JP2007288060A - 半導体記憶装置及びその製造方法、並びに携帯電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】書き込み動作の高速化、低電圧化を実現した半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】第1導電型の半導体層101内に設けられた第2導電型の2つの拡散層141,142と、該2つの拡散層間に設けられたチャネル領域と、該チャネル領域上にゲート絶縁膜111を介して設けられたゲート電極112と、該ゲート電極112の側壁に設けられたゲート側壁絶縁膜11,12と、該ゲート側壁絶縁膜内に配置された電荷を蓄積する機能を有する材料からなる電荷保持部を備え、前記2つの拡散層141,142は前記ゲート電極にオーバーラップするように設けられ、前記ゲート電極の端部近傍における一方の拡散層の第2導電型を与える不純物濃度は、前記ゲート電極の端部近傍における他方の拡散層の第2導電型を与える不純物濃度より薄いことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体記憶装置及びその製造方法、並びに携帯電子機器に関する。更に詳しくは、本発明は、電荷を蓄積する機能を有する材料からなる電荷保持部に電荷を蓄積することで情報を記憶する半導体記憶装置及びその製造方法、並びに携帯電子機器に関する。
従来、電荷を蓄積する機能を有する絶縁膜としてシリコン窒化膜を用いた半導体記憶装置(不揮発性メモリ)が考案されている。このような不揮発性メモリの例として、図17に示すような特開昭63−204770号公報(特許文献1)に記載された装置が挙げられる。図17中、911はアクティブ領域、912はポリシリコンゲート層、913、914は高濃度層、915、916は低濃度層、917はゲート酸化膜、918、919は窒化膜からなるサイドウォールスペーサを示している。
図17で示した装置では、サイドウォールスペーサ918又は919に蓄積された電荷の多寡により、装置の閾値が変化する。この変化を利用すれば、メモリ動作が可能となる。例えば、右側のサイドウォールスペーサ919への書込み(電子の蓄積)は、次のように行われる。すなわち、左側の高濃度層913をソース、右側の高濃度層914をドレイン、ポリシリコンゲート層912をゲート電極とするトランジスタを動作させることで、サイドウォールスペーサ919の直下でチャネルホットエレクトロンが発生する。このエレクトロンがサイドウォールスペーサ919に注入されることにより、上記書き込みが行われる。
特開昭63−204770号公報
しかしながら、前記従来技術によれば、書込み動作時に、左側(ソース側)の低濃度層915で電圧降下が発生する。そのため、ドレイン電界が弱まり、チャネルホットエレクトロンのエネルギーが低下することが避けられなかった。この低下は、サイドウォール919への電子注入効率を低下させるため、書込み動作速度の低下の原因となっていた。また、この動作速度は、ドレインへの印加電圧を上げることで、上げることが可能である。しかし、印加電圧を上げることは、低駆動電圧化の妨げになる。
本発明は、前記課題に鑑みなされたものであり、高速書込み動作又は低電圧書込み動作が可能な半導体記憶装置を提供することを目的とする。更には、そのような半導体記憶装置の製造方法や、そのような半導体記憶装置を備えた携帯電子機器を提供することも目的とする。
かくして本発明によれば、第1導電型の半導体層内に設けられた第2導電型の2つの拡散層と、該2つの拡散層間に設けられたチャネル領域と、該チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、該ゲート電極の側壁に設けられたゲート側壁絶縁膜と、該ゲート側壁絶縁膜内に配置された電荷を蓄積する機能を有する材料からなる電荷保持部を備え、前記2つの拡散層は前記ゲート電極にオーバーラップするように設けられ、前記ゲート電極の端部近傍における一方の拡散層の第2導電型を与える不純物濃度は、前記ゲート電極の端部近傍における他方の拡散層の第2導電型を与える不純物濃度より薄いことを特徴とする半導体記憶装置(第1の発明)が提供される。
また、本発明によれば、第1導電型の半導体層内に設けられた第2導電型の2つの拡散層と、該2つの拡散層間に設けられたチャネル領域と、該チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、該ゲート電極の側壁に設けられたゲート側壁絶縁膜と、該ゲート側壁絶縁膜内に配置された電荷トラップ準位を有する電荷保持部としての絶縁体を備え、前記2つの拡散層の一方は第1の高濃度拡散層と第1の低濃度拡散層とからなり、前記2つの拡散層の他方は第2の高濃度拡散層と第2の低濃度拡散層とからなり、前記第1及び第2の高濃度拡散層はそれぞれ前記ゲート電極とオフセットして配置され、前記第1及び第2の低濃度拡散層はそれぞれ前記第1及び第2の高濃度拡散層端から前記ゲート電極の方向に延在するように前記ゲート電極とオーバーラップして配置され、前記第1の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度は、前記第2の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度より薄いことを特徴とする半導体記憶装置(第2の発明)が提供される。
更に、本発明によれば、上記第1の発明に係る半導体記憶装置を製造する方法であって、前記半導体層上に前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極のゲート長方向の一方の端部及び該一方の端部に隣接する前記半導体層上の一部が覆われるようにパターニングされた注入マスクを形成する工程と、該注入マスク及び前記ゲート電極をマスクとしてゲート電極の他方の側の端部に隣接する前記半導体層のみに第1の不純物を注入する工程と、前記注入マスクを除去する工程と、前記ゲート電極をマスクとして前記ゲート電極の一方の側の端部に隣接する前記半導体層に第2の不純物を注入して前記2つの拡散層を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法(第3の発明)が提供される。
また更に、本発明によれば、上記第2の発明に係る半導体記憶装置を製造する方法であって、前記半導体層上に前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極のゲート長方向の一方の端部及び該一方の端部に隣接する前記半導体層上の一部が覆われるようにパターニングされた注入マスクを形成する工程と、該注入マスク及び前記ゲート電極をマスクとして前記ゲート電極の他方の側の端部に隣接する前記半導体層のみに前記第2の低濃度拡散層を形成するための第1の不純物を注入する工程と、前記注入マスクを除去する工程と、前記ゲート電極をマスクとして前記ゲート電極の一方の側の前記半導体層に前記第1の低濃度拡散層を形成するための第2の不純物を注入する工程とを含むことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法(第4の発明)が提供される。
更にまた、本発明によれば、上記半導体記憶装置を備えていることを特徴とする携帯電子機器(第5の発明)が提供される。
第1の発明である半導体記憶装置によれば、ゲート電極の端部近傍における一方の拡散層の第2導電型を与える不純物濃度が薄く、ゲート電極の端部近傍における他方の拡散層の第2導電型を与える不純物濃度が濃くなっている。すなわち、ゲート電極端部近傍における第2導電型を与える不純物濃度が、2つの拡散層で非対称となっている。
そのため、書込み動作時においては、他方の拡散層の側での電圧降下が小さくなる。この結果、書込み速度を向上できるか、又は書込み動作電圧を小さくできる。
更に、読出し動作時においては、一方の拡散層を流れる電流が記憶状態によって大きく変化するため、大きなメモリウィンドウを得ることができる。従って、十分なメモリウィンドウを確保しつつ高速読出し動作又は低電圧読出し動作が可能となる。
また、第2の発明である半導体記憶装置によれば、以下の(1)及び(2)の構成を有している。
(1)第1及び第2の低濃度拡散層は、それぞれ第1及び第2の高濃度拡散層端からゲート電極の方向に延在し、かつゲート電極とオーバーラップして配置されている。
(2)第1の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度は、第2の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度より薄くなっている。すなわち、第2導電型を与える不純物濃度が、2つの低濃度拡散層で非対称となっている。
そのため、書込み動作時においては、第2の低濃度拡散層の側での電圧降下が小さくなる。この結果、書込み速度を向上できるか、又は書込み動作電圧を小さくできる。
更に、読出し動作時においては、第1の低濃度拡散層を流れる電流が記憶状態によって大きく変化するため、大きなメモリウィンドウを得ることができる。従って、十分なメモリウィンドウを確保しつつ高速読出し動作又は低電圧読出し動作が可能となる。
第2の発明において、第1の低濃度拡散層の厚さが第2の低濃度拡散層の厚さよりも小である場合、以下の効果を有する。
すなわち、第1の低濃度拡散層の厚さが小であることで、メモリウィンドウを大きくできる。一方、第2の低濃度拡散層の厚さが大であることで、書込み動作速度を高速化でき、かつメモリウィンドウも増加できる。従って、大きなメモリウィンドウと書込み動作の高速化をより良好に両立することが可能となる。
