JP2007287709A - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、紫外光等の励起光で2種類以上の蛍光材料を励起する発光装置で、
光の色調節が容易で、装置寿命が長いものを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の発光装置は、半導体発光素子30と、前記半導体発光素子30の発光面32側
に配置されて前記半導体発光素子30からの光を変換することが可能な蛍光材料を含有し
た光変換デバイス20と、を備えた発光装置10であって、前記光変換デバイス20は、
複数の貫通孔26を有する無機材料から成る母材22と、前記貫通孔26内に保持された
バインダー材料を主成分とする複数の発光ドット24とを有し、前記複数の発光ドット24で
は、少なくとも2種の前記蛍光材料が互いに異なる発光ドット24に位置するように前記
バインダー材料に含有されており、前記バインダー材料の融点が、前記母材22の前記貫通孔26
を囲む部分のガラス転移点よりも低いことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、短波長光を発光する半導体発光素子を異なる波長の光に変換する光変換デバイスと、それを用いた発光装置に関する。
窒化ガリウム系半導体の発光ダイオード(LED)を用いた白色光発光装置として、青色LEDと、そのLEDからの青色光を吸収して黄色光を発する黄色蛍光材料とを組み合わせた白色LEDが知られている。この白色LEDの白色光は、赤みの少ない青白い光であり、照明器具に求められる演色性に乏しかった。
そこで、紫外光を発光する窒化ガリウム系半導体のLEDと、紫外光を吸収して3原色(赤色、青色、及び緑色)を発光する蛍光材料とを組み合わせることにより、演色性の良い白色光源装置を得ようとする試みがなされた。一例として、長波長の紫外光を発するLEDと、そのLEDの発光部である樹脂層と、樹脂層に含まれる混合蛍光材料とを備えた表示装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この混合蛍光材料は、青色発光蛍光材料、緑色発光蛍光材料および赤色発光蛍光材料を所定の比率で混合したものであり、各色の蛍光材料は、LEDからの紫外光を吸収して青色光、緑色光又は赤色光の3原色を発し、それらの光が混色して白色光として視認される。蛍光材料の混合比率を変えることにより白色光の色味を容易に調節できるので、演色性の良好な光から、暖かみのある色味の光まで、さまざまな白色光用の装置を製造することができる。
また、別の形態の白色光源装置では、紫外LEDの発光面側に、3原色の蛍光材料を繰り返し配列した蛍光パターン層を設けたものが知られている(例えば特許文献2参照)。蛍光パターン層は、多数の領域に分割されており、隣接する3つの領域を、赤色蛍光材料、青色蛍光材料又は緑色蛍光材料のいずれかを含有する3色のレジスト膜で塗り分けられている。紫外LEDが紫外光を発光すると、これらのレジスト膜内の蛍光材料が紫外光を吸収して、それぞれの領域で赤色光、緑色光又は青色光を発し、それらの光が混色して白色光として視認される。レジスト膜のパターンニングには、フォトリソグラフ技術が利用できる。この白色発光装置では、それぞれのレジスト膜の面積を調節することにより、白色光の色味を簡単に調節することができる。
特開2006−041547号公報 特開2003−298120号公報
特許文献1のように3種類の蛍光材料を混合すると、蛍光材料の光が再吸収される問題がある。つまり、青色蛍光材料から発した青色光の一部を緑色又は赤色の蛍光材料が吸収し、緑色発光体から発した緑色光の一部を赤色蛍光材料が吸収することがあり、このような吸収と発光の繰り返しは、発光効率を低下させる一因である。また、樹脂は紫外光により激しく劣化するので、装置の発光により樹脂層の変質・劣化が起こって表示装置の寿命が短くなっていた。
特許文献2では、3種類の蛍光材料を別の領域に塗り分けているので、上記のような再吸収の問題は起こらない。しかしながら、紫外光によるレジスト膜の劣化は、樹脂層と同様に激しいので、白色光源装置の寿命が短くなる問題は依然としてあった。また、レジスト膜のパターン形成は、レジスト液の塗布、露光、そして現像の3工程で完成するが、3色のレジスト膜でパターンを形成するには、この3工程を3回繰り返す必要があり、1つの製品を完成するのに必要な工程数が比較的多いという欠点があった。
そこで、本発明は、半導体発光素子を励起源として2種類以上の蛍光材料で光を変換する発光装置で、従来技術と同様に光の色調節が容易で、さらに装置寿命が長いものを提供することを目的とする。また、本発明は、上記のような発光装置を比較的容易に製造できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明の発光装置は、半導体発光素子と、前記半導体発光素子の発光面側に配置されて前記半導体発光素子からの光を変換することが可能な蛍光材料を含有した光変換デバイスと、を備えた発光装置であって、前記光変換デバイスは、複数の貫通孔を有する無機材料から成る母材と、前記貫通孔内に保持された複数の発光ドットとを有し、前記複数の発光ドットでは、少なくとも2種の前記蛍光材料が互いに異なる発光ドットに位置するように前記バインダー材料に含有されており、前記バインダー材料の融点が、前記母材の前記貫通孔を囲む部分のガラス転移点よりも低いことを特徴とする。
