JP2007299778A - 電子部品モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品と金属ケースの天板との間に常に一定のクリアランスを確保し、製品の短絡不良の発生を少なくするとともにシールド効果をそれほど損なうことのない電子部品モジュールを得る。
【解決手段】セラミック多層基板11の主面11aに電子部品12を実装した電子部品本体13と、シールド機能を有する金属ケース14とを備えた電子部品モジュール。金属ケース14の天板部15に、二つのスリット23a,23bが形成されている。スリット23a,23bは、保持爪16,17の撓みがその引出し部分の近傍領域から天板部15の中央部分に及ぶのを遮断する。これにより、天板部15がセラミック多層基板11に実装された電子部品12のうちで最も背の高いものに接触するのが回避される。
【選択図】図2
【解決手段】セラミック多層基板11の主面11aに電子部品12を実装した電子部品本体13と、シールド機能を有する金属ケース14とを備えた電子部品モジュール。金属ケース14の天板部15に、二つのスリット23a,23bが形成されている。スリット23a,23bは、保持爪16,17の撓みがその引出し部分の近傍領域から天板部15の中央部分に及ぶのを遮断する。これにより、天板部15がセラミック多層基板11に実装された電子部品12のうちで最も背の高いものに接触するのが回避される。
【選択図】図2
Description
本発明は、電子部品モジュール、詳しくは、シールドケースとしても機能する金属ケースを有する電子部品モジュールに関する。
一般に、この種の電子部品モジュールとしては、基板の表面と裏面のうち少なくとも一方の面に複数の電子部品が搭載されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、電子部品は、例えば、トランジスタ、IC(集積回路)などの能動素子、又は、抵抗、コンデンサなどの受動素子によって構成されている。そして、これらの電子部品は、基板に形成された回路パターンにより相互に接続され、一定の回路機能を有する電子回路を構成している。
また、従来の電子部品モジュールの基板には、電子部品と外部との間を静電遮蔽するシールドケースとして機能する導電性金属材料からなる金属ケースが設けられている。そして、この金属ケースは、静電遮蔽が必要となる前記電子部品を覆うとともに基板に固定されている。
前記従来の電子部品モジュールでは、電子部品と金属ケースとが接触するのを防止するため、金属ケースはその高さ寸法が電子部品の高さ寸法よりも大きくなるように形成し、電子部品と金属ケースとの間に所定のクリアランスが形成されるように設計されている。前記金属ケースは、それに設けられた脚部を治具で押し広げた状態でこれら脚部の間に基板を挿入した後、治具を抜くことにより脚部がある程度押し広げられて基板に圧接した状態で固定され、脚部が基板に形成されたランドに半田付けされる。
ところで、近年、携帯端末、カード端末などは、携帯性の向上や外観のデザイン上から、小型、薄型化が要求されている。このため、金属ケースと電子部品との間のクリアランスはできるだけ小さくなるように設計されている。しかし、金属ケースの基板への取付けの際に、前記のように脚部が押し広げられた状態では、金属ケースの天板部が基板側に湾曲し、特に、天板部の中央部分が大きく撓む。このように金属ケースの天板部が撓むと、金属ケースと電子部品との間のクリアランスが小さくなり、金属ケースの天板部が電子部品と接触することがある。この場合、電子部品を基板に配置してリフロー半田を行う際に電子部品が天板部に押えられ、電子部品の下側に位置している基板のランドに付与されている半田がランドからはみ出し、短絡不良が発生するといった不具合が生じていた。
このような不具合を解消するため、特許文献2には、図5に示すように、金属ケース31,32の天板部31a,32aの、基板33に搭載される電子部品のうち背の高い電子部品34と対向する位置に開口35を形成し、天板部31a,32aが撓んでも背の高い電子部品34には金属ケース31,32から力が作用しないようにしたものが提案されている。
このようにすれば、天板部31a,32aが撓んで背の高い電子部品34が天板部31a,32aに押され、リフロー半田の際に前記したようなランドの短絡不良が発生するのが防止される。しかしながら、背の高い電子部品34はその一部が金属ケース31,32から露出しているので、電子部品34が外部からの衝撃に対して保護されず、また、金属ケース31,32によるシールド効果も損なわれるといった問題点があった。
特開平10−256768号公報
特開2002−190690号公報
そこで、本発明の目的は、電子部品と金属ケースの天板部との間に常に一定のクリアランスを確保し、製品の短絡不良の発生を少なくするとともにシールド効果をそれほど損なうことのない電子部品モジュールを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、
絶縁性を有する基板の実装面に電子部品が実装されてなる電子部品本体と、前記実装面に実装された電子部品を覆う天板部及び該天板部の両端辺からそれぞれ引き出されるとともに基板に向かって折曲されて該基板に固定される保持爪を有する金属ケースとを備えた電子部品モジュールであって、
前記金属ケースの天板部の前記両端辺近傍に、該両端辺に沿ってスリットが形成されていること、
を特徴とする。
絶縁性を有する基板の実装面に電子部品が実装されてなる電子部品本体と、前記実装面に実装された電子部品を覆う天板部及び該天板部の両端辺からそれぞれ引き出されるとともに基板に向かって折曲されて該基板に固定される保持爪を有する金属ケースとを備えた電子部品モジュールであって、
前記金属ケースの天板部の前記両端辺近傍に、該両端辺に沿ってスリットが形成されていること、
を特徴とする。
