JP2007285394A - 動力伝達装置およびこれを搭載する自動車並びに動力伝達装置の制御方法 - Google Patents

動力伝達装置およびこれを搭載する自動車並びに動力伝達装置の制御方法 Download PDF

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宏 佐藤
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道仁 島田
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Abstract

【課題】変速フィーリングをより向上させる。
【解決手段】エンジン22のクランクシャフト26を第1変速機30の入力軸31への接続からクラッチC2のフリクション係合を用いてモータ50が接続された第2変速機40の入力軸41への接続に切り替える際、モータ50の回転子の慣性トルクによるエンジン22のクランクシャフト26への影響が打ち消されるようエンジン22から出力するトルクを調整する。これにより、変速フィーリングをエンジン22のクランクシャフト26をクラッチC1のフリクション係合を用いて第2変速機40の入力軸41への接続からモータ50が接続されていない第1変速機30の入力軸31への接続に切り替える際の変速フィーリングと同様のものとすることができ、変速フィーリングをより向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関を備える自動車に搭載され前記内燃機関からの動力を車軸に連結された駆動軸に伝達する動力伝達装置および内燃機関と動力伝達装置とを搭載する自動車並びに動力伝達装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力伝達装置としては、内燃機関からの動力を変速して駆動軸に伝達するものとして、内燃機関の出力軸に第1クラッチを介して入力軸が接続されると共に駆動軸に出力軸が接続された第1変速機と、内燃機関の出力軸に第2クラッチを介して入力軸が接続されると共に駆動軸に出力軸が接続された第2変速機と、この第2変速機の入力軸に接続された電気モータとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、車速に基づいて第1クラッチおよび第2クラッチのオンオフを切り替えることにより、内燃機関からの動力を変速段の切替を伴って変速して駆動軸に伝達している。
特開2002−89594号公報
上述の動力伝達装置では、第1クラッチおよび第2クラッチのオンオフを切り替えることにより内燃機関からの動力を変速段の切替を伴って変速して駆動軸に伝達することができるものの、第2変速機の入力軸に電気モータが接続されているから、この電気モータの回転子の慣性重量に起因して、内燃機関の出力軸と第2変速機の入力軸との接続から内燃機関の出力軸と第1変速機の入力軸との接続に切り替える際のフィーリングと逆に内燃機関の出力軸と第1変速機の入力軸との接続から内燃機関の出力軸と第2変速機の入力軸との接続に切り替える際のフィーリングとが異なるものとなり、運転者に違和感を与える場合がある。
本発明の動力伝達装置およびこれを搭載する自動車並びに動力伝達装置の制御方法は、変速フィーリングをより向上させることを目的とする。
本発明の動力伝達装置およびこれを搭載する自動車並びに動力伝達装置の制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力伝達装置は、
内燃機関を備える自動車に搭載され、前記内燃機関からの動力を車軸に連結された駆動軸に伝達する動力伝達装置であって、
第1入力軸と前記駆動軸とに接続され、該第1入力軸に入力された動力を変速して前記駆動軸に出力可能な第1変速手段と、
第2入力軸と前記駆動軸とに接続され、該第2入力軸に入力された動力を変速して前記駆動軸に出力する第2変速手段と、
第1クラッチにより前記内燃機関の出力軸と前記第1入力軸との接続および該接続の解除が可能な第1接続解除手段と、
第2クラッチにより前記内燃機関の出力軸と前記第2入力軸との接続および該接続の解除が可能な第2接続解除手段と、
前記第2入力軸に回転子が接続された電動機と、
