JP6133551B2 - 銀超微粒子含有分散液及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、銀超微粒子含有分散液及びその製造方法に関するものであり、より詳細には銀超微粒子が低沸点溶媒中に凝集・沈殿することなく分散し、抗菌性及び透明性に優れた分散液及びその製造方法に関する。
近年、医療用品や、台所、浴室、洗面所等高温多湿の条件下で使用される容器等の細菌や黴等が繁殖しやすい場所で用いられる製品以外にも、例えば、吊り革等のように公共の場所で使用されるもの、或いは壁紙や建具等の住宅関連部材、エアコン等のフィルター、更には文具等、種々の製品に抗菌性能が求められていることから、種々の抗菌性組成物が提案されている。
このような抗菌性組成物としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂に抗菌剤を含有させて成る成形体や、塗料に抗菌剤を含有させて成る塗膜、或いは溶媒中に抗菌剤を分散させてなる分散液等種々の形態で提供されている。
例えば、下記特許文献1には、溶媒と、銀ナノ粒子と、安定剤とを含む組成物が記載されており、また下記特許文献2には、有機銀系抗菌剤と有機系抗菌剤とを含有する抗菌性組成物が記載されている。
また下記特許文献3には、光硬化性アクリル系樹脂に銀塩が含有されて成る抗菌性被覆用光硬化性組成物が記載されており、更に、下記特許文献4には、光硬化性樹脂に抗菌剤及び/又は防黴剤を含有させてなる、抗菌性等を有する各種ディスプレイ用保護板等の樹脂成形体が提案されている。
特表2008−508321号公報 特開2010−248124号公報 特開平8−311373号公報 国際公開第2011/007650
上記特許文献1に記載された組成物は、溶媒中に銀ナノ粒子を分散してなる分散液からなるものであるが、銀ナノ粒子を凝集することなく分散させることは困難であり、凝集を防止するために安定化剤が必須であり、また透明性及び銀の効率的な利用という点で、未だ充分満足するものではない。
また特許文献2に記載された組成物においては、特許文献1のように予め成形された成形体に上記物質を施すのではなく、樹脂との組み合わせにより樹脂成形体自体に抗菌性能を付与することが可能であり、生産性や効果の持続性等の点で有利であるが、銀等の高価な物質を従来の配合量よりも少ない含有量で従来と同等以上の抗菌性能を発揮するには未だ充分満足するものではない。
更に特許文献3及び4記載の樹脂組成物のように、光硬化性のアクリル系樹脂に銀塩を配合してなる樹脂組成物においては、銀塩を効率よくアクリル系樹脂に均一に分散させることが難しく、抗菌性能と経済性の両方を兼ね備えた樹脂組成物を得ることができないことから、優れた抗菌性能を発揮可能な銀超微粒子を凝集させることなく樹脂組成物中に含有させることが望まれている。
従って本発明の目的は、銀超微粒子が凝集することなく分散し、優れた抗菌性能を有すると共に、透明性にも顕著に優れた銀超微粒子含有分散液を提供することである。
本発明の他の目的は、銀超微粒子生成時の副生成物を有効に除去可能で、優れた抗菌性能及び透明性を有する分散液の製造方法を提供することである。
本発明によれば、120℃以上の沸点を有する高沸点溶媒に、脂肪酸銀とサッカリンを1:0.01〜1:5の配合比(重量比)で添加し、これを120℃以上且つ前記脂肪酸銀の分解開始温度未満の温度で加熱混合することにより銀超微粒子分散高沸点溶媒を調製し、該銀超微粒子分散高沸点溶媒を、沸点が前記高沸点溶媒の沸点よりも小さく且つ前記高沸点溶媒と二相分離可能な低沸点溶媒と混合した後、前記高沸点溶媒及び低沸点溶媒を二相分離すると共に、高沸点溶媒から低沸点溶媒中に銀超微粒子を移行することを特徴とする銀超微粒子含有分散液の製造方法が提供される。
発明の銀超微粒子含有分散液の製造方法においては、前記低沸点溶媒が、メチルイソブチルケトン又はメチルエチルケトンであり、前記高沸点溶媒がエチレングリコールグリコール、ジエチレングリコール、グリセリンの何れかであること、が好適である。
本発明の銀超微粒子含有分散液においては、平均粒径100nm以下の銀超微粒子が凝集することなく分散していると共に、銀超微粒子生成時に副生される脂肪酸が除去されていることから透明性に優れている。また銀超微粒子が凝集することなく分散していることから透明性に優れていると共に、効率よく抗菌性能を発現することができる。尚、抗菌とは、菌の増殖や繁殖を抑制するものを示す。