本発明に係る電子部品モジュールにおいて、スリットは金属ケースの保持爪が外側に押し広げられた状態で、その間に電子部品本体の基板が挿入されるときに、保持爪の撓みがその引出し部分の近傍領域から天板部の中央部分に及ぶのを遮断する。この撓みの遮断により天板部が基板に実装された電子部品に接触するのが回避され、天板部と基板に実装された電子部品との間に一定の小さいクリアランスが確保されることになる。このクリアランスにより、リフロー半田の際に基板に実装された電子部品が天板部に押えられ、電子部品の下側に位置している基板のランドに付与されている半田がランドからはみ出して短絡不良が発生することもなくなる。
本発明に係る電子部品モジュールにおいては、スリットの長さが保持爪の幅寸法以上であり、かつ、両端辺の長さ寸法の90%以下であることが好ましい。スリットの長さが保持爪の幅寸法よりも小さくなると、スリットは保持爪の撓みがその引出し部分の近傍領域から天板部の中央部分に及ぶのを充分回避することができなくなる。また、スリットの長さが両端辺の長さ寸法の90%を超えると、天板部の強度が低下する。
また、天板部には両端辺に沿った前記スリットに加えて、残る端辺に沿って第2のスリットが形成されていてもよい。
本発明によれば、金属ケースの保持爪が外側に押し広げられてその間に基板が挿入される際に、保持爪の撓みが該保持爪の引出し部分の近傍領域から天板部の中央部分に及ぶのを天板部に形成されたスリットが遮断するので、基板に実装された電子部品と天板部との間に確実に一定の小さいクリアランスが確保される。これにより、基板に実装された電子部品に天板部が接触するのが回避され、リフロー半田の際に基板に実装された電子部品が天板部に押えられて基板のランドに付与されている半田がランドからはみ出し、短絡不良が発生するといった問題点が解消され、製造時における製品の歩留まりが高くなるとともに製造効率も高くなる。また、スリットは狭くてよいので、金属ケースのシールド効果をそれほど損なうことはない。
以下、本発明に係る電子部品モジュールの実施例を添付図面を参照して説明する。
(第1実施例、図1〜図3参照)
本発明の第1実施例である電子部品モジュールの斜視図を図1に、その断面図を図2に示す。この電子部品モジュール10は、図2に示すように、四角形状を有するセラミック多層基板11の二つの主面11a,11bのうちの一つの主面(実装面)11aにチップ状のコンデンサ12a、抵抗12b、IC(集積回路)12cなどの電子部品12を実装した電子部品本体13と、電子部品12を保護するとともに静電遮蔽するための金属ケース14とを備えている。
本発明の第1実施例である電子部品モジュールの斜視図を図1に、その断面図を図2に示す。この電子部品モジュール10は、図2に示すように、四角形状を有するセラミック多層基板11の二つの主面11a,11bのうちの一つの主面(実装面)11aにチップ状のコンデンサ12a、抵抗12b、IC(集積回路)12cなどの電子部品12を実装した電子部品本体13と、電子部品12を保護するとともに静電遮蔽するための金属ケース14とを備えている。
金属ケース14は、セラミック多層基板11の実装面11aに実装された電子部品12を覆う天板部15を有している。金属ケース14は、また、天板部15の両端辺15a,15bの中央部分からそれぞれ引き出されるとともに、セラミック多層基板11に向かって折曲されて基板11に形成された切欠き11c,11dにそれぞれ嵌合する保持爪16,17を有している。保持爪16,17はいずれも金属ケース14の内側に向かってやや傾斜するように折曲されており、その各先端部16a,17aは切欠き11c,11d内に形成されたランド18,19に圧接するとともに、ランド18,19に半田付けされて固定されている。
金属ケース14は、さらに、天板部15の他の端辺15c,15dからセラミック多層基板11の実装面11aに向かうようにほぼ直角に折曲された側板部21,22を有し、その下端が基板11の実装面11aに当接している。このとき、天板部15と実装された電子部品12のうちで最も背の高いものとの間に、一定の小さいクリアランスg(図2参照)が形成されるように、側板部21,22の高さ寸法が設定される。また、側板部21,22の両端部分は保持爪16,17に向かってほぼ直角に折曲されている。
本第1実施例にあっては、金属ケース14の天板部15に、二つのスリット23a,23bを形成している。スリット23aは端辺15aの近傍にて該端辺15aに沿って形成している。また、スリット23bは端辺15bの近傍にて該端辺15bに沿って形成している。金属ケース14の天板部15にこのようなスリット23a,23bを形成しているのは、次の理由による。
即ち、基板11に金属ケース14を装着するに際し、図3(A)に示すように、やや内側に傾斜させて折曲されている保持爪16,17は、図3(B)に示すように、治具25,25で外側に押し広げられた状態で、図3(C)に示すように、その間に基板11が挿入される。このとき、保持爪16,17が撓むとともに天板部15も撓む。スリット23a,23bは、保持爪16,17の撓みがその引出し部分の近傍領域から天板部15の中央部分に及ぶのを遮断する。
これにより、天板部15が基板11に実装された電子部品12のうちで最も背の高いものに接触するのが回避され、天板部15と最も背の高い電子部品との間に、設計時に定められた一定の小さいクリアランスg(図2参照)が確保される。このクリアランスgにより、リフロー半田の際に最も背の高い電子部品が天板部15に押えられ、その電子部品の下側に位置しているセラミック多層基板11のランドに付与されている半田がランドからはみ出して短絡不良が発生する、といった問題点が解消されて歩留まりも高くなり、製品のコストが大幅に削減される。また、スリット23a,23bは狭くてよいので、金属ケース14のシールド効果をそれほど損なうことはない。
