JP2010016165A - Nand型フラッシュメモリ - Google Patents
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Abstract
【課題】メモリセルの結晶性の向上を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリを提供する。
【解決手段】シリコン基板上に形成され、2つの選択ゲートトランジスタ間に直列に複数個接続されたメモリセルを備えた、NAND型フラッシュメモリであって、上面に垂直な方向が第1の結晶面方位<001>方向であるシリコン基板と、シリコン基板上に形成され、第1の溝が第2の結晶面方位<100>または<010>方向に沿って延びかつシリコン基板の上面を露出させるように貫通して形成された、埋め込み絶縁膜と、第1の溝内および埋め込み絶縁膜上に固相エピタキシャル成長により形成されシリコン基板と同じ面方位を有する結晶状のシリコン膜と、シリコン膜上に形成されたトンネル絶縁膜上に形成されメモリセルを構成する電荷蓄積層と、を備える。
【選択図】図3A
【解決手段】シリコン基板上に形成され、2つの選択ゲートトランジスタ間に直列に複数個接続されたメモリセルを備えた、NAND型フラッシュメモリであって、上面に垂直な方向が第1の結晶面方位<001>方向であるシリコン基板と、シリコン基板上に形成され、第1の溝が第2の結晶面方位<100>または<010>方向に沿って延びかつシリコン基板の上面を露出させるように貫通して形成された、埋め込み絶縁膜と、第1の溝内および埋め込み絶縁膜上に固相エピタキシャル成長により形成されシリコン基板と同じ面方位を有する結晶状のシリコン膜と、シリコン膜上に形成されたトンネル絶縁膜上に形成されメモリセルを構成する電荷蓄積層と、を備える。
【選択図】図3A
Description
本発明は、SOI(Silicon−On−Insulator)基板に形成されるNAND型フラッシュメモリに関するものである。
E(Enhancement)−typeトランジスタは、p型基板表面にn型拡散領域を設け、ソース・ドレイン領域をn型に、チャネル領域をp型にした構造を有する。近年、ゲート長の微細化に伴い、このE−typeトランジスタでは、ショートチャネル効果が顕著となっている。これにより、E−typeトランジスタの動作の安定性、信頼性、および歩留まりが低下し得る。
そこで、トランジスタのソース、ドレイン、チャネルをすべて同一導電型にすることで、ショートチャネル効果を抑制する効果が期待されている。この場合、該トランジスタはD(Depletion)−typeとなり、空乏層を広げることでチャネル領域をピンチオフするMOS−SIT(MOS型静電誘導トランジスタ)構造となる。その1つのアイディアとして、SOI基板を用い、チャネル層の表面にゲート絶縁膜、ゲート電極を配置し、片側ゲートでチャネルの空乏層幅を制御する、片側ゲートMOS−SITにする検討がなされている。
この片側ゲートMOS−SIT構造を不揮発性半導体メモリ(例えばNAND型フラッシュメモリ)に適応する場合、消去動作で発生するキャリアを基板側に排出する必要がある。このため、SOI基板のBox層(埋め込み酸化膜層)に部分的に開口部が形成されることにより、チャネル領域と基板とが電気的に導通していることが望ましい。
既述のような、部分的にBox層が開口しているSOI基板は、貼り合せ技術、SIMOX技術で形成することが困難である。もし、部分的にBox層が開口しているSOI基板を形成できたとしても、微細な位置制御を行うことが課題となる。
そこで、Si基板上に絶縁膜(Box層)を成膜し、部分的に開口部を形成し、その上にエピタキシャル成長でSOI層を形成する方法がある。ここで、エピタキシャル成長は<100>方向が成長し易い(例えば、特許文献1参照)。したがって、該開口部の方向は、<100>方向であることが望ましい。
例えば、市販されているSi基板は、結晶面方位<110>方向にノッチが刻まれており、このノッチを基準に0°方向、90°方向に素子を配列する。このため、電流の流れる方向も<110>方向となる。すなわち、開口部の方向が<110>方向となる。したがって、この開口部の方向は、エピタキシャル成長のために理想的な開口部の方向(結晶面方位<100>方向)からSi基板の主平面に平行な面上で45°程度傾いてしまう。
上記場合、NAND型フラッシュメモリのメモリセル領域の結晶性の向上を図ることが困難になる。これにより、メモリセルトランジスタのカットオフ特性が劣化し、メモリセルトランジスタのしきい値電圧がばらつくという問題が生じ得る。
特開2001−77316号公報
本発明は、メモリセルの結晶性の向上を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る実施例に従ったNAND型フラッシュメモリは、
シリコン基板上に形成され、2つの選択ゲートトランジスタ間に直列に複数個接続されたメモリセルを備えた、NAND型フラッシュメモリであって、
上面に垂直な方向が第1の結晶面方位<001>方向である前記シリコン基板と、
前記シリコン基板上に形成され、第1の溝が第2の結晶面方位<100>または<010>方向に沿って延びかつ前記シリコン基板の上面を露出させるように貫通して形成された、埋め込み絶縁膜と、
前記第1の溝内および前記埋め込み絶縁膜上に固相エピタキシャル成長により形成され前記シリコン基板と同じ面方位を有する結晶状のシリコン膜と、
前記シリコン膜上に形成されたトンネル絶縁膜上に形成され前記メモリセルを構成する電荷蓄積層と、を備え、
前記メモリセルの前記シリコン膜におけるチャネル方向が第3の結晶面方位<110>または<1−10>方向である
ことを特徴とする。
シリコン基板上に形成され、2つの選択ゲートトランジスタ間に直列に複数個接続されたメモリセルを備えた、NAND型フラッシュメモリであって、
上面に垂直な方向が第1の結晶面方位<001>方向である前記シリコン基板と、
前記シリコン基板上に形成され、第1の溝が第2の結晶面方位<100>または<010>方向に沿って延びかつ前記シリコン基板の上面を露出させるように貫通して形成された、埋め込み絶縁膜と、
前記第1の溝内および前記埋め込み絶縁膜上に固相エピタキシャル成長により形成され前記シリコン基板と同じ面方位を有する結晶状のシリコン膜と、
前記シリコン膜上に形成されたトンネル絶縁膜上に形成され前記メモリセルを構成する電荷蓄積層と、を備え、
前記メモリセルの前記シリコン膜におけるチャネル方向が第3の結晶面方位<110>または<1−10>方向である
ことを特徴とする。
本発明のNAND型フラッシュメモリによれば、メモリセルの結晶性の向上を図ることができる。