また本発明の銀超微粒子含有分散液においては、銀超微粒子は低沸点溶媒中に分散していることから、塗料組成物や樹脂組成物等の希釈溶剤として好適に使用することができ、優れた抗菌性能を塗膜や樹脂成形体に付与することができる。
更に本発明の銀超微粒子含有分散液においては、抗菌性能を有する銀含有化合物を有効に利用することができるため、銀含有化合物の配合量を低減させることができ、経済性に、も優れている。
本発明の銀超微粒子含有分散液の製造方法においては、抗菌性能に優れた銀超微粒子を比較的簡単な操作で低沸点溶媒中に凝集することなく分散できると共に、分散液の透明性に影響を与える副生物を効率的に除去することが可能であり、生産性にも優れている。分散媒が低沸点溶媒であるため、塗料などの樹脂組成物への抗菌性付与用途に好適である。
本発明のこのような効果は、後述する実施例の結果からも明らかである。
すなわち、本発明の銀超微粒子分散液においては、90%以上の透過率を有していることから明らかなように、銀超微粒子が凝集することなく均一分散し、脂肪酸等の副生物が有効に除去されていることが明らかである。また脂肪酸銀の含有量が0.05〜0.1重量%と少ない量であっても優れた抗菌性能が得られることが明らかである(実施例1〜5)。
これに対して、抗菌成分として脂肪酸銀とサッカリンの組合せ以外を用いた場合には、実施例と同様の溶剤を用い、同様の操作を行った場合でも、透明性が多少劣ると共に所望の抗菌性能が得られていない(比較例1〜4)。
また、本発明で用いる抗菌成分を用いた場合であっても、二相分離を行わず、または二層分離しない場合、高沸点溶媒中に銀超微粒子が分散された状態のままでは、副生物がそのまま存在するため透明性に劣ると共に、塗工工程において高沸点溶媒の除去ができないため、所望の塗膜が形成できず、抗菌性能も劣っていることが明らかである(比較例5、6)。
(抗菌成分)
本発明の銀超微粒子含有分散液は、銀超微粒子を形成する抗菌成分として、脂肪酸銀を用いる場合にはとサッカリンとの組合せを用いることが重要な特徴である。
脂肪酸銀とサッカリンとの配合比は、重量比で1:0.01乃至1:5、特に1:0.1乃至1:1の範囲にあることが好ましい。上記範囲を外れると銀超微粒子形成に使用されない成分が増加し、経済性に劣るだけでなく、透明性が低下するおそれがある。
本発明において、サッカリンとの組合せで用いられる脂肪酸銀における脂肪酸としては、ミリスチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,パルミチン酸,n−デカン酸,パラトイル酸,コハク酸,マロン酸,酒石酸,リンゴ酸,グルタル酸,アジピン酸、酢酸等を挙げることができ、中でもステアリン酸を好適に使用することができる。最も好適な脂肪酸銀としては、ステアリン酸銀を挙げることができる。
(高沸点溶媒)
本発明において、抗菌成分を最初に添加する高沸点溶媒は、使用する低沸点溶媒よりも高い沸点を有する溶媒を意味する。
すなわち本発明においては、抗菌成分が添加された高沸点溶媒を加熱することにより、溶媒中で銀超微粒子を形成することから、脂肪酸銀の分解開始温度未満の温度で加熱することにより、溶媒の揮発なしに分散液を調製することが可能になる。
このような高沸点溶媒としては、好適には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等を好適に用いることができる。
(低沸点溶媒)
本発明の銀超微粒子含有分散液において、銀超微粒子を含有する分散媒として使用される低沸点溶媒は、上記高沸点溶媒の沸点よりも小さく且つ高沸点溶媒と二相分離可能な溶媒であり、これにより、高沸点溶媒から銀超微粒子を移行させると共に、高沸点溶媒を副生物と共に除去することが可能になる。
低沸点溶媒の沸点は、好適には40乃至100℃の範囲にあることが、本発明の分散液を他の樹脂組成物との組合せで使用する場合の生産性や取扱性等の点から望ましい。
このような低沸点溶媒としては、高沸点溶媒として上述したグリコール類を使用する場合には、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等を効果的に使用することができる。
(銀超微粒子含有分散液の製造方法)
本発明の銀超微粒子含有分散液は以下の方法によって調製される。
(1)第一工程
