JP2017110518A - シリンダライナの製造方法及びシリンダライナ - Google Patents

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Abstract

【課題】肉厚の薄い異方性熱伝導フィルムを用いながらも、必要な構造的機能を備えたシリンダライナを得る。【解決手段】気筒軸方向の熱伝導率が高く気筒径方向の熱伝導率が低いシリンダライナの製造方法は、表面処理工程(S2)、造形工程(S3)及び接合工程(S4)を含む。表面処理工程(S2)では、面方向の熱伝導率が高く厚さ方向の熱伝導率が低い異方性熱伝導フィルムからなるシート材の少なくとも片面に、高熱伝導性金属のメッキ層を形成する。造形工程(S3)では、表面処理後の前記シート材を筒型に巻回し、筒状成形体を造形する。接合工程(S4)では、筒状成形体の巻回層間を、例えばメッキ層を熱溶融させることによって接合させる。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンの燃焼室を形成するシリンダライナの製造方法及びシリンダライナに関するものである。
近年、燃焼室を断熱化することにより冷却損失を低下させ、これによりエンジンの熱効率を向上させて燃費性能を改善する技術が検討されている。しかし、燃焼室を断熱化するとシリンダブロックへの放熱が抑制され、燃焼室を形成するシリンダライナの外側を流れる冷却水やオイル等の冷却流体の温度上昇も妨げられてしまう。そのため、例えば寒冷地等では、冷却流体の熱エネルギーを利用した車両の暖房機能に支障が生じ得る。
この問題の解決のため、シリンダライナに異方性熱伝導特性を具備させることが考えられる。この異方性熱伝導特性は、気筒軸方向には熱伝導率が高く、気筒径方向(厚さ方向)には熱伝導率が低いという特性である。このようなシリンダライナを用いることで、気筒径方向の外側への放熱を抑制しつつ、一般にピストン上死点付近の位置を経由する前記冷却流体の通路へ向けた、気筒軸方向への良好な熱伝導を達成することができる。これにより、前記冷却流体を良好に昇温させることができる。
例えば特許文献1には、上記の如き異方性熱伝導特性を備えたシリンダライナの構造体が開示されている。特許文献1の構造体は、シリンダブロックの気筒内壁に、板状のゼオライトを含有させたメッキ層を形成したものである。また、面方向の熱伝導率が高く厚さ方向の熱伝導率が低い異方性熱伝導フィルムを用いることで、上記異方性熱伝導特性を有するシリンダライナを成形することも考えられる。前記異方性熱伝導フィルムとしては、例えば天然又は人造のグラファイトを面状に成形したカーボンシートが知られている。
特開2015−40482号公報
しかし、特許文献1のようにメッキ層にゼオライトを含有させる構成では、十分な熱伝導の異方性を得ることができない。また、前記異方性熱伝導フィルムは熱伝導の異方性には優れているものの、一般に肉厚が非常に薄く、如何にしてシリンダライナとして用い得る構造体となるように造形するかが問題となる。
本発明の目的は、肉厚の薄い異方性熱伝導フィルムを用いながらも、必要な構造的機能を備えたシリンダライナを得ることができるシリンダライナの製造方法、及びこれが適用されたシリンダライナを提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係るシリンダライナの製造方法は、気筒軸方向の熱伝導率が高く気筒径方向の熱伝導率が低いシリンダライナの製造方法であって、面方向の熱伝導率が高く厚さ方向の熱伝導率が低い異方性熱伝導フィルムからなるシート材の少なくとも片面に、高熱伝導性金属のメッキ層を形成する表面処理工程と、表面処理後の前記シート材を筒型に巻回し、筒状成形体を造形する造形工程と、前記筒状成形体の巻回層間を接合させる接合工程とを備える。
この製造方法によれば、気筒軸方向の熱伝導率が高く気筒径方向の熱伝導率が低いというシリンダライナの熱伝導特性は、異方性熱伝導フィルムの本来の特性により達成できる。また、メッキ層を形成する表面処理をシート材の少なくとも片面に施した後に、当該シート材を筒型に巻回して筒状成形体を得る造形工程が行われる。このため、異方性熱伝導フィルムの肉厚が薄いものであっても、前記筒状成形体は、メッキ層によって径方向の厚みが増加されたものとなる。その後、前記筒状成形体の巻回層間を接合させる接合工程が行われる。従って、上記製造方法によれば、十分な径方向の肉厚を有し、且つ、所望の機械的強度を有するシリンダライナを製造することができる。
上記のシリンダライナの製造方法において、前記接合工程は、前記表面処理工程において形成されたメッキ層を熱溶融させることによって、前記巻回層間を融着させる熱接合工程であることが望ましい。
この製造方法によれば、メッキ層が前記巻回層間を接合させる接着層として機能するので、筒状成形体の巻回層間の接合を、前記筒状成形体に加熱処理等を施すだけで実現することができる。
上記のシリンダライナの製造方法において、前記表面処理工程の際、前記シート材の少なくとも片面の、少なくとも一部に中空粒子を分散配置した状態で、前記メッキ層が形成されることが望ましい。
この製造方法によれば、メッキ層に中空粒子が含有され、当該中空粒子が内部に備える空気層によって前記メッキ層に断熱機能が付与される。多重に巻回された異方性熱伝導フィルムの巻回層間にはメッキ層が存在することになるが、このメッキ層が断熱機能を有することによって、気筒径方向の熱伝導が抑制される。
上記のシリンダライナの製造方法において、前記シート材は、筒型に巻回される方向において第1端部と、該第1端部の反対側の第2端部とを有し、前記表面処理工程の際、前記第1端部側領域には、前記中空粒子が配置されない第1メッキ層が形成され、前記第2端部側領域には、前記中空粒子が配置された第2メッキ層が形成され、前記造形工程において、前記第1端部を巻回開始側とし前記第2端部を巻回終了側とすることで、径方向内側には前記第1メッキ層が配置され、径方向外側には前記第2メッキ層が配置された前記筒状成形体が形成されることが望ましい。
この製造方法によれば、径方向内側には中空粒子を含有しない第1メッキ層が、径方向外側には中空粒子を含有する第2メッキ層が配置されたシリンダライナが製造される。このシリンダライナでは、径方向内側の領域においては比較的径方向外側への熱伝導性が良く、径方向内側領域に位置する異方性熱伝導フィルムの巻回層には熱が届き易い。従って、異方性熱伝導フィルムの全巻回層間に中空粒子を含有するメッキ層を介在させる場合に比べて、気筒軸方向への熱輸送量を大きくすることができる。一方、シリンダライナの径方向外側の領域においては径方向外側への熱伝導性が抑制され、断熱機能が発揮される。