前記内燃機関から動力が出力されている状態で前記第1接続解除手段が接続解除され前記第2接続解除手段が接続された状態から前記第1接続解除手段が接続され前記第2接続解除手段が接続解除された状態への切替が要求されたときには前記第1クラッチの半係合を用いて該切替が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1接続解除手段と前記第2接続解除手段とを制御する第1の切替制御を実行し、前記内燃機関から動力が出力されている状態で前記第1接続解除手段が接続され前記第2接続解除手段が接続解除された状態から前記第1接続解除手段が接続解除され前記第2接続解除手段が接続された状態への切替が要求されたときには前記第1の切替制御とは異なる前記内燃機関の運転状態の調整を伴って前記第2クラッチの半係合を用いて該切替が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1接続解除手段と前記第2接続解除手段とを制御する第2の切替制御を実行する制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力伝達装置では、内燃機関から動力が出力されている状態で第1接続解除手段が接続解除され第2接続解除手段が接続された状態が第1接続解除手段が接続され第2接続解除手段が接続解除された状態への切替が要求されたときには第1クラッチの半係合を用いて切替が行なわれるよう内燃機関と第1接続解除手段と第2接続解除手段とを制御する第1の切替制御を実行し、内燃機関から動力が出力されている状態で第1接続解除手段が接続され第2接続解除手段が接続解除された状態から第1接続解除手段が接続解除され第2接続解除手段が接続された状態への切替が要求されたときには第1の切替制御とは異なる内燃機関の運転状態の調整を伴って第2クラッチの半係合を用いて切替が行なわれるよう内燃機関と第1接続解除手段と第2接続解除手段とを制御する第2の切替制御を実行する。これにより、第1の切替制御と第2の切替制御とで変速フィーリングとが異なるものとなることによる違和感を運転者に与えるのを抑制することができる。この結果、変速フィーリングをより向上させることができる。
こうした本発明の動力伝達装置において、前記制御手段は、前記第2の切替制御として前記第2クラッチを半係合する際に前記電動機の回転子の慣性トルクよる前記内燃機関の出力軸への影響が打ち消される方向に該内燃機関の運転状態を調整する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の動力伝達装置において、前記第1変速手段は、前記第1入力軸と前記駆動軸との切り離しが可能な手段であり、前記第2変速手段は、前記第2入力軸と前記駆動軸との切り離しが可能な手段であり、前記制御手段は、前記第1接続解除手段が接続され前記第1入力軸と前記駆動軸とが接続され前記第2接続解除手段が接続され前記第2入力軸と前記駆動軸とが切り離された状態と前記第1接続解除手段が接続解除され前記第2接続解除手段が接続され前記第2入力軸と前記駆動軸とが接続された状態との切替を行なう際には、前記電動機からの駆動力の出力が制限された状態で該切替が行なわれるよう前記内燃機関と前記電動機と前記第1変速手段と前記第2変速手段と前記第1接続解除手段と前記第2接続解除手段とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機から駆動力が出力されている状態で変速することに起因する変速ショックを抑制することができる。この場合、前記制御手段は、前記電動機からの駆動力の出力を前記切替のタイミングが近づくにつれて徐々に制限し、前記切替が完了したときに該制限を時間の経過と共に徐々に解除する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機から出力される駆動力の急変によるショックの発生を抑制することができる。さらにこの場合、前記制御手段は、前記内燃機関の回転数に基づいて前記電動機からの駆動力の出力を徐々に制限する手段であるものとすることもできる。
本発明の自動車は、
内燃機関と、該内燃機関からの動力を車軸に連結された駆動軸に伝達する上述した各態様の本発明の動力伝達装置、即ち、基本的には、内燃機関を備える自動車に搭載され、前記内燃機関からの動力を車軸に連結された駆動軸に伝達する動力伝達装置であって、第1入力軸と前記駆動軸とに接続され該第1入力軸に入力された動力を変速して前記駆動軸に出力可能な第1変速手段と、第2入力軸と前記駆動軸とに接続され該第2入力軸に入力された動力を変速して前記駆動軸に出力する第2変速手段と、第1クラッチにより前記内燃機関の出力軸と前記第1入力軸との接続および該接続の解除が可能な第1接続解除手段と、第2クラッチにより前記内燃機関の出力軸と前記第2入力軸との接続および該接続の解除が可能な第2接続解除手段と、前記第2入力軸に回転子が接続された電動機と、前記内燃機関から動力が出力されている状態で前記第1接