JP2007302602A - 1−ニトロ−2−ナフトール誘導体および1−アミノ−2−ナフトール誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、1−ニトロ−2−ナフトール誘導体および1−アミノ−2−ナフトール誘導体の製造方法に関する。
隣接位にアミノ基と水酸基を有する化合物は、オキサゾール系の化合物や高分子、または種々の有機色素などの合成中間体として重要な物質である。本出願人は、特許文献1および2において、ナフタレン環上の1位にニトロ基またはアミノ基を有してもよい2−ナフトール誘導体(2−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジカルボン酸の誘導体)を提案しているが、2−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジカルボン酸またはその誘導体の1位に、効率的かつ選択的にニトロ基やアミノ基を導入する方法については見出されていない。
国際公開96/032366号パンフレット
国際公開00/023525号パンフレット
本発明の目的は、2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸またはその誘導体の1位を効率的かつ選択的にニトロ化することによる1−ニトロ−2−ナフトール誘導体の製造方法を提供することにある。
さらに本発明の目的は、1位にニトロ基を有する2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸またはその誘導体のニトロ基を還元することによる、1−アミノ−2−ナフトール誘導体の製造方法を提供することにある。
本発明は、一般式[I]で表される2−ナフトール誘導体を、脂肪族カルボン酸を溶媒に用いてニトロ化剤と反応させることを含む、一般式[II]で表される1−ニトロ−2−ナフトール誘導体の製造方法を提供する:
[I]
[II]
[一般式[I]において、Xはハロゲンを表す;一般式[I]および一般式[II]において、Y1およびY2は、それぞれ、一般式[1]または一般式[2]で表される基であり、Y1およびY2は同一でも異なっていてもよい;
−CO−O−R1 [1]
−CO−NH−R2 [2]
R1およびR2は、それぞれ、水素原子、水酸基および/またはハロゲンで置換されてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基から選択される基である]。
[一般式[I]において、Xはハロゲンを表す;一般式[I]および一般式[II]において、Y1およびY2は、それぞれ、一般式[1]または一般式[2]で表される基であり、Y1およびY2は同一でも異なっていてもよい;
−CO−O−R1 [1]
−CO−NH−R2 [2]
R1およびR2は、それぞれ、水素原子、水酸基および/またはハロゲンで置換されてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基から選択される基である]。
以下、本発明を詳細に説明する。まず、一般式[I]で表される2−ナフトール誘導体を、脂肪族カルボン酸を溶媒に用いてニトロ化剤と反応させることを含む、一般式[II]で表される1−ニトロ−2−ナフトール誘導体の製造方法について説明する。
本発明の一般式[I]で表される2−ナフトール誘導体は、例えば、国際公開98/017621号パンフレットに記載の方法により2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸を調製し、これを、国際公開96/032366号パンフレットまたは国際公開00/023525号パンフレットに記載の方法により、炭素原子数1〜20の脂肪族アルコールによりエステル化するか、炭素原子数1〜20のアルキルアミンによりアミド化した後に、特許第3228516号公報(実施例22:ハロゲンが臭素の例)に記載の方法などによりナフタレン環上の1位をハロゲン化することにより調製することができる。
一般式[I]で表される化合物におけるY1またはY2中の基であるR1またはR2がアルキル基である場合のR1、R2の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、2−ヒドロキシエチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基などが挙げられる。R1、R2は水酸基および/またはハロゲンで置換されていてもよく、ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