本発明の実施例においては、従来と同様の基板を用い、従来と同様の素子の配列を確保した上で、SOI領域にしたい部分の開口部分は結晶面方位<100>または<010>方向に延びるように形成する。
これにより、エピタキシャル成長距離を伸ばし、安定した結晶状に素子を作ることを可能とする。
さらに、SOIを必要としない部分は従来と同様のトランジスタモデルを適用できる結晶面方位<110>方向にトランジスタを配置する。
以下、本発明に係る各実施例について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一態様である実施例1に係るNAND型フラッシュメモリ1000の構成を示す概略図である。
図1に示すように、NAND型フラッシュメモリ1000は、主に、メモリセルアレイ領域100とその周囲の周辺回路領域200とから構成され、それらは同一のチップ(SOI基板)上に設けられている。
メモリセルアレイ領域100内には、複数のメモリセル及び複数の選択ゲートトランジスタが設けられている。
周辺回路領域200内には、例えば、ワード線・選択ゲート線ドライバ210、センスアンプ回路220、制御回路230が設けられている。
また、図2Aは、図1のNAND型フラッシュメモリ1000のメモリセルアレイ領域100の平面構造を示す図である。図2Bは、図1のNAND型フラッシュメモリ1000の周辺回路領域200の平面構造を示す図である。
図2Aに示すように、シリコン基板の主平面に垂直なZ方向を結晶面方位<001>方向とし、X方向を結晶面方位<110>方向とし、X方向に直行するY方向を結晶面方位<1−10>方向とする。なお、結晶面方位<100>方向は図中右斜め下方向、結晶面方位<010>方向は図中左斜め下方向になる。また、例えば、結晶面方位<110>方向に延びるとは、反対方向であるの結晶面方位<−1−10>に延びる意味も含まれるのは無論のことである。
シリコン基板上に埋め込み絶縁膜を介して形成されてシリコン膜中には、Y方向(ビット線方向)に沿ったストライプ形状の素子領域AAが、Y方向に直交するX方向に沿って複数設けられている。
隣接する素子領域AA間には素子分離領域STIが形成され、この素子分離領域STIによって素子領域AAは電気的に分離されている。
該シリコン膜上には、複数の素子領域AAを跨ぐようにして、X方向(ワード線方向)に沿ったストライプ形状のワード線WL及び選択ゲート線SGD、SGSが形成されている。ワード線WLはメモリセルトランジスタ領域110に形成され、選択ゲート線SGD及びSGSは選択ゲートトランジスタ領域120に形成されている。
ワード線WLと素子領域AAとが交差する領域には、電荷蓄積層が設けられている。
そして、ワード線WLと素子領域AAとが交差する領域にはメモリセルトランジスタMTが設けられている。選択ゲート線SGD、SGSと素子領域AAとが交差する領域には、それぞれ選択ゲートトランジスタST1、ST2が設けられている。これら2つの選択ゲートトランジスタST1、ST2間に、メモリセルトランジスタMTが直列に複数個接続されている。
Y方向で隣接するワード線WL間、選択ゲート線間、及びワード線WLと選択ゲート線との間の素子領域AAは、メモリセルトランジスタMT及び選択ゲートトランジスタST1、ST2のソース領域またはドレイン領域となる。
選択ゲートトランジスタST1のドレイン領域上にはコンタクトプラグCP1が形成される。コンタクトプラグCP1は、Y方向に沿って設けられたストライプ形状のビット線BL(図示せず)に接続される。
また、Y方向で隣接する選択ゲート線SGS間の素子領域AAに形成される不純物拡散層は、選択ゲートトランジスタST2のソース領域となる。そしてこのソース領域上には、コンタクトプラグCP2が形成される。コンタクトプラグCP2はソース線SL(図示せず)に接続される。
メモリセルトランジスタ領域110において、第1の溝11aが結晶面方位<010>方向に一定の間隔をおいて、結晶面方位<100>に延びている。一方、選択ゲートトランジスタ領域120において、第2の溝がX方向に延びている。この第2の溝は選択ゲート線SGD及びSGSの下に形成されている。
また、図2Bに示すように、周辺回路領域200内には、高耐圧系MISトランジスタHVTrと低耐圧系MISトランジスタLVTrとが設けられている。これらのトランジスタは、該シリコン基板上であって該埋め込み絶縁膜が形成されていない領域に、形成されている。これらのトランジスタのチャネル方向は、該メモリセルのチャネル方向に平行または垂直である。
ここで、周辺回路領域200のうち、高耐圧系MISトランジスタが配置(形成)される領域を高耐圧系トランジスタ形成領域201と呼び、低耐圧系MISトランジスタが配置(形成)される領域を低耐圧系トランジスタ形成領域202と呼ぶ。
高耐圧系及び低耐圧系トランジスタ形成領域201、202は、それぞれ素子分離領域STIに取り囲まれ、互いに電気的に分離された素子領域AAL、AAHが設けられる。
各MISトランジスタHVTr、LVTrのゲート電極207C、207Dは素子領域AAL、AAHを縦断するようにX方向に延び、素子分離領域STI上まで引き出されている。
その引き出された箇所において、コンタクト212B、212Cがゲート電極207C、207D上にそれぞれ設けられている。
次に、メモリセルがMONOS(金属−酸化膜−窒化膜−酸化膜−シリコン)型メモリセルである場合における、上記構成のメモリセルアレイ領域100の断面構成について説明する。図3Aは、図2AのA−A線に沿ったMONOS型メモリセルの断面を示す図である。なお、図3Aでは、メモリセルがD−typeトランジスタである場合について記載している。
図3Aに示すように、NAND型フラッシュメモリ1000は、第1導電型(p型)のシリコン基板10と、埋め込み絶縁膜11と、シリコン膜12と、を備える。
p型の半導体基板であるシリコン基板10は、上面に垂直な方向が結晶面方位<001>方向である。また、図2Bに記載されたX方向、Y方向は図2Aの方向と一致している。
埋め込み絶縁膜11は、シリコン基板10上に形成され、第1の溝11aが結晶面方位<100>方向に沿って延び、かつシリコン基板10の上面を露出させるように貫通して形成されている(図2A)。
この埋め込み絶縁膜11の第1の溝11aの端部11a1と第2の溝11b1とが離れている(図2A)。さらに、この埋め込み絶縁膜11の第1の溝11aの他端部11a2と第3の溝11b2とが離れている。
結晶状のn型のシリコン膜12は、第1の溝11a内および埋め込み絶縁膜11上に、固相エピタキシャル成長により形成され、シリコン基板10と同じ面方位を有する。これにより、メモリセルアレイ領域100の結晶性を向上することができる。すなわち、メモリセルトランジスタMTのカットオフ特性の劣化を抑制し、メモリセルトランジスタMTのしきい値電圧のばらつきを低減することができる。なお、メモリセルのシリコン膜12におけるチャネル方向が第1の結晶面方位<110>方向である。