第2の発明において、第1の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度が、第2の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度の1/3以下である場合、以下の効果を有する。
すなわち、大きなメモリウィンドウと書込み動作の高速化をより良好に両立することが可能となる。
第2の発明において、
(1)第1の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度が、
(a)第1の低濃度拡散層の基板表面と垂直方向の厚さが5nm以上10nm以下のときは1×1016cm-3以上であって3×1018cm-3以下、
(b)第1の低濃度拡散層の基板表面と垂直方向の厚さが10nm以上200nm以下のときは1×1016cm-3以上であって1×1018cm-3以下
であり、
(2)第2の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度が、
(a)第2の低濃度拡散層の基板表面と垂直方向の厚さが5nm以上30nm未満のときは1×1019cm-3以上であって1×1021cm-3以下
(b)第2の低濃度拡散層の基板表面と垂直方向の厚さが30nm以上100nm以下のときは3×1018cm-3以上であって1×1021cm-3以下
である場合、以下の効果を有する。
すなわち、大きなメモリウィンドウと書込み動作の高速化を更に良好に両立することが可能となる。
第2の発明において、第1の低濃度拡散層の下に接して第1導電型を与える不純物濃度が半導体層より濃い領域を配置した場合、以下の効果を有する。
すなわち、書込み動作時のドレイン電界が強まるため、書込み速度を更に高速化できる。また、書込み状態での読出し動作時においては、第1の低濃度拡散層を流れる電子を効率よく遮断することが可能となる。それゆえ、書込み状態での読出し電流をより小さくできる。従って、更に書込み動作を高速化できると共に、メモリウィンドウを大きくできる。
第2の発明において、第1の低濃度拡散層中の第2導電型を与える不純物全体の50重量%以上を占める不純物の熱拡散係数が、第2の低濃度拡散層中の第2導電型を与える不純物全体の50重量%以上を占める不純物の熱拡散係数より小さい場合、以下の効果を有する。
すなわち、第1の低濃度拡散層の厚さを第2の低濃度拡散層の厚さより薄くすることが容易となる。そのため、大きなメモリウィンドウと書込み動作の高速化をより良好に両立することが容易となる。
更に、第2の発明において、
(1)第1の低濃度拡散層の厚さが、第2の低濃度拡散層の厚さの1/2〜/20倍である、
(2)第1及び第2の高濃度拡散層とゲート電極とのオフセット量が、5〜30nmの範囲である、
(3)第1及び第2の低濃度拡散層とゲート電極とのオーバーラップ量が、1〜30nmの範囲である、
(4)第1及び第2の高濃度拡散層が、それぞれゲート側壁絶縁膜とオーバーラップしている、又は
(5)第1及び第2の高濃度拡散層とゲート側壁絶縁膜とのオーバーラップ量が、10〜100nmの範囲である
場合、以下の効果を有する。
すなわち、大きなメモリウィンドウと書込み動作の高速化をより良好に両立することが可能となる。
また、第3の発明である半導体記憶装置の製造方法によれば、ロジックトランジスタのような標準トランジスタの形成プロセスと非常に親和性の高いプロセスによって、一方の拡散層の不純物濃度と、他方の拡散層の不純物濃度とを変えることができる。
同様に、第4の発明である半導体記憶装置の製造方法によれば、ロジックトランジスタのような標準トランジスタの形成プロセスと非常に親和性の高いプロセスによって、第1の低濃度拡散層の不純物濃度と、第2の低濃度拡散層の不純物濃度とを変えることができる。
従って、簡易な方法で第1及び第2の発明である半導体記憶装置を製造できるとともに、ロジックトランジスタとの混載が容易となる。
第4の発明において、第1の不純物を注入する工程の後に電荷トラップ準位を有する絶縁体を堆積する工程を行い、電荷トラップ準位を有する絶縁体を堆積する工程の後に第2の不純物注入工程を行う場合、以下の効果を有する。
すなわち、第1の低濃度拡散層の厚さを第2の低濃度拡散層の厚さより小さくするのが容易となる。その結果、大きなメモリウィンドウと書込み動作の高速化をより良好に両立することが容易となる。更には、注入によるシリコン窒化膜のような絶縁体へのダメージを抑制してメモリ保持特性を良好に保つことができる。
また、第5の発明である携帯電子機器によれば、論理回路部との混載プロセスが容易であり、高速動作が可能である半導体記憶装置を用いている。そのため、動作速度が向上し、かつ製造コストが削減された携帯電子機器を得ることができる。
以下、第1から第5の発明をこの順で説明する。
(第1の発明)
まず、半導体層としては、半導体層としての役割を果たす半導体基板、基板上に形成された半導体層等が挙げられる。
半導体基板としては、半導体記憶装置に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、シリコンゲルマニウム、GaAs、InGaAs、ZnSe、GaN等の化合物半導体によるバルク基板が挙げられる。また、表面に半導体層を有する基板としては、SOI(Silicon on Insulator)基板、SOS基板又は多層SOI基板等の種々の基板、ガラスやプラスチック基板上に半導体層を有するもの等が挙げられる。なかでもシリコン基板又は表面にシリコン層が形成されたSOI基板等が好ましい。半導体基板又は半導体層は、内部を流れる電流量に多少が生ずるが、単結晶(例えば、エピタキシャル成長による)、多結晶又はアモルファスのいずれであってもよい。
この半導体層上には、素子分離領域が形成されていてもよい。素子分離領域は、LOCOS膜、トレンチ酸化膜、STI膜等種々の素子分離膜により形成できる。更にロジックトランジスタ、キャパシタ、抵抗等の素子が形成されていてもよい。また、これら素子間を接続する回路及び層間絶縁膜を組み合わせたマルチレイヤー構造が半導体層上に形成されていてもよい。
半導体層は、第1導電型を有する。ここで、第1導電型とは、P型又はN型の導電型を意味する。半導体層の不純物濃度は、当該分野で公知の範囲に設定できる。例えば、1×1015〜1×1019cm-3の範囲である。なお、明細書中、第2導電型とは、第1導電型がP型の場合N型を、N型の場合P型を意味する。
半導体層には、第1導電型のウェル領域が形成されていてもよい。
半導体層内には、第2導電型の2つの拡散層と、2つの拡散層間のチャネル領域とを備えている。チャネル領域は、デザインルールによって異なるが、20〜2000nmのチャネル長、チャネル長の1〜10倍のチャネル幅を有していることが好ましい。
チャネル領域上のゲート絶縁膜は、通常、半導体装置に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の絶縁膜;酸化アルミニウム膜、酸化チタニウム膜、酸化タンタル膜、酸化ハフニウム膜、酸化アルミニウムハフニウム等の高誘電体膜の単層膜又は積層膜を使用できる。なかでも、シリコン酸化膜が好ましい。ゲート絶縁膜(シリコン酸化膜換算)は、例えば、1〜20nm程度、好ましくは1〜6nm程度の膜厚とすることが適当である。
ゲート電極は、ゲート絶縁膜上に、通常半導体記憶装置に使用されるような形状で形成されている。なお、ゲート電極は、単層又は多層の導電膜によって分離されることなく、一体形状を有していても、多層の導電膜が分離された構造を有していてもよい。ゲート電極の材料は、通常、半導体記憶装置に使用される材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリシリコン:銅、アルミニウム等の金属:タングステン、チタン、タンタル等の高融点金属:高融点金属とのシリサイド等が挙げられる。これら材料からなる膜は、単層膜又は積層膜でゲート電極を構成できる。ゲート電極の厚さは、例えば50〜400nm程度が適当である。
なお、例えば、技術ノードが180nmの場合、チャネル長方向のゲート電極の長さ(ゲート長)は、110〜180nmであることが好ましく、チャネル幅方向のゲート電極の長さ(ゲート幅)は、180〜400nmであることが好ましい。なお、ゲート幅は、メモリウィンドウが小さく、すなわち、読み出しスピードが遅くてもよい仕様の場合は、上記範囲より短くしても構わない。高速動作が要求され半導体記憶装置の面積が多少大きくても構わない仕様の場合は、上記範囲より長くても構わない。
なお、ゲート電極は、後述するゲート側壁絶縁膜の側壁のみに形成されるか、あるいはゲート側壁絶縁膜の上部を覆わないことが好ましい。このような配置により、コンタクトプラグをよりゲート電極と接近して配置できるので、半導体記憶装置の微細化が容易となる。また、このような単純な配置を有する半導体記憶装置は製造が容易であり、歩留まりを向上できる。
ゲート側壁絶縁膜は、少なくとも電荷を蓄積する機能を有する材料からなる電荷保持部を有する。電荷を蓄積する機能を有する材料としては、シリコン窒化物;シリコン;リン、ボロン等の不純物を含むシリケートガラス;シリコンカーバイド;アルミナ;ハフニウムオキサイド、ジルコニウムオキサイド、タンタルオキサイド等の高誘電体;酸化亜鉛;強誘電体;金属等が挙げられる。
電荷保持部のゲート側壁絶縁膜内への配置は、電荷保持部が電荷を蓄積(例えば、トラップ)できさえすれば特に限定されない。具体的な配置例としては、シリコン窒化膜を含む絶縁膜;導電膜もしくは半導体層を内部に含む絶縁膜;導電体もしくは半導体ドットを1つ以上含む絶縁膜;電界により内部電荷が分極し、その状態が保持される強誘電体膜を含む絶縁膜等の単層又は積層構造によって形成できる。なかでも、シリコン窒化膜は、電荷をトラップする準位が多数存在するため大きなヒステリシス特性を得ることができ、また、電荷保持時間が長く、リークパスの発生による電荷漏れの問題が生じないため保持特性が良好であり、更に、LSIプロセスではごく標準的に用いられる材料であるため、好ましい。
