JP2007297923A - シリンダライナの構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で筒内の一部分の冷却が行なわれることが可能なシリンダライナの構造を提供する。
【解決手段】本発明のシリンダライナの構造は、第1の材質からなる第1のシリンダライナ構成部3aと、前記第1の材質と熱伝導性の異なる第2の材質からなる第2のシリンダライナ構成部3bとを備えている。前記第1のシリンダライナ構成部及び前記第2のシリンダライナ構成部は、それぞれシリンダの排気側と吸気側に配置される。前記シリンダの排気側に配置される前記シリンダライナ構成部の熱伝導性は、前記シリンダの吸気側に配置される前記シリンダライナ構成部の熱伝導性よりも大きく構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、シリンダライナの構造に関し、特に、内燃機関のシリンダライナの構造に関する。
内燃機関の運転時に発生するノッキングの原因の一つとして、シリンダボアが高温になり筒内混合気の温度が高くなり過ぎることが挙げられる。ノッキング抑制方法の一例として、筒内冷却が一般的手法として知られているが、必要以上に筒内を冷却した場合には冷却損失の問題が生じる。
そこで、ノッキングの発生を抑制しつつ冷却損失を低減させる手法として、シリンダブロックの一部分を局所的に冷却する局所冷却が従来行われている。シリンダブロックを局所冷却することにより、筒内が局所冷却され、筒内が一様に冷却される場合に比べて冷却損失が低減される。シリンダブロックの局所冷却は、例えば、気筒周辺において冷却水の流れを多系統に分けて、それぞれの系統で冷却水の流し方(流量、流速等)や温度を異ならせることにより行われる。
特開平7−71308号公報 特開平8−246945号公報 特開平9−126047号公報 特開平7−155915号公報 特開2002−97999号公報 特開2000−110658号公報 特開平11−336606号公報 特開平10−159644号公報 特開平8−28341号公報 実開平5−27255号公報
運転中の内燃機関の筒内の一部分を冷却するに際して、従来のように冷却水の流れを多系統に分けて、冷却水の流し方や温度を各系統で異ならせる場合には、ウォータージャケットの形状及びウォータージャケットスペーサの配置等の構造、あるいはラジエータの構造を複雑にする必要がある。
本発明の目的は、簡単な構造で筒内の一部分の冷却が行なわれることが可能なシリンダライナの構造を提供することにある。
本発明のシリンダライナの構造は、第1の材質からなる第1のシリンダライナ構成部と、前記第1の材質と熱伝導性の異なる第2の材質からなる第2のシリンダライナ構成部とを備えたことを特徴としている。
本発明のシリンダライナの構造は、第3のシリンダライナ構成部と、前記第3のシリンダライナ構成部と異なる熱伝導性を有するように前記第3のシリンダライナ構成部と異なる肉厚を有する第4のシリンダライナ構成部とを備えたことを特徴としている。
本発明のシリンダライナの構造であって、前記第1のシリンダライナ構成部及び前記第2のシリンダライナ構成部は、それぞれシリンダライナの周方向において異なる位置に配置されていることを特徴としている。
本発明のシリンダライナの構造であって、前記第3のシリンダライナ構成部及び前記第4のシリンダライナ構成部は、それぞれシリンダライナの周方向において異なる位置に配置されていることを特徴としている。
本発明のシリンダライナの構造であって、前記シリンダライナの周方向において異なる位置とは、シリンダの排気側と吸気側であることを特徴としている。
本発明のシリンダライナの構造であって、前記シリンダの排気側に配置される前記シリンダライナ構成部の熱伝導性は、前記シリンダの吸気側に配置される前記シリンダライナ構成部の熱伝導性よりも大きく構成されていることを特徴としている。