このシリコン膜12上に、ゲート絶縁膜として機能する例えば、シリコン酸化膜からなる酸化膜14が形成されている。この酸化膜14上にメモリセルトランジスタMT及び選択ゲートトランジスタST1、ST2のゲート電極が形成されている。
メモリセルトランジスタMTにおける酸化膜14は、電子がトンネルするトンネル絶縁膜として機能する。
メモリセルトランジスタMTのゲート電極は、積層構造を有する。すなわち、酸化膜14上に形成された絶縁膜(電荷蓄積層)15、この絶縁膜15上に形成された絶縁膜16、及びこの絶縁膜16上に形成された多結晶シリコン層17を備えている。
絶縁膜15は、電荷を蓄積する電荷蓄積層として機能し、酸化膜14に用いられる材料よりも誘電率の高い材料を用いて形成される。
絶縁膜16は、絶縁膜15に電荷を閉じこめるためのブロック層として機能する。
また多結晶シリコン層17は、制御ゲート電極(ワード線WL)として機能する。
以下、メモリセルトランジスタMTにおける絶縁膜15、16、及び多結晶シリコン層17を、電荷蓄積層15、ブロック層16、及び制御ゲート電極17と呼ぶことがある。
なお、多結晶シリコン層17はワード線の低抵抗化のため、上部または全てがシリサイド化されていてもよい。電荷蓄積層15は、メモリセルトランジスタMT毎に分離されている。
選択ゲートトランジスタST1、ST2のゲート電極は多結晶シリコン層20を備えている。以下、多結晶シリコン層20をゲート電極20と呼ぶことがある。なお、多結晶シリコン層20はゲート電極の低抵抗化のため、上部または全てがシリサイド化されていてもよい。
また、選択ゲートトランジスタST1、ST2においては、ゲート電極20は第X方向で隣接するもの同士で共通接続されている。そして、ゲート電極20が、選択ゲート線SGS、SGDとして機能する。
また、ゲート電極の下方に位置するシリコン膜12には、p型の不純物が注入されている。選択ゲートトランジスタST1、ST2の隣接するソースとドレインとの間の領域(ゲート電極直下の領域)は、電子の移動領域となるチャネル領域として機能する。これらのゲート電極、ソース、ドレイン、及びチャネル領域によって、選択ゲートトランジスタST1、ST2が形成されている。
さらに、シリコン基板10上には、上記メモリセルトランジスタMT及び選択ゲートトランジスタST1、ST2を被覆するようにして、層間絶縁膜21が形成されている。層間絶縁膜21中には、ソース側の選択ゲートトランジスタST2のソースに達するコンタクトプラグCP2が形成されている。そして層間絶縁膜21表面には、コンタクトプラグCP2に接続される金属配線層22が形成されている。金属配線層22はソース線SLの一部として機能する。また層間絶縁膜21中には、ドレイン側の選択ゲートトランジスタST1のドレインに達するコンタクトプラグCP1が形成されている。そして層間絶縁膜21表面に、コンタクトプラグCP1に接続される金属配線層23が形成されている。
層間絶縁膜21上には、例えばSiO2を材料に用いて層間絶縁膜24が形成されている。層間絶縁膜24上には絶縁膜25が形成されている。
絶縁膜25は、層間絶縁膜24よりも誘電率の高い材料、例えばSiNを材料に用いて形成される。絶縁膜25上には金属配線層26が形成されている。
金属配線層26はビット線BLとして機能する。絶縁膜24及び層間絶縁膜21中には、その上面で金属配線層26に接し、底面で金属配線層23に接するコンタクトプラグCP3が形成されている。
なお、コンタクトプラグCP3の上面は、絶縁膜25の上面より高い。すなわち、コンタクトプラグCP3の上部は、金属配線層26内に潜り込むようにして形成されている。そして、絶縁膜25上、及び金属配線層26上に、絶縁膜24よりも誘電率の低い材料、例えばSiO2を材料に用いて層間絶縁膜27が形成されている。層間絶縁膜27は、隣接するビット線BL間の領域を埋め込んでいる。
次に、メモリセルが浮遊ゲート型メモリセルである場合における、上記構成のメモリセルアレイ領域100の断面構成について説明する。図3Bは、図2AのA−A線に沿った浮遊ゲート型メモリセルの断面を示す図である。なお、図3Bでは、メモリセルがD−typeトランジスタである場合について記載している。
図3Bに示すように、NAND型フラッシュメモリ1000は、第1導電型(p型)のシリコン基板10と、埋め込み絶縁膜11と、シリコン膜12と、を備える。
p型の半導体基板であるシリコン基板10は、上面に垂直な方向が結晶面方位<001>方向である。
埋め込み絶縁膜11は、シリコン基板10上に形成され、第1の溝11aが結晶面方位<100>方向に沿って延び、かつシリコン基板10の上面を露出させるように貫通して形成されている(図2A)。
結晶状のn型のシリコン膜12は、第1の溝11a内および埋め込み絶縁膜11上に、固相エピタキシャル成長により形成され、シリコン基板10と同じ面方位を有する。これにより、メモリセルアレイ領域100の結晶性を向上することができる。すなわち、メモリセルトランジスタMTのカットオフ特性の劣化を抑制し、メモリセルトランジスタMTのしきい値電圧のばらつきを低減することができる。なお、メモリセルのシリコン膜12におけるチャネル方向が第1の結晶面方位<110>方向である。
浮遊ゲート型であるメモリセルのそれぞれは、シリコン膜12上に設けられたトンネル絶縁膜Tox、トンネル絶縁膜Tox上に設けられた浮遊ゲート電極(電荷蓄積層)FG、浮遊ゲート電極FG上に設けられたゲート間絶縁膜IPD、ゲート間絶縁膜IPD上に設けられた制御ゲート電極CG(41)、および制御ゲート電極CG(41)上に設けられたシリサイド層41Sを備えた積層構造である。
それぞれのメモリセルは、浮遊ゲート電極FGに電荷を蓄積することによりしきい値電圧が変化するメモリセルトランジスタMTを構成している。
浮遊ゲート電極FGは、メモリセルトランジスタMTのそれぞれに電気的に分離している。制御ゲート電極CGは、ワード線WL0〜WL15に接続され、ワード線方向のメモリセルトランジスタにおいて、電気的に共通接続されている。
また、メモリセルトランジスタMTのそれぞれは、上記積層構造の側壁上に沿って設けられた側壁スペーサ34、および上記積層構造を挟むようにPウェル中に設けられたソースSまたはドレインDを備えている。
選択ゲートトランジスタST1、ST2は、酸化膜Gox、ゲート間絶縁膜IPD、ゲート電極G、シリサイド層42を備えている。ゲート間絶縁膜IPDは、ゲート電極G中が分離され、その上下層が電気的に接続するように設けられている。シリサイド層42は、ゲート電極G上に設けられている。