例えば、シリコン窒化膜のような電荷保持部をゲート電極の少なくとも電荷の蓄積を望む側(両側でもよい)にトンネル絶縁膜を介して配置することにより、記憶保持に関する信頼性を高めることができる。シリコン窒化膜は、その一部に電荷のリークが生じた場合でも、直ちにシリコン窒化膜全体の電荷が失われることがないからである。また、複数の半導体記憶装置を配列する場合、装置間の距離が縮まって隣接するゲート側壁絶縁膜が接触しても、ゲート側壁絶縁膜が導電体からなる場合のようにそれぞれのゲート側壁絶縁膜に記憶された情報が失われることがない。更に、コンタクトプラグをよりゲート側壁絶縁膜と接近して配置でき、場合によってはゲート側壁絶縁膜と重なるように配置できるので、半導体記憶装置の微細化が容易となる。
なお、記憶保持に関する信頼性を高めるためには、電荷保持部は、必ずしも膜状である必要はなく、電荷保持部がゲート側壁絶縁膜中に離散的に存在していてもよい。具体的には、電荷を保持しにくい材料、例えば、シリコン酸化物中にドット状に電荷保持部が分散していることが好ましい。
電荷保持膜として導電膜又は半導体層を用いる場合には、電荷保持部が半導体層又はゲート電極と直接接触しないように、トンネル絶縁膜を介して配置させることが好ましい。
導電膜又は半導体層を内部に含む絶縁膜をゲート側壁絶縁膜として用いることにより、導電体又は半導体中への電荷の注入量を自由に制御でき、多値化しやすいため、好ましい。
更に、導電体又は半導体ドットを1つ以上含む絶縁膜をゲート側壁絶縁膜として用いることにより、電荷の直接トンネリングによる書込・消去しやすくなり、低消費電力化でき、好ましい。
また、電荷保持部として、電界により分極方向が変化するPZT、PLZT等の強誘電体膜を用いてもよい。この場合、分極により強誘電体膜の表面に実質的に電荷が発生し、その状態で保持される。従って、ゲート側壁絶縁膜を有する膜外から電荷が供給され、電荷をトラップする膜と同様なヒステリシス特性を得ることができ、かつ、強誘電体膜の電荷保持は、膜外からの電荷注入の必要がなく、膜内の電荷の分極のみによってヒステリシス特性を得ることができるため、高速に書込・消去でき、好ましい。
なお、トンネル絶縁膜としては、電荷を逃げにくくする機能を有する膜であることが適当であり、この電荷を逃げにくくする機能を果たすものとしては、シリコン酸化膜等が挙げられる。
ゲート側壁絶縁膜に含まれる電荷保持部は、トンネル絶縁膜を介してゲート電極の両側に位置し、かつトンネル絶縁膜を介して半導体層上に配置されていてもよい。ゲート電極の片側又は両側の電荷保持部は、トンネル絶縁膜を介してゲート電極の側壁の全て又は一部を覆うように形成されていることが好ましい。
また、電荷保持部と半導体層との間のトンネル絶縁膜は、電荷保持部とゲート電極側壁部との間のトンネル絶縁膜よりも厚い絶縁膜が使用できる。ゲート電極の両側壁部のトンネル絶縁膜は、互いに同一の厚さでも、異なる厚さを有していてもよい。電荷保持部と半導体層との間のトンネル絶縁膜は、3〜10nmであることが好ましい(シリコン酸化膜換算)。一方、電荷保持部とゲート電極側壁部との間のトンネル絶縁膜は、1〜5nmであることが好ましい(シリコン酸化膜換算)。更に、電荷保持部と半導体層との間のトンネル絶縁膜は、電荷保持部とゲート電極側壁部との間のトンネル絶縁膜より、1.25〜4倍厚いことが好ましい。
第2導電型の拡散層は、ゲート電極にオーバーラップするように形成されている。拡散層とゲート電極とのオーバーラップ量は、下限が0nmより大きい量であり、上限が半導体記憶装置の動作しうる量である。具体的には、1〜30nmの範囲であることが好ましい。
また、ゲート電極の端部近傍における一方の拡散層の第2導電型を与える不純物濃度が、ゲート電極の端部近傍における他方の拡散層の第2導電型を与える不純物濃度より薄くなっている。薄くなる程度は、限定されないが、濃い側の不純物濃度の1/3以下であることが好ましく、より好ましくは1/3〜1/10000であり、特に好ましくは1/10〜1/10000である。
更に、ゲート電極の端部近傍における拡散層の垂直方向の厚さ(以下、単に厚さとする)は、特に限定されないが、5〜100nmの範囲であることが好ましい。特に、ゲート電極の端部近傍において、薄い側の拡散層の厚さは、濃い側の拡散層より小であることが好ましい。更に好ましくは、薄い側の拡散層の厚さは、濃い側の拡散層の厚さの1/2倍以下であり、より好ましくは、1/2〜1/20倍であり、特に好ましくは1/3〜1/20倍である。
特に好ましくは、ゲート電極の端部近傍において、
(1)薄い側の拡散層の不純物濃度は、
(a)この領域の厚さが5nm以上10nm未満のときは1×1016cm-3以上であって3×1018cm-3以下、
(b)厚さが10nm以上100nm以下のときは1×1016cm-3以上であって1×1018cm-3以下
であり、
(2)濃い側の拡散層の不純物濃度は、
(a)この領域の厚さが5nm以上30nm未満のときは1×1019cm-3以上であって1×1021cm-3以下
(b)厚さが30nm以上200nm以下のときは3×1018cm-3以上であって1×1021cm-3以下
の場合である。
ところで、ゲート電極の端部近傍には、拡散層中のゲート電極とオーバーラップしている部分が含まれることが好ましい。
なお、ゲート電極の端部近傍以外の拡散層の不純物濃度は、特に限定されず、ゲート電極の端部近傍より濃くても薄くてもよい。しかしながら、拡散層内の抵抗はなるべく小さい方が好ましいことを考慮すると、ゲート電極の端部近傍以外の拡散層の不純物濃度はなるべく濃くするのが好ましい。そのような不純物濃度は、例えば、1×1020〜1×1021cm-3の範囲である。ゲート電極の端部近傍以外の拡散層の厚さは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
また、ゲート電極の端部近傍の拡散層の下部を覆う第1導電型の拡散層を設けてもよい。この拡散層の不純物濃度は、半導体層よりも高いことが好ましい。
(第2の発明)
第2の発明に関する半導体記憶装置は、2つの拡散層の構成、電荷蓄積層が電荷トラップ準位を有する電荷保持部としての絶縁体である構成以外は、第1の発明に関する装置と同様の構成を採用できる。
第2の発明において、2つの拡散層は、その一方が第1の高濃度拡散層と第1の低濃度拡散層とからなり、他方が第2の高濃度拡散層と第2の低濃度拡散層とからなる。
第1及び第2の高濃度拡散層は、それぞれゲート電極とオフセットして配置されている。オフセット量は、下限が0nmより大きい量であり、上限が半導体記憶装置の動作しうる量である。具体的には、5〜30nmの範囲であることが好ましい。これら領域の厚さは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
なお、第1及び第2の高濃度拡散層は、それぞれゲート側壁絶縁膜とオーバーラップして配置されていることが好ましい。オーバーラップ量は、下限が0nmより大きい量であり、上限が半導体記憶装置の動作しうる量である。具体的には、10〜100nmの範囲であることが好ましい。
第1及び第2の低濃度拡散層は、それぞれ第1及び第2の高濃度拡散層端からゲート電極の方向に延在するようにゲート電極とオーバーラップして配置されている。オーバーラップ量は、下限が0nmより大きい量であり、上限が半導体記憶装置の動作しうる量である。具体的には、1〜30nmの範囲であることが好ましい。
また、第1の低濃度拡散層の不純物濃度は、第2の低濃度拡散層の不純物濃度より薄くなっている。薄くなる程度は、限定されないが、濃い側の不純物濃度の1/3以下であることが好ましく、より好ましくは1/3〜1/10000であり、特に好ましくは1/10〜1/10000である。
更に、第1及び第2の低濃度拡散層の厚さは、特に限定されないが、5〜100nmの範囲であることが好ましい。特に、第1の低濃度拡散層の厚さは、第2の低濃度拡散層の厚さよりも小であることが好ましい。更に好ましくは、第1の低濃度拡散層の厚さは、第2の低濃度拡散層の厚さの1/2倍以下であり、より好ましくは、1/2〜1/20倍であり、特に好ましくは1/3〜1/20倍である。
特に好ましくは、
(1)第1の低濃度拡散層の不純物濃度は、
(a)この領域の厚さが5nm以上10nm未満のときは1×1016cm-3以上であって3×1018cm-3以下、
(b)厚さが10nm以上100nm以下のときは1×1016cm-3以上であって1×1018cm-3以下
であり、
(2)第2の低濃度拡散層の不純物濃度は、
(a)この領域の厚さが5nm以上30nm未満のときは1×1019cm-3以上であって1×1021cm-3以下
(b)厚さが30nm以上200nm以下のときは3×1018cm-3以上であって1×1021cm-3以下
の場合である。
なお、第1及び第2の高濃度拡散層の不純物濃度は、特に限定されない。しかしながら、拡散層内の抵抗はなるべく小さい方が好ましいことを考慮すると、第1及び第2の高濃度拡散層の不純物濃度はなるべく濃くするのが好ましい。そのような不純物濃度は、例えば、1×1020〜1×1021cm-3である。
(第3の発明)
第3の発明は、第1の発明の半導体記憶装置の製造方法に関する。以下工程順に説明する。
まず、半導体層上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する。ゲート絶縁膜の形成方法としては、特に限定されず、例えば、熱酸化法、蒸着法、スパッタ法、CVD法等が挙げられる。ゲート電極の形成方法は、特に限定されず、例えば、蒸着法、CVD法等が挙げられる。
