JP2007303409A - 可変容量圧縮機における吸入絞り弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】弁ハウジングと弁座が別部品により構成される場合であっても、弁体の移動範囲を十分に確保することができるとともに、弁座により制約を受けずに弁体の径を設定することができる可変容量圧縮機における吸入絞り弁の提供にある。
【解決手段】クランク室14の圧力調整により容量が可変制御される可変容量圧縮機における吸入通路32の開度を調整する吸入絞り弁40である。吸入側弁体50及び制御用弁体55を案内する弁ハウジング41と弁座60を有し、弁座60は座部61と弁ハウジング41に嵌合される嵌合部を有し、弁ハウジング41は被嵌合部を有し、被嵌合部の内径は弁ハウジング41の内径より大きく設定され、嵌合部の内径は弁ハウジング41の内径以上に設定され、嵌合部は弁座60から制御用弁体55の案内方向へ延設され、弁座60に制御用弁体55が当接したとき制御用弁体55の外周には嵌合部が対向する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、クランク室圧力を調整することにより容量が可変制御される可変容量圧縮機における吸入絞り弁に関する。
従来、ピストン式圧縮機においては吸入リード弁が自励振動しないように吸入リード弁用のストッパが設けられていた。
しかし、ピストン式可変容量圧縮機においては、作動流体の吸入量が最大容量時や可変容量時では異なるために最大容量時に合わせてストッパを設けると、特に小容量時や最小容量状態であるOFF運転からの起動時には吸入リード弁が十分開かずストッパに当らない状態が発生する。
このため、吸入リード弁が自励振動を起し、吸入脈動となりその振動が圧縮機外に伝播し異音が発生することがあった。
そこで、従来では、吸入通路の開口面積を制御する吸入絞り弁を配設して低流量時における圧力変動を低減しようとする圧縮機が開示されている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、可変容量圧縮機における吸入絞り弁としての開度制御弁又は差圧弁が開示されている。
特許文献2に開示された吸入絞り弁は、有底筒状の樹脂製ボデーと、大径部と小径部とを有し小径部が樹脂製ボデーの開放端部に内嵌合する2段状の筒状のハウジングと、ハウジングと樹脂製ボデーの底壁との間で摺動可能に樹脂製ボデーに内嵌合する有天筒状の弁体と、弁体の天井壁と樹脂製ボデーの底壁との間に介挿されたバネとを備えている。
ハウジングには、樹脂ボデーに形成された複数の開口に連通する複数の切り欠きが形成されている。
この吸入絞り弁では、可変容量圧縮機における吸入ポートと吸入室の圧力差を利用して弁体が制御される。
例えば、低容量時には弁体の上昇により開口の大部分が閉塞され、吸入ポートからの作動流体が切り欠きを通じて吸入室へ通されることにより、低容量時における吸入圧力の脈動が減衰される。
さらに特許文献4には、特許文献2に示される吸入絞り弁を吸入室の差圧のみを利用して弁体を制御するだけではなく、クランク室圧も弁体の制御に作用させるものが開示されている。
ところで、弁の量産性向上等の生産上の都合により、有底筒状の樹脂製ボデーを、筒状の弁ハウジングと、ボデーの底を構成する弁座を夫々別部品とし、弁ハウジングに対して弁座を着脱自在とする場合がある。
この場合、弁座は弁ハウジングの開口端部を外側から覆う蓋状の形態を呈している。
筒状の弁ハウジングとする場合、弁ハウジングの周囲における弁座付近にOリングを設けると、Oリングの締め付け力により弁ハウジングの弁座付近が撓む可能性がある。
弁ハウジングが撓むと、弁体の案内が妨げられるおそれがある。
特に、可変容量圧縮機におけるクランク室圧力(以後、「クランク圧」と表記する。)と吸入圧の差圧により弁体を移動させるように構成する吸入絞り弁では、クランク圧と吸入圧の領域を区画するOリングが必須となる場合がある。
そこで、弁ハウジングの撓みを防止するために、弁座を弁ハウジング体の内径へ挿入することで撓みに対抗するように構成する場合がある。
