JP2007299762A - 異方導電膜とその製造方法 - Google Patents

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正道 山本
Jun Yoda
潤 依田
Hideki Kashiwabara
秀樹 柏原
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英昭 年岡
Misako Ozoegawa
みさ子 小副川
Keiji Koyama
惠司 小山
Masatoshi Mashima
正利 真嶋
Yoshie Tani
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Abstract

【課題】隣接する電極間のピッチが小さくても短絡を生じないため、特に半導体パッケージの実装用として、高密度実装化の要求に対応しうる異方導電膜や、それよりも低圧の接続で、確実に導電接続でき、しかも大電流が流れても溶断しない上、高周波の信号にも対応可能で、特にコンタクトプローブの実装用として好適な異方導電膜、並びにこれら異方導電膜の製造方法を提供する。
【解決手段】異方導電膜は、導電成分として、微細な金属粒が多数、鎖状に繋がった形状を有する金属粉末を含むものであり、特に半導体パッケージの実装用の場合は、金属粉末の鎖の長さを、導電接合する隣り合う電極間の距離未満とし、またコンタクトプローブの実装用の場合は、鎖の径を、1μmを超え、20μm以下の範囲とする。製造方法は、少なくとも一部を、常磁性を有する金属で形成した鎖を、磁場によって配向させながら膜を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えばエレクトロニクス実装などに用いる新規な異方導電膜と、その製造方法とに関するものである。
例えばフレキシブルプリント配線板(FPC)などの導体回路に設けた実装用の電極上に、半導体パッケージを、いわゆるフリップチップボンディングなどによって実装したり、あるいは2つ以上のFPCの導体回路同士を、接続部分に設けた電極を介して接続したりするエレクトロニクス実装の分野においては高密度実装化が進んでおり、隣接する電極間のピッチがますます狭くなる傾向にある。
エレクトロニクス実装における実装法の1つに、熱接着性を有するフィルム状の異方導電膜を用いる方法がある(例えば特許文献1、2参照)。
異方導電膜は、例えば粉末状の導電成分を、熱可塑性樹脂や硬化性樹脂等の、導電成分を保持して膜を形成する機能(成膜性)と、熱接着するための接着剤としての機能(接着性)とを兼ね備えた結着剤からなる膜中に分散させた構造を有する。
かかる構造を有する異方導電膜は、上記導電成分と固形の結着剤とを、溶媒とともに所定の割合で配合して液状の複合材料を形成し、この複合材料を、下地上に塗布して乾燥、固化させたのち、下地からはく離することで製造できる。また異方導電膜は、例えば結着剤として液状の硬化性樹脂等を用いることで溶媒を省略した複合材料を下地上に塗布したのち、硬化性樹脂を半硬化させて固形化することでも製造できる。
また異方導電膜においては、熱接着した際に隣り合う電極間が短絡するのを防止すべく、面方向の導電抵抗(「絶縁抵抗」という)が高くなるように、導電成分の分布密度を規定する、金属粉末と結着剤との総量に占める金属粉末の割合で表される金属充てん率を調整しておく。
そして、導電接続したいFPCと半導体パッケージの間や、あるいはFPC同士の間に異方導電膜を挟んだ状態で熱接着を行う。
そうすると異方導電膜が、熱接着時の加熱、加圧によって厚み方向に圧縮されることで、当該厚み方向の導電成分の分布密度が上昇して、導電成分同士が互いに近接もしくは接触して導電ネットワークを形成する結果、厚み方向の導電抵抗(「接続抵抗」という)が低くなる。
しかしこの際、異方導電膜の面方向における導電成分の分布密度は増加しない。つまり面方向は、絶縁抵抗が高く導電率が低い初期の状態を維持する。
したがって異方導電膜によれば、面方向の絶縁抵抗によって隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、厚み方向の接続抵抗によって多数の電極−バンプ間、もしくは電極−電極間を一度に、そしてそれぞれ独立して導電接続できるとともに、FPCと半導体パッケージの間、あるいはFPC同士の間を熱接着によって固定できるため、実装作業が容易である。
特開平6−102523号公報(第0009欄、第0010欄、図2) 特開平8−115617号公報(第0003欄、図1)
従来の異方導電膜中に含まれる導電成分としては、例えば平均粒径が数μm〜数十μm程度で、かつその形状が粒状、球状、薄片状(鱗片状、フレーク状)などであるNi粉末や、あるいは表面に金メッキを施した樹脂粉末などの、種々の金属粉末が実用化されている。
また従来の異方導電膜においては通常、上記の金属粉末を、金属充てん率が7〜10体積%となるように含有させている。
しかしこの金属充てん率の範囲では、熱接着時の接続抵抗の値が十分でなく、より一層、接続抵抗を低くすることを求められる場合が増加しつつある。そこで熱接着時の接続抵抗をこれまでよりもさらに低くすべく、金属充てん率を上記の範囲より高くすることが考えられるが、そうした場合に、従来の異方導電膜では面方向の絶縁抵抗まで低くなってしまう。このため、例えば半導体パッケージのバンプの間隔にあわせて近接配置させた、面方向に隣接する電極間などで短絡を生じやすいという新たな問題を生じる。
そして、かかる問題を生じやすいために従来の異方導電膜は、隣接する電極間のピッチが50μm以上でないと対応することができず、エレクトロニクス実装の分野におけるさらなる高密度実装化の要求に対応できないのが現状である。
また近時、発明者は、メモリ、IC、LSI、ASICなどの半導体チップが正常に製造されたか否かを検査するために用いるプローブカードにおいて、実装基板上に実装した多数の微細なコンタクトプローブをそれぞれ別個に、プローブカード本体の回路上の電極と接続するために用いている多数の配線に代えて、1枚の異方導電膜を用いることを検討した。かかる接続においては、半導体チップのパッドのピッチが100〜200μm程度であることから、従来の異方導電膜でも十分に対応できるのではないかと考えたのである。
すなわちプローブカードは、例えばウエハ上に形成した、所定のサイズに切り出す前の半導体チップなどのパッドにコンタクトプローブを圧接させて導通を図り、それによって半導体チップ内の回路を、プローブカード本体の回路を介して外部の検査回路と接続して検査するためのものであるが、半導体チップの微小化、多集積化によるパッド自体やその形成ピッチの微小化、あるいはパッド数の増加に伴って、コンタクトプローブ自体も精密化し、また実装基板上に多集積化される傾向にある。
特に最近では、ミクロン単位の加工精度で加工されたごく微細なコンタクトプローブを多数、実装基板上に、前記のように半導体チップのパッドのピッチに合わせて100〜200μmのピッチで実装したプローブカードが実用化されている。
