JP2007302281A - 地上構造物の津波対策工 - Google Patents

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Abstract

【課題】タンク等の地上構造物自体に対して津波対策がなされて地上構造物の津波被害を防止することができ、且つ、当該津波対策工のために広い用地が確保できない場合でも構築することができ、簡単に構築することができる地上構造物の津波対策工を提供することを目的としている。
【解決手段】地上に設置された構造物1の津波対策工であって、構造物1の外側に、自立式の津波防護柵2が設置されており、津波防護柵2の高さH1が、想定される津波の遡上高さH2とほぼ同等に設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、地上に設置されたタンク等の構造物自体に対する津波対策工に関する。
従来、例えば、石油ターミナルにおける津波対策工として、湾口に防波堤や防浪堤を設置する技術がある。これら防波堤等は、海中に築造される構造物であり、通常、ケーソンや盛土などからなる。この防波堤等の津波対策工によれば、防波堤等によって湾内に津波が押し寄せることを防止することができ、湾岸に設置された石油タンクを津波から守ることができる(例えば、特許文献1,2,3参照。)。
特開平7−113216号公報 特開平7−113219号公報 特開平11−81269号公報
しかしながら、上記した従来のタンク等の地上構造物の津波対策工では、防波堤等は大型の構造物であるため、その設置には、大掛かりな工事が必要であるという問題が存在する。したがって、津波対策工の建設工事には相当の費用と時間を要する。また、上記した従来の地上構造物の津波対策工では、防波堤等が大型の構造物であるため、当該防波堤等を設置するための広い用地を要するという問題が存在する。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、構造物自体に対して津波対策がなされて構造物の津波被害を防止することができ、且つ、当該津波対策工のために広い用地が確保できない場合でも構築することができ、簡単に構築することができる地上構造物の津波対策工を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、地上に設置された構造物の津波対策工であって、構造物の外側に、自立式の津波防護柵が設置されており、該津波防護柵の高さが、想定される津波の遡上高さとほぼ同等に設定されていることを特徴としている。
このような特徴により、津波が発生した場合、津波は津波防護柵に突き当たって、構造物に直接衝突することはない。また、仮に、津波を完全に遮断しようとすると、防護柵を想定される津波の遡上高さよりも相当高くする必要があり、その設置には大掛かりな工事が必要となるが、本発明は、津波防護柵の高さが、想定される津波の遡上高さとほぼ同等に設定するため、津波防護柵が簡易的に設置される。また、このような津波防護柵は、津波の越流を許容することになるが、越流があっても津波防護柵によって越流波のエネルギーは減衰されているため、越流によって構造物が被害を受けることはない。また、自立式の津波防護柵であるため、ケーソンや盛土を築造する場合に比べて小さい用地があればよく、また、片持ばり式擁壁(L型擁壁等)や重力式擁壁と比べてもその用地は小さくて済む。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の地上構造物の津波対策工において、前記構造物は、地盤内に定着されたグランドアンカーにより固定されていることを特徴としている。
このような特徴により、津波が津波防護柵を越流した場合であっても、その越流によって構造物が浮き上がったり滑動したりすることが防止される。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の地上構造物の津波対策工において、前記構造物の外周面のうち、少なくとも想定される津波の遡上高さよりも下側の位置には、構造物周方向に延在する補強リブが設けられていることを特徴としている。
このような特徴により、構造物自体が補強リブによって補強され、津波が津波防護柵を越流した場合であっても、津波波力による構造物の局部座屈及び全体座屈が防止される。
本発明に係る地上構造物の津波対策工によれば、構造物自体に対して津波対策がなされ、構造物の津波被害を防止することができ、且つ、当該津波対策工のために広い用地が確保できない場合でも構築することができ、また、簡単な工事で当該津波対策工を構築することができる。
