JP2007302411A - エレベータのガバナ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】各プーリを配置するプーリ径方向の昇降路の占有スペースを小さくすることができるエレベータのガバナ装置の提供。
【解決手段】ガバナプーリ８ａ及び把持機構８ｂのプーリ径方向両側端部が、ガバナロープ９の一方側９１とガバナロープ９の他方側９２との間に位置するように、下部プーリ１０及びテンションプーリ１１を配設するとともに、ガバナプーリ８ａ及び把持機構８ｂのプーリ軸方向両側端部よりも内側に、ガバナロープ９の一方側９１とガバナロープ９の他方側９２とが位置するように下部プーリ１０及びテンションプーリ１１を配設した構成にしてある。
【選択図】図１

Description

本発明は、乗かごの下降速度が定格速度を超えた際に作動するガバナ装置に関する。

巻上機及び制御装置を昇降路内の最下階近傍に設置した機械室なしエレベータにおいては通常、ガバナ装置は昇降路内に占める平面寸法を縮減するため、ガバナプーリ及びガバナロープ把持機構などから成るガバナを昇降路内頂部に設置し、テンションプーリをピットに設置し、前記ガバナプーリと前記テンションプーリにガバナロープが巻掛けられ、前記ガバナロープを乗かごの非常止め装置と連結した構造としている。しかし、上記機械室レスエレベータにおけるガバナ装置の検査作業は、ガバナ作動速度確認が乗かご上での作業となり、ガバナロープをガバナプーリから引き離し固定する手段が必要であり、且つ手間が掛かる。また、非常止め装置の作動状態確認は、最上階でのガバナの操作と最下階での巻上機の状態確認をする為、作業者が最上階と最下階に別れての作業が必要となり、作業性が悪く、更に多くの作業時間を要していた。

このようなことから、ガバナ装置の検査作業、及び非常止め装置の作動状態確認作業等を考慮して、従来、特許文献１に示されるように、最下階近傍の昇降路内壁と乗かごとの間にガバナ装置を配設する方法、すなわち、昇降路頂部の頂部プーリと昇降路下部のテンションプーリが上下方向に配設され、また、最下階乗場近傍にガバナ装置を配設し、そのガバナより下方に下部プーリを上下方向に並んで配設し、前記ガバナと前記下部プーリを、前記頂部プーリ及び前記テンションプーリの投影面の外方に位置させる構造が提案されている。
特開２００５−３４３６８０号公報

しかし、上述した従来の技術では、前記ガバナと前記下部プーリが前記頂部プーリ及び前記テンションプーリの投影面の外方で、且つ反ガイドレール側に位置するため、このガイドレールと昇降路内壁、すなわち、プーリ径方向（乗かご出入り口に向かう方向）に多くのスペースを必要とする課題があった。

本発明は、このような従来技術の課題を鑑みてなされたもので、その目的は、各プーリを配置するプーリ径方向の昇降路の占有スペースを小さくすることができるエレベータのガバナ装置を提供することにある。

この目的を達成するために、本発明は、乗かごが走行する昇降路内頂部近傍に設置された頂部プーリと、前記昇降路の底部近傍に設置され下方への負荷を加えるテンションウェートが設けられたテンションプーリと、このテンションプーリより上方に設けられた下部プーリと、この下部プーリと前記頂部プーリとの間に配設されるガバナプーリと、前記頂部プーリに巻掛けられて垂下し、前記下部プーリに巻掛けられた後、前記ガバナプーリに巻掛けられ、その後、前記テンションプーリに巻掛けられた後、前記頂部プーリに向けて張設される前記頂部プーリから前記テンションプーリに掛かるガバナロープの他方側と、前記頂部プーリから前記下部プーリに掛かるガバナロープの一方側とが環状を成すように前記各プーリに巻回されるガバナロープと、前記ガバナロープに連結されて前記乗かごが走行することに応じて回転する前記ガバナプーリの回転軸に設けられ、前記乗かごの過速走行時に前記ガバナロープを把持し、前記乗かごを停止させる停止手段とを備えたエレベータのガバナ装置において、前記ガバナプーリ及び前記停止手段のプーリ径方向両側端部が、前記ガバナロープの一方側と前記ガバナロープの他方側との間に位置するように、前記下部プーリ及び前記テンションプーリを配設したことを特徴としている。

このように構成した本発明は、ガバナプーリと乗かごを停止させる停止手段を構成するプーリ径方向両側端部がガバナロープの一方側と他方側との間に位置するように、下部プーリとテンションプーリとを配設してあるので、各プーリを配置するプーリ径方向の昇降路の占有スペースを小さくすることができる。したがって、上述のプーリ径方向における昇降路面積を小さくできる。