本発明のシリンダライナの構造であって、前記第1のシリンダライナ構成部及び前記第2のシリンダライナ構成部は、それぞれシリンダライナの軸方向において異なる位置に配置されていることを特徴としている。
本発明のシリンダライナの構造であって、前記第3のシリンダライナ構成部及び前記第4のシリンダライナ構成部は、それぞれシリンダライナの軸方向において異なる位置に配置されていることを特徴としている。
本発明のシリンダライナの構造であって、前記シリンダライナの軸方向におけるシリンダヘッドに近い側に配置される前記シリンダライナ構成部の熱伝導性は、前記シリンダライナの軸方向におけるシリンダヘッドから遠い側に配置される前記シリンダライナ構成部の熱伝導性よりも大きく構成されていることを特徴としている。
本発明のシリンダライナの構造であって、前記第1のシリンダライナ構成部及び前記第2のシリンダライナ構成部は、それぞれ熱伝導性の相違に基づく熱膨張差が抑制されるように肉厚に差が生じるように形成されていることを特徴としている。
本発明のシリンダライナの構造であって、前記第3のシリンダライナ構成部及び前記第4のシリンダライナ構成部は、それぞれ熱伝導性の相違に基づく熱膨張差が抑制されるように肉厚に差が生じるように形成されていることを特徴としている。
本発明のシリンダライナの構造によれば、簡単な構造で筒内の一部分の冷却が可能となるようにシリンダライナを構成することが可能となる。
以下、本発明のシリンダライナの構造の一実施形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1−1から図5を参照して、第1実施形態について説明する。
内燃機関のシリンダブロックに設けられたシリンダライナが均一な材質で作られている場合には、シリンダライナの全領域にわたって熱伝導性が均一で概ね同様な冷え方となり、例えば水冷式内燃機関においては、シリンダライナの温度分布は、周囲に配置されたウォータージャケットを流れる冷却水の流し方やウォータージャケットスペーサやウォータージャケットの形状によって決まる。
これに対し、本実施形態においては、相互に熱伝導性の異なる材質のシリンダライナ構成部が周方向においてそれぞれ異なる部分に配置されてシリンダライナが構成されることで、筒内の一部分の冷却が可能となり、ノッキングの抑制が効果的に行われる。
図1−1は、第1実施形態に係る装置の概略構成図である。図1−2に、図1−1におけるA−A線に沿った断面図を示す。図1−1において、符号1は内燃機関(図示省略)のシリンダブロックを示している。シリンダブロック1の内部には、シリンダブロック1を冷却するウォータージャケット8が設けられている。
シリンダブロック1において、ウォータージャケット8よりも内側に位置する部分であるシリンダボア1aには、その内周面にシリンダライナ3が設けられている。即ち、シリンダボア1aは、シリンダブロック1におけるシリンダライナ3とウォータージャケット8との間に位置する部分である。シリンダブロック1には、シリンダライナ3の内周面の上下方向に沿って往復動可能なようにピストン(図示省略)が設けられている。
符号4は、内燃機関のシリンダヘッド(図示省略)に設けられた吸気ポートを示す。また、符号5は、シリンダヘッドに設けられた排気ポートを示す。なお、図1−1に示した実線矢印Y1は吸気ポート4内を流れる吸気の流れを示し、破線矢印Y2は排気ポート5内を流れる排気の流れを示す。符号9は、燃焼室を示す。燃焼室9は、シリンダヘッド、シリンダライナ3、及びピストンによって囲まれている。シリンダヘッドには図示しない点火プラグが設けられており、燃焼室9内で圧縮された混合気に点火を行う。
ウォータージャケット8には、図示しない給水口から冷却水が供給され、ウォータージャケット8内を流れた冷却水は図示しない排水口から排出される。燃焼室9における燃焼等により発生する熱の径方向における流れは、シリンダライナ3及びシリンダボア1aを経てウォータージャケット8へと向かう。内燃機関の稼動によって高温となるシリンダボア1aは、ウォータージャケット8内を流れる冷却水によって冷却される。