また、選択ゲートトランジスタST1、ST2は、ゲート電極Gの側壁上に沿って設けられた側壁スペーサ34、およびゲート電極Gを挟むようにPウェル中に設けられたソースSまたはドレインDを備えている。
また、選択ゲートトランジスタST1、ST2は、ビット線BL方向に沿ったメモリセルストリングを選択してビット線BLに接続するため、選択ゲートトランジスタST1、ST2のゲート電極Gはそれぞれ選択ゲート線SGS、SGDに接続されている。
選択ゲートトランジスタST2のソースは、層間絶縁膜37−1中のソース線コンタクトCP2を介してソース線SLに接続されている。
層間絶縁膜37−1、37−2中にビット線BLが設けられている。ビット線BLは、層間絶縁膜37−1中のビット線コンタクトCP1、BC1、BC2を介して選択ゲートトランジスタST1のドレインDと電気的に接続されている。
ここで、p型シリコン基板上に埋め込み絶縁膜11を成膜し、この埋め込み絶縁膜11上にn型シリコン膜12を形成し、このn型シリコン膜12上にトンネル絶縁膜を成膜し、このトンネル絶縁膜上にゲート電極を形成した構成をモデルとして、D−typeのメモリセルトランジスタのカットオフ特性について検討する。
図4Aないし図4Cは、メモリセルトランジスタのカットオフ特性を説明するためのモデルの断面を表す断面図である。
図4Aに示すように、メモリセルトランジスタのゲート電極(浮遊ゲート)の下方に埋め込み酸化膜(Box層)の開口部が位置している。
上記構成において、シリコン基板を接地、ゲート電極に正バイアスを印加する。これにより、トンネル絶縁膜近傍にn型不純物が引き寄せられ、蓄積層が形成される。
一方、上記構成において、電荷蓄積層に電子が蓄積することにより、その電荷量に従い、トンネル絶縁膜14の界面から空乏層が形成される。この電荷量がある一定量よりも多くなるとトンネル絶縁膜14の界面には反転層が形成される。
また、ゲート電極に負バイアスを印加することによってもトンネル絶縁膜14の界面には空乏層が形成され、さらに大きな負バイアスを印加するとトンネル絶縁膜14の界面には反転層が形成される。
ここで、電子の蓄積、または負バイアスを印加した際の空乏層幅の最大値Wmaxは、式(1)で表される(例えば、Physics of Semiconductor Device second edition、 S. M. Sze、 p.373を参照。)
ここで、式(1)において、係数等は、以下のようになる。
εs:シリコンの誘電率
k:ステファンボルツマン係数
T:絶対温度
NA:シリコン層中の不純物濃度
ni:シリコン(不純物が含まれていない)の不純物濃度(不純物は温度の関数となるが、300Kでは1.45×1010cm−3)
q:電気素量
式(1)より、Siにおいて、
不純物濃度NA=1×1015cm−3 Wmax=800 nm
1×1016cm−3 300 nm
1×1017cm−3 100 nm
5×1017cm−3 45 nm
1×1018cm−3 30 nm
となる(いずれもT=300K)。
εs:シリコンの誘電率
k:ステファンボルツマン係数
T:絶対温度
NA:シリコン層中の不純物濃度
ni:シリコン(不純物が含まれていない)の不純物濃度(不純物は温度の関数となるが、300Kでは1.45×1010cm−3)
q:電気素量
式(1)より、Siにおいて、
不純物濃度NA=1×1015cm−3 Wmax=800 nm
1×1016cm−3 300 nm
1×1017cm−3 100 nm
5×1017cm−3 45 nm
1×1018cm−3 30 nm
となる(いずれもT=300K)。
ここで、一般的に、使用温度が300K以上となる場合が想定される。この使用温度における各不純物濃度NAにおいて、ゲート電極端のトンネル絶縁膜14の底面から埋め込み酸化膜(Box)端までの距離Lは、空乏層幅の最大値Wmax以下であることが望ましい。距離LがWmax以上であるとメモリセルトランジスタをカットオフすることができないからである。
また、図4Bに示すように、距離LがWmax以上である場合でも、ゲート電極底部からp/n接合までの距離Dが空乏層幅の最大値Wmax以下であればメモリセルトランジスタをカットオフすることができる。
また、図4Cに示すように、ゲート電極の一端のトンネル絶縁膜14から埋め込み酸化膜(Box)端までの距離L1がゲート電極の他端のトンネル絶縁膜14から埋め込み酸化膜(Box)端までの距離L2より短い場合、距離L1が空乏層幅の最大値Wmax以下であればよく、距離L2が空乏層幅の最大値Wmax以上であっても良い。少なくとも一端が空乏層幅の最大値Wmax以下であればメモリセルトランジスタをカットオフすることができるからである。
以上から、シリコン層12中の不純物濃度を調整することにより、メモリセルのゲート電極の下方の開口部の有無、及び位置に関わらず、メモリセルトランジスタは、所望のカットオフ特性を維持することができる。すなわち、図2Aの平面図においてメモリセルトランジスタMTと第1の溝11aとの位置関係は考慮しなくて良く、レイアウトの自由度を向上させることができる。
また、図3A及び図3Bにおいて、メモリセルトランジスタ領域110におけるシリコン基板12の底部、即ちn型不純物領域の底部は埋め込み絶縁膜11の底部と等しくなっているが、距離Dが空乏層幅の最大値Wmax以下であれば、絶縁膜11の底部と等しくなくとも良い。
なお、図4A〜図4Cでは、浮遊ゲート型のメモリセルを例に挙げて説明したが、MONOS型のメモリセルでも同様のことが言える。
次に、以上のような構成・機能を有するNAND型フラッシュメモリ1000の製造方法の一例について説明する。
ここでは、一例として、メモリセルが、浮遊ゲート型メモリセルであり、D−typeトランジスタである場合について説明する。なお、メモリセルがMONOS型メモリセルもSOI基板を形成する点では、同様である。
図5Aないし図5Gは、本発明の一態様である実施例1に係るNAND型フラッシュメモリ1000の製造方法の各工程の平面図である。また、図6は、図5Bに示す工程の斜視図である。また、図7は、図5Dに示す工程の斜視図である。
先ず、図5Aに示すように、p型の半導体基板10上に酸化膜を例えば10nm〜100nm堆積することにより、半導体基板10上に埋め込み酸化膜(Box層)11を成膜する。
次に、図5Bに示すように、レジスト(図示せず)をマスクとして、埋め込み絶縁膜11をエッチングし、第1の溝11aを形成する。これにより、第1の溝11aは、結晶面方位<100>方向に沿って延びかつシリコン基板10の上面を露出させるように埋め込み絶縁膜11を貫通して形成される。このとき、結晶面方位<110>方向に延びる第2、第3の溝11b1、11b2も同様に形成される。さらに、周辺回路領域200においては埋め込み絶縁膜11を除去する。なお、溝11aの幅は、例えば、10nm〜100nm程度に設定される。
