は、内部に第2流路孔12が形成された円環状部を有している。この第2バルブシート5の円環状部の外径面には、バルブハウジング7の第2圧入孔の孔壁面(第2圧入部42)に圧入固定される第2圧入面14が形成されている。
なお、第1バルブシート4の第1圧入面13は、図4に示したように、外径の小さい第1圧入面、およびこの第1圧入面よりも外径の大きい第1圧入面等よりなる。また、2つの第1圧入面間には、円環状の第1段差面(第1被係止部)が形成されている。そして、第1バルブシート4の環状端面は、第1隔壁部の流路壁面と第1バルブシート4の環状端面との間に形成される流路径の差による第1段差面(91)、すなわち、第1排気ガス流路55の入口側ポートと第1流路孔11との間に形成される第1段差面(91)を構成している。
また、第2バルブシート5の第2圧入面14は、図4および図5(a)に示したように、外径の小さい第2圧入面14a、およびこの第2圧入面14aよりも外径の大きい第2圧入面14b等よりなる。また、2つの第2圧入面14a、14b間には、円環状の第2段差面(第2被係止部)が形成されている。そして、第2バルブシート5の環状端面は、流路管部50の流路壁面と第2バルブシート5の環状端面との間に形成される流路径の差による第2段差面(92)、すなわち、排気ガス流路54の出口側ポートと第2流路孔12との間に形成される第2段差面(92)を構成している。
そして、バルブハウジング7には、流路管部(三方流路管部)50、この流路管部50よりもEGRガス流方向の下流側に接続される第1流路管部51、および流路管部50よりもEGRガス流方向の下流側に接続される第2流路管部52が一体的に形成されている。そして、バルブハウジング7の内部には、エンジン排気管に接続する排気ガス還流管の下流端(またはEGRクーラの出口側)から、エンジン吸気管に接続する排気ガス還流管の上流端に向けてEGRガスが流れる2つの第1、第2排気ガス経路が形成されている。
第1排気ガス経路は、入口ポート53、排気ガス流路54、第1流路孔11、第1排気ガス流路55および第1出口ポート56によって構成されている。また、第2排気ガス経路は、入口ポート53、排気ガス流路54、第2流路孔12、第2排気ガス流路57および第2出口ポート58によって構成されている。すなわち、バルブハウジング7は、1つの入口ポート53に対して2つの第1、第2出口ポート56、58を備えた排気ガス分岐管を構成している。
バルブハウジング7においては、図4に示したように、流路管部50と第1流路管部51との間に、排気ガス流路54と第1排気ガス流路55とを気密的に区画する第1隔壁部を設けている。この第1隔壁部の内周面には、第1バルブシート4の第1圧入面13を締まり嵌めする第1圧入部41が設けられている。また、バルブハウジング7においては、図4および図5(a)に示したように、流路管部50と第2流路管部52との間に、排気ガス流路54と第2排気ガス流路57とを気密的に区画する第2隔壁部を設けている。この第2隔壁部の内周面には、第2バルブシート5の第2圧入面14を締まり嵌めする第2圧入部42が設けられている。
なお、バルブハウジング7の第1圧入部41は、図4に示したように、孔径の小さい第1圧入部、およびこの第1圧入部よりも孔径の大きい第1圧入部等よりなる。また、2つの第1圧入部間には、円環状の第1段差面が形成されている。そして、バルブハウジング7は、第1バルブシート4の第1段差面に対向する第1段差面が、第1バルブシート4の第1段差面に密着または接触して第1バルブシート4の第1段差面を係止する第1係止部(第1規制面)として利用されている。
また、バルブハウジング7の第2圧入部42は、図4および図5(a)に示したように、孔径の小さい第2圧入部42a、およびこの第2圧入部42aよりも孔径の大きい第2圧入部42b等よりなる。また、2つの第2圧入部42a、42b間には、円環状の第2段差面が形成されている。そして、バルブハウジング7は、第2バルブシート5の第2段差面に対向する第2段差面が、第2バルブシート5の第2段差面に密着または接触して第2バルブシート5の第2段差面を係止する第2係止部(第2規制面)64aとして利用されている。
そして、本実施例のEGR制御弁においては、図5(a)に示したように、第2バルブシート5の第2圧入面14とバルブハウジング7の第2圧入部42との境界を液密的にシールするシール剤(シール手段)71を有している。このシール剤71は、第2バルブシート5の第2圧入面14a、14bとバルブハウジング7の第2圧入部42a、42bとの境界、第2バルブシート5の第2被係止部(第2段差面)とバルブハウジング7の第2係止部(第2段差面)64aとの境界、および流路管部50と第2流路管部52との間の第2隔壁部の流路壁面(第2バルブシート5の図示下端面より図示下方に突出(露出)した流路壁面)に塗布されている。ここで、シール剤71としては、第2バルブシート5の第2圧入面14とバルブハウジング7の第2圧入部42との境界、特にバルブハウジング7の第2圧入部42への凝縮水の浸入を防止するシール性に優れるシリコンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂等が用いられる。