シリンダライナ3は、周方向において、排気ポート5側に位置する第1シリンダライナ構成部3aと、吸気ポート4側に位置する第2シリンダライナ構成部3bが組み合わされた構造となっている。第1シリンダライナ構成部3aと第2シリンダライナ構成部3bとは互いに熱伝導性の異なる材質により作られている。第1シリンダライナ構成部3aの材質である第1の材質は、第2シリンダライナ構成部3bの材質である第2の材質よりも熱伝導性が大きい。
図2は、シリンダライナ3の斜視図である。第1シリンダライナ構成部3a及び第2シリンダライナ構成部3bのそれぞれは、半円筒形に形成されている。第1シリンダライナ構成部3aと第2シリンダライナ構成部3bが接合部3cにおいて組み合わされることにより、シリンダライナ3が構成されている。
接合部3cは、例えば、図3−1及び図3−2に示すような形状とすることができる。第2シリンダライナ構成部3bの接合部3cには、根元が細くくびれた形状の突起部3dが軸方向等間隔に複数形成されている。第1シリンダライナ構成部3aの接合部3cには、突起部3dに対応した形状の凹部3eが突起部3dに対応した位置に形成されている。突起部3dと凹部3eとが係合することにより、第1シリンダライナ構成部3aと第2シリンダライナ構成部3bとが機械的に接合する。
ここで再び図1−1を参照して、筒内の冷却について説明する。シリンダライナ3において、第1シリンダライナ構成部3aは、第2シリンダライナ構成部3bよりも熱伝導性が大きいため、燃焼室9における燃焼等により発生する熱は、相対的に第2シリンダライナ構成部3bよりも第1シリンダライナ構成部3aを通ってシリンダボア1aに伝えられやすい。即ち、シリンダライナ3において、排気ポート5側に配置された第1シリンダライナ構成部3aが部分的により冷却される。
第1実施形態によれば、シリンダライナ3において、熱伝導性を第2シリンダライナ構成部3b<第1シリンダライナ構成部3aとし、吸入された空気が当たる排気ポート5側に位置する第1シリンダライナ構成部3aの壁温を下げることにより、吸入空気に対する伝熱を抑制し、吸入空気の圧縮時温度を低下させてノックを有効に抑制する。この場合、筒内が一様に冷却される場合に比べて冷却損失が低減されて、エンジン性能と燃費の向上が可能となる。また、冷却水の流れを多系統に分けて各系統の冷却水の流し方や温度を異ならせて局所冷却を行う方法に比べて、簡単な構造で筒内の局所冷却が可能となる。
なお、シリンダライナ3の材質の組合せとしては、例えば、上記第1の材質を鋳鉄とし、上記第2の材質をステンレス鋼(SUS)とすることができる。シリンダブロックの材質として従来用いられているアルミニウム合金の熱伝導性に対して、鋳鉄の熱伝導性は半分程度、ステンレス鋼であれば熱伝導性は一桁小さな値である。シリンダライナに冷えやすい部分と冷えにくい部分を設けることで、効果的にノッキングを抑制しつつ冷却損失を抑制することが可能となる。
なお、シリンダライナ3の周方向における分割形状及び熱伝導性の設定については本実施形態に限定されるものではなく、ノッキング抑制の観点から必要な部分が局所冷却されるように設定されていればよい。第1実施形態では第1シリンダライナ構成部3a及び第2シリンダライナ構成部3bの形状はいずれも半円筒形としたが、例えば図4に示すように、第1シリンダライナ構成部3a及び第2シリンダライナ構成部3bの周方向(弧)の長さの比率が異なるように分割することができる。
また、図5に示すように、第1シリンダライナ構成部3a及び第2シリンダライナ構成部3bの弧の長さの比率がシリンダライナ3の軸方向両端面において異なるように分割することができる。即ち、第1シリンダライナ構成部3a(第2シリンダライナ構成部3b)の弧の中心角が両端面において異なるように、シリンダライナ3を分割することができる。さらに、シリンダライナ3を周方向に3以上の部分に分割することができる。この場合、相互に熱伝導性の異なる3以上の材質によりシリンダライナ3を構成することができる。