なお、図6に示すように、第1の溝11aと、第2の溝11b1または第3の溝11b2とは繋がっていてもよい。この場合、選択ゲートトランジスタの特性を一致させるため、第1の溝11aと、第2の溝11b1及び第3の溝11b2の交点は、選択ゲートトランジスタが配置される間隔と一致させることが好ましい。 また、図2Aに対応するように、埋め込み絶縁膜11の第1の溝11aの端部11a1と第2の溝11b1とが離れている場合を図8に示す。この埋め込み絶縁膜11の第1の溝11aの他端部11a2と第3の溝11b2とが離れている。これにより、図8のAで囲った部分である第1の溝11aと第2の溝11b1の接続部分に、鋭角の埋め込み絶縁膜11が形成されない。同様に、第1の溝11aと第3の溝11b2の接続部分にも鋭角の埋め込み絶縁膜11が形成されない。この鋭角部分は第1乃至第3の溝のエッチングの際ラウンディング(角が丸くなることを意味する)し、選択ゲートトランジスタの特性ばらつきの原因となる。このラウンディング量のばらつきは直線部分のばらつきより大きいことが多い。そこで、第1の溝11aと第2及び第3の溝11b1、11b2とを離すことにより、鋭角の埋め込み絶縁膜11が形成されなくなり、選択ゲートトランジスタの特性ばらつきを抑えることができる。
次に、図5Cに示すように、シリコン基板10の全面に不純物が含まれていないアモルファスシリコン(α−Si)を例えば、10nm〜1000nm程度の膜厚で成膜する。その結果、シリコン基板10上にアモルファスシリコン12aが形成されるとともに、第1の溝11a内のシリコン基板10上にアモルファスシリコンが充填される。このとき、第2、第3の溝11b1、11b2も同様に該アモルファスシリコン12aが充填される。
次に、図5Dに示すように、加熱処理により、シリコン基板10表面上のアモルファスシリコン12aをシリコン基板10と同じ結晶構造に変化(固相エピタキシャル成長)させる。これにより、埋め込み絶縁膜11上にエピタキシャル層(SOI層)となるシリコン膜12を形成する。
図7に示すように、このシリコン膜12の配向性は、溝を介して繋がるシリコン基板10の配向性と同じである。すなわち、シリコン膜12は、上面に垂直な方向が結晶面方位<001>方向である。さらに、メモリセルのシリコン膜12におけるチャネル方向が第1の結晶面方位<110>方向となる。
ここで、既述のように、固層エピタキシャル成長は、結晶面方位<100>方向が成長し易い。したがって、上述のように、結晶面方位<100>方向に延びて第1の溝11aが形成されていることにより、結晶面方位<100>方向の固層エピタキシャル成長を促進し、メモリセルのシリコン膜12の結晶性を向上することができる。
一方、周辺回路領域200においては、埋め込み絶縁膜11が除去されているので効率よく固層エピタキシャル成長でき、シリコン膜12の結晶性を向上することができる。
次に、図5Eに示すように、シリコン膜12をエッチバックし、所望の膜厚(例えば、50nm程度)まで薄膜化する。
次に、図5Fに示すように、例えば、n型の不純物(例えば、リン等)の濃度が1×1016cm−3〜1×1018cm−3になるように、シリコン膜12にイオン注入する。これにより、シリコン膜12をn型にする。同時に、周辺回路領域200においてもこのイオン注入が行なわれる。
次に、図5Gに示すように、シリコン膜12上にトンネル絶縁膜Tox(ゲート絶縁膜Gox)を形成する。
以降は、シリコン膜12のうち、選択ゲートトランジスタの下方に位置する領域にp型の不純物をイオン注入する。同時に、周辺回路領域200において、n型トランジスタを形成する場合にも、n型トランジスタの下方に位置する領域にp型の不純物をイオン注入し、p型トランジスタの下方に位置する領域をレジストマスク等で覆い、イオン注入を行なわない。その結果、選択ゲートトランジスタのウエルに加えて、n型トランジスタ、p型トランジスタのウエルを同時に形成することができ、工程を省略することができる。
さらに、メモリセルトランジスタMT、選択ゲートトランジスタの各電極等を形成する。さらに、各コンタクトプラグを形成し、層間絶縁膜等を形成することにより、図3Bに示すNAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイ領域100が形成される。
なお、以上の説明では、第1の溝11aの端部と、第2の溝11b1および第3の溝11b2とが繋がっている場合について説明した。ここで、図8は、図5Bに示す工程の他の例の斜視図である。
以上のように、本実施例に係るNAND型フラッシュメモリによれば、メモリセルの結晶性の向上を図ることができる。
これにより、メモリセルトランジスタのカットオフ特性の劣化を抑制し、該メモリセルトランジスタのしきい値電圧のばらつきを低減することができる。
また、結晶面方位<110>方向にノッチが刻まれている市販のシリコン基板を用いることができるため、SOI基板を用いない他の製品におけるトランジスタと、本発明に係る周辺回路領域200におけるトランジスタの特性をほぼ同じにすることができる。その結果、設計段階において、同じトランジスタモデルを用いてシュミレーションすることができるため、設計効率を向上させることができる。
<実施例1の変形例1>
図9は、実施例1の変形例1を示す図である。この図9は、実施例1の図2Aに相当する図面であり、変形例1ではワード線WL、選択ゲート線SGD、SGSの延びる方向と、素子領域AAの延びる方向が90度回転したものである。すなわち、ワード線WL、選択ゲート線SGD、SGSの延びる方向が結晶面方位<1−10>方向であり、素子領域AAの延びる方向が結晶面方位<110>方向である。
図9は、実施例1の変形例1を示す図である。この図9は、実施例1の図2Aに相当する図面であり、変形例1ではワード線WL、選択ゲート線SGD、SGSの延びる方向と、素子領域AAの延びる方向が90度回転したものである。すなわち、ワード線WL、選択ゲート線SGD、SGSの延びる方向が結晶面方位<1−10>方向であり、素子領域AAの延びる方向が結晶面方位<110>方向である。
同様に、選択ゲート線SGD、SGSの延びる方向に合わせて、第2及び第3の溝11b、11cも<1−10>方向に延びることになる。
このようにワード線WL、選択ゲート線SGD、SGSの延びる方向と、素子領域AAの延びる方向が90度回転した場合であっても、シリコン膜12の結晶性をよくすることができるため、実施例1と同様の効果が得られる。
<実施例1の変形例2>
図10は、実施例1の変形例2を示す図である。この図10は、実施例1の図2Aに相当する図面であり、変形例2では第1の溝11aが結晶面方位<100>方向に一定の間隔を置いて、結晶面方位<010>方向に延びている。
