JP2007297518A - ボールペン用水性インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】インキ収容管に直接インキを充填する構造のボールペンに使用し、筆跡の滲みが少なく、なめらかな軽い書き味を得る。
【解決手段】少なくとも水と、着色剤と、潤滑剤がN−アシルアミノ酸及び/又はその塩と、金属イオン封鎖剤からなるボールペン用水性インキ組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも水と、着色剤と、潤滑剤がN−アシルアミノ酸及び/又はその塩と、金属イオン封鎖剤からなるボールペン用水性インキ組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、なめらかな軽い書き味を有するボールペン用水性インキ組成物に関する。
従来、ボールペン用水性インキ組成物は、比較的細い筆跡が得られると共に、繊維製ペン先や樹脂製ペン先を有する筆記具と異なり、長期間使用してもペン先の摩耗などによる筆跡巾の変化が少ないことから、多く使用されている。ボールペンの筆記の機構は、主にボール表面に付着したインキ組成物がボールの回転に伴って、紙などの被筆記面に転写されるものであるので、ボールとボールホルダーとの金属同士が直接に接触しやすく、摩擦が大きくなるのでボールの回転が阻害され、筆記感が重くなるなどの現象が見られた。このようなインキ組成物において軽いなめらかな書き味を付与するために、例えば潤滑剤としてN−アシルサルコシンやN−アシルメチルタウリンのナトリウム塩を添加した例や、更に顔料インキ組成物に潤滑剤として、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩を添加する方法が行われている。
特公平07−057853号公報
特開昭61−130384号公報
上述のごとく、ボールペンは、ボールの回転に伴ってインキ組成物を吐出させるものであるので、よりボールが回転し易ければ、更なる軽く滑らかな筆記感触が得られるため、更なる潤滑効果が求められているが、潤滑効果の高い潤滑剤を使用しても、その効果には限界があり、また、大量に添加するとインキ組成物の表面張力が著しく下がり、紙面などの吸収面では、筆跡の滲みが発生し、非吸収面では濡れ広がってしまい、所望の幅の筆記線が得られ難いという問題があった。
本発明は、少なくとも水と、着色剤と、潤滑剤がN−アシルアミノ酸及び/又はその塩と、金属イオン封鎖剤からなるボールペン用水性インキ組成物を要旨とするものである。
N−アシルアミノ酸は、分子中に極性の強いカルボン酸基を有しているため、ボールやボールホルダーの内面などの金属面に対して、外側にアシル基を向け吸着層を形成する。よって、筆記時のボールの回転においてボールとチップ受け座の摩擦を大きく低減する。
更に、金属イオン封鎖剤は、選択的に金属イオンを取り囲むことができる為、ボールやボールホルダーの内面などの金属面に対し配位結合に似た作用で強い吸着力を示す。そして、金属イオン封鎖剤のカルボキシル基とN−アシルアミノ酸のアミノ基とが静電的に引き合い、潤滑効果の高いN−アシルアミノ酸を固定できるものと推測される。
更に、金属イオン封鎖剤は、選択的に金属イオンを取り囲むことができる為、ボールやボールホルダーの内面などの金属面に対し配位結合に似た作用で強い吸着力を示す。そして、金属イオン封鎖剤のカルボキシル基とN−アシルアミノ酸のアミノ基とが静電的に引き合い、潤滑効果の高いN−アシルアミノ酸を固定できるものと推測される。
以下、詳細に説明する。N−アシルアミノ酸及び/又はその塩はボールとボールホルダーのボール受け座との間の摩擦力を低減するために用いるもので、具体的には、N−ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルサルコシン、N−パルミトイルサルコシン、N−オレオイルサルコシン、N−ステアロイルサルコシン、N−ココイルサルコシン、N−ラウロイルメチルアラニンが挙げられる。これらの塩としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等がある。上記は複数種を混合して使用することもできるが、その使用量はインキ全量に対して1.5〜5重量%が好ましい。1.5重量%未満でも潤滑効果はあり、ある程度なめらかな書き味は得られるが十分になめらかな軽い書き味を得るには1,5重量%以上が必要である。また、5重量%を超えて添加しても書き味に問題は無いが、筆跡が大きく滲んで見苦しくなり実用的ではない。
