JP2007297837A - 鉄筋コンクリート製梁部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】「増し打ち」コンクリートを無くし、躯体重量の増加による構造的な負担や施工費用の増加を軽減することが可能な鉄筋コンクリート製梁部材の提供を目的とする。
【解決手段】上下方向に配設される縦配管5に隣接して設けられる鉄筋コンクリート製大梁1において、縦配管を取り囲む梁幅拡張部1bを一体的に形成した。梁幅拡張部には、縦配管を挿通する挿通孔6が形成される。縦配管の周りでは、縦配管の一側方に第1梁主筋組7およびこれを連結する第1スターラップ筋8が配筋されるとともに、縦配管の他側方に第2梁主筋組9およびこれを連結する第2スターラップ筋10が配筋され、これら第1梁主筋組と第2梁主筋組が縦配管を挟む配置で配筋される挿通孔部中子筋11で連結される。
【選択図】図4

Description

本発明は、構造物における鉄筋コンクリート製梁部材に関するものである。特に、縦配管用の挿通孔を考慮した梁幅拡張部を有する鉄筋コンクリート製梁部材に関するものである。
縦配管を有する鉄筋コンクリート構造物では、縦配管をスラブ貫通させることが一般であり(特許文献1参照)、スラブ下に梁と壁が近接する場合にあっても、梁と壁の間のスラブを貫通させている。この形式は縦配管をメンテナンスの観点から共用部廊下に設置する集合住宅において多くみられる(特許文献2参照)。一方、梁の側面と壁との空間は狭くコンクリート型枠を施工出来ない場合がある。そこで、型枠工事の困難性解決と縦配管の共用部への設置のために、図6に示すようにスラブa下の梁bと壁cに挟まれたスペースへコンクリートのみ(以下「『増し打ち』コンクリート」と呼ぶ)を打設し、縦配管を「増し打ち」コンクリート部分dに設置することが行われていた。これにより、縦配管の共用部設置を維持していた。
特開2003−82869号公報 特許第3205381号公報 特許第2834663号公報
この「増し打ち」コンクリート自体は、建築物の構造的に有効なものではないにも拘わらず、梁せいとほぼ同等の厚さで、壁位置までの幅を有し、梁と壁との間の全範囲に打設することが必要となるものである。したがって、躯体重量の増加による構造的な負担や施工費用の増加という不具合を伴うものであった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、「増し打ち」コンクリートを無くし、躯体重量の増加による構造的な負担や施工費用の増加を軽減することが可能な鉄筋コンクリート製梁部材を提供することを目的とする。
本発明にかかる鉄筋コンクリート製梁部材は、上下方向に配設される縦配管に隣接して設けられる鉄筋コンクリート製梁部材において、上記縦配管を取り囲む梁幅拡張部を一体的に形成したことを特徴とする。
前記梁幅拡張部には、前記縦配管を挿通する挿通孔が形成されることを特徴とする。
前記縦配管の周りでは、該縦配管の一側方に第1梁主筋組およびこれを連結する第1スターラップ筋が配筋されるとともに、上記縦配管の他側方に第2梁主筋組およびこれを連結する第2スターラップ筋が配筋され、これら第1梁主筋組と第2梁主筋組が上記縦配管を挟む配置で配筋される挿通孔部中子筋で連結されることを特徴とする。
前記縦配管から離隔された位置では、前記第1梁主筋組および前記第2梁主筋組がスターラップ筋および中子筋で連結されて目の字状に配筋されることを特徴とする。
前記第1および第2スターラップ筋の少なくともいずれかが、前記スターラップ筋よりも密に配筋されることを特徴とする。
前記挿通孔が予め形成されるプレキャスト製であることを特徴とする。
前記挿通孔が現場合わせで貫通形成されることを特徴とする。
本発明にかかる鉄筋コンクリート製梁部材にあっては、従来の梁と壁の間の、構造的な有利性のない「増し打ち」コンクリートを無くし、合わせて構造性能を向上させることにより、躯体重量が低減され建築物への負担を軽減でき、施工費用の低減を実現できる。
さらに、その梁幅拡張部を設けたことにより、梁全体として梁せいの低減が可能となり、階高を低く抑えながらも十分な開口部高さを得ることができる。