脂肪酸銀とサッカリンの組合せをまず、高沸点溶媒に添加し、用いる脂肪酸銀の分解開始温度未満の温度で1乃至30分間加熱混合することにより、銀超微粒子を高沸点溶媒中に形成する。好適には、120℃以上でかつ、脂肪酸銀の分解開始温度未満の温度範囲で加熱することにより、銀化合物が溶解されやすく、溶解した銀化合物が還元されやすいため、銀超微粒子を形成しやすい。
この際、抗菌成分である脂肪酸銀は、高沸点溶媒100重量部当り0.1乃至5重量部の量で配合することが望ましい。上記範囲よりも脂肪酸銀の配合量は少ない場合には、充分な抗菌性能を分散液に付与することができず、その一方上記範囲よりも脂肪酸銀の配合量が多ければ、より抗菌効果を高くすることが可能であるが、経済性及び成形性の点で好ましくない。
(2)第二工程
次いで、かかる銀超微粒子含有高沸点溶媒に低沸点溶媒を添加混合して混合液を調製する。
低沸点溶媒の添加量は、使用する抗菌成分の含有量等によって異なり、一概に規定できないが、高沸点溶媒100重量部に対して10乃至100重量部の範囲にあることが望ましい。
(3)第三工程
高沸点溶媒及び低沸点溶媒の混合液を0乃至40℃の温度で30乃至600分静置することにより、高沸点溶媒及び低沸点溶媒を相分離させた後、高沸点溶媒を除去する。
混合液が相分離されると、混合液中に存在していた銀超微粒子は低沸点溶媒側に移行し、銀超微粒子生成によって副生されたステアリン酸等の脂肪酸の多くは高沸点溶媒中に存在することから、高沸点溶媒を除去することによって、低沸点溶媒中に銀超微粒子が分散した分散液を得ることができる。
尚、高沸点溶媒の除去は、単蒸留、減圧蒸留、精密蒸留、薄膜蒸留、抽出、膜分離等、従来公知の方法により行うことができる。
(銀超微粒子含有分散液)
本発明の銀超微粒子含有分散液は、前述した通り、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等の低沸点溶媒中に平均粒径が100nm以下の銀超微粒子が凝集することなく分散してなる分散液であることから、透過率が90%以上にあり、透明性に顕著に優れている。尚、本明細書でいう平均粒径とは、銀と銀との間に隙間がないものを一つの粒子とし、その平均をとったものをいう。
また銀超微粒子が凝集することなく均一に分散していることから、優れた抗菌性能を発現することができると共に、微量成分として含有されるサッカリン銀等も前述した通り、銀イオンの溶出性に優れているので、これによっても抗菌性能が向上されている。
更に本発明の銀超微粒子含有分散液において、抗菌成分として脂肪酸銀を使用した場合には、分液中に存在する銀超微粒子は、その表面が脂肪酸成分により修飾された、脂肪酸と銀の間に結合を有する銀超微粒子であることから、本発明の分散液を塗料組成物や樹脂組成物に配合させた場合に、銀表面と樹脂との直接接触を低減させることが可能となり、樹脂の分解を有効に抑制して、樹脂の分子量の低下等を低減することができ、成形性を阻害することを有効に防止できる。
本発明の銀超微粒子含有分散液は、塗料組成物や樹脂組成物の希釈溶剤として好適に使用することができ、これにより、塗料組成物や樹脂組成物の透明性を損なうことなく、かかる塗料組成物からなる塗膜、或いは樹脂組成物から成る樹脂成形体に抗菌性能を付与することが可能となる。
このような塗料組成物としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂や、或いは光硬化型アクリル系樹脂等をベース樹脂とするものを挙げることができる。
また樹脂組成物としては、上記熱硬化性樹脂の他、低−,中−,高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタエート等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10等のポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂から成るものを挙げることができる。
本発明の銀超微粒子含有分散液は、透明性に優れていることから、特に高い透明性が要求されるアクリル系樹脂、中でも光硬化型アクリル系樹脂から成る組成物の希釈溶剤として使用することが好適である。
(分散液の透過率)
分散液を分散媒として用いた溶媒にて5倍希釈し、分光光度計で400から800nmの透過率を測定し、平均値を透過率とし、90%以上のものを○、90%未満ものを×と判定した。
(樹脂組成物の抗菌試験)