図10は、実施例1の変形例2を示す図である。この図10は、実施例1の図2Aに相当する図面であり、変形例2では第1の溝11aが結晶面方位<100>方向に一定の間隔を置いて、結晶面方位<010>方向に延びている。
このように、第1の溝11aが延びる方向が結晶面方位<010>方向であっても、固層エピタキシャル成長性がよい結晶面方位<100>方向に一定の間隔で配置されているため、隣接する第1の溝11a間のアモルファスシリコン膜12aを効率よく結晶化することができる。その結果、実施例1と同様の効果が得られる。
実施例1では、メモリセルがD−typeトランジスタである場合の一例について述べた。
本実施例2では、メモリセルがE−typeトランジスタである場合の一例について述べる。
実施例1と同様に、先ず、メモリセルがMONOS(金属−酸化膜−窒化膜−酸化膜−シリコン)型メモリセルである場合における、メモリセルアレイ領域100の断面構成について説明する。なお、メモリセル領域100の平面図は、実施例1の図2Aと同様である。
図11Aは、図2AのA−A線に沿ったMONOS型メモリセルの断面を示す図である。なお、図11Aでは、メモリセルがE−typeトランジスタである場合について記載している。なお、実施例1の図3Aに示す構成と比較して、シリコン膜の導電型がp型である点、該シリコン膜にソース・ドレイン拡散層が形成されている点以外は、同じである。
図11Aに示すように、NAND型フラッシュメモリ1000は、第1導電型(p型)のシリコン基板10と、埋め込み絶縁膜11と、シリコン膜12と、を備える。
p型の半導体基板であるシリコン基板10は、上面に垂直な方向が結晶面方位<001>方向である。
埋め込み絶縁膜11は、シリコン基板10上に形成され、第1の溝11aが結晶面方位<100>方向に沿って延び、かつシリコン基板10の上面を露出させるように貫通して形成されている(図2A)。なお、この第1の溝11aは、シリコン基板の主平面に平行な面において、結晶面方位<100>方向に垂直な結晶面方位<010>方向に形成されていてもよい。
結晶状のp型のシリコン膜12は、第1の溝11a内および埋め込み絶縁膜11上に、固相エピタキシャル成長により形成され、シリコン基板10と同じ面方位を有する。メモリセルのシリコン膜12におけるチャネル方向が第1の結晶面方位<110>方向である。
また、ゲート電極間に位置するシリコン膜12の表面内には、n+型不純物拡散層13が形成されている。n+型不純物拡散層13は、隣接するトランジスタ同士で共用されており、ソース(S)またはドレイン(D)として機能する。また、隣接するソースとドレインとの間の領域(ゲート電極直下の領域)は、電子の移動領域となるチャネル領域として機能する。これらのゲート電極、n+型不純物拡散層13及びチャネル領域によって、メモリセルトランジスタMT及び選択ゲートトランジスタST1、ST2が形成されている。
さらに、p型半導体基板10上には、上記メモリセルトランジスタMT及び選択ゲートトランジスタST1、ST2を被覆するようにして、層間絶縁膜21が形成されている。層間絶縁膜21中には、ソース側の選択ゲートトランジスタST2の不純物拡散層(ソース)13に達するコンタクトプラグCP2が形成されている。そして層間絶縁膜21表面には、コンタクトプラグCP2に接続される金属配線層22が形成されている。金属配線層22はソース線SLの一部として機能する。また層間絶縁膜21中には、ドレイン側の選択ゲートトランジスタST1の不純物拡散層(ドレイン)13に達するコンタクトプラグCP1が形成されている。そして層間絶縁膜21表面に、コンタクトプラグCP1に接続される金属配線層23が形成されている。
既述のように、その他の構成は、実施例1と同様である。
次に、メモリセルが浮遊ゲート型メモリセルである場合における、メモリセルアレイ領域100の断面構成について説明する。図11Bは、図2AのA−A線に沿った浮遊ゲート型メモリセルの断面を示す図である。なお、図11Bでは、メモリセルがE−typeトランジスタである場合について記載している。なお、実施例1の図3Bに示す構成と比較して、シリコン膜の導電型がp型である点、該シリコン膜にソース・ドレイン拡散層が形成されている点以外は、同じである。
図11Bに示すように、NAND型フラッシュメモリ1000は、第1導電型(p型)のシリコン基板10と、埋め込み絶縁膜11と、シリコン膜12と、を備える。
図11Bに示すように、NAND型フラッシュメモリ1000は、第1導電型(p型)のシリコン基板10と、埋め込み絶縁膜11と、シリコン膜12と、を備える。
p型の半導体基板であるシリコン基板10は、上面に垂直な方向が結晶面方位<001>方向である。
埋め込み絶縁膜11は、シリコン基板10上に形成され、第1の溝11aが結晶面方位<100>方向に沿って延び、かつシリコン基板10の上面を露出させるように貫通して形成されている(図2A)。なお、この第1の溝11aは、シリコン基板の主平面に平行な面において、結晶面方位<100>方向に垂直な結晶面方位<010>方向に形成されていてもよい。
結晶状のp型のシリコン膜12は、第1の溝11a内および埋め込み絶縁膜11上に、固相エピタキシャル成長により形成され、シリコン基板10と同じ面方位を有する。これにより、メモリセルアレイ領域100の結晶性を向上することができる。すなわち、メモリセルトランジスタMTのカットオフ特性の劣化を抑制し、メモリセルトランジスタMTのしきい値電圧のばらつきを低減することができる。なお、メモリセルのシリコン膜12におけるチャネル方向が第1の結晶面方位<110>方向である。
また、ゲート電極間に位置するシリコン膜12の表面内には、n+型不純物拡散層13が形成されている。n+型不純物拡散層13は、隣接するトランジスタ同士で共用されており、ソース(S)またはドレイン(D)として機能する。また、隣接するソースとドレインとの間の領域(ゲート電極直下の領域)は、電子の移動領域となるチャネル領域として機能する。これらのゲート電極、n+型不純物拡散層13及びチャネル領域によって、メモリセルトランジスタMT及び選択ゲートトランジスタST1、ST2が形成されている。
選択ゲートトランジスタST2の拡散層(ソース)13は、層間絶縁膜37−1中のソース線コンタクトCP2を介してソース線SLに接続されている。
層間絶縁膜37−1、37−2中にビット線BLが設けられている。ビット線BLは、層間絶縁膜37−1中のビット線コンタクトCP1、BC1、BC2を介して選択ゲートトランジスタST1の拡散層(ドレイン)と電気的に接続されている。
既述のように、その他の構成は、実施例1と同様である。
次に、以上のような構成・機能を有するNAND型フラッシュメモリ1000の製造方法の一例について説明する。