本発明で使用する金属イオン封鎖剤は、金属の溶出を選択的に、封鎖できるものであり、その官能基に、カルボン酸基が付帯しているものが特に望ましい。具体的に一例を挙げると、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミノ五酢酸(DTPA)、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HEIDA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、カルボキシメチルタルトロン酸(CMT)、カルボキシメチルコハク酸(CMOS)、トリエチレンテトラヘキサ酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸(HIDA)、及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びアミン塩などが挙げられる。特にこれらの金属イオン封鎖剤のうち、本発明の効果を更に、発揮する点で、EDTA、DTPAの使用が好ましい。これらの金属イオン封鎖剤は、各々単独、もしくは2種以上混合して用いることができ、その使用量は、インキ全量に対して、0.1〜3.0%が好ましい。0.1%未満では、十分ななめらかな軽い書き味を得ることはできず、3.0%を超えると経時的に不安定となり、好ましくない。
本発明に使用する着色剤は、従来の水性インキ組成物に用いられる染料及び顔料が使用可能であり、染料では酸性染料、直接染料、塩基性染料等のいずれも用いることができる。その一例を挙げれば、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラックL−200(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー#3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、カヤラススプラブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料や、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、スミノールファストブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ダイワタートラジン(同23)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、スプラノールブルーB(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールブルー2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)等の酸性染料、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(同13)、スミアクリルイエローE−3RD(同15)、マキシロンイエロー2RL(同19)、アストラゾンイエロー7GLL(同21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(同28)、アストラゾンイエロー5GL(同51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(同30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(同12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(同15)、アストラゾンレッドGTL(同18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(同27)、マキシロンレッドGRL(同46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(同3)、アイゼンローダミンB(同10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(同3)、メチレンブルー(同9)、マキシロンブルーGRL(同41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(同54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(同4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)等の塩基性染料が挙げられる。
顔料ではアゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用することが出来る。