以下、本発明に係る地上構造物の津波対策工の第1、第2、第3の実施の形態について、図面に基いてそれぞれ説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る地上構造物の津波対策工の第1の実施の形態について説明する。
図1は第1の実施の形態における津波対策工を表す平面図であり、図2は第1の実施の形態における津波対策工を表す立面図である。
図1、図2に示すように、本実施の形態における津波対策工は、湾岸等の海の近い地域に設置されたタンク1(地上構造物)の津波対策工であって、地上に設置されたタンク1の外側に津波防護柵2が設置された構成からなる。津波防護柵2は、津波がタンク1の設置地域まで遡上した場合に当該津波に対抗するための防護柵であり、タンク1を囲うように環状に設置されている。また、津波防護柵2は、タンク1の外周面から所定の間隔をあけて配設されており、さらに、本実施の形態ではタンク1の外周に沿って延在されている。
図3は上記した津波防護柵2を表す立面図である。
図1,図2,図3に示すように、津波防護柵2は、自立式の防護柵であり、間隔をあけて立設された複数の親杭3…と、各親杭3…間に介装された複数の横矢板4…とから構成されている。このような構成からなる津波防護柵2は、地盤G内に障害物がある場合であっても施工可能である。
親杭3は、例えばH形鋼などの鋼材からなり、その下部は地盤G内に所定深さまで根入れされており、その上部は地表面から垂直に立ち上げられている。親杭3の根入れ深さLは、津波防護柵2が津波の水圧を受けたときに親杭3…が転倒しない程度の深さに設定される。横矢板4は、例えば軽量鋼矢板などの長尺の板材からなり、水平方向に延在されているとともに隣り合う親杭3,3間に嵌め込まれている。
各親杭3,3間には、横矢板4…が鉛直方向に複数並べられており、これら複数の横矢板4…によって、隣り合う親杭3,3間には、津波を受けるための壁体5が形成されている。また、津波防護柵2の高さH1は、想定される津波の遡上高さH2とほぼ同等(本実施の形態では、遡上高さH2と同一、又は、遡上高さH2に近似する高さを意味する。以下、同じ。)に設定されている。つまり、津波防護柵2は、津波を完全に遮断するものではなく、津波の越流を許容するものである。ここで、津波防護柵2の高さH1とは、地表面から壁体5上端までの高さのことであり、津波を受け得る面の高さを意味している。ちなみに、想定される津波の遡上高さH2は、地震の大きさ、発生位置、海底地形等によって変わってくるが、過去に発生した地震を参考にその付近の海底や海岸地形を考慮してシミュレーションし、想定するものである。
なお、鉛直方向に並べられた複数の横矢板4…は、互いの側面(長辺方向の端面)同士を重ね合わせた状態で設置されているが、これらの横矢板4,4間には多少の隙間があり、横矢板4,4間から遡上した津波の水が横矢板4,4間から津波防護柵2内に多少浸水し得る状態になっていてもよい。つまり、津波防護柵2は、津波を完全に遮断するためのものではなく、津波の勢いを低減させるための簡易的なものでよい。
また、親杭3,3間に設置される壁体5は、その下端部を地盤G内に若干根入れさせておくことが好ましい。つまり、親杭3,3間に嵌め込まれる横矢板4…のうちの下端側の横矢板4…を地盤G内に埋設させておく。これによって、津波によって津波防護柵2の下側に洗掘防止が図れ、地盤G内に埋め込まれた壁体5下端部からの浸水を防ぐことができる。
また、親杭3…の上端部は、上記した津波防護柵高さH1よりも上方に突出されており、隣り合う親杭3,3の上端部間にはガード部材6が架設されている。このガード部材6は、各親杭3…上端部間にそれぞれ架設されている。ガード部材6としては、軽量鋼矢板等の長尺の板材を用いることができる。この場合、板状のガード部材6…は、壁体5の上端(最上端に位置する横矢板4)との間に適切な間隔Dをあけて配設される。この間隔Dは、津波と共に流されてくる漂流物が通過しない程度に小さい寸法とするのがよい。なお、ガード部材6は板状のものに限定されず、例えば、ガード部材6として単管パイプ等の棒状部材を用いてもよい。具体的には、ガード部材6は、水平方向に延在する複数の単管パイプが適切な間隔をあけて並列に並べられた構成であってもよい。また、必要に応じてガード部材6に縦材が備えられていてもよく、条材を格子状に組んだ構成からなるガード部材6であってもよい。
次に、上記した構成からなる津波対策工の作用について説明する。