少なくとも前記母体の貫通孔を囲む部分が、高融点ガラス材料から成るのが好ましい。
また、前記母材が、前記発光ドットに含有された蛍光材料のいずれとも異なる蛍光材料を含むこともできる。特に、前記バインダー材料がアダマンタン環を持つエポキシ樹脂を有することが好ましい。また、前記バインダー材料をリン酸ガラスから成り、前記高融点ガラス材料がホウケイ酸ガラスから成るのが好ましい。
前記発光ドットに含有された前記蛍光材料を、赤色光を発光する赤色蛍光材料、青色光を発光する青色蛍光材料、及び緑色光を発光する緑色蛍光材料にすることにより、前記発光装置の発光を白色光にすることができる。また、好ましい前記発光ドットの外径は10〜500μmである。
本発明の発光装置の製造方法は、半導体発光素子と、前記半導体発光素子の発光面側に配置され前記半導体発光素子からの光を変換することが可能な蛍光材料が含有された光変換デバイスと、を備えた発光装置を製造する方法であって、前記蛍光材料をバインダー材料の溶融物に添加して混合材料を得る工程と、前記混合材料を、前記バインダー材料の溶融温度よりも高いガラス転移点を有する高融点ガラス材料から成るキャピラリに充填する工程と、前記キャピラリを前記高融点ガラス材料から成る管状の母材管の貫通孔に複数挿入する工程と、前記母材管を軟化温度以上に加熱して引き延ばして前記キャピラリと前記母材管とを融着し、その後に引き延ばし方向に対して垂直方向又は斜め方向に切断することにより、光変換デバイスを形成する工程と、前記半導体発光素子の発光面側に前記光変換デバイスを固定する工程と、を含むことを特徴とする。
また、前記キャピラリの表面に、前記蛍光材料とは異なる蛍光材料の粉末と前記ガラス材料の粉末との混合粉末を付着させてから、前記キャピラリを前記母材管の貫通孔に挿入することもできる。
本発明の発光装置は、紫外光等の短波長領域の光によってもほとんど劣化しない無機材料から母材を作成し、その母材に形成した複数の貫通孔の内部に、高い耐熱性を有し、かつ前記無機材料のガラス転位温度よりも溶融温度が低いバインダー材料にて蛍光材料が固着された発光ドットを保持させていることから、製造時や使用環境において、隣り合う発光ドット間で蛍光材料が混ざることに起因する発光色のズレがなく、信頼性の高い発光装置が得られる。また、本発明の発光装置の製造方法は、上記の発光装置を比較的容易に製造できる利点がある。
本発明を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための半導体装置を例示するものであって、本発明は半導体装置を以下に限定するものではない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
図1及び図2に図示した発光装置10は、波長320〜420nmの短波長光を発光する半導体発光素子30の発光面32側に、光変換デバイス20を無機系接着材料(この例では低融点ガラス材料42)で接着して構成されている。
光変換デバイス20は、母材22と、母材22に規則的に配列した発光ドット24とから構成されている。発光ドット24は、短波長光を吸収して可視光を発する蛍光材料を含有させたバインダー材料から形成されている。含有させる蛍光材料として2種類以上の蛍光材料を使用しており、それぞれの蛍光材料は、同一の発光ドット24内に混在することなく、別々の発光ドット24内に含有されている。また、発光ドット24は、母材22の厚さ方向に貫通した貫通孔26の内部に支持されており、隣接する発光ドット24は、母材22によって隔離されて、直接接触しないようにされている。このように、本発明の発光装置10では複数の蛍光材料を別々の発光ドット24に保持させているので、蛍光材料で発生した光を別の蛍光材料が吸収する再吸収が起こらず、発光効率を高めることができる。また、異なる蛍光材料を含有させた発光ドット24が直接に接触しないので、発光ドットの製造時に発光ドット24が混ざることがなく、発光ドット24同士を確実に分離することができる。
母材22は、貫通孔26を囲む部分のガラス転移点が発光ドット24に使用するバインダー材料の溶融温度よりも高くなるように、材料が選択されている。これは、発光ドット24を貫通孔26に固定する工程との関係で有利である。発光装置10の製造するときに、蛍光材料を含有する発光ドット用バインダー材料の溶融物を母材22の貫通孔26に充填して、発光ドット24を母材22の貫通孔26に固定する。もし母材22の貫通孔26の囲む部分のガラス転移点が、発光ドット用のバインダー材料の融点よりも低温だったら、溶融状態の発光ドット24を母材22の貫通孔26に充填している間に、貫通孔26の周囲が軟化して貫通孔26の形状が歪み、隣接する貫通孔26とつながってしまう恐れがある。しかしながら、貫通孔26の周囲部分のガラス転移点が、発光ドット24のバインダー材料の溶融点よりも高ければ、貫通孔26が歪むことはない。
母材22は、ガラスやセラミック等の無機材料から形成することができるが、これらは短波長光に対する耐性が高いので、装置の製品寿命を延ばすことができる。特に、母材22をガラスから成形すると、小寸法の光変換デバイス20を製造するのに有利である。すなわち、母材22と発光ドット24とを、作業しやすい大きめの寸法で準備して、最後に母材22と発光ドット24とを軟化状態で引き延ばせば、小さい寸法の発光ドット24を有する光変換デバイス20を容易に製造することができる。発光ドットの寸法は、10〜500μmであることが好ましく、これによりドット感の少ない混色光を発光可能な発光装置が得られる。