次に、ゲート電極のゲート長方向の一方の端部及び該一方の端部に隣接する半導体層上の一部が覆われるようにパターニングされた注入マスクを形成する。注入マスクは、通常フォトレジストからなり、フォトリソグラフィ法により所定の形状に形成される。
上記注入マスク及びゲート電極をマスクとして、ゲート電極の他方の側の端部に隣接する半導体層のみに第1の不純物を注入する。注入方向は、半導体層表面に対して、垂直方向、斜め方向でもよい。注入後、注入マスクは除去される。
次に、ゲート電極をマスクとして、ゲート電極の一方の側の端部に隣接する半導体層に第2の不純物を注入して2つの拡散層を形成する。この注入時に、他方の側の端部に隣接する半導体層にも第2の不純物が注入されるので、他方の拡散層の不純物濃度を、一方の拡散層より濃くできる。
上記不純物の注入後、不純物の活性化のために熱処理に付してもよい。この熱処理は、注入後直ちに行ってもよく、半導体記憶装置の形成後の他の目的の熱処理と兼ねてもよい。
この後、公知の方法により、ゲート側壁絶縁膜を形成することで、第1の発明の半導体記憶装置が得られる。
(第4の発明)
第4の発明は、第2の発明の半導体記憶装置の製造方法に関する。以下工程順に説明する。
まず、ゲート絶縁膜、ゲート電極及び注入マスクを第3の発明と同様にして形成する。
次に、上記注入マスク及びゲート電極をマスクとして、ゲート電極の他方の側の端部に隣接する半導体層のみに第1の不純物を注入して第2の低濃度拡散層を形成する。注入方向は、半導体層表面に対して、垂直方向、斜め方向でもよい。注入後、注入マスクは除去される。
次に、ゲート電極をマスクとして、ゲート電極の一方の側の端部に隣接する半導体層に第2の不純物を注入して第1の低濃度拡散層を形成する。この注入時に、他方の側の端部に隣接する半導体層にも第2の不純物が注入されるので、第2の低濃度拡散層の不純物濃度を、第1の低濃度拡散層より濃くできる。
上記不純物の注入後、不純物の活性化のために熱処理に付してもよい。この熱処理は、注入後直ちに行ってもよく、半導体記憶装置の形成後の他の目的の熱処理と兼ねてもよい。
ここで、第1の低濃度拡散層中の第2導電型を与える不純物(第2の不純物)全体の50重量%以上を占める不純物の熱拡散係数は、第2の低濃度拡散層中の第2導電型を与える不純物(第1及び第2の不純物)全体の50重量%以上を占める不純物の熱拡散係数より小さいことが好ましい。この関係を有することで、第1の低濃度拡散層の厚さを、前記第2の低濃度拡散層の厚さよりも小さくできる。これら熱拡散係数の不純物は、それぞれ80重量%以上を占めることがより好ましい。
この後、公知の方法により、ゲート側壁絶縁膜と第1及び第2の高濃度拡散層を形成することで、第2の発明の半導体記憶装置が得られる。
(第5の発明)
第5の発明は、本発明の半導体記憶装置を備えた携帯電子機器である。携帯電子機器としては、携帯情報端末、携帯電話、ゲーム機器等が挙げられる。
例えば、携帯電話は、主として、制御回路、電池、RF(無線周波数)回路、表示部、アンテナ、信号線、電源線等によって構成されている。本発明の半導体記憶装置は、例えば、制御回路に使用できる。
なお、本発明の半導体記憶装置は、携帯電子機器に限らず、種々の電子機器(冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、空気清浄機、テレビ、ラジオ等の家電製品や、コンピュータ等)にも搭載可能である。
以下の実施の形態において、本発明の半導体記憶装置(メモリセル)をより詳細に説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1を図1〜図3を用いて説明する。図1は実施の形態1の半導体記憶装置の概略断面図、図2は図1の主要部の拡大図、図3は実施の形態1の半導体記憶装置の書込み特性と従来の半導体記憶装置の書込み特性を比較するグラフである。
なお、実施の形態1ではNチャネル型の素子について説明するが、導電型を反対にすればPチャネル型の素子となる。また、Pチャネル型の素子の動作方法は、Nチャネル型の素子の動作方法における電圧の符号を反対とすればよい。
実施の形態1の半導体記憶装置は、第1導電型の半導体層内に設けられた第2導電型の2つの拡散層と、該2つの拡散層間に設けられたチャネル領域と、該チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、該ゲート電極の側壁に設けられたゲート側壁絶縁膜と、該ゲート側壁絶縁膜内に配置された電荷トラップ準位を有する電荷保持部としての絶縁体を備え、前記2つの拡散層の一方は第1の高濃度拡散層と第1の低濃度拡散層とからなり、前記2つの拡散層の他方は第2の高濃度拡散層と第2の低濃度拡散層とからなり、前記第1及び第2の高濃度拡散層はそれぞれ前記ゲート電極とオフセットして配置され、前記第1及び第2の低濃度拡散層はそれぞれ前記第1及び第2の高濃度拡散層端から前記ゲート電極の方向に延在するように前記ゲート電極とオーバーラップして配置され、前記第1の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度は、前記第2の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度より薄いことを特徴としている。
より具体的には、図1に示すように、P型(第1導電型)のシリコン基板(半導体層)101内に2つのN型(第2導電型)の拡散層が形成されている。シリコン基板表面であって2つの拡散領域間にはチャネル領域が形成されている。チャネル領域上にはゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)111を介してゲート電極112が形成されている。ゲート電極112の両側壁にはゲート側壁絶縁膜11、12が形成されている。ゲート側壁絶縁膜11、12は、それぞれシリコン窒化膜122がシリコン酸化膜121、123で挟まれた構造を有している。シリコン窒化膜122は電荷をトラップする準位を有しており、この準位にトラップされた電荷の多寡が記憶情報となる。2つの拡散領域は、第1及び第2の高濃度拡散層131、132と第1及び第2の低濃度拡散層141、142とからなる。第1及び第2の高濃度拡散層131、132はそれぞれゲート電極112とはオフセットして配置されている。第1及び第2の低濃度拡散層141、142は、それぞれ第1及び第2の高濃度拡散層の端からゲート電極112の方向に延在し、かつゲート電極112とオーバーラップしている。
実施の形態1の半導体記憶装置は、専らゲート側壁絶縁膜11の側、すなわち、第1の低濃度拡散層141上のシリコン窒化膜122に電荷を蓄積することにより情報の記憶を行う。但し、ゲート電極及び拡散層への印加電圧を調整することで、ゲート側壁絶縁膜12側への情報の記憶も可能である。以下に実施の形態1の半導体記憶装置の動作方法を簡単に説明する。
書込動作は、チャネルホットエレクトロン注入によって行うことができる。例えば、第2の高濃度拡散層132に接続された端子に0V、第1の高濃度拡散層131に接続された端子に+5V、ゲート電極112に+5V、シリコン基板101に接続された端子に0Vを印加する。これにより、トランジスタがオンし、第2の高濃度拡散層132から第1の高濃度拡散層131へと電子が流れる。このとき、第1の低濃度拡散層付近でホットエレクトロンが発生し、ゲート側壁絶縁膜11の側のシリコン窒化膜122に電子が蓄積される。これにより、書込みが行われる。
読出動作は、書込動作のときとは第1の高濃度拡散領域131に接続された端子に与える電圧と第2の高濃度拡散領域132に接続された端子に与える電圧の大小を入れ替えることで行うことができる。例えば、第1の高濃度拡散領域131に接続された端子に0V、第2の高濃度拡散層132に接続された端子に+2V、ゲート電極112に+3V、シリコン基板101に接続された端子に0Vを印加する。このようにして、第1の低濃度拡散層141上のシリコン窒化膜122に記憶された情報を読み出すことができる。
消去動作は、バンド間トンネルにより発生した正孔を注入することにより行うことができる。例えば、第1の高濃度拡散領域131に接続された端子に+5V、シリコン基板101に接続された端子に0V、ゲート電極112に−5Vを印加する。これにより、バンド間トンネルにより発生した正孔はゲート側壁絶縁膜11の側のシリコン窒化膜122に注入され、消去が行われる。
実施の形態1の半導体記憶装置は、ゲート端部近傍におけるN導電型を与える不純物濃度が、2つの拡散層で非対称であることを特徴としている。すなわち、情報を記憶する側(ゲート側壁絶縁膜11の側)のゲート端部付近における拡散層のN導電型を与える不純物濃度は、反対側(ゲート側壁絶縁膜12の側)のゲート端部付近における拡散層のN導電型を与える不純物濃度より薄いことを特徴としている。更に言い換えれば、第1の低濃度拡散層141のN導電型を与える不純物濃度は、第2の低濃度拡散層142のN導電型を与える不純物濃度より薄いことを特徴としている。そのため、十分なメモリウィンドウを確保しつつ高速書込み動作又は低電圧書込み動作が可能となる。以下にその理由とより好適な条件を詳述する。