具体例を挙げるとアニリンブラック(C.I.50440)、シアニンブラック、ナフトールエローS(C.I.10316)、ハンザエロー10G(C.I.11710)、ハンザエロー5G(C.I.11660),ハンザエロー3G(C.I.11670)、ハンザエローG(C.I.11680),ハンザエローGR(C.I.11730)、ハンザエローA(C.I.11735)、ハンザエローRN(C.I.11740)、ハンザエローR(C.I.12710)、ピグメントエローL(C.I.12720)、ベンジジンエロー(C.I.21090)、ベンジジンエローG(C.I.21095)、ベンジジンエローGR(C.I.21100)、パーマネントエローNCG(C.I.20040)、バルカンファストエロー5G(C.I.21220)、バルカンファストエローR(C.I.21135)、タートラジンレーキ(C.I.19140)、キノリンエローレーキ(C.I.47005)、アンスラゲンエロー6GL(C.I.60520)、パーマネントエローFGL、パーマネントエローH10G、パーマネントエローHR、アンスラピリミジンエロー(C.I.68420)、スダーンI(C.I.12055)、パーマネントオレンジ(C.I.12075)、リソールファストオレンジ(C.I.12125)、パーマネントオレンジGTR(C.I.12305)、ハンザエロー3R(C.I.11725)、バルカンファストオレンジGG(C.I.21165)、ベンジジンオレンジG(C.I.21110)、ペルシアンオレンジ(C.I.15510)、インダンスレンブリリアントオレンジGK(C.I.59305)、インダンスレンブリリアントオレンジRK(C.I.59105)、インダンスレンブリリアントオレンジGR(C.I.71105)、パーマネントブラウンFG(C.I.12480)、パラブラウン(C.I.12071)、パーマネントレッド4R(C.I.12120)、パラレッド(C.I.12070)、ファイヤーレッド(C.I.12085)、パラクロルオルトアニリンレッド(C.I.12090)、リソールファストスカーレット、ブリリアントファストスカーレット(C.I.12315)、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッドF2R(C.I.12310)、パーマネントレッドF4R(C.I.12335)、パーマネントレッドFRL(C.I.12440)、パーマネントレッドFRLL(C.I.12460),パーマネントレッドF4RH(C.I.12420)、ファストスカーレットVD、バルカンファストルビンB(C.I.12320)、バルカンファストピンクG(C.I.12330),ライトファストレッドトーナーB(C.I.12450)、ライトファストレッドトーナーR(C.I.12455)、パーマネントカーミンFB(C.I.12490)、ピラゾロンレッド(C.I.12120)、リソールレッド(C.I.15630)、レーキレッドC(C.I.15585)、レーキレッドD(C.I.15500)、アンソシンB(C.I.18030)、ブリリアントスカーレットG(C.I.15800)、リソールルビンGK(C.I.15825)、パーマネントレッドF5R(C.I.15865)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)、ピグメントスカーレット3B(C.I.16105)、ボルドー5B(C.I.12170)、トルイジンマルーン(C.I.12350)、パーマネントボルドーF2R(C.I.12385)、ヘリオボルドーBL(C.I.14830)、ボルドー10B(C.I.15880)、ボンマルーンライト(C.I.15825)、ボンマルーンメジウム(C.I.15880)、エオシンレーキ(C.I.45380)、ローダミンレーキB(C.I.45170)、ローダミンレーキY(C.I.45160)、アリザリンレーキ(C.I.58000)、チオインジゴレッドB(C.I.73300)、チオインジゴマルーン(C.I.73385)、パーマネントレッドFGR(C.I.12370)、PVカーミンHR、ワッチングレッド,モノライトファストレッドYS(C.I.59300)、パーマネントレッドBL、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ(C.I.42535)、ジオキサジンバイオレット、アルカリブルーレーキ(C.I.42750A、C.I.42770A)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42090)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42025)、ビクトリアブルーレーキ(C.I.44045)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、ファストスカイブルー(C.I.74180)、インダンスレンブルーRS(C.I.69800)、インダンスレンブルーBC(C.I.69825)、インジゴ(C.I.73000)、ピグメントグリーンB(C.I.10006)、ナフトールグリーンB(C.I.10020)、グリーンゴールド(C.I.12775)、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ(C.I.42000)、フタロシアニングリーン等が挙げられる。これらの着色剤の使用量は、インキ全量に対して0.5〜30重量%が好ましい。0.5重量%未満では、薄くて筆跡としての性能を果たさず、30重量%を超えるとチップ内でのドライアップが増長し書き出し性能が悪くなる傾向が有る。
