JP2007297749A - 保護スリーブおよびその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来にない優れた使い勝手を有し、しかも耐摩耗性や柔軟性にも優れた保護スリーブとその製法を提供する。
【解決手段】シート状体Aが、一端側から他端側に伸度10〜200%で伸長された状態で、上記シート状体Aより小さい伸度で伸長されるか全く伸長されないシート状体Bと貼り合わせられ、上記シート状体Aの回復力によって、全体が、上記シート状体Aの伸長方向と逆方向に丸まって、上記シート状体Aを内向きとする筒状に形成され、その内側に線状体、紐状体等を通すことができるようなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属ワイヤ等の線状体や紐状体の保護に用いられる保護スリーブ(チューブも含む)およびその製法に関するものである。
従来から、自動車のドア内部といった限られたスペース内に装備される金属ワイヤやケーブルを、振動や衝撃から守るために、細長い筒状の保護スリーブで被覆することが行われている。また、各種電子機器や電子部品においても、その配線をより簡単かつコンパクトに行うために、結束保護スリーブが多く用いられている。
このような保護スリーブとしては、プラスチックチューブの他、例えば、特定のフィラメント含有ヤーンを用いて織物構造にしたもの(例えば、特許文献1参照)や、エンジニアリングプラスチック材のモノフィラメント糸とテープ状不織布基材を用いて織り、編み、組みのいずれかの構造にしたもの(例えば、特許文献2参照)等、様々なものが提案されている。
特表2003−506579公報 特開2004−332170公報
しかしながら、上記織物構造や編み・組み構造の保護スリーブは、用いる素材の材質や太さ、織・編み等の構造によって、耐摩耗性や柔軟性、通線性等に欠ける場合があり、より高品質で、使い勝手のよいものが強く求められている。特に、従来の多くの保護スリーブは、完全な筒状体であり、保護しようとするワイヤ等を通す場合も抜く場合も、必ず保護スリーブの一端開口からワイヤ等を出し入れする必要があり、作業効率が悪いという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、従来にない優れた使い勝手を有し、しかも耐摩耗性や柔軟性、クッション性、吸音性、屈曲性等にも優れた保護スリーブとその製法の提供を、その目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、線状体、紐状体等を保護するためのスリーブであって、シート状体Aが、一端側から他端側に伸度10〜200%の割合で伸長された状態で、上記シート状体Aより小さい伸度で伸長されるか全く伸長されないシート状体Bと貼り合わせられ、上記シート状体Aの回復力によって、全体が、上記シート状体Aの伸長方向と逆方向に丸まって、上記シート状体Aを内向きとする筒状に形成され、その内側に線状体、紐状体等を通すことができるようなっている保護スリーブを第1の要旨とし、そのなかでも、特に、上記シート状体Aが、破断伸度250%以上のものである保護スリーブを第2の要旨とする。
また、本発明は、それらのなかでも、特に、上記シート状体Aが、ポリウレタンもしくはポリオレフィンからなる弾性フィラメントを用いてなる不織布である保護スリーブを第3の要旨とし、そのなかでも、特に、上記シート状体Aが、ポリウレタン弾性フィラメントを積層し、各フィラメントの接触点を上記フィラメント自体で接着してなる不織布である保護スリーブを第4の要旨とする。
そして、本発明は、それらのなかでも、特に、上記シート状体Aの伸度Saが20〜100%に設定され、シート状体Bの伸度Sbが、下記の式(1)を満足する値に設定されている保護スリーブを第5の要旨とする。
Figure 2007297749
さらに、本発明は、線状体、紐状体等を保護するためのスリーブであって、たて方向もしくはよこ方向の熱収縮率が10%以上異なる2種類のシート状体C、Dが貼り合わせられ、加熱処理によって発現するシート状体C,Dの熱収縮力の差によって、全体が、上記熱収縮率の異なる方向に丸まって、上記熱収縮率の大きい方のシート状体を内向きとする筒状に形成され、その内側に線状体、紐状体等を通すことができるようなっている保護スリーブを第6の要旨とし、そのなかでも、特に、上記シート状体Cとして、たて方向もしくはよこ方向の熱収縮率が50%以上のシート状体を用い、上記シート状体Dとして、上記シート状体Cと同方向の熱収縮率が30%未満のシート状体を用いてなる保護スリーブを第7の要旨とする。