また、バルブハウジング7の第1圧入部41よりも天地方向の天側の流路壁面を、実施例1及び2に示したように、第1バルブシート4の第1圧入面13とバルブハウジング7の第1圧入部41との境界および第1バルブシート4の環状端面を部分的または全体的に被覆するように第1バルブシート4の環状端面上に張り出しても良い。また、バルブハウジング7の第2圧入部42よりも天地方向の天側の流路壁面を、実施例1及び2に示したように、第2バルブシート5の第2圧入面14とバルブハウジング7の第2圧入部42との境界および第2バルブシート5の環状端面を部分的または全体的に被覆するように第2バルブシート5の環状端面上に張り出しても良い。
また、本実施例のEGR制御弁のバルブハウジング7は、実施例1と同様に、第2圧入部42よりも天地方向の天側の流路壁面が、第2バルブシート5の第2圧入面14とバルブハウジング7の第2圧入部42との境界および第2バルブシート5の環状端面を部分的に被覆するように第2バルブシート5の環状端面上に張り出している。すなわち、バルブハウジング7の第2圧入部42よりも天地方向の天側、また、第2バルブシート5よりもEGRガス流方向の上流側には、図5(b)に示したように、第2圧入部42を通り、バルブシャフト3および排気ガス流路54の軸線方向と平行な基準線Aから、排気ガス流路54の出口側ポートの中心軸線側に向けて突き出すように、しかも上記の基準線Aから、排気ガス流路54の出口側ポートの流路断面積を縮小化する方向に突き出すように円筒状の第2ブロック62が配設されている。そして、第2ブロック62の図示下端面、つまり第2バルブシート5の環状端面に対向する対向面(第2係止部64)は、第2バルブシート5の環状端面に密着または接触している。
また、本実施例のEGR制御弁においては、図5(b)に示したように、第2バルブシート5の第2圧入面14とバルブハウジング7の第2圧入部42との間の隙間を液密的にシールするシール材(シール手段)72を有している。このシール材72は、第2バルブシート5の第2圧入面14とバルブハウジング7の第2圧入部42との間の隙間、特に第2バルブシート5の外径面の一部(天地方向の天側端部)に円環状のリング溝73を設けて、リング溝73の溝底面とバルブハウジング7の第2圧入部42との間の隙間、およびリング溝73の溝側面と第2ブロック62の図示下端面との間の隙間、つまり第2バルブシート5とバルブハウジング7との間に形成される円環状空間に装着されている。ここで、シール材72としては、第2バルブシート5の第2圧入面14とバルブハウジング7の第2圧入部42との間の隙間、特にバルブハウジング7の第2圧入部42への凝縮水の浸入を防止するシール性に優れるシリコンゴムよりなるOリング等が用いられる。
以上のように、本実施例のEGR制御弁においては、バルブハウジング7の流路管部50の内部に形成された排気ガス流路54に、EGRクーラを通過する際に冷やされた低温EGRガスが流入する場合、あるいは高濃度の硫黄分を多量に含んだ燃料を使用するエンジンの燃焼室より流出した排気ガスが流入する場合で、しかもバルブハウジング7を硫黄酸化物(SOx)や硫酸(H2 SO4 )等に対する耐腐食性の劣るアルミニウムダイカスト製品とした場合であっても、第2バルブシート5の第2圧入面14とバルブハウジング7の第2圧入部42との境界、あるいは第2バルブシート5の第2圧入面14とバルブハウジング7の第2圧入部42との間の隙間、特にバルブハウジング7の第2圧入部42、つまり第2隔壁部の第2圧入孔の孔壁面への凝縮水の浸入を完全に防止することができる。
これにより、バルブハウジング7の第2圧入部42への凝縮水が浸入しない構造を備えたEGR制御弁を構成することが可能となる。
なお、上述したバルブハウジング7の第2圧入部42への凝縮水が浸入しない構造を、バルブハウジング7の第1圧入部41への凝縮水が浸入しない構造となるように、第1バルブシート4の第1圧入面13とバルブハウジング7の第1圧入部41との境界、あるいは第1バルブシート4の第1圧入面13とバルブハウジング7の第1圧入部41との間の隙間にシール剤やシール材等のシール手段を塗布または装着しても良い。また、図5(b)に示した第2ブロック62および第2係止部64を廃止して、バルブハウジング7の流路壁面形状を、図5(a)に示した形状に変更しても良い。この場合には、第2バルブシート5の外形形状を、図5(a)に示した形状に変更する。なお、シール材を収納するリング溝(例えばOリング溝)は、第2バルブシート5の外径面またはバルブハウジング7の流路壁面のうちのいずれかに設けられていれば良い。