図3は、図1の変形例であり、光変換デバイス20の母材22の代わりに、複数のガラス部材22a〜22cから構成された複合母材22'を用いた発光装置10を示している。複合母材22'は、発光ドット24を保持する貫通孔26の周囲を囲んだ断面環状の環状ガラス部材22aと、隣接する環状ガラス部材22aの間を充填する充填ガラス部材22bと、環状ガラス部材22a及び充填ガラス部材22bの周囲を囲んでいる外周部材22cと、の3つの部材から構成されている。これらのガラス部材は、一体に融着して複合母材22'を構成している。
環状ガラス部材22aは高融点ガラスから形成して、環状ガラス部材22aのガラス転移点が発光ドット24に使用するガラスの溶融温度よりも高くするのが好ましい。また、外周部材22cも高融点ガラスから形成して、製造時の取扱いが容易で、使用時に光を透過して取出し効率を高めるのが好ましい。しかしながら、外周部材22cに金属等の環状部品を用いて、環状ガラス22及び充填ガラス部材22bを補強することもでき、このとき光の反射率の高い金属を選択すれば、取出し効率の低下を抑えることができる。
図3のような複合母材22'では、環状ガラス部材22a、充填ガラス部材22b、及び外周部材22cを異なるバインダー材料から形成できるので、製造する上で以下のような利点がある。
製造方法の一例として、発光ドット24を環状ガラス部材22aに固定した後、環状ガラス部材22aを充填ガラス部材22bで融着する方法が考えられる。充填ガラス部材22bの溶融温度まで昇温した時に、環状ガラス部材22aが溶融するならば、環状ガラス部材22a内の発光ドット24が環状ガラス部材22aと混ざり、さらには環状ガラス部材22aで隔離されていた隣接する発光ドット24と混ざりあう恐れもある。
これに対して複合母材22'では、環状ガラス部材22aに使用する材料を、充填ガラス部材22bに使用する材料よりも耐熱性の高い高融点ガラス材料にすることにより、製造中の溶融工程を経ても、発光ドット24を分離状態で保持している光変換デバイスを得ることができる。
母材22及び複合母材22'は、短波長光を吸収して発光する蛍光材料を含むのが好ましい。母材22自体は、短波長光を可視光に変換することがないので、母材22が短波長光を透過する材料から形成された場合には、微量ではあるが、母材22を透過した短波長光が発光装置から漏れ出す。また、母材22が短波長光を透過させない物質であれば、母材22に吸収された光は発光装置の発光効率を低下させる原因になる。そこで、母材22に蛍光材料を含有させて、その蛍光材料が短波長光を吸収して発光することで、短波長光の漏れ出し防止と発光効率の向上との両方を図ることができる。
母材22に含有させる蛍光材料は、発光ドット24に含まれる蛍光材料のいずれか1色にすることもできる。しかしながら、発光ドット24とは形状及び面積が全く異なるので不均一な色分布を助長させる可能性があることから、母材22用の蛍光材料としては、発光ドット24用とは異なる蛍光材料を使用するのがより好ましい。特に、発光ドット24により得られた可視光の色ムラを悪化させにくい蛍光材料、例えば430nm以上の波長範囲にわたる発光ピークを有するようなブロードな発光をする蛍光材料が適している。このようなブロード発光の蛍光材料としては、波長範囲550nmの黄色光を発光するYAG系の蛍光材料や、白色を発光するハロリン酸カルシウムなどが利用できる。母材用蛍光材料から発する光は、発光ドット24から発する光に混ざって視認されるので、母材蛍光材料の発光波長は、混色後の可視光の色味を考慮して選択するのがよい。特に、YAG系蛍光材料は、同じ黄色でも色味の異なる光を発する他種類の蛍光材料があるので、蛍光材料を選択して色味調節できるので、母材22用の蛍光体に好適である。
また、図3のような複合母材22'では、充填ガラス部材22bに母材蛍光材料を含有させるのが好ましい。充填ガラス部材22bと発光ドット24との間が環状ガラス部材22aによって隔離されているので、それぞれの蛍光材料で発光した光の間で再吸収等の悪影響を与えにくいからである。また、充填ガラス部材22bは光変換デバイス20の全体に広く配置されているので、充填ガラス部材22bに蛍光材料を含有させることにより、蛍光材料を光変換デバイスの広範囲に分布させることができ、色分布の均一化の点でも有利である。
各色を発する発光ドット24は、所望の色調の可視光を得るために、所定の位置に配置されている。例えば、図1及び図2に示した発光装置10は、赤、緑、及び青の3原色を発光する3種類の発光ドット24R、24G、24Bを備えた白色光源装置10である。この白色光源装置10に用いられている光変換デバイス20では、3種類の発光ドット(赤色発光ドット24R、緑色発光ドット24G、及び青色発光ドット24B)の個数及び配置は、半導体発光素子30からの短波長光を変換した白色光が、好ましい色調になるように、そして、視認方向による色ムラが少なくなるように決定されている。本発明は、所望の色調に合わせて各色の発光ドット24の個数及び配置を容易に変更することができる。