そして、上記第1〜第5のいずれかの要旨である保護スリーブの製法であって、帯状のシート状体Aと、帯状のシート状体Bとを、それぞれ巻装体a、bとして準備し、巻装体aからシート状体Aを引き出して所定の伸度となるよう伸長するとともに、巻装体bからシート状体Bを引き出し、上記シート状体Aの伸度より小さい伸度で伸長するか全く伸長しない状態にして両者を貼り合わせた後、所定間隔で切断する保護スリーブの製法を第8の要旨とする。
さらに、本発明は、上記第6または第7の要旨である保護スリーブの製法であって、帯状のシート状体Cと、帯状のシート状体Dとを、それぞれ巻装体c、dとして準備し、巻装体cからシート状体Cを引き出すとともに巻装体dからシート状体Dを引き出して、両者を貼り合わせた後、所定間隔で切断し、つぎに、加熱して収縮処理を行う保護スリーブの製法を第9の要旨とする。
なお、本発明において、「たて方向」とは、シート状体を帯状体として取り扱う場合の長手方向をいい、「よこ方向」とは、同じく幅方向をいう。
すなわち、本発明の第1、第6の要旨である保護スリーブは、全体が、完全な筒状になっているのではなく、積層シートの重なり代からなる開口が、スリーブの長手方向を横断して延びているため、上記開口を開くことにより、簡単に、その内側に金属ワイヤ等の保護対象物を通して被覆することができ、使い勝手がよい。
なお、本発明の第1の要旨である保護スリーブのなかでも、特に、上記シート状体Aとして、破断伸度250%以上のものを用いたものは、シート状体Bとの貼り合わせ時の伸長特性、回復特性に優れている。また、特に、上記シート状体Aが、ポリウレタンもしくはポリオレフィンからなる弾性フィラメントを用いたものは、上記不織布が、優れたクッション性、吸音性、屈曲性等を備えていることから、高い保護性能を備えたものとなり、なかでも、上記シート状体Aが、ポリウレタン弾性フィラメントを積層し、各フィラメントの接触点を上記フィラメント自体で接着してなる不織布を用いたものは、特に優れたものとなる。さらに、上記シート状体Aの伸度Saを20〜100%に設定し、シート状体Bの伸度Sbを、シート状体Aの伸度より20%以上小さい値に設定したものは、両者の伸長差が適度に設定されており、筒状に丸まって金属ワイヤ等の保護対象物を保護する機能に優れている。
そして、本発明の第6の要旨である保護スリーブのなかでも、特に、上記シート状体Cとして、たて方向もしくはよこ方向の熱収縮率が50%以上のシートもしくはフィルムを用い、上記シート状体Dとして、上記シート状体Cと同方向の熱収縮率が30%未満のシートもしくはフィルムを用いたものは、両者の収縮差が適度に設定されており、筒状に丸まって金属ワイヤ等の保護対象物を保護する機能に優れている。
そして、本発明の第8、第9の要旨である保護スリーブの製法によれば、簡単かつ安価に筒状の保護スリーブを製造することができ、実用的効果が高い。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
図1は、本発明の保護スリーブの一実施の形態を示している。この保護スリーブは、2枚のシート状体A、Bを貼り合わせてなる積層シート(図2参照)が丸まって、筒状になっており、その内側に、鎖線で示すように、保護しようとする金属ワイヤやケーブル等を通すことができるようになっている。
より詳しく説明すると、上記積層シートを構成するシート状体Aは、高伸縮性能、高伸長回復性能を備えた弾性素材からなり、図2に矢印Xで示すように、一端側から他端側に、所定伸度で伸長された状態で、未伸長のシート状体Bと貼り合わせられており、積層シートには、矢印Y(破線)で示すように、シート状体Aが元に戻ろうとする回復力が、上記伸長方向とは逆向きに働き、全体が、鎖線で示すように、シート状体Aを内向きにした筒状に丸まっている。
上記保護スリーブによれば、積層シートの重なり代からなる開口が、スリーブの長手方向を横断して延びているため、上記開口を開くことにより、簡単に、その内側に金属ワイヤ等の保護対象物を入れて被覆することができ、使い勝手がよい。しかも、伸縮素材からなるシート状体Aを内向きにした筒状になっているため、クッション性、吸音性等に優れており、高い保護性能を備えている。そして、外側が、伸縮性が抑えられたシート状体Bによって構成されているため、耐摩耗性に優れ、全体として柔軟性、屈曲性にも優れている。
なお、上記保護スリーブの筒径や、筒状になった状態における積層シートの重なり具合等は、その保護スリーブに要求される条件に応じて、適宜に設定される。