熱伝導性の設定については、本実施形態では、第2シリンダライナ構成部3b(吸気ポート4側)よりも第1シリンダライナ構成部3a(排気ポート5側)の熱伝導性が大きく設定されているが、これに限定されず、目的や諸条件等に応じて第2シリンダライナ構成部3bの熱伝導性を第1シリンダライナ構成部3aよりも大きく設定することができる。
なお、接合部3cを機械的に接合する場合の形状は本実施形態の形状に限定されず、第1シリンダライナ構成部3a及び第2シリンダライナ構成部3bが機械的に組み合わされ、周方向及び軸方向の動きが規制されるように接合されていればよい。また、接合方法は、機械的な接合には限定されず、溶接による接合とすることもできるし、あるいは溶融材料の凝固による接合とすることもできる。
(第2実施形態)
図6を参照して、第2実施形態について説明する。
第2実施形態については、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図6は、第2実施形態に係るシリンダライナの斜視図であり、第1実施形態における図2に相当する。第2実施形態におけるシリンダライナ10は、互いに熱伝導性の異なる材質のシリンダライナ構成部10a、10bが、軸方向においてそれぞれ異なる位置に配置されている。
シリンダライナ10は、軸方向においてシリンダヘッド側に位置する第1シリンダライナ構成部10aと、シリンダヘッドから遠い側に位置する第2シリンダライナ構成部10bとからなる。第1シリンダライナ構成部10aの材質である第1の材質は、第2シリンダライナ構成部10bの材質である第2の材質よりも熱伝導性が大きい。即ち、シリンダライナ10において、燃焼室9に近く、内燃機関の稼動に伴って高温となる側に熱伝導性の大きい第1シリンダライナ構成部10aが配置された構造となっている。なお、シリンダライナ10以外の構成、即ちシリンダブロック1、吸気ポート4、排気ポート5、ウォータージャケット8及び燃焼室9等については第1実施形態と同様である。
内燃機関の燃焼による熱など、燃焼室9等において発生する熱は、第2シリンダライナ構成部10bよりも、相対的に熱伝導性の大きい第1シリンダライナ構成部10aを通ってシリンダボア1aに伝えられやすい。つまり、燃焼室9に近い側に位置する第1シリンダライナ構成部10aが部分的により冷却される。
第2実施形態によれば、シリンダライナ10において燃焼室9側に位置する第1シリンダライナ構成部10aが部分的に冷却され、燃焼室9に吸入された空気に対する第1シリンダライナ構成部10aからの伝熱量が低減される。このように筒内が部分的に冷却されることで、吸入空気の圧縮時温度が低下し、ノッキングの発生が抑制されると共に、筒内が一様に冷却される場合に比べて冷却損失が低減されて、エンジン性能と燃費の向上が可能となる。
なお、シリンダライナ10の軸方向における分割形状と熱伝導性の設定については本実施形態に限定されるものではなく、ノッキング抑制の観点から必要な部分が部分的に冷却されるように分割形状と熱伝導性が設定されていればよい。分割数については2には限定されず、軸方向で3以上の部分に分けることができる。また、本実施形態では、シリンダヘッド側に位置する第1シリンダライナ構成部10aの熱伝導性が相対的に大きく設定されているが、目的や諸条件に応じて、シリンダヘッドに近い部分の熱伝導性を相対的に小さく設定することができる。
(第3実施形態)
図7を参照して、第3実施形態について説明する。
第3実施形態については、上記実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図7は、第3実施形態に係るシリンダライナの斜視図であり、第1実施形態における図2及び第2実施形態における図6に相当する。第3実施形態におけるシリンダライナ15は、周方向において熱伝導性の異なる部分を設けた構造(図2)及び軸方向において熱伝導性の異なる部分を設けた構造(図6)を組み合わせた構造となっている。
