JP2007290422A - 独立懸架式サスペンション装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車輪支持部のトー方向の動きを妨げることなく、かつ車体前後方向に十分な強度を有する独立懸架式サスペンション装置を提供する。
【解決手段】サスペンション装置においては、補助アーム25がトレーリングアーム2に並設され、車両の減速時などにトレーリングアーム2に所定の前後荷重が加わったときにトレーリングアーム2の長手方向の支持剛性を補強する。このため、その前後荷重によってトレーリングアーム2が座屈変形するのが防止され、車輪支持部の車体前後方向の強度を保持することができる。また、補助アーム25は、その一端がジョイント部11に接合されており、トレーリングアーム2とは所定の間隔をあけて並設されているため、トレーリングアーム2の車幅方向の剛性には影響しない。このため、車輪支持部のトー方向の動きを妨げることもない。
【選択図】図2
【解決手段】サスペンション装置においては、補助アーム25がトレーリングアーム2に並設され、車両の減速時などにトレーリングアーム2に所定の前後荷重が加わったときにトレーリングアーム2の長手方向の支持剛性を補強する。このため、その前後荷重によってトレーリングアーム2が座屈変形するのが防止され、車輪支持部の車体前後方向の強度を保持することができる。また、補助アーム25は、その一端がジョイント部11に接合されており、トレーリングアーム2とは所定の間隔をあけて並設されているため、トレーリングアーム2の車幅方向の剛性には影響しない。このため、車輪支持部のトー方向の動きを妨げることもない。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両の独立懸架式サスペンション装置に関し、特にトレーリングアーム式のサスペンション構造に関する。
従来より、車輪を車体の前後方向および車幅方向に支持する懸架方式として、左右の車輪を車軸で連結した車軸懸架方式と、左右の車輪を独立に作動可能に支持する独立懸架方式とが知られている。車軸懸架方式は、比較的構造が簡単で強度や耐久性に優れるという利点を有する。しかし、この車軸懸架方式はバネ下重量が大きく、また左右の車輪の動きが干渉することから、一般の自動車には、乗り心地や操縦安定性に優れる独立懸架方式が広く採用されている。
このような独立懸架式サスペンション装置として、例えばトレーリングアーム式ダブルウィッシュボーン型サスペンション装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
このサスペンション装置は、車輪を回転自在に支持するアクスルキャリアを、車幅方向に延在する上下のラテラルリンクと、車体前後方向に延在するトレーリングアームとにより支持する。各ラテラルリンクおよびトレーリングアームのアクスルキャリアと反対側の端部は、車体に連結されている。このような構成により、車輪は車体の前後方向および左右方向に安定に支持される。
特開平5−104921号公報
ところで、このようなサスペンション装置は、車両の操縦安定性やロードノイズの低減等を実現するために、その車輪支持部の挙動を過度に抑制してはならない。このため、例えばトレーリングアームを可撓性を有する薄い平板状のアーム構造にしたり、バネ鋼等の柔らかい素材で形成するなどの工夫も可能である。これにより、トレーリングアームをアクスルキャリアとの接合方向に弾性変形しやすくし、車両のカーブ走行時等にトレーリングアームに加わる車幅方向の力の反力がアクスルキャリアに直接伝わり難くなる。その結果、アクスルキャリアに支持される車輪のトー角が不必要に変化することが抑制され、車両の操縦安定性が保持される。
しかしながら、このようにトレーリングアームに可撓性を持たせるためにその幅方向の厚みを小さくすると、そのトレーリングアームの断面2次モーメントが小さくなる。このため、車両の減速時等に車輪支持部に作用する慣性力によってトレーリングアームに前後方向、つまり長手方向の荷重が大きくかかっても、トレーリングアームの座屈強度が確保されるような工夫が必要となる。
一方、これに対して特許文献1記載の発明では、トレーリングアームとアクスルキャリアとの結合部に複数のブッシュを配置して固定し、両者間のトー方向の変位を吸収し得る構造が採用されている。これにより、トレーリングアームの剛性がある程度大きくても、車輪支持部の挙動を阻害し難くなっている。しかし、このような構成は、トレーリングアームとアクスルキャリアとの結合部の構成部品の増加等の問題を生じさせる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、車輪支持部のトー方向の動きを妨げることなく、かつ車体前後方向に十分な強度を有する独立懸架式サスペンション装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の独立懸架式サスペンション装置は、車輪を回転可能に支持する車輪支持部材を、車体前後方向および車幅方向に支持する。