しかしながら、特許文献1に開示されているスキャナーによれば、原稿の画像読み取りに先立って必ず原稿に付設されたRFIDタグから情報を読み出すプレスキャンを行うので、RFIDタグが付設されていない原稿の画像読み取りに時間がかかるという問題があった。また、原稿に付設されたRFIDタグから複写禁止情報を読み出した場合、当該原稿の画像を全て読み取り、読み取って得た画像データを変更する処理を行う必要があるという問題があった。
また、特許文献2に開示されている画像形成装置によれば、原稿に付設されたRFIDタグのICチップに元画像データが書き込まれている。そのため、大容量のICチップを備えたRFIDタグを必要とし、高コストになるという問題があった。
さらに、原稿が詳細な設計図面であるときには当該原稿を高解像度で読み取る必要がある等、原稿に適した読取モードにて画像を読み取ることが必要となる場合がある。このような場合、原稿に適した読取モードにて画像を読み取らなければ読み取りが無駄になるとともに、適した読取モードを設定して画像を読み取り直す必要があるという問題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、電子的に情報が書き込まれた記憶媒体が付設された原稿の画像を読み取る画像読取装置において、原稿に適した処理を確実に効率良く行うことができる画像読取装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像読取装置は、原稿載置板に沿って移動する走査キャリッジを前記原稿載置板に載置された原稿に対し走査して、該原稿の画像を読み取る読取手段と、前記走査キャリッジに設けられ、前記原稿に付設された記憶媒体から電子的に書き込まれた情報を読み出す読出手段と、を備え、前記読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読取モード情報を読み出した場合、該読取モード情報が示す読取モードにて、前記読取手段が当該原稿の画像を読み取ることを特徴としている。
請求項2に記載の画像読取装置は、請求項1に記載の画像読取装置において、前記読取手段の読取モードを設定する読取モード設定手段を備え、前記読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読取モード情報を読み出した場合、該読取モード情報が示す読取モードを前記読取モード設定手段にて設定された読取モードより優先させて、前記読取手段が当該原稿の画像を読み取ることを特徴としている。
請求項3に記載の画像読取装置は、請求項1に記載の画像読取装置において、前記読取手段の読取モードを設定する読取モード設定手段を備え、前記読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読み出した読取モード情報が示す読取モードと、前記読取モード設定手段にて設定された読取モードとが矛盾する場合、その旨及び優先する読取モードの選択を促す旨を報知手段にて報知し、選択された読取モードを優先させて前記読取手段が当該原稿の画像を読み取ることを特徴としている。
請求項4に記載の画像読取装置は、請求項1から3の何れか1項に記載の画像読取装置において、前記読取手段が原稿の画像を読み取る前に、前記走査キャリッジが前記原稿載置板に沿って移動し、前記読出手段が前記原稿載置板に載置された原稿に付設された記憶媒体から情報を読み出す事前読出を行うことを特徴としている。
請求項5に記載の画像読取装置は、請求項4に記載の画像読取装置において、前記事前読出を行わない事前読出不要を設定する事前読出不要設定手段を備え、前記事前読出不要設定手段により事前読出不要が設定されている場合において、前記読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読取モード情報を読み出した場合、前記読取手段が、前記読取モード情報が示す読取モードにて当該原稿の画像を読み取り直すことを特徴としている。
請求項6に記載の画像読取装置は、請求項5に記載の画像読取装置において、前記読取手段が前記原稿の画像を読み取り直した場合、その旨を報知手段にて報知することを特徴としている。
請求項7に記載の画像読取装置は、請求項1から6の何れか1項に記載の画像読取装置において、前記読出手段が、前記走査キャリッジに主走査方向に間隔を隔て複数設けられることを特徴としている。
請求項8に記載の画像読取装置は、原稿トレイに載置された原稿を搬送路に沿って搬送する自動原稿搬送手段と、該自動原稿搬送手段によって搬送される原稿の画像を読み取る読取手段と、前記自動原稿搬送手段によって搬送される原稿に付設された記憶媒体から電子的に書き込まれた情報を読み出す読出手段と、を備え、前記読取手段が原稿の画像の読み取りを開始する前に、前記読出手段が当該原稿に付設された記憶媒体から読取モード情報を読み出した場合、該読取モード情報が示す読取モードにて、前記読取手段が当該原稿の画像を読み取ることを特徴としている。
請求項9に記載の画像読取装置は、請求項8に記載の画像読取装置において、前記読取手段が原稿の画像の読み取りを開始した後に、前記読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読取モード情報を読み出した場合、前記読取手段が当該原稿を読み取り直す旨を報知することを特徴としている。
請求項10に記載の画像読取装置は、請求項9に記載の画像読取装置において、前記原稿を前記原稿トレイに載置することを促す旨を報知し、前記読出手段が、前記読取モード情報が示す読取モードにて前記自動原稿搬送手段により前記原稿トレイから搬送される原稿の画像を読み取り直すことを特徴としている。
請求項11に記載の画像読取装置は、請求項1から10の何れか1項に記載の画像読取装置において、前記読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読取禁止情報を読み出した場合、前記読取手段が当該原稿の画像の読み取りを中止することを特徴としている。
請求項12に記載の画像読取装置は、請求項1から11の何れか1項に記載の画像読取装置において、前記読取手段が原稿の画像を読み取って得た画像データの処理を行う画像データ処理手段を備え、前記読出手段が原稿に付設された記憶媒体から処理設定情報を読み出した場合、該処理設定情報が示す処理設定にて、前記画像データ処理手段が当該原稿の画像データの処理を行うことを特徴としている。
請求項13に記載の画像読取装置は、請求項12に記載の画像読取装置において、前記画像データ処理手段が行う処理を設定する処理設定手段を備え、前記読出手段が原稿に付設された記憶媒体から処理設定情報を読み出した場合、該処理設定情報が示す処理設定を前記処理設定手段にて設定された処理設定より優先させて、前記画像データ処理手段が当該原稿の画像データの処理を行うことを特徴としている。
請求項14に記載の画像読取装置は、請求項12に記載の画像読取装置において、前記画像データ処理手段が行う処理を設定する処理設定手段を備え、前記読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読み出した処理設定情報が示す処理設定と、前記処理設定手段にて設定された処理設定とが矛盾する場合、その旨及び優先する処理設定の選択を促す旨を報知し、選択された処理設定を優先させて、前記画像データ処理手段が当該原稿の画像データの処理を行うことを特徴としている。