シリンダライナ15は、2つの構成部分である第1シリンダライナ構成部15a及び第2シリンダライナ構成部15bからなる。第1シリンダライナ構成部15aは、シリンダライナ15の軸方向におけるシリンダヘッド側で且つ周方向における排気ポート5側に設けられている。第1シリンダライナ構成部15aの材質である第1の材質は、第2シリンダライナ構成部15bの材質である第2の材質よりも熱伝導性が大きい。即ち、シリンダライナ15において、燃焼室9に近く、かつ排気ポート5に近い部分に、熱伝導性の大きい第1シリンダライナ構成部15aが設けられた構造となっている。
なお、シリンダライナ15以外の構成、即ちシリンダブロック1、吸気ポート4、排気ポート5、ウォータージャケット8及び燃焼室9等については上記実施形態と同様である。
燃焼室9等において発生する熱は、第2シリンダライナ構成部15bよりも、相対的に熱伝導性の大きな第1シリンダライナ構成部15aを通って、シリンダボア1aに伝えられやすい。つまり、燃焼室9に近く、且つ排気ポート5に近い第1シリンダライナ構成部15aが部分的に冷却される。
第3実施形態によれば、シリンダライナ15において、軸方向における燃焼室9側でかつ周方向における排気ポート5側に位置する第1シリンダライナ構成部15aが部分的に冷却され、燃焼室9に吸入された空気に対する第1シリンダライナ構成部15aからの伝熱量が低減される。このように筒内が部分的に冷却されることにより、吸入空気の圧縮時温度が低下してノッキングの発生が抑制されると共に、筒内が一様に冷却される場合に比べて冷却損失が低減されて、エンジン性能と燃費の向上が可能となる。
なお、シリンダライナ15の周方向及び軸方向における分割形状と熱伝導性の設定については本実施形態に限定されるものではなく、ノッキング抑制の観点から必要な部分が部分的に冷却されるように分割形状と熱伝導性が設定されていればよい。
例えば、目的や諸条件等に応じて、熱伝導性については第1シリンダライナ構成部15aと第2シリンダライナ構成部15bとの大小関係を逆転させることができる。また、分割の形状についても、例えば軸方向における燃焼室9側でかつ周方向における吸気ポート4側の部分を他の部分と異なる材質で作るように分割することができる。
(第4実施形態)
図8を参照して、第4実施形態について説明する。
第4実施形態については、上記実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図8は、第4実施形態に係る装置の概略構成図である。符号20はシリンダライナを示す。上記第1実施形態(図1−1)においては、相互に熱伝導性の異なる材質を組み合わせることでシリンダライナ3の周方向において熱伝導性の異なる部分を設けたが、本実施形態においては、シリンダライナ20の肉厚を調節することにより周方向において熱伝導性の異なる部分を設ける。
シリンダライナ20は、周方向における排気ポート5側に位置する第1シリンダライナ構成部20aと、吸気ポート4側に位置する第2シリンダライナ構成部20bとからなる。第1シリンダライナ構成部20a及び第2シリンダライナ構成部20bは同一の材質で作られている。第1シリンダライナ構成部20aの肉厚t1は、第2シリンダライナ構成部20bの肉厚t2よりも薄く設定されている。これにより、第1シリンダライナ構成部20aの方が第2シリンダライナ構成部20bよりも熱伝導性が大きくされている。
従って、内燃機関の稼動時には、第1シリンダライナ構成部20aが部分的に冷却される。なお、シリンダライナ20以外の構成、即ちシリンダブロック1、吸気ポート4、排気ポート5、ウォータージャケット8及び燃焼室9等については上記実施形態と同様である。