ここでは、一例として、メモリセルが、浮遊ゲート型メモリセルであり、E−typeトランジスタである場合について説明する。なお、メモリセルがMONOS型メモリセルもSOI基板を形成する点では、同様である。
図12Aないし図12Gは、本発明の一態様である実施例2に係るNAND型フラッシュメモリ1000の製造方法の各工程の平面図である。
先ず、図12Aに示すように、p型の半導体基板10上に酸化膜を例えば10nm〜100nm堆積することにより、半導体基板10上に埋め込み酸化膜(Box層)11を成膜する。
次に、図12Bに示すように、レジスト(図示せず)をマスクとして、埋め込み絶縁膜11をエッチングし、第1の溝11aを形成する。これにより、第1の溝11aは、結晶面方位<100>または<010>方向に沿って延びかつシリコン基板10の上面を露出させるように埋め込み絶縁膜11を貫通して形成される。このとき、第2、第3の溝11b1、11b2も同様に形成される。なお、溝11aの幅は、例えば、10nm〜100nm程度に設定される。
なお、例えば、実施例1の図8に示すように、埋め込み絶縁膜11の第1の溝11aの端部11a1と第2の溝11b1とが離れている。さらに、この埋め込み絶縁膜11の第1の溝11aの他端部11a2と第3の溝11b2とが離れている。これにより、選択ゲートトランジスタの特性ばらつきを押さえることができる。
次に、図12Cに示すように、埋め込み絶縁膜11上に不純物が含まれていないアモルファスシリコン(α−Si)を成膜するとともに、第1の溝11a内のシリコン基板10上にアモルファスシリコンを成膜(例えば、10nm〜1000nm)する。これにより、第1の溝11a内に該アモルファスシリコン12aが充填される。このとき、第2、第3の溝11b1、11b2も同様に該アモルファスシリコン12aが充填される。
次に、図12Dに示すように、加熱処理により、シリコン基板10表面上のアモルファスシリコン12aをシリコン基板10と同じ結晶構造に変化(固相エピタキシャル成長)させる。これにより、埋め込み絶縁膜11上にエピタキシャル層(SOI層)となるシリコン膜12を形成する。
なお、実施例1の図7に示すように、このシリコン膜12の配向性は、溝を介して繋がるシリコン基板10の配向性と同じである。すなわち、シリコン膜12は、上面に垂直な方向が結晶面方位<001>方向である。さらに、メモリセルのシリコン膜12におけるチャネル方向が第1の結晶面方位<110>方向となる。
ここで、既述のように、固層エピタキシャル成長は、結晶面方位<100>方向が成長し易い。したがって、上述のように、結晶面方位<100>方向に延びて第1の溝11aが形成されていることにより、結晶面方位<100>方向の固層エピタキシャル成長を促進し、メモリセルのシリコン膜12の結晶性を向上することができる。
なお、上述のように、結晶面方位<010>方向に延びて第1の溝11aが形成されていても、結晶面方位<010>方向の固層エピタキシャル成長を促進し、メモリセルのシリコン膜12の結晶性を向上することができる。
次に、図12Eに示すように、シリコン膜12をエッチバックし、所望の膜厚(例えば、50nm程度)まで薄膜化する。
次に、図12Fに示すように、例えば、p型の不純物(例えば、ボロン等)を、シリコン膜12にイオン注入する。これにより、シリコン膜12をp型にする。同時に、周辺回路領域200においてもこのイオン注入が行なわれシリコン膜12がp型になる。
次に、図12Gに示すように、シリコン膜12上にトンネル絶縁膜Tox(ゲート絶縁膜Gox)を形成する。
以降は、周辺回路領域200において、p型トランジスタを形成する場合に、p型トランジスタの下方に位置する領域にn型の不純物をイオン注入し、n型のシリコン膜12を形成する。
さらに、メモリセルトランジスタMT、選択ゲートトランジスタの各電極等を形成する。その後、これら電極をマスクとしてイオン注入を行なうことにより、n+型不純物拡散層13を形成する。同時に、周辺回路領域200においても、トランジスタのゲート電極をマスクとして不純物拡散領域が形成される。さらに、各コンタクトプラグを形成し、層間絶縁膜等を形成することにより、図11Bに示すNAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイ領域100及び周辺回路領域200が形成される。
なお、以上の説明では、第1の溝11aの端部と、第2の溝11b1および第3の溝11b2とが離れている場合について説明した。ここで、実施例1の図8に示すように、必要に応じて、第1の溝11aと、第2の溝11b1または第3の溝11b2とを繋がるようにしてもよい。
以上のように、本実施例に係るNAND型フラッシュメモリによれば、第1の実施例と同様の効果が得られる。
さらに、メモリセルトランジスタが片側ゲートMOS−SITではなく、通常のMOSトランジスタとなるため、空乏層幅の最大値Wmaxと距離L、距離Dの関係を考慮せずシリコン層12の膜厚を決めることができ、設計の自由度が向上できる。
10 p型半導体基板
11 埋め込み酸化膜
11a 第1の溝
11a1、11a2 端部
11b1 第1の溝(開口部)
11b2 第2の溝(開口部)
12 Pウェル
13 n+型不純物拡散層
14 酸化膜(トンネル絶縁膜)
15 絶縁膜(電荷蓄積層)
16 絶縁膜(ブロック層)
17 多結晶シリコン層(制御ゲート電極)
20 多結晶シリコン層(ゲート電極)
21、24 層間絶縁膜
22 金属配線層
25 絶縁膜
26 金属配線層(BL)
27 層間絶縁膜
34 側壁スペーサ
37−1、37−2 層間絶縁膜
41 制御ゲート電極(CG)
41S、42S シリサイド層
100 メモリセルアレイ領域
200 周辺回路領域
201 高耐圧系トランジスタ形成領域
202 低耐圧系トランジスタ形成領域
207C、207D ゲート電極
210 ワード線・選択ゲート線ドライバ
212B、212C コンタクト
220 センスアンプ回路
230 制御回路
1000 NAND型フラッシュメモリ
AA、AAL、AAH 素子領域
CP1、CP2コンタクトプラグ
FG 浮遊ゲート電極(電荷蓄積層)
HVTr 高耐圧系MISトランジスタ
IPD ゲート間絶縁膜
LVTr 低耐圧系MISトランジスタ
MT メモリセルトランジスタ
SGD、SGS 選択ゲート線
SL ソース線
ST1、ST2 選択ゲートトランジスタ
STI 素子分離領域
Tox トンネル絶縁膜
WL0〜WL15 ワード線
11 埋め込み酸化膜
11a 第1の溝
11a1、11a2 端部
11b1 第1の溝(開口部)
11b2 第2の溝(開口部)
12 Pウェル
13 n+型不純物拡散層
14 酸化膜(トンネル絶縁膜)
15 絶縁膜(電荷蓄積層)
16 絶縁膜(ブロック層)