この独立懸架式サスペンション装置は、車体前後方向に延設され、一端が車輪支持部材に支持されるとともに、他端が車体に支持されたトレーリングアームと、車幅方向に延設され、一端が車輪支持部材に支持されるとともに、他端が車体に支持された複数の横方向アームと、トレーリングアームに並設され、トレーリングアームに所定の前後荷重が加わったときに、車輪支持部材と車体との間に直接または間接的に挟まれるように介在してトレーリングアームの長手方向の支持剛性を補強する補助アームと、を備える。
ここで、「車輪支持部材」は、車輪を回転可能に支持する部材であり、キャリアやナックルなどを含み得る。また、「補助アームが車輪支持部材と車体との間に直接または間接的に挟まれる」とは、補助アームが車輪支持部材と車体との間に挟まれるときに他の部材が介在してもよいし、介在しなくてもよいことを意味する。なお、トレーリングアームに所定の前後荷重が加わっていないときには、少なくとも補助アームの一端が開放されることにより、トレーリングアームへの長手方向の干渉が防止される。
この態様によれば、トレーリングアームに所定の前後荷重が加わったときに、補助アームがトレーリングアームの長手方向の支持剛性を補強する。このため、車輪支持部の車体前後方向の強度を十分に保持することができ、前後方向の荷重によってトレーリングアームが座屈して変形するのを防止できる。
一方、補助アームはトレーリングアームに並設されており、トレーリングアームの車幅方向の剛性には実質的に影響しないため、車輪支持部のトー方向の動きを妨げることもない。また、トレーリングアームに所定の前後荷重が加わっていないときには、トレーリングアームの車体前後方向の剛性にも実質的に影響がない。このため、車輪支持部の挙動はほとんど阻害されることがない。
具体的には、補助アームは、一端がトレーリングアームに直接または間接的に連結されるとともに、他端が車輪支持部材またはその連結部材に所定の間隙をあけて対向配置され、トレーリングアームに所定の前後荷重が加わったときに、他端を車輪支持部材または連結部材に当接させて、トレーリングアームの長手方向の支持剛性を補強してもよい。
ここで、「補助アームの一端がトレーリングアームに直接または間接的に連結する」とは、補助アームの一端が、トレーリングアームに直接連結されてもよいし、トレーリングアームに固定された別部材に連結されてもよいことを意味する。また、「車輪支持部材またはその連結部材」としたのは、車輪支持部材そのものであってもよいし、これに固定された連結部材でもよいことを意味する。
この態様によれば、トレーリングアームに所定の前後荷重が加わっていないときには、補助アームの他端が車輪支持部材またはその連結部材に所定の間隙をあけているため、補助アームがトレーリングアームの前後方向の動きを阻害することがない。そして、トレーリングアームに所定の前後荷重が加わったときに、補助アームがその他端を車輪支持部材または連結部材に突き当てて、トレーリングアームの長手方向の支持剛性を補強する。
このため、トレーリングアームに所定の前後荷重が加わっていないときには、補助アームが車輪支持部の車体前後方向の自由な動きが確保され、トレーリングアームに所定の前後荷重が加わったときに、トレーリングアームの座屈による変形が防止される。
より具体的には、補助アームは、トレーリングアームに実質的に平行に延設され、その一端が、トレーリングアームの他端に設けられたブッシュに固定されていてもよい。
この態様によれば、補助アームとトレーリングアームとが完全に分離しているため、トレーリングアームの断面2次モーメントの増加を防止することができる。その結果、トレーリングアームの可撓性が保持され、そのトー方向への自由な変形を確保して車輪支持部の動きを良好に保つことができる。
以上の構成により、トレーリングアームをその車幅方向の厚みが上下方向の幅よりも小さい板状部材で構成して車輪支持部のトー方向の良好な動作を確保するようにしても、車輪支持部の十分な強度を確保することができる。
また、トレーリングアームの一端がゴムブッシュなどの緩衝材などを介さずに、ボルト等の締結部材や溶接などにより車輪支持部材に一体的に剛に固定されても、車輪支持部のトー方向の良好な動作を確保することができる。このことは、トレーリングアームと車輪支持部材との連結構造を簡素化し、そのコスト低減に寄与する。
本発明によれば、独立懸架式サスペンション装置において、車輪支持部のトー方向の動きを妨げることなく、かつ車体前後方向に十分な強度を確保することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る独立懸架式サスペンション装置の概略構成を表す斜視図である。