以下に、本発明にかかる鉄筋コンクリート製梁部材の好適な一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態は図1に示すように、本発明にかかる鉄筋コンクリート製梁部材を、集合住宅における共用部廊下の大梁に適用したものである。図1は、本発明にかかる鉄筋コンクリート製梁部材が適用される集合住宅の平面図である。図2は、図1の廊下側の躯体の部分平面図である。図3は、本実施形態にかかる鉄筋コンクリート製梁部材の縦配管周りの縦断面図である。図4は、図3に示した鉄筋コンクリート製梁部材の縦配管周りの様子を説明する説明図であって、図4(a)は縦断面図、図4(b)は平面断面図である。図5は、図3に示した鉄筋コンクリート製梁部材の縦配管から離隔した位置の縦断面図である。
基準階は共用部廊下A(以下「廊下A」という)と複数の専用部Bと専用部Bに対応するベランダ部Cから構成されている。廊下Aには、廊下Aの専用部B側に設けられる複数の柱2と、隣り合う柱2の上部に横架された大梁1と、柱2の間の大梁1の下部に設けられた専用部Bの廊下側外壁3(以下「壁3」と呼ぶ)と、廊下Aに面して上下方向に配設した縦配管5が設置されており、大梁1には縦配管5に対応して挿通孔6が設けられている。
大梁1は、縦配管5を取り囲んで形成される梁幅拡張部1bと本体梁部1aを有している。本体梁部1aは、大梁1の廊下A側側面Xから挿通孔6までの部分をいい、梁幅拡張部1bは挿通孔6を含み、大梁1の専用部B側側面Yまでの梁幅部をいう。梁幅拡張部1bは、従来の増し打ちコンクリート部に相当する梁部分である。本体梁部1aは、従来技術における大梁、つまり縦配管が隣接してその側面を通過する大梁に相当する位置に設けられる。この本体梁部1aに対し梁幅拡張部1bが大梁1の全長にわたり設けられている。本体梁部1aと梁幅拡張部1bはともに、同一の梁せいを有しており、それらを連結する鉄筋等の部材および打ち継ぎ部のないコンクリートにより一体に形成され、全体で一つの鉄筋コンクリート製梁部材を構成している。
縦配管5は、各柱2の両側に壁3に沿って横一列に3本ずつ配置されている。縦配管5は挿通孔6を貫通して上階へ延設されている。挿通孔6は梁幅拡張部1bの縦配管5の貫通位置に形成されたものである。本実施形態における挿通孔6は梁幅拡張部1bの廊下A側に設けられ、縦配管5を3本まとめて通すための1つの長方形に形成されている。長方形の長辺は縦配管5を3本横一列に配置した寸法相当の長さを有し、短辺は3本の縦配管5のうち、挿通孔6を通過する最大のものに対応出来る長さを有している。挿通孔6は、大梁1の上面から大梁1の底面までの深さがあり、大梁1に縦方向に開いた長方形開口部として形成されている。
縦配管5の周りの本体梁部1aには、第1梁主筋7xを、大梁1の上側に横一列に等間隔で3本および下側に横一列に等間隔で3本配筋した構成の第1梁主筋組7が埋設されている。第1梁主筋組7には、第1梁主筋組7の長さ方向に所定の間隔で、当該第1梁主筋組7の外周囲を取り囲んで、第1スターラップ筋8が取り付けられている。第1スターラップ筋8は第1梁主筋組7を連結して拘束し、大梁1の本体梁部1aに作用する剪断力を負担する。各第1梁主筋7xは大梁1の全長にわたり配筋されており、第1梁主筋7xの端部は、柱主筋14とフープ筋15によって構成される柱配筋を有する柱2へ挿通され、これにより第1梁主筋7xの柱2への定着が確保されて、柱2と大梁1との一体性を確保している。
縦配管5の周りの大梁1における梁幅拡張部1bには、第2梁主筋9xを梁の上側に横一列に2本、梁下側に横一列に2本配筋した構成の第2梁主筋組9が埋設されている。第2梁主筋組9には、第2梁主筋組7の長さ方向に所定の間隔で、当該第2梁主筋組9の外周囲を取り囲んで、第2スターラップ筋10が取り付けられている。第2スターラップ筋10は第2梁主筋組9を連結して拘束し、大梁1の梁幅拡張部1bに作用する剪断力を負担している。各第2梁主筋9xは大梁1の全長にわたり配置されており、第2梁主筋9xの端部は、柱主筋14とフープ筋15によって構成される柱配筋を有する柱2へ挿入され、これにより第2梁主筋9xの柱2への定着が確保されて、柱2と大梁1との一体性を確保している。第1梁主筋組7と第2梁主筋組9の間には前述の挿通孔6があり、縦配管5を挟む配置で挿通孔6を横断して挿通孔部中子筋11が配筋され、挿通孔部中子筋11により第1および第2梁主筋組7,9が連結される。