しかし、例えば1枚のウエハ上に形成した数十〜数百個の半導体チップを一度に検査するプローブカードでは、コンタクトプローブを、実装基板上に数千本も実装しなければならず、それぞれのコンタクトプローブとプローブカード本体とを繋ぐ配線についても同数が必要となる。またそれゆえに、配線のはんだ付け作業の回数も膨大な数になる。
このためプローブカードの製造や使用時の管理などが極めて難しいという問題がある。
そこで発明者は、多数の配線とそのはんだ付けを、1枚の異方導電膜で代用することを検討したのであるが、従来の異方導電膜を単純に転用したのでは、下記のような問題を生じるため実用化が難しいことがわかった。
(1) テストする半導体チップの内部回路に短絡が生じていた場合には、テスト時の異方導電膜に、局部的に、例えば1A以上の大電流が流れるおそれがある。ところが従来の異方導電膜は、かかる大電流への対応を考慮したものではなく、許容される電流値はおよそ数十mA程度に過ぎない。このため短絡等によって大電流が流れるとジュール熱を生じて、異方導電膜が局部的に高温になり、溶断などするおそれがある。
(2) 前記のようにコンタクトプローブは、極めて微小な、そして壊れやすいものであるため、その実装に異方導電膜を用いる場合は、前述した通常の、電極−パッド間などの接続の場合よりも、熱接着時の加圧を低圧で行う必要がある。しかし低圧で接続した場合、従来の異方導電膜では、厚み方向の接続抵抗を、十分に実用可能なレベルまで低くすることができず、導通不良を生じるおそれがある。
(3) また導通不良をなくするために金属粉末の金属充てん率を高めた場合、従来の異方導電膜では、前記のように面方向の絶縁抵抗も低くなってしまうため、たとえ100〜200μmのピッチであっても、隣り合う電極間での短絡を生じるおそれがある。
(4) また、例えばグラフィックボードやゲーム用の半導体チップ、Ga−As素子などの高速の半導体チップを、その実際に用いる動作速度で検査するためには高周波の信号を用いる必要がある。しかし、特に上記のように導通不良をなくするべく金属粉末の金属充てん率を高めた場合には、異方導電膜のインピーダンスが大きくなるため高周波信号の通過が困難になり、検査できなくなるおそれもある。
(5) プローブカードによる検査の対象である半導体チップは、前記のように1枚のウエハの全面に分布して形成される場合などが多いことから、コンタクトプローブの実装基板とプローブカード本体は、ウエハを覆う大きなサイズに形成される。したがってプローブカード接続用の異方導電膜は、従来の半導体パッケージ実装用のものよりもかなり大きなサイズをカバーしなければならない上、前記のように低圧での接続時に、これら大きな部材の反りなどによる厚み方向のばらつきを、その全面にわたって吸収して、接続不良や導通不良などを生じないようにする必要がある。しかし従来の異方導電膜では、かかる要求に対応することも難しい。
本発明の目的は、例えば隣接する電極間のピッチが50μm未満、より好ましくは40μm以下であっても短絡を生じることがないため、特に半導体パッケージなどの実装用として、さらなる高密度実装化の要求に十分対応しうる新規な異方導電膜を提供することにある。
また本発明の他の目的は、上記半導体パッケージの場合よりも低圧の接続でより確実に導電接続することができ、しかも大電流が流れても溶断したりしない上、高周波の信号にも対応可能であるため、特にコンタクトプローブなどの実装用として好適な新規な異方導電膜を提供することにある。
また本発明のさらに他の目的は、かかる新規な異方導電膜を製造する方法を提供することにある。
請求項1記載の発明は、微細な金属粒が多数、鎖状に繋がった形状を有する金属粉末を、導電成分として含むことを特徴とする異方導電膜である。
請求項1の構成において導電成分として用いる金属粉末は、例えば後述する還元析出法などによって、ミクロンオーダーないしサブミクロンオーダーの微細な金属粒が最初から多数、鎖状に繋がった形状に形成される。また特に後述するように、多数の金属粒が繋がった周囲にさらに金属膜が析出した構造を有する金属粉末では、個々の金属粒間が直接に接続される。このため従来の粒状等の金属粉末に比べて、個々の金属粒間における接触抵抗の増加を抑制することができる。
また上記鎖状の金属粉末は、従来の粒状等の金属粉末に比べて比表面積が大きいため、凝集等を生じることなく、結着剤中に均一に分散させることもできる。
しかも鎖状の金属粉末は、鎖の太さと長さの比がおよそ10〜100程度と大きいため、少量の添加でも、異方導電膜中で良好な導電性のネットワークを形成することができる。
このため請求項1の構成によれば、金属粉末の充てん密度をあまり高くすることなしに、つまり異方導電膜の面方向の絶縁抵抗を高いレベルに維持しつつ、厚み方向の接続抵抗をこれまでよりも大幅に低下させることができる。
したがって請求項1の異方導電膜を半導体パッケージなどの実装に用いた場合には、従来は実現不可能であった、隣接する電極間のピッチが50μm未満、より好ましくは40μm以下といった微細な部品の導電接続であっても、短絡を生じることなく確実に行うことができ、さらなる高密度実装化の要求に十分に対応することが可能となる。
また請求項1の異方導電膜をコンタクトプローブなどの実装用として用いた場合には、前記のように金属粉末の充てん密度をあまり高くすることなしに、したがってインピーダンスを低いレベルに維持して高周波信号の通過を可能とした状態で、より低圧での接続で、多数のコンタクトプローブをより確実に導電接続することが可能となる。
請求項2記載の発明は、金属粉末の鎖を膜の厚み方向に配向させた請求項1記載の異方導電膜である。
金属粉末の鎖を膜の厚み方向に配向させると、当該厚み方向の接続抵抗をさらに大幅に低下させることができる。
請求項3記載の発明は、鎖状の金属粉末、またはこの金属粉末を形成する個々の金属粒を、常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、常磁性を有する金属と他の金属との合金、もしくは常磁性を有する金属を含む複合体にて形成した請求項1記載の異方導電膜である。
上記の構成では、以下に述べる還元析出法などによってサブミクロンオーダーの微細な金属粒を析出させると、当該金属粒が磁性を帯び、そして多数の金属粒が磁力によって鎖状に繋がることで鎖状の金属粉末が自動的に形成される。
よって請求項3の構成によれば、鎖状の金属粉末の製造が容易であり、異方導電膜の、製造効率の向上やコストダウンなどが可能となる。
また上記金属粉末としては、多数の微細な金属粒が単に磁力によって鎖状に繋がったものから、繋がった金属粒の周囲にさらに金属層が析出して金属粒間が強固に結合されたものまで種々の構造を有するものが含まれるが、このいずれのものにおいても、基本的に金属粒は磁力を保持している。
このため、例えば複合材料を製造する際や、下地上に塗布して異方導電膜を製造する際の応力程度では鎖が簡単に切れたりしない上、もし切れた場合でも、応力が加わらなくなった時点で鎖の再結合等を生じやすい。しかも塗布後の塗膜中では、複数の金属粉末が、金属粒の磁力に基づいて互いに接触して導電ネットワークを形成しやすい。
よって請求項3の構成によれば、異方導電膜の厚み方向の接続抵抗をさらに低くすることも可能である。