この独立懸架式サスペンション装置(以下、単に「サスペンション装置」という)は、ダブルウィッシュボーン式リアサスペンション装置として構成されている。このサスペンション装置は、図示しない車両の後輪を回転可能に支持するキャリア1を、車体前後方向に支持するトレーリングアーム2と、車幅方向に支持する1つのアッパアーム3および一対のロアアーム4とを備えている。キャリア1と図示しない車体との間には、サスペンションスプリング5を一体化したショックアブソーバ6が配設されている。なお、本実施の形態において、キャリア1が車輪支持部材に該当し、アッパアーム3およびロアアーム4が横方向アームに該当する。また、上記各構成要素が車輪支持部を構成する。
キャリア1は、後輪とともに図示しないブレーキ装置の構成部品等を支持している。
トレーリングアーム2は、車体前後方向に延設された長尺状の本体を有し、その車幅方向の厚みが上下方向の幅よりも小さい薄板状部材から構成されている。トレーリングアーム2は、その前端がブッシュ型のジョイント部11を介して車体に支持されており、その後端がボルト12を介してキャリア1の周縁部近傍に直接固定されている。ジョイント部11は、薄板鋼板からなる円筒部材内にゴムブッシュを嵌入して構成されたものであり、トレーリングアーム2の前端が溶接されている。このトレーリングアーム2は、キャリア1の上下動を円滑にするために車輪から前方に延在してこれを前後方向に支持するが、その車幅方向の厚みが小さいため、車輪のトー方向の自由度が比較的高く維持される。なお、ここではトレーリングアーム2とキャリア1とがボルト12を介して締結された例を示したが、溶接やロー材を介したロー接等により両者を剛に固定することもできる。
アッパアーム3は、その一端がジョイント部13を介してキャリア1の上部の周縁部近傍に回動可能に連結され、他端がジョイント部14を介して車体に回動可能に連結されている。一対のロアアーム4は、車体の前後方向に並設されている。各ロアアーム4は、その一端がジョイント部15を介してキャリア1の下部の周縁部近傍に回動可能に連結され、他端がジョイント部16を介して車体に回動可能に連結されている。これらアッパアーム3およびロアアーム4は、車幅方向に延設されており、キャリア1を上下動可能に支持している。
ショックアブソーバ6は、その上端部が車体に固定され、下端部がキャリア1に連結されており、サスペンションスプリング5とともにキャリア1を弾性的に支持して車輪の上下振動を減衰させ、車体に伝わる振動を抑制している。
図2は、サスペンション装置の主要部およびその周辺の構成を部分的に表す概略平面図である。
上述のように、トレーリングアーム2は、その前端がジョイント部11を介して車体に支持されている。ジョイント部11は、車体の底部外側のサイドメンバ21と内側のロッカー22との間を架橋する支持軸23を介して車体の所定位置に支持されている。そして、本実施の形態では、トレーリングアーム2に平行に延びる補助アーム25が設けられている。補助アーム25は、トレーリングアーム2よりもやや短く、やや厚みの小さい長尺状の薄鋼板からなり、その一端がトレーリングアーム2と所定の間隔をあけてジョイント部11に溶接されている。補助アーム25の他端側は、トレーリングアーム2の後端が固定されたキャリア1の部分に所定の間隙Cをあけて対向配置されている。なお、ここでは補助アーム25とジョイント部11とが溶接された例を示したが、ロー材を介したロー接やボルト等を介した締結により両者を固定することもできる。
この間隙Cは、車両の減速時の慣性力によりトレーリングアーム2に所定の前後荷重が加わったときに、補助アーム25がキャリア1と車体との間に挟まれるような長さに設定されている。すなわち、その前後加重によってトレーリングアーム2が座屈する手前の段階で、補助アーム25が車体とキャリア1との間につっかえ棒のような形で介装され、トレーリングアーム2の長手方向の支持剛性を補強する。これにより、トレーリングアーム2の長手方向の変形が抑止され、その座屈が防止される。ただし、車輪支持部の前後方向の動きを特に阻害しないように、その前後荷重が小さいときには、補助アーム25の先端がキャリア1に突き当たらないように間隙Cの大きさが設定されている。
次に、本実施の形態のサスペンション装置の作用について説明する。
図3は、ジョイント部を介して車輪との間に車幅方向の相対的な力が加わった場合のトレーリングアームの動作を表す説明図である。同図上段は荷重がかかる前の状態を表し、同図下段は荷重がかかったときの状態を表している。なお、図示の例では、ジョイント部に車幅方向の力が入力されているように表現されているが、実際には車輪側、つまりキャリア側から入力があるともいえる。トレーリングアームの両端に加わる車幅方向の力は、あくまで相対的なものである。ここでは、トレーリングアームの動作の理解を容易にするために、便宜的にジョイント部に入力があったものとして説明する。