続解除手段が接続解除され前記第2接続解除手段が接続された状態から前記第1接続解除手段が接続され前記第2接続解除手段が接続解除された状態への切替が要求されたときには前記第1クラッチの半係合を用いて該切替が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1接続解除手段と前記第2接続解除手段とを制御する第1の切替制御を実行し、前記内燃機関から動力が出力されている状態で前記第1接続解除手段が接続され前記第2接続解除手段が接続解除された状態から前記第1接続解除手段が接続解除され前記第2接続解除手段が接続された状態への切替が要求されたときには前記第1の切替制御とは異なる前記内燃機関の運転状態の調整を伴って前記第2クラッチの半係合を用いて該切替が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1接続解除手段と前記第2接続解除手段とを制御する第2の切替制御を実行する制御手段とを備える動力伝達装置とを搭載することを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述した各態様のいずれかの本発明の動力伝達装置を搭載するから、本発明の動力伝達装置が奏する効果と同様の効果、例えば、変速フィーリングをより向上させることができる効果や電動機から駆動力が出力されている状態で変速することに起因する変速ショックを抑制することができる効果,電動機から出力される駆動力の急変によるショックの発生を抑制することができる効果などを奏することができる。
本発明の動力伝達装置の制御方法は、
内燃機関を備える自動車に搭載され、第1入力軸と車軸に連結された駆動軸とに接続され該第1入力軸に入力された動力を変速して前記駆動軸に出力可能な第1変速手段と、第2入力軸と前記駆動軸とに接続され該第2入力軸に入力された動力を変速して前記駆動軸に出力する第2変速手段と、第1クラッチにより前記内燃機関の出力軸と前記第1入力軸との接続および該接続の解除が可能な第1接続解除手段と、第2クラッチにより前記内燃機関の出力軸と前記第2入力軸との接続および該接続の解除が可能な第2接続解除手段と、前記第2入力軸に回転子が接続された電動機とを備え、前記内燃機関からの動力を前記駆動軸に伝達する動力伝達装置の制御方法であって、
前記内燃機関から動力が出力されている状態で前記第1接続解除手段が接続解除され前記第2接続解除手段が接続された状態から前記第1接続解除手段が接続され前記第2接続解除手段が接続解除された状態への切替要求がなされたときには前記第1クラッチの半係合を用いて該切替が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1接続解除手段と前記第2接続解除手段とを制御する第1の切替制御を実行し、前記内燃機関から動力が出力されている状態で前記第1接続解除手段が接続され前記第2接続解除手段が接続解除された状態から前記第1接続解除手段が接続解除され前記第2接続解除手段が接続された状態への切替要求がなされたときには前記第1の切替制御とは異なる前記内燃機関の運転状態の調整を伴って前記第2クラッチの半係合を用いて該切替が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1接続解除手段と前記第2接続解除手段とを制御する第2の切替制御を実行する
ことを要旨とする。
この本発明の動力伝達装置の制御方法によれば、内燃機関から動力が出力されている状態で第1接続解除手段が接続解除され第2接続解除手段が接続された状態が第1接続解除手段が接続され第2接続解除手段が接続解除された状態への切替が要求されたときには第1クラッチの半係合を用いて切替が行なわれるよう内燃機関と第1接続解除手段と第2接続解除手段とを制御する第1の切替制御を実行し、内燃機関から動力が出力されている状態で第1接続解除手段が接続され第2接続解除手段が接続解除された状態から第1接続解除手段が接続解除され第2接続解除手段が接続された状態への切替が要求されたときには第1の切替制御とは異なる内燃機関の運転状態の調整を伴って第2クラッチの半係合を用いて切替が行なわれるよう内燃機関と第1接続解除手段と第2接続解除手段とを制御する第2の切替制御を実行する。これにより、第1の切替制御と第2の切替制御とで変速フィーリングとが異なるものとなることによる違和感を運転者に与えるのを抑制することができる。この結果、変速フィーリングをより向上させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22のクランクシャフト26にクラッチC1を介して接続されると共に駆動輪66a,66bにデファレンシャルギヤ64を介して連結された駆動軸62に接続された第1変速機30と、エンジン22のクランクシャフト26にクラッチC2を介して接続されると共に駆動軸62に接続された第2変速機40と、この第2変速機40の入力軸41に接続されたモータ50と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