[変形例]
本実施例では、エンジン排気管とエンジン吸気管とを連通する排気ガス還流管の途中にEGR制御弁を設置したが、排気ガス還流管とエンジン排気管またはエキゾーストマニホールドとの結合部にEGR制御弁を設置しても良い。また、排気ガス還流管とエンジン吸気管またはインテークマニホールドとの結合部にEGR制御弁を設置しても良い。さらに、本実施例では、弁体として2つの第1、第2バルブ1、2を使用しているが、弁体として1個または3個以上のポペットバルブを使用しても良い。この場合には、バルブシートの個数も、1個または3個以上となる。
本実施例では、EGR制御弁のダブルポペットバルブを開弁駆動または閉弁駆動するバルブ駆動装置を、電磁式アクチュエータ(電磁駆動部)によって構成したが、排気ガス制御弁のバルブを開弁駆動または閉弁駆動するバルブ駆動装置を、負圧制御弁を介し電動式バキュームポンプからの負圧により駆動される負圧作動式アクチュエータによって構成しても良い。また、バルブ駆動装置を、電動モータ、歯車減速機構、運動方向変換機構等の動力伝達機構とを備えた電動式アクチュエータによって構成しても良い。また、コイルへの電圧値または電流値等の供給電力が増加する程、バルブのリフト量が大きく、または小さくなるようにしても良い。
本実施例では、EGR制御弁に本発明を適用したが、EGRクーラの出口側に連通する低温排気ガス流路とEGRガスをEGRクーラより迂回させるバイパス流路(高温排気ガス流路)とを切り替える排気ガス流路切替弁や、エンジン排気管内に設置される排気ガス制御弁等の他の排気ガス制御弁に本発明を適用しても良い。また、エンジンとして、ガソリンエンジンを用いても良い。
本実施例では、バルブシャフト3、2つの第1、第2バルブシート4、5およびバルブハウジング7の軸線方向を天地方向と略一致させているが、バルブシャフト3、2つの第1、第2バルブシート4、5およびバルブハウジング7の軸線方向を天地方向に対して所定の傾斜角度分だけ傾斜するように配置しても良い。
(a)はEGR制御弁の主要構造を示した拡大図である(従来の技術)。(b)はEGR制御弁の主要構造を示した拡大図である(実施例1)。 EGR制御弁を示した断面図である(実施例1)。 (a)〜(c)はEGR制御弁の主要構造を示した拡大図である(実施例2)。 EGR制御弁を示した断面図である(実施例3)。 (a)、(b)はEGR制御弁の主要構造を示した拡大図である(実施例3)。 EGR制御弁を示した断面図である(従来の技術)。 EGR制御弁の主要構造を示した断面図である(従来の技術)。 (a)〜(c)は圧入部の腐食の進行状況を示した説明図である(従来の技術)。
符号の説明
1 第1バルブ(EGR制御弁の弁体)
2 第2バルブ(EGR制御弁の弁体)
3 バルブシャフト
4 第1バルブシート
5 第2バルブシート
7 バルブハウジング(ハウジング)
11 第1バルブシートの第1流路孔
12 第2バルブシートの第2流路孔
13 第1バルブシートの第1圧入面
14 第2バルブシートの第2圧入面
41 バルブハウジングの第1圧入部
42 バルブハウジングの第2圧入部
50 バルブハウジングの流路管部
51 バルブハウジングの第1流路管部
52 バルブハウジングの第2流路管部
54 排気ガス流路
55 第1排気ガス流路
57 第2排気ガス流路
61 バルブハウジングの第1ブロック(流路管部)
62 バルブハウジングの第2ブロック(流路管部)
63 第1ブロックの第1係止部
64 第2ブロックの第2係止部
71 シール剤(シール手段)
72 シール材(シール手段)

Claims (13)

  1. (a)内燃機関より流出した排気ガスを制御するバルブと、
    (b)このバルブによって開閉される流路孔を形成するバルブシートと、
    (c)前記流路孔に連通する排気ガス流路を形成すると共に、前記バルブシートを圧入する圧入部を有するハウジングと
    を備えた排気ガス制御弁において、
    前記バルブシートは、前記ハウジングの圧入部に圧入固定される圧入面を有し、
    前記ハウジングは、前記ハウジングの圧入部よりも天地方向の天側の流路壁面が、前記バルブシートの圧入面と前記ハウジングの圧入部との境界および前記バルブシートの端面を被覆するように、前記バルブシートの端面上に張り出していることを特徴とする排気ガス制御弁。
  2. 請求項1に記載の排気ガス制御弁において、
