JP2007291019A - 抗菌性試験用標準試験片、その製造方法、及び抗菌性試験方法 - Google Patents

抗菌性試験用標準試験片、その製造方法、及び抗菌性試験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、従来の実情に鑑みてなされたものであって、正確に、再現性よく抗菌効果を発現できる抗菌性試験用標準試験片および試験方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
発明者は、鋭意検討を行なった結果、無機系抗菌剤を樹脂に練り込んで成形した後、この成形品の表面を剥離処理したものを用いることにより、抗菌性試験において、正確に、再現性よく抗菌効果を発現できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【選択図】 なし

Description

本発明は、抗菌性試験用の抗菌活性が一定の効力で発現する標準試験片、その製造方法、及び抗菌性試験方法に関する。
近年、より快適な住環境が求められる中で、抗菌性塗料、抗菌性フィルム・シート、抗菌性トイレタリー製品、抗菌性台所用品、抗菌性電気製品などのいわゆる「抗菌加工製品」が広く普及している。抗菌加工製品は、製品表面における細菌の増殖を抑制するために、プラスチック、金属、セラミックス、塗料等からなる基体上に抗菌加工を施したものである。抗菌加工のためには、銀、銅、亜鉛といった金属を含有する無機系抗菌剤、ヒノキチオール、キトサンといった天然系抗菌剤、及びピリジン系、イミダゾール系等といった有機系抗菌剤等の抗菌剤が用いられている。
これら抗菌加工製品の抗菌効果を評価する規格として、日本では、経済産業省(旧通商産業省)の生活関連新機能加工製品懇談会が発表した抗菌製品ガイドラインに対応し、JIS Z 2801:2000「抗菌 加工製品−抗菌 性試験 方法・抗菌 効果」が規定されている。この規格は、黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus)及び大腸菌(Escherichia coli)を、抗菌加工製品及び無加工製品に接種し、それらを培養した後、それぞれの生菌数の対数値の差を抗菌活性値とし、この抗菌活性値により抗菌加工製品の抗菌効果を評価する規格である。
また、工業標準化法に基づく試験事業者認定制度(JNLA)において、抗菌性試験が認定区分に加えられ、当該分野の試験所認定も開始された。
抗菌加工製品は、日本国内のみでなく、アジア地域や欧米においても広く普及し始めている。そういった中、抗菌加工製品に関する規格は、国家規格(JIS Z 2801:2000)から国際規格(ISO規格)へステップアップすることが求められており、実際にISO規格化が進められている。国際的市場において、国際基準適合を受けている信頼性のある試験所で得られたデータが世界中で受入れられるような仕組み(One-Stop-Testing)が構築出来れば、国内外の抗菌加工製品市場における意義は極めて大である。
そのためには、一定の技術水準を有している試験機関であれば一定の抗菌活性値を発現させることができる安定的な抗菌性試験用標準試験片が必要不可欠である。
特許文献1に、抗菌性試験用標準試験片が記載されている。この抗菌性試験用標準試験 片は、水溶性樹脂及び水溶性抗菌剤を含む抗菌性水溶性樹脂層をプラスチックフィルムに形成してなる抗菌性試験用標準試験片である。この抗菌性試験用標準試験片を用いてJIS Z 2801の抗菌性試験を行なった場合、水溶性樹脂及び水溶性抗菌剤がすべて試験菌液に溶解すれば、全ての抗菌成分が抗菌作用に寄与すると考えられため、抗菌効果を正確かつ高い再現性の下で評価することが可能であると考えられる。
しかし、現実には、水溶性樹脂が菌液に必ずしも均一に溶解しないことから、一部の抗菌成分が水溶性樹脂内に保持されたままになり、これが抗菌効果のバラツキにつながる問題がある。
特許文献2には、基板表面に第1結合層を形成させ、その第1化合物に特異的に結合し、かつ個々の分子が一定量の抗菌 成分を保持可能な第2化合物からなる第2結合層と、当該第2化合物の分子毎に露出状態で保持された該抗菌成分とからなる抗菌性試験用標準片が請求項1に示されている。さらに請求項2には、基板は表面が疎水性のもの、第1化合物はステロール、第2化合物はステロール結合性タンパク質であることが示されている。