第1変速機30と第2変速機40は、各々異なる独立の変速機として機能し、クラッチC1およびクラッチC2のオンオフや第1変速機30および第2変速機40のギヤ段の切替によって両者を合わせてエンジン22からの動力やモータ50からの動力を変速して駆動軸62に伝達するリバース付きの6段変速の変速機として機能することができるようになっている。
第1変速機30は、エンジン22のクランクシャフト26にギヤ28a,28bおよびクラッチC1を介して接続された入力軸31に入力された動力を3段の変速段のいずれかを用いて駆動軸62に伝達すると共に1段のリバース変速を行なうリバース付きの3段変速の変速機として構成されており、入力軸31に取り付けられた入力ギヤ32a〜32dと、駆動軸62にギヤ61a,61bを介して接続された出力軸33に取り付けられた出力ギヤ34a,34bと、入力ギヤ32a〜32cに各々連結される3段の変速ギヤ35a〜35cと、入力ギヤ32dに連結される反転ギヤ39aおよび伝達ギヤ39bと、この変速ギヤ35a〜35cおよび伝達ギヤ39bに出力ギヤ34a,34bを選択的に連結する環状の連結ギヤ36a,36bと、この連結ギヤ36a,36bによる連結と連結の解除とを操作する操作部材37a,37bと、操作部材37a,37bを駆動するアクチュエータ38とを備える。連結ギヤ36a,36bは各々対応する出力ギヤ34a,34bに連結しており、操作部材37a,37bを操作することにより左右にスライドして連結ギヤ36a,36bを図中左,右,中央の3つのポジションをとることができるようになっている。第1変速機30は、連結ギヤ36a,36bを共に図中中央のポジションとすることにより、入力軸31と出力軸33(駆動軸62)とを切り離したニュートラルの状態とすることができる。第1変速機30は、連結ギヤ36aを図中右のポジションとして出力ギヤ34aと変速ギヤ35aとを連結すると共に連結ギヤ36bを図中中央のポジションとすることにより入力軸31の動力を入力ギヤ32aと変速ギヤ35aと出力ギヤ34aとの連結によるギヤ段(1速)によって変速して駆動軸62に出力し、連結ギヤ36aを図中左のポジションとして出力ギヤ34aと変速ギヤ35bとを連結すると共に連結ギヤ36bを図中中央のポジションとすることにより入力軸31の動力を入力ギヤ32bと変速ギヤ35bと出力ギヤ34aとの連結によるギヤ段(3速)によって変速して駆動軸62に出力し、連結ギヤ36bを図中右のポジションとして出力ギヤ34bと変速ギヤ35cとを連結すると共に連結ギヤ36aを図中中央のポジションとすることにより入力軸31の動力を入力ギヤ32cと変速ギヤ35cと出力ギヤ34bとの連結によるギヤ段(5速)によって変速して駆動軸62に出力する。また、第1変速機30は、連結ギヤ36bを図中左のポジションとして出力ギヤ34bと伝達ギヤ39bとを連結すると共に連結ギヤ36aを図中中央のポジションとすることにより入力軸31の動力を入力ギヤ32dと反転ギヤ39aおよび伝達ギヤ39bと出力ギヤ34bとの連結によるギヤ段(リバース)によって変速して駆動軸62に出力する。
第2変速機40は、エンジン22のクランクシャフト26にギヤ28a,28cおよびクラッチC2を介して接続された入力軸41に入力された動力を3段の変速段のいずれかを用いて駆動軸62に伝達する3段変速の変速機として構成されており、入力軸41に取り付けられた入力ギヤ42a〜42cと、駆動軸62にギヤ61a,61cを介して接続された出力軸43に取り付けられた出力ギヤ44a,44bと、入力ギヤ42a〜42cに各々連結される3段の変速ギヤ45a〜45cと、この変速ギヤ45a〜45cに出力ギヤ44a,44bを選択的に連結する環状の連結ギヤ46a,46bと、この連結ギヤ46a,46bによる連結および連結の解除とを操作する操作部材47a,47bと、操作部材47a,47bを駆動するアクチュエータ48とを備える。連結ギヤ46a,46bは各々対応する出力ギヤ44a,44bに連結しており、操作部材47a,47bを操作することにより左右にスライドして、連結ギヤ46aについては図中左,右,中央の3つのポジションのいずれかをとることができ、連結ギヤ46bについては図中左,右の2つのポジションのいずれかをとることができるようになっている。