上記のシリンダライナの製造方法において、前記シート材は、筒型に巻回される方向において第1端部と、該第1端部の反対側の第2端部とを有し、前記表面処理工程の際、前記第1端部側領域であって、気筒への当該シリンダライナの組込時にピストンの上死点付近に位置する軸方向端部側領域には、前記中空粒子が配置されない第1メッキ層が形成され、第2端部側領域、及び、前記第1端部側領域の他の領域には、前記中空粒子が配置された第2メッキ層が形成され、前記造形工程において、前記第1端部を巻回開始側とし前記第2端部を巻回終了側とすることで、径方向内側には前記第1メッキ層及び前記第2メッキ層が配置され、径方向外側には前記第2メッキ層のみ配置された前記筒状成形体が形成されることが望ましい。
この製造方法によれば、径方向内側の上死点付近に位置する領域、つまり、シリンダにおいて最も熱が発生する領域に、比較的径方向外側への熱伝導性が良い第1メッキ層が配置されたシリンダライナが製造される。従って、発生する熱を効率的に吸収できるシリンダライナを提供することができる。
上記のシリンダライナの製造方法において、前記表面処理工程の際、前記シート材の少なくとも片面に、互いに独立した複数のメッキ層と、これらメッキ層が形成されない非メッキ領域とが形成され、前記造形工程において、前記非メッキ領域を空気層とする前記筒状成形体が形成されることが望ましい。
この製造方法によれば、シート材は、メッキ層が存在する部分と存在しない部分(非メッキ領域)とで厚さの異なるものとなる。このようなシート材を筒型に造形することで、異方性熱伝導フィルムの巻回層間に空気層を備えたシリンダライナが製造される。このようなシリンダライナは、前記空気層が断熱層として機能し、径方向外側への熱伝導性が抑制される。
この場合、互いに独立した複数のメッキ層は、気筒軸方向に延びるストライプ状のメッキ層であることが望ましい。
この製造方法によれば、ストライプ状のメッキ層間の空気層を断熱層として機能させつつ、当該メッキ層に気筒軸方向の熱伝導を担わせることが可能な、シリンダライナを製造することができる。
上記のシリンダライナの製造方法において、異方性熱伝導フィルムが、その肉厚が薄肉になるほど熱伝導率の異方性が高くなる性質を有し、前記シート材は、筒型に巻回される方向において第1端部と、該第1端部の反対側の第2端部とを有し、前記第1端部が、熱伝導率の異方性が高い所定の第1の肉厚を有し、前記第2端部が、前記第1の肉厚よりも厚い第2の肉厚を有し、前記造形工程において、前記第1端部を巻回開始側とし前記第2端部を巻回終了側とすることで、径方向内側には前記シート材の前記第1の肉厚部分が配置され、径方向外側には前記シート材の前記第2の肉厚部分が配置された前記筒状成形体が形成されることが望ましい。
この製造方法によれば、径方向内側には薄肉で異方性が高いシート材の第1の肉厚部分が、径方向外側には異方性は低くなるものの厚肉化によって剛性が高いシート材の第2の肉厚部分が各々配置されたシリンダライナが製造される。このシリンダライナでは、径方向内側の領域においては気筒軸方向へ熱を輸送し、径方向外側の領域においては剛性を担保することが可能となる。
上記のシリンダライナの製造方法において、前記造形工程において、表面処理後の前記シート材上に高熱伝導性金属の箔部材を介在させた状態で、前記シート材を筒型に巻回することが望ましい。
この製造方法によれば、箔部材の介在によって、メッキ層を厚肉化せずとも、筒状成形体(シリンダライナ)の肉厚を稼ぐことができる。従って、メッキ層を形成する表面処理工程を簡素化、低コスト化することができる。
本発明の他の局面に係るシリンダライナは、気筒軸方向の熱伝導率が高く気筒径方向の熱伝導率が低いシリンダライナであって、面方向の熱伝導率が高く厚さ方向の熱伝導率が低い異方性熱伝導フィルムからなるシート材の筒状巻回体と、前記筒状巻回体の巻回層間を接合する高熱伝導性金属からなる接合層とを備える。
本発明によれば、肉厚の薄い異方性熱伝導フィルムを用いながらも、必要な構造的機能を備えたシリンダライナを得ることができるシリンダライナの製造方法、及びこれが適用されたシリンダライナを提供することができる。
本発明に係るシリンダライナが適用される多気筒エンジンの断面図である。 前記エンジンのシリンダブロックの要部を示す断面図である。 本発明に係るシリンダライナの製造方法の工程を示すフローチャートである。 異方性熱伝導フィルムからなるシート材の斜視図である。 表面処理後のシート材の、拡大断面付きの斜視図である。 前記シート材にて筒状成形体を造形する造形工程の説明図である。 前記筒状成形体の斜視図である。 第1実施形態に係るシリンダライナの斜視図及び断面構造図である。 第2実施形態に係るメッキシートの、拡大断面付きの斜視図である。 第2実施形態に係るシリンダライナの断面構造図である。 第3実施形態に係るメッキシートの、拡大断面付きの斜視図である。 第3実施形態に係るシリンダライナの断面構造図である。 第4実施形態に係るメッキシートの、拡大断面付きの斜視図である。 第4実施形態に係るシリンダライナの断面構造図である。 第5実施形態に係るメッキシートの平面図である。 第5実施形態に係るシリンダライナの断面構造図である。 第6実施形態に係るメッキシートの平面図である。 第6実施形態に係るシリンダライナの断面構造図である。 第7実施形態に係るカーボンシートの斜視図である。 第7実施形態に係るシリンダライナの断面構造図である。 第8実施形態に係るメッキシート及び金属シートの斜視図である。 第8実施形態に係るシリンダライナの断面構造図である。 シリンダライナの加工例を示す断面構造図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態につき詳細に説明する。
(シリンダライナが適用されるエンジンの構造)
図1は、本発明に係るシリンダライナが適用される多気筒エンジンの断面図である。エンジン1は、自動車等の車両用エンジンであり、図1の紙面に垂直な方向に、4つの気筒が配置された直列4気筒のガソリンエンジンである。
エンジン1は、エンジン本体2と、これに組付けられた図外の吸排気マニホールドおよび各種ポンプ等の補機とを含む。エンジン本体2は、上下に連結されるカムキャップ3、シリンダヘッド4、シリンダブロック5、クランクケース(図示省略)及びオイルパン(図示省略)を備えている。