当該発明では、ステロール結合性タンパク質は、ステロール上で結合して一層のタンパク質の膜を形成し、単位面積当たりに一定量で配列されると考えられることから、タンパク質は抗菌成分も一定量保持可能であると推定して抗菌性試験用標準片を作製しているが、正確かつ高い再現性が得られることを確認していない。また、当該抗菌性試験用標準片は、いわゆるバイオテクノロジーを利用しているため、高価格となること、及び量産しにくいといった問題がある。
特開2002−95497号公報 特開2006−14709号公報
本発明は、従来の実情に鑑みてなされたものであって、正確に、再現性よく抗菌効果を発現できる抗菌性試験用標準試験片および試験方法を提供することを課題とする。
発明者は、鋭意検討を行なった結果、無機系抗菌剤を樹脂に練り込んで成形した後、この成形品の表面を剥離処理したものを用いることにより、抗菌性試験において、正確に、再現性よく抗菌効果を発現できることを見出し、本発明を完成するに到った。すなわち、本発明は、
(1)無機系抗菌剤を樹脂に練り込んだ成形品の表面剥離処理を行ったことを特徴とする抗菌性試験用標準試験片であり、
(2)無機系抗菌剤が銀を含有する無機系抗菌剤である前記(1)記載の抗菌性試験用標準試験片であり、
(3)銀を含有する無機系抗菌剤が、銀担持リン酸ジルコニムである前記(2)記載の抗菌性試験用標準試験片であり、
(4)樹脂がポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ABS樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアセタール、及びポリカーボネイトから選らばれる1種または2種以上である前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の抗菌性試験用標準試験片であり、
(5)成形品の表面を0.1〜500μm剥離処理した前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の抗菌性試験用標準試験片であり、
(6)成形品の表面剥離処理の方法が、サンドペーパー剥離、バフ剥離、サンドブラスト剥離、及び表面切削剥離から選ばれる1種または2種以上である前記(5)記載の抗菌性試験用標準試験片であり、
(7)無機系抗菌剤を樹脂に練り込んで成形した後、当該成形品の表面剥離処理を行うことを特徴とする抗菌性試験用標準試験片の製造方法であり、
(8)前記(1)〜(6)のいずれか1項記載の抗菌性試験用標準試験片を用いて抗菌性試験を行なう方法である。
本発明の抗菌性試験用標準試験片は、抗菌性試験において、正確に、そして再現性よく抗菌効果を発現できる。しかも、安価でかつ製造が容易である。よって、本発明の抗菌性試験用標準試験片は、試験事業者認定制度における抗菌性試験の標準として、また抗菌性試験の国際基準制定に向けての抗菌性試験用の標準試験片として有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、抗菌剤を樹脂に練り込んで成形するため、抗菌剤には耐熱性が要求される。よって、本発明においては無機系抗菌剤が用いられる。無機系抗菌剤は、銀、銅、亜鉛等の抗菌性金属を含有するものが知られているが、抗菌性能が高く、かつ安全性の高い銀を含有するものが好ましい。銀含有無機系抗菌剤として、銀担持ゼオライト、銀担持リン酸ジルコニウム、銀担持ケイ酸カルシウム、銀担持酸化チタン、銀含有ヒドロキシアパタイト、銀含有リン酸カルシウム、および銀含有ガラス等が挙げられるが、銀担持ゼオライト、銀担持リン酸ジルコニウム、銀担持ケイ酸カルシウム、および銀含有リン酸カルシウムが好ましく、銀担持リン酸ジルコニウムが特に好ましい。銀担持リン酸ジルコニウムは、吸湿性が低い、粒径が揃っている、耐熱性が高いといった特徴があるため、本用途に用いる抗菌剤として最も適しており、東亞合成(株)より、ノバロンの商品名で販売されている。
