JP2007286364A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オゾンの発生量を増やすことなく、オゾン吸引での電極の汚れによる感光体の帯電ムラを、簡単な構成で無くすことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、複数の鋸歯17を備えた板状の鋸歯電極14を用い、コロナ放電により像担持体1を帯電させる帯電装置2と、コロナ放電により帯電装置2内部に発生したオゾンを、帯電装置2内に気流を発生させることにより吸引して帯電装置2外部に排出するための吸引機構18とを備え、吸引機構18により帯電装置2の内部に発生させられる気流の風速が異なる部分のうち風速の大きい部分における鋸歯電極14の鋸歯間隔は、風速の大きい部分より風速が小さい他の部分における鋸歯電極14の鋸歯間隔よりも小さいことを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】画像形成装置は、複数の鋸歯17を備えた板状の鋸歯電極14を用い、コロナ放電により像担持体1を帯電させる帯電装置2と、コロナ放電により帯電装置2内部に発生したオゾンを、帯電装置2内に気流を発生させることにより吸引して帯電装置2外部に排出するための吸引機構18とを備え、吸引機構18により帯電装置2の内部に発生させられる気流の風速が異なる部分のうち風速の大きい部分における鋸歯電極14の鋸歯間隔は、風速の大きい部分より風速が小さい他の部分における鋸歯電極14の鋸歯間隔よりも小さいことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、複数の鋸歯を有する板状の鋸歯電極を用いた帯電装置を搭載した、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機等の画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式を利用した画像形成装置の帯電装置としてコロナ放電を利用した帯電装置が広く実用化されている。このコロナ放電装置には、細い金属製ワイヤーに高電圧を印加し放電を行うワイヤー放電方式と、突起を鋸歯状に複数有する薄い金属板からなる電極(以下、鋸歯電極と記す)に高電圧を印加し、鋸歯(突起)の先端から放電を行う鋸歯電極放電方式とがある。鋸歯電極放電方式はワイヤー放電方式よりもオゾン発生量が少ないため、現在のコロナ放電方式の主流になりつつある。
この鋸歯電極放電方式のコロナ放電装置は、放電により発生するオゾンを排気するための吸引機構も併せて備えているのが一般的である。このため、オゾンの吸引による空気流によって、空気中のシリカ等の浮遊物が運ばれ、鋸歯電極に付着して、帯電ムラによる画像ノイズ(帯電不良)が発生してしまうという問題がある。
このような空気中の浮遊物の付着による帯電ムラを防止するために、画像形成動作の待機時に、コロナ放電装置への空気の供給を遮断する空気供給遮断手段を設ける方法が提案されている(下記特許文献1参照)。しかしながら、この方法では構成が非常に複雑になるとともに、画像形成動作を長時間行った場合、発生したオゾンが画像形成装置の感光体(像担持体)に悪影響を及ぼすという難点があった。
この他にも、電極をシールドケースに収め、空気流路を設定し、その空気流路の上流側に帯電用放電電極とは別に集塵用放電電極を設けるという構成の帯電装置が提案されている(下記特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、空気流路をわざわざ設定する必要があり、また帯電用放電電極とは別に集塵用放電電極を設けたことで放電量が増え、その結果として、消費電力やオゾン発生量が増加するという難点があった。
特開平6−194935号公報
特開2004−333593号公報
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、オゾンの発生量を増やすことなく、オゾン吸引での電極の汚れによる感光体の帯電ムラを、簡単な構成で無くすことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記の手段により達成される。
(1)複数の鋸歯を備えた板状の鋸歯電極を用い、コロナ放電により像担持体を帯電させる帯電装置と、コロナ放電により前記帯電装置内部に発生したオゾンを、前記帯電装置内に気流を発生させることにより吸引して帯電装置外部に排出するための吸引機構と、を備え、前記帯電装置は、前記帯電装置の外部から内部へ気流が流入するための流入部と、前記帯電装置の内部で発生した気流が流出するための流出部とを有し、前記吸引機構により前記帯電装置の内部に発生させられる気流の風速が異なる部分のうち風速の大きい部分における鋸歯電極の鋸歯間隔は、前記風速の大きい部分より風速が小さい他の部分における鋸歯電極の鋸歯間隔よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。