第4実施形態によれば、シリンダライナ20において、第1シリンダライナ構成部20aの肉厚t1が第2シリンダライナ構成部20bの肉厚t2よりも薄く構成されたことにより、第1シリンダライナ構成部20aが部分的に冷却される。このように筒内が部分的に冷却されることにより、ノッキングの発生が抑制されると共に、筒内が一様に冷却される場合に比べて冷却損失が低減されて、エンジン性能と燃費の向上が可能となる。
なお、第1シリンダライナ構成部20aの形状は、本実施形態のように周方向において一様な肉厚とした形状には限定されず、第2シリンダライナ構成部20bとの接合部においては肉厚がt2であり、第2シリンダライナ構成部20bから遠くなるにつれて漸次肉厚をt2よりも薄く設定した形状とすることができる。
(第5実施形態)
図9を参照して、第5実施形態について説明する。
第5実施形態については、上記実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図9は、第5実施形態に係る装置の概略構成図である。上記第1実施形態(図1−1)では、第1シリンダライナ構成部3aの熱伝導性が第2シリンダライナ構成部3bの熱伝導性よりも大きく設定されたため、シリンダボア1aにおける第1シリンダライナ構成部3aに面した部分が第2シリンダライナ構成部3bに面した部分よりも高温となる。このため、第1シリンダライナ構成部3aに面した部分と第2シリンダライナ構成部3bに面した部分とでシリンダボア1aの熱膨張による変形差が生じる。
これによる内燃機関の稼動時におけるシリンダボア1aの真円度の悪化を抑制するため、本実施形態においては、図9に示すように、第1シリンダライナ構成部3aに面した部分と第2シリンダライナ構成部3bに面した部分とでシリンダボア1aの肉厚に差が設けられている。
シリンダボア1aにおいて、第1シリンダライナ構成部3aに面した部分の肉厚は、第2シリンダライナ構成部3bに面した部分の肉厚t4に比べて厚く設定されている。シリンダボア1aの肉厚は、シリンダライナ3の接合部3cと接する部分においてt4に設定され、第2シリンダライナ構成部3bから遠くなるにつれて漸次厚くされ、最も第2シリンダライナ構成部3bから遠い部分の肉厚がt3に設定されている。t3はt4よりも大きく設定されており、この肉厚の差は、第1シリンダライナ構成部3aと第2シリンダライナ構成部3bとの熱伝導性の差に応じて設定されている。
なお、シリンダボア1a以外のシリンダブロック1、シリンダライナ3、吸気ポート4、排気ポート5、ウォータージャケット8及び燃焼室9等の構成については第1実施形態(図1−1)と同様である。
上述したように、シリンダボア1aにおいて、第1シリンダライナ構成部3aに面した部分は第2シリンダライナ構成部3bに面した部分に比べて高温になり、熱変形量が大きくなる。第1シリンダライナ構成部3aに面した部分の肉厚が、この熱変形量の差を引き起こす熱伝導性の差に対応して厚くされることで、シリンダボア1aの剛性が増し、シリンダボア1aにおける第1シリンダライナ構成部3aに面した部分の熱変形量の増大が抑制され、シリンダボア1aの真円度が保たれる。
第5実施形態によれば、シリンダライナ3の周方向において熱伝導性の異なる部分を設けたことに起因するシリンダボア1aの熱変形量の増大を抑制し、内燃機関の稼動時におけるシリンダボア1aの真円度の悪化を抑制することが可能となる。
(第6実施形態)
図10を参照して、第6実施形態について説明する。
第6実施形態については、上記実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図10は、第6実施形態に係る装置の概略構成図である。シリンダボア1aの真円度の悪化を抑制する手段として、第5実施形態(図9)では、シリンダボア1aの肉厚の分布を周方向において調節したが、本実施形態においては、シリンダライナの肉厚の分布を周方向において調節する。