また、本発明は、前記発明において、前記ガバナプーリ及び前記停止手段のプーリ軸方向両側端部よりも内側に、前記ガバナロープの一方側と前記ガバナロープの他方側とが位置するように前記下部プーリ及びテンションプーリを配設したことを特徴としている。このように構成した本発明は、各プーリを配置するプーリ軸方向の昇降路の占有スペースを小さくすることができる。したがって、プーリ軸方向における昇降路面積を小さくすることが可能である。

また、本発明は、前記発明において、前記ガバナプーリは、このガバナプーリ以外のプーリよりも小さい径寸法を有することを特徴としている。

さらに、本発明は、前記発明において、前記下部プーリと前記ガバナプーリ間に、鉛直方向にガバナロープが張設されるように、前記下部プーリと前記ガバナプーリとを配設したことを特徴としている。このように構成した本発明は、停止手段によって、鉛直方向に張設されたガバナロープを把持できるので、安定した把持動作を実現できる。

また、本発明は、前記発明において、前記乗かごと連結される前記ガバナロープの他方側が、前記テンションプーリと前記頂部プーリとの間で鉛直方向に張設されるように前記テンションプーリと前記頂部プーリとを配設したことを特徴としている。このように構成した本発明は、乗かごと連結される部分とガバナロープの他方側との連結角度を一定にできる。

また、本発明は、前記発明において、前記頂部プーリ、前記テンションプーリ、前記下部プーリの少なくとも一つが、複数のプーリから成ることを特徴としている。

本発明は、各プーリを配置するプーリ径方向の昇降路の占有スペースを小さくすることができ、これによって、プーリ径方向の昇降路面積を小さくすることができ、昇降路の小型化を実現できる。

以下、本発明に係るエレベータのガバナ装置を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。

［本発明の第１実施形態の構成］
図１は、本発明に係るガバナ装置の第１実施形態を設置したエレベータの全体構成を示す昇降路縦断面図、図２は、図１のＡ−Ａ’断面図である。

図１に示すように、この第１実施形態は、昇降路に設置したモータとブレーキから成る巻上機４の綱車に、乗かご１とつり合いおもり２を連結した主索３が巻き掛けられ、巻上機４を制御装置６で駆動制御することにより、乗かご１及びつい合いおもり２を釣瓶式に昇降路内で走行させるようになっている。昇降路内に設置したガイドレール５の頂部に頂部プーリ７を設置し、ガイドレール５の最下階付近にガバナプーリ８ａ及びこのガバナプーリ８ａの回転軸に設けられ、乗かご１の加速走行時にガバナロープ９を把持する把持機構８ｂすなわち停止手段などから成るガバナ８を設置し、ガバナ８の下方にガバナロープ９を転向する下部プーリ１０と、ガバナロープ９にテンションをかけるテンションウェート１１ａを備えたテンションプーリ１１を設置している。上述した頂部プーリ７、ガバナプーリ８ａ、下部プーリ１０、及びテンションプーリ１１のそれぞれは、例えば互いに同一径に設定してある。上述したガバナロープ９の移動により全てのプーリ７、８ａ、１０、１１が、同一方向に回転するようになっている。

このガバナロープ９は、乗かご１の非常止め装置２０との連結部２１を起点として頂部プーリ７に巻き回され、その後、下部プーリ１０、ガバナプーリ８ａ、テンションプーリ１１に順に巻き回されて連結部２１に至り、全体が環状に形成されている。

この第１実施形態は特に、図２に示すように、ガバナプーリ８ａ、及び上述の停止手段を形成する把持機構８ｂを含むガバナ８のプーリ径方向側端部８１、８２が、ガバナロープ９の一方側９１と他方側９２との間に位置するように下部プーリ１０及びテンションプーリ１１を配設した構成にしてある。

また、ガバナプーリ８ａ、及び把持機構８ｂを含むガバナ８のプーリ軸方向両側端部よりも内側にガバナロープ９の一方側９１とガバナロープ９の他方側９２とが位置するように下部プーリ１０及びテンションプーリ１１を配設してある。すなわち、テンションプーリ１１は、頂部プーリ７から鉛直方向に垂下されたガバナロープ９との接点がガバナ８の上方投影面の外側で且つ、ガバナプーリ８ａの軸方向に対するガバナ８の幅寸法Ｙ１内に位置し、他方のガバナプーリ８ａに掛かるガバナロープ９との接点がガバナ８の上方投影面内となるように設置してある。さらに、下部プーリ１０は、頂部プーリ７から垂下されたガバナロープ９との接点がガバナ８の上方投影面の外側で且つ、ガバナプーリ８ａの軸方向に対するガバナ８の幅寸法Ｙ１内に位置し、他方側のガバナロープ９との接点がガバナ８の投影面内となるように設置してある。