一般式[I]におけるXで表されるハロゲン原子の例としては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。これらの中では、一般式[I]で表される化合物の調製が容易であることや、ニトロ化反応が良好に進行することなどからXが臭素であるのが好ましい。
一般式[I]で表される2−ナフトール誘導体を、脂肪族カルボン酸を溶媒に用いたニトロ化剤との反応に供することにより、一般式[II]で表される1−ニトロ−2−ナフトール誘導体が得られる。
本発明において、ニトロ化反応に溶媒として用いる脂肪族カルボン酸は、炭素原子数1〜20のものであり、分子中にカルボキシル基を一つ有する一価の脂肪族カルボン酸でもよいし、二つ以上のカルボキシル基を有する多価の脂肪族カルボン酸であってもよい。好ましくは脂肪族カルボン酸の炭素原子数は1〜6であり、特に好ましくは炭素原子数は1〜3である。
本発明の1−ニトロ−2−ナフトール誘導体の製造方法において好適に用いられる脂肪族カルボン酸の例としては、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、またはこれらの混合物などが挙げられる。これらの脂肪族カルボン酸の中でも、反応後の1−ニトロ−2−ナフトール誘導体の回収操作が容易であることなどから酢酸を単独で用いるのが好ましい。
本発明において、溶媒として用いる脂肪族カルボン酸は、一般式[I]で表される2−ナフトール誘導体に対して1〜20倍重量、特に好ましくは5〜10倍重量用いればよい。
本発明の一般式[I]で表される2−ナフトール誘導体のニトロ化反応において、反応が阻害されたり、副反応が起きない範囲で、例えば、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ニトロメタンなどの溶媒を脂肪族カルボン酸とともに用いることができる。これらの炭素原子数1〜20の脂肪族カルボン酸以外の溶媒の使用量は、脂肪族カルボン酸の重量に対して5倍重量以下、より好ましくは1倍重量以下である。
本発明の一般式[I]で表される2−ナフトール誘導体のニトロ化反応において、ニトロ化剤は特に限定されず、例えば、硝酸、発煙硝酸、および亜硝酸アルカリ金属塩からなる群より選択される一種以上のものを用いることができる。これらのニトロ化剤の中では、反応性や取り扱いやすさから、亜硝酸アルカリ金属塩を用いるのが好ましい。一般的には、亜硝酸アルカリ金属塩との反応の結果、ニトロソ化合物が生じるが、本発明における一般式[I]で表される化合物群に対しては、亜硝酸アルカリ金属塩はニトロ化剤として作用する。
亜硝酸アルカリ金属塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸リチウムなどが挙げられるが、入手が容易で取り扱いやすいことなどから亜硝酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
本発明において、ニトロ化剤は一般式[I]で表される2−ナフトール誘導体に対して、0.8〜5当量用いるのが好ましく、1〜1.2当量用いるのが特に好ましい。
ニトロ化反応の温度としては、−30〜90℃が好ましく、0〜20℃が特に好ましい。ニトロ化反応は、大気圧下、加圧下、減圧下の何れの圧力条件で行ってもよい。ニトロ化反応は空気中で行ってもよいが、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気にて行うのが好ましい。ニトロ化反応の時間は、原料の2−ナフトール誘導体、ニトロ化剤、溶媒の種類によっても異なるが、通常1〜20時間、より好ましくは1〜10時間で行われる。
ニトロ化反応により生成した、一般式[II]で表される1−ニトロ−2−ナフトール誘導体は、例えば、反応液を水またはメタノールなどの水溶性有機溶媒の水溶液と混合した後、析出した結晶をろ過するなどの方法により回収することができる。
このようにして得られた、一般式[II]で表される1−ニトロ−2−ナフトール誘導体は、そのまま、あるいは、所望により、再結晶、水やメタノールなどの溶媒による洗浄などにより精製した後に、所望により還元工程に供することができる。
次に、一般式[II]で表される1−ニトロ−2−ナフトール誘導体のニトロ基を還元することを含む、一般式[III]で表される1−アミノ−2−ナフトール誘導体の製造方法について説明する。
一般式[II]で表される1−ニトロ−2−ナフトール誘導体の、ニトロ基の還元工程における還元方法は、ニトロ基が良好にアミノ基に変換され副反応が生じることの無い範囲で、公知の種々のニトロ基の還元方法を用いることができる。公知のニトロ基の還元方法の中で、本発明に好適に用いられる還元方法としては以下に記す(A)法および(B)法が挙げられる:
(A)担体に担持されていてもよい遷移金属系触媒の存在下に水素により還元する方法、