Oリングの締め付けを伴う弁ハウジングと弁座に関連する従来技術として、例えば、特許文献3に開示された容量制御弁が存在する。
この種の容量制御弁では、容量制御弁における第2バルブ本体(弁ハウジングに相当する)端部の開口を覆う第3作動室形成部(弁座に相当する)が設けられている。
第3作動室形成部には筒内周面に形成された作動シリンダが形成されており、作動シリンダには作動ピストンの一部が移動自在に嵌合されている。
作動シリンダの内径は第2バルブ本体の内径よりも小さく設定されている。
特開2000−136776号公報 特開2003−74728号公報 特開2004−204759号公報 特開2005−337232号公報
しかしながら、特許文献3に開示されている従来技術では、弁体の径は自ずと弁座の内径に応じて決定され、弁体の径はハウジング体の内径よりもさらに小さく設定されるという問題がある。
弁体は作動流体の圧力により移動するため、弁体の径は大きく設定される場合、差圧が小さくても弁体の移動を実現する。
すなわち、弁体の径は大きく設定されることが好ましく、スペースが限られている条件では、弁体の径が弁座により制約を受けることは弁体の応答性の面で不利となる。
ところで、弁ハウジング内の弁体を弁座から離れた場所に位置させて案内させることにより、弁体の径が弁座により制約されないようにすることも考えられる。
しかしながら、弁座から離れた位置において弁体が移動する場合、弁体の移動方向の弁ハウジング体の長尺化が避けられず、弁体の長尺化を回避しようとすると弁体の移動範囲が十分に確保できないという問題が生じる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、弁ハウジングと弁座が別部品により構成される場合であっても、弁体の移動範囲を十分に確保することができるとともに、弁座により制約を受けずに弁体の径を設定することができる可変容量圧縮機における吸入絞り弁の提供にある。
上記課題を達成するため、本発明は、クランク室圧力を調整することにより容量が可変制御される可変容量圧縮機における吸入通路の開度を調整する吸入絞り弁であって、クランク室圧力により案内される制御用弁体と、該制御用弁体の案内に応じて前記吸入通路の開度を調整する吸入側弁体と、前記両弁体を収容する弁ハウジングと、前記弁ハウジングの端部に嵌合される弁座を有し、前記弁座は、前記クランク室圧力を通す通孔を有する座部と、前記弁ハウジングの端部と嵌合する嵌合部を有し、前記弁ハウジングは前記嵌合部を嵌合する被嵌合部を有し、前記被嵌合部の内径は、前記制御用弁体を案内する前記弁ハウジングの内径より大きく設定され、前記嵌合部の内径は、前記制御用弁体を案内する前記弁ハウジングの内径以上に設定され、前記嵌合部は、前記弁座から前記制御用弁体の案内方向に向けて延設され、前記弁座に前記制御用弁体が当接したとき、前記制御用弁体の外周に前記嵌合部が対向することを特徴とする。
本発明では、弁ハウジングは嵌合部を嵌合する被嵌合部は、弁ハウジングの内径より大きな内径を有するため、弁ハウジングの内径以上の内径を有する弁座の嵌合部と嵌合でき、弁ハウジングに対する弁座の装着が可能である。
弁座の嵌合部が、弁ハウジングの内径以上の内径を有し、弁座から制御用弁体の案内方向に向けて延設されることにより、制御用弁体が弁座側に案内され、弁座に制御用弁体が当接したとき、制御用弁体の外周には嵌合部が対向する。
従って、弁ハウジングと弁座が別部品により構成される場合であっても、制御用弁体の移動範囲を十分に確保することができるとともに、弁座により制約を受けずに弁体の径を設定することができる。
また、上記の可変容量圧縮機における吸入絞り弁において、前記嵌合部の内径は前記弁ハウジングの内径より大きく設定されてもよい。
この場合、嵌合部の内径が弁ハウジングの内径よりも大きく設定されていることにより、制御用弁体が嵌合部を臨む位置に達する場合には、嵌合部と制御用弁体の側面との間に間隙が生じる。
弁ハウジングと制御用弁体との間に異物が入り込んだ場合、異物が付着する制御用弁体の側面の一部がこの間隙を臨むことにより、間隙に異物を止めておき再び弁ハウジングと制御用弁体との間に異物を入り込ませ難くする。