第2変速機40は、連結ギヤ46aを図中中央のポジションとすると共に連結ギヤ46bを図中左のポジションとすることにより、入力軸41と出力軸43(駆動軸62)とを切り離したニュートラルの状態とすることができる。第2変速機40は、連結ギヤ46aを図中右のポジションとして出力ギヤ44aと変速ギヤ45aとを連結すると共に連結ギヤ46bを図中左のポジションとすることにより入力軸41の動力を入力ギヤ42aと変速ギヤ45aと出力ギヤ44aとの連結によるギヤ段(2速)によって変速して駆動軸62に出力し、連結ギヤ46aを図中左のポジションとして出力ギヤ44aと変速ギヤ45bとを連結すると共に連結ギヤ46bを図中左のポジションとすることにより入力軸41の動力を入力ギヤ42bと変速ギヤ45bと出力ギヤ44aとの連結によるギヤ段(4速)によって変速して駆動軸62に出力し、連結ギヤ46bを図中右のポジションとして出力ギヤ44bと変速ギヤ45cとを連結すると共に連結ギヤ46aを図中中央のポジションとすることにより入力軸41の動力を入力ギヤ42cと変速ギヤ45cと出力ギヤ44bとの連結によるギヤ段(6速)によって変速して駆動軸62に出力する。
モータ50は、発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ52を介してバッテリ54と電力のやりとりを行なう。モータ50は、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)56により駆動制御されている。モータECU56には、モータ50を駆動制御するために必要な信号、例えばモータ50の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ51からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータ50に印加される相電流などが入力されており、モータECU56からは、インバータ52へのスイッチング制御信号が出力されている。また、モータECU56は、バッテリ54の管理も行なっており、バッテリ54を管理するために必要な信号、例えばバッテリ54の端子間に取り付けられた図示しない電圧センサからの端子間電圧やバッテリ54の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ54に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、バッテリ54を管理するための残容量SOCなどを演算している。モータECU56は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータ50を駆動制御すると共に必要に応じてモータ50の運転状態やバッテリ54の状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、クラッチC1への駆動信号やクラッチC2への駆動信号,第1変速機30のアクチュエータ38への駆動信号,第2変速機40のアクチュエータ48への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU56と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU56と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accに応じたトルクが駆動軸62に出力されて走行するようエンジン22とモータ50とクラッチC1とクラッチC2と第1変速機30と第2変速機40とが制御される。この実施例のハイブリッド自動車20の走行モードとしては、クラッチC1およびクラッチC2をオフとしてモータ50からの動力を第2変速機40により変速して駆動軸62に出力するモータ走行モードやクラッチC1およびクラッチC2をオンとすると共に第1変速機30をニュートラルの状態としてエンジン22からの動力を必要に応じてモータ50の動力の入出力を伴って第1変速機30により変速して駆動軸62に出力する第1変速機走行モード,クラッチC1をオフとすると共にクラッチC2をオンとしてエンジン22からの動力を必要に応じてモータ50の動力の入出力を伴って第2変速機40により変速して駆動軸62に出力する第2変速機走行モード,クラッチC1をオンとすると共にクラッチC2をオフとしてエンジン22からの動力を第1変速機30により変速して駆動軸62に出力し必要に応じてモータ50からの動力を第2変速機40により変速して駆動軸62に入出力する両変速機走行モードなどがある。