抗菌試験方法はJIS Z 2801:2000抗菌加工製品―抗菌性試験方法に準じた。菌種は黄色ブドウ球菌(S.aureus)を用いた。無加工フィルムの培養後菌数から抗菌加工フィルムの培養後菌数を除した数の対数値を抗菌活性値とした。抗菌活性値2.0以上の場合を○、抗菌活性値2.0未満の場合を×と判定した。
(実施例1)
100mlガラス瓶中に高沸点溶媒としてエチレングリコール48.5g、ステアリン酸銀1g、サッカリン0.5g、ジルコニアビーズ(φ0.65mm)200gを配合した後、30分振とう攪拌して分散液を得た。分散液を三角フラスコへ移し、180℃10分攪拌しながら加熱混合した。その後、低沸点溶媒としてメチルイソブチルケトン(MIBK)を10ml添加して、攪拌混合し、1時間静置させた。低沸点溶媒と高沸点溶媒が2層分離するので、高沸点溶媒側を除去して低沸点溶媒中に銀超微粒子が含有した分散液を得た。分散液の透過率評価を実施した。予め希釈溶剤と混合された光硬化型アクリル樹脂(大成ファインケミカル工業製)と銀超微粒子含有分散液とMIBKと光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル)を50:1:48.4:0.6の重量比率で混合し、厚み100μmのPETフィルム上にバーコーターで塗布後、UV照射装置にて硬化させて樹脂組成物から成る塗膜をPETフィルム上に形成した。塗膜表面(PETフィルムと反対側面)の抗菌効果を確認した。結果を表1に示す。
(実施例2)
エチレングリコールをジエチレングリコールに変更した以外は実施例1と同様にして分散液及び樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
予め希釈溶剤と混合された光硬化型アクリル樹脂(大成ファインケミカル工業製)と銀超微粒子含有分散液とMEKと光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル)を50:0.05:48.9:0.6の重量比率で混合した以外は実施例1と同様にして分散液及び樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
分散液を三角フラスコへ移し、160℃10分攪拌しながら加熱混合した以外は実施例1と同様にして分散液及び樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
エチレングリコールをグリセリンに変更した以外は実施例1と同様にして分散液及び樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
サッカリンをサッカリンナトリウムにした以外は実施例1と同様にして分散液及び樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
サッカリンをサッカリンカルシウムにした以外は実施例1と同様にして分散液及び樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
100mlガラス瓶中に高沸点溶媒としてエチレングリコール49g、ステアリン酸銀1g、ジルコニアビーズ(φ0.65mm)200gを配合した以外は実施例1と同様にして分散液及び樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
100mlガラス瓶中に高沸点溶媒としてエチレングリコール49.0g、サッカリン銀1g、ジルコニアビーズ(φ0.65mm)200gを配合した後、30分振とう攪拌して分散液を得た。分散液を三角フラスコへ移し、180℃10分攪拌しながら加熱混合して分散液を得た。分散液の透過率評価を実施した。予め希釈溶剤と混合された光硬化型アクリル樹脂(大成ファインケミカル工業製)と銀超微粒子含有分散液とMIBKと光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル)を50:1:48.4:0.6の重量比率で混合し、厚み100μmのPETフィルム上にバーコーターで塗布後、UV照射装置にて硬化させて樹脂組成物から成る塗膜をPETフィルム上に形成した。塗膜表面(PETフィルムと反対側面)の抗菌効果を確認した。結果を表1に示す。
(比較例5)