本実施形態において第2スターラップ筋10の取り付け間隔は、第1スターラップ筋8の取り付け間隔より疎とされている。縦配管5の周りの大梁1の断面設計において大梁1は、第1梁主筋組7と第1スターラップ筋8が配筋された本体梁部1aを一つの梁部分とし、また、第2梁主筋組9と第2スターラップ筋10が配筋された梁幅拡張部1bを一つの梁部分として、これら両者の組み合わせとして構成される。第1スターラップ筋8、第2スターラップ筋10の配筋の粗密は、本体梁部1aおよび梁幅拡張部1bそれぞれの必要梁剛性に応じて設定される。
挿通孔部中子筋11は縦配管5の周りに配筋され、第1梁主筋組7と第2梁主筋組9を挿通孔6を挟んで連結している。本実施形態における挿通孔部中子筋11は、平面視において縦配管5を挟むように挿通孔6を横断して縦配管5の間に各1本ずつ計3本配筋されている。挿通孔部中子筋11は、大梁1の縦断面視方向において、第1梁主筋組7の挿通孔6近傍に位置する上下の第1梁主筋7xと、第2梁主筋組9の挿通孔6近傍に位置する上下の第2梁主筋9xを取り囲む長方形の形状で、それらの梁主筋7x、9xに外接して設けられている。挿通孔部中子筋11の一部は挿通孔6の横断部分で露出しているが、この露出部分は縦配管5の施工後に挿通孔6内をモルタル等で充填することにより最終的には大梁1に埋め込まれる。
大梁1は、本体梁部1aの第1梁主筋組7および第1スターラップ筋8と、梁幅拡張部1bの第2梁主筋組9および第2スターラップ筋10とが、挿通孔部中子筋11と挿通孔6周りに打設されるコンクリートにより一体化される。挿通孔部中子筋11は、その一体性確保を補強する目的で設けられるものである。したがって、挿通孔部中子筋11は、縦配管5の取り付けの障害にならず、かつコンクリート打設の障害にならない範囲で出来るだけ密に取り付けられる。
これらの配筋7〜11により、縦配管5の周りにおける大梁1の構造は、本体梁部1aに梁幅拡張部1bを拡張形成し、それらの一体性がコンクリートと挿通孔部中子筋11で確保されている。これにより、縦配管5の周りの大梁1の強度が確保され、大梁1全体の強度も確保されている。また、大梁1全体としてその断面積が梁幅拡張部1bにより大きくなるため、従来の梁幅つまり本体梁部1aの幅のみを梁幅とする場合に較べ、大梁1の梁せいを低減しやすくなる。本実施形態における「縦配管5の周り」とは、少なくとも大梁1の長さ方向において縦配管5の挿通孔6から、各梁主筋組7,9、各スターラップ筋8,10へのコンクリートかぶり厚さがとれる範囲をいう。
縦配管5から離隔された位置における大梁1の断面構造は、前記第1梁主筋組7と前記第2梁主筋組9を合わせて外周から拘束するスターラップ筋12と、スターラップ筋12の内側で、第1梁主筋組7と第2梁主筋組9を連結する中子筋13とが配筋されて構成される。本実施形態における、「縦配管5から離隔された位置」とは、大梁1において縦配管5の周り以外の部分をいう。縦配管5から離隔された位置におけるスターラップ筋12は、第1梁主筋組7および第2梁主筋組9全体を取り囲むように、各主筋7x、9xに外接して配置されている。その取り付け間隔および鉄筋径は、大梁1の縦配管5から離隔された位置における剪断力に応じて決定される。
このスターラップ筋12は、第1梁主筋組7と第2梁主筋組9を合わせて大梁1を一体とし、大梁1の剪断補強筋として配置されるものである。さらに、縦配管5近傍において第1梁主筋組7と第2梁主筋組9を結合して、大梁1として一体の主筋組とする機能も有している。中子筋13は互いに隣接する第1梁主筋組7の第1梁主筋7xと第2梁主筋組9の第2梁主筋9xを取り囲んで外接して設けられる。その取り付け間隔および鉄筋径はスターラップ筋12と同一であり、スターラップ筋12に重ね合わせて配筋される。スターラップ筋12と中子筋13は、大梁1断面において「目の字状」に配筋される。この中子筋13は、縦配管5から離隔された位置において第1梁主筋組7と第2梁主筋組9を結合して一体の大梁1の梁主筋組として連結して拘束し、剪断力に対する補強筋としての働きを有している。