津波がタンク1に向かって押し寄せると、当該津波は津波防護柵2に突き当たる。このとき、発生した津波の遡上高さが想定された遡上高さH2とほぼ同等或いはそれ以上である場合、当該津波は、津波防護柵2を越えて津波防護柵2内に流入する。つまり、例えば、ガード部材6が板材からなる場合、津波防護柵2の壁体5とガード部材6との間から津波の水が津波防護柵2内に流れ込む。この結果、津波防護柵2内のタンク1は越流に晒されることとなるが、水の勢いは津波防護柵2によって減衰され、越流波のエネルギーは相当に小さなものとなるため、津波防護柵2内への越流によってタンク1が損傷することはない。
また、津波と共に、津波によって流された車や船舶等の漂流物が押し寄せてくる可能性がある。仮に、これらの漂流物がタンク1に衝突すると、タンク1は多大な損傷を受けるおそれがあるが、上記した構成からなる津波対策工では、津波防護柵2の壁体5上端と間隔をあけてガード部材6が架設されているため、当該津波防護柵2が、越流から上記漂流物を取り除く篩いの役目を果たす。つまり、津波とともに流されている漂流物は、津波防護柵2のところでガード部材6に突き当たって止められ、津波防護柵2内への流れ込みが抑止される。
上記した構成からなるタンク1の津波対策工によれば、津波は津波防護柵2に突き当たるため、タンク1に津波が直接突き当たることはない。これにより、津波によってタンク1が損傷することを防止することができる。仮に、越流があっても津波防護柵2によって越流波のエネルギーは減衰されるため、越流によってタンク1が被害を受けることもない。このように、タンク1の津波被害を防止することができる。このように、タンク自体に対して津波対策がなされて、タンクの津波被害を防止することができる。
また、津波防護柵2の高さH1が、想定される津波の遡上高さH2とほぼ同等であるため、津波防護柵2は、大掛かりなものとならず、簡易的に設置される。これにより、簡単な工事で津波対策工を構築することができ、津波対策工の建設工事のコストを抑えることができるとともに、短い工期で津波対策工を構築することができる。なお、津波防護柵2の耐圧強度については、遡上高さH2の3倍の高さに対応する静水圧分布において、地盤から津波防護柵2の高さH1までの静水圧分布の水平方向力に少なくとも耐えられる強度とする必要がある。
また、津波防護柵2は自立式であるため、ケーソンや盛土等によって防波堤を築造する場合やL型擁壁や重力式擁壁を築造する場合と比べて、その設置のための用地は狭いもので済む。これによって、当該津波対策工のために広い用地を確保する必要がなく、上記したケーソン等の構造物が設置できない場合であっても津波対策工を構築することができる。
また、各親杭3,3上端部間に架設されたガード部材6…を備える津波防護柵2は、篩いの役目を果たし、ガード部材6…によって、漂流物が越流に乗って津波防護柵2内に進入することを防止することができる。これによって、津波によって流された漂流物がタンク1に衝突することを防ぐことができ、タンク1の破損を防止することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る地上構造物の津波対策工の第2の実施の形態について説明する。なお、上述した第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付すことで、その説明を省略する。
図4は第2の実施の形態における津波対策工を表す平面図であり、図5は第2の実施の形態における津波対策工を表す立面図である。
図4,図5に示すように、タンク1は、地盤G内に定着された複数のグランドアンカー7…によって固定されている。グランドアンカー7…は、津波によるタンク1の浮き上がりや滑動を防止するためのものであり、タンク1の周りに均等に配設されている。また、グランドアンカー7…は、想定される津波の遡上高さH2に基づいて把握される想定浮力に抵抗できる程度のアンカー力を有するものであり、その下端部は定着地盤G´内に埋設されて定着されている。
グランドアンカー7…の上端部は、タンク1の下端部に固定された桁材8,8の両端部に取り付けられて定着されている。桁材8は、H形鋼等の鋼材15の両端にタンク1の側方に張り出す張出部材10,10がそれぞれ取り付けられた構成からなる。鋼材15は、タンク1が載置された基盤9上でタンク1の図示せぬ底版上に設置されており、桁材8は、タンク1の下端部を水平方向に貫通した状態で設けられている。また、本実施の形態では、2本の桁材8,8が十字状に配設されている。
図6はグランドアンカー7上端の取付構造を表した拡大図である。