こうした走行モードのうちいずれの走行モードを用いるかについては、エンジン22の性能やモータ50の性能,バッテリ54の容量,ハイブリッド自動車20の用途などに基づいて決定することができる。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図2は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータ50の回転数Nm,現在の変速段などのデータを入力する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、エンジン22のクランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサにより検出されたクランク角に基づいて演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータ50の回転数Nmは、回転位置検出センサ51により検出されたモータ50の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU56から通信により入力するものとした。さらに、現在の変速段は、エンジン22のクランクシャフト26と駆動軸62とを連結する変速機に現在設定されている変速段として、変速段の切替に伴って設定されるフラグに基づいて入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accとエンジン22の回転数Neとに基づいてエンジン22から出力すべき目標トルクTe*を設定すると共に(ステップS110)、アクセル開度Accとモータ50の回転数Nmとに基づいてモータ50から出力すべきトルク指令Tm*を設定する(ステップS120)。ここで、エンジン22の目標トルクTe*は、実施例では、アクセル開度Accと回転数Neと目標トルクTe*との関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと回転数Neとが与えられると記憶しているマップから対応する目標トルクTe*を導出して設定するものとした。また、モータ50のトルク指令Tm*は、実施例では、アクセル開度Accと回転数Nmとトルク指令Tm*との関係を予め求めてトルク指令設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと回転数Nmとが与えられると記憶しているマップから対応するトルク指令Tm*を導出して設定するものとした。トルク指令設定用マップの一例を図3に示す。なお、トルク指令Tm*は、バッテリ54からの出力が許容される最大出力による制限を受ける。
続いて、エンジン22のクランクシャフト26と駆動軸62とを連結する変速段nを切り替えるべきか否かを判定する切替判定を行なう(ステップS130)。この判定は、アクセル開度Accと車速Vと現在の変速段と変速マップとに基づいて行なわれる。変速マップの一例を図4に示す。切替判定がなされなかったときには(ステップS140)、変速実行フラグFを調べる(ステップS170)。ここで、変速実行フラグFは、変速制御が開始されたときに値1が設定され、変速制御が完了して所定時間Trerが経過したときに値0に戻されるフラグである。変速実行フラグFが値0と判定されると、入力したエンジン22の回転数Neに基づいてモータ50から出力してもよいトルクの上限としての上限トルクTmaxを設定する(ステップS180)。ここで、上限トルクTmaxは、実施例では、エンジン22の回転数Neと上限トルクTmaxとの関係を予め求めて上限トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、回転数Neが与えられると記憶したマップから対応する上限トルクTmaxを導出して設定するものとした。上限トルク設定用マップの一例を図5に示す。図示するように、上限トルクTmaxは、エンジン22の回転数Neがエンジン22のクランクシャフト26と駆動軸62とを連結する変速段の変速タイミングに近づくほど値0に向けて徐々に小さくなるよう設定される。こうする理由については後述する。
上限トルクTmaxを設定すると、トルク指令Tm*を設定した上限トルクTmaxにより上限ガードし(ステップS250,S260)、目標トルクTe*をエンジンECU24に、トルク指令Tm*をモータECU56にそれぞれ送信して(ステップS270)、本ルーチンを終了する。これにより、目標トルクTe*を受信したエンジンECU24は、エンジン22から目標トルクTe*に見合うトルクが出力されるよう吸入空気量調節制御や燃料噴射制御,点火制御などを行ない、トルク指令Tm*を受信したモータECU56はモータ50からトルク指令Tm*に見合うトルクが出力されるようインバータ52のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