上記保護スリーブのシート状体Aとしては、優れた伸縮性能と伸長回復性能を備えたものが好ましく、例えば、ポリウレタン弾性フィラメント、ポリエチレン弾性フィラメント等のポリオレフィン弾性フィラメント、ポリエステル弾性フィラメント、ポリ塩化ビニル系弾性フィラメント、ポリスチレン系弾性フィラメント等、各種の弾性フィラメントを用いて構成された不織布や、各種弾性シート(フィルムを含む)をあげることができる。なかでも、破断伸度100%以上、好ましくは250%以上の不織布もしくはシートであることが、柔軟性、加工性、伸縮性、伸長回復性等の点で好ましく、特に、ポリウレタン弾性フィラメントもしくはポリオレフィン弾性フィラメントを用いてなる不織布が好適である。そして、最も好適に用いられるのが、ポリウレタン弾性フィラメントを用いてなる不織布である。
上記ポリウレタン不織布には、ソフトセグメント部を形成する高分子量ポリオール化合物と、ハードセグメントを形成する低分子量ジオール化合物と、有機ジイソシアネート化合物とを重合反応して得られるポリウレタンが用いられる。
上記高分子量ポリオール化合物は、重縮合、付加重合(例えば、開環重合)または付加重合等によって得られる分子量500〜6000の高分子ジオール化合物であり、代表的なものとして、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールまたはこれらの共縮合物(例えば、ポリエステルエーテルジオール)等があげられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
特に、上記ポリエステルジオールとして、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパンジオール等の炭素数2〜10のアルカンのジオール化合物またはこれらの混合物と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の炭素数4〜12の脂肪族もしくは芳香族ジカルボン酸またはこれらの混合物とから得られる飽和ポリエステルジオール、あるいはポリカプロラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコール等のポリラクトンジオールが好ましく使用される。また、ポリエーテルジオールとしては、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等のポリアルキレンエーテルグリコールが好ましく使用される。
また、上記低分子量ジオール化合物は、分子量が500以下のジオール化合物であり、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタングリコール、3−メチルペンタングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビスヒドロキシエチルベンゼン等の脂肪族または芳香族ジオールがあげられる。これらは単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
さらに、上記有機イソシアネート化合物としては、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアソネート、イソホロンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族または芳香族ジイソシアネート化合物があげられる。これらの有機ジイソシアネート化合物は単独で使用しても2種以上を混合して用いてもよい。
なお、上記ポリオール成分は、全体の65重量%(以下(「%」と略す)以上であることが好ましく、なかでも68%以上であることが特に好ましい。すなわち、ポリオール成分の含有量が65%未満では、得られる不織布の伸度および伸長回復率が小さくなり、積層シートが丸まりにくいものとなるおそれがあるからである。
そして、上記ポリウレタンには、必要に応じて、可塑剤、安定剤の他、ヒンダードフェノール系、各種アミン系の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の紫外線吸収剤、アミドワックス、モンタン酸ワックス等の平滑剤、各種カルボジイミド化合物等の加水分解防止剤、酸化チタン、ベンガラ等の各種顔料、ガス黄変防止剤等のポリマー添加剤を添加することができる。
上記ポリウレタンを得るための重合方法としては、連続溶融重合法、ニーダー法、バットキュア法、ベルト法等の種々の方法があり、いずれの方法を用いても差し支えない。
そして、上記ポリウレタンから不織布を得る方法としては、スパンボンド紡糸法、メルトブロー紡糸法等の公知の製法があげられ、なかでも、得られる不織布の伸縮性と柔軟性の点から、メルトブロー紡糸法が好ましい。
