JP4250944B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いて画像を形成するプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に関する。特に、その感光体をコロナ放電器で帯電させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真技術を用いた画像形成装置は、外周面に感光層を有する感光体と、この感光体の外周面を一様に帯電させる帯電手段と、この帯電手段により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段と、この現像手段により現像されたトナー像を転写対象である用紙等の記録材に転写させる転写手段とを有している。
感光体の外周面を帯電させる帯電手段としては、スコロトロン帯電器と呼ばれるコロナ放電器を利用したものが知られている。スコロトロン帯電器は、放電電極と、放電電極を支持する支持部材と、安定した放電を行うためのバックプレートと、感光体上の帯電電位を制御するためのグリッドとを有している。帯電を行う際には、例えば、放電電極に−4KV〜−6KVの電圧をかけ、グリッドには−600V(実際に帯電させたい電位に依存する電位)をかけ、バックプレートはアースまたはグリッドと同電位にすることにより、放電電極よりコロナ放電が発生し感光体を−600V程度に帯電させることができる。
【0003】
上記のようなスコロトロン帯電器は、コロナ放電を利用するため、オゾンの発生を避けることができない。オゾンは、感光体や帯電器を劣化させ画像不良を引き起こすことが知られている。
そこで従来は、帯電器背面軸線方向に送風用開口を設けるとともに、帯電器背面側に送風ダクトを設け、ダクトの一端から送風して帯電器内オゾンの排気を行うようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実公平6−43815号公報(第1頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術では、オゾンの排気が不十分であり、コロナ放電が不安定になる低温低湿環境において、放電電極の部分的な劣化が促進され、放電が不均一になり、いわゆる帯電ムラと呼ばれる画像不良を引き起こすことがあった。
その原因を本願発明者が究明したところ、帯電器内においてオゾンが部分的に(特に気流下流側で)滞留していることによる、ということが分かった。
また、これを解決するためには、バックプレートの側面(例えば気流下流側の側面)に通気用開口を設けて帯電器内のオゾンを効率よく排気すればよいということも分かった。
しかしながら一方では、バックプレートの側面に通気用開口を設けると、その対応する部位における感光体の帯電電位の絶対値を低下させ、帯電電位の均一性が損なわれてしまうということも判明した。例えば、幅8mm、長さ50mm程度の開口をバックプレート側面に設けたところ、対応する部位において、帯電電位の絶対値が約20V程度低下した。これは、昨今のカラー画像形成の高画質化要求から考えて無視できない差である。通常、画像形成装置において良好なカラー画像を得るためには、帯電電位の面内ばらつき(感光体の軸線方向におけるばらつき)は20V以下にすることが望まれるが、これを達成することは、帯電器を構成する部品の公差などの影響で困難であり、このような状況下において初めから感光体の軸線方向における電位差が20V程度となってしまうということは大きな問題である。
【0006】
この発明の目的は、以上のような問題を解決し、感光体の最大画像形成幅全体に亘って帯電電位の均一化を図ることができる画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本願発明の画像形成装置は、感光体の軸線方向に伸びる放電電極と、前記感光体の軸線方向から見て,前記放電電極を間に挟んで前記感光体の表面と対向する底面と、該底面に連なっていて前記感光体の表面との間に設けられた一対の側面とを有し、前記底面および前記一対の側面で前記放電電極の長手方向に沿って該放電電極の3方を囲むバックプレートとを有する帯電器で前記感光体表面を帯電させるとともに、前記バックプレートに沿って前記軸線方向へ気流を流して前記帯電器内の排気を行う画像形成装置であって、
前記帯電器の軸線方向において前記感光体による最大画像形成幅以上の長さをもつ均一幅の開口を前記バックプレートの側面に設け、かつ、前記帯電器の軸線方向において前記開口を、前記気流の下流側の一部を残してバックプレートの前記側面の外面に添付した絶縁体シートで塞ぐことにより、前記開口の未閉塞部分を通気用開口としたことを特徴とする。