発光ドット24の上面形状は、円形、楕円形、多角形等にすることができる。特に、発光ドット24の形状が作りやすい円形及び楕円形や、発光ドットを密接して配列しやすい多角形(三角形、四角形及び六角形)が好ましい。発光ドット24は、可視光光源装置の発光効率を高めるために、緻密に配列されているのが好ましい。例えば、発光ドット24が円形の場合には、図1のようなハニカム状の配列が最適である。
発光ドット24の寸法は、各発光ドット24からの発光が混色されるときに、観察者が所定の発光色として認識でき、そして視認方向による色ムラが生じないように決定するのが好ましい。均一な混色を達成できる発光ドット24の寸法は、その用途によって上限と下限が異なってくる。例えば、発光装置の発光面積が広く、発光を観察する距離が遠い場合には、発光ドットの寸法を比較的大きくしても、観察者は混色や色ムラを感じにくい。これに対して、装置の発光面積が狭く観察距離が近い場合や、装置の発光部分が拡大観察される場合には、混色不足や色ムラを感知しやすいので、発光ドットの寸法を小さくして、適切な混色と色ムラ防止とを実現するのが好ましい。
例えば、本発明の発光装置10を室内の白色照明として使用する場合には、発光ドット24の外径寸法を好ましくは100〜900μmとし、より好ましくは300〜500μmとする。発光ドット24が900μmより大きいと、混色が不十分で、発光ドット24からの発光を3色のドットとして視覚的に認識できるので、白色光源として不適である。
また、発光ドット24が100μm未満にすることは、製造が難しくなって製造コストの増加が著しいもかかわらず、これ以上の微細なドットにしたとしても色ムラの改善にそれほど寄与しないので、性能と製品コストの関係からみて好ましくない。
発光ドット24に使用するバインダー材料としては、アダマンタン環を持つエポキシ樹脂が好ましく、例えば、1,3アダマンタンジオール、1,3,5アダマンタントリオールを出発原料とし、三無水和物の共存下で熱硬化することで得られる透明性の高い1,3ビス(グリシジルオキシ)アダマンタン(AD−2G)、1,3,5トリス(グリシジルオキシ)アダマンタン(AD−3G)などがあげられる。とくに後者は、収率および純度が高く、好ましい。また前記バインダー材料として用いられる他の材料としては、リン酸ガラスが好ましく、例えばTi、
Pb、Na、又は重金属フッ化物等を添加したリン酸ガラスなどが利用できる。これらのリン酸ガラスは短波長光を透過するので、発光ドット24に到達した短波長光は、リン酸ガラスを透過してガラス内部に含まれている蛍光材料に到達することができる。さらに、リン酸ガラスは溶融温度が500℃程度と低めなので、溶融状態での作業に適しており、また溶融時の粘度が低めなので、母材22の貫通孔26に充填しやすい。そして、リン酸ガラスの屈折率が1.35〜1.5程度であるので、半導体発光素子と接触させた場合に、光の取出し効率が高いという利点もある。
Ti含有のリン酸ガラスとしては、B−TiO系ガラス、GeO−TiO系ガラス、及びTeO−TiO系ガラスが利用でき、鉛系ガラスとしては、PbO−B系ガラス(ZnOやSiOが添加できる)が、そしてNa系ガラスにはNaO−P系ガラスが好適に利用できる。
母材22や複合母材22'の環状ガラス部材22aに使用する高融点ガラス材料としては、発光ドット22に使用するバインダー材料よりも耐熱性に優れており、また短波長光を透過するものが好適であり、例えばBK7(SiO:68.9、B2O3:10.1、Na2O:8.8、K2O:8.4、BaO:2.8、As2O3:1)などのホウケイ酸ガラスを使用することができる。ホウケイ酸ガラスは、ガラス転移点が570℃、軟化点が約700℃程度であるので、発光ドット22を溶融して充填する際に、母材22や環状ガラス部材22aが軟化することはなく、母材22及び複合母材22'の貫通孔26が変形することはない。
複合母材22'の充填ガラス部材22bを形成するバインダー材料としては、発光ドット24に使用されているバインダー材料と同様のものを用いることが好ましい。リン酸ガラスとしては、Ti、Pb、Na、又は重金属フッ化物等を添加したリン酸ガラスなどが利用できる。これらのリン酸ガラスは、短波長光を透過するので、蛍光材料に短波長光を到達させることができる。さらに、溶融温度が500℃程度であり、環状ガラス部材22aのガラス転移点よりも低いので、環状ガラス部材22aを融着するのに適している。そして、屈折率が1.35〜1.5程度であるので、半導体発光素子と接触させた場合に、光の取出し効率を高めることができる。
複合母材22'の外周部材22cに使用するガラス材料としては、環状ガラス部材22aと同様のホウケイ酸ガラスが好ましい。複合母材22'が熱を受けたときに、外周部材22cと環状ガラス部材22aとの熱膨張率が大きく異なる材料であると、複合母材22'の内部応力が高まってヒビが入る可能性があり、好ましくない。また、外周部材22cの軟化点が環状ガラス部材22aの軟化点よりも大幅に高いと、環状ガラス部材22aを軟化させる前に外周部材22cが軟化して、作業しにくくなる。逆に、外周部材22cの軟化点が環状ガラス部材22aの軟化点よりも大幅に低いと、外周部材22cを軟化させる前に環状ガラス部材22aが軟化して、発光ドット24と混ざりあう等の問題が起こりやすい。そこで、外周部材22cと環状ガラス部材22aとを共にホウケイ酸ガラスすることにより、これらの問題を回避することができる。