上記メルトブロー紡糸法の一般的な方法を説明すると、まず、上記ポリウレタンを押出機で溶融し、ギアポンプで溶融ポリマーを軽量した後、一列に配した紡糸ノズル孔から吐出する。そして、ノズル孔の両側に配したスリットから高温加熱気体を高速で噴射し、その高速気体流によりノズル孔から押し出されたポリマーを細化、冷却して連続したフィラメントを形成させる。細化されたフィラメントは、実質的に集束されるされることなく、移動するコンベアネットの捕集装置上で気体流と分離され、該ネット上に積層される。そして、積層されたフィラメントは自己の有する熱により積層された状態でその接触点が融着により接合される。このようにして、シート状体Aとして好適なポリウレタン不織布を得ることができる。
上記ポリウレタン不織布を構成するポリウレタン弾性フィラメント(モノフィラメント)の平均繊維径は、特に限定するものではないが、通常、3〜30μm、最大でも50μm以下であることが好適である。
そして、上記ポリウレタン不織布の目付は、保護スリーブの用途、保護対象となる金属ワイヤ等の種類にもよるが、通常、25〜150g/m2 、好ましくは50〜100g/m2 に設定されているものが好適である。すなわち、目付が25g/m2 未満では、シート状体Bとの貼り合わせに用いられる接着剤の浸透によって伸縮性が損なわれやすく、逆に、目付が150g/m2 を超えると、シート状体A自体が厚すぎてシート状体Bと貼り合わせてなる積層シートが丸まりにくく、丸まらせるために伸度を大きくすると、シート状体Bが貼り合わせ面から剥がれやすくなるおそれがあるからである。
そして、同様に、積層シートの丸まり性、保護対象物に対する被覆作業性等の点から、上記ポリウレタン不織布の伸長方向の引張強度が、好ましくは500〜5000cN/2.54cm、より好ましくは1000〜3000cN/2.54cmに設定されているものが好適である。さらに、その伸長方向の100%伸長回復率が、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上に設定されているものが好適である。
一方、上記シート状体Aとともに用いられるシート状体Bは、シート状体Aより小さい伸度で伸長された状態か、全く伸長されない状態で、シート状体Aと貼り合わせられるもので、多少伸長した状態で用いられるものは、上記シート状体Aと同様、弾性素材であることが好ましい。また、全く伸長されない状態で用いられるものは、弾性素材である必要はなく、非弾性素材からなる不織布やシートを用いることができる。
上記シート状体Bとして用いることのできる弾性素材としては、シート状体Aのような、優れた伸縮性、伸長回復性が要求されるわけではなく、その破断伸度も、特に限定されない。例えば、ポリウレタン弾性フィラメント、ポリエステル弾性フィラメント、ポリエチレン弾性フィラメント、ポリ塩化ビニル系弾性フィラメント、ポリスチレン系弾性フィラメント等、各種の弾性フィラメントを用いて構成された不織布や、各種弾性シート(フィルムを含む)をあげることができる。なかでも、ポリエステル弾性不織布、ポリウレタン弾性不織布が、柔軟性、加工性等の点で好ましい。
また、同じく上記シート状体Bとして用いることのできる非弾性素材としては、その破断伸度が、好ましくは100%以下、より好ましくは60%以下のものが好適に用いられる。このような非弾性素材としては、例えば、ポリウレタンフィラメント、ポリエステルフィラメント、ポリエチレンフィラメント、ポリ塩化ビニル系フィラメント、ポリスチレン系フィラメント等、各種の非弾性フィラメントを用いて構成された不織布や、各種シート(フィルムを含む)をあげることができる。なかでも、ポリエステル不織布が、加工性等の点で好ましい。
上記ポリエステル不織布に用いられるポリエステルとしては、一般的なテレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応により製造されるポリエチレンテレフタレートがあげられる。
そして、上記ポリエステルから不織布を得る方法としては、スパンボンド紡糸法、ニードルパンチ紡糸法等の公知の製法があげられ、特に限定されない。
なお、上記ポリエステル不織布の目付も、保護スリーブの用途、保護対象となる金属ワイヤ等の種類によって、適宜のものが用いられるが、シート状体Aへの追従性等を考慮して、通常、30〜200g/m2 、好ましくは50〜90g/m2 に設定されているものが好適である。すなわち、目付が30g/m2 未満では、充分な加工強度が得られないおそれがあり、逆に、目付が200g/m2 を超えると、シート状体B自体が厚すぎてシート状体Bと貼り合わせてなる積層シートが丸まりにくく、丸まらせるためにシート状体Aの伸度を大きくすると、シート状体Bが貼り合わせ面から剥がれやすくなるおそれがあるからである。