(2)前記帯電装置は、前記帯電装置の外部から内部へ気流が流入するための流入部と、前記帯電装置の内部で発生した気流が流出するための流出部とを有し、前記風速の大きい部分は、前記流入部の近傍であることを特徴とする上記(1)に記載の画像形成装置。
(3)前記流入部は、前記帯電装置の長手方向の両端側にそれぞれ設けられ、前記流出部は、前記帯電装置の長手方向の中間部に設けられていることを特徴とする上記(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記流入部は、前記帯電装置の長手方向の両端側にそれぞれ設けられ、 前記流出部は、前記帯電装置の長手方向の一端側に設けられていることを特徴とする前記(2)に記載の画像形成装置。
(5)前記流入部は、前記帯電装置の長手方向の中央部に設けられ、前記流出部は、前記帯電装置の長手方向の両端側にそれぞれ設けられていることを特徴とする上記(2)に記載の画像形成装置。
(6)前記吸引機構は、前記流出部に臨んで設けられたファンを有することを特徴とする前記(2)〜(5)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
(7)前記鋸歯電極と前記像担持体との間には、制御電極がさらに設けられることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
本発明の画像形成装置においては、外部からの風速が大きく汚れやすい部分のみ鋸歯電極の鋸歯間隔を小さくする、つまり放電点を増やすことにより、空気中の浮遊物の付着による帯電ムラを改善することができる。また、鋸歯電極の長手方向全域に渡って鋸歯間隔を小さくするのではなく、帯電装置の内部に発生する気流の風速に応じて鋸歯間隔を変化させることにより、汚れの少ない風速の小さい部分においては必要以上に放電点を増やす必要がなくなるので、オゾンの発生量を増やすことなく電極の汚れを低減できる。それにより、感光体の帯電ムラを無くすことができる。
よって本発明によれば、帯電装置の構成自体を変えることなく、コロナ放電装置を構成する鋸歯電極の鋸歯間隔を風速に応じて変化させることのみにより、非常に簡単に、汚れによる帯電ムラを改善できるとともに、オゾン発生量と消費電力を必要最小限に抑えることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子写真方式の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子写真方式の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
画像形成装置100は、像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させて電位を形成するための帯電装置2と、帯電装置2によって帯電された感光体ドラム1に、所定の画像データに基づく画像露光を照射して静電潜像を形成する露光装置3と、静電潜像が形成された領域にトナー4aを電界などの作用によって付着させて顕像化するための現像装置5と、顕像化された感光体ドラム1上のトナー画像を、給紙部6から給紙ローラ7とレジストローラ8とを順に経て送られて来た記録紙9(記録媒体)に、電界および圧力の作用によって転写する転写ローラ10と、記録紙9上のトナー画像を熱および圧力の作用によって永久的に定着させるための定着装置11とを有している。
図1に示されるように、感光体ドラム1の外周上における、転写ローラ10と帯電装置2との間の領域には、感光体ドラム1上の残留トナー4bを除去するためのクリーニング装置12と、感光体ドラム表面を除電して均一電位にするための除電装置13が順に設けられている。すなわち、感光体ドラム1の表面は、帯電装置2、露光装置3、現像装置5、転写ローラ10、クリーニング装置12、及び除電装置13のそれぞれによる工程を順に経て、その後再び帯電工程に入る。
このように、電子写真方式の画像形成装置100においては、帯電装置2による帯電工程が最も上流の工程である。したがって、帯電工程において均一で安定した帯電状態が得られない限り、すなわち感光体ドラム1に対し均一で安定した電位の形成が行われない限り、その下流側のすべての工程が影響を受け、高品質な画像を得ることが困難となる。
図2は帯電装置2の構造を概略的に示した断面図、図3は側方から見た概略図である。
図2に示すように、帯電装置2は、感光体ドラム1の表面を帯電するコロナ放電用の鋸歯電極14と、この鋸歯電極14を収納して感光体ドラム1の軸方向に延伸するシールドケース15とを備えている。シールドケース15は感光体ドラム1に対向する面が開放された断面コ字状のチャネル材から成り、その開放側には、感光体ドラム1と鋸歯電極14との間にそれぞれ所定の空隙を介して、グリッドメッシュからなる制御電極16が配設されている。