請求項4記載の発明は、常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、または常磁性を有する金属と他の金属との合金によって形成される金属粉末または金属粒の全体、もしくは
常磁性を有する金属を含む複合体によって形成される金属粉末または金属粒のうち、常磁性を有する金属を含む部分を、
その形成材料である常磁性を有する金属のイオンを、還元剤を含む溶液に加えることで、液中に析出させて形成した請求項3記載の異方導電膜である。
かかる還元析出法によれば、前述したように鎖状の金属粉末を自動的に形成することが可能となる。
また、還元析出法によって形成される金属粒は個々の粒径が揃っており、粒度分布がシャープである。これは、還元反応が系中で均一に進行するためである。したがってかかる金属粒から製造される金属粉末は、とくに異方導電膜の厚み方向の接続抵抗を、当該異方導電膜の全面にわたって均一な状態とする効果に優れている。
請求項5記載の発明は、還元剤として3価のチタン化合物を用いた請求項4記載の異方導電膜である。
上記還元析出法によって、鎖状の金属粉末またはこの金属粉末を形成する個々の金属粒を形成するための還元剤としては種々の化合物が考えられる。しかし、その中でも三塩化チタンなどの3価のチタン化合物を用いた場合には、鎖状の金属粉末を析出、形成した後の溶液を、電解再生によって繰り返し、鎖状の金属粉末の製造に利用可能な状態に再生できるという利点がある。
請求項6記載の発明は、固形分として鎖状の金属粉末と結着剤とを含み、かつ固形分の総量に占める金属粉末の割合で表される金属充てん率を0.05〜20体積%とした請求項1記載の異方導電膜である。
金属充てん率が0.05体積%未満では、異方導電膜の厚み方向の導通に寄与する金属粉末が少なすぎるため、熱接着による同方向の接続抵抗を十分に低くできないおそれがある。また金属充てん率が20体積%を超える場合には、異方導電膜の面方向の絶縁抵抗が低くなりすぎて、隣接する電極間で短絡が発生しやすくなるおそれがある。
請求項7記載の発明は、金属粉末として、多数の微細な金属粒が直鎖状または針状に繋がった形状を有するものを用いた請求項1記載の異方導電膜である。
直鎖状または針状の金属粉末を用いた場合には、異方導電膜の厚み方向の接続抵抗をさらに低く、かつ面方向の絶縁抵抗をさらに高くすることができる。とくに金属粉末の鎖を膜の厚み方向に配向させた際には、配向方向に沿って並んだ金属粉末間の相互作用をより密に、また配向方向と交差する横方向に並んだ金属粉末間の相互作用をより粗にすることができるため、前記の効果をより一層、顕著に発揮させることができる。
請求項8記載の発明は、金属粉末の鎖の長さを、導電接合する隣り合う電極間の距離未満とした請求項1記載の異方導電膜である。
特に半導体パッケージの実装の場合に、金属粉末の鎖の長さを、上記のように隣り合う電極間の距離未満に規定すると、熱接着時に鎖状の金属粉末の横倒しが発生しても、隣り合う電極間を短絡させることがない。このため、隣り合う電極間で短絡が発生するのを確実に防止することができる。
また半導体パッケージの実装の場合に、隣接する電極間のピッチが50μm未満、より好ましくは40μm以下であっても、請求項7と同様の、金属粉末間の相互作用の粗密の効果によって、短絡を生じることなしに半導体パッケージなどを実装するためには、金属粉末の鎖の径は1μm以下とするのが好ましい。
したがって請求項9記載の発明は、金属粉末の鎖の径を1μm以下とした請求項8記載の異方導電膜である。
また鎖の径を1μm以下とするためには、当該鎖を形成する個々の金属粒の粒径を400nm以下とするのが好ましい。
したがって請求項10記載の発明は、金属粒の粒径を400nm以下とした請求項9記載の異方導電膜である。
さらに請求項11記載の発明は、金属粉末の、鎖の長さLと径Dとの比L/Dを3以上とした請求項8記載の異方導電膜である。
比L/Dが3未満では鎖の長さが短すぎて、金属粉末間の相互作用の粗密の効果によって、短絡を生じることなしに、異方導電膜の接触抵抗を低くする効果が得られないおそれがある。
一方、コンタクトプローブの実装において、隣接する電極間での短絡を防止し、なおかつインピーダンスを低いレベルに抑えて高周波信号の通過を可能としつつ、大電流を流すことを考慮すると、個々の金属粉末の鎖の径を、上記の場合よりも大きい1μmを超える範囲とするとともに、各鎖を、面方向の短絡を生じないように膜の厚み方向に配向させるのが好ましい。また、例えば前述したように100〜200μmのピッチで隣り合うコンタクトプローブ間において、前記請求項7と同様の、金属粉末間の相互作用の粗密の効果によって、短絡を生じることなしに、その実装を行うためには、金属粉末の鎖の径は20μm以下とするのが好ましい。
したがって請求項12記載の発明は、金属粉末の鎖の径を、1μmを超え、かつ20μm以下とした請求項2記載の異方導電膜である。
またコンタクトプローブの実装において、インピーダンスの上昇を抑えて高周波信号の通過を可能とするためには、金属粉末の充てん率を0.05〜5体積%とするのが好ましい。
したがって請求項13記載の発明は、固形分として鎖状の金属粉末と結着剤とを含み、かつ固形分の総量に占める金属粉末の割合で表される金属充てん率を0.05〜5体積%とした請求項12記載の異方導電膜である。
さらに、前記半導体パッケージの実装において、熱接着による異方導電膜の厚み方向の接続抵抗を十分に低くすること、ならびに上記コンタクトプローブの実装において、低圧接続時の接続抵抗をさらに小さくすることを考慮すると、このいずれの場合も、金属粉末としては、例えば常磁性を有する金属などで形成した鎖の表面を、導電性に優れた金属で被覆した複合構造を有するものを用いるのが好ましい。
したがって請求項14記載の発明は、鎖状の金属粉末を、常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、常磁性を有する金属と他の金属との合金、もしくは常磁性を有する金属を含む複合体にて形成した鎖と、その表面を被覆した、Cu、Rb、Rh、Pd、Ag、Re、PtおよびAuからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属との複合体にて形成した請求項8または12記載の異方導電膜である。
請求項15記載の発明は、請求項2記載の異方導電膜を製造する方法であって、少なくともその一部が常磁性を有する金属によって形成された鎖状の金属粉末と、結着剤とを含む、流動性を有する複合材料を、下地面と交差する方向に磁場を印加した下地上に塗布して、複合材料中の金属粉末の鎖を、上記磁場の方向に沿う膜の厚み方向に配向させるとともに、複合材料を固化または硬化させて鎖の配向を固定することを特徴とする異方導電膜の製造方法である。
また請求項16記載の発明は、請求項2記載の異方導電膜を製造する方法であって、少なくともその一部が常磁性を有する金属によって形成された鎖状の金属粉末を、下地面と交差する方向に磁場を印加した下地上に散布して、金属粉末の鎖を、上記磁場の方向に配向させるとともに、その上に、結着剤を含む、流動性を有する塗剤を塗布して固化または硬化させて鎖の配向を固定することを特徴とする異方導電膜の製造方法である。