そして、同様に、積層シートの丸まり性、保護対象物に対する被覆作業性等の点から、上記ポリエステル不織布の伸長方向(前記シート状体Aの伸長方向に沿う方向)の引張強度が、好ましくは200〜3500cN/2.54cm、より好ましくは500〜2000cN/2.54cmに設定されているものが好適である。
上記シート状体A、Bを用いて、例えばつぎのようにして図1に示す保護スリーブを製造することができる。すなわち、図3に示すように、まず、シート状体Aを巻装体aとして準備するとともに、シート状体Bを巻装体bとして準備する。そして、上記巻装体aからシート状体Aを引き出し、伸長ロール1によってシート状体Aを一定の伸度で伸長し、その状態で、巻装体bから引き出されたシート状体B(未伸長)と積層する。このとき、両シート状体A、Bの間に、所定の目付となるよう接着剤を供給し、ドライラミネート法により、両者を接合一体化する。そして、一体化された積層シート2を、巻き取りロール3に巻き取って巻装体とする。
そして、図4に示すように、巻き取られた積層シート2をスリット機4にかけて、長手方向に所定間隔で切断する。切断された所定幅の積層シート2は、シート状体Aの回復力によって、シート状体Aを内向きとする筒状に丸まった状態となる。
上記製法によれば、簡単かつ安価に筒状の保護スリーブを製造することができ、実用的効果が高い。そして、上記シート状体Aの引き出し速度、伸長ロール1の回転速度等を調整することにより、シート状体Aを、適宜の伸度となるよう伸長することができる。
ただし、シート状体Aの貼り合わせ時の伸度は10〜200%の範囲内で設定しなければならない。すなわち、10%未満では、貼り合わせ後の積層シートを筒状に丸まらせることができず、逆に、200%を超えると、元に戻ろうとする力が強すぎてシート状体Bとの剥離が生じやすいからである。
なお、上記の例では、シート状体Bを、未伸長の状態でシート状体Aと貼り合わせるようにしたが、シート状体Bについても、伸長ロールを配設し、一定の伸度で伸長するようにしても差し支えない。その場合、シート状体Bの伸度Sbは、シート状体Aの伸度Saより小さく設定しなければならない。なかでも、シート状体Aの伸度Saが20〜100%となるよう伸長し、シート状体Bの伸度Sbが、下記の式(1)で示すように、上記シート状体Aの伸度Saより20%以上小さい値となるよう伸長して貼り合わせたものが、丸まり性、屈曲性等に優れ、好適である。
Figure 2007297749
なお、上記の製法において、シート状体A、Bを貼り合わせる接着剤は、シート状体A、Bの材質に応じて適宜のものを選択することができるが、例えば、シート状体Aがポリウレタン不織布で、シート状体Bがポリエステル不織布である場合、接着剤として、ウレタン系ホットメルト接着剤を用いることが好適である。また、溶剤系接着剤を用いることもできる。そして、そのラミネート方法としては、上記ドライラミネート法以外に、各種のラミネート方法を採用することができる。
そして、接着剤の供給方法も、貼り合わせ面となる面に、その貼り合わせ工程の手前側で、液状の接着剤を、シート状体AもしくはBのいずれかの面に塗工する他、各種の方法を採用することができる。例えば、図5に示すように、シート基材上にホットメルト接着剤層が積層形成された接着剤シート5を巻装体として用意し、この接着剤シート5を引き出し、加熱手段6を通過させて接着剤層を溶融させる。そして、これを、巻装体aから引き出されたシート状体Aの貼り合わせ面に転写し、伸長ロール7によって伸長しながらシート状体Bと貼り合わせて巻き取りロール3に巻き取る。一方、接着剤を転写した残部であるシート基材5aは、巻き取りロール8に巻き取る。このようにして、積層シート2を得ることができる。
また、上記の例は、シート状体Aを、シート状体Bより大きな割合で伸長させた状態で、両者を貼り合わせ、シート状体Aの伸長回復力によって、全体が筒状に丸まるようにしたものであるが、これに代えて、熱収縮率の異なる2種類のシート状体C、Dを貼り合わせ、両者を加熱処理することにより、全体を、上記熱収縮率の異なる方向に丸まらせるようにしても差し支えない。このようにして得られる保護スリーブも、図1と同様の形態となり、図1のものと同様の効果を奏することができる。
上記熱収縮率の異なる2種類のシート状体C、Dの組み合わせとしては、熱収縮差が10%以上異なる組み合わせとすることが、筒状に丸まらせる上で必要である。たて方向、よこ方向で異なる熱収縮率を有するシート状体を組み合わせる場合は、片方の熱収縮率の差が10%以上であることが必要である。そして、他方向の熱収縮率が、シートの丸まりを妨げるおそれがあるため、他方向の熱収縮率は2%以下であることが望ましい。