光変換デバイス20と半導体発光素子30とを接着する低融点ガラス材料40は、溶融接着に必要な温度が高すぎると、半導体発光素子30や光変換デバイス20が分解、溶融又は破損等を起こす不具合があるので、例えば溶融温度400℃程度の低融点のガラスを使用するのが好ましい。また、図2のように半導体発光素子30の発光面32と光変換デバイス20との間に低融点ガラス材料40が介在する場合には半導体発光素子30と低融点ガラス材料40との界面における光の取出し効率を高めるために、屈折率が1.35〜1.7である低融点ガラス材料40を選択するのが好ましい。そして、白色光発光装置の発光効率を高めるために、紫外LEDからの短波長光を透過する低融点ガラス材料40を選択するのが好ましい。さらに、半導体発光素子30と光変換デバイス20との接着を確実にするために、それらの材料に対して適度なぬれ性を有する低融点ガラス材料40を選ぶべきである。これらの条件を満たす低融点ガラス材料40として、リン酸系ガラスを利用することができる。
半導体発光素子30が紫外光を発光する場合、発光ドット24に含有させる蛍光材料としては、希土類蛍光材料からなる赤色発光蛍光材料、緑色発光蛍光材料、および青色発光蛍光材料を用いるのが好ましい。希土類蛍光体を用いると、輝度が高く純色に近い赤色、緑色、及び青色の光を発するので、それらを混色することにより、純度の高い白色光を得ることができる。また、これらの蛍光材料の粒子径を30μm以下にするのが好ましく、バインダー材料内での含有濃度を均一にできるので、発光ドット24内での色ムラが発生しにくい。
本発明において、発光ドット24、母材22及び複合簿材22'に含有される蛍光材料とは、半導体発光素子から発光される光を変換することが可能であれば特に限定されず、蛍光染料および蛍光顔料などを用いることができる。蛍光顔料は、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類硫化物、アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。具体例として、下記の蛍光体を使用することができるが、これに限定されない。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体は、MSi:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。また、MSi:EuのほかMSi10:Eu、M1.8Si0.2:Eu、M0.9Si0.110:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などもある。
また、Eu等の希土類元素により賦活され、第II族元素Mと、Siと、Alと、Nとを含む窒化物蛍光体で、紫外光乃至青色光を吸収して黄赤色から赤色の範囲に発光する。この窒化物蛍光体は、一般式がMAlSi((2/3)w+x+(4/3)y):Euで示され、さらに添加元素として希土類元素及び4価の元素、3価の元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む。MはMg、Ca、Sr、Baの群から選ばれる少なくとも1種である。
上記一般式において、w、x、yの範囲は好ましくは0.04≦w≦9、x=1、0.056≦y≦18とする。またw、x、yの範囲は0.04≦w≦3、x=1、0.143≦y≦8.7としてもよく、より好ましくは0.05≦w≦3、x=1、0.167≦y≦8.7としても良い。
また窒化物蛍光体は、ホウ素Bを追加した一般式MAlSi((2/3)w+x+(4/3)y+z):Euとすることもできる。上記においても、MはMg、Ca、Sr、Baの群から選ばれる少なくとも1種であり、0.04≦w≦9、x=1、0.056≦y≦18、0.0005≦z≦0.5である。ホウ素を添加する場合、そのモル濃度zは、上述の通り0.5以下とし、好ましくは0.3以下、さらに0.0005よりも大きく設定される。さらに好ましくは、ホウ素のモル濃度は、0.001以上であって、0.2以下に設定される。
またこれらの窒化物蛍光体は、さらにLa、Ce、Pr、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Luの群から選ばれる少なくとも1種、またはSc、Y、Ga、Inのいずれか1種、またはGe、Zrのいずれか1種、が含有されている。これらを含有することによりGd、Nd、Tmよりも同等以上の輝度、量子効率またはピーク強度を出力することができる。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される酸窒化物系蛍光体は、MSi:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。
Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体には、M(POX:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1種以上である。)などがある。