着色剤に顔料を用いた場合は顔料を安定に分散させるために分散剤を使用することは差し支えない。分散剤として従来一般に用いられている水溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤など、顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。一例として、高分子分散剤として、リグニンスルホン酸塩、セラックなどの天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩、などの陰イオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの非イオン性高分子などが挙げられる。また、界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
これら水可溶性樹脂及び界面活性剤は、その1種または2種以上を選択し、併用しても使用できる。その使用量は、顔料10重量部に対し0.05〜20重量部が好ましい。0.05重量部より少ない場合は添加する目的である分散効果が弱く、20重量部より多くしてもそれ以上の分散効果が望めず不経済である。顔料の場合は、更に、水性媒体に分散した水性インキベースを用いることは、顔料インキ組成物の製造上有利なことである。具体的には、Fuji SP Black8031、同8119、同8167、同8276、同8381、同8406、Fuji SP Red 5096、同5111、同5193、同5220、Fuji SP Bordeaux 5500、Fuji SP Blue 6062、同6133、同6134、同6401、Fuji SP Green 7051、Fuji SP Yellow 4060、同4178、Fuji SP Violet 9011、Fuji SP Pink 9524、同9527、Fuji SP Orange 534、FUji SP Brown 3074、FUJI SP RED 5543、同5544(以上、富士色素(株)製)、Emacol Black CN、Emacol Blue FBB、同FB、同KR、Emacol Green LXB、Emacol Violet BL、Emacol Brown 3101、Emacol Carmmine FB、Emacol Red BS、Emacol Orange R、Emacol Yellow FD、同IRN、同3601、同FGN、同GN、同GG、同F5G、同F7G、同10GN、同10G、Sandye Super Black K、同C、Sandye Super Grey B、Sandye Super Brown SB、同FRL、同RR、SandyeSuper Green L5G、同GXB、Sandye Super Navy Blue HRL、同GLL、同HB、同FBL−H、同FBL−160、同FBB、Sandye Super Violet BL H/C、同BL、Sandye Super Bordeaux FR、Sandye Super Pink FBL、同F5B、Sandye Super Rubine FR、Sandye super Carmmine FB、SandyeSuper Red FFG、同RR、同BS、Sandye SuperOrange FL、同R、同BO、Sandye Gold Yellow5GR、同R、同3R、Sandye Ywllow GG、同F3R、同IRC、同FGN、同GN、同GRS、同GSR−130、同GSN−130、同GSN、同10GN(以上、山陽色素(株)製)、Rio Fast BlackFx 8012、同8313、同8169、Rio Fast Red Fx8209、同8172、Rio Fast Red S Fx 8315、同8316、Rio Fast Blue Fx 8170、Rio FastBlue FX 8170、Rio Fast Blue S Fx 8312、Rio Fast Green S Fx 8314(以上、東洋インキ(株)製)、NKW−2101、同2102、同2103、同2104、同2105、同2106、同2107、同2108、同2117、同2127、同2137、同2167、同2101P、同2102P、同2103P、同2104P、同2105P、同2106P、同2107P、同2108P、同2117P、同2127P、同2137P、同2167P、NKW−3002、同3003、同3004、同3005、同3007、同3077、同3008、同3402、同3404、同3405、同3407、同3408、同3477、同3602、同3603、同3604、同3605、同3607、同3677、同3608、同3702、同3703、同3704、同3705、同3777、同3708、同6013、同6038、同6559(以上、日本蛍光(株)製)、コスモカラーS1000Fシリーズ(東洋ソーダ(株)製)、ビクトリアエロー G−11、同G−20、ビクトリアオレンジ G−16、同G−21、ビクトリアレッドG−19、同G−22、ビクトリアピンク G−17、同G−23、ビクトリアグリーン G−18、同G−24、ビクトリアブルー G−15、同G−25(以上、御国色素(株)製)、ポルックスPC5T1020、ポルックスブラックPC8T135、ポルックスレッドIT1030等のポルックスシリーズ(以上、住化カラー(株)製)などが挙げられるものであり、これらは1種又は2種以上選択して併用できるものである。