本発明によれば、弁ハウジングと弁座が別部品により構成される場合であっても、弁体の移動範囲を十分に確保することができるとともに、弁座により制約を受けずに弁体の径を設定することができる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態の可変容量圧縮機における吸入絞り弁を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る吸入絞り弁を備えた可変容量圧縮機の構造を示す断面図である。
説明の便宜上、図1において圧縮機の左側を前方とし、右側を後方とする。
図1に示すように、シリンダブロック11の一方の前端部にフロントハウジング12が接合され、他方の後端部にリヤハウジング13が接合されている。
シリンダブロック11及びフロントハウジング12により区画形成される空間部はクランク室14を構成する。
クランク室14を貫通する回転軸15がシリンダブロック11及びフロントハウジング12に回転自在に支持されている。
回転軸15の前端は、突出端としてフロントハウジング12の外側へ突出されており、この突出端は車両のエンジンやモータ等の駆動源(図示せず)から回転力の伝達を受ける機構(図示せず)と連結されている。
クランク室14内における回転軸15には、回転支持体16が固定されるとともに回転支持体16に係合される斜板17が備えられている。
斜板17は、斜板17の中心部に形成された貫通孔18に回転軸15が貫通した状態にあり、斜板17に突出して形成されたガイドピン19が回転支持体16に形成されたガイド孔20にスライド可能に嵌入されている。
斜板17は、ガイド孔20に対するガイドピン19の嵌入の関係に基づき、回転軸15と一体的に回転する。
また、斜板17は、ガイド孔20に対するガイドピン19のスライドにより、回転軸15の軸方向にスライド可能であるほか傾動可能に回転軸15に支持されている。
なお、フロントハウジング12内の前部内壁にスラストベアリング21が備えられており、回転支持体16はスラストベアリング21を介してフロントハウジング12に対して摺動可能である。
シリンダブロック11には、回転軸15の周りに形成された複数のシリンダボア22が配列されており、個々のシリンダボア22にはピストン23が摺動可能に収容されている。
各ピストン23の前端はシュー24を介して斜板17の外周と係合されており、斜板17が回転軸15とともに回転すると、各ピストン23はシュー24を介してシリンダボア22内の軸芯方向へ往復移動する。
リヤハウジング13の中央部には、弁形成体25に面して吸入室26が区画形成され、吸入室26の外周側には吸入室26を取り囲むように吐出室27が形成されている。
図1及び図2に示す隔壁13aが両室26、27を隔てるようにしている。
シリンダブロック11とリヤハウジング13には、クランク室14と吐出室27とを連通する連通路28が形成されている。
連通路28の途中に電磁弁からなる容量制御弁29が配置されている。
シリンダブロック11には、クランク室14と吸入室26を連通する抽気通路30が形成されている。
リヤハウジング13には、外部に露出する吸入ポート31が形成されており、吸入ポート31と吸入室26は吸入通路32により連通されている。
吸入ポート31は外部冷媒回路と接続される。
この吸入通路32の途中には吸入通路32の開度を調節する吸入絞り弁40が配置されている。
図3及び図4に示すように、弁ハウジング41は、弁ハウジング41の上部を構成するハウジング上部42と、下部を構成するハウジング下部43を有する。
吸入絞り弁40の弁ハウジング41は、樹脂製材料により形成された無底の筒状部材である。
この実施形態では、説明の便宜上、図3及び図4において、ハウジング上部42側を吸入絞り弁40における上方とし、ハウジング下部43側を下方とする。
ハウジング上部42の内径はハウジング下部43の内径よりも大きく設定されている。
ハウジング上部42の側面には、吸入通路32と連通する開口部44が形成されている。
弁ハウジング41の外周は吸入通路32の壁面とほぼ一致するように形成されており、ハウジング上部42の開口部44は、吸入室26を臨む吸入通路32に対向する。