これらの製造方法によれば、金属粉末の鎖を膜の厚み方向に配向させた異方導電膜を、より効率よく形成することができる。
以下に、本発明を説明する。
本発明の異方導電膜は、微細な金属粒が多数、鎖状に繋がった形状を有する金属粉末を、導電成分として含むことを特徴とするものである。
(金属粉末)
鎖状の金属粉末としては、気相法、液相法等の種々の方法で製造される、鎖状構造を有する種々の金属粉末が、いずれも使用可能であるが、とくに多数の微細な金属粒が直鎖状または針状に繋がった形状を有するものが好ましい。
また鎖状の金属粉末としては、当該金属粉末、またはこの金属粉末を形成する個々の金属粒を、常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、常磁性を有する金属と他の金属との合金、もしくは常磁性を有する金属を含む複合体にて形成したものが好ましい。
常磁性を有する金属を含む金属粉末の具体例としては、下記(a)〜(e)のいずれか1種、もしくは2種以上の混合物などをあげることができる。
(a) 常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、または常磁性を有する金属と他の金属との合金から形成したミクロンオーダーないしサブミクロンオーダーの金属粒を、自身の磁性によって多数個、鎖状に繋がらせた金属粉末。
(b) 上記(a)の金属粉末の表面にさらに、常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、または常磁性を有する金属と他の金属との合金からなる金属層を析出させて、金属粒間を強固に結合した金属粉末。
(c) 上記(a)または(b)の金属粉末の表面にさらに、他の金属や合金からなる金属層を析出させて、金属粒間を強固に結合した金属粉末。
(d) 常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、または常磁性を有する金属と他の金属との合金から形成した粒状の芯材の表面を、他の金属や合金で被覆して複合体を得、この複合体を金属粒として、芯材の磁性によって多数個、鎖状に繋がらせた金属粉末。
(e) 上記(d)の金属粉末の表面にさらに、他の金属や合金からなる金属層を析出させて、金属粒間を強固に結合した金属粉末。
上記のうち常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、または常磁性を有する金属と他の金属との合金によって形成される金属粉末または金属粒の全体、もしくは
常磁性を有する金属を含む複合体によって形成される金属粉末または金属粒のうち、常磁性を有する金属を含む部分は、
還元析出法によって、その形成材料である常磁性を有する金属のイオンを含む溶液に還元剤を加えることで、液中に析出させて形成するのが好ましい。
還元析出法においては、まず還元剤、例えば三塩化チタンなどの3価のチタン化合物と、例えばクエン酸三ナトリウム等とを溶解させた溶液(以下「還元剤溶液」とする)に、アンモニア水等を加えてpHを9〜10に調整する。これにより、3価のチタンイオンが錯化剤としてのクエン酸と結合して配位化合物を形成して、Ti(III)からTi(IV)に酸化する際の活性化エネルギーが低くなり、還元電位が高くなる。具体的には、Ti(III)とTi(IV)との電位差が1Vを超える。この値は、Ni(II)からNi(0)への還元電位や、Fe(II)からFe(0)への還元電位などに比べて著しく高い値である。よって各種の金属のイオンを効率よく還元して、金属粒や金属膜などを析出、形成することができる。
次に上記の還元剤溶液に、例えばNi等の、常磁性を有する金属単体のイオンを含む溶液、または常磁性を有する金属を含む合金を形成する2種以上のイオンを含む溶液を加える。
そうすると、Ti(III)が還元剤として機能して、自身がTi(IV)に酸化する際に、金属のイオンを還元して液中に析出させる。すなわち液中に、上記金属単体または合金からなる金属粒が析出するとともに、自身の磁性によって多数が鎖状に繋がって鎖状の金属粉末を形成する。また、このあとさらに析出を続けると、上記金属粉末の表面にさらに金属層が析出して、金属粒同士を強固に結合する。
つまり前記(a)(b)などの金属粉末や、その元になる金属粒、あるいは前記(d)の金属粉末の元になる複合体のうち芯材などを、上記の方法によって製造することができる。
このうち金属粒や芯材は個々の粒径が揃っており、粒度分布がシャープである。これは、還元反応が系中で均一に進行するためである。したがってかかる金属粒や芯材から製造される金属粉末は、とくに異方導電膜の厚み方向の導電抵抗を、当該異方導電膜の全面にわたって均一な状態とする効果に優れている。
金属粒や芯材等を析出させた後の還元剤溶液は、電解再生を行うことで、何度でも繰り返し、還元析出法による鎖状の金属粉末の製造に利用することができる。すなわち、金属粒や芯材等を析出させた後の還元剤溶液を電解槽に入れるなどして電圧を印加することで、Ti(IV)をTi(III)に還元してやれば、再び電解析出用の還元剤溶液として使用することができる。これは、電解析出時にチタンイオンが殆ど消費されない、つまり析出させる金属とともに析出されないためである。
金属粒や芯材等を形成する、常磁性を有する金属または合金としては、例えばNi、鉄、コバルトおよびこれらのうち2種以上の合金等をあげることができ、とくにNi単体やNi−鉄合金(パーマロイ)等が好ましい。かかる金属や合金にて形成した、とくに金属粒は、鎖状に繋がる際の磁気的な相互作用が強いため、金属粒間の接触抵抗を低減する効果に優れている。
また上記の、常磁性を有する金属や合金とともに、前記(c)(d)(e)の複合体を形成する他の金属としては、Cu、Rb、Rh、Pd、Ag、Re、PtおよびAuからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属またはその合金などをあげることができる。金属粉末の導電性を向上することを考慮すると、これらの金属で形成される部分は、鎖の外表面に露出している部分であるのが好ましい。つまり鎖の表面をこれらの金属で被覆した、前記(c)(e)の構造を有する複合体が好ましい。被覆は、例えば無電解めっき法、電解めっき法、還元析出法、真空状着法などの種々の成膜方法によって形成できる。
半導体パッケージの実装などに用いる金属粉末としては、前記(a)〜(e)のいずれかの構造を有し、なおかつその鎖の長さが、導電接合する隣り合う電極間の距離未満であるものが好ましい。
また上記金属粉末としては、鎖の径が1μm以下、鎖状の金属粉末を形成する個々の金属粒の粒径が400nm以下であるものが好ましい。
これらの理由は先に説明したとおりである。
なお鎖の長さは、横倒しによる短絡をより一層、確実に防止することを考慮すると、導電接合する隣り合う電極間の距離の0.9倍以下であるのがさらに好ましい。
また鎖の径があまりに小さすぎると、複合材料を製造する際や、下地上に塗布して異方導電膜を製造する際の応力程度で簡単に切れやすくなるおそれがあるので、鎖の径は10nm以上であるのが好ましい。