本発明においてインキ組成物の粘度を調整するには通常の剪断減粘性物質を適宜調整して使用することで調整できる。例えば、剪断減粘性物質としては、HPC−SL、同L、同M、同H(以上、日本曹達(株)製)、アビセルPH−101、同102、同301、同M06、TG−101(以上、旭化成(株)製)等にセルロース及びその誘導体、ケルザン、ケルザンS、ケルザンF、ケルザンAR、ケルザンM、ケルザンD(以上、三晶(株)製)、コージン、コージンF、コージンT、コージンK(以上、(株)興人製)、ノムコート(日清製油(株)製)、イナゲルV−7、イナゲルV−7T(以上伊那食品工業(株)製)等のキサンタンガム、レオザン(三唱(株)製)等のサクシノグルカン、K1A96(三唱(株)製)等のウエランガム、K1A112、K7C2433(以上、三唱(株)製)等のラムザンガム、ジャガー8111、同8600、同HP−8、同HP−60、CP−13(以上、三唱(株)製)等のグァーガム及びその誘導体、GX−205、NA−010(昭和電工(株)製)等のN−ビニルアセトアミド重合架橋物等の水溶性合成高分子、ペミュレンTR−1、同TR−2(B.F.Goodrich社製)等のアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、スメクトンSA(スメクタイト、クニミネ工業(株)製)、クニピア−F、クニピア−G(モンモリロナイト、クニミネ工業(株)製)、ベンゲルHV、同FW、同15、同23(ベントナイト、(株)豊順洋行製)、エスベン、同C、同W、同N400(4級アンモニウムカチオン変性モンモリロナイト、(株)豊順洋行製)等の無機粘土鉱物が挙げられる。その他にもカラギーナン、ゼラチン、カゼイン、デキストラン、アルカガム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸が挙げられる。特にキサンタンガムが、大きな剪断減粘性を持つことから筆記時にインキの粘度が大きく下がりその結果として筆記時のボテや線割れが発生し難いことや、温度変化に対する安定性、pHに対する安定性、塩に対する安定性、更にアシルアミノ酸及び/又はその塩との相性から、特に好ましい。上記剪断減粘性物質は複数種を混合して使用することもできるが、その使用量は剪断減粘性物質それぞれの性質によるので一概に言えないが、一つの目安として、インキ組成物の粘度を剪断速度1000s−1において、120mPa・s以下にすると、書き味が軽くなるという点で好ましい。
インキの着色材を紙面に定着させるために結合材として各種樹脂を併用することもできる。具体的には、セラック、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、同アミン塩、同アンモニウム塩、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、同アミン塩、同アンモニウム塩、といった水溶性樹脂を用いることができる。また、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合物などの水不溶性樹脂などを用いることもできる。尚、水不溶性樹脂は、水性エマルジョン形態で使用する。
また、水と共に各種水溶性有機溶剤が、インキ組成物の乾燥防止、低温時での凍結防止などの目的で使用される。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン等が使用できる。本発明における水の使用量は、インキ組成物の全重量に対して50重量%以上が好ましい。50重量%以下の場合は相対的に水溶性有機溶剤の添加量が増加し、筆跡の乾燥性が悪くなる。
その他、上記各成分以外、従来、筆記具用の水性インキ組成物に用いられる種々の添加剤を適宜必要に応じて使用することもできる。例えば、インキ組成物の蒸発防止のためにソルビット、キシリット等の糖アルコールや尿素等を用いることができる。
さらに、アニオン系、ノニオン系、カチオン系の各種界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の表面張力調整剤、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアザリン−3−オンなどの防腐防黴剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、pH調整剤として水酸化ナトリウム、アルカノールアミン、アミン、アンモニウム等のアルカリ化剤なども用いることもできる。