［本発明の第１実施形態の動作］
この第１実施形態では、乗かご１の下降速度が定格速度を越えた場合に、把持機構（停止手段）８ｂがそれを検知し、ガバナロープ９を把持する。その把持によってガバナロープ９が停止し、ガバナロープ９の連結部２１を介して、乗りかご１の下部に設置されている非常止め装置２０が動作する。これによって、乗かご１が停止するようになっている。

［本発明の第１実施形態の効果］
このように構成した第１実施形態によれば、ガバナプーリ８ａ、及び上述の停止手段を形成する把持機構８ｂを含むガバナ８のプーリ径方向側端部８１、８２が、ガバナロープ９の一方側９１と他方側９２との間に位置するように下部プーリ１０及びテンションプーリ１１を配設してあるので、各プーリ７、８ａ、１０、１１のプーリ径方向の昇降路の占有スペースを小さくすることができる。これによって、乗かご１の出入り口に向かう方向であるプーリ径方向の昇降路面積を小さくすることができ、昇降路の小型化を実現できる。

また、ガバナプーリ８ａ、及び上述の停止手段を形成する把持機構８ｂを含むガバナ８のプーリ軸方向側端部８３、８４よりも内側に位置するように下部プーリ１０及びテンションプーリ１１を配設することで、プーリ軸方向の昇降路の占有スペースを小さくすることができる。これによって、乗かご１の扉の開閉方向に沿う方向であるプーリ軸方向の昇降路面積を小さくすることができ、さらなる昇降路の小型化を実現できる。

また、テンションプーリ１１は、乗かご１と連結されるガバナロープ９の他方側９２が、頂部プーリ７へ鉛直方向に張設されるように配設してある。これにより、非常止め装置２０とガバナロープ９との連結部２１をガバナロープ９の他方側９２に直交するよう設置することができる。よって、非常止め装置２０の動作も安定して的確なものとすることができる。

［本発明の第２実施形態の構成］
図３は、本発明であるガバナ装置の第２の実施形態を設置したエレベータの全体構成を示す昇降路縦断面図、図４は、図３のＢ−Ｂ’断面図である。

図３に示すように、この第２実施形態も、第１実施形態と同様に、ガバナプーリ８ａ及び停止手段を形成する把持機構８ｂなどから成るガバナ８のプーリ径方向両側端部８１、８２が、ガバナロープ９の一方側９１とガバナロープ９の他方側９２との間に位置するように、下部プーリ１０及びテンションプーリ１１を配設してある。

図４に示すように、この第２実施形態では、ガバナプーリ８ａを、他のプーリ、すなわち頂部プーリ７、下部プーリ１０、及びテンションプーリ１１の径寸法よりも小さい径寸法に設定してある。

また、同図４に示すように、この第２実施形態は特に、テンションプーリ１１と、頂部プーリ７から鉛直方向に垂下されたガバナロープ９の他方側９２との接点が、ガバナ８の上方投影面の外側で且つ、ガバナプーリ８ａの軸方向に対するガバナ８の幅寸法Ｙ１内に位置し、ガバナプーリ８ａと一方側のガバナロープ９との接点と、テンションプーリ１１と一方側のガバナロープ９との接点とが、上方投影面で一致するように、テンションプーリ１１の径寸法を設定してある。さらに、下部プーリ１０と、頂部プーリ７から鉛直方向に垂下されたガバナロープ９の一方側９１との接点が、ガバナ８の上方投影面の外側で且つ、ガバナプーリ８ａの軸方向に対するガバナ８の幅寸法Ｙ１内に位置し、他方側のガバナロープ９との接点と、下部プーリ１０と他方側のガバナロープ９との接点が、ガバナ８の上方投影面で一致するように、下部プーリ１０の径寸法を設定してある。

［本発明の第２実施形態の動作］
この第２実施形態も、第１実施形態と同様に、乗かご１の下降速度が定格速度を越えた場合に、把持機構（停止手段）８ｂがそれを検知した後、ガバナロープ９が停止し、乗かご下部１の非常止め装置２０が作動することによって、乗かご１が停止する。

［本発明の第２実施形態の効果］
このように構成した第２実施形態によれば、ガバナプーリ８ａ、及び上述の停止手段を形成する把持機構８ｂを含むガバナ８のプーリ径方向側端部８１、８２が、ガバナロープ９の一方側９１と他方側９２との間に位置するように下部プーリ１０及びテンションプーリ１１を配設してあるので、第１実施形態と同様の作用効果が得られる。

特に、ガバナプーリ８ａは、その他のプーリ７、１０、１１よりも小さい径を有するとともに、下部プーリ１０は、ガバナプーリ８ａへ鉛直方向にガバナロープ９が張設されるように配設してあるので、上述の停止手段を形成する把持機構８ｂは、鉛直方向に張設されたガバナロープ９を確実に把持できる。これによって、安定した把持動作を実現できる。