変速段nの切替判定がなされたときには(ステップS140)、変速制御ルーチンの実行を開始すると共に(ステップS150)、変速実行フラグFに値1を設定する(ステップS160)。図6は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により駆動制御ルーチンと並行して実行される変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。以下、駆動制御ルーチンの説明を中断し、変速制御ルーチンについて説明する。
変速制御ルーチンでは、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、切り替えるべき変速段nを調べ(ステップS300)、切り替えるべき変速段nが1速,3速,5速のいずれかと判定されたときには、クラッチC1がオンされているときにはクラッチC1をオフとしてエンジン22のクランクシャフト26と第1変速機30の入力軸31とを切り離した状態で第1変速機30が判定した変速段nに切り替えられるようアクチュエータ38を駆動制御する(ステップS310)。そして、クラッチC2をオフとしてエンジン22のクランクシャフト26と第2変速機40の入力軸41とを切り離し(ステップS320)、クラッチC1のフリクション係合を開始する(ステップS330)。いま、アクセルペダル83が踏み込まれてエンジン22のクランクシャフト26と駆動軸62とを2,4速の変速段で連結した状態から3,5速にアップシフト変速する場合を考えると、エンジン22からは正のトルクが出力されるが、クラッチC1をフリクション係合とすることにより、エンジン22の回転数Neは低下していく。また、エンジン22のクランクシャフト26と駆動軸62とを2,4,6速の変速段で連結した状態から1,3,5速にダウンシフト変速する場合を考えると、クラッチC1をフリクション係合とすることにより、エンジン22の回転数Neは増加していく。そして、エンジン22の回転数Neと車速Vとを入力し(ステップS340)、入力した車速Vに換算係数kを乗じて得られる駆動軸62の回転数に切り替えるべき変速段nのギヤ比γn(入力軸31の回転数/駆動軸62の回転数)を乗じて目標入力軸回転数N*を計算し(ステップS350)、エンジン22の回転数Neが目標入力軸回転数N*に同期されるのを待って(ステップS360)、クラッチC1を完全に係合すると共に(ステップS370)、変速完了フラグF2を値1に設定して(ステップS380)、本ルーチンを終了する。
一方、切り替えるべき変速段nが2,4,6速のいずれかと判定されたときには、クラッチC2がオンされているときにはクラッチC2をオフとしてエンジン22のクランクシャフト26と第2変速機40の入力軸41とを切り離してから第2変速機40が判定した変速段nに切り替えられるようアクチュエータ48を駆動制御する(ステップS390)。そして、クラッチC1をオフとしてエンジン22のクランクシャフト26と第1変速機30の入力軸31とを切り離し(ステップS400)、クラッチC2のフリクション係合を開始する(ステップS410)。いま、アクセルペダル83が踏み込まれてエンジン22のクランクシャフト26と駆動軸62とを1,3,5速の変速段で連結した状態から2,4,6速にアップシフト変速する場合を考えると、エンジン22から正のトルクが出力されるが、クラッチC2をフリクション係合とすることにより、エンジン22の回転数Neは低下していく。また、エンジン22のクランクシャフト26と駆動軸62とを3,5速の変速段で連結した状態から2,4速にダウンシフト変速する場合を考えると、クラッチC2をフリクション係合とすることにより、エンジン22の回転数Neは増加していく。そして、エンジン22の回転数Neと車速Vとを入力し(ステップS420)、入力した車速Vに換算係数kを乗じて得られる駆動軸62の回転数に切り替えるべき変速段nのギヤ比γn(入力軸41の回転数/駆動軸62の回転数)を乗じて目標入力軸回転数N*を計算し(ステップS430)、モータ50の回転子の慣性トルクによるエンジン22のクランクシャフト26への影響が打ち消されるよう次式(1)および式(2)から導かれる次式(3)を用いて駆動制御ルーチンのステップS110で設定されたエンジン22の目標トルクTe*を調整し(ステップS440)、エンジン22の回転数Neが目標入力軸回転数N*に同期されるのを待って(ステップS450)、クラッチC2を完全に係合すると共に(ステップS460)、変速完了フラグF2を値1に設定して(ステップS380)、本ルーチンを終了する。