水性インキを使用したボールペンに使用するボールホルダーの材質として一例を挙げると、洋泊、真鍮、ステンレス等の金属、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂等がある。ボール材質として一例を挙げると、タングステンカーバイドを主成分とした超硬、炭化珪素を主成分としたもの、ジルコニアを主成分としたもの等各種のボールが使用可能である。特に、ボール材質としては、タングステンカーバイトを主成分とし、コバルトなどを結合相とした超硬ボールが、書き味が軽くなる点で好ましい。
インキ組成物を直接充填するインキ収容管の材質としてはポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、シリコン樹脂等が使用可能であるが、透湿性、透明性、コスト等を考えるとポリプロピレン製が好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。実施例中単に「部」とあるのは「重量部」を示す。
(実施例1)
ウォーターブラック #108−L(C.I.DIRECT BLACK19の14%水溶液、オリエント化学工業(株)製) 40.0部
ケルザン AR(キサンタンガム、剪断減粘樹脂、三晶(株)製) 0.4部
エチレングリコール 10.0部
グリセリン 10.0部
ニッコール サルコシネートOH(N−オレオイルサルコシン、潤滑剤、日光ケミカルズ
(株)製) 2.7部
CWK(エチレンジアミン4酢酸のナトリウム塩混合物、金属イオン封鎖剤、オリエント
化学(株)製) 1.0部
水酸化ナトリウム 0.3部
ベンゾトリアゾール 0.5部
プロクセル GXL (1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、防腐剤、アビシア社製) 0.2部
水 34.9部
上記成分中、ケルザンARと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌して実施例1の黒色インキ組成物を得た。
ウォーターブラック #108−L(C.I.DIRECT BLACK19の14%水溶液、オリエント化学工業(株)製) 40.0部
ケルザン AR(キサンタンガム、剪断減粘樹脂、三晶(株)製) 0.4部
エチレングリコール 10.0部
グリセリン 10.0部
ニッコール サルコシネートOH(N−オレオイルサルコシン、潤滑剤、日光ケミカルズ
(株)製) 2.7部
CWK(エチレンジアミン4酢酸のナトリウム塩混合物、金属イオン封鎖剤、オリエント
化学(株)製) 1.0部
水酸化ナトリウム 0.3部
ベンゾトリアゾール 0.5部
プロクセル GXL (1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、防腐剤、アビシア社製) 0.2部
水 34.9部
上記成分中、ケルザンARと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌して実施例1の黒色インキ組成物を得た。
(実施例2)
Fuji SP Blue 6401 (顔料分19%、顔料水分散体、富士色素(株)
製) 26.0部
ケルザンT(キサンタンガム、剪断減粘樹脂、三晶(株)製) 0.3部
エチレングリコール 10.0部
グリセリン 10.0部
ニッコール サルコシネートLH(ラウロイルサルコシン、潤滑剤、日光ケミカルズ
(株)製) 1.9部
ジエチレントリアミノ5酢酸のナトリウム塩(金属イオン封鎖剤、関東化学(株)製)
0.5部
トリエタノールアミン 0.6部ベンゾトリアゾール 0.5部プロクセル GXL (前述) 0.2部水 50.0部
上記成分中、ケルザンTと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌して実施例2の青色インキ組成物を得た。
Fuji SP Blue 6401 (顔料分19%、顔料水分散体、富士色素(株)
製) 26.0部
ケルザンT(キサンタンガム、剪断減粘樹脂、三晶(株)製) 0.3部
エチレングリコール 10.0部
グリセリン 10.0部
ニッコール サルコシネートLH(ラウロイルサルコシン、潤滑剤、日光ケミカルズ
(株)製) 1.9部
ジエチレントリアミノ5酢酸のナトリウム塩(金属イオン封鎖剤、関東化学(株)製)
0.5部
トリエタノールアミン 0.6部ベンゾトリアゾール 0.5部プロクセル GXL (前述) 0.2部水 50.0部
上記成分中、ケルザンTと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌して実施例2の青色インキ組成物を得た。
(実施例3)
SANDYE SUPER BLACK C−E(顔料分28%、顔料水分散体、山陽色素(株)製) 30.0部
SP850(ヒドロキシロエチルセルロース、ダイセル化学工業(株)製) 0.4部
エチレングリコール 10.0部
グリセリン 10.0部
ニッコール サルコシネートMN(N−ミリストイルサルコシンナトリウム、潤滑剤、日
光ケミカルズ(株)製) 4.0部
シュウ酸のナトリウム塩(金属イオン封鎖剤、関東化学(株)製) 0.5部