さらに、乗かご１の昇降路軌跡と平行にガバナロープ９の一方側９１及び他方側９２の双方が移動するため、ガバナプーリ８ａのロープ掛かり角度や把持機構８ｂの個別設計の必要がない。これにより、設計、製作コストを安価に抑えられる。

［本発明の第３実施形態］
図５は、本発明に係るエレベータのガバナ装置の第３の実施形態を設置したエレベータの全体構成を示す昇降路縦断面図である。

この第３実施形態は、頂部プーリ７、テンションプーリ１１、下部プーリ１０の少なくとも一つが、複数のプーリから成る構成となっている。例えば、図５に示されるように、ガバナプーリ８ａ以外の各プーリ７、１０、１１が２個のプーリから構成されている。このように構成した第３実施形態にあっても、第２実施形態と同様の作用効果が得られる。

本発明に係るガバナ装置の第１の実施形態を設置したエレベータの全体構成を示す昇降路縦断面図である。 図１のＡ−Ａ’断面図である。 本発明に係るガバナ装置の第２の実施形態を設置したエレベータの全体構成を示す昇降路縦断面図である。 図３のＢ−Ｂ’断面図である。 本発明に係るエレベータのガバナ装置の第３の実施形態を設置したエレベータの全体構成を示す昇降路縦断面図である。

符号の説明

１ 乗かご
３ 主索
７ 頂部プーリ
８ ガバナ
８ａ ガバナプーリ
８ｂ 把持機構（停止手段）
８１、８２ プーリ径方向側端部
８３、８４ プーリ軸方向側端部
９ ガバナロープ
９１ 一方側
９２ 他方側
１０ 下部プーリ
１１ テンションプーリ
１１ａ テンションウェート
２０ 非常止め装置
２１ 連結部
Ｙ１ ガバナ幅寸法

Claims (6)

1. 乗かごが走行する昇降路内頂部近傍に設置された頂部プーリと、前記昇降路の底部近傍に設置され下方への負荷を加えるテンションウェートが設けられたテンションプーリと、このテンションプーリより上方に設けられた下部プーリと、この下部プーリと前記頂部プーリとの間に配設されるガバナプーリと、前記頂部プーリに巻掛けられて垂下し、前記下部プーリに巻掛けられた後、前記ガバナプーリに巻掛けられ、その後、前記テンションプーリに巻掛けられた後、前記頂部プーリに向けて張設される前記頂部プーリから前記テンションプーリに掛かるガバナロープの他方側と、前記頂部プーリから前記下部プーリに掛かるガバナロープの一方側とが環状を成すように前記各プーリに巻回されるガバナロープと、前記ガバナロープに連結されて前記乗かごが走行することに応じて回転する前記ガバナプーリの回転軸に設けられ、前記乗かごの過速走行時に前記ガバナロープを把持し、前記乗かごを停止させる停止手段とを備えたエレベータのガバナ装置において、
   前記ガバナプーリ及び前記停止手段のプーリ径方向両側端部が、前記ガバナロープの一方側と前記ガバナロープの他方側との間に位置するように、前記下部プーリ及び前記テンションプーリを配設したことを特徴とするエレベータのガバナ装置。
2. 請求項１に記載のエレベータのガバナ装置において、
   前記ガバナプーリ及び前記停止手段のプーリ軸方向両側端部よりも内側に、前記ガバナロープの一方側と前記ガバナロープの他方側とが位置するように前記下部プーリ及びテンションプーリを配設したことを特徴とするエレベータのガバナ装置。
3. 請求項１または請求項２に記載のエレベータのガバナ装置において、
   前記ガバナプーリは、このガバナプーリ以外のプーリよりも小さい径寸法を有することを特徴とするエレベータのガバナ装置。
4. 請求項３に記載のエレベータのガバナ装置において、
   前記下部プーリと前記ガバナプーリ間に、鉛直方向にガバナロープが張設されるように、前記下部プーリと前記ガバナプーリとを配設したことを特徴とするエレベータのガバナ装置。
5. 請求項１または２に記載のエレベータのガバナ装置において、
   前記乗かごと連結される前記ガバナロープの他方側が、前記テンションプーリと前記頂部プーリとの間で鉛直方向に張設されるように前記テンションプーリと前記頂部プーリとを配設したことを特徴とするエレベータのガバナ装置。
6. 請求項１に記載のエレベータのガバナ装置において、
   前記頂部プーリ、前記テンションプーリ、前記下部プーリの少なくとも一つが、複数のプーリから成ることを特徴とするエレベータのガバナ装置。

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