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体には、MX:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体には、SrAl:R、SrAl1425:R、CaAl:R、BaMgAl1627:R、BaMgAl1612:R、BaMgAl1017:R(Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1種以上である。)などがある。
アルカリ土類硫化物蛍光体には、LaS:Eu、YS:Eu、GdS:Euなどがある。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体には、YAl12:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8Ga0.212:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12の組成式で表されるYAG系蛍光体などがある。また、Yの一部若しくは全部をTb、Lu等で置換したTbAl12:Ce、LuAl12:Ceなどもある。
その他の蛍光体には、ZnS:Eu、ZnGeO:Mn、MGa:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。
上述の蛍光体は、所望に応じてEuに代えて、又は、Euに加えてTb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種以上を含有させることもできる。
Ca−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体とは、モル%表示で、CaCO をCaOに換算して20〜50モル%、Alを0〜30モル%、SiOを25〜60モル%、AlNを5〜50モル%、希土類酸化物または遷移金属酸化物を0.1〜20モル%とし、5成分の合計が100モル%となるオキシ窒化物ガラスを母材材料とした蛍光体である。尚、オキシ窒化物ガラスを母材材料とした蛍光体では、窒素含有量が15wt%以下であることが好ましく、希土類酸化物イオンの他に増感剤となる他の希土類元素イオンを希土類酸化物として蛍光ガラス中に0.1〜10モル%の範囲の含有量で共賦活剤として含むことが好ましい。
また、上記蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、作用、効果を有する蛍光体も使用することができる。
短波長光を発する半導体発光素子30としては、例えば窒化ガリウム系発光ダイオードが適している。また、半導体発光素子30の実装方法は、特に限定されず、同一面側に正負の電極を有する場合、フリップチップ実装で実装することが好ましく、これにより半導体発光素子の電極面やワイヤなどに起因する光取り出し効率の低下を防止することができる。
以下に、図4〜6を参照して、発光装置の製造方法を説明する。ここでは、白色発光装置を例として製造工程を説明する。
まず、発光ドット24を構成するバインダー材料の溶融物に蛍光材料を添加して、混合材料52を準備する。例えば、赤色発光ドット24Rであれば、溶融バインダー材料に、赤色の蛍光材料を含有させて、赤色混合材料52Rを準備する。混合材料52には、アルカリ金属系リン酸(リン酸カリウム・リン酸ナトリウム)、及びリン酸アンモニウム等のリン酸粘度調整を添加して、この後に行う混合材料52の注入工程の作業に適した粘度に調節することができる。
この赤色混合材料52Rを、図3に示すように中空のガラスキャピラリ50の中に注ぎ入れ、発色キャピラリ54(この例では赤色キャピラリ54R)を作製する。ここで、ガラスキャピラリ50の材料には、環状ガラス部材22aに適した材料を使用する。同様の方法により、緑色キャピラリ54G及び青色キャピラリ54Bも作製する。
図4に示すように、3原色に対応した3色の発色キャピラリ54R、54G、54Bを、複数本(この例では19本)束ねて、ガラス管から成る母材管56の中に挿入する。このとき、3色キャピラリ54の配列が、最終的に得られる光変換デバイス20の発光ドット24の配列に対応することになる。母材管56の材料には、外周部材22cに適した材料を使用する。
図4のように発色キャピラリ54を束ねて母材管56に挿入する前に、図5のように、各発色キャピラリ54の周囲に、蛍光材料の粉末とバインダー材料の粉末とを混ぜた混合粉末を付着させておくのが好ましい。バインダー材料の粉末には、発光ドット24と同じガラス材料を利用することができる。図5は、発色キャピラリ54に混合粉末58を付着させて、母材管56に挿入した様子を示している。混合粉末58には、充填ガラス部材22bに適した材料を使用し、混入する蛍光材料には、混合材料に使用した蛍光材料とは異なる蛍光材料を使用する。このようにすると、最終的に製造する光変換デバイス20の複合母材22'の充填ガラス部材22bに、母材蛍光材料を含有させることができる。
そして、複数の発光キャピラリ54を挿入された母材管56を、母材管56の軟化温度以上(例えばホウケイ酸ガラスであれば、800℃程度)に加熱して、長手方向に引き延ばす。発光キャピラリ54内の混合材料52は、母材管のガラス転移点よりも融点の低いバインダー材料から形成しているので、当然に混合材料52の融点は母材管56の軟化温度よりも低い。よって、母材管56の軟化温度まで加熱すると、混合材料は発光キャピラリ52の中で溶融状態になり、容易に引き延ばすことができる。また、発光キャピラリ54に付着した混合粉末58、発光ドット24のバインダー材料と同じ材料から形成しているので、その溶融温度は母材管56の軟化温度よりも低く、母材管56を加熱して引き延ばすときには混合粉末58が溶融して、母材管56と発光キャピラリ54との隙間や、隣接する発光キャピラリ54の間の隙間を充填する。