シリンダブロック5には、4つのシリンダボア7が形成されている。各シリンダボア7内には、それぞれピストン8が摺動可能に収容されている。ピストン8、シリンダボア7及びシリンダヘッド4と、後記の吸気弁14及び排気弁15とによって、燃焼室10が気筒毎に形成されている。なお、各ピストン8は、コネクティングロッド9を介して、クランクケースに回転自在に支持されたクランク軸(図示省略)に連結されている。
シリンダヘッド4には、上記燃焼室10を形成するための、上記シリンダボア7と同数の凹部4aが設けられている。シリンダヘッド4には、気筒毎に、各凹部4aの位置で燃焼室10に開口する吸気ポート12及び排気ポート13が設けられている。吸気ポート12及び排気ポート13をそれぞれ開閉する吸気弁14及び排気弁15が、各ポート12,13にそれぞれ装備されている。
吸気弁14及び排気弁15は、それぞれリターンスプリング16、17により各ポート12、13を閉止する方向(図1の上方向)に付勢されている。また、吸気弁14及び排気弁15は、カムシャフト18、19の外周に設けられたカム部18a、19aによって押下されることで、各ポート12、13を開く。詳しくは、カムシャフト18、19の回転に伴い、スイングアーム20、21の中央部に設けられたカムフォロア20a、21aを上記カム部18a、19aが押下することで、スイングアーム20、21がそれらの一端側に設けられた油圧ラッシュアジャスタ24、25のピボット機構の頂部を支点として揺動する。この揺動に伴い、スイングアーム20、21の他端部が、上記リターンスプリング16、17の付勢力に抗して吸気弁14及び排気弁15を押下する。これにより各ポート12、13が開かれる。
シリンダヘッド4およびシリンダブロック5には、ウォータジャケットが設けられている。詳しくは、シリンダブロック5には、4つのシリンダボア7を一体に囲むようにウォータジャケット26が設けられている。また、シリンダヘッド4には、燃焼室10の吸気側(図1では右側)であって吸気ポート12の下側の位置にウォータジャケット27が設けられるとともに、燃焼室10の排気側(図1では左側)であって排気ポート13の下側の位置にウォータジャケット28が設けられている。さらに、燃焼室10の直ぐ上方であって各ポート12,13の間の位置にウォータジャケット29が設けられている。
詳細図を省略するが、シリンダブロック5のウォータジャケット26と、シリンダヘッド4のウォータジャケット27、28とは、シリンダヘッド4とシリンダブロック5との間に介設された図外のガスケットの連通孔を介して互いに連通している。各ウォータジャケット26〜29は、図外のウォータポンプに接続されている。前記ウォータポンプの駆動により、冷却水がエンジン本体2と図外のラジエータとの間を循環しながら、各ウォータジャケット26〜29を所定の順序で流通する。
シリンダブロック5及びシリンダヘッド4には、オイルギャラリ30、31、32が形成されている。これらオイルギャラリ30〜32は、図外のオイルポンプに接続されている。前記オイルポンプの駆動により、上記油圧ラッシュアジャスタ24、25などの油圧作動装置に作動用の油圧が供給されるとともに、潤滑用および冷却用のオイルがエンジン本体2の各部に供給される。
(シリンダブロックの詳細構造)
図2は、エンジン1のシリンダブロック5の要部を示す断面図である。図1及び図2を参照して、シリンダブロック5は、アルミニウム合金の鋳造品であるブロック本体50と、このブロック本体50に鋳込まれる、又は圧入される円筒状のシリンダライナ51とを備える。このシリンダライナ51によって、シリンダボア7が形成されている。
ブロック本体50は、4つのシリンダ部55と、シリンダ部55の下方に繋がってクランク室を形成するスカート部56と、このスカート部56の内側に形成された、クランク軸の軸受部57とを備えている。各シリンダ部55には、シリンダライナ51がそれぞれ配設されている。
シリンダライナ51は、気筒径方向内側の内側面51aと、気筒径方向外側の外側面51bとの、内外2つの円筒面を備える。内側面51aは、シリンダボア7の壁面を形成する円筒面である。外側面51bは、ウォータジャケット26の領域を除いて、シリンダ部55と密に当接する円筒面である。
また、シリンダライナ51は、気筒軸方向において、下端部52と上端部53とを備えている。下端部52は、シリンダボア7の底部付近の領域を形成している。上端部53は、シリンダボア7の上端部分の領域、換言すると、上死点に到達したピストン8のピストンリングの位置を含む一定の領域を形成している。
上端部53の径方向外側には、ウォータジャケット26が設けられている。ウォータジャケット26は、上端部53における外側面51bと、ブロック本体50に形成された段状部50aの壁面と、上記ガスケットとにより形成されている。すなわち、シリンダライナ51の上端部53の外側面51bは、ウォータジャケット26を流通する冷却水に直接接触することになる。なお、ウォータジャケット26を具備しないシリンダ部55を用いるようにしても良い。
シリンダライナ51は、気筒軸方向の熱伝導率が高く気筒径方向の熱伝導率が低いという、熱伝導の異方性を有している。後記で詳述するが、このような熱伝導異方性を有するシリンダライナ51は、面方向の熱伝導率が高く厚さ方向の熱伝導率が低い異方性熱伝導フィルムからなるシート材を、円筒型に造形することによって形成することができる。
図2には、熱の移動方向を矢印で示している。上記熱伝導異方性を有するシリンダライナ51の内側面51aが受けた熱は、シリンダライナ51に沿って上端部53に移動し、径方向(厚み方向)外側への放熱が抑制される。熱伝導異方性を具備しない一般的なシリンダライナを有するシリンダブロックの場合、シリンダライナからその径方向外側へ多くの熱が無駄に放熱されることとなる。しかし、本実施形態によれば、シリンダライナ51の外側面51bからの無駄な放熱が抑制される。
しかも、上端部53にはウォータジャケット26の水路が接している。このため、シリンダライナ51に沿って上端部53へ移動した熱は、ウォータジャケット26を流通する冷却水に伝達される。このため、ウォータジャケット26内の冷却水の昇温も促進される。従って、上記のエンジン構造によれば、燃焼室10を高い温度に保ってエンジンの熱効率を高めることができる一方で、ウォータジャケット26内を流れる冷却水も良好に昇温させることができる。これにより、寒冷地等において、前記冷却水の熱エネルギーを利用いた暖房機能に支障が生じる不具合を防止することができる。
(シリンダライナの製造方法)