請求項1に記載の画像読取装置によれば、読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読取モード情報を読み出した場合、該読取モード情報が示す読取モードにて読取手段が当該原稿の画像を読み取る。そのため、原稿に付設された記憶媒体に予め書き込まれた読取モード情報が示す読取モードにて原稿の画像を自動的に読み取ることができ、原稿に適切な読取モードにて確実に当該原稿を読み取ることが可能となる。よって、読取モードを正しく設定して原稿の画像を再度読み取る必要が生じることを防ぐことが可能となる。さらに、読出手段が原稿載置板に沿って移動する走査キャリッジに設けられている。従って、原稿載置板に載置された原稿に付設された記憶媒体から情報を読み出すために、読出手段を原稿載置板に沿って移動させる別個独立した構成を必要としないので、装置コストを削減することが可能となる。また、例えば、原稿トレイに載置された原稿に付設された記憶媒体から情報を読み出す場合には、原稿トレイに載置された複数枚の原稿から読取モード情報を混在して読み出すことがあり、個々の原稿をそれぞれに適切な読取モードにて読み取ることができない恐れがあるという問題がある。しかし、本画像読取装置によれば、原稿載置板に載置された原稿から読取モード情報を読み出すので、当該原稿を適切な読取モードにて確実に読み取ることができる。
請求項2に記載の画像読取装置によれば、読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読取モード情報を読み出した場合、該読取モード情報が示す読取モードを読取モード設定手段にて設定された読取モードより優先させて、当該原稿の画像を読み取る。そのため、原稿に適さない読取モードが読取モード設定手段にて設定されている場合であっても、原稿に適切な読取モードにて自動的に当該原稿を読み取ることが可能となる。よって、誤って設定された読取モードにて原稿の画像を読み取ることを確実に防ぐことが可能となる。
請求項3に記載の画像読取装置によれば、読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読み出した読取モード情報が示す読取モードと、読取モード設定手段にて設定された読取モードとが矛盾する場合、その旨を報知する。そのため、原稿に適さない読取モードが設定されている恐れがあることをユーザに認知させることができ、誤って設定された読取モードにて原稿の画像を読み取ることを防ぐことが可能となる。また、優先する読取モードの選択を促す旨を報知し、選択された読取モードを優先させて原稿の画像を読み取る。そのため、設定された読取モードに対する確認をユーザに求めることが可能となるとともに、ユーザに読取モードの選択を委ねることができ、ユーザの所望する読取モードにて原稿の画像を読み取ることを防ぐことが可能となる。
請求項4に記載の画像読取装置によれば、読取手段が原稿の画像を読み取る前に、走査キャリッジが原稿載置板に沿って移動し、読出手段が原稿載置板に載置された原稿に付設された記憶媒体から情報を読み出す事前読出(タグプレスキャン)を行う。そのため、原稿に付設された記憶媒体に予め書き込まれた読取モード情報が示す読取モードにて原稿の全ての画像を自動的に読み取ることができ、原稿の画像を読み取り直す必要が生じることを確実に防ぐことが可能となる。
請求項5に記載の画像読取装置によれば、事前読出を行わない事前読出不要を設定する事前読出不要設定手段を備える。そのため、原稿に記憶媒体が付設されていない場合等、原稿に付設された記憶媒体から情報を読み出す必要がない場合、事前読出不要を設定することにより、無駄な事前読出を省くことができ、原稿の画像を迅速に読み取ることができる。また、事前読出不要設定手段により事前読出不要が設定されている場合において、読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読取モード情報を読み出した場合、読取手段が、読取モード情報が示す読取モードにて当該原稿の画像を読み取り直す。そのため、原稿に付設された記憶媒体から情報を読み出す必要がないとユーザが判断し、事前読出不要を設定した場合であっても、画像読み取り中に原稿に付設された記憶媒体から読取モード情報を読み出した場合には、該読取モード情報が示す読取モードにて当該原稿の画像を自動的に読み取り直す。よって、原稿に適切な読取モードにて確実に当該原稿の画像を読み取ることが可能となる。
請求項6に記載の画像読取装置によれば、原稿の画像を読み取り直した場合、その旨を報知する。そのため、読み出すべき情報が書き込まれた記憶媒体が付設された原稿の画像を読み取ったことをユーザに認知させることができ、ユーザに注意を促すことが可能となる。
請求項7に記載の画像読取装置によれば、走査キャリッジに主走査方向に間隔を隔て複数の読出手段が設けられる。そのため、読出可能距離が短い読出手段によって、原稿載置板に載置された原稿の幅方向のどの位置に付設された記憶媒体からも情報を読み出すことが可能となる。よって、原稿トレイや排紙トレイに載置された原稿等、原稿載置板に載置された原稿以外の原稿に付設された記憶媒体から誤って読出手段が情報を読み出す恐れを防ぐことが可能となる。
請求項8に記載の画像読取装置によれば、原稿トレイに載置された原稿を搬送路に沿って搬送する自動原稿搬送手段(ADF)を備え、読取手段が原稿の画像の読み取りを開始する前に、読出手段が当該原稿に付設された記憶媒体から読取モード情報を読み出した場合、該読取モード情報が示す読取モードにて、読取手段が当該原稿の画像を読み取る。そのため、原稿に付設された記憶媒体に予め書き込まれた読取モード情報が示す読取モードにて原稿の画像を自動的に読み取ることができ、原稿に適切な読取モードにて確実に当該原稿を読み取ることが可能となる。よって、読取モードを正しく設定して原稿の画像を再度読み取る必要が生じることを防ぐことが可能となる。さらに、読出手段が自動原稿搬送手段によって搬送される原稿に付設された記憶媒体から情報を読み出す。そのため、読出手段を原稿に沿って移動させる独立した構成を必要としないので、装置コストを削減することが可能となる。また、例えば、原稿トレイに載置された原稿に付設された記憶媒体から情報を読み出す場合には、原稿トレイに載置された複数枚の原稿から読取モード情報を混在して読み出すことがあり、個々の原稿をそれぞれに適切な読取モードにて読み取ることができない恐れがあるという問題がある。しかし、本画像読取装置によれば自動原稿搬送手段によって搬送される原稿から読取モード情報を読み出すので、当該原稿を適切な読取モードにて確実に読み取ることができる。
請求項9に記載の画像読取装置によれば、読取手段が原稿の画像の読み取りを開始した後に、読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読取モード情報を読み出した場合、読取手段が当該原稿を読み取り直す旨を報知する。そのため、読取手段が原稿の画像の読み取りを開始した後に、読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読取モード情報を読み出した場合であっても、ユーザに原稿を読み取り直すことが必要であることを認知させることにより、適切な読取モードにて原稿の画像を読み取り直すことが可能となる。