    前記ハウジングは、前記ハウジングの圧入部よりも天地方向の天側に、前記バルブシートの端面に密着または接触して前記バルブシートの端面を係止する係止部を有していることを特徴とする排気ガス制御弁。
  3. 請求項2に記載の排気ガス制御弁において、
    前記係止部は、前記ハウジングの圧入部を通り、前記排気ガス流路の中心軸線と平行な基準線から、前記排気ガス流路の中心軸線側に向けて突き出すように配設されていることを特徴とする排気ガス制御弁。
  4. 請求項2または請求項3に記載の排気ガス制御弁において、
    前記係止部は、前記ハウジングの圧入部を通り、前記排気ガス流路の中心軸線と平行な基準線から、前記排気ガス流路の流路断面積を縮小化する方向に突き出すように配設されていることを特徴とする排気ガス制御弁。
  5. 請求項2ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の排気ガス制御弁において、
    前記係止部は、前記ハウジングの流路壁面の全周に渡って周方向に配設されていることを特徴とする排気ガス制御弁。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の排気ガス制御弁において、
    前記ハウジングは、前記ハウジングの圧入部よりも天地方向の天側に、内部に前記排気ガス流路が形成された流路管部を有し、
    前記流路管部の流路壁面は、前記排気ガス流路の流路断面積を前記バルブシートに近づくに従って徐々に減少するように傾斜していることを特徴とする排気ガス制御弁。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の排気ガス制御弁において、
    前記ハウジングは、前記ハウジングの圧入部よりも天地方向の天側に、内部に前記排気ガス流路が形成された流路管部を有し、
    前記流路管部の流路壁面は、前記バルブシート側の開口端で前記流路孔の孔壁面に滑らかに繋がるように傾斜していることを特徴とする排気ガス制御弁。
  8. 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の排気ガス制御弁において、
    前記ハウジングは、前記ハウジングの圧入部よりも天地方向の天側に、内部に前記排気ガス流路が形成された流路管部を有し、
    前記流路管部のうちで前記バルブシート側に位置する部位の内径は、前記バルブシートの圧入面の外径よりも小さい、あるいは前記流路孔の孔径と略同一である、あるいは前記流路孔の孔径よりも小さいことを特徴とする排気ガス制御弁。
  9. (a)内燃機関より流出した排気ガスを制御するバルブと、
    (b)このバルブによって開閉される流路孔を形成する環状のバルブシートと、
    (c)前記流路孔に連通する排気ガス流路を形成すると共に、前記バルブシートを圧入する圧入部を有するハウジングと
    を備えた排気ガス制御弁において、
    前記バルブシートは、前記ハウジングの圧入部に圧入固定される圧入面を有し、
    前記排気ガス制御弁は、前記バルブシートの圧入面と前記ハウジングの圧入部との境界、あるいは前記バルブシートの圧入面と前記ハウジングの圧入部との間の隙間をシールするシール手段を有していることを特徴とする排気ガス制御弁。
  10. 請求項9に記載の排気ガス制御弁において、
    前記シール手段は、前記バルブシートの圧入面と前記ハウジングの圧入部との境界をシールするシール剤であって、
    前記シール剤は、前記バルブシートの圧入面と前記ハウジングの圧入部との境界に塗布されていることを特徴とする排気ガス制御弁。
  11. 請求項9に記載の排気ガス制御弁において、
    前記シール手段は、前記バルブシートの圧入面と前記ハウジングの圧入部との間の隙間をシールするシール材であって、
    前記シール材は、前記バルブシートの圧入面と前記ハウジングの圧入部との間の隙間に装着されていることを特徴とする排気ガス制御弁。
  12. 請求項1ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の排気ガス制御弁において、
    前記ハウジングは、アルミニウム合金によって形成されていることを特徴とする排気ガス制御弁。
  13. 請求項1ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の排気ガス制御弁において、
    前記バルブシートは、ステンレス鋼によって形成されていることを特徴とする排気ガス制御弁。
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