また鎖を形成する金属粒の粒径があまりに小さすぎると、鎖状に繋がれた金属粉末自体のサイズが小さくなりすぎて、導電成分としての機能が十分に得られないおそれがあるので、金属粒の粒径は10nm以上であるのが好ましい。
さらに、上述した鎖の長さの下限は特に限定されないが、上述した好適な鎖の径の範囲内で、なおかつ鎖の長さLと径Dとの比L/Dが3以上となるように、鎖の長さを設定するのが好ましい。
比L/Dが3未満では、これも先に述べたように、金属粉末間の相互作用の粗密の効果によって、短絡を生じることなしに、異方導電膜の接触抵抗を低くする効果が得られないおそれがある。
またとくに前記(c)または(e)のように、鎖の表面をCu、Rb、Rh、Pd、Ag、Re、PtおよびAuからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属で被覆した複合構造を有するものが、導電性を向上できるため好ましい。
一方、コンタクトプローブの実装などに用いる金属粉末としては、やはり(a)〜(e)のいずれかの構造を有し、なおかつその鎖の径が1μmを超え、かつ20μm以下であるものが好ましい。
また、上記金属粉末を形成する個々の金属粒の粒径は、0.5〜2μmであるのが好ましい。
またとくに前記(c)または(e)のように、鎖の表面をCu、Rb、Rh、Pd、Ag、Re、PtおよびAuからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属で被覆した複合構造を有するものが、導電性を向上できるため好ましい。
ただしコンタクトプローブ実装用の金属粉末としては、より径の細い、半導体パッケージの実装に用いるものと同程度の鎖が多数、束状に凝集した形状を有し、なおかつ凝集してできた鎖の径が1μmを超え、かつ20μm以下であるものを用いることもできる。また導電性を向上することを考慮すると、かかる凝集体の表面を、前記金属で被覆してもよい。
なお上記の金属粉末に寸法が類似した、直径が20μm程度、長さが120μm程度の円柱状のCu粉末を、樹脂中に分散させた異方導電膜がある。
しかし、かかる異方導電膜をコンタクトプローブの実装に使用した場合には、後述する比較例の結果から明らかなように、膜の厚み方向の導電性が不十分になる。これは、銅粉末であるがゆえに、膜の厚み方向に磁性配向できないためであると考えられる。つまり銅粉末は、磁場の印加によって膜の厚み方向に配向させることができず、膜形成時の応力などによってランダムに向いてしてしまう。このため、コンタクトプローブ実装時の低圧接続では十分な導電ネットワークを形成することができず、同方向の接続抵抗を十分に低くできないのである。
(結着剤)
鎖状の金属粉末とともに異方導電膜を形成する結着剤としては、当該用途において結着剤として従来公知の、成膜性および接着性を有する種々の化合物がいずれも使用可能である。かかる結着剤としては、例えば熱可塑性樹脂や硬化性樹脂、液状硬化性樹脂などがあり、特に好ましくはアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂などをあげることができる。
(複合材料)
異方導電膜のもとになる複合材料は、鎖状の金属粉末と結着剤とを、適当な溶媒とともに所定の割合で配合して製造する。また液状硬化性樹脂等の液状の結着剤を用いることで、溶媒を省略してもよい。
(異方導電膜とその製造方法)
本発明の異方導電膜は、例えばガラス板などの下地上に、上記の複合材料を塗布して乾燥、固化させるか、あるいは結着剤が硬化性樹脂、液状硬化性樹脂である場合はこれを硬化させたのち、下地からはく離することで製造できる。
その厚みは、半導体パッケージの実装用の場合、異方導電膜を介して電極とバンプとを圧着させた際に良好に導電接着させることを考慮すると、10μm〜100μmであるのが好ましい。
またコンタクトプローブ実装用の場合、その厚みは、実装基板やプローブカード本体の、反りなどによる厚み方向のばらつきを、その全面にわたって吸収して、接続不良や導通不良などを生じないようにすることを考慮すると、100〜300μmであるのが好ましい。
また本発明の異方導電膜は、いずれの用途においても、金属粉末の鎖を、膜の厚み方向に配向させた状態で固定しているのが好ましい。かかる異方導電膜は、
(A) 先に説明した、少なくともその一部が常磁性を有する金属によって形成された鎖状の金属粉末と、結着剤とを含む、流動性を有する複合材料を、下地面と交差する方向に磁場を印加した下地上に塗布することで、金属粉末の鎖を、上記磁場の方向に沿う膜の厚み方向に配向させた状態で複合材料を固化または硬化させることによって、金属粉末の鎖の配向を固定するか、もしくは
(B) 上記鎖状の金属粉末を、下地面と交差する方向に磁場を印加した下地上に散布して、金属粉末の鎖を、上記磁場の方向に配向させた状態で、結着剤を含む、流動性を有する塗剤を塗布して固化または硬化させることによって、金属粉末の鎖の配向を固定したのち、
下地からはく離することによって製造できる。
これらの方法を実施する際に印加する磁場の強さは、金属粉末中に含まれる、常磁性を有する金属の種類や割合等によって異なるものの、異方導電膜中の金属粉末を、当該膜の厚み方向に十分に配向させることを考慮すると、磁束密度で表して1000μT以上、中でも10000μT以上、とくに40000μT以上であるのが好ましい。
磁場を印加する方法としては、ガラス基板などの下地の上下に磁石を配置する方法や、あるいは下地として磁石の表面を利用する方法などをあげることができる。後者の方法は、磁石の表面から出る磁力線が、当該表面から、異方導電膜の厚み程度までの領域では、磁石の表面に対してほぼ垂直であることを利用したもので、異方導電膜の製造装置を簡略化できるという利点がある。
かくして製造した異方導電膜における、固形分、すなわち鎖状の金属粉末と結着剤との総量に占める金属粉末の割合で表される金属充てん量は、0.05〜20体積%とするのが好ましい。
なお特にコンタクトプローブの実装用の場合は、インピーダンスの上昇を抑えて高周波信号の通過を可能とするために、金属粉末の充てん率を、上記の範囲内でも特に0.05〜5体積%とするのが好ましい。
金属充てん量を上記の範囲に調整するためには、鎖状の金属粉末を配向させない場合、および上記(A)の場合は、金属粉末と結着剤とを上記の比率で含有する複合材料を用いて異方導電膜を形成すればよい。また(B)の場合は、金属粉末の散布量、塗剤中の結着剤濃度や塗布量などを調整すればよい。
上記本発明の異方導電膜は、導電成分としての、鎖状の金属粉末の機能により、例えば半導体パッケージの実装において、隣接する電極間のピッチが50μm未満、より好ましくは40μm以下であっても短絡を生じることが無い。このためエレクトロニクス実装の分野における、さらなる高密度実装化の要求に十分に対応することが可能となる。
またコンタクトプローブ実装用の場合は、特に鎖の径を太くするとともに、鎖を膜の厚み方向に配向させることで、半導体パッケージの場合より低圧の接続で、より確実に導電接続することが可能となる。しかも大電流が流れても溶断したりしない上、高周波の信号に対応可能とすることもできる。
なお本発明の異方導電膜は、上記の用途以外にも、例えばIC用ソケットのピン実装用などにも使用できる。また、現在はワイヤボンディングやμBGA(μボールグリッドアレイ)接続している三次元パッケージに使用することも可能である。