(B)無機酸の存在下での鉄、錫、第一錫塩またはこれらの混合物である金属化合物との反応により還元する方法。
(A)担体に担持されていてもよい遷移金属系触媒の存在下に水素により還元する方法、
(B)無機酸の存在下での鉄、錫、第一錫塩またはこれらの混合物である金属化合物との反応により還元する方法。
まず(A)法について説明する。
(A)法における遷移金属系触媒としては、パラジウム系触媒、ニッケル系触媒、白金系触媒などが挙げられる。触媒としては、パラジウムカーボン触媒、ニッケル触媒を用いるのが特に好ましい。触媒を担持する担体の例としては、カーボン、アルミナ、シリカアルミナなどが挙げられる。
(A)法における遷移金属系触媒としては、パラジウム系触媒、ニッケル系触媒、白金系触媒などが挙げられる。触媒としては、パラジウムカーボン触媒、ニッケル触媒を用いるのが特に好ましい。触媒を担持する担体の例としては、カーボン、アルミナ、シリカアルミナなどが挙げられる。
還元剤としては、気体状の水素を用いる。
溶媒としては、還元反応に不活性である限り特に限定されないが、例えば、酢酸エチルなどの脂肪酸エステル、イソプロピルアルコールなどのアルコール、テトラヒドロフランなどのエーテルまたはこれらの混合物などが挙げられる。溶媒の使用量としては、一般式[II]で表される1−ニトロ−2−ナフトール誘導体に対して1〜50倍重量が好ましく、特に好ましくは5〜10倍重量が特に好ましい。
反応温度としては、50〜200℃が好ましく、80〜100℃が特に好ましい。還元剤である水素の圧力としては、0.1〜2.0MPaが好ましく、0.2〜1.0MPaが特に好ましい。
(A)法による還元反応の時間は、典型的には0.1〜10時間、より好ましくは3〜6時間である。
(A)法による還元反応の時間は、典型的には0.1〜10時間、より好ましくは3〜6時間である。
次いで、(B)法について説明する。
(B)法に用いる無機酸としては、特に限定されないが、塩酸、硝酸、硫酸またはこれらの混合物が挙げられる。第一錫塩としては、塩化第一錫、ヨウ化第一錫、臭化第一錫などが挙げられる。特に、塩酸を用いて、鉄、錫、または塩化第一錫と反応させる還元方法が好ましい。
(B)法に用いる無機酸としては、特に限定されないが、塩酸、硝酸、硫酸またはこれらの混合物が挙げられる。第一錫塩としては、塩化第一錫、ヨウ化第一錫、臭化第一錫などが挙げられる。特に、塩酸を用いて、鉄、錫、または塩化第一錫と反応させる還元方法が好ましい。
無機酸の使用量としては、一般式[II]で表される1−ニトロ−2−ナフトール誘導体に対して5〜100倍モル、特に好ましくは10〜50倍モル、最も好ましくは10〜20倍モルであるのがよい(硫酸などの多価の酸を用いる場合には、その価数を考慮した量である)。
金属化合物の使用量としては、一般式[II]で表される1−ニトロ−2−ナフトール誘導体に対して0.1〜20倍重量、特に好ましくは1〜5倍重量を用いればよい。
溶媒としては、無機酸と金属化合物を用いた還元反応に不活性であれば特に制限されないが、反応に用いる無機酸の水溶液を溶媒とするのが好ましい。溶媒として用いる無機酸の水溶液は、濃度20〜60wt%のものを用いるのが好ましく、使用量としては、一般式[II]で表される1−ニトロ−2−ナフトール誘導体の重量に対して、5〜50倍重量が好ましく、10〜20倍重量が特に好ましい。
(B)法における還元工程の反応温度は、50〜100℃が好ましく、60〜80℃が特に好ましい。
(B)法による還元反応は、大気圧下、加圧下、減圧下のいずれの圧力条件で行ってもよい。(B)法による還元反応は空気中で行ってもよいが、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気にて行うのが好ましい。
(B)法による還元反応の時間は、1−ニトロ−2−ナフトール誘導体、無機酸、金属化合物の種類によっても異なるが、通常1〜20時間、より好ましくは1〜10時間で行われる。
(B)法による還元反応は、大気圧下、加圧下、減圧下のいずれの圧力条件で行ってもよい。(B)法による還元反応は空気中で行ってもよいが、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気にて行うのが好ましい。
(B)法による還元反応の時間は、1−ニトロ−2−ナフトール誘導体、無機酸、金属化合物の種類によっても異なるが、通常1〜20時間、より好ましくは1〜10時間で行われる。
(A)法や(B)法などにより、ニトロ基を還元した後は、ろ過などの方法により固形物を除去した後に、反応液を濃縮することなどにより、一般式[III]で表される1−アミノ−2−ナフトール誘導体の結晶を析出させることができる。また、例えば(B)法により無機酸を含む水溶媒中で還元した場合は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等により反応液を中和した後、酢酸エチル等の疎水性有機溶剤を用いて、生成した一般式[III]で表される1−アミノ−2−ナフトール誘導体を抽出し、水層と有機層に分液した後に、有機層を濃縮することにより、一般式[III]で表される1−アミノ−2−ナフトール誘導体の結晶を析出させることができる。
