JP2007290033A - 溶込み形状および加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接金属 - Google Patents

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Abstract

【課題】
複雑な形状に加工できる溶込み形状および加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接金属を提供する。
【解決手段】
フェライト系ステンレス鋼板の端面同士を突き合わせ溶接してなるフェライト系ステンレス鋼溶接金属であって、前記溶接により形成された溶接金属部の断面形状が、溶接表ビード幅が前記フェライト系ステンレス鋼板の厚さの3倍以下、溶接裏ビード幅が1mm以上、溶接裏ビード幅/溶接表ビード幅が0.4以上であることを特徴とする耐割れ性および加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接金属。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車部品、建築材料、温水器、タンク、家電、化学プラントなど幅広い分野で利用可能で、とくに自動車排気系部材用として好適なフェライト系ステンレス鋼の溶接金属に係り、とくに溶接部にスピニング加工など加工を施して製造されるマフラーや触媒コンバータのハウジング等の排気系膨径部材、縮径部材用としての素材として好適なフェライト系ステンレス鋼の溶接金属に関するものである。
一般的にステンレス鋼を用いて部品や製品を作製する場合、接合方法として溶接を用いることが多い。ステンレス鋼の溶接で広く用いられている溶接方法として、ティグ溶接、プラズマ溶接、マグ溶接などのアーク溶接がある。フェライト系ステンレス鋼は薄板で使用され、その薄板の突合せ溶接などでは,溶接材料を使用しない鋼材のメルトランティグ溶接を適用する場合が多く、その場合1パス溶接により安定した裏波溶接を行う必要があった。
このため、自動車部品、建築材料、温水器,タンク、家電、化学プラントなど幅広い分野での適用を可能とするために、溶接部の延性、靭性を確保するとともに、安定な溶込み形状が得られる優れた溶接性を有するフェライト系ステンレス鋼として、特許文献1の技術が開示されている。しかしながら、上記文献に開示されている技術は溶接後に溶接部に加工などを施された場合の溶接部特性は検討されていない。
自動車の排気系部材として使用されるフェライト系ステンレス鋼は、加工性と耐食性に優れたSUH409LやSUS444、SUS436Lなどが多用されている。たとえば、自動車のエンジンから排出された排気ガスを処理する触媒コンバータのハウジングやマフラーがその一例である。
近年、この排気系部材の形状が複雑化する傾向がある。たとえば、エキゾーストマニホールド触媒担体外筒などでは、メカプレス成形、サーボプレス成形、スピニング加工、ハイドロフォーム等の様々な方法で複雑な形状に成形される。
さらに加工された部材は2次加工・3次加工での延性割れや脆性割れの防止を考慮する必要があり、それらの特性は素材のみならず、その素材を溶接により接合した溶接金属においても要求されるようになってきている。
特開平8−170154号公報
複雑な形状に加工できる溶込み形状および加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼の溶接金属が要求されるようになってきた。
発明者らは、上記した課題を達成するために、溶接部の加工性に及ぼす溶接金属部のビード形状、溶接金属組織,溶接金属成分について鋭意検討を行った.その結果,溶接金属部の断面形状を制御することによって、溶接部の加工性が顕著に向上するという知見を得た。さらに,溶接金属組成を制御することにより溶込み性が向上し、加工性の優れた溶接金属形状を形成することができるという知見を得た。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を重ねて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
第一の発明は、フェライト系ステンレス鋼板の端面同士を突き合わせ溶接してなるフェライト系ステンレス鋼溶接金属であって、前記溶接により形成された溶接金属部の断面形状が、溶接表ビード幅が前記フェライト系ステンレス鋼板の厚さの3倍以下、溶接裏ビード幅が1mm以上、溶接裏ビード幅/溶接表ビード幅が0.4以上であることを特徴とする加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接金属である。
第二の発明は、前記溶接金属部の酸素含有量が20ppm以上であることを特徴とする第一の発明に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接金属である。