まず、実施の形態1の半導体記憶装置が十分なメモリウィンドウを確保しつつ高速書込み動作又は低電圧書込み動作が可能となる理由を説明する。従来の半導体記憶装置では、書込み動作を行う際、ソース側の低濃度層で電圧降下が起こり、書込み速度の低下を招いていた。書込み速度の低下を補うためにはドレイン電圧を上げればよいが、そうすると書込み動作の低電圧化が阻害されることとなる。ソース側の電圧降下により書込み速度が低下するのは、ドレイン付近での電子のエネルギーが低下するためである。電子がシリコン窒化膜へ注入されるためにはシリコン酸化膜のエネルギー障壁(約3V)を超える必要があるため、電子の注入効率はドレイン付近での電子のエネルギーに非常に敏感である。それゆえ、ソース側の低濃度層での電圧降下は深刻な問題となっていた。
一方、実施の形態1の半導体記憶装置は、書込み動作時にソースとなる側の低濃度層、すなわち、第2の低濃度拡散層142のN導電型を与える不純物濃度を、第1の低濃度拡散層141のN導電型を与える不純物濃度よりも濃くしている。そのため、書込み動作時のソース側の電圧降下が抑制され、高速書込み動作又は低電圧書込み動作が可能となるのである。
ところで、書込み動作時にドレインとなる側の低濃度層、言い換えれば読出し動作時にソースとなる側の低濃度層(第1の低濃度拡散層141)のN導電型を与える不純物濃度は、反対側の低濃度層(第2の低濃度拡散層142)に比べて薄いことが重要である。第1の低濃度拡散層141のN導電型を与える不純物濃度を、第2の低濃度拡散層142のN導電型を与える不純物濃度と同様に濃くしてしまった場合、メモリウィンドウの減少を招いてしまう。なぜならば、書込み動作によって第1の低濃度拡散層141上のシリコン窒化膜に電子が蓄積されても、読出し時に低濃度拡散層141を流れる電流を十分に小さくできなくなるためである。それゆえ、第1の低濃度拡散層141のN導電型を与える不純物濃度を、第2の低濃度拡散層142のN導電型を与える不純物濃度よりも薄くするのである。
次に、第1及び第2の低濃度拡散層141、142のより好適な条件について説明する。図2は、図1の主要部分の拡大図である。図2中、D1及びD2はそれぞれ第1及び第2の低濃度拡散層141、142の基板表面と垂直方向の厚さを表している。
第2の低濃度拡散層142の厚さ(D2)と不純物濃度(N2)に関して好適な値を述べる。以下の表1は、D2とN2を変化させたときの、書込み時におけるソース側の低濃度層(第2の低濃度拡散層142)の電圧降下(単位「V」)のシミュレーション結果を表している。
Figure 2007288060
ドレイン側の低濃度層(第1の低濃度拡散層141)の厚さD1は10nm、不純物濃度N1は1×1017cm-3としている。書込み電圧はドレイン電圧(第1の高濃度拡散層131に与える電圧)を+5V、ゲート電極に与える電圧を+5Vとしている。
表1から、第2の低濃度拡散層142の不純物濃度N2を第1の低濃度拡散層141の不純物濃度N1と同じ濃度(1×1017cm-3)とし、第2の低濃度拡散層142の厚さD2を第1の低濃度拡散層141の厚さD1と同じ厚さ(10nm)としたときには、1.14Vの電圧降下が起きることが分かる。ところが、D2が10nmのときはN2を1×1019cm-3以上、D2が30nm以上のときはN2を3×1018cm-3以上とすれば電圧降下を0.5V以下とできる。このことは、少なくとも書込み動作電圧を0.5V以上下げることができることを意味する(書込み電圧が5Vのときは10%以上の低電圧化となる)。あるいは、書込み動作電圧を変えなければ書込み動作の高速化ができることとなる。
以下の表2は、D2及びN2を表1と同条件としたときのメモリウィンドウ(単位「μA」)のシミュレーション結果を表している。
Figure 2007288060
メモリウィンドウは、第1の低濃度拡散層141上のシリコン窒化膜122に所定の量の電子又は正孔を配置したときの読出し電流量をシミュレーションすることにより求めた。読出し電圧はドレイン電圧(第2の高濃度拡散層132に与える電圧)を+1.2V、ゲート電極に与える電圧を+3Vとしている。
表2から明らかなように、N2を濃くするとメモリウィンドウは増加する。これは、読出し動作時にドレインとなる第2の低濃度拡散層142の抵抗が小さくなったことによる。従って、N2を濃くすることにより、書込み動作速度の高速化と共にメモリウィンドウも増加することが分かる。
第1の低濃度拡散層141の厚さ(D1)と不純物濃度(N1)の好適な値を述べる。以下の表3は、図2におけるD1とN1を変化させたときの、メモリウィンドウ(単位「μA」)のシミュレーション結果を表している。
Figure 2007288060
第2の低濃度拡散層142の厚さD2は50nm、不純物濃度N2は3×1019cm-3としている。読出し電圧はドレイン電圧(第2の高濃度拡散層132に与える電圧)を+1.2V、ゲート電極に与える電圧を+3Vとしている。
表3から明らかなように、D1が10nmのときはN1を3×1018cm-3以下、D1が30nm以上のときはN1を1×1018cm-3以下とすれば大きなメモリウィンドウを保つことができる。前記よりもN1を大きくしてしまうと、メモリウィンドウは急速に小さくなってしまう。
前記D1、N1、D2、N2の好ましい値を再述すると、D1及びD2が10nmのときは、N1は3×1018cm-3以下であってN2は1×1019cm-3以上であること、D1及びD2が30nm以上のときは、N1は1×1018cm-3以下であってN2は3×1018cm-3以上であることが好ましい。
以上のことを総合すると、第1の低濃度拡散層141の不純物濃度(N1)は第2の低濃度拡散層142の不純物濃度(N2)の1/3以下であることが好ましいことが明らかとなる。N1及びN2を前記のようにすることにより、大きなメモリウィンドウと書込み動作の高速化をより良好に両立することが可能となる。
図3は、実施の形態1の半導体記憶装置の書込み特性と従来の半導体記憶装置の実測の書込み特性を比較するグラフである。図3中、Aは従来の半導体記憶装置(2つの低濃度層の厚さ及び不純物濃度が等しい素子)の書込み特性である。また、Bは実施の形態1の半導体記憶装置(第2の低濃度層142を形成するための不純物注入量は第1の低濃度層141を形成するための不純物注入量の約3倍である)の書込み特性である。
図3から明らかなように、実施の形態1の半導体記憶装置は従来の半導体記憶装置に比べて著しく書込み動作が高速化されている。しかも、書込み前の読出し電流は、実施の形態1の半導体記憶装置(120μA)が従来の半導体記憶装置(100μA)より大きくなっている。これは、読出し動作時にドレインとなる第2の低濃度拡散層142の抵抗が小さくなったことによる。従って、実施の形態1の半導体記憶装置は、書込みが高速化されると同時にメモリウィンドウを大きくできることがわかる。なお、シミュレーションにより求められたメモリウィンドウと図3の実測値から読み取れるメモリウィンドウの絶対値は異なるが、これはシミュレーションで用いた素子と実測で用いた素子のゲート幅(シミュレーションは1μm、実測は約0.4μm)が異なるためである。
前記D1、N1、D2及びN2の更に好ましい値について述べる。第2の低濃度拡散層142の厚さD2は、形成する困難さを考慮すると5nm以上であることが好ましい。また、D2は微細な素子を形成する必要性を考慮すると200nm以下であることが好ましい。また、低濃度拡散領域は1×1021cm-3を超えて高濃度にするのは困難である。このことから、第2の低濃度拡散層のN導電型(第2導電型)を与える不純物濃度は、D2が5nm以上30nm未満のときは1×1019cm-3以上であって1×1021cm-3以下であり、D2が30nm以上200nm以下のときは3×1018cm-3以上であって1×1021cm-3以下であることが好ましい。
同様に、第1の低濃度拡散層141の厚さD1は、形成する困難さを考慮すると5nm以上であることが好ましい。また、D1が増えると徐々にメモリウィンドウが小さくなることから、D1は100nm以下であることが好ましい。また、低濃度拡散層の不純物濃度を1×1016cm-3未満とするのはプロセスの安定性からみて困難である。このことから、第1の低濃度拡散層のN導電型(第2導電型)を与える不純物濃度は、D1が5nm以上10nm未満のときは1×1016cm-3以上であって3×1018cm-3以下であり、D1が10nm以上100nm以下のときは1×1016cm-3以上であって1×1018cm-3以下であることが好ましい。
D1、N1、D2及びN2を前記のようにすることにより、大きなメモリウィンドウと書込み動作の高速化を更に良好に両立することが可能となる。
第1の低濃度拡散層141の厚さ(D1)と、第2の低濃度拡散層142の厚さ(D2)との関係は、D1がD2よりも薄いことが好ましい。表1及び表2から明らかなように、D2が大きくなるほど書込み時の電圧降下は小さくなって書込み動作速度が高速化し、かつメモリウィンドウは増加する。また、表3より明らかなように、D1が小であるほどメモリウィンドウが増加する。以上のことから、D1<D2とすることにより大きなメモリウィンドウと書込み動作の高速化をより良好に両立することが可能となる。
ここで、第1の低濃度拡散層141が、素子間の特性のばらつきを低減できることを述べる。素子間の特性ばらつきは様々な原因で起こる。この内、最も重要なのはゲート側壁絶縁膜の厚さばらつきを起因とする消去時の読出し電流ばらつきである。以下の表4は、図2におけるW(第1の高濃度拡散層131とゲート電極112とのオフセット量)が25nmから35nmに増加したときの消去時の読出し電流の変化率(単位「%」)を表している。この読出し電流の変化率が小さいことは、素子間の特性ばらつきを小さくできることを意味する。
Figure 2007288060