請求項10に記載の画像読取装置によれば、前記原稿を原稿トレイに載置することを促す旨を報知し、読取モード情報が示す読取モードにて自動原稿搬送手段により原稿トレイから搬送される原稿の画像を読み取り直す。そのため、ユーザに画像を読み取り直す必要がある原稿を原稿トレイに載置させることを促すとともに、原稿トレイに載置された原稿の画像を読み取る際に、原稿トレイに載置されるべき原稿に付設された記憶媒体から読み出した読取モード情報が示す読取モードにて原稿の画像を読み取ることができる。よって、適切な読取モードにて原稿の画像を読み取り直すことが可能となる。
請求項11に記載の画像読取装置によれば、原稿に付設された記憶媒体から読取禁止情報を読み出した場合、当該原稿の画像の読み取りを中止する。そのため、読み取りが禁止された原稿の画像を誤って読み取ることを確実に防ぐことができる。さらに、読出手段が原稿に付設された記憶媒体から読取禁止情報を読み出した場合、読取手段が当該原稿の画像の読み取りを中止し、読み取りを中止するまでに読み取った画像データを廃棄又は消去することとすれば、誤って読み取った原稿の画像データを得ることを確実に防ぐことができる。なお、原稿の画像の読み取りを中止するには、事前読出を行った際に原稿に付された記憶媒体から読取禁止情報を読み出した場合、その後に当該原稿の画像の読み取りを停止することも含まれる。
請求項12に記載の画像読取装置によれば、原稿に付設された記憶媒体から処理設定情報を読み出した場合、該処理設定情報が示す処理設定にて、画像データ処理手段が当該原稿の画像データの処理を行う。そのため、原稿に付設された記憶媒体に予め書き込まれた処理設定情報が示す処理設定にて原稿の画像データの処理を自動的に行うことができ、原稿に適した処理設定にて確実に当該原稿の画像データの処理を行うことができる。なお、画像データの処理には、画像データに対する各種補正処理、並びに画像データを用いて行う複写処理や送信処理等の各種処理が含まれる。
請求項13に記載の画像読取装置によれば、原稿に付設された記憶媒体から処理設定情報を読み出した場合、該処理設定情報が示す処理設定を処理設定手段にて設定された処理設定より優先させて、画像データ処理手段が当該原稿の画像データの処理を行う。そのため、原稿に適さない処理設定が処理設定手段にて設定されている場合であっても、原稿に適切な処理設定にて当該原稿の画像データの処理を自動的に行うことが可能となる。よって、誤って設定された処理設定にて原稿の画像データの処理を行うことを確実に防ぐことが可能となる。
請求項14に記載の画像読取装置によれば、原稿に付設された記憶媒体から読み出した処理設定情報が示す処理設定と、処理設定手段にて設定された処理設定とが矛盾する場合、その旨を報知する。そのため、原稿に適さない処理設定が設定されている恐れがあることをユーザに認知させることができ、誤って設定された処理設定にて原稿の画像データの処理を行うことを防ぐことが可能となる。また、優先する処理設定の選択を促す旨を報知し、選択された処理設定を優先させて原稿の画像データの処理を行う。そのため、設定された処理設定に対する確認をユーザに求めることが可能となるとともに、ユーザに処理設定の選択を委ねることができ、ユーザの所望する処理設定にて原稿の画像データの処理を行うことが可能となる。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置を装備するMFP(Multiple Functional Peripheral:多機能周辺機器)100について、図面に基づき説明する。MFP100は、図1にそのブロック図を示すように、制御部(MPU:Microprocessing Unit)1、ADF(Automatic Document Feeder:自動原稿給送装置)2、CCD(Charge Coupled Device)読取ユニット3、画像処理部4、コーデック(CODEC:Coder and Decoder)5、画像メモリ6、記録部7、RF(Radio Frequency)リーダ8、操作部9、報知部10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、モデム13及びNCU(Network Control Unit)14を備えたものであって、各部1乃至14は、バス15によって通信可能に接続されている。
このように構成されたMFP100は、設定された読取モードにてCCD読取ユニット3が原稿の画像を読み取る読取機能、CCD読取ユニット3が読み取った原稿の画像を設定された複写設定にて記録用紙に記録する複写機能、CCD読取ユニット3が読み取った原稿の画像データを設定された送信設定にてPSTN(Public Switched Telephone Network)16を介して外部の装置に送信するファクシミリ送信機能を備えている。制御部1は、MFP100の各部の動作を制御する。
ADF2は、MFP100の上部を示す図2を参照するように、原稿トレイ21に載置(セット)された原稿を1枚ずつ搬送路22に沿って搬送した後に原稿トレイ21の下方に位置する排紙トレイ23へと排出するものであり、FBS(Flat Bed Scanner)として機能する原稿載置台101に開閉自在に枢支される原稿押えカバー102に装備されている。ADF2は、原稿トレイ21の原稿を搬送路22へ供給する給紙ローラ24、搬送路22へ供給された原稿を搬送する搬送ローラ25、搬送路22に沿って搬送された原稿を排紙トレイ23へ排出する排紙ローラ26等を具備して構成されている。
CCD読取ユニット3は、原稿の画像を読み取って画像データを取得するものであり、原稿載置台101に内蔵されている。CCD読取ユニット3は、設定されている読取モードに適合した画像読み取りを行う。CCD読取ユニット3は、原稿へ光を照射する光源31、原稿からの反射光を所定の方向へ導くための複数の反射ミラー32、原稿からの反射光を収束する集光レンズ33、収束光を電気信号に変換して出力するCCDラインセンサ34等を具備して構成される縮小光学系の読取ユニットであり、原稿載置台101の天面に配設されたプラテンガラス101aに対して不図示の駆動機構により水平に往復移動する走査キャリッジ35に光源31と一部の反射ミラー32が配設されている。このように構成されたCCD読取ユニット3は、FBSとして原稿の画像を読み取るときには、走査キャリッジ35がプラテンガラス101aに対して水平に移動しながらプラテンガラス101aに載置された原稿を走査し、該原稿からの反射光をCCDラインセンサ34へ導いて結像する。また、CCD読取ユニット3は、ADF2によって搬送される原稿の画像を読み取るときには、走査キャリッジ35がプラテンガラス101bの下方において、読取位置Pを通過する原稿からの反射光をCCDラインセンサ34へ導いて結像する。
画像処理部4は、CCD読取ユニット3が読み取って得た原稿の画像データに対して画像処理を行う。具体的には、CCD読取ユニット3が原稿の画像を読み取って出力した画像データに対して、シェーディング補正、γ補正、拡大/縮小処理(画素データの補間処理又は間引処理)等の画像処理を必要に応じて行う。画像処理部4は、CCD読取ユニット3から逐次出力される原稿の画像データに対して、設定されている読取モードに適合した画像処理を逐次行う。
コーデック5は、画像データを符号化(エンコード)・復号(デコード)する。ここでは、画像処理部4で画像処理が行われた原稿の画像データを符号化し、符号化されている画像データを復号する。コーデック5は、設定されている送信モード等の送信設定に適合した符号化・復号を行う。