本第1実施例では、スリット23a,23bの長さxを次のような値となるように設定している。図1に示すように、保持爪16,17の幅をy、天板部15の両端辺15a,15bの長さをzとする。スリット23a,23bの長さxが保持爪16,17の幅yよりも小さくなると、スリット23a,23bは保持爪16,17の撓みがその引出し部分の近傍領域から天板部15の中央部分に及ぶのを充分回避することができなくなる。また、スリット23a,23bの長さxが天板部15の両端辺15a,15bの長さzの90%を超えると、天板部15の強度が低下する。このため、スリット23a,23bの長さxを、y≦x≦0.9zとなるように設定することが好ましい。
(第2実施例、図4参照)
本発明の第2実施例である電子部品モジュールの斜視図を図4に示す。この電子部品モジュール20は、前記第1実施例である電子部品モジュール10において、金属ケース14の天板部15に、保持爪16,17が引き出された両端辺15a,15bに沿ったスリット23a,23bに加えて、残る端辺15c,15dに沿って第2のスリット23c,23dを形成したものである。なお、図4において、図1と同じ部材、部分には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
本発明の第2実施例である電子部品モジュールの斜視図を図4に示す。この電子部品モジュール20は、前記第1実施例である電子部品モジュール10において、金属ケース14の天板部15に、保持爪16,17が引き出された両端辺15a,15bに沿ったスリット23a,23bに加えて、残る端辺15c,15dに沿って第2のスリット23c,23dを形成したものである。なお、図4において、図1と同じ部材、部分には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
本第2実施例の作用効果は前記第1実施例と同様であり、特に、第2のスリット23c,23dは、前記スリット23a,23bと同様に、組立て時における保持爪16,17の撓みが天板部15の中央部分に及ぶことを遮断する。
(他の実施例)
本発明に係る電子部品モジュールは前記実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の構成とすることができる。
本発明に係る電子部品モジュールは前記実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の構成とすることができる。
例えば、本発明は、セラミック多層基板11の主面11a,11bにそれぞれ電子部品12を実装した電子部品モジュールにも適用することができる。また、基板11はセラミック多層基板以外に樹脂基板であってもよい。
10,20…電子部品モジュール
11…セラミック多層基板
11a,11b…主面
12(12a,12b,12c)…電子部品
13…電子部品本体
14…金属ケース
15…天板部
15a〜15d…端辺
16,17…保持爪
23a〜23d…スリット
11…セラミック多層基板
11a,11b…主面
12(12a,12b,12c)…電子部品
13…電子部品本体
14…金属ケース
15…天板部
15a〜15d…端辺
16,17…保持爪
23a〜23d…スリット
Claims (3)
- 絶縁性を有する基板の実装面に電子部品が実装されてなる電子部品本体と、前記実装面に実装された電子部品を覆う天板部及び該天板部の両端辺からそれぞれ引き出されるとともに基板に向かって折曲されて該基板に固定される保持爪を有する金属ケースとを備えた電子部品モジュールであって、
前記金属ケースの天板部の前記両端辺近傍に、該両端辺に沿ってスリットが形成されていること、
を特徴とする電子部品モジュール。 - 前記スリットの長さが、前記保持爪の幅寸法以上であり、かつ、前記両端辺の長さ寸法の90%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品モジュール。
- 前記天板部には、両端辺に沿った前記スリットに加えて、残る端辺に沿って第2のスリットが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子部品モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006123764A JP2007299778A (ja) | 2006-04-27 | 2006-04-27 | 電子部品モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006123764A JP2007299778A (ja) | 2006-04-27 | 2006-04-27 | 電子部品モジュール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007299778A true JP2007299778A (ja) | 2007-11-15 |
Family
ID=38769063
Family Applications (1)
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JP2006123764A Pending JP2007299778A (ja) | 2006-04-27 | 2006-04-27 | 電子部品モジュール |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2007299778A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012104632A (ja) * | 2010-11-10 | 2012-05-31 | Sharp Corp | 回路モジュールおよびそれを備えた電子機器 |
JP2013219141A (ja) * | 2012-04-06 | 2013-10-24 | Tdk Corp | シールドケース及び電子機器 |
-
2006
- 2006-04-27 JP JP2006123764A patent/JP2007299778A/ja active Pending
Cited By (2)
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