表4から明らかなように、D1及びN1が大きいほど読出し電流の変化率が小さくなる。無論、上述したようにN1が余りに濃い場合はメモリウィンドウが減少してしまうことがあるので、D1及びN1は既に記述した範囲内とすることが好ましい。ただし、N1が非常に薄い場合(1×1016cm-3)であっても第1の低濃度拡散層141がない場合の読出し電流の変化率(21%)に比べて小さくなっている。すなわち、第1の低濃度拡散層141がゲート電極にオーバーラップするように形成されていることにより、素子間の特性ばらつきを抑制しているのである。
ところで、2つの低濃度層の厚さと不純物濃度が等しい従来の半導体記憶装置は、その厚さや濃度を調整しても、実施の形態1の半導体記憶装置のように書込み動作を高速化できない。以下の表5及び表6はそれぞれ従来技術の半導体記憶装置において、低濃度層の厚さ(D)と不純物濃度(N)を変化させたときのソース側の電圧降下(単位「V」)及びメモリウィンドウ(単位「μA」)を表している。
Figure 2007288060
Figure 2007288060
表5及び表6から明らかなように、ソース側の電圧降下が小さい条件ではメモリウィンドウが著しく小さくなっている。実施の形態1の半導体記憶装置のように2つの低濃度層の不純物濃度が非対称であることにより書込み動作を高速化と大きなメモリウィンドウを維持することを両立できるのである。
以上のことから明らかなように、実施の形態1によれば、従来の半導体記憶装置に比べて書込み動作が高速化され、かつ、メモリウィンドウが大きい半導体記憶装置を得ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1の半導体記憶装置の製造方法に関する。図4〜図7は、実施の形態1に示した半導体記憶装置を形成する手順を説明する概略工程断面図である。
まず、図4に示すように、半導体層としてのシリコン基板101上にゲート絶縁膜としてのゲート酸化膜111を介してポリシリコンからなるゲート電極112を形成する。
次に、図5に示すように、フォトレジスト171をシリコン基板101の一部及びゲート電極112の一部を覆うようにパターニングする。その後、フォトレジスト171及びゲート電極112を注入マスクとしてN導電型を与える不純物イオン162を注入する(第1の不純物注入工程)。このイオン注入によってゲート電極の片側のみにN導電型を与える不純物イオン162が注入される。N導電型を与える不純物イオン162は、後に注入される不純物イオン161と共に、後に行われる熱処理によって第2の低濃度拡散層142を形成することとなる。N導電型を与える不純物イオンを注入する条件としては、例えば、リンイオンを注入する場合は、注入量として3×1012cm-2〜5×1014cm-2、注入エネルギーとして2KeV〜30KeVとし、砒素イオンを注入する場合は、注入量として3×1012cm-2〜5×1014cm-2、注入エネルギーとして5KeV〜60KeVとできるが、この限りではない。
次に、図6に示すように、フォトレジスト171を除去した後にシリコン酸化膜172及びシリコン窒化膜173をこの順に積層する。シリコン窒化膜173は、電荷をトラップする準位を有する絶縁膜として堆積させているが、必ずしもこの限りではなく、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化タンタル膜、酸化亜鉛膜、シリコンカーバイド等でもよい。また、シリコン酸化膜172は記憶電荷の散逸を防ぐために設けられているが、この限りではなく他の絶縁膜とすることができる。
しかしながら、電荷を蓄積する絶縁体としてシリコン窒化膜を、電荷を保持する絶縁体としてシリコン酸化膜を用いるのが好ましい。シリコン窒化膜は蓄積できる電荷密度が大きいため、メモリウィンドウを大きくできる。シリコン酸化膜は電荷に対する障壁の高さが大きいため、電荷保持機能に優れる。更には、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜は通常のLSIプロセスで広く用いられている。従って、信頼性が高く良好なメモリ特性を容易に得られるのである。
シリコン酸化膜172及びシリコン窒化膜173を堆積した後に、N導電型を与える不純物イオン161を注入する(第2の不純物注入工程)。このイオン注入によってゲート電極の両側にN導電型を与える不純物イオン161が注入される。N導電型を与える不純物イオン161は後に行われる熱処理によって第1の低濃度拡散層141を形成することとなる。N導電型を与える不純物イオンを注入する条件としては、例えば、リンイオンを注入する場合は、注入量として1×1012cm-2〜6×1013cm-2、注入エネルギーとして1KeV〜25KeVとし、砒素イオンを注入する場合は、注入量として1×1012cm-2〜6×1013cm-2、注入エネルギーとして2KeV〜40KeVとできるが、この限りではない。ただし、第1の低濃度拡散層141の不純物濃度が、第2の低濃度拡散層142の不純物濃度よりも薄くなるようにする。
前記手順によれば、第1の不純物注入工程の後にシリコン窒化膜(電荷トラップ準位を有する絶縁体)173を堆積する工程を行い、シリコン窒化膜173を堆積する工程の後に第2の不純物注入工程を行っている。ここで、不純物注入工程は、連続でない方が好ましい。その理由は以下の通りである。まず、注入量が多い第1の不純物注入工程は、シリコン窒化膜173を堆積する前に行うのが好ましい。なぜならば、電荷を蓄積するシリコン窒化膜越しのイオン注入は、シリコン窒化膜へのダメージによるメモリ保持特性劣化抑制の観点から、なるべく少なくしたいからである。
一方、第1の低濃度拡散層を形成するための第2の不純物工程は、シリコン窒化膜173を堆積した後に行うのが好ましい。なぜならば、実施の形態1で述べたように、第1の低濃度拡散層の厚さ(図2のD1)は第2の低濃度拡散層の厚さ(D2)より小であることが好ましいからである。シリコン窒化膜173を堆積した後に第2の不純物注入工程を行えば、N導電型を与える不純物イオン161がシリコン酸化膜172及びシリコン窒化膜173を積層する際の熱により拡散することを防ぐことができる。以上の理由により、第1の不純物注入工程の後に電荷トラップ準位を有する絶縁体を堆積する工程を行い、電荷トラップ準位を有する絶縁体を堆積する工程の後に第2の不純物注入工程を行うことにより、大きなメモリウィンドウと書込み動作の高速化をより良好に両立することが可能となる。
第2の不純物注入工程で注入する不純物イオン種の熱拡散係数は、第1の不純物注入工程で注入する不純物イオン種の熱拡散係数より小さいことが好ましい。この場合、第1の低濃度拡散層の厚さ(D1)を第2の低濃度拡散層の厚さ(D2)より薄くすることが容易となる。従って、大きなメモリウィンドウと書込み動作の高速化をより良好に両立することが容易となる。このことから、第1の低濃度拡散層141の第2導電型を与える不純物の過半を占める不純物種の熱拡散係数は、第2の低濃度拡散層142の第2導電型を与える不純物の過半を占める不純物種の熱拡散係数より小さいことが好ましい。このような構成の素子は、D1をD2より薄くすることが容易であるから、大きなメモリウィンドウと書込み動作の高速化をより良好に両立することが容易である。第1及び第2の低濃度拡散層141、142の第2導電型を与える不純物のうち過半を占める不純物の組み合わせとしては、砒素とリン、インジウムと砒素、インジウムとリン等がある。
次に、図7に示すように、シリコン窒化膜173上に更にシリコン酸化膜を堆積した後にエッチングバックを行い、ゲート側壁絶縁膜11、12を形成する。
その後に、ゲート電極112及びゲート側壁絶縁膜11、12をマスクとしてN導電型を与える不純物イオン163を注入する。このイオン注入によってゲート電極の両側にN導電型を与える不純物イオン163が注入される。N導電型を与える不純物イオン163は後に行われる熱処理によって第1及び第2の高濃度拡散層131、132を形成することとなる。その後公知のプロセスによって図1に示す半導体記憶装置を形成できる。
以上の手順より明らかなように、実施の形態1の半導体記憶装置を形成するための手順は、通常の標準トランジスタ形成プロセスと非常に親和性の高いものとなっている。そのため、半導体記憶装置(メモリ素子)とロジックトランジスタとを混載するプロセスは非常に簡便なものとなる。それゆえ、ロジックトランジスタと不揮発性メモリとを混載した半導体集積回路の製造コストを大幅に低減できる。
(実施の形態3)
実施の形態3の半導体記憶装置は、第1導電型の半導体層内に形成された第2導電型の2つの拡散層と、2つの拡散層間に形成されたチャネル領域と、チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、ゲート電極の側壁に形成されたゲート側壁絶縁膜と、ゲート側壁絶縁膜内に配置された電荷を蓄積する機能を有する材料からなる電荷保持部を備え、2つの拡散層は前記ゲート電極にオーバーラップするように形成され、ゲート電極の端部近傍における一方の拡散層の第2導電型を与える不純物濃度は、ゲート電極の端部近傍における他方の拡散層の第2導電型を与える不純物濃度より薄いことを特徴としている。
上記実施の形態3の半導体装置は、実施の形態1の半導体記憶装置とは、2つの拡散層のうちゲート端近傍の不純物濃度が濃い方が、高濃度拡散層のみからなる点で異なる。その他の構成は実施の形態1の半導体記憶装置と同様なので詳細な説明は省略する。
図8は、実施の形態3の半導体記憶装置の概略断面図である。図8中、601はシリコン基板、611はゲート酸化膜、612はゲート電極、61、62はゲート側壁絶縁膜、621はシリコン酸化膜、622はシリコン窒化膜、623はシリコン酸化膜、631は第1の高濃度拡散層、632は第2の高濃度拡散層、641は第1の低濃度拡散層である。