画像メモリ6は、コーデック5において符号化された画像データ、画像処理部4から直接出力された画像データ、ファクシミリ受信した画像データなどの画像データ等を格納する。記録部7は、画像メモリ6から読み出された画像データの画像を記録用紙に記録する。この記録部7における記録方式としては、例えば、電子写真方式やインクジェット記録方式等の各種の記録方式を用いることができる。記録部7は、画像メモリ6から読み出された画像データに対して、設定されている複写モード等の複写設定に適合した画像を記録用紙に記録する。
RFリーダ8は、RFID(Radio Frequency-Identification:電波方式認識)タグから無線通信により情報を読み出すものであり、走査キャリッジ35に配設されている。RFIDタグは、図示しないが、超小型のIC(集積回路)チップと、無線通信用のコイル状のアンテナと、から構成されており、ICチップは、記憶部(記憶媒体)、電源整流部、送信部、受信部等を備えている。RFリーダ8が発振した電波をRFIDタグが受信すると、共振作用によりRFIDタグ内に起電力が発生し、RFIDタグは、発生した起電力により予め記憶部に書き込まれた情報を発信する。RFリーダ8は、このようにしてRFIDタグから発信された情報を受信することにより、記憶部から情報を読み出す。このようなRFIDタグが原稿に埋込(漉込)や付着等により付設されており、RFIDタグの記憶部には、原稿に付設される際に、当該原稿に関する情報が予め書き込まれる。RFリーダ8が原稿に付設されているRFIDタグの記憶部から情報を読み出すことにより、当該原稿に関する情報を得ることができる。
RFリーダ8は、FBSとして原稿の画像をCCD読取ユニット3が読み取るときには、プラテンガラス101aに載置された原稿のRFIDタグから、プラテンガラス101aに対して水平に移動する走査キャリッジ35にて情報を読み出す。また、ADF2によって搬送される原稿の画像をCCD読取ユニット3が読み取るときには、読取位置Pを通過する原稿のRFIDタグから、プラテンガラス101bの下方にて静止した走査キャリッジ35にて情報を読み出す。
なお、RFリーダ8は、プラテンガラス101aに載置された原稿又は読取位置Pを通過する原稿に付設されているRFIDタグからのみ情報を読み出すことができ、その通信範囲が原稿トレイ21や排紙トレイ23に及ぶことがないように、通信距離が短いものを使用する必要がある。そして、原稿の幅方向のどの位置にRFIDタグが付設されていたとしても、RFリーダ8により原稿に関する情報を読み出す必要がある。そのため、複数のRFリーダ8が、走査キャリッジ35に原稿の幅方向(主走査方向)に所定間隔を隔てて配設されている。
ここで、RFIDタグの記憶部に書き込まれる原稿に関する情報は、当該原稿の画像を読み取るときに必要な情報や画像を読み取って得た画像データの処理を行うときに必要な情報である。このような情報が記憶部に書き込まれたRFIDタグを原稿に付設することにより、当該原稿の画像を適切に読み取ることや読み取った画像データを用いて所望の各種処理を確実に行うことが可能となる。RFIDタグの記憶部に書き込まれた原稿に関する情報には、原稿の取り扱いに関する読取禁止情報や複写禁止情報、原稿の画像読み取りに関する読取設定情報としての読取モード情報、原稿の画像読み取り後の処理に関する処理設定情報としての複写処理情報や送信処理情報等が含まれる。
読取禁止情報は、原稿の画像を読み取ることが禁止されていることを示す情報である。複写禁止情報は、原稿の画像を他の記録用紙に複写することが禁止されていることを示す情報である。
読取モード情報は、原稿の画像を読み取るときに設定すべき読取モードを示す情報である。設定されている読取モードにてCCD読取ユニット3が原稿の画像を読み取り、CCD読取ユニット3から出力された画像データを設定されている読取モードにて画像処理部4が処理を行う。読取モードは、原稿の画像を通常の解像度にて読み取る通常解像度読取モード、原稿の画像を高解像度にて読み取る高解像度読取モード、主に写真が記録された原稿を読み取るための写真原稿読取モード、主に文字が記録された文字原稿を読み取るための文字原稿読取モード、PC送信用に原稿をグレイスケールにて読み取るグレイスケール読取モード、地模様や地色を消す地色補正の画像処理を行う車検証読取モード等である。ここで、例えば、高解像度読取モードやグレイスケール読取モードにて読み取りを行う場合、CCD読取ユニット3による読取間隔を通常の読取モードとは異ならせる等、これらの読取モードに適した読取動作にて読み取りを行うため、CCD読取ユニット3が原稿の読み取りを開始する前にこれらの読取モードを予め設定しておく必要がある。また、写真原稿読取モードや車検証読取モードにて読み取りを行う場合、画像処理部4が通常の読取モードと異なる画像データの処理を行い、画像処理部4はCCD読取ユニット3から逐次出力される画像データに対して処理を行うため、CCD読取ユニット3が原稿の読み取りを開始する前にこれらの読取モードを予め設定しておく必要がある。すなわち、読取モード情報は、CCD読取ユニット3が原稿の読み取りを開始する前に予め必要とする情報である。
複写処理情報は、原稿の画像を複写すべきことを示す情報、及び複写する際に必要とする複写設定を示す情報である。複写設定を示す情報は、原稿の画像を複写するときに設定すべき複写モード、複写枚数、複写記録用紙サイズ、拡大・縮小、濃度調整等を示す情報である。複写処理情報が示す複写設定に基づいて記録部7が原稿の画像を複写する。具体的には、画像処理部4から画像データを出力して画像メモリ6に一旦格納し、当該画像データにより記録部7が所定の複写設定にて画像を記録用紙に記録し出力する。
送信処理情報は、原稿の画像を読み取って得た画像データを送信すべきことを示す情報、及び送信する際に必要とする送信設定を示す情報である。送信設定を示す情報は、画像データを送信するときに設定すべき送信解像度を設定するための送信モード、送信先、送信レポート作成、符号化方式等を示す情報である。送信処理情報が示す送信設定にてコーデック5が符号化した画像データをPSTN16を介してファクシミリ送信する。具体的には、画像処理部4から画像データを出力して画像メモリ6に一旦格納し、当該画像データをコーデック5にて符号化し画像メモリ6に再度格納する。又は、画像処理部4から出力された画像データをコーデック5にて符号化し画像メモリ6に格納する。そして、符号化された画像データを画像メモリ6からPSTN16を介して所定の送信先である外部装置に送信する。
原稿の画像を複写又は送信する場合、当該原稿の画像を全部読み取って得られ画像メモリ6に格納された画像データを用いることができるため、CCD読取ユニット3が原稿の読み取りを開始する前に複写設定や送信設定を必ずしも予め設定しておく必要はない。すなわち、処理設定情報は、CCD読取ユニット3が原稿の読み取りを開始する前に予め必要としない情報である。
操作部9は、原稿の読み取り、複写、送信等の開始を指示するためのスタートキー、複写枚数や送信先番号等を入力するためのテンキー、各種設定を入力するためのカーソルキーやボタンキーなど、報知部10と連動した各種操作キーを備えている。報知部10は、各種の報知画面やMFP100の動作状態などを文字や図形などで表示するLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)10a、音声データの音声やブザー音を鳴動して報知動作を行うスピーカ10bなどを備えている。なお、LCD10aは、タッチパネル式のものであり、操作部9に代えてこのLCD10aの画面をユーザが指等により触れることにより各種の操作を行うこともできる。