続いて、上述のような異方性熱伝導特性を有するシリンダライナ51の製造方法について説明する。当該シリンダライナ51は、例えば天然又は人造のグラファイトを面状に成形したカーボンシート等の異方性熱伝導フィルムを円筒型に造形して作成することができる。しかし、前記カーボンシートは、一般に薄肉であるほど熱伝導の異方性には優れるという傾向があり、如何にしてシリンダライナとして用い得る肉厚や強度を有する構造体となるように造形するかが問題となる。以下、肉厚の薄い異方性熱伝導フィルムを用いながらも、必要な構造的機能を備えたシリンダライナ51を得ることができる製造方法について説明する。
<第1実施形態>
図3は、本発明の第1実施形態に係るシリンダライナの製造方法の工程を示すフローチャートである。シリンダライナの製造方法は、所望の異方性熱伝導特性を有するカーボンシート(シート材)を準備した上で(ステップS1)、順次実行される、前記カーボンシートの少なくとも片面に高熱伝導性金属のメッキ層を形成する表面処理工程(ステップS2)、表面処理後の前記カーボンシートを筒型に巻回し、筒状成形体を造形する造形工程(ステップS3)、及び、前記筒状成形体の巻回層間を接合させる接合工程(ステップS4)からなる。以下、各工程について説明する。
図4は、異方性熱伝導フィルムからなるシート材としてのカーボンシート61が、ロール状に巻回されている状態を示す斜視図である。ステップS1では、面方向の熱伝導率が高く厚さ方向の熱伝導率が低い特性を有するカーボンシート61が準備される。例えば、カーボンシート61として、厚さが0.1mm〜2.0mm程度、面方向の熱伝導率が100〜400W/mK程度、厚さ方向の熱伝導率が1.0〜5.0W/mK程度の異方性熱伝導特性を有するカーボンシートを用いることができる。このようなカーボンシート61としては、例えば、ピッチ系炭素繊維をエポキシ樹脂等に含浸、積層した炭素繊維強化樹脂複合材料で形成されたシート材や、高分子フィルムを熱分解. によりグラファイト化したシート材を用いることができる。なお、上記のような異方性熱伝導特性を有するものであれば、カーボンシート以外のシート材を用いても良い。
図5は、カーボンシート61に対してステップS2の表面処理工程が行われた後のメッキシート63の、拡大断面付きの斜視図である。ステップS2では、カーボンシート61の片面に、高熱伝導性金属のメッキ層62が形成される。このメッキ層62は、薄肉のカーボンシート61の厚みを増加させる層、並びに、カーボンシート61の巻回層間を接合させる接着層としての役目を果たす。前記高熱伝導性金属としては、銅、銀、金、ニッケル、クロム、亜鉛などの金属を用いることができる。好ましい金属は銅である。
このような高熱伝導性金属を用い、例えば電気メッキ或いは無電解メッキなどの湿式メッキ法によってメッキ層62が形成される。メッキ層62の厚さは、例えば0.01mm〜2.0mm程度とすることができる。なお、メッキ層62は少なくともカーボンシート61の片面に形成されていれば良く、両面にメッキ層62が形成されていても良い。メッキシート63は、ロール状のカーボンシート61の巻回体から当該カーボンシート61を繰り出しながら連続的にメッキ層62を形成し、しかる後、所定長さに裁断する方法、或いはカーボンシート61を所定長さに裁断した後にメッキ層62を形成する方法により形成することができる。
図6は、ステップS3の筒状成形体を造形する造形工程の一例の説明図、図7は、前記造形工程によって得られる筒状成形体64の斜視図である。図6では、円柱状の巻芯71とテンションローラ72とを用いてメッキシート63を巻回する例を示している。巻芯71の回転軸には、図略の駆動機構から回転駆動力が与えられる。テンションローラ72は、メッキシート63に巻き取り張力を与えるためのローラである。
この場合、メッキシート63の長手方向(筒型に巻回される方向)の一端側を巻回開始端631(第1端部)とし、他端側を巻回終了端632(第2端部)とする。先ず、巻回開始端631が、巻芯71の周面に係止又は仮接着される。そして、テンションローラ72でメッキシート63に対して所定の張力を与えながら、前記駆動機構によって巻芯71を回転軸回りに回転させる。これにより、巻芯71の周面にはメッキシート63の筒状成形体64が造形される。筒状成形体64の最内層には開始端631が、最外層には終了端632が位置している。メッキシート63の巻回数は、製作するシリンダライナ51の指定肉厚、カーボンシート61及びメッキ層62の厚さにより異なるが、数ターン〜数百ターン程度とすることができる。
その後、筒状成形体64の巻回層間を接合させる、ステップS4の接合工程が行われる。巻回層間を接合させる方法には特に制限はなく、筒状成形体64の造形の際に巻回層間に接着シートのような接着層を介在させる方法、筒状成形体64を絞りダイスに通過させる等して巻回層間を圧接接合させる方法、或いはメッキ層62を熱溶融させることによって巻回層間を融着させる熱接合させる方法などを採用することができる。
これらの中で、熱接合させる方法によれば、ステップS2で形成されたメッキ層62を、巻回層間を接合させる接着層として用いることができる。従って、筒状成形体64の巻回層間の接合を、筒状成形体64に加熱処理等を施すだけで実現することができるので、シリンダライナ51の製造工程を簡略化することができる。前記加熱処理は、筒状成形体64を加熱炉に収容し、メッキ層62が溶融する程度に加熱する方法を採用することができる。この場合、筒状成形体64の保形のため、巻芯71に巻回された状態で筒状成形体64を加熱することが望ましい。この他、巻芯71にヒーターを内蔵させ、巻芯71が発する熱によりメッキ層62を溶融させるようにしても良い。
図8は、ステップS4の接合工程が行われた後の接合筒状成形体65、すなわち第1実施形態に係るシリンダライナ51の斜視図及び断面構造図である。図8の上段の符号P1の部分の拡大断面を、図8の下段に示している。シリンダライナ51は、メッキシート63の巻回体からなっており、図8では第1巻回層T1、第2巻回層T2及び第3巻回層T3の3層が示されている。ここで、3層を示しているのは図示を簡略化するためであり、実際には3層を越える多層の巻回層、或いは2層の巻回層であっても良い。なお、図中の「内」は、シリンダライナ51の内側面51a、「外」はシリンダライナ51の外側面51bを意味する(以下の図でも同じ)。