本実施形態において、図4(b)の第1梁主筋組7の第1スターラップ筋8は、縦配管5から離隔された位置に設けるスターラップ筋12よりも密に配置されている。これらスターラップ筋8,12の配筋の粗密も、梁断面に関して必要される梁剛性に応じて設定される。
以上の構成を有する大梁1の部材剛性に関しては、大梁1の挿通孔6周り以外の部分は梁幅方向にコンクリートで一体に構成され、さらに、大梁1の全梁幅に対する挿通孔6の幅も、例えば大梁1の全梁幅1150mmに対して挿通孔6の幅が150mm程度となり、比較的小さい比率となる。このため大梁1全体の曲げ剛性に対する挿通孔6の影響は微少であるため、縦配管5から離れた位置の大梁1の断面で評価することができる。
上記実施形態において梁幅拡張部1bによる梁幅の拡張範囲を柱2の柱幅までとしているが、壁3の位置に応じて柱2の柱幅よりも小さくなる場合もある。また、壁3を梁幅拡張部1bの下部に設けているが、壁3を梁幅拡張部1bの側面に接した位置に、上階スラブに接続する形態で設けてもよい。また、上記実施形態において全ての第1梁主筋7xおよび全ての第2梁主筋9xが大梁1の全長にわたり設けられているが、一部の梁主筋7x、9xが大梁1の長さ方向の一定範囲にのみ配置される場合もある。
縦配管5は上下階のスラブ4の間で傾斜したり、横引きしたり、分岐されていても構わない。さらに、縦配管5は少なくとも特定の階とその上階、又は特定の階とその下階にわたる配管であればよい。縦配管5の本数は建築物に付帯する設備により定まるものであり、本数、材質、形状の制限はない。また、狭義の配管に限定されるものではなく、耐火ケーブルや空調又は電気のダクト等の設備であってもよい。縦配管5は廊下に露出であっても、その周囲を壁で囲ってシャフトとする形態であってもよい。
挿通孔6の大きさ、形状は縦配管5を上下に挿通できるものであればよく、本実施形態における形態に限定されるものではない。例えば本実施形態で長方形のものを一つ設置したことに替えて、各配管に対応して円形のものを3つ設けてもよい。縦配管5を予め梁幅拡張部1bに大梁1と一体に打ち込んでしまってもよい。挿通孔部中子筋11が挿通孔6で露出されない場合もある。例えば挿通孔6が各縦配管5に対応して間隔を設けて複数設置される場合は、各挿通孔6の間にコンクリートが充填され、挿通孔部中子筋11全体がコンクリートに埋め込まれたものとなり露出部分はなくなる。本実施形態において挿通孔部中子筋11は1本ずつの配置であるが、複数本設置することも可能である。
縦配管5から離隔した位置に設ける中子筋13について、剪断補強筋としての機能を重視せず、第1梁主筋組7と第2梁主筋組9の一体化に重きを置いた配筋とすることも可能である。また、中子筋13の取り付け間隔および鉄筋径が、スターラップ筋12と同一とされない場合もある。縦配管5の周りにおいて、挿通孔6に対応して剪断耐力を強化するために、第2スターラップ筋10の取り付け間隔を、縦配管5から離隔された位置におけるスターラップ筋12より密にする場合または第1スターラップ筋8および第2スターラップ筋10双方の取り付間隔を縦配管5から離隔された位置におけるスターラップ筋12より密とする場合もある。
次に、本実施形態にかかる鉄筋コンクリート製梁部材の作用について説明する。まず、現場施工の場合について説明する。コンクリート打設が完了した施工階のスラブ4を作業面として、柱2の柱主筋14の圧接、フープ筋15の取り付けにより柱2の配筋を行い、次いで柱2の型枠工事を行う。柱2の型枠工事完了後に、大梁1の梁型枠を支保工で支持しながら柱2の柱型枠の上部に柱2間にわたって横架させる。大梁1の梁型枠は梁底と両側面の堰板で構成された、上部開放の断面コ字型の形態である。次に、施工階のスラブ4の上で壁配筋、壁型枠工事を行う。次に、上階スラブ4の型枠を施工階のスラブ4から支保工で支持しながら施工し、上階スラブ4の型枠上での作業が可能となった段階で大梁1の配筋作業を開始する。以下に述べる大梁1の配筋作業は上階スラブ4の型枠上での作業である。