第三の発明は、さらに、前記溶接金属部のAlとCaの含有量(質量%)が下記式(1)を満足することを特徴とする第二の発明に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接金属である。
Al≦-100Ca+0.11 ・・・・・(1)
第四の発明は、前記溶接金属部の成分組成が、さらに、質量%で、C:0.020%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:10.0〜23.0%、Ni:0.6%以下、N:0.020%以下、Al:0.10%以下、Ca:0.0020%以下、 さらに、Nb:0.10〜1.00%およびTi:0.10〜1.00%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になることを特徴とする第三の発明に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接金属である。
第五の発明は、前記溶接金属部の成分組成が、さらに、質量%で、V:0.01〜0.5%、W:0.001〜0.05%、Cu:3.0%以下、Mo:3.0%以下、B:0.0002〜0.0030%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項4記載のフェライト系ステンレス鋼溶接金属である。
本発明の溶込み形状および加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接金属は、スピニング加工、ハイドロフォーム等の様々な方法で複雑な形状に成形される部品に適用される。
以下、本発明を具体的に説明する。
1.溶接部溶接金属形状の限定理由
本発明の溶接部溶接金属はフェライト系ステンレス鋼板の端面同士を突き合わせ溶接してなるフェライト系ステンレス鋼溶接金属である。なお、フェライト系ステンレス鋼板は冷延鋼板とすることが好ましい。本発明の溶接部溶接金属では,溶接により形成された溶接金属部の溶接表ビード幅が鋼板厚さの3倍以下と、溶接裏ビード幅が1mm以上と、溶接裏ビード幅/溶接表ビード幅が0.4以上の断面形状を有する。
溶接表ビード幅:鋼板厚さの3倍以下
溶接表ビード幅が鋼板板厚の3倍を超えて大きくなると溶接ビード中央部が凹状となり、溶接時の耐溶接割れ感受性が高くなる。このため、溶接表ビード幅は鋼板の3倍以下に限定した。
溶接裏ビード幅:1mm以上
溶接裏ビード幅が1mm未満になると溶接が不安定となった時に鋼板端面同士の突合せ部に未溶込み部が発生する。このような未溶込み部は切欠きとして作用し、加工時に破断などの欠陥を引き起こす原因となる。このため、溶接表ビード幅は1mm以上に限定した。
溶接裏ビード幅/溶接表ビード幅:0.4以上
溶接ビードの結晶粒径は、鋼板に比べて非常に大きいことより、鋼板部に比べて溶接ビード部は、加工されやすい。よって、溶接ビードの溶接裏ビード幅/溶接表ビード幅が0.4未満となると溶接ビードが裏側と表側で加工性が大きく異なることにより,加工時に割れや形状不良などが生じ易くなる。
なお、この溶接金属の加工性を改善するためには、溶接ビード表側の幅を狭くするとともに、溶接時に溶融する溶融金属量を少なくすることが好ましい。このようなことから、溶接ビードの溶接裏ビード幅/溶接表ビード幅の比を0.4以上に限定した。
2.成分限定理由
以上のような溶接部溶接金属形状に加えて、本発明の目的を達成させるためには、溶接金属の成分を規定する必要がある。
O:20ppm以上
Oは表面活性元素として、溶融金属の表面張力対流を内向きにし、溶込み深さを深くするため、溶接金属中酸素量を20ppm以上とする必要がある。
また、下記の式(1)を規定する必要がある。各元素は質量%を示す。
Al≦-100Ca+0.11 ・・・・・(1)
Oは上述のごとく、表面活性元素として溶込み特性に影響を及ぼす。一方、鋼板中に含まれるAlおよびCaは溶接時に脱酸作用により溶接金属中の酸素と結びつき酸化物を形成する。よって、溶込み特性に有効な鋼中酸素量を確保するために溶接金属中のAlおよびCaを限定した。すなわち、上述の式(1)を満たさないと溶接金属中の酸素量が少なくなり,溶込み特性を確保できなくなる。
つぎに、本発明を構成するフェライト系ステンレス鋼板溶接金属の組成限定理由について説明する。なお、以下、組成に関する「%」表示は、とくに断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.020%以下
Cは溶接部の硬さを増加し靭性を低下させる元素であり、できるだけ低減することが望ましいが、0.020%までは許容できる。そこで、本発明では、Cは0.020%以下に限定することが好ましい。
Si:1.0%以下