図4,図5,図6に示すように、桁材8の端部に取り付けられた張出部材10は、上下平行に対向配置された2枚の鋼板10a,10aの間に、当該鋼板に直交する他の鋼板10b,10bを2枚平行に介装させた構成からなる鋼製部材である。張出部材10の基端部は桁材8の上フランジの上に載せられてボルト接合されており、また、張出部材10(鋼板10a,10a)の先端部には図示せぬ孔が形成されている。この孔にはグランドアンカー7の上端が挿通されており、張出部材10から上方に突出したグランドアンカー7の上端は、張出部材10の先端部の上に設置された定着構造11によって固定されている。なお、張出部材10が接合された桁材8の端部には、複数の補剛リブ12…が間隔をあけて配設されており、また、グランドアンカー7を挿通させるための図示せぬ孔が形成された張出部材10の先端部には、当該孔の両側に補剛リブ13,13がそれぞれ配設されている。また、基盤9の側方には、張出部材10の先端部を支持するための断面L字形のコンクリート造の支持台14が設けられており、この支持台14の内部には、グランドアンカー7が貫設されている。
上記した構成からなる津波対策工によれば、タンク1自体がグランドアンカー7…によって地盤Gに固定されているため、津波が津波防護柵2を越流した場合であっても、その越流によってタンク1が浮き上がったり滑動したりすることが防止される。これによって、タンク1の津波被害を防止することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係る地上構造物の津波対策工の第3の実施の形態について説明する。なお、上述した第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付すことで、その説明を省略する。
図7は第3の実施の形態における津波対策工を表す立面図である。
図7に示すように、タンク1の外周面には、タンク周方向に延在する補強リブ16…が設けられている。補強リブ16…は、タンク1の外周面に接合或いは一体的に形成されたリング状のリブであり、鉛直方向に間隔をあけて複数段設けられている。これらの補強リブ16…は、想定される津波の遡上高さH2よりも下側の位置に設けられている。
上記した構成からなる津波対策工によれば、タンク1自体が補強リブ16…によって補強され、津波が津波防護柵2を越流した場合であっても、津波波力によるタンク1の局部座屈及び全体座屈が防止される。これによって、タンク1の津波被害を防止することができる。
以上、本発明に係る地上構造物の津波対策工の第1、第2、第3の実施の形態についてそれぞれ説明したが、本発明は上記した各実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、複数の横矢板4…を隣り合う親杭3,3間にそれぞれ嵌め込んで鉛直方向に並べる親杭横矢板方式によって津波防護柵2が形成されているが、本発明は、隣り合う親杭間に大判の板材(一枚板)を嵌め込んだ構成からなる津波防護柵であってもよい。
また、本発明に係る津波防護柵2は、親杭間に板材が嵌め込まれた構成に限定されるものではなく、例えば、地盤G内に障害物が無い場合には、図8に示すように、複数の鋼矢板17…を連続的に立設させて壁体を形成する鋼矢板方式の津波防護柵2´であってもよい。このような構成にすることで、鋼矢板17…の根入れ深さL´は、上記した実施の形態の親杭横矢板方式における親杭3…の根入れ深さLよりも浅くなり、津波防護柵2´を容易に施工することができる。
また、図8に示すように、上記した鋼矢板方式の津波防護柵2´にガード部材6…を設置することもできる。具体的には、他の鋼矢板17…よりも長い鋼矢板17´…を複数枚おきに配設して、これら長い鋼矢板17´…の上端部を他の鋼矢板17…の上端よりも上方に突出させる。そして、隣り合う長い鋼矢板17´…の上端部間にガード部材6…をそれぞれ架設させる。なお、上記した長い鋼矢板17´…を用いる構成以外にもガード部材6を設置することは可能である。
また、上記した実施の形態では、津波防護柵2に、漂流物の進入を止めるためのガード部材6…が設けられた構成からなっているが、本発明は、津波防護柵に上記したようなガード部材が設けられていなくてもよい。
また、上記した実施の形態では、津波防護柵2は、タンク1の外縁に沿って延在されており、略円柱形のタンク1の周囲に配置された津波防護柵2は、タンク1の径よりも大きい径の略円形に延在されているが、本発明は、津波防護柵がタンクの外縁に沿って延在していなくてもよく、例えば、略円柱形のタンクの周囲に、平面視矩形状に延在された津波防護柵が設置されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、津波防護柵2の中にタンク1が一つだけ設置された状態になっているが、本発明は、津波防護柵の中に複数のタンクからなるタンク群が設置された状態であってもよく、つまり、津波防護柵によって複数のタンクをまとめて囲う構成であってもよい。