ベンゾトリアゾール 0.5部
プロクセル GXL (前述) 0.2部
水 44.4部
上記成分中、SP850と水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌して実施例3の黒色インキ組成物を得た。
SANDYE SUPER BLACK C−E(顔料分28%、顔料水分散体、山陽色素(株)製) 30.0部
SP850(ヒドロキシロエチルセルロース、ダイセル化学工業(株)製) 0.4部
エチレングリコール 10.0部
グリセリン 10.0部
ニッコール サルコシネートMN(N−ミリストイルサルコシンナトリウム、潤滑剤、日
光ケミカルズ(株)製) 4.0部
シュウ酸のナトリウム塩(金属イオン封鎖剤、関東化学(株)製) 0.5部
ベンゾトリアゾール 0.5部
プロクセル GXL (前述) 0.2部
水 44.4部
上記成分中、SP850と水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌して実施例3の黒色インキ組成物を得た。
(実施例4)
ダイワブルー#1WB(C.I.ACID BLUE9、ダイワ化成(株)製)4.0部
ダイワレッド106WB(C.I.ACID RED52、ダイワ化成(株)製)
0.6部
エチレングリコール 10.0部
グリセリン 10.0部
ニッコール サルコシネートCN−30(N−ココイルメチルタウリンナトリウムの3
0%水溶液、潤滑剤、日光ケミカルズ(株)製) 12.0部
CWK(前述) 1.0部
ベンゾトリアゾール 0.5部プロクセル GXL (前述) 0.2部
水 61.7部
上記成分を加えて、更に2時間混合攪拌して実施例4の青色インキ組成物を得た。
ダイワブルー#1WB(C.I.ACID BLUE9、ダイワ化成(株)製)4.0部
ダイワレッド106WB(C.I.ACID RED52、ダイワ化成(株)製)
0.6部
エチレングリコール 10.0部
グリセリン 10.0部
ニッコール サルコシネートCN−30(N−ココイルメチルタウリンナトリウムの3
0%水溶液、潤滑剤、日光ケミカルズ(株)製) 12.0部
CWK(前述) 1.0部
ベンゾトリアゾール 0.5部プロクセル GXL (前述) 0.2部
水 61.7部
上記成分を加えて、更に2時間混合攪拌して実施例4の青色インキ組成物を得た。
(比較例1)
実施例1のCWKを抜いてその分水を添加した以外は実施例1と同様に為し、比較例1の黒色のインキ組成物を得た。
実施例1のCWKを抜いてその分水を添加した以外は実施例1と同様に為し、比較例1の黒色のインキ組成物を得た。
(比較例2)
実施例2のニッコール サルコシネート LHとトリエタノールアミンを抜いてその分リシノール酸ナトリウムを添加した以外は実施例2と同様に為し、比較例2の青色のインキ組成物を得た。
実施例2のニッコール サルコシネート LHとトリエタノールアミンを抜いてその分リシノール酸ナトリウムを添加した以外は実施例2と同様に為し、比較例2の青色のインキ組成物を得た。
(比較例3)
実施例3のシュウ酸のナトリウム塩を抜き、水を1.5部減じ、その分ニッコール サルコシネート MNを2.0部追加した以外は実施例3と同様に為し、比較例3の黒色のインキ組成物を得た。
実施例3のシュウ酸のナトリウム塩を抜き、水を1.5部減じ、その分ニッコール サルコシネート MNを2.0部追加した以外は実施例3と同様に為し、比較例3の黒色のインキ組成物を得た。
(比較例4)
比較例1のケルザンARを抜き、水を添加した以外は比較例1と同様に為し、比較例4の黒色のインキ組成物を得た。
比較例1のケルザンARを抜き、水を添加した以外は比較例1と同様に為し、比較例4の黒色のインキ組成物を得た。
(比較例5)
比較例2のケルザンTを抜き、水を添加した以外は比較例2と同様に為し、比較例5の青色のインキ組成物を得た。
比較例2のケルザンTを抜き、水を添加した以外は比較例2と同様に為し、比較例5の青色のインキ組成物を得た。
(比較例6)
比較例2のジエチレントリアミノ5酢酸のナトリウム塩を抜き、水を添加した以外は比較例2と同様に為し、比較例6の青色のインキ組成物を得た。
比較例2のジエチレントリアミノ5酢酸のナトリウム塩を抜き、水を添加した以外は比較例2と同様に為し、比較例6の青色のインキ組成物を得た。
以上、実施例1〜4及び比較例1〜6の各インキ組成物を、タングステンカーバイドを主成分とする直径0.7mmのボールを抱持したステンレスチップを装着したポリプロピレン製のパイプに充填し、インキ組成物の後端界面部分にポリブテンを微粒子シリカとデキストリン脂肪酸エステルでゲル化した逆流防止体を注入して水性ボールペンとし試験用サンプルとした。各試験の結果を表1に示す。
書き味官能試験
実施例1〜4、比較例1〜6のボールペンを2本ずつ用意し、一対比較法(参考文献:新版官能検査ハンドブック日本科学技術連盟 著)にて書き味に対する、官能評価を行った。