ROM11は、制御部1によりこのMFP100の各部の動作が制御されるための各種プログラムを格納している。RAM12は、MFP100の処理動作に用いる読取モード情報、処理設定情報や動作情報等の各種データを読み出し及び書き込み可能な状態で格納している。また、初期設定としての初期読取モードや初期処理情報、RFリーダ8が読み出した原稿に関する情報は、このRAM12に格納される。
モデム13は、ITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の勧告V.34規格又はこれと同様のものに従った送受信データの変調及び復調を行う。NCU14は、電話回線を制御して電話をかけたり切ったりする回線網制御装置であり、PSTN16に接続されている。
上記のように構成されたMFP100において、FBSとして、原稿の画像を読み取るとき、タグプレスキャン(事前読出)が設定されている場合、まず走査キャリッジ35がプラテンガラス101aに沿って移動し、RFリーダ8により原稿のRFIDタグの記憶部から情報が読み出される。そして、走査キャリッジ35が再びプラテンガラス101aに沿って移動し、CCDラインセンサ34により原稿の画像が読み取られる。タグプレスキャンは、RFIDタグが付設された原稿の画像を読み取ることを前提として設定される。タグプレスキャンが設定されている場合、原稿の画像読み取りに先立ってRFIDタグの記憶部から当該原稿に関する情報を読み出し、該情報に基づいて原稿に関する各種処理を行う。読取モード情報を読み出した場合には、当該読取モードにて原稿の画像を読み取ることが必要となるため、原稿の画像読み取りに先立って、必ずRFリーダ8が配設された走査キャリッジ35を移動させてプラテンガラス101aに載置された原稿に付設されたRFIDタグから情報を読み出す。タグプレスキャンはユーザが操作部9から入力することにより設定され、タグプレスキャンを設定する設定情報がRAM12に格納される。タグプレスキャンを設定する設定情報がRAM12に格納されているか否かに基づき、タグプレスキャンが設定されているか否かを判断する。このように、操作部9とRAM12が事前処理不要設定手段として機能する。
一方、ADF2を用いて原稿の画像を読み取るとき、原稿トレイ21に載置された原稿は、まずADF2の給紙ローラ24により搬送路22へと送り込まれる。搬送路22へ送り込まれた原稿は、搬送ローラ25により搬送され、搬送路22に沿って上方から下方へUターンするように反転してプラテンガラス101bの直上にある読取位置Pに至り、読取位置Pを通過する際にCCD読取ユニット3により画像が読み取られ、更にRFリーダ8により原稿のRFIDタグの記憶部から情報が読み出される。その後、原稿は、排紙ローラ26により排紙トレイ23へ排出される。そのため、ADF2を用いる場合、タグプレスキャンを自動的に行うことが構成上不可能であり、タグプレスキャンの設定は無視される。
ところで、このようにして読み取る原稿には、詳細な設計図が画像として記録された原稿など様々な原稿が存在する。そのため、読み取る原稿の画像に適した読み取りを行うために、原稿の読み取り開始前に読取モードの設定が行われる。このMFP100において設定可能な読取モードとしては、上記のように、通常像度読取モードや高解像度読取モード等がある。出荷段階等に初期設定された読取モードを示す情報がRAM12に格納されており、特に設定されない限り、このRAM12に格納された情報がコピーされて、読取モードを示す情報としてRAM12に格納される。また、初期設定された読取モードと異なる読取モードにて原稿の画像を読み取ることをユーザが所望する場合、ユーザは操作部9から所望の読取モードを操作入力し、当該読取モードが示す情報を優先させて、RAM12に格納されている初期設定された読取モードを示す情報が更新される。通常、このようにしてRAM12に格納されている読取モード(以下、「既存読取モード」という。)情報が示す読取モードにて原稿の画像読み取りが行われる。このように、操作部9とRAM12が読取モード設定手段として機能する。
一方、原稿に付設されたRFIDタグの記憶部からRFリーダ8が読取モード情報を読み出した場合、当該読取モード情報が示す読取モードを優先させて原稿の画像読み取りを行うべくRAM12に格納されている既存読取モード情報を更新した新たな読取モード(以下、「更新読取モード」という。)情報がRAM12に格納される。例えば、RFIDタグの記憶部から読み出した情報に高解像度読取モード情報が含まれていた場合には、RAM12に既に格納されている読出解像度に関する読取モード情報としての低解像度読取モード情報より優先させるべく、高解像度読取モード情報を代替させてRAM12に読取モード情報として格納する。
また、原稿の画像を読み取って得た画像データに対する処理には、複写や送信など様々な処理が存在し、通常、ユーザが操作部9から入力することにより設定される。ユーザが操作部9から操作入力した処理設定は、RAM12に処理設定情報として格納される。通常、このようにしてRAM12に格納されている処理設定(以下、「既存処理設定」という。)情報が示す処理設定にて画像データの処理が行われる。このように、操作部9とRAM12が処理設定手段として機能する。
一方、原稿に付設されたRFIDタグの記憶部からRFリーダ8が処理設定情報を読み出した場合、当該処理設定情報が示す処理設定を優先させて画像データの処理を行うべくRAM12に格納されている既存処理設定情報を更新した新たな処理設定(以下、「更新処理設定」という。)情報がRAM12に格納される。例えば、RFIDタグの記憶部から読み出した情報に所定の送信先Xにファクシミリ送信する送信処理情報が含まれていた場合には、RAM12に既に格納されている情報に当該送信処理情報が含まれていない場合であっても、当該送信処理情報を優先させるべくRAM12に格納されている処理設定情報に付加して格納する。
以下、FBSとして、プラテンガラス101aに載置された原稿の画像を読み取る場合、MFP100において行われる処理動作について、図3及び図4に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、以下のフローチャートに基づいて説明するMFP100の処理動作は、ROM11に格納されているプログラムに基づいて制御部1が発行する命令に従って行われる。
まず、プラテンガラス101aに原稿が載置されることにより、FBSに原稿がセットされる(S1)。操作部9のスタートキーが押下されたか否か等に基づいて、原稿の読み取り開始命令があったと判断した場合(S2)、タグプレスキャンが設定されているか否かを判断する(S3)。タグプレキャンが設定されていると判断した場合(S3:YES)、走査キャリッジ35を移動させながら、該走査キャリッジ35に配設されているRFリーダ8により、プラテンガラス101aに載置された原稿からRFIDタグを検出する(S4)。RFIDタグが検出されなかった場合(S4:NO)、既存読取モードにてプラテンガラス101aに載置された原稿の画像を読み取る(S5)。そして、既存処理設定にて原稿の画像を読み取って得た画像データの処理を行い(S6)、終了する。