Siは、強度を増加しスピニング加工性、靭性を低下させる元素であり、可能な限り低減することが望ましいが、耐酸化性を高める有効な元素であり、本発明では、Siは1.0%以下に限定することにした。
Mn:1.0%以下
Mnは、強度の向上に有効な元素であり、0.15%以上含有することが好ましいが、1.0%以上、多量に含有させると靭性を低下させる。このため、Mnは1.0%以下に限定することが好ましい。
P:0.040%以下
Pは、強度を高めるのに有効な元素であるが、0.040%を越えて多量に含有すると、靭性が低下する。このため、Pは0.040%以下に限定することが好ましい。
S:0.010%以下
Sは、Tiなどと結合し硫化物を形成し、スピニング加工時の破断の起点となるため、本発明ではできるだけ低減することが好ましいが0.010%までは許容できる。このため、Sは0.010%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.005%以下である。
Cr:10.0〜23.0%
Crは、耐熱性、耐酸化性を向上させる元素であり、フェライト系ステンレス鋼板では不可欠の元素である。このような効果は10.0%以上の含有で顕著となる。一方、23.0%を越えて含有すると、靭性が低下する。このため、Crは10.0〜23.0%の範囲に限定することが好ましい。
Ni:0.6%以下
Niは、靭性の向上に有利に寄与する元素であるが、0.6%を超えて含有すると、耐酸化性の劣化を招く。このため、Niは0.6%以下に限定することが好ましい。
Al:0.10%以下
Alは、脱酸剤として作用するとともに、Nと結合し固溶Nの低減に寄与する。この目的のためにはAlは0.10%以下で十分であり、本発明ではAlは0.10%以下に限定することが好ましい。
N:0.020%以下
NはCと同じく、溶接部の靭性を低下させるため、できるだけ低減することが好ましいが、0.020%までは許容できる。このため、Nは0.020%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.010%以下である。
Nb:0.10%〜1.00%およびTi:0.10〜1.00%のうちから選ばれた1種または2種Nb、Tiはいずれも延性、靭性、耐食性を高める作用を有し、単独または複合して含有する。
Nb、Tiは、炭窒化物を形成して固溶CおよびNを低減し、Crの炭窒化物の形成を抑制し、延性、靭性、耐食性を高める有用な元素である。また、Nbは高温強度を向上させる作用も有している。このような効果は、Nb、Tiとも0.10%以上の含有で顕著となるがNb,Tiとも1.00%を越える含有は、逆に靭性を低下させる。このため、Nbは0.10〜1.00%、Tiは0.10〜1.00%の範囲にそれぞれ限定することが好ましい。なお、より好ましくは、Nbは0.30%〜0.50%、Tiは0.15〜0.30%である。
以上、基本成分について説明したが、本発明ではその他にも、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
V:0.01〜0.5%および/またはW:0.001〜0.05%
VおよびWはいずれも、溶接熱影響部の溶接割れ感受性を改善するのに有用な元素であるが、それぞれ含有量が下限に満たないとその添加効果に乏しく、一方上限を超えると母材および溶接熱影響部の靭性の低下を招くので、それぞれ上記の範囲で含有させるものとした。より好ましい範囲は、V:0.05〜0.3%、W:0.005〜0.03%である。
Cu:3.0%以下
Cuは、耐食性を向上させる元素であり、高耐食性を必要とする場合に添加することが有効である。しかしながら、3.0%を越えて添加すると、熱間圧延等における熱間割れの恐れが生じるため、Cuは3.0以下で含有させるものとした。なお、より好ましくは効果が顕著となる0.1%を下限とし、1.0%以下で含有させることが望ましい。
Mo:3.0%以下
Moも、Cu同様、耐食性の改善に有効な元素である。しかしながら、3.0%を越えて添加すると、スピニング加工性が低下するだけでなく、溶接熱影響部の靱性が低下する。このためMoは、3.0%以下で含有させるものとした。なお、スピニング加工性と耐食性の両立という観点からは1.0%以下の範囲が好適である。
B:0.0002〜0.0030%
Bは、焼入れ性の向上を通じて特に溶接熱影響部の靱性改善に効果がある。しかしながら、含有率が0.0002%未満ではその効果に乏しく、一方0.0030%を越える添加では、硬化が大きくなり、母材、溶接熱影響部とも、靱性および加工性が損なわれる。このため、Bは0.0002〜0.0030%の範囲で含有させるものとした。なお、より好ましくは0.0005〜0.0010%の範囲である。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、O:0.015%以下、Mg:0.0020%以下が許容できる。