本発明に用いる樹脂は、特に限定はなく、天然樹脂、半合成樹脂及び合成樹脂のいずれであってもよい。具体的な樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ABS樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、メラミン樹脂、ユリア樹脂、四ふっ化エチレン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂及びフェノール樹脂等のプラスチック等がある。このうち成形のしやすさから熱可塑性樹脂が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ABS樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアセタール、及びポリカーボネイトが特に好ましい。
本発明において、成形品を作製するための無機系抗菌剤の樹脂への練り込み量は、0.05〜3重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜2重量%である。この範囲内であると抗菌活性が安定して発現するので好ましい。
成形品の表面を剥離処理することにより、本発明の抗菌性試験用標準試験片を得ることができる。この剥離処理とは、成形品の表面を0.1〜500μmの厚さで剥離することであり、好ましは0.3〜300μmの厚さで剥離するものである。
表面剥離の処理方法として、サンドペーパー剥離、バフ剥離、研削加工、サンドブラスト加工、表面切削加工、及びレーザー加工等が挙げられる。これらのうち、サンドペーパー研磨、バフ研磨、サンドブラスト加工、及び/又は表面切削加工が本発明において好ましい。なお、ここでいうサンドペーパーとは、サンドペーパーの通常サンドペーパーとして販売されているもの以外に、ラッピングフィルムと呼ばれている微細研磨用フィルムも含む。
以下に、表面剥離処理の意味およびメカニズムについて詳述する。
無機系抗菌剤を樹脂に練り込んで成形した場合、成形品表面は特殊な状態となっている。すなわち、樹脂表面近傍に存在する無機系抗菌剤の表面が薄い樹脂層に覆われていることが多い。単純に走査型電子顕微鏡観察を行なっただけでは、この薄い樹脂層は確認できないが、加速電圧を変えて観察することにより確認が可能である。走査型電子顕微鏡観察においては、高加速された電子が、樹脂表面だけでなく樹脂内部にまで到達するため、樹脂内部に存在する無機系抗菌剤も視認される。樹脂内部への到達距離は電子の加速電圧が高いほど長くなるため、例えば加速電圧15kVで観察した場合に無機系抗菌剤が視認され、5kVで観察した場合に視認されなかった場合、無機系抗菌剤が樹脂表面に頭出しされていない、すなわち無機系抗菌剤の表面が薄い樹脂層に覆われていることが確認できる。
無機系抗菌剤を樹脂に練り込んだ成形品が抗菌性能を発現されるためには、無機系抗菌剤が成形品表面から頭出しされていることが必要である。しかし、上述のごとく成形品表面は特殊な状態となっているため、同じ条件で成形しても、その時のわずかな条件の違い、すなわち、わずかな水分量の違い、わずかな成形機の温度の違い、樹脂ロットの違い等により安定した抗菌性能を発現する成形品を作製することは困難である。
しかし、抗菌剤が均一に練り込まれていれば、内部は均一であるため、成形品表面の薄い樹脂層を排除してやれば、安定した抗菌性能を発現させることが可能となる。JIS Z 2801は、通常、50mm四方の試験片が用いられるため、微視的な領域での均一性は不要で、50mm四方の面積レベルで均一であればよい。
本発明のサンドペーパー剥離として用いるサンドペーパーの砥粒の大きさは特に限定されないが、#500〜#10,000が好ましく、より好ましくは#800〜5,000であり、更に好ましく#1,000〜3,000である。このサンドペーパー剥離の方法は、サンドペーパーを手に持って所定方向に所定回数研磨してもよいが、研磨作業によるバラツキを低減させるため、サンドペーパーを研磨機に固定し一定速度で回転させ、その上に、研磨すべき樹脂片を一定加重で一定時間押し付ける方法が好ましい。
サンドペーパー剥離の程度であるが、成形品表面の薄い樹脂層を排除してやればよいが、作製した試験片のより最適条件は異なるため、その試験片ごとに最適サンドペ−パー剥離条件を選定してやればよい。
成形品の表面を上記記載の厚さで剥離できれば、この剥離処理に用いるサンドペーパーの砥粒はどのようなものでも良い。例えば、#1000のサンドペーパーを用いて、25cm2の成形品に対して1〜30kgの加重をかけて3〜50回剥離操作を行うことにより実施できる。