図示のように、ジョイント部11を介してトレーリングアーム2に車幅方向の荷重が加わると、トレーリングアーム2は、キャリア1との固定部であるボルト締結部を支点に矢印の方向に撓む。なお、図示の例では、トレーリングアーム2の撓みの程度を幾分誇張して示している。しかし、補助アーム25は一端が開放されているために曲げ変形は生じず、トレーリングアーム2の曲げ剛性には関与しない。このため、補助アーム25がトレーリングアーム2、ひいては車輪支持部の車幅方向の挙動を規制することはない。なお、車幅方向の荷重の向きが図示とは逆になる場合も想定されるため、そのような状態でも補助アーム25とトレーリングアーム2とが干渉しないように両者の間隔が設定されるのが好ましい。
図4は、トレーリングアームの支持剛性と弾性変形の状態とを表す説明図である。同図(A)は、トレーリングアームの曲げ剛性が大きい場合を表し、同図(B)は、トレーリングアームの曲げ剛性が小さい場合を表している。なお、同図は、トレーリングアームの特性を理解するための便宜的なものである。
トレーリングアーム2は、仮に厚みが大きくて剛性が大きい場合には曲がり難い。このため、同図(A)に示すように、ジョイント部11に入力された車幅方向の力がトレーリングアーム2の変位にそのまま影響し、トレーリングアーム2は同方向に大きく変位することになる。一方、トレーリングアーム2は、その剛性が小さい場合には曲がりやすい。このため、同図(B)に示すように、ジョイント部11に入力された車幅方向の力は、トレーリングアーム2の曲げ変形によりある程度吸収される。このため、トレーリングアーム2の同方向への変位量は小さくなる。
すなわち、本実施の形態では、上述のようにトレーリングアーム2の厚みを小さくしてその断面二次モーメントを小さくし、その曲げ剛性を小さくすることにより、ジョイント部11に加わる力の反力がキャリア1側に伝わり難くしている。それにより、車両のカーブ走行時における車輪のトー方向への変位を抑制し、その操縦安定性を向上させている。
図5は、ジョイント部を介して車体前後方向の荷重が加わった場合のトレーリングアームの動作を表す説明図である。同図上段は荷重がかかる前の状態を表し、同図下段は荷重がかかったときの状態を表している。図6は、車体前後方向の荷重とジョイント部の変位との関係を表すグラフである。同図の横軸はジョイント部の変位を表し、同図の縦軸は車体前後方向の荷重(以下「前後荷重」という)を表している。なお、ジョイント部の変位の基準は、ジョイント部11に前後荷重が負荷されていない状態を基準にしている。
図5に示すように、ジョイント部11を介してトレーリングアーム2に前後荷重が加わると、トレーリングアーム2は、ボルト締結部を固定点として座屈方向に変位する。すなわち、図の矢印のようにジョイント部11がキャリア1側に変位し、トレーリングアーム2が座屈方向に弾性変形する。しかし、その座屈が生じる前に補助アーム25の先端がキャリア1に突き当たってつっかえ棒のようになり、トレーリングアーム2の前後方向の支持剛性を実質的に高める。この補助アーム25による支持剛性の補強によって、トレーリングアーム2の座屈が防止される。
すなわち、図6に示すように、前後荷重がW1を超えると、ジョイント部11が大きく変位しようとするが、その変位がX1を超えると、補助アーム25の先端がキャリア1に突き当たることにより、変位を抑制するようになっている。つまり、補助アーム25による支持剛性の補強によってトレーリングアーム2の変形が抑制されるようになっている。
以上に説明したように、本実施の形態のサスペンション装置においては、補助アーム25がトレーリングアーム2に並設され、車両の減速時などにトレーリングアーム2に所定の前後荷重が加わったときにトレーリングアーム2の長手方向の支持剛性を補強する。このため、その前後荷重によってトレーリングアーム2が座屈変形するのが防止され、車輪支持部の車体前後方向の強度を保持することができる。
また、補助アーム25は、その一端がジョイント部11に接合されており、トレーリングアーム2とは所定の間隔をあけて並設されているため、トレーリングアーム2の車幅方向の剛性には影響しない。このため、車輪支持部のトー方向の動きを妨げることもない。また、補助アーム25の他端が開放されており、キャリア1と所定の間隙Cをあけて対向するようにしたため、トレーリングアーム2に所定の前後荷重が加わっていないときには、その車体前後方向の剛性にも影響しない。このため、車輪支持部の挙動はほとんど阻害されることがない。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
例えば、上記実施の形態では、補助アーム25をジョイント部11に接合した例を示したが、逆に、補助アーム25の一端をキャリア1に接合して、他端をジョイント部11に対して所定の間隙を介して対向配置してもよい。また、補助アーム25の一端をジョイント部11ではなく、車体に直接固定するようにしてもよい。さらに、車輪支持部材はナックル等であってもよい。