3.製造条件
次に、本発明鋼の好適製造法について説明する。上記した好適成分組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の公知の方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊法により鋼素材(スラブ)とする。この鋼素材を、その後加熱するか、あるいは加熱することなく直接、熱間圧延して熱延板とする。熱延板には、通常、熱延板焼鈍を省略してもよい。ついで、酸洗後、冷間圧延により冷延板としたのち、再結晶焼鈍を施して、製品とする。
本発明では鋼板端部同士の突合せ部の溶接方法は、上記したような所定断面形状の溶接金属部が形成できればよく、とくに限定する必要はないが、ティグ溶接、プラズマ溶接などのアーク溶接法、レーザ溶接法などが好適である。なお、溶接材料は必ずしも必要としない。
また、溶接金属部を上記した所定の断面形状とするために、溶接入熱の調整を行う。溶接入熱を大きくすることにより、溶接ビード幅が増加する。アーク電圧を大きくするか、あるいは溶接電流を大きくするか、溶接速度を小さくすると、溶接入熱は大きくなる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳しく説明する。表1に示す成分組成からなる鋼を、小型真空溶解炉で溶製し、100kgの鋼塊とした。これらの鋼塊を、1050〜1250℃に加熱後、仕上げ温度:750〜950℃、巻取り温度:650〜850℃の条件で熱間圧延を施して、3.0mm厚の熱延板とした。ついで、これらの熱延板の一部に対して800〜1000℃の熱延板焼鈍を施したのち、酸洗してから、冷間圧延により板厚:1.2〜2.0mmの冷延板とした後、850〜1050℃の再結晶焼鈍を施し、冷延鋼板とした。
Figure 2007290033
得られた各冷延鋼板を切断した後、ダイスにより折り曲げ、略円管状にし、鋼板端部突合せを行った。ついで、この突合せ部をティグ溶接法により溶接し、1.5mmt×120mmφ×500mmLの溶接管とした。ティグ溶接は、シールドガス(アルゴン)雰囲気中で行い、外周面側に20リットル/min、内周面側に10リットル/minのシールドガスを流しながら、溶接電流120〜180A、溶接電圧:9〜12V、溶接速度:600mm/minの各条件で行った。なお、溶接電流を調整することにより、溶接金属部の溶込み形状、溶接ビード幅を変化させた。例えば、鋼No.Aは、溶接電流:130〜150A、溶接電圧:10〜11Vで溶接した。
得られた溶接管から試験片を採取し、溶接管の長手方向の垂直断面について溶接金属部の断面形状を観察し、各溶接管における溶接金属部の溶接ビード幅を測定した。また、得られた溶接管に、図2に示すスピニング加工装置を用いて、スピニング加工を施し図1に示すような縮径部11b,11cを有する形状の製品を成形した。そして、縮径加工により管端の溶接部に破断や欠落ちを生じていないかを調査した。
なお、図2に示すスピニング加工装置は、素管1を固定把持しその軸C−C方向に移動させる平行移動手段と、成形ローラ群4を備えた回転台5と成形ローラ回転移動手段とを備えている。
平行移動手段は、移動テーブル8上に、素管1を支持するための基台6と、素管1を把持するための把持機構7を有し、かつ図示しない移動テーブル8の駆動手段によって素管1を軸C−C方向に平行移動することができる。
成形ローラ群4は、素管1に所定の形状を付与する複数の成形ローラ4a, 4b,4cからなり、回転台5に備えられる。 成形ローラ回転移動手段は、3本の成形ローラ4a, 4b,4cを取り付けた回転台5と、回転台5を軸C−C周りに回転させる、モータケース9に納められたモータと、さらに回転台5内に埋め込まれ、成形ローラ4a, 4b,4cをそれぞれ軸C−Cに直交するD方向に数値制御によって移動させる機構とを備えている。
成形ローラ回転移動手段により、回転台5をその軸C−C回りに回転させることによって成形ローラ群4が公転し、かつ成形ローラ4a, 4b,4cを軸C−Cに直交するD方向に移動させることができる。
スピニング加工は、各条件の溶接管それぞれ100本について行い、溶接部の破断や欠け落ちの発生数を調査し、スピニング加工性を評価した。なお、締込量は、成形ロールが素管に対して相対的に往復運動するとき、この1往復あたりの成形ロール押し当て量の増大分を表す。また、製品の寸法は、11c部の直径60mmφ、長さ:50mm、1b部(テーパ部)が長さ:60mmである。なお、11a部は直径:120mmφ(原寸)である。
スピニング加工性は、スピニング加工した溶接管各100本について、溶接部の破断や欠け落ちの発生数が、0本を◎、1〜2本を○、3〜9本を△、10本以上を×として評価した。
得られたスピニング加工性の試験結果を表2に示す。