上記シールドケース15は、鋸歯電極14の放電電界を閉じ込めて、鋸歯電極14の周辺電界を一定に保ち、安定したコロナ放電を維持する働きを担っている。シールドケース15は、シールド電極、あるいは安定板とも呼ばれる。制御電極16は、メッシュまたは数本のワイヤから構成されており、シールドケース15とは絶縁されて設けられている。制御電極16に、図示しない電源によりバイアス電圧を印加することにより、被帯電体である感光体ドラム1の表面に流れるコロナ電流を制御することが可能である。
鋸歯電極14は、図3に示すように、一側辺にコロナ放電用の複数の鋸歯17が一列に配列された金属板から成り、その鋸歯17を感光体ドラム1の中心に向けた状態で、その両端をシールドケース両端の帯電ホルダー(図示せず)に固定されている。鋸歯電極14の金属板の厚みは30〜80μm、鋸歯17の尖突起角度θは5〜30°、尖突起高さhは1〜3mm、鋸歯間隔は1〜3mmの範囲から選ばれる
帯電装置2の使用に際しては、この鋸歯電極14におよそ−6kVの高電圧を印加することで、鋸歯17先端からマイナス電子を放電し、感光体ドラム1の表面を帯電する。シールドケース15および制御電極16は同電位になっており、感光体を帯電したい電圧、例えば−600Vが印加される。
帯電装置2の使用に際しては、この鋸歯電極14におよそ−6kVの高電圧を印加することで、鋸歯17先端からマイナス電子を放電し、感光体ドラム1の表面を帯電する。シールドケース15および制御電極16は同電位になっており、感光体を帯電したい電圧、例えば−600Vが印加される。
鋸歯電極14が放電することで発生するオゾンやNOxなどは、帯電装置2の外部に排出される必要がある。このため、吸引機構18を構成すべく、感光体ドラム1と反対側のシールドケース15の面(図2中の上面)に、排気用の開口部19(以下、流出部19とも称する)が設けられると共に、空気流路の入口20(以下、流入部20とも称する)が、シールドケース15の長手方向両端部にそれぞれ設けられ、シールドケース15内に空気流路が形成されている。また、上記排気用の開口部19には空気ダクト21が接続されており、空気ダクト21の下流側に設けられた吸引用ファン22により、シールドケース15内の空気を排気できる構成になっている。
図3中に、矢印にてシールドケース15内を流れる空気流23を示す。この空気流23の流速は、シールドケース15内への流入部20で大きい。本実施形態の場合、図4中に示すように、鋸歯電極14の長手方向に見て、気流の流入部20である鋸歯電極14の両端部24の風速Aが大きく、中央部25の風速Bが小さい。従って、風速が大きい空間内に存在する両端部24の鋸歯17は、中央部25の鋸歯17に比べ、空気中の浮遊物が付着し易く汚れ易い。
そこで、汚れ易い部分における鋸歯電極14の鋸歯間隔を小さくする、つまり放電点を増やすことにより、空気中の浮遊物の付着による帯電ムラを改善することができる。その理由として、通常の鋸歯17の間隔(例えば1mm)において図5(a)に示されるように隣接する放電領域S1、S1…が得られた場合、その隣接する第1の鋸歯どうしの間にもう一つの第2の鋸歯を設けたとすると、図5(b)に示すように、放電領域S1どうしの間の継ぎ目の部分を中心として、第2の放電領域S2が、両側の放電領域S1のそれぞれと重なって生じることになる。従って、第1の鋸歯群と第2の鋸歯群の中の一つの鋸歯が放電不能になっても、他の正常な鋸歯17により、正常な帯電が確保されることになる。
ただし、このような第1の鋸歯群と第2の鋸歯群から成る鋸歯17を、鋸歯電極14の全域に渡って配置すると、副作用としてオゾン濃度が10〜30%増加してしまう。また、この増加したオゾンを排気能力の増加で補うとすると、消費電力の増加を招くことになる。
そこで、本実施形態では、帯電装置2の内部に流れる気流の風速に応じて、鋸歯電極14の長手方向領域を区分し、風速の大きい部分における鋸歯電極14の鋸歯間隔P1を、風速の小さい部分における鋸歯電極14の鋸歯間隔P2よりも小さくする。すなわち、風速が大きく汚れやすい部分である鋸歯電極14の両端部24においては鋸歯間隔を通常より小さくし(例えば1mm)、これにより放電点を増やして、空気中の浮遊物の付着による帯電ムラを改善する。また、比較的汚れにくい鋸歯電極14の中央部25においては、鋸歯間隔を通常通り(例えば2mm)として必要以上に放電点を増やさないようにし、オゾン発生量及び消費電力を最小限に抑える。これらは鋸歯間隔を変えるだけで、簡単に実現することができる。
<第2の実施形態>