こうして母材管56及び発光キャピラリ52は、部分的に溶融し、部分的に軟化しながら引き延ばされて、最終的には一体に溶着したガラスロッドになる。このガラスロッドでは、母材管56と、混合粉末58と、ガラスキャピラリ50とが一体になって複合母材22'を構成し、ガラスキャピラリ50の中に充填された混合材料52が、発光ドット24を構成する。発光ドット24の寸法の調節は、使用するガラスキャピラリ50の内径と、引き延ばす程度によって簡単に調節することができる。また、発光ドット24の間隔は、ガラスキャピラリ50の肉厚と、引き延ばしの程度によって調節可能である。
その後、ガラスロッドを、引き延ばした長手方向と垂直方向又は斜め方向に所定の厚さになるように切断して、光変換デバイス20を成形する。この光変換デバイス20の断面は、図3のように複合母材22'に発光ドット24が配置されたものになる。すなわち、ガラスキャピラリ50は環状ガラス部材22aに、混合粉末58は充填ガラス部材22bに、そして母材管56は外周部材22cになる。
そして、この光変換デバイス20を、半導体発光素子30の発光面32側に固定する。まず、半導体発光素子30の表面に溶融した低融点ガラス材料40を塗布し、同時に光変換デバイス20を加熱し、これらが固化する前に接合することにより、白色光発光装置10が得られる。
この製造方法では、バインダー材料を引き延ばすことによって、ファインピッチの発光ドットを容易に製造することができる。また、複数の発光ドットを同時に形成でき、工程数を少なくできる利点がある。また、1つのガラスロッドから複数の光変換デバイスを得ることができるので、発光装置10を大量に生産するのに適している。
本発明の発光装置は、別の製造方法によって製造することもできる。例えば、セラミック母材22の光変換デバイス20を備えた発光装置10では、上記のように引き延ばして母材を製造することはできない。その場合には、まず、薄くのばしたセラミックスのグリーンシートを、母材22の外形寸法に成形し、さらに発光ドット24を配置する位置に貫通孔26を開口する。成形済みグリーンシートを焼成してセラミック母材22が得られる。
発光ドット24は、前述の製造方法と同様に、バインダー材料の溶融物に蛍光材料を添加して調製した混合材料52を用いて形成される。混合材料52は、セラミック母材22の貫通孔26に注入されて、貫通孔26の内部に発光ドット24を保持させる。白色発光装置であれば、赤色混合材料52R、緑色混合材料52G、及び青色混合材料52Bを貫通孔26の所定位置に注入して、白色用の光変換デバイス20を製造する。得られた光変換デバイス20は、前述の製造方法と同様に、低融点バインダー材料40によって半導体発光素子30の発光面32側に固定される。
この方法は、ガラス以外の無機材料から成る母材全般に利用できるので、母材22の材料選択の幅を広げることができる。
本発明にかかる発光装置は、半導体発光素子を用いているので消費電力が小さく、また光変換デバイスが劣化しにくい無機材料で形成されているので、デバイス寿命が長く信頼性に優れている。そして、各部材に使用する材料の選択の幅があるので、その中から好ましい光学的特性の材料を選択して光の取り出し効率を高めることができる。また、蛍光材料の粉末が、表面に塗布されずにバインダー材料の中に含まれているので、装置内外に粉末が飛散する心配がない。
(1.混合材料52の調製)
リン酸系ガラスを3つの容器に入れ、550℃に加熱して溶融させる。各容器に異なる蛍光材料を添加して、3種類の混合材料を調製する。本実施例では、紫外光を吸収して赤、緑、又は青に発光する3種類の蛍光材料を用いる。各蛍光材料の粒径は、赤色用の蛍光体が粒径10μm、緑色用の蛍光材料が粒径6μm、および青色用の蛍光材料が粒径14μmとする。
(2.発光キャピラリ54の作製)
外径30mm、内径24mm、長さ60cmのホウケイ酸ガラス製のガラスキャピラリ50を19本用意し、9本に赤色混合材料52R、6本に緑色混合材料52G、4本に青色混合材料52Bを注入して、3色の発光キャピラリ54を作製する。
(3.混合粉末58の付着)
粒径500μmのリン酸系ガラス粉末に、紫外光を吸収して黄緑に発光する蛍光材料であるYAG系蛍光材料の粉末を添加して混合粉末を調製し、粉末同士が均一に混合されるようにして発光キャピラリ54の外表面に付着させる。
(4.ガラスインゴット及び光変換デバイスの作製)
外径155mm、内径150mm、長さ60cmのBK7ホウケイ酸ガラス製の母材管56に、混合粉末の付着した19本の発光キャピラリ54を挿入した。その後、母材管56を約800℃に加熱して、外径3.5mmのガラスインゴットに引き延ばした。
得られたガラスインゴットを、引き延ばし方向とほぼ垂直な断面で、厚さ0.5〜1mmになるようにスライスし、光変換デバイス20とした。
(5.光変換デバイス20と半導体発光素子30との接着)
半導体発光素子30には、一辺1mmの窒化ガリウム系紫外LEDチップを使用した。