一対比較法は、二つのものを比較して、順位或いは評点を付けることができる。官能評価方法としては、実施例1〜4、比較例1〜6を、無作為に番号付けを行う(例えば、T1=実施例1、T2=比較例3など)。各サンプルを対にして、書き味の軽さを、Ti(Ti≠Tj)はサンプルTj(Ti≠Tj)よりも大変軽い(+2)、サンプルTiはサンプルTjよりも軽い(+1)、TiとTjは同じくらい(0)、TiはTjよりも重い(−1)、TiはTjよりも大変重い(−2)、の5段階にて評価を行い、全ての実施例、比較例の組合せを相対比較にて、点数付けを行った。評価者の半数は、Ti→Tjの順で評価し、残りの半数は、Tj→Tiの順で評価を行う。評価者は、20人で行った。これらの集計データを評点の出現度数と集計表などを用い、主効果αiを算出し、その効果を確かめる。軽い書き味であれば、αiがより低い値に、重い書き味であれば、高い値となる。
実施例1〜4、比較例1〜6のボールペンを2本ずつ用意し、一対比較法(参考文献:新版官能検査ハンドブック日本科学技術連盟 著)にて書き味に対する、官能評価を行った。
一対比較法は、二つのものを比較して、順位或いは評点を付けることができる。官能評価方法としては、実施例1〜4、比較例1〜6を、無作為に番号付けを行う(例えば、T1=実施例1、T2=比較例3など)。各サンプルを対にして、書き味の軽さを、Ti(Ti≠Tj)はサンプルTj(Ti≠Tj)よりも大変軽い(+2)、サンプルTiはサンプルTjよりも軽い(+1)、TiとTjは同じくらい(0)、TiはTjよりも重い(−1)、TiはTjよりも大変重い(−2)、の5段階にて評価を行い、全ての実施例、比較例の組合せを相対比較にて、点数付けを行った。評価者の半数は、Ti→Tjの順で評価し、残りの半数は、Tj→Tiの順で評価を行う。評価者は、20人で行った。これらの集計データを評点の出現度数と集計表などを用い、主効果αiを算出し、その効果を確かめる。軽い書き味であれば、αiがより低い値に、重い書き味であれば、高い値となる。
経時試験後の書き味官能試験
実施例1〜4、比較例1〜6のボールペンを、50℃30%恒温層に1ヶ月間放置し、放置後のサンプルを2本ずつ用意し、一対比較法にて、書き味に対する官能評価を前述と同じように行った。
実施例1〜4、比較例1〜6のボールペンを、50℃30%恒温層に1ヶ月間放置し、放置後のサンプルを2本ずつ用意し、一対比較法にて、書き味に対する官能評価を前述と同じように行った。
筆跡の滲み性:
JIS P3201筆記用紙Aに筆記したときの紙の繊維に沿って横に広がったヒゲ状の滲みの筆記線1cm当たりの数を顕微鏡下目視で確認した。
JIS P3201筆記用紙Aに筆記したときの紙の繊維に沿って横に広がったヒゲ状の滲みの筆記線1cm当たりの数を顕微鏡下目視で確認した。
本発明は、インキ収容管に直接インキ組成物を充填する構造のボールペンに使用し、筆跡の滲みが少なく、なめらかな軽い書き味を得られる水性ボールペン用のインキ組成物である。
Claims (4)
- 少なくとも水と、着色剤と、潤滑剤がN−アシルアミノ酸及び/又はその塩と、金属イオン封鎖剤からなるボールペン用水性インキ組成物。
- 更に、剪断減粘性樹脂を含む、請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
- 前記金属イオン封鎖剤がエチレンジアミン4酢酸のナトリウム塩である請求項1又は請求項2記載のボールペン用水性インキ組成物。
- 前記剪断減粘性樹脂がキサンタンガムである、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006126684A JP2007297518A (ja) | 2006-04-28 | 2006-04-28 | ボールペン用水性インキ組成物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014065759A (ja) * | 2012-09-24 | 2014-04-17 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 筆記具用水性インク組成物 |
JP2015105280A (ja) * | 2013-11-28 | 2015-06-08 | ぺんてる株式会社 | ボールペン用水性インキ組成物 |
JP2017082068A (ja) * | 2015-10-27 | 2017-05-18 | 株式会社パイロットコーポレーション | 水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン |
CN114609128A (zh) * | 2022-03-04 | 2022-06-10 | 上海臻臣化妆品有限公司 | 测定蜗牛糖胺聚糖含量的方法及其用途 |
-
2006
- 2006-04-28 JP JP2006126684A patent/JP2007297518A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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