図6に本発明の第2の実施形態を示す。第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号は付される。本実施形態においては、帯電装置2の内部への気流の流入部20は帯電装置2の長手方向の両端側にそれぞれ設けられ、気流の流出部19は、帯電装置2の長手方向の一端側に設けられる。この構成の下では、帯電装置2の長手方向の一端部の風速Aが大きくなる。このため、鋸歯電極14の風速Aに対応する端部領域においてのみ鋸歯間隔が小さくされている。
図6に本発明の第2の実施形態を示す。第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号は付される。本実施形態においては、帯電装置2の内部への気流の流入部20は帯電装置2の長手方向の両端側にそれぞれ設けられ、気流の流出部19は、帯電装置2の長手方向の一端側に設けられる。この構成の下では、帯電装置2の長手方向の一端部の風速Aが大きくなる。このため、鋸歯電極14の風速Aに対応する端部領域においてのみ鋸歯間隔が小さくされている。
<第3の実施形態>
図7に本発明の第3の実施形態を示す。第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号が付される。本実施形態においては、帯電装置2の内部への気流の流入部20は帯電装置2の長手方向の中央部に設けられ、気流の流出部19は、帯電装置2の長手方向の両端側にそれぞれ設けられる。この構成の下では、帯電装置2の長手方向の中央部分の風速Bが大きくなる。そこで、鋸歯電極14の風速Bに対応する中央部25aにおいてのみ鋸歯間隔が小さくされている。
図7に本発明の第3の実施形態を示す。第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号が付される。本実施形態においては、帯電装置2の内部への気流の流入部20は帯電装置2の長手方向の中央部に設けられ、気流の流出部19は、帯電装置2の長手方向の両端側にそれぞれ設けられる。この構成の下では、帯電装置2の長手方向の中央部分の風速Bが大きくなる。そこで、鋸歯電極14の風速Bに対応する中央部25aにおいてのみ鋸歯間隔が小さくされている。
<試作例>
本発明の効果を確認するため、以下のように試作を行った。
本発明の効果を確認するため、以下のように試作を行った。
図10に試作した画像形成装置を示す。これは、放電電極として鋸歯間隔が等ピッチの通常の鋸歯電極26を使用した帯電装置2とした以外、図3と同じ構成のものであり、帯電装置2の放電により発生するオゾンを排気する吸引機構18を備えている。
この画像形成装置において、鋸歯電極26の鋸歯間隔が1mmであるものと2mmであるものの二種類の鋸歯電極26を用意した。鋸歯電極26の鋸歯は、尖突起角度θ(図5(a)参照)を10°、尖突起高さhを2mmに加工した。この鋸歯電極26における幅方向(長手方向)における300mmの長さを略10等分して、鋸歯電極26の長手方向の数点(分境点の9点)を測定点として選び、風速を測るとともに、帯電ムラのランク評価とオゾン濃度の測定を行った。
風速の測定結果を図11に、帯電ムラの測定結果を図12に、オゾン濃度の測定結果を図13に示す。
帯電ムラの測定条件は、常温常湿環境において白黒比5%の文字パターン画像をA4サイズの用紙に連続で50000枚プリントアウトした後のハーフトーン画像で確認した。評価ランクは、「通常」をランク3、「良い」をランク5、「悪い」をランク0として、5段階に分けた。
一方、オゾン濃度の測定条件は常温常湿環境において、感光体ドラム1(像担持体)の所定位置(測定位置)に穴を空け、感光体ドラム1内部を介して本体外部のオゾン濃度測定器まで吸引を行い測定した。測定は一点ずつ行い、そのとき他の穴は塞いでおいた。また、測定中には画像形成動作は行わず、放電とオゾン吸引のみを行った。オゾン濃度が安定した時点の数値を測定値とした。
鋸歯電極26における風速は、図11(鋸歯間隔が2mmの場合を示す)から分かるように、鋸歯電極26の両端部で特に大きい。これは、帯電装置2と感光体ドラム1(像担持体)の位置構成から両端部に大きな隙間があり、帯電装置2の外部から帯電装置2の内部へ気流が流入する流入部20が比較的大きく形成されているため、外部の空気が容易に流れ込むことができる構造となっているからである。
さらに、帯電ムラについては、風速の大きい鋸歯電極26の両端部24で、帯電ムラが悪化する傾向にあることが分かる(図12)。これは、風速が大きいと特に空気中の浮遊物を集め易い為であると考えられる。また、評価ランクは、鋸歯間隔が2mmの場合、鋸歯電極26の端部における放電ムラがランク2であるのに対して、鋸歯間隔が1mmの場合は鋸歯電極26の端部においてもランク4を保っている(図12)。これは放電点が増えることにより、一つの鋸歯17が汚れの付着で放電できなくなっても、隣接する鋸歯17や近傍の鋸歯17がそれを補えるだけの放電範囲を有し得る為である(図5(a)(b)参照)。よって鋸歯間隔を小さくすることが帯電ムラに対して有効であることがわかる。