一方、タグプレスキャンが設定されていないと判断した場合(S3:NO)、直ちに既存読取モードにて原稿の画像の読み取りを開始する(S7)。具体的には、走査キャリッジ35を移動させながらCCD読取ユニット3により、プラテンガラス101aに載置された原稿の画像を既存読取モードにて読み取る。このとき、走査キャリッジ35に配設されているRFリーダ8を動作させ、プラテンガラス101aに載置された原稿からRFIDタグを検出する(S8)。RFIDタグが検出されなかった場合(S8:NO)、既存処理設定にて原稿の画像を読み取って得た画像データの処理を行い(S9)、終了する。RFIDタグを検出した場合(S8:YES)、画像の読み取りを中止し、読み取りを中止するまでに原稿の画像を読み取って得た画像データを廃棄又は消去する(S10)。
プラテンガラス101aに載置された原稿からRFIDタグが検出された場合(S4:YES又はS8:YESにてS10)、RFリーダ8によりRFIDタグの記憶部に書き込まれた情報を読み出す(S11)。読み出した情報に読取禁止情報が含まれているか否かを判断する(S12)。読取禁止情報が含まれていると判断した場合(S12:YES)、画像の読み取りを行わずに、原稿が読取禁止である旨を報知し(S13)、終了する。具体的には、LCD10aに「読み取ることが禁止されている原稿が原稿台にセットされています」など、読取の禁止された原稿がプラテンガラス101aに載置されていることを通知するためのメッセージを表示する。また、上記のメッセージと同様の音声メッセージをスピーカ10bから鳴動させてもよい。なお、読み出した情報に複写禁止情報が含まれている場合にも、読取禁止情報が含まれていた場合と同様の処理を行い、原稿が複写禁止である旨を報知する。
読み出した情報に読取禁止情報が含まれていないと判断した場合(S12:NO)、次に、当該読み出した情報に読取モード情報が含まれているか否かを判断する(S14)。読取モード情報が含まれていないと判断した場合(S14:NO)、既存読取モードにて、プラテンガラス101aに載置された原稿の画像を読み取る(S15)。一方、読取モード情報が含まれていると判断した場合(S14:YES)、読み出した読取モード情報が示す読取モードを既存読取モードに優先させた更新読取モードにて、プラテンガラス101aに載置された原稿の画像を読み取る(S16)。
そして、読み出した情報に処理設定情報が含まれているか否かを判断する(S17)。処理設定情報が含まれていないと判断した場合(S17:NO)、既存処理設定にて、画像データの処理を行い(S18)、終了する。一方、処理設定情報が含まれていると判断した場合(S17:YSE)、読み出した処理設定情報が示す処理設定を既存処理設定に優先させた更新処理設定にて画像データの処理を行い(S19)、終了する。
なお、読取禁止情報が含まれていると判断した場合(S12:YES又はS27:YES)、原稿が読取禁止である旨を報知し(S13又はS28)終了する場合について説明したが、RDIDタグの記憶部に書き込まれた情報には原稿が読取禁止であることが示されている旨を報知した上で、原稿の読み取りを行うか否かの選択をユーザに促す報知処理を行ってもよい。このとき、例えば、パスワードの入力等を合わせて求め、権限のある者が操作する場合にのみ、原稿の読み取りを可能とするものであってもよい。また、同様に、読取モード情報が含まれていると判断した場合(S14:YES又はS29:YES)、あるいは処理設定情報が含まれていると判断した場合(S17:YES又はS34:YES)、これらの情報が示す読取モードや処理設定を優先させるか否かの選択をユーザに促す報知処理を行ってもよい。
また、タグプレスキャンが設定されていないが(S3:NO)、RFIDタグを検出した場合(S8:YES)、画像の読み取りを中止し、読み取りを中止するまでに原稿の画像を読み取って得た画像データを廃棄又は消去する(S10)場合について説明した。しかし、RFIDタグを検出した場合であっても、画像の読み取りを中止せず、原稿の画像を全て読み取って得た画像データを保存しておき、読み出した読取モード情報が示す読取モードが既存読取モードと一致したときには、当該保存した画像データにてその後の処理を行い、一致しないときには、当該保存した画像データを廃棄又は消去して更新読取モードにて原稿の画像を読み取ってもよい。
以下、ADF2を用いて、原稿トレイ21に載置された原稿の画像を読み取る場合、MFP100において行われる処理動作について、図5及び図6に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、以下のフローチャートに基づいて説明するMFP100の処理動作は、ROM11に格納されているプログラムに基づいて制御部1が発行する命令に従って行われる。
まず、原稿トレイ21に原稿が載置されることにより、ADF2に原稿がセットされる(S21)。操作部9のスタートキーが押下されたか否か等に基づいて、原稿の読み取り開始命令があったと判断した場合(S22)、直ちに既存読取モードにて原稿の画像の読み取りを開始する(S23)。具体的には、ADF2にて原稿が搬送され、既存読取モードにて、搬送される原稿の画像を読取位置Pにて読み取る。このとき、RFリーダ8を動作させ、読取位置Pを搬送される原稿からRFIDタグを検出する(S24)。RFIDタグが検出されなかった場合(S24:NO)、既存処理設定にて、原稿の画像を読み取って得た画像データの処理を行い(S25)、終了する。
読取位置Pを搬送される原稿からRFIDタグが検出された場合(S24:YES)、RFリーダ8によりRFIDタグの記憶部に書き込まれた情報を読み出す(S26)。読み出した情報に読取禁止情報が含まれているか否かを判断する(S27)。読取禁止情報が含まれていると判断した場合(S27:YES)、原稿が読取禁止である旨を報知し(S28)、終了する。具体的には、LCD10aに「この原稿は読み取りが禁止されています」など、原稿の画像を読み取ることが禁止されていることを通知するためのメッセージを表示する。また、上記のメッセージと同様の音声メッセージをスピーカ10bから鳴動させてもよい。なお、読み出した情報に複写禁止情報が含まれている場合にも、読取禁止情報が含まれていた場合と同様の処理を行い、原稿が複写禁止である旨を報知する。
読み出した情報に読取禁止情報が含まれていないと判断した場合(S27:NO)、次に、当該読み出した情報に読取モード情報が含まれているか否かを判断する(S29)。読取モード情報が含まれていないと判断した場合(S29:NO)、既存読取モードにて、読取位置Pを搬送される原稿の画像を引き続き読み取る(S30)。
一方、読取モード情報が含まれていると判断した場合(S29:YSE)、画像の読み取りを直ぐに中止し、原稿の画像を読み取って得た画像データを破棄又は消去する(S31)。そして、原稿を原稿トレイ21に再度載置することを促す旨を報知する(S32)。具体的には、LCD10aに「原稿を読み取り直すので、原稿をトレイにセットして下さい」など、原稿の画像を読み取り直す必要があるため、原稿を原稿トレイ21に載置することを通知するためのメッセージを表示する。また、上記のメッセージと同様の音声メッセージをスピーカ10bから鳴動させてもよい。原稿トレイ21に載置された原稿をADF2にて原稿が搬送され、読み出した読取モード情報が示す読取モードを既存読取モードに優先させた更新読取モードにて、搬送される原稿の画像を読取位置Pにて読み取る(S33)。