第1実施形態のシリンダライナ51の第1〜第3巻回層T1〜T3は、それぞれ面方向の熱伝導率が高く厚さ方向の熱伝導率が低い異方性熱伝導フィルムからなるカーボンシート61と、メッキ層62(接合層)とからなる。カーボンシート61は筒状巻回体からなり、メッキ層62は前記筒状巻回体の巻回層間を接合している。つまり、第1巻回層T1のメッキ層62は、第1巻回層T1のカーボンシート61とその外周側に存在する第2巻回層T2のカーボンシート61とを接合し、第2巻回層T2のメッキ層62は、第2巻回層T2のカーボンシート61とその外周側に存在する第3巻回層T3のカーボンシート61とを接合している。
この製造方法により得られたシリンダライナ51によれば、異方性熱伝導フィルムとしてのカーボンシート61の本来の特性により、気筒軸方向の熱伝導率が高く気筒径方向の熱伝導率が低いという熱伝導特性を達成できる。また、上記の製造方法では、メッキ層62を形成する表面処理をカーボンシート61に施してメッキシート63を形成した後に、当該メッキシート63を筒型に巻回して筒状成形体を得る造形工程が行われる。このため、カーボンシート61の肉厚が薄いものであっても、前記筒状成形体は、メッキ層62によって径方向の厚みが増加されたものとなる。その後、前記筒状成形体の第1〜第3巻回層T1〜T3間を接合させる接合工程が行われる。従って、上記製造方法によれば、十分な径方向の肉厚を有し、且つ、所望の機械的強度を有するシリンダライナ51を製造することができる。
<第2実施形態>
続いて、シリンダライナ51の製造方法の第2実施形態について説明する。図9Aは、第2実施形態に係るメッキシート63Aの、拡大断面付きの斜視図、図9Bは、当該メッキシート63Aを用いて製造されたシリンダライナ51Aの断面構造図である。図9Aにおいて、上段の図の符号P2の部分の拡大断面が、下段に示されている。上記の第1実施形態のメッキ層62は、高熱伝導性金属の単独層からなる。これに代えて、第2実施形態では、メッキ層62に空気層を介在させて断熱機能を具備させる例を示す。
メッキシート63Aは、上記ステップS2の表面処理工程の際、カーボンシート61の被メッキ面(シート材の片面)に中空粒子66が分散配置された状態で形成されたメッキ層62Aを有している。中空粒子66は、内部に空気が封入された微小粒子であり、例えばシラスバルーン等の天然の中空粒子、中空ビーズや中空金属球のような人工の中空粒子などを採用することができる。なお、空気層を形成できる限りにおいて、各種の介在物を採用可能である。例えば、ポーラスな紛体や繊維のように、密閉された中空部を有していなくとも、実質的に中空部を形成可能な介在物であれば、中空粒子66として採用することができる。
メッキシート63Aを製造するにあたり、カーボンシート61の片面全体に、直径Dの中空粒子66が分散配置される。この際、中空粒子66をカーボンシート61に定着させる接着処理等を施すことが望ましい。その後、カーボンシート61の前記片面に対してメッキ処理が施され、メッキ層62Aが形成される。メッキ層62Aの厚さtは、中空粒子66の直径Dよりも厚く設定される。好ましくは、厚さtは、直径Dの2倍以上に設定される。これにより、メッキ層62Aの接合層としての機能を十分に確保できる。
このようなメッキシート63Aを用いて、上記と同様にしてステップS3の筒状成形体の造形工程、及びステップS4の接合工程が行われ、図9Bに示す断面構造を有する第2実施形態のシリンダライナ51Aが製造される。シリンダライナ51Aの第1巻回層T1、第2巻回層T2及び第3巻回層T3は、それぞれカーボンシート61と、中空粒子66を含有するメッキ層62Aとからなる。そして、互いに隣接する巻回層のカーボンシート61同士は、それらの間のメッキ層62Aによって接合される。
第2実施形態の製造方法により得られたシリンダライナ51Aによれば、中空粒子66を含有するメッキ層62Aを備えたメッキシート63Aが用いられるので、中空粒子66が内部に備える空気層によってメッキ層62Aに断熱機能が付与される。多重に巻回されたカーボンシート61の巻回層間がメッキ層62Aによって接合される点は第1実施形態と同じであるが、このメッキ層62Aが断熱機能を有することによって、シリンダライナ51Aの気筒径方向の熱伝導を一層抑制することができる。
<第3実施形態>
第2実施形態では、中空粒子66を含有するメッキ層62Aがカーボンシート61の片面全体に配置される例を示したが、第3実施形態では当該メッキ層62Aが部分的に配置される例を示す。図10Aは、第3実施形態に係るメッキシート63Bの、拡大断面付きの斜視図、図10Bは、当該メッキシート63Bを用いて製造されたシリンダライナ51Bの断面構造図である。図10Aにおいて、上段の図の符号P3、P4の部分の拡大断面が、下段に示されている。
メッキシート63Bは、上記ステップS2の表面処理工程の際、カーボンシート61の片面に中空粒子66が分散配置された状態で形成されたメッキ層62Aと、高熱伝導性金属の単独層にて形成されたメッキ層62とを有している。メッキシート63Bは、ステップS3の造形工程の際に筒型に巻回される方向において、巻回開始端631(第1端部)と、その反対側の巻回終了端632(第2端部)とを有する。前記表面処理工程の際、巻回開始端631に近い内側領域C1(第1端部側領域)と、巻回終了端632に近い外側領域C2(第2端部側領域)との2つの領域に、カーボンシート61の被メッキ面が区分される。
内側領域C1には、中空粒子66が配置されない高熱伝導性金属の単独層からなるメッキ層62(第1メッキ層)が形成される。一方、外側領域C2には、予め中空粒子66が分散配置された状態で高熱伝導性金属のメッキ処理が施されたメッキ層62A(第2メッキ層)が形成される。このようなメッキシート63Bを用いて、ステップS3の造形工程及びステップS4の接合工程が行われる。勿論、造形工程においては、メッキシート63Bの巻回開始端631が巻回開始側とされ、巻回終了端632が巻回終了側とされる。
これにより、図10Bに示す断面構造を有する第3実施形態のシリンダライナ51Bが製造される。図10Bでは、模式的に、シリンダライナ51Bの第1巻回層T1がカーボンシート61と単独のメッキ層62とからなり、第2巻回層T2及び第3巻回層T3が、それぞれカーボンシート61と、中空粒子66を含有するメッキ層62Aとからなる例を示している。互いに隣接する巻回層のカーボンシート61は、それらの間のメッキ層62又はメッキ層62Aによって接合される。