ハウジング上部42の内部には吸入側弁体50が収容され、吸入側弁体50はハウジング上部42の内径に対応する外径を有し、ハウジング上部42内において上下に往復移動可能に収容されている。
吸入側弁体50は、最大流量時に最下位置に案内され、最小流量時に最上位置へ案内される弁体である。
吸入側弁体50は、通孔51aを有する有孔円盤状の弁本体51と、ハウジング上部42内において最上位に位置するときに開口部44の全体を遮蔽する環状の側壁52を有する。
上方を臨むハウジング上部42の開口端には、ハウジング上部42の内径に対応する筒状キャップ53が挿入されている。
上方を臨む筒状キャップ53の開口端はフランジ状に形成され、ハウジング上部42の開口端に係止される。
ハウジング上部42内に挿入された筒状キャップ53の下端部は吸入側弁体50の最上位置を規定する。
ハウジング上部42とハウジング下部43の間には、弁ハウジング41の内径側から弁ハウジング41内の中心側へ向けて延設される環状突部45が形成されており、環状突部45は吸入側弁体50の最下位置を規定する。
ハウジング下部43の内部には制御用弁体55が往復移動可能に収容されており、制御用弁体55はハウジング下部43の内径に対応する外径を有する。
制御用弁体55は、円盤状の弁本体56と、弁本体56の外縁において上方へ延設された側壁57とを有する。
制御用弁体55と吸入側弁体50との間のダンパー室58には、コイルばね54が介在されており、コイルばね54は両者50、55を常に引き離す方向への付勢力を有する。
制御用弁体55の最上位置は環状突部45の下面により規定され、最下位置は弁座60の上面により規定される。
制御用弁体55は、クランク室14と吐出室27が連通路28を通じて連通されるとき(制御弁29が開くとき)、最上位置に案内される弁体である。
制御用弁体55は、最上位置へ移動されたときにコイルばね54を介して吸入側弁体50に対する上向きの付勢力を増大させる。
なお、ダンパー室58は、図1および図3に示す環状突起45の一部に設けられた抜き通路45a及び連絡通路59を介して吸入室26と連通している。
このため、吸入用弁体50が吸入通路32を完全に閉じた状態でも、吸入絞り弁40の上流側の作動流体は通孔50、ダンパー室58、抜き通路45a及び連絡通路59を通じて吸入室26へ供給される。
ハウジング下部43の開口端には制御用弁体55の径よりも拡径された被嵌合部としての拡径端部46が形成されている。
拡径端部46は弁座60を保持する部位であり、制御用弁体55の外径よりも大きく設定された内径及びハウジング下部43の外径よりも大きく設定された外径を有する環状の拡径壁47と、ハウジング下部43の下端付近から径方向へ拡径されるフランジ48により構成されている。
径方向への拡径により形成されるフランジ48はハウジング下部43における径方向の変形を抑制する要素として機能する。
弁座60は、中央に通孔62を有する円盤状の座部61と、座部61の外周縁において座部61の面に対して垂直方向へ延設される環状の周壁63から構成されている。
座部61の上面は制御用弁体55の最下位置を規定し、座部61が有する通孔62はリヤハウジング13において連通路28より分岐された分岐路33と連通する。
周壁63は被嵌合部に対する嵌合部に相当し、拡径壁47の内径に対応する外径が設定されている。
このため、弁座60の周壁63は拡径端部46における拡径壁47の内周面に対して当接する。
周壁63はハウジング下部43の内径以上の内径を有し、弁座60から制御用弁体55の作動方向(案内方向)に向けて延設されている。
この実施形態では、周壁63の内径がハウジング下部43の内径よりもやや大きく設定されている。
周壁63の内径がハウジング下部43の内径より大きく設定されていることにより、制御用弁体55の周壁63内への移動を可能とするほか、制御用弁体55が周壁63内へ移動したときに弁座60における周壁63と制御用弁体55の側壁57との間に間隙Gを設定する。
この間隙Gは、制御用弁体55とハウジング下部43の間に入り込んだ塵埃等の異物を取り除き、これらの異物が制御用弁体55とハウジング下部43の間に入り込み難くする間隙として機能する。