本実施形態においては、第1実施形態(図1−1)のシリンダライナ3に代えて、シリンダライナ30が設けられている。シリンダライナ30は、周方向における排気ポート5側に位置する第1シリンダライナ構成部30aと、吸気ポート4側に位置する第2シリンダライナ構成部30bとからなる。第1シリンダライナ構成部30a及び第2シリンダライナ構成部30bは、接合部30cにおいて組み合わされている。第1シリンダライナ構成部30aの熱伝導性は、第2シリンダライナ構成部30bの熱伝導性よりも大きく設定されている。
第1シリンダライナ構成部30aの肉厚は、接合部30cにおいては第2シリンダライナ構成部30bの肉厚t6と等しく、周方向において接合部30cから離れるに従って漸次厚くされ、最も接合部30cから離れた部分における肉厚がt6よりも厚いt5に設定されている。一方、第2シリンダライナ構成部30bの肉厚は、周方向において一様にt6である。この肉厚の差は、第1シリンダライナ構成部30aと第2シリンダライナ構成部30bとの熱伝導性の差に応じて設定されている。
なお、シリンダライナ30以外の構成、即ちシリンダブロック1、吸気ポート4、排気ポート5、ウォータージャケット8及び燃焼室9等については第1実施形態(図1−1)と同様である。
第1シリンダライナ構成部30aは第2シリンダライナ構成部30bに比べて熱伝導性が大きく、シリンダボア1aにおいて、第1シリンダライナ構成部30aに面した部分は第2シリンダライナ構成部30bに面した部分に比べて高温になり、熱変形量が大きくなる。この熱変形量の差を引き起こす熱伝導性の差に対応して、第1シリンダライナ構成部30aの肉厚が第2シリンダライナ構成部30bよりも厚くされることで、剛性が増した第1シリンダライナ構成部30aの変形量の増大が抑制され、シリンダボア1aの真円度が保たれる。
第6実施形態では、第1シリンダライナ構成部30aと第2シリンダライナ構成部30bとの熱伝導性の差に応じて、第1シリンダライナ構成部30aの肉厚が第2シリンダライナ構成部30bに比べて厚く設定された。これにより、内燃機関の稼動時におけるシリンダボア1aの真円度の悪化を抑制することが可能となる。
なお、第1シリンダライナ構成部30aの形状は、本実施形態のように連続的に肉厚を変化させる形状には限定されず、第1シリンダライナ構成部30aの肉厚を一様にt5とすることができる。
各実施形態におけるシリンダライナの、シリンダブロックへの装着に際しては、圧入によることもできるし、あるいは、鋳込み方式によることもできる。
本発明のシリンダライナの構造の第1実施形態のシリンダライナの概略構成図である。 本発明のシリンダライナの構造の第1実施形態のシリンダライナの断面図である。 本発明のシリンダライナの構造の第1実施形態のシリンダライナの斜視図である。 本発明のシリンダライナの構造の第1実施形態のシリンダライナの接合方法を説明するための図である。 本発明のシリンダライナの構造の第1実施形態のシリンダライナの接合方法を説明するための他の図である。 本発明のシリンダライナの構造の第1実施形態のシリンダライナの変形例の分割形状を示す図である。 本発明のシリンダライナの構造の第1実施形態のシリンダライナの他の変形例の分割形状を示す他の図である。 本発明のシリンダライナの構造の第2実施形態におけるシリンダライナの斜視図である。 本発明のシリンダライナの構造の第3実施形態におけるシリンダライナの斜視図である。 本発明のシリンダライナの構造の第4実施形態のシリンダライナの概略構成図である。 本発明のシリンダライナの構造の第5実施形態のシリンダライナの概略構成図である。 本発明のシリンダライナの構造の第6実施形態のシリンダライナの概略構成図である。
符号の説明
1 シリンダブロック
1a シリンダボア
3 シリンダライナ
3a 第1シリンダライナ構成部
3b 第2シリンダライナ構成部
3c 接合部
4 吸気ポート
5 排気ポート
8 ウォータージャケット
9 燃焼室