このような熱収縮率の異なる2種類のシート状体C、Dの組み合わせとしては、上記シート状体Cとして、たて方向もしくはよこ方向の熱収縮率が50%以上のシート(フィルムを含む)等のシート状体を用い、上記シート状体Dとして、上記シート状体Cと同方向の熱収縮率が30%未満のシート等のシート状体を用いた組み合わせをあげることができる。上記シート状体Cとして用いるのに好ましい例として、たて方向の熱収縮率80%、よこ方向の熱収縮率0%の熱収縮性ポリオレフィン系フィルム(エストロンNH、積水フィルム社製)や、たて方向の熱収縮率1%,よこ方向の熱収縮率71%の熱収縮性ポリエステルフィルム(スペースクリーンS5630、東洋紡績社製)等があげられる。また、シート状体Dとしては、上記シート状体Dの熱収縮率よりも10%以上小さい熱収縮率を備えたものか、熱収縮しないものが用いられる。
上記シート状体C、Dを用いて保護スリーブを得るには、例えば、つぎのような方法を用いることができる。すなわち、まず、シート状体Cを巻装体cとして準備するとともに、シート状体Dを巻装体dとして準備する。そして、上記巻装体c,dからそれぞれシート状体C、Dを引き出し、両シート状体C、Dの間に、所定の目付となるよう接着剤を供給し、ドライラミネート法により、両者を接合一体化する。そして、一体化された積層シートを、前記の例と同様、スリット機にかけて、収縮力のかかる方向に所定間隔で切断した後、所定の加熱条件で加熱して収縮処理を行うことにより、収縮力のかかる方向に丸まった筒状の保護スリーブを得ることができる。
なお、本発明の保護スリーブとして、伸度の異なるシート状体A、Bを貼り合わせて得られる積層シート、もしくは収縮率の異なるシート状体C、Dを貼り合わせて得られる積層シートにおいて、これらのシート状体AとB、もしくはシート状体CとDを丸める向き(伸長する方向もしくは収縮させる方向)は、たて方向に限らず、よこ方向(幅方向)にしても差し支えない。
また、上記積層シートを、たて方向もしくはよこ方向に垂直に、所定幅で切断して筒状に丸まったものを得るのではなく、図6に示すように、バイアス方向に所定幅で切断し、図7に示すように、らせん状に丸まらせて筒状にしてもよい。
なお、積層シートを切断する際、その切断幅は、得ようとする筒状の大きさや、シートの重なり具合に応じて、適宜に設定されるが、通常、その丸まった筒状の外径は、5〜50mm程度に設定することが好適である。また、そのシートの重なり具合は、筒状を形成するには、少なくとも1重になっていることが好ましく、なかでも、1.5〜2重になっていることが好適である。クッション性、吸音性の点では、何重にも重なっていることが好ましいが、巻き数が多すぎると、これを開いてケーブル等を通す作業が容易でなくなり、好ましくない。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。
〔実施例1〜8、比較例1,2〕
後記の表1〜表4に示すシート状体A、Bを用い、図3に示す製造工程にしたがって、製品幅70cmの積層シートを作製し、さらに、図4に示す製造工程にしたがって、これを、長手方向の幅が10cmとなるよう切断して、目的とする保護スリーブを得た。そして、これらの保護スリーブの丸まり度を、下記の基準により評価し、その結果を、後記の表1〜表4に併せて示した。なお、丸まり度がA〜Dの場合、保護スリーブとして実用上問題がない(評価Dの場合も、切断幅を大きくすれば筒状になるので、用途によっては実用的である)。
〔丸まり度〕
A…切断後、シートが2重以上重なって筒状に丸まっている。
B…切断後、シートが1.5重以上2重未満重なって筒状に丸まっている。
C…切断後、シートが1重以上1.5重未満重なって筒状に丸まっている。
D…切断後、シートが1重未満で重なり部がないが、丸まっている。
E…切断後、シートが丸まらない。
Figure 2007297749
Figure 2007297749
Figure 2007297749
Figure 2007297749
上記の結果から、実施例品1〜8は、いずれも概ね良好な結果が得られているのに対し、比較例品1,2は、シート状体A、Bを貼り合わせて切断した積層シートが丸まらず、保護スリーブとして用いることができない。
〔実施例9、10〕