バフ剥離は、金属製品や樹脂製品等の表面をバフという研磨布によって剥離させる方法である。バフ剥離の方法として、固定されたバフ研磨機に対して、被研磨体を手に持ってバフ剥離する方法、バフ研磨機を手に持って、被研磨体をバフ剥離する方法、あるいは、連続式バフ剥離方法等が挙げられる。このうち、バフ剥離作業によるバラツキを低減させるため、連続式バフ剥離方法が好ましい。
バフ剥離の程度であるが、成形品表面を上記記載の厚さで排除してやればよいが、作製した試験片のより最適条件は異なるため、その試験片ごとに最適バフ剥離条件を選定してやればよい。
研削加工は、グラインダー等の砥石を用いて表面を剥離する方法である。研削加工方法として、固定されたバフ研磨機に対して、成形品を手に持って研削加工する方法、研削加工機を手に持って、成形品を研削加工する方法等が挙げられる。
研削加工の程度であるが、成形品表面を上記記載の厚さで排除してやればよいが、作製した試験片のより最適条件は異なるため、その試験片ごとに最適研削加工条件を選定してやればよい。
サンドブラスト加工は、砥粒を高速で成形品に吹き付けることにより剥離加工を施す方法である。サンドブラスト加工方法として、固定されたサンドブラスト加工機に対して、成形品を手に持ってサンドブラスト加工する方法、サンドブラスト加工機を手に持って、成形品をサンドブラスト加工する方法、あるいは、連続式サンドブラスト加工方法等が挙げられる。このうち、サンドブラスト加工作業によるバラツキを低減させるため、連続式サンドブラスト加工方法が好ましい。
サンドブラスト加工の程度であるが、成形品表面を上記記載の厚さで排除してやればよいが、作製した試験片のより最適条件は異なるため、その試験片ごとに最適サンドブラスト加工条件を選定してやればよい。
表面切削加工は、成形品の表面を一定の厚みで、あるいは切削後の厚みを設定して切削する方法である。切削で削り取る厚みは、成形品表面を上記記載の厚さで排除できればいずれでもかまわない。
レーザー加工方法は、成形品表面にレーザーを走査することにより表面を剥離させる方法である。レーザーは、微弱なものから成形品を瞬時に貫通させてしまうほど強力なものまであるが、成形品表面の薄い樹脂層を排除するという目的においては、1から5W程度のレーザーが好ましい。
これらの方法のうち、砥粒、研磨剤を用いる方法では、成形品表面を剥離させる加工を施した後、その表面に砥粒、研磨剤が残存することがある。これらに抗菌性能が全くなければ、抗菌性試験用標準試験片として影響を与えることはないが、多少なりとも抗菌性能へ影響するものであれば、バラツキの原因となる。また、成形品の表面剥離処理を行った後、成形品に練り込まれた無機系抗菌剤が脱離し、その表面に残存していると、バラツキの原因となる。よって、残存する砥粒、研磨剤、及び成形品から完全に脱離した無機系抗菌剤粒子を確実に除去する必要がある。その方法として、エアーブロ−、アルコール等の液体で表面を拭く、アルコール等の液体中で洗浄する、またはアルコール等の液体中で超音波洗浄する等が挙げられ、これらを組み合わせてもよい。
JIS Z 2801によれば、「抗菌効果」について、「抗菌加工製品の抗菌効果は、この規格の試験方法によって得られる抗菌活性値が2.0以上とする。なお、受渡当事者間の協定によって、2.0を上回る数値を用いてもよい。」と記載されている。よって、
抗菌性試験用標準試験片としての抗菌活性値の設定値は、2以上、3以下が好ましい。
また、同JISの解説には、「一般的に、寒天平板培地による細菌数計測では、1桁(対数値で1)の相違は起こる可能性があると考えられている。」との記述がある。よって、抗菌性試験用標準試験片として抗菌活性値の繰り返し誤差の標準偏差がおよそ0.5以下であることが望ましい。
<実施例>
以下、本発明をさらに具体的に説明するが、これに限定されるものではない。なお、%は重量%である。
銀担持リン酸ジルコニウム(東亞合成(株)製ノバロンAG300)を10%含有する低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂マスターバッチを作製した。
このマスターバッチ、及び希釈樹脂としてポリプロピレン(PP)樹脂を用いて、無機系抗菌剤の含有量が0.15、0.20、及び0.25%となるように、射出成形機で無機系抗菌剤含有試験片を作製した。なお、試験片の大きさは、50mm×50mm×2mmである。