第3実施形態の製造方法によれば、径方向の内側領域C1には中空粒子66を含有しないメッキ層62が、外側領域C2には中空粒子66を含有するメッキ層62が配置されたシリンダライナ51Bが製造される。このシリンダライナ51Bでは、内側領域C1においては比較的径方向外側への熱伝導性が良く、径方向内側領域に位置するカーボンシート61の巻回層には熱が届き易い。
具体的には、第1巻回層T1のカーボンシート61とその外周側に存在する第2巻回層T2のカーボンシート61とは、熱伝導性が良いメッキ層62で接合されるので、第1巻回層T1から第2巻回層T2へは比較的熱が伝わり易い。このため、第1巻回層T1のカーボンシート61だけでなく、第2巻回層T2のカーボンシート61も、気筒軸方向への熱輸送に貢献させ易くなる。一方、第2巻回層T2のカーボンシート61とその外周側に存在する第3巻回層T3のカーボンシート61とは、断熱機能を有するメッキ層62Aで接合されるので、第2巻回層T1から第3巻回層T3へは比較的熱が伝わり難い。従って、気筒径方向外側への熱の放散を抑制できる。
従って、カーボンシート61の全巻回層間に中空粒子66を含有するメッキ層62Aを介在させる第2実施形態に比べて、内側領域C1において気筒軸方向への熱輸送量を大きくすることができる。一方、シリンダライナ51Bの径方向の外側領域C2においては、第2実施形態と同様に、メッキ層62Aによって径方向外側への熱伝導性が抑制され、断熱機能が発揮される。なお、内側領域C1と外側領域C2との面積比率は、所望の熱輸送量に応じて、適宜設定される。
<第4実施形態>
第4実施形態は、上記第3実施形態のさらなる変形例である。図11Aは、第4実施形態に係るメッキシート63Cの、拡大断面付きの斜視図、図11Bは、当該メッキシート63Cを用いて製造されたシリンダライナ51Cの断面構造図である。図11Aにおいて、上段の図の符号P5、P6及びP7の部分の拡大断面が、下段に示されている。
メッキシート63Cが先述のメッキシート63Bと相違する点は、メッキシート63Cにおいて巻回開始端631に近い内側領域C1を、気筒への当該シリンダライナの組込時に上端側に位置する軸方向上端633に近い上側領域C3(軸方向端部側領域)と、下端側に位置する軸方向下端634に近い下側領域C4とに区分していることである。上側領域C3は、気筒への当該シリンダライナの組込時にピストン8の上死点付近に位置する領域である。
上側領域C3には、中空粒子66が配置されない高熱伝導性金属の単独層からなるメッキ層62(第1メッキ層)が形成される。一方、下側領域C4は、予め中空粒子66が分散配置された状態で高熱伝導性金属のメッキ処理が施されたメッキ層62A(第2メッキ層)が形成される。外側領域C2に、中空粒子66を含有するメッキ層62Aが配置される点は、第2実施形態と同じである。このようなメッキシート63Cを用いて、ステップS3の造形工程及びステップS4の接合工程が行われる。造形工程においては、メッキシート63Cの巻回開始端631が巻回開始側とされ、巻回終了端632が巻回終了側とされる。
これにより、図11Bに示す断面構造を有する第3実施形態のシリンダライナ51Cが製造される。図11Bでは、模式的に、シリンダライナ51Cの第1巻回層T1において、上側領域C3がカーボンシート61と単独のメッキ層62とからなり、下側領域C4がカーボンシート61と中空粒子66を含有するメッキ層62Aからなり、第2巻回層T2及び第3巻回層T3が、それぞれカーボンシート61と、中空粒子66を含有するメッキ層62Aとからなる例を示している。互いに隣接する巻回層のカーボンシート61は、それらの間のメッキ層62又はメッキ層62Aによって接合される。
第4実施形態の製造方法によれば、径方向の内側領域C1において、上死点付近に位置する上側領域C3、つまり、シリンダブロック5において最も熱が発生する領域に、比較的径方向外側への熱伝導性が良いメッキ層62が配置されたシリンダライナ51Cが製造される。当該シリンダライナ51Cは、その上側領域C3において比較的径方向外側への熱伝導性が良く、径方向内側領域に位置するカーボンシート61の巻回層に熱が届き易くなる。従って、上側領域C3にて発生する熱を効率的に吸収し、カーボンシート61にて熱を気筒軸方向に良好に伝達させることが可能で、且つ、下側領域C4及び外側領域C2において径方向外側への断熱性に優れたシリンダライナ51Cを提供することができる。
なお、上側領域C3において、第1巻回層T1だけでなく、第2及び第3巻回層T2、T3についても、中空粒子66を含有しないメッキ層62を介在させるようにしても良い。これにより、上側領域C3について気筒径方向の全厚さに亘って比較的熱伝導を良好とし、ウォータジャケット26を流通する冷却水との熱交換効率を高めることができる。
<第5実施形態>
続いて、ステップS2の表面処理工程において、カーボンシート61上に部分的にメッキ層を形成する第5実施形態について説明する。図12Aは、第5実施形態に係るメッキシート63Dの平面図、図12Bは、当該メッキシート63Dを用いて製造されたシリンダライナ51Dの断面構造図である。
メッキシート63Dは、上記ステップS2の表面処理工程の際、カーボンシート61の片面に、互いに独立した複数のメッキ層621からなるメッキ領域B1と、これら独立メッキ層621が形成されない非メッキ領域B2とが形成されてなる。図12Aでは、平面視で円形の独立メッキ層621が、水玉模様を形成するようにカーボンシート61上に設けられている例を示している。このようにメッキ領域B1と非メッキ領域B2とが形成されることにより、カーボンシート61上には微小な凹凸が形成される。
独立メッキ層621は、図例の通り水玉模様の如く設けられる態様のほか、市松模様、ハニカム模様の態様でカーボンシート61上に設けても良い。このような独立メッキ層621は、表面処理工程の際、カーボンシート61の非メッキ領域B2に相当する領域に、予めメッキ層と非親和性のマスク層を設けることによって形成することができる。
このようなメッキシート63Dを用いて、ステップS3の造形工程及びステップS4の接合工程が行われる。これにより、図12Bに示す断面構造を有する第5実施形態のシリンダライナ51Dが製造される。すなわち、前記造形工程においては、メッキ領域B1と非メッキ領域B2との高低差に基づき、非メッキ領域B2を空気層622とする筒状成形体が形成されることになる。また、前記接合工程においては、メッキ領域B1の独立メッキ層621が接合層として機能し、隣り合う巻回層のカーボンシート61同士を接合する。