【0008】
【作用効果】
本願発明の画像形成装置は、放電電極と、バックプレートとを有する帯電器で感光体表面を帯電させるとともに、前記バックプレートに沿って気流を流して排気を行う画像形成装置であって、
前記帯電器の軸線方向において前記感光体による最大画像形成幅以上の長さをもつ均一幅の開口を前記バックプレートの側面に設け、かつ、前記帯電器の軸線方向において前記開口を、その一部を残してバックプレートの前記側面の外面に添付した絶縁体シートで塞ぐことにより、前記開口の未閉塞部分を通気用開口としたので、この画像形成装置によれば、次のような作用効果が得られる。
すなわち、バックプレートの側面には通気用開口を設けてあるので、この通気用開口を通じて帯電器内のオゾンが効率よく十分に排気されることとなる。
したがって、コロナ放電が不安定になる低温低湿環境においても、放電電極の部分的な劣化が防止されて放電が均一になる。
一方、このような通気用開口を設けた場合において、仮に何らの方策も講じないとしたならば、上述したように、その開口に対応する部位における感光体の帯電電位の絶対値が他の部位に比べて低下してしまうこととなる。
これに対し、この発明によれば、前記帯電器の軸線方向において前記感光体による最大画像形成幅以上の長さをもつ均一幅の開口を前記バックプレートの側面に設け、かつ、前記帯電器の軸線方向において前記開口を、その一部を残してバックプレートの前記側面の外面に添付した絶縁体シートで塞ぐことにより、前記開口の未閉塞部分を通気用開口として構成してあるので、上記感光体の最大画像形成幅全体に亘って帯電電位の均一化を図ることができる。。すなわち、この発明によれば、前記開口を帯電器の軸線方向において感光体による最大画像形成幅以上の長さでかつ均一幅で設けてあるので、感光体による最大画像形成幅全体に亘って均一な放電量が得られ、結果として、感光体の最大画像形成幅全体に亘って帯電電位の均一化を図ることができることとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施の形態の内部構造を示す概略正面図である。
この画像形成装置は、A3サイズの用紙(記録材)の両面にフルカラー画像を形成することのできるカラー画像形成装置であり、ケース10と、このケース10内に収容された、像担持体ユニット20と、露光手段としての露光ユニット30と、現像手段としての現像器(現像装置)40と、中間転写体ユニット50と、定着手段としての定着ユニット(定着器)60とを備えている。
ケース10には装置本体の図示しないフレームが設けられており、このフレームに各ユニット等が取り付けられている。
【0010】
像担持体ユニット20は、外周面に感光層を有する感光体(像担持体)21と、この感光体21の外周面を一様に帯電させる帯電手段(スコロトロン帯電器)22とを有しており、この帯電手段22により一様に帯電させられた感光体21の外周面を露光ユニット30からのレーザー光Lで選択的に露光して静電潜像を形成し、この静電潜像に現像器40で現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とし、このトナー像を中間転写体ユニット50の中間転写ベルト51に一次転写部T1で一次転写し、さらに、二次転写部T2で、転写対象である用紙に二次転写させるようになっている。
像担持体ユニット20には、一次転写後に感光体21の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段(クリーニングブレード)23と、このクリーニング手段23で除去された廃トナーを収容する廃トナー収容部24が設けられている。
【0011】
ケース10内には、上記二次転写部T2により片面に画像が形成された用紙をケース10上面の用紙排出部(排紙トレイ部)15に向けて搬送する搬送路16と、この搬送路16により用紙排出部15に向けて搬送された用紙をスイッチバックさせて他面にも画像を形成すべく前記二次転写部T2に向けて返送する返送路17とが設けられている。
ケース10の下部には、複数枚の用紙を積層保持する給紙トレイ18と、その用紙を一枚ずつ上記二次転写部T2に向けて給送する給紙ローラ19とが設けられている。
【0012】
現像器40はロータリ現像器であり、回転体本体41に対して、それぞれトナーが収容された複数の現像器カートリッジが着脱可能に装着されている。この実施の形態では、イエロー用の現像器カートリッジ42Yと、マゼンタ用の現像器カートリッジ42Mと、シアン用の現像器カートリッジ42Cと、ブラック用の現像器カートリッジ42Kとが設けられていて(図ではイエロー用の現像器カートリッジ42Yのみを直接描いてある)、回転体本体41が矢印方向に90度ピッチで回転することによって、感光体21に現像ローラ43を選択的に当接させ、感光体21の表面を選択的に現像することが可能となっている。