上階スラブ4のスラブ型枠上に支持台を設け、大梁1の梁型枠から浮かした状態で第1梁主筋組7と第2梁主筋組9を配置する。この際、第1梁主筋組7の第1梁主筋7xと、第2梁主筋組9の第2梁主筋9xを、挿通孔6の幅を考慮した間隔を確保して配置する。その後、縦配管5の周りでは、第1梁主筋組7に第1スターラップ筋8を、第2梁主筋組9に第2スターラップ筋10を、それぞれの梁主筋7x、9xを取り囲んで外接させて、所定の間隔で結束線等を用いてこれら梁主筋7x、9xに結束していく。この段階では、本体梁部1aの第1梁主筋組7および第1スターラップ筋8と梁幅拡張部1bの第2梁主筋組9および第2スターラップ筋10との間には、まだ配筋は施されておらず、挿通孔6周辺に空間が確保されている。
挿通孔6周辺に、挿通孔部中子筋11を取り付ける。この挿通孔部中子筋11は梁主筋7x、9xに結束線などで取り付ける。挿通孔部中子筋11は、挿通孔6および縦配管5の位置を考慮して取り付けられる。縦配管5から離隔された位置の大梁1に対しては、大梁1の断面において第1梁主筋組7と第2梁主筋組9にスターラップ筋12と中子筋13を「目の字状」に配筋する。取り付けに際しては、スターラップ筋12と中子筋13を梁主筋7x、9xに結束線等で固定する。上記のスターラップ筋12と中子筋13の取り付けにより、縦配管5から離隔された位置の梁配筋が完了する。この配筋により第1梁主筋組7と第2梁主筋組9の一体性が確保された大梁1が構築される。
大梁1の各配筋が完了後、支持台を除去して大梁1の配筋を大梁1の梁型枠に落とし込んで梁配筋が完了する。その後、挿通孔6を形成するための仮枠を、第1梁主筋組7と第2梁主筋組9と間に設置する。次いで、大梁1の梁型枠内にコンクリートを打設することにより、鉄筋コンクリート製梁部材である大梁1が完成する。
縦配管5の設置工事の際に挿通孔6用の仮枠を除去し、縦配管5を挿通孔6から貫通させる。挿通孔6には縦配管5との間にモルタル等を充填する。この作業により、挿通孔6に露出していた挿通孔部中子筋11がモルタル等に埋め込まれる。埋め込まれることにより挿通孔部中子筋11の錆び防止、および耐火性が確保され、縦配管5の周りにおける大梁1の一体性確保の確実性が向上する。この縦配管5は給排水配管、ガス管、電気用配管等であり、電気のケーブル施工も行われる。縦配管5の周囲に壁を構築しシャフトを設けることもある。本実施形態は鉄筋コンクリート構造物の、一般的な鉄筋工事と型枠工事による施工方法を示したものである。この場合、本実施形態にかかる大梁1と大梁1下部の壁3は現場にて一体に構築される。本実施形態において、挿通孔6用の仮枠の取り付けは、大梁1の各配筋完了後で梁型枠への落とし込み前に、梁主筋7x、9x、やスターラップ筋8,10、挿通孔部中子筋11に固定するようにしてもよい。
また、挿通孔6については、大梁1のコンクリートの打設後にコア抜により貫通形成するようにしてもよい。コア抜による貫通形成を採用することにより、大梁1の施工過程で挿通孔6の仮枠を取り付ける必要がなくなり、工程が単純化され工期短縮や施工ミスの低減につながる。また、コンクリート打設による挿通孔6用の仮枠の位置のずれによる、挿通孔6の補修工事(はつり工事等)を無くすことが出来、工期短縮、品質確保にもつながる。
本実施形態にかかる大梁1の構築においては、梁部材全体を挿通孔6が予め形成されるプレキャスト製部材とすることで、工場等での製造が可能となり、鉄筋コンクリート製梁部材の精度確保、現場での作業の簡略化が可能となる。さらに、大梁1下の壁3をプレキャスト部材として大梁1と一体に製造することにより、両者を確実に一体化でき、製品精度の確保、施工工程のさらなる短縮につながる。