以上の通り、第5実施形態の製造方法によれば、メッキシート63Dは、独立メッキ層621が存在する部分と存在しない部分(非メッキ領域B2)とで厚さの異なるものとなる。このようなメッキシート63Dを筒型に造形することで、カーボンシート61の巻回層間に空気層622を備えたシリンダライナ51Dが製造される。当該シリンダライナ51Dは、空気層622が断熱層として機能し、径方向外側への熱伝導性が抑制される。勿論、気筒軸方向については、カーボンシート61によって良好に熱伝導される。
<第6実施形態>
第6実施形態は、第5実施形態の変形例である。図13Aは、第6実施形態に係るメッキシート63Eの平面図、図13Bは、当該メッキシート63Eを用いて製造されたシリンダライナ51Eの断面構造図である。なお、他の断面構造図は気筒軸に沿った断面であるが、図13Bは、気筒軸と直交する方向の断面構造図である。
メッキシート63Eは、上記ステップS2の表面処理工程の際、カーボンシート61の片面に、上端633から下端634まで気筒軸方向に延びるストライプ状のメッキ層623が形成される。ストライプメッキ層623は、互いに独立した複数のメッキ層であり、メッキ領域B1を形成する。ストライプメッキ層623が形成されない領域が非メッキ領域B2となる。非メッキ領域B2もまた、上端633から下端634まで気筒軸方向にストライプ状に延びている。このようにメッキ領域B1と非メッキ領域B2とが形成されることにより、カーボンシート61上には微小な凹凸が形成される。
このようなメッキシート63Eを用いて、ステップS3の造形工程及びステップS4の接合工程が行われる。これにより、図13Bに示す断面構造を有する第6実施形態のシリンダライナ51Eが製造される。すなわち、前記造形工程においては、メッキ領域B1と非メッキ領域B2との高低差に基づき、非メッキ領域B2を空気層624とする筒状成形体が形成されることになる。また、前記接合工程においては、メッキ領域B1のストライプメッキ層623が接合層として機能し、隣り合う巻回層のカーボンシート61同士を接合する。
第6実施形態の製造方法により得られるシリンダライナ51Eによれば、第5実施形態と同様に、ストライプ状の空気層624を径方向外側への伝熱を抑制する断熱層として機能させることができる。これに加え、ストライプメッキ層623に気筒軸方向の熱伝導を担わせることが可能となるので、気筒軸方向の伝熱を良好にすることができる。
<第7実施形態>
図14Aは、第7実施形態において用いられるカーボンシート61Aの斜視図、図14Bは、当該カーボンシート61Aを用いて製造されたシリンダライナ51Fの断面構造図である。カーボンシート61Aは、筒型に巻回される方向において厚さ勾配を備えている。具体的にはカーボンシート61Aは、その巻回開始端611(第1端部)における肉厚t1(第1の肉厚)が薄肉で、巻回終了端612(第2端部)における肉厚t2(第2の肉厚)が肉厚t1よりも厚肉である。そして、巻回開始端611から巻回終了端612に向けて、肉厚が徐々に増加している。
既述の通り、異方性熱伝導フィルムとしてのカーボンシートは、一般に薄肉であるほど熱伝導の異方性には優れるという傾向がある。それゆえ、カーボンシート61Aの巻回開始端611においては、熱伝導率の異方性が高い。つまり、巻回開始端611では、気筒径方向に比べて、気筒軸方向の熱伝導性が格段に優れている。一方、巻回終了端612においては、熱伝導率の異方性が比較的低い。
上記のカーボンシート61Aに対して、ステップS2の表面処理が実行され、その片面にメッキ層62が形成され、メッキシート63Fが作成される。そして、当該メッキシート63Fを用いて、ステップS3の造形工程及びステップS4の接合工程が行われる。前記造形工程では、巻回開始端611が巻回開始側とされ、巻回終了端612が巻回終了側とされる。これにより、図14Bに示す断面構造を有する第7実施形態のシリンダライナ51Fが製造される。すなわち、径方向内側にはカーボンシート61Aの比較的薄肉の領域が、径方向外側にはカーボンシート61Aの比較的厚肉の部分が配置されたシリンダライナ51Fを得ることができる。
第7実施形態の製造方法により得られるシリンダライナ51Fによれば、径方向内側にはカーボンシート61Aの薄肉で異方性が高い部分が、径方向外側には異方性は低くなるものの厚肉化によって剛性が高いカーボンシート61Aの厚肉部分が各々配置される。このシリンダライナ51Fでは、径方向内側の領域においては気筒軸方向へ熱を良好に輸送し、径方向外側の領域においては剛性を担保することが可能となる。
<第8実施形態>
第8実施形態では、ステップS3の造形工程において、メッキシート63上に高熱伝導性金属の箔部材を介在させた状態で、メッキシート63を筒型に巻回する例を示す。図15Aは、第8実施形態において用いられるメッキシート63及び前記箔部材としての金属シート67の斜視図、図15Bは、これらを用いて製造されたシリンダライナ51Gの断面構造図である。金属シート67は、例えば数十〜数百ミクロン程度の厚さの銅箔シートを用いることができる。
本実施形態では、ステップS2の表面処理において、例えば第1実施形態と同様なメッキシート63が製造される。そして、ステップS3の造形工程では、メッキシート63のメッキ層62上に金属シート67が重畳され、その重畳体が筒型に巻回される。ステップS4の接合工程では、メッキ層62と金属シート67とが溶融接合される。
これにより、図15Bに示す断面構造を有する第8実施形態に係るシリンダライナ51Gが製造される。シリンダライナ51Gは、第1巻回層T1が、カーボンシート61、メッキ層62及び金属シート67の層を有する。第2巻回層T2以下も同様である。この製造方法によれば、金属シート67の介在によって、メッキ層62を厚肉化せずとも、筒状成形体(シリンダライナ51G)の肉厚を稼ぐことができる。従って、メッキ層62を形成するステップS2表面処理工程を簡素化、低コスト化することができる。すなわち、厚肉のメッキ層62の形成には、相応の時間と費用とをと要するが、第8実施形態によれば、そのような不具合を軽減できる。
<その他実施形態>
図16は、シリンダライナの加工例を示す断面構造図である。ここでは、ウォータジャケット26(図1)に積極的に放熱させることができるシリンダライナ51Hを示している。シリンダライナ51Hは、その下端634から上端633よりやや下方の領域までを占めるライナ本体部E1と、上端633付近の領域の放熱部E2とを有している。放熱部E2は、シリンダライナ51Hの上端633付近を、塑性加工によって径方向外側へ折り曲げ、その折り曲げ部分の外周面側を切削してライナ本体部E1と面一にすることによって形成されている。シリンダライナ51Hは、その放熱部E2がウォータジャケット26に配置箇所に対面するよう、シリンダ部55に組み付けられる。