そして、読み出した情報に処理設定情報が含まれているか否かを判断する(S34)。処理設定情報が含まれていないと判断した場合(S34:NO)、既存処理設定にて画像データの処理を行う(S35)。具体的には、読取モード情報が含まれていないと判断した場合(S29:NO)、既存読取モードにて画像を読み取って得た画像データを既存処理設定にて処理を行い、読取モード情報が含まれている判断した場合(S29:YES)、更新読取モードにて画像を読み取って得た画像データを既存処理設定にて処理を行う。そして、これらの処理を行った後、終了する。一方、処理設定情報が含まれていると判断した場合(S34:YSE)、読み出した処理設定情報が示す処理設定を既存処理設定に優先させた更新処理設定にて画像データの処理を行う(S36)。具体的には、読取モード情報が含まれていないと判断した場合(S29:NO)、既存読取モードにて画像を読み取って得た画像データを更新処理設定にて処理を行い、読取モード情報が含まれている判断した場合(S29:YES)、更新読取モードにて画像を読み取って得た画像データを更新処理設定にて処理を行う。そして、これらの処理を行った後、終了する。
なお、読取モード情報が含まれていると判断した場合(S29:YSE)、原稿を原稿トレイ21に再度載置することを促す旨を報知(S32)し、原稿トレイ21に載置された原稿をADF2にて搬送し再度読取位置Pにて読み取る(S33)場合について説明したが、原稿をプラテンガラス101aに載置することを促す旨を報知し、プラテンガラス101aに載置された原稿をFBSにて読み取ってもよい。
また、読み出した情報に読取モード情報が含まれていると判断した場合(S29:YSE)、画像の読み取りを直ぐに中止し、原稿の画像を読み取って得た画像データを破棄又は消去する(S31)場合について説明した。しかし、読み出した情報に読取モード情報が含まれている場合であっても、画像の読み取りを中止せず、原稿の画像を全て読み取って得た画像データを保存しておき、読み出した読取モード情報が示す読取モードが既存読取モードと一致したときには、当該保存した画像データにてその後の処理を行い、一致しないときには、当該保存した画像データを破棄又は消去してもよい。
以上説明したように、このMFP100によれば、RFリーダ8は走査キャリッジ35にだけ配設されており、FBS及びADF2の何れにて原稿の画像を読み取る場合であっても、原稿に付設されたRFIDタグから読み出した情報に基づいて、当該原稿に関する処理を確実に行うことが可能となる。そのため、RFリーダ8を他の部位に配設する必要がないので、装置コストを抑えることが可能となる。
さらに、このMFP100によれば、RFリーダ8が原稿に付設されたRFIDタグから読取禁止情報を読み出した場合、タグプレスキャンが設定されていない場合であっても、当該原稿の画像読み取りを中止し、中止するまでに読み取った画像データを廃棄又は消去する。そのため、読み取りが禁止されている原稿の画像を誤って読み取ることを確実に防ぐことができるとともに、原稿の画像を読み取った画像データを得ることがない。
さらに、このMFP100によれば、RFリーダ8が原稿に付設されたRFIDタグから読取モード情報を読み出した場合、タグプレスキャンが設定されていない場合であっても、該読取モード情報が示す読取モードを優先させた更新読取モードにて当該原稿の画像を再度読み取る。そのため、誤った読取モードにて原稿の画像を読み取ることを確実に防ぐことができ、適切な読取モードにて原稿の画像を読み取ることが可能となる。また、FBSの場合、更新読取モードにて当該原稿の画像を再度自動的に読み取るので、適切な読取モードにて原稿の画像を確実に読み取ることができ、ユーザが読取モードを正しく設定して原稿の画像を再度読み取らせる手間を省くことができる。また、ADF2を用いた場合、自動的に原稿の画像を読み取り直すことができない構成であるが、ユーザに原稿を読み取り直すことが必要であることを認知させることにより、適切な読取モードにて原稿の画像を読み取り直すことが可能となる。具体的には、当該原稿を原稿トレイ21に載置することをユーザに促し、原稿トレイ21に載置された原稿の画像を読み取る際に、原稿トレイ21に載置されるべき原稿に付設されたRFIDタグから読み出した読取モード情報が示す読取モードにて原稿の画像を読み取るので、適切な読取モードにて原稿の画像を読み取り直すことが可能となる。あるいは、当該原稿をプラテンガラス101aに載置することをユーザに促し、プラテンガラス101aに載置された原稿の画像を読み取る際に、プラテンガラス101aに載置されるべき原稿に付設されたRFIDタグから読み出した読取モード情報が示す読取モードにて原稿の画像を読み取るので、適切な読取モードにて原稿の画像を読み取り直すことが可能となる。
さらに、このMFP100によれば、RFリーダ8が原稿に付設されたRFIDタグから処理設定情報を読み出した場合、タグプレスキャンが設定されていない場合であっても、該処理設定情報が示す処理設定を優先させた更新処理設定にて読み取った画像データの処理を行う。そのため、誤った処理設定にて画像データの処理を行うことを確実に防ぐことができ、適切な処理設定にて画像データの処理を行うことが可能となる。また、FBSの場合、更新処理設定にて画像データの処理を自動的に行うので、適切な処理設定にて画像データの処理を確実にを行うことができ、ユーザが処理設定を正しく設定して画像データの処理を再度行う手間を省くことができる。
さらに、このMFP100によれば、FBSとして原稿の画像を読み取るとき、タグプレスキャンを設定することができる。タグプレスキャンを設定することにより、原稿の画像読み取りに先立って原稿に付設されたRFIDタグから情報を読み出すので、誤った読取モードにて当該原稿の画像を読み取って、読み取り直しが必要となることを防止することができる。一方、タグプレスキャンを設定しないことにより、タグプレスキャンを省き原稿の画像読み取りを直ちに行うことが可能となるので、原稿の画像読み取りに必要な時間を短縮することができる。また、タグプレスキャンを設定しない場合であっても、原稿の画像読み取りに従って移動する走査キャリッジ35に配設されたRFリーダ8を動作させ、RFIDタグを検知した場合には、該RFIDタグの記憶部から情報を読み出し、読み出した情報に基づいて原稿に関する処理を自動的に行うので、RFIDタグを検知し忘れ、誤った読取モードにて当該原稿の画像を読み取ったままとなること等を確実に防止することができる。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る画像読取装置を装備するMFP100Aについて、図面に基づき説明する。このMFP100Aは、ADF専用機であり、図7にそのブロック図を示すように、前記MFP100と比較すると、ADF2A、CCD読取ユニット3A及びRFリーダ8Aを、ADF2、CCD読取ユニット3及びRFリーダ8の代わりに備えたものである。
ADF2Aは、MFP100Aの上部を示す図8を参照するように、原稿トレイ21に載置された原稿を1枚ずつ搬送路22に沿って搬送した後に排紙トレイ23へと排出するものであり、原稿載置台101に固定的に装着される原稿押えカバー102に装備されている。
CCD読取ユニット3Aは、原稿の画像を読み取って画像データを取得するものであり、走査キャリッジ35が原稿載置台101に固定的に装備されている。CCD読取ユニット3Aは、ADF2Aによって搬送され読取位置Pを通過する原稿の画像をの反射光を読み取る。