本発明はいずれも、極めて優れたスピニング加工性を有する溶接ビード形状となっている。本発明の範囲を外れる比較例はスピニング加工性が劣化している。
Figure 2007290033
次に、他の実施例について説明する。
表3に示す成分組成からなる鋼を、小型真空溶解炉で溶製し、100kgの鋼塊とした。これらの鋼塊を、1050〜1250℃に加熱後、仕上げ温度:750〜950℃の条件で熱間圧延を施して、4.0mm厚の熱延板とした。ついで、これらの熱延板の一部に対して900〜1100℃の熱延板焼鈍を施したのち、酸洗してから、冷間圧延により板厚:1.0mmの冷延板とした後、850〜1050℃の再結晶焼鈍を施し、冷延鋼板とした。
Figure 2007290033
得られた各冷延鋼板を切断した後、ダイスにより折り曲げ、略円管状にし、鋼板端部突合せを行った。ついで、この突合せ部をティグ溶接法により溶接し、1.0mmt×120mmφ×500mmLの溶接管とした。ティグ溶接は、シールドガス(アルゴン)雰囲気中で行い、外周面側に20リットル/min、内周面側に10リットル/minのシールドガスを流しながら、溶接電流90A、溶接速度:600mm/minの条件で行った。
得られた溶接管から試験片を採取し、溶接管の長手方向の垂直断面について溶接金属部の断面形状を観察し、各溶接管における溶接金属部の溶接ビード幅を測定した。また、得られた溶接管に、実施例1と同様に、図2に示すスピニング加工装置を用いて、回転速度:1000rpm、絞込量:2mm/回、成形ロールの相対平行移動速度:8000mm/minとするスピニング加工を施し、図1に示すような形状の製品を成形した。
スピニング加工は、各条件の溶接管それぞれ100本について行い、溶接部の破断や欠け落ちの発生数を調査し、スピニング加工性を評価した。
スピニング加工性は、スピニング加工した溶接管各100本について、溶接部の破断や欠け落ちの発生数が、0本を◎、1〜2本を○、3〜9本を△、10本以上を×として評価した。
得られたスピニング加工性の試験結果を表4に示す。
本発明はいずれも、極めて優れたスピニング加工性を有する溶接ビード形状となっている。本発明の範囲を外れる比較例はスピニング加工性が劣化している。
Figure 2007290033
本願発明は、排ガス経路部材のように高温で形状が複雑な部品の用途に適用できる。
縮径部を有する鋼管製品を説明する図である。 スピニング加工装置の1例を示す図である。
符号の説明
1 素管
2 スピンドル
3 把持機構
4a、b、c 成形ローラ
5 回転台
6 基台
7 把持機構
8 移動テーブル
9 モーターケース
11 スピニング加工製品
11b、c縮径部

Claims (5)

  1. フェライト系ステンレス鋼板の端面同士を突き合わせ溶接してなるフェライト系ステンレス鋼溶接金属であって、前記溶接により形成された溶接金属部の断面形状が、溶接表ビード幅が前記フェライト系ステンレス鋼板の厚さの3倍以下、溶接裏ビード幅が1mm以上、溶接裏ビード幅/溶接表ビード幅が0.4以上であることを特徴とする加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接金属。
  2. 前記溶接金属部の酸素含有量が20ppm以上であることを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接金属。
  3. さらに、前記溶接金属部のAlとCaの含有量(質量%)が下記式(1)を満足することを特徴とする請求項2に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接金属。
    Al≦-100Ca+0.11 ・・・・・(1)
  4. 前記溶接金属部の成分組成が、さらに、質量%で、C:0.020%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:10.0〜23.0%、Ni:0.6%以下、N:0.020%以下、Al:0.10%以下、Ca:0.0020%以下、 さらに、Nb:0.10〜1.00%およびTi:0.10〜1.00%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になることを特徴とする請求項3に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接金属。
  5. 前記溶接金属部の成分組成が、さらに、質量%で、V:0.01〜0.5%、W:0.001〜0.05%、Cu:3.0%以下、Mo:3.0%以下、B:0.0002〜0.0030%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項4記載のフェライト系ステンレス鋼溶接金属。
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