周壁63の上下方向(制御用弁体55の案内方向)の長さは、制御用弁体55の側壁57の長さよりも短く設定されている。
なお、弁座60における周壁63の外周には突起64が設けられている。
他方、拡径端部46における拡径壁47の内径面内側には溝部47aが形成されており、突起64が溝部47aに係合することにより、弁座60の拡径端部46への保持が図られる。
ハウジング下部43には、拡径端部46からやや離れた位置にリブ49が設けられ、リブ49と拡径端部46の間にはOリング65が装着されている。
Oリング65は、吸入絞り弁40と吸入絞り弁40を収容するリヤハウジング13との間を通じてクランク圧Pcの作動流体が吸入側へ漏れないようにするために設けられている。
制御用弁体55は、リヤハウジング13において連通路28より分岐された分岐路33からのクランク圧Pcを受けてハウジング下部43内を往復移動する。
次に、第1の実施形態に係る吸入絞り弁40の動作について説明する。
回転軸15の回転運動に伴うピストン23の往復運動に基づき、吸入室26の作動流体は弁形成体25の吸入ポートから吸入弁の開弁によりシリンダボア22内へ導かれ、シリンダボア22内の作動流体は圧縮され、吐出弁を開弁させて吐出室27へ吐出される。
吐出室27へ吐出された高圧の作動流体の大部分は図示しない外部冷媒回路へ導かれる。
容量制御弁29の開度が変更されることにより、連通路28を通じた吐出室27からクランク室14への作動流体の導入量と、抽気通路30を通じたクランク室14から吸入室26への作動流体の導出量とのバランスが制御される。
クランク室14への作動流体の導入量とクランク室14からの作動流体の導出量のバランスが制御されることにより、クランク室14のクランク圧Pcが決定される。
容量制御弁29の開度が変更してクランク室14のクランク圧Pcが変わると、ピストン23を介したクランク室14内とシリンダボア22内との差圧が変更され、斜板17の傾斜角度が変動する。
斜板17の傾斜角度が変動することによりピストン23のストロークが変更され、ピストン23のストロークの変更に応じて圧縮機の吐出容量が変化する。
例えば、クランク圧Pcが下げられると、回転軸15に対する斜板17の傾斜角度が増加して、ピストン23のストロークが大きくなる。
ピストン23のストロークが大きくなることにより圧縮機の吐出容量は増大する。
逆に、クランク圧Pcが上げられると、斜板17の傾斜角度が減少してピストン23のストロークは小さくなり、吐出容量は減少する。
ところで、圧縮機の吐出容量は、容量制御弁29の開度に対応する斜板角度により決定されるが、吸入絞り弁40は、容量制御弁29の開閉動作に追従して動作される。
例えば、容量制御弁29が閉じた状態から開く状態へ至る過程では、斜板17の傾斜角度は徐々に小さくなり、吐出容量が変更され、いわゆる可変容量運転となる。
その後、斜板17の傾斜角が最小状態となると、最小容量運転(OFF運転)となる。
吸入絞り弁40はこの過程に追従して作動し、制御用弁体55が最上位置へ向けて移動し、制御用弁体55は吸入側弁体50を閉じる方向にコイルばね54を介して付勢する。
さらに、吸入側弁体50を臨む吸入通路32とダンパー室58との差圧が小さくなることから、吸入側弁体50は吸入通路32を閉じるように移動され、最終的に吸入通路32は吸入側弁体50により閉じられる。
可変容量運転時は、吸入側弁体50はコイルばね54により吸入通路32を閉じる方向に付勢されており、吸入側弁体50の側壁52が開口部44の一部を遮蔽することにより、作動流体の流量に応じた絞りが設けられることとなり、吸入弁の自励振動による吸入脈動の伝播が防止される。
また、最小容量運転時は、吸入側弁体50の側壁52が開口部44の全体を遮蔽し、吸入室26と吸入絞り弁40の上流側とは通孔51a、ダンパー室58、抜き通路45a及び連絡通路59を通じて連通した状態となる。つまり、側壁52による開口部44の全体の遮蔽により、吸入通路32と吸入室26の間に大きな絞りが設けられたこととなり、吸入弁の自励振動による吸入脈動の伝播が防止される。