以上説明したように、本実施形態にかかる鉄筋コンクリート製梁部材にあっては、縦配管5を取り囲む梁幅拡張部1bを一体的に形成したので、増し打ちコンクリートを無くし、躯体重量の低減による建築物への負担を軽減でき施工費用の低減が可能となる。梁幅拡張部1bに前記縦配管5を挿通する挿通孔6を形成することにより、増し打ちコンクリートを無くすだけでなく、縦配管5の施工も考慮した梁部材を形成することができる。縦配管5の周りでは、縦配管5の一側方の本体梁部1aに第1梁主筋組7およびこれを連結する第1スターラップ筋8が配筋されるとともに、縦配管5の他側方の梁幅拡張部1bに第2梁主筋組9およびこれを連結する第2スターラップ筋10が配筋され、これら第1梁主筋組7と第2梁主筋組9が縦配管5を挟む配置で配筋される挿通孔部中子筋連結11で連結されるようにしたので、縦配管5の周りにおける必要な断面性能を確保することができる。
縦配管5から離隔された位置では、第1梁主筋組7および第2梁主筋組9がスターラップ筋12および中子筋13で連結されて、目の字状に配筋されるので、梁主筋組7,9を一体化でき、必要強度を確保することができる。縦配管5の周りの前記第1スターラップ筋8又は第2スターラップ筋10の少なくともいずれかが、縦配管3から離隔された位置におけるスターラップ筋12よりも密に配筋されるので、挿通孔6を形成しても、十分な剪断耐力を確保することができる。挿通孔6が予め形成されるプレキャスト製の鉄筋コンクリート製大梁1とした場合には、現場取り付けに先行して工場などで製作することができ、現場における施工品質の向上、施工の簡略化、工程の短縮が図れる。
挿通孔6を現場合わせで貫通形成する場合には、施工過程において挿通孔6の仮枠を取り付ける必要がなくなり、工程が単純化され工期短縮や施工ミスの低減につながる。また、コンクリート打設時に挿通孔6用の仮枠が位置ずれすることに起因する、挿通孔6の補修工事(はつり工事など)を無くすことができ、工期短縮、品質確保を達成できる。壁3を大梁1に一体化したプレキャスト製品とすることで、施工効率の向上、品質確保の容易化を達成できる。
本発明にかかる鉄筋コンクリート製梁部材が適用される集合住宅の平面図である。 図1の廊下側の躯体の部分平面図である。 本発明にかかる鉄筋コンクリート製梁部材の好適な一実施形態を示す、縦配管周りの縦断面図である。 図3に示した鉄筋コンクリート製梁部材の縦配管周りの様子を説明する説明図である。 図3に示した鉄筋コンクリート製梁部材の縦配管から離隔した位置の縦断面図である。 従来技術を説明するための縦配管貫通部分の縦断面図である。
符号の説明
1 大梁
1b 梁幅拡張部
5 縦配管
6 挿通孔
7 第1梁主筋組
8 第1スターラップ筋
9 第2梁主筋組
10 第2スターラップ筋
11 挿通孔部中子筋
12 スターラップ筋
13 中子筋

Claims (7)

  1. 上下方向に配設される縦配管に隣接して設けられる鉄筋コンクリート製梁部材において、上記縦配管を取り囲む梁幅拡張部を一体的に形成したことを特徴とする鉄筋コンクリート製梁部材。
  2. 前記梁幅拡張部には、前記縦配管を挿通する挿通孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート製梁部材。
  3. 前記縦配管の周りでは、該縦配管の一側方に第1梁主筋組およびこれを連結する第1スターラップ筋が配筋されるとともに、上記縦配管の他側方に第2梁主筋組およびこれを連結する第2スターラップ筋が配筋され、これら第1梁主筋組と第2梁主筋組が上記縦配管を挟む配置で配筋される挿通孔部中子筋で連結されることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート製梁部材。
  4. 前記縦配管から離隔された位置では、前記第1梁主筋組および前記第2梁主筋組がスターラップ筋および中子筋で連結されて目の字状に配筋されることを特徴とする請求項3に記載の鉄筋コンクリート製梁部材。
  5. 前記第1および第2スターラップ筋の少なくともいずれかが、前記スターラップ筋よりも密に配筋されることを特徴とする請求項4に記載の鉄筋コンクリート製梁部材。
  6. 前記挿通孔が予め形成されるプレキャスト製であることを特徴とする請求項2〜5いずれかの項に記載の鉄筋コンクリート製梁部材。
  7. 前記挿通孔が現場合わせで貫通形成されることを特徴とする請求項2〜5いずれかの項に記載の鉄筋コンクリート製梁部材。
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