図9は、図8の主要部分の拡大図である。図9中、D3及びD4はそれぞれ第1の低濃度拡散層641及び第2の高濃度拡散層632のゲート端近傍での基板表面と垂直方向の厚さを表している。また、N3及びN4は、第1の低濃度拡散層641の不純物濃度及び第2の高濃度拡散層632のゲート端近傍での不純物濃度とする。このとき、D3、D4、N3、N4の好適な値は、それぞれ実施の形態1で述べたD1、D2、N1、N2の好適な値と同様である。
実施の形態3によっても、従来の半導体記憶装置に比べて、書込み動作が高速化され、かつ、メモリウィンドウが大きい半導体記憶装置を得ることができる。
(実施の形態4)
実施の形態4の半導体記憶装置は、実施の形態1の半導体記憶装置とは、第1及び第2の低濃度拡散層の下に接して第1導電型を与える不純物領域が半導体層より濃い領域を更に配置した点のみ異なる。その他の構成は実施の形態1の半導体記憶装置と同様なので詳細な説明は省略する。
図10は、実施の形態4の半導体記憶装置の概略断面図である。図10中、301はシリコン基板、311はゲート酸化膜、312はゲート電極、31、32はゲート側壁絶縁膜、321はシリコン酸化膜、322はシリコン窒化膜、323はシリコン酸化膜、331は第1の高濃度拡散層、332は第2の高濃度拡散層、341は第1の低濃度拡散層、342は第2の低濃度拡散層である。
実施の形態4の半導体記憶装置は、第1の低濃度拡散層341の下に接して第1の第1導電型を与える不純物領域がシリコン基板301より濃い領域351が、第2の低濃度拡散層342の下に接して第2の第1導電型を与える不純物領域がシリコン基板301より濃い領域352がそれぞれ形成されている。以下、領域351及び352を、それぞれ第1及び第2の第1導電型領域と称する。
第1及び第2の第1導電型領域351、352のうち、重要なのは第1の低濃度拡散層341の下に接して形成されている第1の第1導電型領域351である。第1の第1導電型領域351が存在することにより、書込み動作時のドレイン電界が強まるため書込み速度を更に高速化できる。また、書込み状態での読出し動作時においては、シリコン窒化膜322に蓄積された電子により、第1の低濃度拡散層341を流れる電子を効率よく遮断することが可能となる。これは、第1の第1導電型領域351が接することにより第1の低濃度拡散層341の厚さを薄くできるので、電子の流れる経路を表面のごく浅い領域に限定するのが容易になるからである。それゆえ、書込み状態での読出し電流をより小さくできるので、メモリウィンドウを拡大できる。従って、更に書込み動作を高速化し、メモリウィンドウを大きくできる。
(実施の形態5)
実施の形態5の半導体記憶装置は、実施の形態1の半導体記憶装置と、ゲート側壁絶縁膜の構成が異なる。その他の構成は実施の形態1の半導体記憶装置と同様なので詳細な説明は省略する。
図11は実施の形態5の半導体記憶装置の概略断面図である。図11中、401はシリコン基板、411はゲート酸化膜、412はゲート電極、41、42はゲート側壁絶縁膜、421はシリコン酸化膜、424はシリコン窒化膜、431は第1の高濃度拡散層、432は第2の高濃度拡散層、441は第1の低濃度拡散層、442は第2の低濃度拡散層である。
実施の形態5の半導体記憶装置のゲート側壁絶縁膜41、42は、電荷を保持する絶縁体であるシリコン酸化膜421と電荷トラップ準位を有する絶縁体であるシリコン窒化膜424とからなる。
実施の形態5においても、ゲート電極412の端部近傍における一方の拡散層の第2導電型(N型)を与える不純物濃度は、他方の拡散層の第2導電型(N型)を与える不純物濃度より薄い。すなわち、第1の低濃度拡散層441のN導電型を与える不純物濃度は、第2の低濃度拡散層442のN導電型を与える不純物濃度より薄い。それゆえ、実施の形態1の半導体記憶装置と同様な作用効果を奏する。更には、実施の形態1の半導体記憶装置と比べてゲート側壁絶縁膜が単純な構造を有しているので、製造工程数を削減してコストを下げることができる。
(実施の形態6)
実施の形態6は、本発明の半導体記憶装置を配列して構成されるメモリセルアレイに関する。
図12は、メモリセルアレイの概略平面図であり、図13は図12のA1−A2線概略断面図であり、図14は図12のB1−B2線概略断面図である。ただし、図12においては、上部配線構造(ビット線)は簡略のため直線として表現している。また、図12では、5本のワード線と4本のビット線を含むメモリセルアレイを示しているが、行数及び列数は任意である。
図12中、ACTは活性領域、WLはワード線(ゲート電極)、BD及びBSはビット線、CHはコンタクト孔である。図13及び14中、501はシリコン基板、511はゲート酸化膜、512はゲート電極(ワード線)、51、52はゲート側壁絶縁膜、521はシリコン酸化膜、522はシリコン窒化膜、523はシリコン酸化膜、531は第1の高濃度拡散層、532は第2の高濃度拡散層、541は第1の低濃度拡散層、542は第2の低濃度拡散層、581は層間絶縁膜、582は素子分離領域である。
シリコン基板501には、素子分離領域582が形成されている。シリコン基板501表面の、素子分離領域582が形成されていない領域は、活性領域ACTとなる。図12において、ワード線WL1〜WL5は、それぞれ紙面横方向に延び、紙面縦方向に並んで形成されている。各活性領域ACT上には、ゲート絶縁膜511を介してワード線WL1〜WL5が通過し、各ワード線の両側(活性領域であってかつワード線に覆われない領域)には、図13及び14に示されているように、それぞれ第1及び第2の高濃度拡散層531、532が形成されている。
また、第1及び第2の低濃度拡散層541、542はそれぞれ第1及び第2の高濃度拡散層の端からワード線WL1〜WL5の方向にかつゲート電極512とオーバーラップするように形成されている。ワード線と、その両側に形成された2つの拡散層とが1つの半導体記憶装置を構成している。前記ワード線WL1〜WL5の各側壁には、シリコン窒化膜522がシリコン酸化膜521、523で挟まれた構造を有するゲート側壁絶縁膜51、52が連続して形成されている。図12に示すように、ワード線と交わる向きに延在する活性領域ACTの列は、隣接する活性領域ACTの列と、ワード線間において1つおきに接続されている。
互いに隣接する活性領域ACTが接続する接続部の上には、コンタクト孔CHが形成されている。前記コンタクト孔CHは、前記ワード線と交わる向きに延在するビット線BS1、BS2と第1の高濃度拡散領域531とを、若しくはビット線BD1、BD2と第2の拡散領域532とを電気的に接続している。
以上の配置により、1つの拡散層は、4つの半導体記憶装置によって共有されることとなる。また、ビット線BS1、BS2は読出し動作時にはソース(書込み動作時にはドレイン)として、ビット線BD1、BD2は読出し動作時にはドレイン(書込み動作時にはソース)として機能する。なお、581は、層間絶縁膜である。
図15はこのメモリセルアレイの概略等価回路図である。互いに隣接するビット線の間には、メモリセルMTRが並んで形成されている。各ビット線と交わる方向に延びるワード線が、各メモリセルのゲート電極と接続されている。互いに隣接する1対のビット線と、1本のワード線を選択することにより、特定のメモリセルを選択できる。前記1対のビット線及び1本のワード線に適切な電圧を印加することにより、特定のメモリセルの書換え動作及び読み出し動作を行なうことができる。メモリセルアレイを構成する個々のメモリセルに対する書き換え方法及び読み出し方法の具体例については実施の形態1で既述したので、ここでは省略する。
各ワード線WL1〜WL5は、それぞれの活性領域ACT上でメモリセルのゲート電極となっている。すなわち、各ワード線は複数のメモリセルに共有されている。また、各ワード線の両側壁には2つのゲート側壁絶縁膜51、52が連続して形成されており、これらのゲート側壁絶縁膜51、52が複数のメモリセルによって共有されている。このように、各ワード線及びワード線の側壁に形成されたゲート側壁絶縁膜が複数のメモリセルによって共有されているので、メモリセルの面積を縮小し、メモリセルアレイを高密度化できる。
(実施の形態7)
図16に、本発明の携帯電子機器の一例である携帯電話の概略ブロック図を示す。
図16の携帯電話は、主として、制御回路611、電池612、RF(無線周波数)回路613、表示部614、アンテナ615、信号線616及び電源線617を備えている。制御回路611に、前記いずれかの実施の形態の半導体記憶装置が組み込むことができる。
このように、不揮発性メモリ部と論理回路部の混載プロセスが簡易で、高速動作が可能である半導体記憶装置を携帯電子機器に用いることにより、携帯電子機器の動作速度を向上させると共に、製造コストを削減することが可能になる。
実施の形態1の半導体記憶装置の概略断面図である。 図1の半導体記憶装置の主要部の概略拡大図である。 実施の形態1の半導体記憶装置の書込み特性と従来の半導体記憶装置の書込み特性を比較するグラフである。 実施の形態1の半導体記憶装置を形成する手順を説明する概略工程断面図である。 実施の形態1の半導体記憶装置を形成する手順を説明する概略工程断面図である。 実施の形態1の半導体記憶装置を形成する手順を説明する概略工程断面図である。 実施の形態1の半導体記憶装置を形成する手順を説明する概略工程断面図である。 実施の形態3の半導体記憶装置の概略断面図である。 図8の半導体記憶装置の主要部の概略拡大図である。
実施の形態4の半導体記憶装置の概略断面図である。 実施の形態5の半導体記憶装置の概略断面図である。 実施の形態6のメモリセルアレイの概略平面図である。 図12のアレイのA1−A2線の概略断面図である。 図12のアレイのB1−B2線の概略断面図である。 実施の形態6のメモリセルアレイの等価回路図である。 実施の形態7の携帯電話の概略ブロック図である。 従来の半導体記憶装置の概略断面図である。