また、上記した実施の形態では、タンク1(地上構造物)の外側を囲んで環状に閉合する津波防護柵2を設置したが、本発明は、津波防護柵が閉合されてなく、一部開放されていてもよい。例えば、タンク外側のうち、海岸側の津波が押し寄せる側にのみ、ほぼ直線的に津波防護柵を設置してもよいし、津波が押し寄せる方向と反対側が開放されたほぼコ字状の津波防護柵でタンク外側を囲うように設置してもよい。いずれにしても、少なくともタンク外側で津波が押し寄せる(遡上してくる)側は津波防護柵を設置しておく。
また、上記した第2の実施の形態では、タンク1を貫通する桁材8,8の両端にグランドアンカー7…上端を固定させているが、本発明は、タンクの外周にリング状の桁材を配設し、その桁材にグランドアンカーの上端を固定させてもよい。
また、上記した第3の実施の形態では、補強リブ16…が、想定される津波の遡上高さH2よりも下側の位置にのみ設けられているが、本発明は、少なくとも想定される津波の遡上高さよりも下側の位置に補強リブが設けられていればよく、例えば、想定される遡上高さよりも上側にも補強リブが設けられていてもよく、タンクの外周面全体に補強リブが設けられていてもよい。
また、上記した第3の実施の形態では、想定される津波の遡上高さH2よりも下側の位置に、リング状の補強リブ16…が複数段設けられているが、本発明は、補強リブが一段だけ設けられていてもよく、また、補強リブはリング状でなくてもよく、例えば、円弧状の補強リブであってもよい。
また、本発明は、上記した第2の実施の形態の構成と第3の実施の形態の構成とを組み合わせた構成であってもよい。つまり、本発明は、タンク(地上構造物)の周囲に、想定される津波の遡上高さとほぼ同等の高さに設定された自立式の津波防護柵がタンクを囲むように設置されているとともに、タンクが、地盤内に定着されたグランドアンカーにより固定され、さらに、タンクの外周面のうち、少なくとも、想定される津波の遡上高さよりも下側の位置に、タンク周方向に延在する補強リブが設けられている津波対策工であってもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施の形態を説明するための地上構造物の津波対策工を表す平面図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するための地上構造物の津波対策工を表す立面図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するための津波防護柵を表す立面図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するための地上構造物の津波対策工を表す平面図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するための地上構造物の津波対策工を表す立面図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するためのグランドアンカー上端の取付構造を表す立面図である。 本発明の第3の実施の形態を説明するための地上構造物の津波対策工を表す立面図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための津波防護柵を表す立面図である。
符号の説明
1 タンク(地上構造物)
2,2´ 津波防護柵
7 グランドアンカー
16 補強リブ
H1 津波防護柵の高さ
H2 想定される津波の遡上高さ
G 地盤

Claims (3)

  1. 地上に設置された構造物の津波対策工であって、
    構造物の外側に、自立式の津波防護柵が設置されており、
    該津波防護柵の高さが、想定される津波の遡上高さとほぼ同等に設定されていることを特徴とする地上構造物の津波対策工。
  2. 請求項1記載の地上構造物の津波対策工において、
    前記構造物は、地盤内に定着されたグランドアンカーにより固定されていることを特徴とする地上構造物の津波対策工。
  3. 請求項1または2記載の地上構造物の津波対策工において、
    前記構造物の外周面のうち、少なくとも、想定される津波の遡上高さよりも下側の位置には、構造物周方向に延在する補強リブが設けられていることを特徴とする地上構造物の津波対策工。
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