【0013】
露光ユニット30は、板ガラス等で構成された露光窓31から上記レーザー光Lを感光体21に向けて照射するようになっている。
【0014】
中間転写体ユニット50は、図示しないユニットフレームと、このフレームで回転可能に支持された駆動ローラ54,従動ローラ55,一次転写ローラ56、一次転写部T1でのベルト51の状態を安定させるためのガイドローラ57,およびテンションローラ58と、これらローラに掛け回されて張架された前記中間転写ベルト51とを備えており、ベルト51が図示矢印方向に循環駆動される。感光体21と一次転写ローラ56との間において前記一次転写部T1が形成されており、駆動ローラ54と本体側に設けられた二次転写ローラ10bとの圧接部において前記二次転写部T2が形成される。
二次転写ローラ10bは、前記駆動ローラ54に対して(したがって中間転写ベルト51に対して)接離可能であり、接触した際に二次転写部T2が形成される。
したがって、カラー画像を形成する際には、二次転写ローラ10bが中間転写ベルト51から離間している状態で中間転写ベルト51上において複数色のトナー像が重ね合わされてカラー画像が形成され、その後、二次転写ローラ10bが中間転写ベルト51に当接し、その当接部(二次転写部T2)に用紙が供給されることによって用紙上にカラー画像(トナー像)が転写されることとなる。
トナー像が転写された用紙は、定着ユニット60の加熱ローラ対61を通ることでトナー像が溶融定着され、上記排紙トレイ部15に向けて排出される。
定着器60は、加熱ローラ61にオイルを塗布しないオイルレスの定着器で構成してある。
【0015】
図2はこの実施の形態の要部を示す図で、(a)は開口を感光体による最大画像形成幅以上の長さで設けない場合の感光体21表面の軸線方向における帯電電位の変化を示すグラフ、(b)は像担持体ユニット20の概略左側面図、(c)は図(b)を正面としたときの帯電器22の正面図、(d)は同じく絶縁体シート22kの正面図である。図3は図2(b)におけるIII−III断面図(概略図)、図4は図2(b)におけるIV−IV断面図(概略図)である。
図2(b)に示すように、この実施の形態の帯電器22は、ワイヤー状の放電電極22aと、安定した放電を行うためのバックプレート22cと、感光体21上の帯電電位を制御するためのグリッド22bとを有するスコロトロン帯電器である。
帯電器22は、その軸線方向(図2において左右方向)において感光体21による最大画像形成幅t以上の長さLをもつ均一幅の開口22c2をバックプレート22cの側面22c5に設け、かつ、帯電器22の軸線方向において前記開口22c2を、その一部(22c3)を残してバックプレート22cの前記側面22c5の外面22c6(図4参照)に添付した絶縁体シート22kで塞ぐことにより、開口22c2の未閉塞部分(22c3)を通気用開口22c3として構成してある。
絶縁体シート22kは、前記開口22c2の長さLよりも短い長さTsと、前記開口22c2の幅よりも大きな幅wを有しており、これを前記側面22c5の外面22c6に貼付することにより、前記通気用開口22c3を形成してある。
【0016】
なお、図(b)において、20aは像担持体ユニット20のケースであり、このユニットケース20aに対して感光体21がその軸21cで回転可能に支持され、図示しない駆動機構により回転駆動される。
帯電器22は、ユニットケース20aに取り付けられている。22dは、放電電極22aとグリッド22bを支持する左右一対の支持部材であり、バックプレート22cの両端部に取り付けられている。
【0017】
図3、図4にも示すように、像担持体ユニット20のケース20aには、ダクト20bが設けられている。ダクト20bは、帯電器22の下方を包囲するように断面略U字形に設けられており、その一端側に空気の流入口(送風口)20c(図2(b)参照)が設けられ、他端側において前記バックプレート22cの通気用開口22c3に対向する部位に排気口20dが設けられている。
また、バックプレート22cの底面22c1には軸線方向(図3の紙面と直交する方向)に伸びる開口22c4が設けられている。
したがって、気流Bは図2(b)において矢印bで示すように、流入口20cからバックプレート22c底部の開口22c4を経て帯電器22内に入り、側部の通気用開口22c3およびダクトの排気口20dを経て像担持体ユニット20外へと排出されることとなる。
【0018】