また、上記実施の形態では、補助アーム25をキャリア1そのものに対向配置させた例を示したが、例えば上記ボルト12など、トレーリングアーム2とキャリア1とを連結する連結部材やキャリア1に設けられた他部材等に対向配置させてもよい。その場合、トレーリングアーム2に所定の前後荷重が加わったときには、補助アーム25がその連結部材または他部材とジョイント部11との間に挟まれるようにして、トレーリングアーム2の支持剛性を補強する。あるいは、補助アーム25がその連結部材または他部材と車体との間に挟まれるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、補助アーム25の一端をジョイント部11に固定した例を示したが、その一端をトレーリングアーム2に直接固定し、他端をキャリア1またはその連結部材等に対向配置するようにしてもよい。この場合には、トレーリングアーム2の断面二次モーメントを増加させてしまう可能性がある。しかし、トレーリングアーム2のキャリア1に近い位置から脚部を出すようにするなど、その補助アームの固定位置によっては、トレーリングアーム2そのものの厚みを大きくするよりはトレーリングアーム2の曲げ剛性の増加を抑えることができる。
さらに、上記実施の形態では、本発明のサスペンション装置をダブルウィッシュボーン式のサスペンション装置として構成した例を示したが、それ以外のサスペンション形式のものに適用することも可能である。また、上記実施の形態では、本発明のサスペンション装置を後輪側に適用した例を示したが、前輪側にも同様に適用することが可能である。
1 キャリア、 2 トレーリングアーム、3 アッパアーム、 4 ロアアーム、 11,13,14,15,16 ジョイント部、 12 ボルト、 21 サイドメンバ、 22 ロッカー、 25 補助アーム
Claims (5)
- 車輪を回転可能に支持する車輪支持部材を、車体前後方向および車幅方向に支持する独立懸架式サスペンション装置において、
前記車体前後方向に延設され、一端が前記車輪支持部材に支持されるとともに、他端が車体に支持されたトレーリングアームと、
前記車幅方向に延設され、一端が前記車輪支持部材に支持されるとともに、他端が前記車体に支持された複数の横方向アームと、
前記トレーリングアームに並設され、前記トレーリングアームに所定の前後荷重が加わったときに、前記車輪支持部材と前記車体との間に直接または間接的に挟まれるように介在して前記トレーリングアームの長手方向の支持剛性を補強する補助アームと、
を備えたことを特徴とする独立懸架式サスペンション装置。 - 前記補助アームは、一端が前記トレーリングアームに直接または間接的に連結されるとともに、他端が前記車輪支持部材またはその連結部材に所定の間隙をあけて対向配置され、前記トレーリングアームに前記所定の前後荷重が加わったときに、前記他端を前記車輪支持部材または前記連結部材に当接させて、前記トレーリングアームの長手方向の支持剛性を補強することを特徴とする請求項1に記載の独立懸架式サスペンション装置。
- 前記補助アームは、前記トレーリングアームに実質的に平行に延設され、その一端が、前記トレーリングアームの他端に設けられたジョイント部に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の独立懸架式サスペンション装置。
- 前記トレーリングアームは、その車幅方向の厚みが上下方向の幅よりも小さい板状部材から構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の独立懸架式サスペンション装置。
- 前記トレーリングアームの一端が前記車輪支持部材に一体的に剛に固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の独立懸架式サスペンション装置。
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Cited By (2)
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JP2010228728A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Suzuki Motor Corp | トレーリングアーム式サスペンション |
JP2012086642A (ja) * | 2010-10-18 | 2012-05-10 | Mitsubishi Motors Corp | リヤサスペンション装置 |
-
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