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
〔半導体パッケージ実装用の異方導電膜〕
(実施例)
導電成分としては、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状を有し、Ni粒の粒径が100nm、鎖の径Dが400nm、長さLが5μm、比L/Dが12.5であるNi粉末を用いた。
そしてこのNi粉末と、結着剤としてのアクリル樹脂とを、金属充てん率が20体積%となるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合材料を調製した。
次に、この複合材料をガラス基板上に塗布して乾燥、固化させたのち、はく離することで、厚み30μmの異方導電膜を製造した。
(実施例2)
導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状を有し、Ni粒の粒径が400nm、鎖の径Dが1μm、長さLが5μm、比L/Dが5であるNi粉末を用いたことと、このNi粉末と、結着剤としてのアクリル樹脂とを、金属充てん率が0.05体積%となるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合材料を調製したこと以外は実施例1と同様にして、厚み30μmの異方導電膜を製造した。
(実施例3)
導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状を有し、Ni粒の粒径が300nm、鎖の径Dが600nm、長さLが5μm、比L/Dが8.3であるNi粉末の表面を、厚み50nmのAgで被覆した複合構造を有する金属粉末を用いたことと、この金属粉末と、結着剤としてのアクリル樹脂とを、金属充てん率が1体積%となるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合材料を調製したこと以外は実施例1と同様にして、厚み30μmの異方導電膜を製造した。
(実施例4)
上記実施例3で調製したのと同じ複合材料を、下地としての磁石の上に塗布して、磁束密度40000μTの磁場中で乾燥、固化させることによって、金属粉末を膜の厚み方向に配向させた状態で固定したのちはく離して、厚み30μmの異方導電膜を製造した。
(実施例5)
実施例3で使用したのと同じ金属粉末を、実施例4で使用したのと同じ磁石の上に散布して、磁束密度40000μTの磁場中で、膜の厚み方向に配向させた。
次にこの状態で、結着剤としてのアクリル樹脂をメチルエチルケトンに溶解した塗剤を塗布した。塗布量は金属充てん率が1体積%となるように調整した。
そして塗剤を乾燥、固化させることによって、金属粉末を膜の厚み方向に配向させた状態で固定したのちはく離して、厚み30μmの異方導電膜を製造した。
(比較例1)
導電成分として、5μmから20μmまで粒度分布があるフレーク状のNi粉末を用いたことと、このNi粉末と、結着剤としてのアクリル樹脂とを、金属充てん率が20体積%となるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合材料を調製したこと以外は実施例1と同様にして、厚み30μmの異方導電膜を製造した。
(比較例2)
導電成分として、直径5μmの球状の樹脂粒子の表面に、100nmのAuを被覆した複合構造を有する球状の金属粉末を用いたことと、この金属粉末と、結着剤としてのアクリル樹脂とを、金属充てん率が20体積%となるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合材料を調製したこと以外は実施例1と同様にして、厚み30μmの異方導電膜を製造した。
(比較例3)
比較例2で使用したのと同じ金属粉末と、結着剤としてのアクリル樹脂とを、金属充てん率が1体積%となるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合材料を調製したこと以外は比較例2と同様にして、厚み30μmの異方導電膜を製造した。
(接続抵抗の測定)
幅15μm、長さ50μm、厚み2μmのAu電極が15μm間隔で配列された電極パターンを有するFPCの、上記電極パターン上に、各実施例、比較例で製造した異方導電膜を貼り付けた。
次に、片面にAl膜を蒸着したガラス基板を、Al膜が異方導電膜と接するように重ねた状態で、100℃に加熱しながら1電極あたり10gの圧力で加圧して熱接着させた。
そして異方導電膜とAl膜とを介して導電接続された隣り合う2つのAu電極間の抵抗値を測定し、この測定値を1/2にして、異方導電膜の厚み方向の接続抵抗とした。
結果を表1に示す。なお表中の評価は、それぞれ下記のとおりとした。
◎:接続抵抗が0.1Ω以下。厚み方向の導電性は極めて良好。
○:接続抵抗が0.1Ω超で、かつ1Ω以下。厚み方向の導電性は良好。
×:接続抵抗が1Ω超。厚み方向の導電性は不良。
(絶縁抵抗の測定)
上記で使用したのと同じFPCの電極パターン上に、各実施例、比較例で製造した異方導電膜を貼り付けた。
次にこの異方導電膜上に、今度はAl膜を蒸着していないガラス基板を重ねた状態で、100℃に加熱しながら1電極あたり10gの圧力で加圧して熱接着させた。
そして異方導電膜を介してガラス基板が熱接着された、隣り合う2つのAu電極間の抵抗値を測定して、異方導電膜の面方向の絶縁抵抗とした。
結果を表1に示す。なお表中の評価は、それぞれ下記のとおりとした。
◎:絶縁抵抗が1GΩ超。面方向の絶縁性は極めて良好。
○:絶縁抵抗が1MΩ超で、かつ1GΩ以下。面方向の絶縁性は良好。
×:絶縁抵抗が1MΩ以下。面方向の絶縁性は不良。
Figure 2007299762
表1より、フレーク状のNi粉末を20体積%の金属充てん率で含有させた比較例1の異方導電膜、並びに樹脂粒子とAu被覆の複合構造を有する球状の金属粉末を20体積%の金属充てん率で含有させた比較例2の異方導電膜はともに絶縁抵抗が低く、面方向の絶縁性が悪いことがわかった。また、上記複合構造を有する球状の金属粉末の金属充てん率を1体積%に減少させた比較例3の異方導電膜は、接続抵抗が高く、厚み方向の導電性が悪いことがわかった。
これに対し、実施例1〜5の異方導電膜は何れも接続抵抗が低く、厚み方向の導電性に優れるとともに、絶縁抵抗が高く、面方向の絶縁性にも優れることがわかった。
また実施例1、2から、接続抵抗をより低く、かつ絶縁抵抗をより高くするためには、直鎖状の金属粉末の鎖の径を太くしつつ、金属充てん率を低くすればよいことが確認された。
また実施例1〜3から、接続抵抗をさらに低くするためには、金属粉末の鎖の表面に、導電性に優れた金属を被覆すればよいこと、実施例3〜5から、金属粉末の鎖を厚み方向に配向させればよいことが確認された。
(実施例6)
導電成分としては、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状を有し、Ni粒の粒径が400nm、鎖の径Dが1μm、長さLが9μm、比L/Dが9であるNi粉末を用いた。