以上のような画像形成装置は、放電電極22aと、バックプレート22cと、グリッド22bとを有する帯電器22で感光体21表面を帯電させるとともに、バックプレート22cに沿って気流を流して排気を行う画像形成装置であり、帯電器22の軸線方向において感光体21による最大画像形成幅t以上の長さLをもつ均一幅の開口22c2をバックプレート22cの側面22c5に設け、かつ、帯電器の軸線方向において開口22c2を、その一部(22c3)を残してバックプレート22cの前記側面22c5の外面22c6に添付した絶縁体シート22kで塞ぐことにより、前記開口22c2の未閉塞部分(22c3)を通気用開口22c3としたので、この画像形成装置によれば、次のような作用効果が得られる。
すなわち、バックプレート22cの側面22c5には通気用開口22c3を設けてあるので、この通気用開口22c3を通じて帯電器22内のオゾンが効率よく十分に排気されることとなる。
したがって、コロナ放電が不安定になる低温低湿環境においても、放電電極22aの部分的な劣化が防止されて放電が均一になる。
一方、このような通気用開口22c3を設けた場合において、仮に何らの方策も講じないとしたならば、上述したように、その開口22c3に対応する部位b1(図2(a)(c)参照)における感光体21表面の帯電電位の絶対値が他の部位b2(図2(a)参照)に比べて低下してしまうこととなる。
これに対し、この画像形成装置によれば、帯電器22の軸線方向において感光体21による最大画像形成幅t以上の長さLをもつ均一幅の開口22c2をバックプレート22cの側面22c5に設け、かつ、帯電器22の軸線方向において前記開口22c2を、その一部(22c3)を残してバックプレート22cの前記側面22c5の外面22c6に添付した絶縁体シート22kで塞ぐことにより、前記開口22c2の未閉塞部分(22c3)を通気用開口22c3として構成してあるので、感光体21の最大画像形成幅t全体に亘って帯電電位の均一化を図ることができる。すなわち、この画像形成装置によれば、開口22c2を帯電器22の軸線方向において感光体21による最大画像形成幅t以上の長さLでかつ均一幅で設けてあるので、感光体21による最大画像形成幅t全体に亘って均一な放電量が得られ、結果として、感光体21の最大画像形成幅t全体に亘って帯電電位の均一化を図ることができることとなる。
なお、上記開口22c2を絶縁体シート22kで塞がない場合には、感光体21による最大画像形成幅t以上の長さLに亘って通気用開口が形成され、この通気用開口の存在によって、帯電器22内の気流が乱れることとなるので、望ましくない。また、シートを絶縁性としない場合には、シートの添付部分(b2)において放電量が増加し、通気用開口22c3の対応部位b1における放電量が相対的に低下し、図2(a)に示したように、当該部位b1における帯電電位の絶対値が低下してしまう。
【0019】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0020】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態の内部構造を示す概略正面図。
【図2】要部を示す図で、(a)は開口を感光体による最大画像形成幅以上の長さで設けない場合の感光体表面の軸線方向における帯電電位の変化を示すグラフ、(b)は像担持体ユニット20の概略左側面図、(c)は図(b)を正面としたときの帯電器22の正面図、(d)は同じく絶縁体シート22kの正面図。
【図3】図2(b)におけるIII−III断面図(概略図)。
【図4】図2(b)におけるIV−IV断面図(概略図)。
【符号の説明】
21感光体、22スコロトロン帯電器、22a放電電極、22bグリッド、22cバックプレート、22c2開口、22c3通気用開口、22c5側面、22c6外面、22k絶縁体シート。

Claims (1)

  1. 感光体の軸線方向に伸びる放電電極と、前記感光体の軸線方向から見て,前記放電電極を間に挟んで前記感光体の表面と対向する底面と、該底面に連なっていて前記感光体の表面との間に設けられた一対の側面とを有し、前記底面および前記一対の側面で前記放電電極の長手方向に沿って該放電電極の3方を囲むバックプレートとを有する帯電器で前記感光体表面を帯電させるとともに、前記バックプレートに沿って前記軸線方向へ気流を流して前記帯電器内の排気を行う画像形成装置であって、
    前記帯電器の軸線方向において前記感光体による最大画像形成幅以上の長さをもつ均一幅の開口を前記バックプレートの側面に設け、かつ、前記帯電器の軸線方向において前記開口を、前記気流の下流側の一部を残してバックプレートの前記側面の外面に添付した絶縁体シートで塞ぐことにより、前記開口の未閉塞部分を通気用開口としたことを特徴とする画像形成装置。
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