しかし、鋸歯電極26の鋸歯間隔を1mmにした場合、鋸歯間隔が2mmのものと比べると、オゾン濃度が10〜30%増加することがわかる(図13)。これは放電点が増えることでオゾンの発生量も増加する為と考えられる。また、両端部24においてオゾン濃度が低いのは、風速が大きいので吸引量も大きくなる為であると考えられる。
<実施例>
以上の試作結果を踏まえ、本発明の実施例として、風速の大きい部分(両端部24において50mmの範囲)の鋸歯間隔P1が1mmであり、他の部分の鋸歯間隔P2が2mmである鋸歯電極14(図4)を作成した。鋸歯電極14の鋸歯は、尖突起角度θ(図5(a)参照)を10°、尖突起高さhを2mmに加工した。この鋸歯電極14を用いた帯電装置2を搭載した画像形成装置(図3)において、帯電ムラ及びオゾン濃度の測定を行った。
以上の試作結果を踏まえ、本発明の実施例として、風速の大きい部分(両端部24において50mmの範囲)の鋸歯間隔P1が1mmであり、他の部分の鋸歯間隔P2が2mmである鋸歯電極14(図4)を作成した。鋸歯電極14の鋸歯は、尖突起角度θ(図5(a)参照)を10°、尖突起高さhを2mmに加工した。この鋸歯電極14を用いた帯電装置2を搭載した画像形成装置(図3)において、帯電ムラ及びオゾン濃度の測定を行った。
この測定条件は、上記試作例と同じとした。すなわち、帯電ムラの測定条件は、常温常湿環境において白黒比5%の文字パターン画像をA4サイズの用紙に連続で50000枚プリントアウトした後のハーフトーン画像で確認した。また、オゾン濃度の測定条件は常温常湿環境において、感光体ドラム1(像担持体)の所定位置(測定位置)に穴を空け、感光体ドラム1内部を介して本体外部のオゾン濃度測定器まで吸引を行い測定した。測定は一点ずつ行い、そのとき他の穴は塞いでおいた。測定中は画像形成動作を行わずに、放電とオゾン吸引のみを行った。オゾン濃度が安定した時点の数値を測定値とした。
この帯電ムラの測定結果を図8に、またオゾン濃度の測定結果を図9に示す。図8から分かるように、帯電ムラは全ての領域において「通常」ランクであるランク3を越えたランク4という高い評価であり、帯電ムラのない良好な良い特性が得られている。またオゾン濃度は、鋸歯電極の長手方向全域にわたって鋸歯間隔を1mmと小さくした場合に較べ、顕著なレベルでオゾン濃度の低減が達成されている。
上記の測定結果から、風速の大きい部分のみ鋸歯電極の鋸歯間隔を小さくすることで、帯電ムラを改善するとともに、オゾン濃度を抑えることが可能であることが分かる。
最後に、本発明の変形例及び好ましい形態について指摘しておく。本発明は、帯電装置自体の構成を変えることなく、その帯電装置に特有の空気の流れに合わせて、鋸歯電極の鋸歯間隔を適宜変える構成とするものであり、その鋸歯間隔および間隔が小さくなる範囲は、装置に応じて適時変更してかまわない。例えば、上記実施形態では、帯電装置2の内部に流れる気流の風速に関し、鋸歯電極14の長手方向領域を風速の大小に応じて2段に区分しているが、風速の大小関係に応じて3段以上に区分し、風速の大きい第1の部分における鋸歯電極14の鋸歯間隔を、それより風速の小さいだい2、第3の部分における鋸歯電極14の鋸歯間隔よりも小さくした構成とすることができる。
また、帯電装置2の内部から帯電装置2の外部へ気流が流出する流出部(開口部)19は、帯電装置2の流入部(入口)20とは別個に設けられることが望ましい。このように、流出部19と流入部20とが別個に設けられていることで、帯電装置2の内部で発生するオゾンを帯電装置2内に滞留させることなく、効率的に排出させることができる。
さらに、吸引機構18は、上記流出部19から流出する気流の下流側に吸引用ファン22を有することが望ましい。このように、流出部19の下流側に吸引用ファン22を設けることで、帯電装置2の内部で発生するオゾンを帯電装置2内に滞留させることなく、より効率的に排出させることができる。
さらに鋸歯電極14と感光体ドラム1(像担持体)との間には、制御電極16が設けられることが望ましい。このように、制御電極16がさらに設けられることで、帯電ムラをより効果的に防止できる。
なお、画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、FAX、これらの複合機などがあり、このいずれに対しても本発明を適用することができる。
1 感光体ドラム、
2 帯電装置、
14 鋸歯電極、
15 シールドケース、
16 制御電極、
17 鋸歯、
18 吸引機構、
19 開口部(流出部)、
20 入口(流入部)、
21 空気ダクト、
22 吸引用ファン、
23 空気流、
24 両端部、
25 中央部、
26 鋸歯電極、
100 画像形成装置。
2 帯電装置、
14 鋸歯電極、
15 シールドケース、
16 制御電極、
17 鋸歯、
18 吸引機構、
19 開口部(流出部)、
20 入口(流入部)、
21 空気ダクト、
22 吸引用ファン、
23 空気流、