100mlガラス瓶中に高沸点溶媒としてエチレングリコール48.5g、ステアリン酸銀1g、サッカリン0.5g、ジルコニアビーズ(φ0.65mm)200gを配合した後、30分振とう攪拌して分散液を得た。分散液を三角フラスコへ移し、180℃10分攪拌しながら加熱混合して分散液を得た。分散液の透過率評価を実施した。予め希釈溶剤と混合された光硬化型アクリル樹脂(大成ファインケミカル工業製)と銀超微粒子含有分散液とMIBKと光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル)を50:1:48.4:0.6の重量比率で混合し、厚み100μmのPETフィルム上にバーコーターで塗布後、UV照射装置にて硬化させて樹脂組成物から成る塗膜をPETフィルム上に形成した。塗膜表面(PETフィルムと反対側面)の抗菌効果を確認した。結果を表1に示す。
(比較例6)
エチレングリコールをポリエチレングリコールに変更した以外は実施例1と同様にして分散液及び樹脂組成物を調製した。MIBK側に銀超微粒子が移行しなかった。
(比較例7)
100mlガラス瓶中に高沸点溶媒としてエチレングリコール49.5g、サッカリン0.5g、ジルコニアビーズ(φ0.65mm)200gを配合した後、30分振とう攪拌して分散液を得た。分散液を三角フラスコへ移し、180℃10分攪拌しながら加熱混合した。その後、低沸点溶媒としてメチルイソブチルケトン(MIBK)を10ml添加して、攪拌混合し、1時間静置させた。低沸点溶媒と高沸点溶媒が2層分離するので、高沸点溶媒側を除去して分散液を得た。分散液の透過率評価を実施した。予め希釈溶剤と混合された光硬化型アクリル樹脂(大成ファインケミカル工業製)と銀超微粒子含有分散液とMIBKと光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル)を50:1:48.4:0.6の重量比率で混合し、厚み100μmのPETフィルム上にバーコーターで塗布後、UV照射装置にて硬化させて樹脂組成物から成る塗膜をPETフィルム上に形成した。塗膜表面(PETフィルムと反対側面)の抗菌効果を確認した。結果を表1に示す。
(比較例8)
100mlガラス瓶中に高沸点溶媒としてエチレングリコール50g、ジルコニアビーズ(φ0.65mm)200gを配合した後、30分振とう攪拌して分散液を得た。分散液を三角フラスコへ移し、180℃10分攪拌しながら加熱混合した。その後、低沸点溶媒としてメチルイソブチルケトン(MIBK)を10ml添加して、攪拌混合し、1時間静置させた。低沸点溶媒と高沸点溶媒が2層分離するので、高沸点溶媒側を除去して分散液を得た。分散液の透過率評価を実施した。予め希釈溶剤と混合された光硬化型アクリル樹脂(大成ファインケミカル工業製)と銀超微粒子含有分散液とMIBKと光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル)を50:1:48.4:0.6の重量比率で混合し、厚み100μmのPETフィルム上にバーコーターで塗布後、UV照射装置にて硬化させて樹脂組成物から成る塗膜をPETフィルム上に形成した。塗膜表面(PETフィルムと反対側面)の抗菌効果を確認した。結果を表1に示す。
本発明の銀超微粒子含有分散液は、塗料組成物や樹脂組成物の希釈溶剤として使用することにより、塗膜や樹脂成形体の透明性を損なうことなく、優れた抗菌性能を賦与することが可能になる。
特に本発明の銀超微粒子含有分散液は、液晶ディスプレイ用保護フィルムの上に形成されるハードコート材として使用されるアクリル系樹脂の希釈溶剤として好適に使用することができ、これにより透明性に優れた液晶ディスプレイ用保護フィルムに効率よく抗菌性能が付与できる。

Claims (2)

  1. 120℃以上の沸点を有する高沸点溶媒に、脂肪酸銀とサッカリンを1:0.01〜1:5の配合比(重量比)で添加し、これを120℃以上且つ前記脂肪酸銀の分解開始温度未満の温度で加熱混合することにより銀超微粒子分散高沸点溶媒を調製し、該銀超微粒子分散高沸点溶媒を、沸点が前記高沸点溶媒の沸点よりも小さく且つ前記高沸点溶媒と二相分離可能な低沸点溶媒と混合した後、前記高沸点溶媒及び低沸点溶媒を二相分離すると共に、高沸点溶媒から低沸点溶媒中に銀超微粒子を移行することを特徴とする銀超微粒子含有分散液の製造方法。
  2. 前記低沸点溶媒が、メチルイソブチルケトン又はメチルエチルケトンであり、前記高沸点溶媒がエチレングリコールグリコール、ジエチレングリコール、グリセリンの何れかである請求項記載の銀超微粒子含有分散液の製造方法。
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