次に、容量制御弁29が開いた状態から閉じる過程では、斜板17の傾斜角度は徐々に大きくなり最大容量運転となる。
この過程では、制御用弁体55が最上位置から最下位置へ向い移動し、吸入側弁体50に対するコイルばね54の付勢力は小さくなる。
最大容量運転時に吸入側弁体50が吸入通路32を閉じている場合であっても、作動流体が吸入室26からシリンダボア22内へ最大容量で吸入される結果、吸入側弁体50を臨む吸入通路32と、抜き通路45a及び連絡通路59を介して吸入室26と連通しているダンパー室58との差圧が大きくなる。
このため、吸入側弁体55は吸入通路32を開弁するように下方へ向けて移動する。
制御用弁体55が最下位置のとき、図4に示すように、制御用弁体55は弁座60に当接するとともに周壁63内に位置する。
このとき、制御用弁体55における側壁57と、拡径端部46における拡径壁47の内周との間には、間隙Gが生じる。
仮に、ハウジング下部43と制御用弁体55との間に、ショットブラスト等により生じる塵埃等の異物が入り込んだ場合でも、異物が付着する制御用弁体55の周壁57の一部をこの間隙Gを臨ませ、その後に制御用弁体55が上方へ移動すると、間隙Gに異物が止まり易くなり、異物が再びハウジング下部43と制御用弁体55との間へ入り込み難くなる。
ところで、弁ハウジング41のハウジング下部43にはOリング65が装着されているが、Oリング65の締め付け力は、ハウジング下部43の開口端付近を内側へ向けて変形させようとする。
この実施形態では、拡径端部46の内側に弁座60が設けられているため、弁座60が変形させようとする力に対抗する。
また拡径端部46におけるフランジ48もOリング65の締め付け力によるハウジング下部43の変形を妨げる要素として機能する。
第1の実施形態に係る吸入絞り弁40によれば以下の効果を奏する。
(1)弁座60の周壁63と嵌合する弁ハウジング41における拡径端部46の内径は、ハウジング下部43の内径より大きく設定されているため、ハウジング下部43の内径以上の内径を有する弁座60の周壁63と嵌合できる。弁座60における周壁63の内径が、ハウジング下部43の内径以上に設定され、弁座60から制御用弁体55の作動方向に向けて延設されることにより、制御用弁体55が弁座60側に案内され、弁座60に制御用弁体55が当接したとき、制御用弁体55の外周には拡径端部46の拡径壁47が対向する。従って、弁ハウジング41と弁座60が別部品により構成される場合であっても、制御用弁体55の移動範囲を十分に確保することができるとともに、制御用弁体55の径が弁座60により制約を受けずに設定することができる。
(2)弁座60における周壁63がハウジング下部43の内径よりも大きく設定されていることにより、制御用弁体55が周壁63を臨む位置に達する場合には、周壁63の内周と制御用弁体55の側壁57との間に間隙Gが生じる。ハウジング下部43と制御用弁体55との間に異物が入り込んだ場合、異物が付着する制御用弁体55の側壁57の一部がこの間隙Gを臨むことにより、再びハウジング下部43と制御用弁体55との間に異物を入り込ませ難くする。
(3)拡径端部46が、ハウジング下部43の内径より拡径された内径を有する拡径壁47と、ハウジング下部43から径方向へ延設されるフランジ48とから構成されているから、Oリング65の締め付け力による弁ハウジング41の変形に対抗できる。これにより、弁ハウジング41の薄肉化を図ることが可能となり、吸入絞り弁40の小型化や軽量化が期待できる。
(4)弁座60における周壁63の外側に設けた突起64と、拡径壁47の内周に形成した溝部47aが互いに係止されることにより、弁ハウジング41に対して弁座40の保持が比較的容易である。
(5)弁座60における周壁63の内径をハウジング下部43の内径よりも大きく設定し、制御用弁体55が周壁63を臨む位置に達する場合に周壁63の内周と制御用弁体55の側壁57との間に間隙Gを設けることにより、弁座60における周壁63の内周面について、周壁63の内周と制御用弁体55の側壁57との間に間隙Gを設けない場合と比較して、弁座60の製作精度を厳しくする必要がなく、弁座60の製作の容易化が期待できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る吸入絞り弁について説明する。