後記の表5に示すシート状体C、Dおよび接着剤を用いて両者を貼り合わせることにより、製品幅70cmの積層シートを作製した後、収縮力のかかる方向の幅が10cmとなるよう切断し、ついで、100℃×30秒の加熱処理により、片方のシート状体Cを他方Dより大きく収縮させることにより、目的とする保護スリーブを得た。そして、これらの保護スリーブの丸まり度を、前記と同様にして評価し、その結果を、後記の表5に併せて示した。
Figure 2007297749
上記の結果から、熱収縮率の差が10%以上あるシート状体C、Dを組み合わせた実施例9、10は、いずれも概ね良好な結果が得られている。
本発明の保護スリーブの一実施例を示す説明図である。 上記実施例の構成を示す部分的な拡大断面図である。 上記実施例の製法の一例を示す模式的な説明図である。 上記実施例の製法の一例を示す模式的な説明図である。 上記実施例の他の製法の一例を示す模式的な説明図である。 本発明の他の実施例の製法の一例を示す説明図である。 上記他の実施例を示す説明図である。
符号の説明
A、B シート状体

Claims (9)

  1. 線状体、紐状体等を保護するためのスリーブであって、シート状体Aが、一端側から他端側に伸度10〜200%の割合で伸長された状態で、上記シート状体Aより小さい伸度で伸長されるか全く伸長されないシート状体Bと貼り合わせられ、上記シート状体Aの回復力によって、全体が、上記シート状体Aの伸長方向と逆方向に丸まって、上記シート状体Aを内向きとする筒状に形成され、その内側に線状体、紐状体等を通すことができるようなっていることを特徴とする保護スリーブ。
  2. 上記シート状体Aが、破断伸度250%以上のものである請求項1記載の保護スリーブ。
  3. 上記シート状体Aが、ポリウレタンもしくはポリオレフィンからなる弾性フィラメントを用いてなる不織布である請求項1または2記載の保護スリーブ。
  4. 上記シート状体Aが、ポリウレタン弾性フィラメントを積層し、各フィラメントの接触点を上記フィラメント自体で接着してなる不織布である請求項3記載の保護スリーブ。
  5. 上記シート状体Aの伸度Saが20〜100%に設定され、シート状体Bの伸度Sbが、下記の式(1)を満足する値に設定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の保護スリーブ。
    Figure 2007297749
  6. 線状体、紐状体等を保護するためのスリーブであって、たて方向もしくはよこ方向の熱収縮率が10%以上異なる2種類のシート状体C、Dが貼り合わせられ、加熱処理によって発現するシート状体C,Dの熱収縮力の差によって、全体が、上記熱収縮率の異なる方向に丸まって、上記熱収縮率の大きい方のシート状体を内向きとする筒状に形成され、その内側に線状体、紐状体等を通すことができるようなっていることを特徴とする保護スリーブ。
  7. 上記シート状体Cとして、たて方向もしくはよこ方向の熱収縮率が50%以上のシート状体を用い、上記シート状体Dとして、上記シート状体Cと同方向の熱収縮率が30%未満のシート状体を用いてなる請求項6記載の保護スリーブ。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の保護スリーブの製法であって、帯状のシート状体Aと、帯状のシート状体Bとを、それぞれ巻装体a、bとして準備し、巻装体aからシート状体Aを引き出して所定の伸度となるよう伸長するとともに、巻装体bからシート状体Bを引き出し、上記シート状体Aの伸度より小さい伸度で伸長するか全く伸長しない状態にし、両者を貼り合わせた後、所定間隔で切断することを特徴とする保護スリーブの製法。
  9. 請求項6または7記載の保護スリーブの製法であって、帯状のシート状体Cと、帯状のシート状体Dとを、それぞれ巻装体c、dとして準備し、巻装体cからシート状体Cを引き出すとともに巻装体dからシート状体Dを引き出して、両者を貼り合わせた後、所定間隔で切断し、つぎに、加熱して収縮処理を行うことを特徴とする保護スリーブの製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010523839A (ja) * 2007-04-11 2010-07-15 フェデラル−モーグル パワートレイン インコーポレイテッド 細長い部材を保護するための織物スリーブおよびその構成方法
WO2012073757A1 (ja) 2010-11-29 2012-06-07 東レ株式会社 織物およびそれを用いた電気配線用被覆材
JP2012188763A (ja) * 2011-03-08 2012-10-04 Kureha Ltd パイプ式被覆材用積層不織布及びパイプ式被覆材

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