析出した、一般式[III]で表される1−アミノ−2−ナフトール誘導体の結晶は、遠心分離、フィルタープレスなどの常法に従い回収され、所望により再結晶や、水やメタノールなどの溶媒による洗浄などにより精製された後に、オキサゾール系の化合物や高分子、または種々の有機色素などの合成中間体として好適に利用される。
〔分析条件〕
液体高速クロマトグラフィーとして、日立製 D―7000 HPLCシステムを用い、カラムにはWakocil−II 5C18を、移動相には水/メタノールを使用した。
質量分析計として、ウォーターズ製 Alliance−ZMDを使用した。
液体高速クロマトグラフィーとして、日立製 D―7000 HPLCシステムを用い、カラムにはWakocil−II 5C18を、移動相には水/メタノールを使用した。
質量分析計として、ウォーターズ製 Alliance−ZMDを使用した。
実施例1(酢酸−亜硝酸ナトリウム系のモノニトロ化)
2−ヒドロキシ−1−ブロモナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル4.2gを酢酸200gに溶解した。これに、亜硝酸ナトリウム1.4gを水5.5gに溶解した水溶液を滴下した後、混合液を室温で6時間反応させた。液体高速クロマトグラフィーにより、原料化合物の消失を確認した後、反応液を水400g中に注ぎ、析出する白色結晶をろ過により回収した。80℃にて通風乾燥して白色結晶3.8gを得た(収率98%)。得られた生成物は、1−モノニトロ体である、2−ヒドロキシ−1−ニトロナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステルであった〔質量分析:m/z(−)388(分子量389)〕。
実施例2(酢酸−硝酸系のモノニトロ化)
実施例1で用いた亜硝酸ナトリウム水溶液を、60%硝酸1.0gに代える他は、実施例1と同様にして、1−モノニトロ体である2−ヒドロキシ−1−ニトロナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル3.6gを得た(収率92%)〔質量分析:m/z(−)388(分子量389)〕。
実施例1で用いた亜硝酸ナトリウム水溶液を、60%硝酸1.0gに代える他は、実施例1と同様にして、1−モノニトロ体である2−ヒドロキシ−1−ニトロナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル3.6gを得た(収率92%)〔質量分析:m/z(−)388(分子量389)〕。
比較例1(酢酸−硝酸系のニトロ化)
2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル10gを酢酸300gに溶解した。これに、60%硝酸3.4gを酢酸10gに溶解した溶液を滴下した後、混合液を室温で2時間反応させた。反応液を水600g中にブローし、析出する白色結晶をろ過により回収した。回収した結晶は、生成した1−モノニトロ体の他、原料および1,8−ジニトロ体を多量に含むものであった。
得られた1−モノニトロ体、原料および1,8−ジニトロ体の混合物をメタノールおよび水で洗浄することにより精製し、80℃にて通風乾燥してモノニトロ体5.8gを得た(収率51%)。〔質量分析:m/z(−)388(分子量389)〕。
比較例2(硫酸−硝酸系のニトロ化)
2−ヒドロキシ−1−ブロモナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ジブチルエステル4.2gを硫酸20gに氷冷下溶解し、これに60%硝酸1.0gを硫酸5gに溶解した溶液を20分かけて滴下した。滴下終了後30分間反応させた後、反応液を氷水200g中に注ぎ、析出する白色結晶をろ過により回収した。十分に水洗し、80℃にて通風乾燥して白色結晶4.5gを得た。得られた生成物は、2−ヒドロキシ−1−ブロモ−8−ニトロナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル〔質量分析:m/z(−)468(分子量469)〕と2−ヒドロキシ−1,8−ジニトロナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル〔質量分析:m/z(−)433(分子量434)〕の混合物であった。
実施例3(還元(A法))