図5は、第2の実施形態に係る吸入絞り弁の要部を示す断面図である。
この実施形態の吸入絞り弁では、第1の実施形態の絞り弁と比較して、弁座の構成が異なる。
弁座を除く要素は第1の実施形態と同じであるから、同じ要素については第1の実施形態の説明を援用し、符号を共通して用いる。
図5に示すように、弁座70は、通孔72を有する座部71と、外周に突起74を有する周壁73により構成される。
この実施形態に係る弁座70の周壁73の内径は、ハウジング下部43の内径と同一径に設定されている。
このため、制御用弁体55が最下位置へ移動したとき、制御用弁体55における側壁57の外周と弁座70における周壁73の内周との間に間隙Gは設定されない。
この実施形態によれば、第1の実施形態の作用効果(1)、(3)、(4)と同様の作用効果を奏する。
さらに言うと、制御用弁体55における側壁57の外周と弁座70における周壁73内周との間に間隙Gは設定されないことから、制御用弁体55における側壁57の外周全面は、常にハウジング下部43及び弁座70における周壁73の少なくとも一方と当接される状態となる。
従って、制御用弁体55が案内方向と別の方向へ向けて傾く余地はなく、ハウジング下部43内における制御用弁体55の円滑な往復移動が期待できる。
本発明は、上記した第1、第2の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能である。
第1、第2の実施形態では、弁座の突起と拡径端部の溝部との係合により、弁座を弁ハウジングに保持させるようにしたが、例えば、弁座を弁ハウジングへ螺入して保持させるようにしてもよい。
少なくとも、弁座を弁ハウジングの内径へ挿入させた状態で保持させるようにすれば、弁ハウジングに対する弁座の保持の手段は限定されない。
第1の実施形態に係る可変容量圧縮機を破断して示す側面図である。 第1の実施形態に係る可変容量圧縮機のリヤハウジングを示す正面図である。 第1の実施形態に係る吸入絞り弁が最小容量時の状態を示す縦断面図である。 第1の実施形態に係る吸入絞り弁が最大容量時の状態を示す縦断面図である。 第2の実施形態に係る吸入絞り弁の要部を示す縦断面図である。
符号の説明
11 シリンダブロック
13 リヤハウジング
15 回転軸
17 斜板
23 ピストン
26 吸入室
29 容量制御弁
31 吸入ポート
32 吸入通路
33 分岐路
40 吸入絞り弁
42 ハウジング上部
43 ハウジング下部
44 開口部
46 拡径端部
47 拡径壁
48 フランジ
50 吸入側弁体
55 制御用弁体
57 側壁
60、70 弁座
61、71 座部
63、73 周壁
65 Oリング
G 間隙

Claims (2)

  1. クランク室圧力を調整することにより容量が可変制御される可変容量圧縮機における吸入通路の開度を調整する吸入絞り弁であって、
    クランク室圧力により案内される制御用弁体と、該制御用弁体の案内に応じて前記吸入通路の開度を調整する吸入側弁体と、前記両弁体を収容する弁ハウジングと、前記弁ハウジングの端部に嵌合される弁座を有し、
    前記弁座は、前記クランク室圧力を通す通孔を有する座部と、前記弁ハウジングの端部と嵌合する嵌合部を有し、
    前記弁ハウジングは前記嵌合部を嵌合する被嵌合部を有し、
    前記被嵌合部の内径は、前記制御用弁体を案内する前記弁ハウジングの内径より大きく設定され、
    前記嵌合部の内径は、前記制御用弁体を案内する前記弁ハウジングの内径以上に設定され、
    前記嵌合部は、前記弁座から前記制御用弁体の案内方向に向けて延設され、
    前記弁座に前記制御用弁体が当接したとき、前記制御用弁体の外周に前記嵌合部が対向することを特徴とする可変容量圧縮機における吸入絞り弁。
  2. 前記嵌合部の内径は前記弁ハウジングの内径より大きく設定されることを特徴とする請求項1記載の可変容量圧縮機における吸入絞り弁。
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