10 シリンダライナ
10a 第1シリンダライナ構成部
10b 第2シリンダライナ構成部
15 シリンダライナ
15a 第1シリンダライナ構成部
15b 第2シリンダライナ構成部
20 シリンダライナ
20a 第1シリンダライナ構成部
20b 第2シリンダライナ構成部
30 シリンダライナ
30a 第1シリンダライナ構成部
30b 第2シリンダライナ構成部

Claims (11)

  1. 第1の材質からなる第1のシリンダライナ構成部と、
    前記第1の材質と熱伝導性の異なる第2の材質からなる第2のシリンダライナ構成部と を備えたことを特徴とするシリンダライナの構造。
  2. 第3のシリンダライナ構成部と、
    前記第3のシリンダライナ構成部と異なる熱伝導性を有するように前記第3のシリンダライナ構成部と異なる肉厚を有する第4のシリンダライナ構成部と
    を備えたことを特徴とするシリンダライナの構造。
  3. 請求項1記載のシリンダライナの構造であって、
    前記第1のシリンダライナ構成部及び前記第2のシリンダライナ構成部は、それぞれシリンダライナの周方向において異なる位置に配置されている
    ことを特徴とするシリンダライナの構造。
  4. 請求項2記載のシリンダライナの構造であって、
    前記第3のシリンダライナ構成部及び前記第4のシリンダライナ構成部は、それぞれシリンダライナの周方向において異なる位置に配置されている
    ことを特徴とするシリンダライナの構造。
  5. 請求項3または4に記載のシリンダライナの構造であって、
    前記シリンダライナの周方向において異なる位置とは、シリンダの排気側と吸気側である
    ことを特徴とするシリンダライナの構造。
  6. 請求項5記載のシリンダライナの構造であって、
    前記シリンダの排気側に配置される前記シリンダライナ構成部の熱伝導性は、前記シリンダの吸気側に配置される前記シリンダライナ構成部の熱伝導性よりも大きく構成されている
    ことを特徴とするシリンダライナの構造。
  7. 請求項1、3、5及び6のいずれか1項に記載のシリンダライナの構造であって、
    前記第1のシリンダライナ構成部及び前記第2のシリンダライナ構成部は、それぞれシリンダライナの軸方向において異なる位置に配置されている
    ことを特徴とするシリンダライナの構造。
  8. 請求項2、4、5及び6のいずれか1項に記載のシリンダライナの構造であって、
    前記第3のシリンダライナ構成部及び前記第4のシリンダライナ構成部は、それぞれシリンダライナの軸方向において異なる位置に配置されている
    ことを特徴とするシリンダライナの構造。
  9. 請求項7または8に記載のシリンダライナの構造であって、
    前記シリンダライナの軸方向におけるシリンダヘッドに近い側に配置される前記シリンダライナ構成部の熱伝導性は、前記シリンダライナの軸方向におけるシリンダヘッドから遠い側に配置される前記シリンダライナ構成部の熱伝導性よりも大きく構成されている
    ことを特徴とするシリンダライナの構造。
  10. 請求項1、3、5、6、7及び9のいずれか1項に記載のシリンダライナの構造であって、
    前記第1のシリンダライナ構成部及び前記第2のシリンダライナ構成部は、それぞれ熱伝導性の相違に基づく熱膨張差が抑制されるように肉厚に差が生じるように形成されている
    ことを特徴とするシリンダライナの構造。
  11. 請求項2、4、5、6、8及び9のいずれか1項に記載のシリンダライナの構造であって、
    前記第3のシリンダライナ構成部及び前記第4のシリンダライナ構成部は、それぞれ熱伝導性の相違に基づく熱膨張差が抑制されるように肉厚に差が生じるように形成されている
    ことを特徴とするシリンダライナの構造。
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