符号の説明
101、301、401、501、601 シリコン基板(半導体層);111、311、411、511、611、917 ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜);112、312、412、512、612 ゲート電極;11、12、31、32、41、42、51、52、61、62 ゲート側壁絶縁膜;122、173、322、424、522、622 シリコン窒化膜;121、123、172、321、323、421、515、523、621、623 シリコン酸化膜;131、331、431、531、631 第1の高濃度拡散層;132、332、432、532、632 第2の高濃度拡散層;141、341、441、541、641 第1の低濃度拡散層;142、342、442、542 第2の低濃度拡散層;161、162、163 不純物イオン;171 フォトレジスト;351 第1の第1導電型領域;352 第2の第1導電型領域;581 層間絶縁膜;582 素子分離領域;611 制御回路;612 電池;613 RF(無線周波数)回路;614 表示部;615 アンテナ;616 信号線;617 電源線;911 アクティブ領域;912 ポリシリコンゲート層;913、914 高濃度層;915、916 低濃度層;918、919 サイドウォールスペーサ;W ゲート電極と第1の高濃度拡散層とのオフセット量;D1、D3 第1の低濃度拡散層の厚さ;D2 第2の低濃度拡散層の厚さ;D4 第2の高濃度拡散層の厚さ;ACT 活性領域;WL ワード線(ゲート電極);BD1、BS1、BD2、BS2 ビット線;CH コンタクト孔

Claims (17)

  1. 第1導電型の半導体層内に設けられた第2導電型の2つの拡散層と、該2つの拡散層間に設けられたチャネル領域と、該チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、該ゲート電極の側壁に設けられたゲート側壁絶縁膜と、該ゲート側壁絶縁膜内に配置された電荷を蓄積する機能を有する材料からなる電荷保持部を備え、前記2つの拡散層は前記ゲート電極にオーバーラップするように設けられ、前記ゲート電極の端部近傍における一方の拡散層の第2導電型を与える不純物濃度は、前記ゲート電極の端部近傍における他方の拡散層の第2導電型を与える不純物濃度より薄いことを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 第1導電型の半導体層内に設けられた第2導電型の2つの拡散層と、該2つの拡散層間に設けられたチャネル領域と、該チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、該ゲート電極の側壁に設けられたゲート側壁絶縁膜と、該ゲート側壁絶縁膜内に配置された電荷トラップ準位を有する電荷保持部としての絶縁体を備え、前記2つの拡散層の一方は第1の高濃度拡散層と第1の低濃度拡散層とからなり、前記2つの拡散層の他方は第2の高濃度拡散層と第2の低濃度拡散層とからなり、前記第1及び第2の高濃度拡散層はそれぞれ前記ゲート電極とオフセットして配置され、前記第1及び第2の低濃度拡散層はそれぞれ前記第1及び第2の高濃度拡散層端から前記ゲート電極の方向に延在するように前記ゲート電極とオーバーラップして配置され、前記第1の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度は、前記第2の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度より薄いことを特徴とする半導体記憶装置。
  3. 前記第1の低濃度拡散層の厚さは、前記第2の低濃度拡散層の厚さよりも小であることを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
  4. 前記第1の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度は、前記第2の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度の1/3以下であることを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
  5. 前記第1の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度は、前記第1の低濃度拡散層の基板表面と垂直方向の厚さが5nm以上10nm未満のときは1×1016cm-3以上であって3×1018cm-3以下であり、前記第1の低濃度拡散層の基板表面と垂直方向の厚さが10nm以上100nm以下のときは1×1016cm-3以上であって1×1018cm-3以下であり、前記第2の低濃度拡散層の第2導電型を与える不純物濃度は、前記第2の低濃度拡散層の基板表面と垂直方向の厚さが5nm以上30nm未満のときは1×1019cm-3以上であって1×1021cm-3以下であり、前記第2の低濃度拡散層の基板表面と垂直方向の厚さが30nm以上200nm以下のときは3×1018cm-3以上であって1×1021cm-3以下であることを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
  6. 前記第1の低濃度拡散層の下に接して第1導電型を与える不純物濃度が前記半導体層より濃い領域を配置したことを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
  7. 前記第1の低濃度拡散層中の第2導電型を与える不純物全体の50重量%以上を占める不純物の熱拡散係数は、前記第2の低濃度拡散層中の第2導電型を与える不純物全体の50重量%以上を占める不純物の熱拡散係数より小さいことを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
  8. 前記第1の低濃度拡散層の厚さは、前記第2の低濃度拡散層の厚さの1/2〜/20倍であることを特徴とする請求項3に記載の半導体記憶装置。
  9. 前記第1及び第2の高濃度拡散層と前記ゲート電極とのオフセット量が、5〜30nmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
  10. 前記第1及び第2の低濃度拡散層と前記ゲート電極とのオーバーラップ量が、1〜30nmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
  11. 前記第1及び第2の高濃度拡散層が、それぞれ前記ゲート側壁絶縁膜とオーバーラップしていることを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
  12. 前記第1及び第2の高濃度拡散層と前記ゲート側壁絶縁膜とのオーバーラップ量が、10〜100nmの範囲であることを特徴とする請求項11に記載の半導体記憶装置。
  13. 請求項1に記載の半導体記憶装置を製造する方法であって、前記半導体層上に前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極のゲート長方向の一方の端部及び該一方の端部に隣接する前記半導体層上の一部が覆われるようにパターニングされた注入マスクを形成する工程と、該注入マスク及び前記ゲート電極をマスクとしてゲート電極の他方の側の端部に隣接する前記半導体層のみに第1の不純物を注入する工程と、前記注入マスクを除去する工程と、前記ゲート電極をマスクとして前記ゲート電極の一方の側の端部に隣接する前記半導体層に第2の不純物を注入して前記2つの拡散層を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  14. 請求項2に記載の半導体記憶装置を製造する方法であって、前記半導体層上に前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極のゲート長方向の一方の端部及び該一方の端部に隣接する前記半導体層上の一部が覆われるようにパターニングされた注入マスクを形成する工程と、該注入マスク及び前記ゲート電極をマスクとして前記ゲート電極の他方の側の端部に隣接する前記半導体層のみに前記第2の低濃度拡散層を形成するための第1の不純物を注入する工程と、前記注入マスクを除去する工程と、前記ゲート電極をマスクとして前記ゲート電極の一方の側の前記半導体層に前記第1の低濃度拡散層を形成するための第2の不純物を注入する工程とを含むことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  15. 前記第1の不純物を注入する工程の後に前記電荷トラップ準位を有する絶縁体を堆積する工程を行い、該電荷トラップ準位を有する絶縁体を堆積する工程の後に前記第2の不純物を注入する工程を行うことを特徴とする請求項13に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  16. 前記第1の低濃度拡散層中の第2導電型を与える不純物全体の50重量%以上を占める不純物の熱拡散係数は、前記第2の低濃度拡散層中の第2導電型を与える不純物全体の50重量%以上を占める不純物の熱拡散係数より小さいことを特徴とする請求項14に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  17. 請求項1〜12のいずれか1つに記載の半導体記憶装置を備えていることを特徴とする携帯電子機器。
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