接着用の低融点ガラス材料40にはリン酸系ガラスを使用し、約500℃に加熱して溶融させて紫外LEDチップ30に塗布した。そして、光変換デバイス20をバーナーで700℃に加熱し、まだ溶融状態の低融点ガラス材料が塗布されている紫外LEDチップ30の発光面32側に接合した。
リン酸系ガラスの変わりに、アダマンタン環含有エポキシ樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にして発光装置を形成する。アダマンタン環含有エポキシ樹脂は、リン酸系ガラスよりも低いガラス転位温度を有していることから、形成時における発光素子への熱影響を小さくすることができる。
本発明の発光装置は、消費電力が低く、視認方向による色ムラの少ない発光装置として照明用、表示用等に利用できる。特に、白色発光装置は、照明用の白色光源として利用できる。
本発明の実施形態にかかる白色発光装置を示す上面図である。 本発明の実施形態にかかる白色発光装置を、図1のX−X線で切断した断面図である。 本発明の実施形態にかかる白色発光装置の変形例を示す上面図である。 本発明の実施形態の発光キャピラリの作製方法を説明する概略斜視図である。 本発明の実施形態のガラスロッドの作製方法を説明する概略斜視図である。 本発明の実施形態のガラスロッドの作製方法を説明する概略上面図である。
符号の説明
10 発光装置(白色発光装置)、 20 光変換デバイス、 22 母材、 22' 複合母材、 22a 環状ガラス部材、 22b 充填ガラス部材、 22c 外周部材、 24 発光ドット、 24R 赤色発光ドット、 24G 緑色発光ドット、 24B 青色発光ドット、 26 貫通孔、 30 半導体発光素子(紫外LED)、 32 半導体発光素子の発光面、 40 無機系接着材料(低融点バインダー材料)、 50 ガラスキャピラリ、 52 混合材料、 52R 赤色混合材料、 52G 緑色混合材料、 52B 青色混合材料、 54 発色キャピラリ、 54R 赤色キャピラリ、 54G 緑色キャピラリ、 54B 青色キャピラリ、 56 母材管、 58 混合粉末

Claims (9)

  1. 半導体発光素子と、前記半導体発光素子の発光面側に配置されて前記半導体発光素子からの光を変換することが可能な蛍光材料を含有した光変換デバイスと、を備えた発光装置であって、
    前記光変換デバイスは、複数の貫通孔を有する無機材料から成る母材と、前記貫通孔内に保持された複数の発光ドットとを有し、
    前記複数の発光ドットでは、少なくとも2種の前記蛍光材料が互いに異なる発光ドットに位置するようにバインダー材料に含有されており、
    前記バインダー材料の融点が、前記母材の前記貫通孔を囲む部分のガラス転移点よりも低いことを特徴とする発光装置。
  2. 少なくとも前記母体の貫通孔を囲む部分が、高融点ガラス材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記母材が、前記発光ドットに含有された蛍光材料のいずれとも異なる蛍光材料を含むことを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記バインダー材料は、アダマンタン環を持つエポキシ樹脂を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の発光装置。
  5. 前記バインダー材料がリン酸ガラスから成り、前記高融点ガラス材料がホウケイ酸ガラスから成ることを特徴とする請求項2又は3に記載の発光装置。
  6. 前記発光ドットに含有された前記蛍光材料が、赤色光を発光する赤色蛍光材料、青色光を発光する青色蛍光材料、及び緑色光を発光する緑色蛍光材料であり、
    前記発光装置の発光が白色光であることを特徴とする請求項請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記発光ドットの外径が10〜500μmである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 半導体発光素子と、前記半導体発光素子の発光面側に配置され前記半導体発光素子からの光を変換することが可能な蛍光材料が含有された光変換デバイスと、を備えた発光装置を製造する方法であって、
    前記蛍光材料をバインダー材料の溶融物に添加して混合材料を得る工程と、
    前記混合材料を、前記バインダー材料の溶融温度よりも高いガラス転移点を有する高融点ガラス材料から成るキャピラリに充填する工程と、
    前記キャピラリを前記高融点ガラス材料から成る管状の母材管の貫通孔に複数挿入する工程と、
    前記母材管を軟化温度以上に加熱して引き延ばして前記キャピラリと前記母材管とを融着し、その後に引き延ばし方向に対して垂直方向又は斜め方向に切断することにより、光変換デバイスを形成する工程と、
    前記半導体発光素子の発光面側に前記光変換デバイスを固定する工程と、を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
  9. 前記キャピラリの表面に、前記蛍光材料とは異なる蛍光材料の粉末と前記バインダー材料の粉末との混合粉末を付着させてから、前記キャピラリを前記母材管の貫通孔に挿入することを特徴とする請求項7に記載の発光装置の製造方法。
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