ライナ本体部E1においては、図16に矢印a1で示す通り、気筒軸方向に延びるカーボンシート61によって、専ら気筒軸方向に熱が輸送される。一方、放熱部E2においては、カーボンシート61は径方向外側に配向した折り曲げ部61Bとなっている。このため、矢印a2で示す通り、熱は径方向外側に輸送されるようになる。従って、ウォータジャケット26を流通する冷却水に対して良好に熱を与えることができる。
放熱部E2は、上記の通り折り曲げ加工で形成するのではなく、放熱性に優れたリング状の部品をシリンダライナ51の上端に載置する態様で形成されたものとしても良い。前記リング状の部品は、メッキシート63を多重に積層し、この積層体をリング形状の打ち抜き型を用いて積層方向に打ち抜いて形成することができる。
以上説明した各実施形態のシリンダライナの製造方法によれば、肉厚の薄い異方性熱伝導フィルム(カーボンシート61)を用いながらも、必要な構造的機能を備えたシリンダライナ51を得ることができる。
1 エンジン
5 シリンダブロック
51、51A〜51H シリンダライナ
61 カーボンシート(シート材)
61A 厚さ勾配付カーボンシート
62 メッキ層(第1メッキ層)
62A 中空粒子含有メッキ層(第2メッキ層)
621 独立メッキ層
622、624 空気層
623 ストライプメッキ層
63、63A〜63F メッキシート
631 巻回開始端(第1端部)
632 巻回終了端(第2端部)
633 上端(軸方向端部)
634 下端
64 筒状成形体
65 接合筒状成形体
66 中空粒子
67 金属シート(箔部材)
B1 メッキ領域
B2 非メッキ領域
C1 内側領域
C2 外側領域

Claims (10)

  1. 気筒軸方向の熱伝導率が高く気筒径方向の熱伝導率が低いシリンダライナの製造方法であって、
    面方向の熱伝導率が高く厚さ方向の熱伝導率が低い異方性熱伝導フィルムからなるシート材の少なくとも片面に、高熱伝導性金属のメッキ層を形成する表面処理工程と、
    表面処理後の前記シート材を筒型に巻回し、筒状成形体を造形する造形工程と、
    前記筒状成形体の巻回層間を接合させる接合工程と、
    を備えるシリンダライナの製造方法。
  2. 請求項1に記載のシリンダライナの製造方法において、
    前記接合工程は、前記表面処理工程において形成されたメッキ層を熱溶融させることによって、前記巻回層間を融着させる熱接合工程である、シリンダライナの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のシリンダライナの製造方法において、
    前記表面処理工程の際、前記シート材の少なくとも片面の、少なくとも一部に中空粒子を分散配置した状態で、前記メッキ層が形成される、シリンダライナの製造方法。
  4. 請求項3に記載のシリンダライナの製造方法において、
    前記シート材は、筒型に巻回される方向において第1端部と、該第1端部の反対側の第2端部とを有し、
    前記表面処理工程の際、前記第1端部側領域には、前記中空粒子が配置されない第1メッキ層が形成され、前記第2端部側領域には、前記中空粒子が配置された第2メッキ層が形成され、
    前記造形工程において、前記第1端部を巻回開始側とし前記第2端部を巻回終了側とすることで、径方向内側には前記第1メッキ層が配置され、径方向外側には前記第2メッキ層が配置された前記筒状成形体が形成される、シリンダライナの製造方法。
  5. 請求項3に記載のシリンダライナの製造方法において、
    前記シート材は、筒型に巻回される方向において第1端部と、該第1端部の反対側の第2端部とを有し、
    前記表面処理工程の際、前記第1端部側領域であって、気筒への当該シリンダライナの組込時にピストンの上死点付近に位置する軸方向端部側領域には、前記中空粒子が配置されない第1メッキ層が形成され、第2端部側領域、及び、前記第1端部側領域の他の領域には、前記中空粒子が配置された第2メッキ層が形成され、
    前記造形工程において、前記第1端部を巻回開始側とし前記第2端部を巻回終了側とすることで、径方向内側には前記第1メッキ層及び前記第2メッキ層が配置され、径方向外側には前記第2メッキ層のみ配置された前記筒状成形体が形成される、シリンダライナの製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載のシリンダライナの製造方法において、
    前記表面処理工程の際、前記シート材の少なくとも片面に、互いに独立した複数のメッキ層と、これらメッキ層が形成されない非メッキ領域とが形成され、
    前記造形工程において、前記非メッキ領域を空気層とする前記筒状成形体が形成される、シリンダライナの製造方法。
  7. 請求項6に記載のシリンダライナの製造方法において、
    互いに独立した複数のメッキ層は、気筒軸方向に延びるストライプ状のメッキ層である、シリンダライナの製造方法。
  8. 請求項1又は2に記載のシリンダライナの製造方法において、
    異方性熱伝導フィルムが、その肉厚が薄肉になるほど熱伝導率の異方性が高くなる性質を有し、
    前記シート材は、筒型に巻回される方向において第1端部と、該第1端部の反対側の第2端部とを有し、前記第1端部が、熱伝導率の異方性が高い所定の第1の肉厚を有し、前記第2端部が、前記第1の肉厚よりも厚い第2の肉厚を有し、
    前記造形工程において、前記第1端部を巻回開始側とし前記第2端部を巻回終了側とすることで、径方向内側には前記シート材の前記第1の肉厚部分が配置され、径方向外側には前記シート材の前記第2の肉厚部分が配置された前記筒状成形体が形成される、シリンダライナの製造方法。
  9. 請求項1又は2に記載のシリンダライナの製造方法において、
    前記造形工程において、表面処理後の前記シート材上に高熱伝導性金属の箔部材を介在させた状態で、前記シート材を筒型に巻回する、シリンダライナの製造方法。
  10. 気筒軸方向の熱伝導率が高く気筒径方向の熱伝導率が低いシリンダライナであって、
    面方向の熱伝導率が高く厚さ方向の熱伝導率が低い異方性熱伝導フィルムからなるシート材の筒状巻回体と、
    前記筒状巻回体の巻回層間を接合する高熱伝導性金属からなる接合層と、
    を備えるシリンダライナ。
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