実施例1の方法により得られた2−ヒドロキシ−1−ニトロナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル3.9gをテトラヒドロフラン30gに懸濁し、パラジウム−カーボン0.1gを添加し、100mlのオートクレーブに密閉した。これに水素をゲージ圧1.0MPaで充填した後、80℃に加熱し5時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、反応液をろ過して触媒を除去した。ろ液を水100g中にブローして、析出した白色結晶をろ過により回収した。十分に水洗し、60℃で通風乾燥して対応する2−ヒドロキシ−1−アミノナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル3.5g(収率97%)を得た〔質量分析:m/z(−)358(分子量359)〕。
実施例4(還元(A法))
実施例3で用いたテトラヒドロフランをイソプロピルアルコールに代えること、およびパラジウム−カーボンをラネーニッケルに代えることの他は、実施例3と同様にして、2−ヒドロキシ−1−アミノナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル3.5gを得た(収率96%)。
実施例3で用いたテトラヒドロフランをイソプロピルアルコールに代えること、およびパラジウム−カーボンをラネーニッケルに代えることの他は、実施例3と同様にして、2−ヒドロキシ−1−アミノナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル3.5gを得た(収率96%)。
実施例5(還元(B法))
実施例1の方法で得られた2−ヒドロキシ−1−ニトロナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル3.9gをエタノール50gに懸濁し、36%塩酸50g、錫6gを添加後、55−60℃に加熱し、3時間反応させた。
実施例1の方法で得られた2−ヒドロキシ−1−ニトロナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル3.9gをエタノール50gに懸濁し、36%塩酸50g、錫6gを添加後、55−60℃に加熱し、3時間反応させた。
反応液を室温に冷却した後、10%炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ろ過により不溶物を除去した。得られたろ液を濃縮してエタノールを概ね留去した後、残渣を酢酸エチルで抽出し、有機層と水層に分液した。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した後に濃縮し、白色結晶である2−ヒドロキシ−1−アミノナフタレン−3,6−ジカルボン酸−ジ−n−ブチルエステル3.0gを得た(収率85%)。
Claims (7)
- 一般式[I]で表される2−ナフトール誘導体を、脂肪族カルボン酸を溶媒に用いてニトロ化剤と反応させることを含む、一般式[II]で表される1−ニトロ−2−ナフトール誘導体の製造方法:
[一般式[I]において、Xはハロゲンを表す;一般式[I]および一般式[II]において、Y1およびY2は、それぞれ、一般式[1]または一般式[2]で表される基であり、Y1およびY2は同一でも異なっていてもよい;
−CO−O−R1 [1]
−CO−NH−R2 [2]
R1およびR2は、それぞれ、水素原子、水酸基および/またはハロゲンで置換されてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基から選択される基である]。 - 脂肪族カルボン酸が、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の1−ニトロ−2−ナフトール誘導体の製造方法。
- ニトロ化剤が、硝酸、発煙硝酸、および亜硝酸アルカリ金属塩からなる群より選択される一種以上のものである請求項1または2に記載の1−ニトロ−2−ナフトール誘導体の製造方法。
- 一般式[I]において、Xが臭素である、請求項1〜3の何れかに記載の1−ニトロ−2−ナフトール誘導体の製造方法。
- 溶媒が酢酸であり、ニトロ化剤が亜硝酸アルカリ金属塩である、請求項1〜4の何れかに記載の1−ニトロ−2−ナフトール誘導体の製造方法。
- ニトロ基を還元する方法が、以下の(A)法または(B)法である、請求項6に記載の1−アミノ−2−ナフトール誘導体の製造方法:
(A)担体に担持されていてもよい遷移金属系触媒の存在下に水素により還元する方法、または、
(B)無機酸の存在下での鉄、錫、第一錫塩またはこれらの混合物である金属化合物との反応により還元する方法。
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