RFリーダ8Aは、ADF2Aによって搬送路22に沿って搬送される原稿のRFIDタグから無線通信により情報を読み出すものであり、ADF2Aに配設されている。RFリーダ8Aは、CCD読取ユニット3Aが読取位置Pを通過する原稿の画像の読み取りを開始する前に、搬送路22に沿って搬送される原稿のRFIDタグから情報を読み出すことができる位置に配設されている。例えば、RFIDタグが付設された側を原稿供給口側(図8における左側)として原稿を原稿トレイ21に載置する、又は同じ情報が書き込まれたRFIDタグを複数原稿に付設することによって、CCD読取ユニット3Aが原稿の画像の読み取りを開始する前に、RFリーダ8AがRFIDタグから情報を読み出すことができる。
なお、RFリーダ8Aは、搬送路22に沿って搬送される原稿に付設されているRFIDタグからのみ情報を読み出すことができ、その通信範囲が原稿トレイ21や排紙トレイ23に及ぶことがないように、通信距離が短いものを使用する必要がある。そして、原稿の幅方向のどの位置にRFIDタグが付設されていたとしても、RFリーダ8Aにより原稿に関する情報を読み出す必要がある。そのため、複数のRFリーダ8Aが、原稿の幅方向(主走査方向)に所定間隔を隔てて配設されている。
上記のように構成されたMFP100Aにおいて、原稿の画像を読み取るとき、原稿トレイ21に載置された原稿は、まずADF2Aの給紙ローラ24により搬送路22へと送り込まれる。搬送路22へ送り込まれた原稿は、搬送ローラ25により搬送路22に沿って搬送され、RFリーダ8AによりRFIDタグの記憶部から情報が読み出され、さらに搬送されて読取位置Pに至り、読取位置Pを通過する際にCCD読取ユニット3Aにより画像が読み取られる。その後、原稿は、排紙ローラ26により排紙トレイ23へ排出される。
以下、原稿トレイ21に載置された原稿の画像を読み取る場合、MFP100Aにおいて行われる処理動作について、図9及び図10に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、以下のフローチャートに基づいて説明するMFP100Aの処理動作は、ROM11に格納されているプログラムに基づいて制御部1が発行する命令に従って行われる。
まず、原稿トレイ21に原稿が載置されることにより、ADF2Aに原稿がセットされる(S41)。操作部9のスタートキーが押下されたか否か等に基づいて、原稿の読み取り開始命令があったと判断した場合(S42)、原稿をADF2Aにより搬送し、RFリーダ8Aを動作させ、搬送路22を搬送される原稿からRFIDタグを検出する(S43)。RFIDタグが検出されなかった場合(S43:NO)、既存読取モードにて搬送される原稿の画像を読取位置Pにて読み取る(S44)。そして、既存処理設定にて原稿の画像を読み取って得た画像データの処理を行い(S45)、終了する。
一方、RFIDタグを検出した場合(S43:YES)、RFリーダ8AによりRFIDタグの記憶部に書き込まれた情報を読み出し(S46)、読み出した情報に読取禁止情報が含まれているか否かを判断する(S47)。読取禁止情報が含まれていると判断した場合(S47:YES)、画像の読み取りを行わずに、原稿が読取禁止である旨を報知し(S48)、終了する。具体的には、LCD10aに「この原稿は読み取りが禁止されています」など、原稿の画像を読み取ることが禁止されていることを通知するためのメッセージを表示する。また、上記のメッセージと同様の音声メッセージをスピーカ10bから鳴動させてもよい。なお、読み出した情報に複写禁止情報が含まれている場合にも、読取禁止情報が含まれていた場合と同様の処理を行い、原稿が複写禁止である旨を報知する。
読み出した情報に読取禁止情報が含まれていないと判断した場合(S48:NO)、次に、当該読み出した情報に読取モード情報が含まれているか否かを判断する(S49)。読取モード情報が含まれていないと判断した場合(S49:NO)、既存読取モードにて、搬送される原稿の画像を読取位置Pにて読み取る(S50)。一方、読取モード情報が含まれていると判断した場合(S49:YES)、読み出した読取モード情報が示す読取モードを既存読取モードに優先させた更新読取モードにて、搬送される原稿の画像を読取位置Pにて読み取る(S51)。
そして、読み出した情報に処理設定情報が含まれているか否かを判断する(S52)。処理設定情報が含まれていないと判断した場合(S52:NO)、既存処理設定にて、画像データの処理を行い(S53)、終了する。一方、処理設定情報が含まれていると判断した場合(S52:YSE)、読み出した処理設定情報が示す処理設定を既存処理設定に優先させた更新処理設定にて画像データの処理を行い(S54)、終了する。
以上説明したように、このMFP100Aによれば、原稿の画像読み取りを開始する前に、RFリーダ8Aが原稿に付設されたRFIDタグから情報を読み出すので、該情報に基づいて原稿に関する処理を確実に行うことが可能となる。
さらに、このMFP100Aによれば、RFリーダ8Aが原稿に付設されたRFIDタグから読取禁止情報を読み出した場合、原稿の画像読み取りを行わない。そのため、読み取りが禁止されている原稿の画像を誤って読み取ることを確実に防ぐことができるとともに、原稿の画像を読み取った画像データを得ることがない。
さらに、このMFP100Aによれば、RFリーダ8Aが原稿に付設されたRFIDタグから読取モード情報を読み出した場合、該読取モード情報が示す読取モードを優先させた更新読取モードにて当該原稿の画像を再度読み取る。そのため、誤った読取モードにて原稿の画像を読み取ることを確実に防ぐことができ、適切な読取モードにて原稿の画像を読み取ることが可能となる。
さらに、このMFP100Aによれば、RFリーダ8Aが原稿に付設されたRFIDタグから処理設定情報を読み出した場合、該処理設定情報が示す処理設定を優先させた更新処理設定にて読み取った画像データの処理を行う。そのため、誤った処理設定にて画像データの処理を行うことを確実に防ぐことができ、適切な処理設定にて画像データの処理を行うことが可能となる。
また、本実施の形態で示したMFP100及びMFP100Aの構成は、本発明に係る画像読取装置の一態様にすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、MFP100として、FBS及びADF2の何れにても原稿の画像を読み取ることができる場合の例を示したが、FBSのみ、又はADF2のみにて原稿の画像を読み取るものであってもよい。また、原稿の画像をカラーで読み取ることが可能な場合、読取モードとしてカラー読取モードを設定することや、ADF2及びADF2Aにて原稿の両面の画像を読み取ることが可能な場合、読取モードとして両面読取モードを設定することもできる。
また、MFP100Aとして、CCD読取ユニット3Aが原稿の画像の読み取りを開始する前に、RFリーダ8Aが搬送される原稿のRFIDタグから情報を必ず読み出すことができる場合の例を示したが、CCD読取ユニット3Aが原稿の画像の読み取りを開始した後に、RFリーダ8Aが原稿のRFIDタグから情報を読み出す可能性があるものであってもよい。この場合、MFP100と同様に、適切な読取モードにて原稿の画像を読み取り直すために、当該原稿を原稿トレイ21に載置することをユーザに促すものであることが好ましい。
さらに、本実施の形態では、画像読取装置をMFP100及びMFP100Aとして実施した態様を説明したが、画像読取装置はMFP100及びMFP100Aに限定されず、複写機、ファクシミリ機、スキャナ、及びこれらの複合機に適用可能である。