24 両端部、
25 中央部、
26 鋸歯電極、
100 画像形成装置。
Claims (7)
- 複数の鋸歯を備えた板状の鋸歯電極を用い、コロナ放電により像担持体を帯電させる帯電装置と、
コロナ放電により前記帯電装置内部に発生したオゾンを、前記帯電装置内部に気流を発生させることにより吸引して帯電装置外部に排出するための吸引機構と、を備え、
前記吸引機構により前記帯電装置の内部に発生させられる気流の風速が異なる部分のうち風速の大きい部分における鋸歯電極の鋸歯間隔は、前記風速の大きい部分より風速が小さい他の部分における鋸歯電極の鋸歯間隔よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。 - 前記帯電装置は、前記帯電装置の外部から内部へ気流が流入するための流入部と、前記帯電装置の内部で発生した気流が流出するための流出部とを有し、
前記風速の大きい部分は、前記流入部の近傍であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記流入部は、前記帯電装置の長手方向の両端側にそれぞれ設けられ、
前記流出部は、前記帯電装置の長手方向の中間部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記流入部は、前記帯電装置の長手方向の両端側にそれぞれ設けられ、
前記流出部は、前記帯電装置の長手方向の一端側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記流入部は、前記帯電装置の長手方向の中央部に設けられ、
前記流出部は、前記帯電装置の長手方向の両端側にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記吸引機構は、前記流出部から流出する気流の下流側に位置するファンを有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
- 前記鋸歯電極と前記像担持体との間には、制御電極がさらに設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006113723A JP2007286364A (ja) | 2006-04-17 | 2006-04-17 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006113723A JP2007286364A (ja) | 2006-04-17 | 2006-04-17 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007286364A true JP2007286364A (ja) | 2007-11-01 |
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ID=38758187
Family Applications (1)
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JP2006113723A Pending JP2007286364A (ja) | 2006-04-17 | 2006-04-17 | 画像形成装置 |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010266779A (ja) * | 2009-05-18 | 2010-11-25 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 帯電装置 |
US8744301B2 (en) | 2011-11-28 | 2014-06-03 | Sharp Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus and cleaning control method |
-
2006
- 2006-04-17 JP JP2006113723A patent/JP2007286364A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010266779A (ja) * | 2009-05-18 | 2010-11-25 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 帯電装置 |
US8744301B2 (en) | 2011-11-28 | 2014-06-03 | Sharp Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus and cleaning control method |
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