17 多結晶シリコン層(制御ゲート電極)
20 多結晶シリコン層(ゲート電極)
21、24 層間絶縁膜
22 金属配線層
25 絶縁膜
26 金属配線層(BL)
27 層間絶縁膜
34 側壁スペーサ
37−1、37−2 層間絶縁膜
41 制御ゲート電極(CG)
41S、42S シリサイド層
100 メモリセルアレイ領域
200 周辺回路領域
201 高耐圧系トランジスタ形成領域
202 低耐圧系トランジスタ形成領域
207C、207D ゲート電極
210 ワード線・選択ゲート線ドライバ
212B、212C コンタクト
220 センスアンプ回路
230 制御回路
1000 NAND型フラッシュメモリ
AA、AAL、AAH 素子領域
CP1、CP2コンタクトプラグ
FG 浮遊ゲート電極(電荷蓄積層)
HVTr 高耐圧系MISトランジスタ
IPD ゲート間絶縁膜
LVTr 低耐圧系MISトランジスタ
MT メモリセルトランジスタ
SGD、SGS 選択ゲート線
SL ソース線
ST1、ST2 選択ゲートトランジスタ
STI 素子分離領域
Tox トンネル絶縁膜
WL0〜WL15 ワード線
Claims (7)
- シリコン基板上に形成され、2つの選択ゲートトランジスタ間に直列に複数個接続されたメモリセルを備えた、NAND型フラッシュメモリであって、
上面に垂直な方向が第1の結晶面方位<001>方向である前記シリコン基板と、
前記シリコン基板上に形成され、第1の溝が第2の結晶面方位<100>または<010>方向に沿って延びかつ前記シリコン基板の上面を露出させるように貫通して形成された、埋め込み絶縁膜と、
前記第1の溝内および前記埋め込み絶縁膜上に固相エピタキシャル成長により形成され前記シリコン基板と同じ面方位を有する結晶状のシリコン膜と、
前記シリコン膜上に形成されたトンネル絶縁膜上に形成され前記メモリセルを構成する電荷蓄積層と、を備え、
前記メモリセルの前記シリコン膜におけるチャネル方向が第3の結晶面方位<110>または<1−10>方向である
ことを特徴とするNAND型フラッシュメモリ。 - 前記トンネル絶縁膜上に前記シリコン基板の上面に対して平行な方向において前記第3の結晶面方位と垂直な方向である前記第4の結晶面方位の方向に沿って形成され、前記メモリセルのドレインとビット線コンタクトとの間に接続された第1の選択ゲートトランジスタを構成する、第1の選択ゲート電極をさらに備え、
前記埋め込み絶縁膜には、前記第1の選択ゲート電極の下に位置する領域に、前記シリコン基板の上面が露出するように貫通する第2の溝が形成され、
前記第2の溝内には、前記シリコン膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のNAND型フラッシュメモリ。 - 前記トンネル絶縁膜上に前記第4の結晶面方位の方向に沿って形成され、前記メモリセルのソース拡散層とソース線コンタクトとの間に接続された第2の選択ゲートトランジスタを構成する、第2の選択ゲート電極をさらに備え、
前記埋め込み絶縁膜には、前記第2の選択ゲート電極の下に位置する領域に、前記シリコン基板の上面が露出するように貫通する第3の溝が形成され、
前記第3の溝内には、前記シリコン膜が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のNAND型フラッシュメモリ。 - 前記第1の溝の端部と前記第2の溝とが離れていることを特徴とする請求項2に記載のNAND型フラッシュメモリ。
- 前記第1の溝の一端部と前記第2の溝とが離れているとともに、前記第1の溝の他端部と前記第3の溝とが離れていることを特徴とする請求項3に記載のNAND型フラッシュメモリ。
- 前記シリコン基板上であって前記埋め込み絶縁膜が形成されていない領域にトランジスタが形成されており、
前記トランジスタのチャネル方向は、前記シリコン基板の主平面に平行な面上で、前記第3の結晶面方位の方向に、平行、または垂直である
ことを特徴とすることを特徴とする請求項1ないし5に記載のNAND型フラッシュメモリ。 - 前記メモリセルは、
前記シリコン膜上に形成されたトンネル絶縁膜と、
前記トンネル絶縁膜上に形成された電荷蓄積層と、
前記電荷蓄積層上に形成されたゲート酸化膜と、
前記ゲート酸化膜上に形成された制御ゲート電極と、を含む
ことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のNAND型フラッシュメモリ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008174516A JP2010016165A (ja) | 2008-07-03 | 2008-07-03 | Nand型フラッシュメモリ |
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JP2008174516A JP2010016165A (ja) | 2008-07-03 | 2008-07-03 | Nand型フラッシュメモリ |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010016165A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9012972B2 (en) | 2013-02-20 | 2015-04-21 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Nonvolatile semiconductor storage device and method of manufacturing the same |
CN112530952A (zh) * | 2019-09-18 | 2021-03-19 | 铠侠股份有限公司 | 半导体存储装置 |
CN112530900A (zh) * | 2019-09-18 | 2021-03-19 | 铠侠股份有限公司 | 半导体装置及其制造方法 |
-
2008
- 2008-07-03 JP JP2008174516A patent/JP2010016165A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9012972B2 (en) | 2013-02-20 | 2015-04-21 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Nonvolatile semiconductor storage device and method of manufacturing the same |
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