そしてこのNi粉末と、結着剤としてのアクリル樹脂とを、金属充てん率が1体積%となるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合材料を調製した。
次にこの複合材料を、下地としての磁石の上に塗布して、磁束密度200000μTの磁場中で乾燥、固化させることによって、金属粉末を膜の厚み方向に配向させた状態で固定したのちはく離して、厚み20μmの異方導電膜を製造した。
(実施例7)
導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状を有し、Ni粒の粒径が400nm、鎖の径Dが3μm、長さLが9μm、比L/Dが3であるNi粉末を用いたこと以外は実施例6と同様にして、厚み20μmの異方導電膜を製造した。
(比較例4)
導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状を有し、Ni粒の粒径が400nm、鎖の径Dが1μm、長さLが15μm、比L/Dが15であるNi粉末を用いたこと以外は実施例6と同様にして、厚み20μmの異方導電膜を製造した。
(比較例5)
導電成分として、微細なNi粒の集合体からなり、Ni粒の粒径が400nm、短径Dが6μm、長径Lが9μm、比L/Dが1.5である粒状のNi粉末を用いたこと以外は実施例6と同様にして、厚み20μmの異方導電膜を製造した。
(接続抵抗の測定)
幅15μm、長さ50μm、厚み5μmのAu電極が10μm間隔で配列された電極パターンを有するFPCの、上記電極パターン上に、各実施例、比較例で製造した異方導電膜を貼り付けた。
次に、片面にAl膜を蒸着したガラス基板を、Al膜が異方導電膜と接するように重ねた状態で、100℃に加熱しながら1電極あたり10gの圧力で加圧して熱接着させた。
そして異方導電膜とAl膜とを介して導電接続された隣り合う2つのAu電極間の抵抗値を測定し、この測定値を1/2にして、異方導電膜の厚み方向の接続抵抗とした。
結果を表2に示す。なお表中の評価は、それぞれ下記のとおりとした。
◎:接続抵抗が0.1Ω以下。厚み方向の導電性は極めて良好。
○:接続抵抗が0.1Ω超で、かつ1Ω以下。厚み方向の導電性は良好。
×:接続抵抗が1Ω超。厚み方向の導電性は不良。
(絶縁抵抗の測定)
上記で使用したのと同じFPCの電極パターン上に、各実施例、比較例で製造した異方導電膜を貼り付けた。
次にこの異方導電膜上に、今度はAl膜を蒸着していないガラス基板を重ねた状態で、100℃に加熱しながら1電極あたり10gの圧力で加圧して熱接着させた。
そして異方導電膜を介してガラス基板が熱接着された、隣り合う2つのAu電極間の抵抗値を測定して、異方導電膜の面方向の絶縁抵抗とした。
結果を表2に示す。なお表中の評価は、それぞれ下記のとおりとした。
◎:絶縁抵抗が1GΩ超。面方向の絶縁性は極めて良好。
○:絶縁抵抗が1MΩ超で、かつ1GΩ以下。面方向の絶縁性は良好。
×:絶縁抵抗が1MΩ以下。面方向の絶縁性は不良。
Figure 2007299762
表2より、鎖の長さが隣り合う電極間の距離よりも長い鎖状のNi粉末を含有させた比較例4の異方導電膜は絶縁抵抗が低く、面方向の絶縁性が悪いことがわかった。そしてこの原因として、熱接着時にNi粉末の横倒しが発生して、隣り合う電極間を短絡させたことが予測された。
また、比L/Dが小さすぎて鎖状でなく粒状を呈するNi粉末を含有させた比較例5の異方導電膜は、接続抵抗が高く、厚み方向の導電性が低いことがわかった。
これに対し、実施例6、7の異方導電膜は何れも接続抵抗が低く、厚み方向の導電性に優れるとともに、絶縁抵抗が高く、面方向の絶縁性にも優れることがわかった。そしてこのことから、鎖の長さを隣り合う電極間の距離未満とすることによって、たとえ熱接着時にNi粉末の横倒しが発生しても、隣り合う電極間の短絡を確実に防止できることが確認された。
〔コンタクトプローブ実装用の異方導電膜〕
(実施例8)
導電成分としては、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた鎖が複数本、束状に凝集した形状を有し、Ni粒の粒径が100nm、鎖の径が10μm、長さが50μmであるNi粉末を用いた。
そしてこのNi粉末と、結着剤としてのアクリル樹脂とを、金属充てん率が1体積%となるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合材料を調製した。
次にこの複合材料を、下地としての磁石の上に塗布して、200000μTの磁場中で乾燥、固化させることによって、金属粉末を膜の厚み方向に配向させた状態で固定したのちはく離して、厚み120μmの異方導電膜を製造した。
(実施例9)
導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状を有し、Ni粒の粒径が1μm、鎖の径が10μm、長さが50μmであるNi粉末を用いたこと以外は実施例8と同様にして、厚み120μmの異方導電膜を製造した。
(実施例10)
導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状を有し、Ni粒の粒径が1μm、鎖の径が10μm、長さが50μmであるNi粉末の表面を、厚み50nmのAgで被覆した複合構造を有する金属粉末を用いたこと以外は実施例8と同様にして、厚み120μmの異方導電膜を製造した。
(実施例11)
導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状を有し、Ni粒の粒径が300nm、鎖の径が600nm、長さが50μmであるNi粉末を用いたこと以外は実施例8と同様にして、厚み120μmの異方導電膜を製造した。
(比較例6)
導電成分として、直径5μmの球状のNi粉末を用い、このNi粉末と、結着剤としてのアクリル樹脂とを、金属充てん率が10体積%となるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合材料を調製した。
次に、この複合材料をガラス基板上に塗布して乾燥、固化させたのち、はく離することで、厚み120μmの異方導電膜を製造した。
(比較例7)
導電成分として、前記比較例2で使用したのと同じ、直径5μmの球状の樹脂粒子の表面に、100nmのAuを被覆した金属粉末を用い、この金属粉末と、結着剤としてのアクリル樹脂とを、金属充てん率が10体積%となるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合材料を調製した。
次に、この複合材料をガラス基板上に塗布して乾燥、固化させたのち、はく離することで、厚み120μmの異方導電膜を製造した。
(比較例8)
絶縁性の樹脂中に、直径20μm、長さ120μmの円柱状のCu粉末を30μm間隔で分布させた、厚み120μmの市販の異方導電膜を、比較例8とした。
(接続抵抗の測定)
幅100μm、長さ50μm、厚み2μmのAu電極が40μm間隔で配列された電極パターンを有するFPCの、上記電極パターン上に、各実施例、比較例で製造した異方導電膜を貼り付けた。