#1,000サンドペーパーで、試験片の表面を縦、横各10回ずつ剥離処理した後、エアーブローして剥離片を除去した。
上記操作を日を変えて3回実施した(A,B,Cとする)。
JIS Z 2801によって抗菌性試験を実施し、この結果を表1に示した(今後、抗菌性試験と言えば、JIS Z 2801によるものである)。
また、サンドペーパー剥離処理しなかったものについても同様に抗菌性試験を実施し、比較例とした。その結果を表1に示した。
Figure 2007291019
銀担持ゼオライト(富士ケミカル(株)製バクテキラーBM−502FC)を10%含有するLDPE樹脂マスターバッチを作製した。
このマスターバッチ、及び希釈樹脂としてLDPE樹脂を用いて、無機系抗菌剤の含有量が1.0、1.2、1.4、および1.8%となるように、射出成形機で無機系抗菌剤含有試験片を作製した。なお、試験片の大きさは、50mm×50mm×2mmである。
#1000サンドペーパーで、試験片の表面を縦、横各10回ずつ剥離処理した後、エアーブローして剥離片を除去し、抗菌性試験を実施した。その結果を表2に示した。
Figure 2007291019
実施例1と同様にPP樹脂試験片を作製し、下記条件でサンドブラスト剥離処理し、剥離表面をエタノールで拭いた。
別の日に実施例1と同様にPP樹脂試験片を作製し、同条件でサンドブラスト剥離処理した。試験片をエタノール中に浸漬し、1分間超音波洗浄して剥離片を除去した。これら試験片の抗菌性試験を実施し、その結果を表3に示した。
○サンドブラスト剥離処理条件
1)砥粒(White Alandom) #220
2)噴射圧 0.35MPa
3)加工時間 10秒
Figure 2007291019
実施例1と同様にPP樹脂試験片を作製し、バフ剥離処理を行なった。目視で全面が均一に剥離できた状態を終点とした。試験片をエタノール中に浸漬し、1分間超音波洗浄して剥離片を除去した。これら試験片の抗菌性試験を実施した。その結果を表4に示した。
Figure 2007291019
実施例1と同様にPP樹脂試験片を作製し(無機系抗菌剤添加量は2.0%)、切削後の厚みが1.8mmになるよう、表面切削加工を行なった。試験片をエタノール中に浸漬し、1分間超音波洗浄して剥離片を除去した。これら試験片の抗菌性試験を異なる試験機関3ケ所で実施した。その結果を表5に示した。
Figure 2007291019
本発明の抗菌性試験用標準試験片は、抗菌活性を再現性良く発現できることから、試験事業者認定制度における抗菌性試験の標準として使用でき、また抗菌性試験の国際基準制定に向けての抗菌性試験用標準試験片として利用できる。

Claims (8)

  1. 無機系抗菌剤を樹脂に練り込んだ成形品の表面剥離処理を行ったことを特徴とする抗菌性試験用標準試験片。
  2. 無機系抗菌剤が銀を含有する無機系抗菌剤である請求項1記載の抗菌性試験用標準試験片。
  3. 銀を含有する無機系抗菌剤が、銀担持リン酸ジルコニムである請求項2記載の抗菌性試験用標準試験片。
  4. 樹脂がポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ABS樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアセタール、及びポリカーボネイトから選らばれる1種または2種以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の抗菌性試験用標準試験片。
  5. 成形品の表面を0.1〜500μm剥離処理した請求項1〜4のいずれか1項記載の抗菌性試験用標準試験片。
  6. 成形品の表面剥離処理の方法が、サンドペーパー剥離、バフ剥離、サンドブラスト剥離、及び表面切削剥離から選ばれる1種または2種以上である請求項5記載の抗菌性試験用標準試験片。
  7. 無機系抗菌剤を樹脂に練り込んで成形した後、当該成形品の表面剥離処理を行うことを特徴とする抗菌性試験用標準試験片の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項記載の抗菌性試験用標準試験片を用いて抗菌性試験を行なう方法。
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