次に、片面にAl膜を蒸着したガラス基板を、Al膜が異方導電膜と接するように重ねた状態で、100℃に加熱しながら1電極あたり1gの圧力で加圧して熱接着させた。
そして異方導電膜とAl膜とを介して導電接続された隣り合う2つのAu電極間の抵抗値を測定し、この測定値を1/2にして、異方導電膜の厚み方向の接続抵抗とした。
結果を表3に示す。なお表中の評価は、それぞれ下記のとおりとした。
◎:接続抵抗が0.1Ω以下。厚み方向の導電性は極めて良好。
○:接続抵抗が0.1Ω超で、かつ1Ω以下。厚み方向の導電性は良好。
×:接続抵抗が1Ω超。厚み方向の導電性は不良。
絶縁抵抗の測定
幅100μm、長さ50μm、厚み2μmのAu電極が40μm間隔で配列された電極パターンを有するFPCの、上記電極パターン上に、各実施例、比較例で製造した異方導電膜を貼り付けた。
次にこの異方導電膜上に、今度はAl膜を蒸着していないガラス基板を重ねた状態で、100℃に加熱しながら1電極あたり1gの圧力で加圧して熱接着させた。
そして異方導電膜を介してガラス基板が熱接着された、隣り合う2つのAu電極間の抵抗値を測定して、異方導電膜の面方向の絶縁抵抗とした。
結果を表3に示す。なお表中の評価は、それぞれ下記のとおりとした。
◎:絶縁抵抗が10GΩ以上。面方向の絶縁性は極めて良好。
○:絶縁抵抗が100MΩ超で、かつ10GΩ未満。面方向の絶縁性は良好。
×:絶縁抵抗が100MΩ以下。面方向の絶縁性は不良。
(限界電流量の測定)
幅100μm、長さ50μm、厚み2μmのAu電極が40μm間隔で配列された電極パターンを有するFPCの、上記電極パターン上に、各実施例、比較例で製造した異方導電膜を貼り付けた。
次に、片面にAl膜を蒸着したガラス基板を、Al膜が異方導電膜と接するように重ねた状態で、100℃に加熱しながら1電極あたり1gの圧力で加圧して熱接着させた。
そして異方導電膜とAl膜とを介して導電接続された隣り合う2つのAu電極間に電流を流すとともに、その電流値を徐々に増加させた際に、溶断による断線が発生した電流値を求めて限界電流量とした。
結果を表3に示す。なお表中の評価は、それぞれ下記のとおりとした。
◎:限界電流量が1.5A超。耐電流特性は極めて良好。
○:限界電流値が1.0A以上で、かつ1.5A以下。耐電流特性は良好。
×:限界電流値が1.0A未満。耐電流特性は不良。
Figure 2007299762
表3より、球状のNi粉末を10体積%の金属充てん率で含有させた比較例6の異方導電膜、並びに樹脂粒子とAu被覆の複合構造を有する球状の金属粉末を10体積%の金属充てん率で含有させた比較例7の異方導電膜はともに接続抵抗が高く、厚み方向の導電性が悪いことがわかった。また比較例6の異方導電膜は絶縁抵抗が低いことから、面方向の絶縁性も悪いことがわかった。
また円柱状のCu粉末を含有させた比較例8の異方導電膜は、やはり接続抵抗が高く、厚み方向の導電性が悪いことがわかった。
これに対し、実施例8〜11の異方導電膜は何れも接続抵抗が低く、厚み方向の導電性に優れるとともに、絶縁抵抗が高く、面方向の絶縁性にも優れることがわかった。
また実施例8〜10と実施例11から、異方導電膜の限界電流値を向上するためには、金属粉末の鎖の径を1μmを超える範囲、特に5μm以上にするのが好ましいことが確認された。
また実施例8、9と実施例10から、接続抵抗をさらに低くするためには、金属粉末の鎖の表面に、導電性に優れた金属を被覆すればよいことが確認された。

Claims (16)

  1. 微細な金属粒が多数、鎖状に繋がった形状を有する金属粉末を、導電成分として含むことを特徴とする異方導電膜。
  2. 金属粉末の鎖を膜の厚み方向に配向させた請求項1記載の異方導電膜。
  3. 鎖状の金属粉末、またはこの金属粉末を形成する個々の金属粒を、常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、常磁性を有する金属と他の金属との合金、もしくは常磁性を有する金属を含む複合体にて形成した請求項1記載の異方導電膜。
  4. 常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、または常磁性を有する金属と他の金属との合金によって形成される金属粉末または金属粒の全体、もしくは
    常磁性を有する金属を含む複合体によって形成される金属粉末または金属粒のうち、常磁性を有する金属を含む部分を、
    その形成材料である常磁性を有する金属のイオンを、還元剤を含む溶液に加えることで、液中に析出させて形成した請求項3記載の異方導電膜。
  5. 還元剤として3価のチタン化合物を用いた請求項4記載の異方導電膜。
  6. 固形分として鎖状の金属粉末と結着剤とを含み、かつ固形分の総量に占める金属粉末の割合で表される金属充てん率を0.05〜20体積%とした請求項1記載の異方導電膜。
  7. 金属粉末として、多数の微細な金属粒が直鎖状または針状に繋がった形状を有するものを用いた請求項1記載の異方導電膜。
  8. 金属粉末の鎖の長さを、導電接合する隣り合う電極間の距離未満とした請求項1記載の異方導電膜。
  9. 金属粉末の鎖の径を1μm以下とした請求項8記載の異方導電膜。
  10. 金属粒の粒径を400nm以下とした請求項9記載の異方導電膜。
  11. 金属粉末の、鎖の長さLと径Dとの比L/Dを3以上とした請求項8記載の異方導電膜。
  12. 金属粉末の鎖の径を、1μmを超え、かつ20μm以下とした請求項2記載の異方導電膜。
  13. 固形分として鎖状の金属粉末と結着剤とを含み、かつ固形分の総量に占める金属粉末の割合で表される金属充てん率を0.05〜5体積%とした請求項12記載の異方導電膜。
  14. 鎖状の金属粉末を、常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、常磁性を有する金属と他の金属との合金、もしくは常磁性を有する金属を含む複合体にて形成した鎖と、その表面を被覆した、Cu、Rb、Rh、Pd、Ag、Re、PtおよびAuからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属との複合体にて形成した請求項8または12記載の異方導電膜。
  15. 請求項2記載の異方導電膜を製造する方法であって、少なくともその一部が常磁性を有する金属によって形成された鎖状の金属粉末と、結着剤とを含む、流動性を有する複合材料を、下地面と交差する方向に磁場を印加した下地上に塗布して、複合材料中の金属粉末の鎖を、上記磁場の方向に沿う膜の厚み方向に配向させるとともに、複合材料を固化または硬化させて鎖の配向を固定することを特徴とする異方導電膜の製造方法。
  16. 請求項2記載の異方導電膜を製造する方法であって、少なくともその一部が常磁性を有する金属によって形成された鎖状の金属粉末を、下地面と交差する方向に磁場を印加した下地上に散布して、金属粉末の鎖を、上記磁場の方向に配向させるとともに、その上に、結着剤を含む、流動性を有する塗剤を塗布して固化または硬化させて鎖の配向を固定することを特徴とする異方導電膜の製造方法。
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