ここで、式(1)および式(2)中「Neold」は時間Δt前のエンジン22の回転数Neを示し、「Kc」はクラッチC1,C2の慣性トルク定数を示し、「Km」はモータ50の回転子の慣性トルク定数を示し、「Te1」はエンジン22のクランクシャフト26をクラッチC2のフリクション係合を用いて第1変速機30の入力軸31への接続から第2変速機40の入力軸41への接続に切り替える際にエンジン22から出力するトルクを示し、「Te2」はエンジン22のクランクシャフト26をクラッチC1のフリクション係合を用いて第2変速機40の入力軸41への接続から第1変速機30の入力軸31への接続に切り替える際にエンジン22から出力するトルクを示し、「Tfc」はクラッチC1,C2の伝達トルクを示す。「Tfc」はクラッチC1,C2の特性によって予め定まるから、「Te2」として駆動制御ルーチンのステップS110で設定される目標トルクTe*を用いることにより式(3)を用いて計算されるトルクTe1をエンジン22の目標トルクTe*として調整することにより、モータ50の回転子の慣性トルクによるエンジン22のクランクシャフト26への影響を打ち消すことができる。即ち、変速段nを2,4,6速から1,3,5速に変速する際の変速フィーリングと変速段nを1,3,5速から2,4,6速に変速する際の変速フィーリングとを同様のフィーリングとすることができる。
Ne=Neold+(Kc+Km)・(Te1-Tfc)・Δt …(1)
Ne=Neold+Kc・(Te2-Tfc)・Δt …(2)
Te1=(Kc・Te2+Km・Tfc)/(Kc+Km) …(3)
図2の駆動制御ルーチンに戻って、変速実行フラグFに値1が設定されると(ステップS170)、変速制御が完了(変速完了フラグF2が値1と判定)するまでは(ステップS190)、モータ50の上限トルクTmaxに値0を設定して(ステップS200)、モータ50のトルク指令Tm*を値0に固定し(ステップS250,S260)、目標トルクTe*やトルク指令Tm*をエンジンECU24やモータECU56に送信して(ステップS270)、本ルーチンを終了する。
一方、変速制御が完了すると、変速完了時に図示しないタイマをスタートさせることにより変速完了時からの経過時間Tを計測し(ステップS210)、計測した経過時間Tが所定時間Tref未満と判定されたときには(ステップS220)、経過時間Tに基づいて上限トルクTmaxを設定し(ステップS230)、設定した上限トルクTmaxによりステップS110で設定したトルク指令Tm*を上限ガードし(ステップS250,S260)、目標トルクTe*やトルク指令Tm*をエンジンECU24やモータECU56に送信して(ステップS270)、本ルーチンを終了する。ここで、上限トルクTmaxは、実施例では、変速完了時からの経過時間Tと上限トルクTmaxとの関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、経過時間Tが与えられると記憶したマップから対応する上限トルクTmaxを導出して設定するものとした。このマップの一例を図7に示す。
一方、変速完了時からの経過時間Tが所定時間Tref以上と判定されたときには変速実行フラグFに値0を設定すると共に(ステップS240)、エンジン22の回転数Neに基づく上限トルクTmaxの設定に戻し(ステップS180)、ステップS250以降の処理を行なって本ルーチンを終了する。上限トルクTmaxは、前述したように、変速タイミングが近づくにつれて値0に向かって徐々に小さくなり、変速制御が実行されている最中には値0に固定され、変速制御が完了すると時間の経過と共に徐々に大きくなるよう設定される。このように、モータ50からトルクが出力されていない状態で変速制御を実行することにより、モータ50からトルクが出力されている状態で変速制御を実行することにより発生しうる変速ショックを抑制しているのである。なお、上限トルクTmaxを徐変させているのは、上限トルクTmaxを急変させることによるトルクショックを抑制するためである。
図8に、エンジン22のクランクシャフト26と駆動軸62とを連結する変速段を1速から2速に変速する際のエンジン回転数Neとエンジン22の目標トルクTe*と上限トルクTmaxとクラッチC1のオンオフ状態とクラッチC2のオンオフ状態と第2変速機40の変速段の時間変化の様子を示す。図示するように、クラッチC1およびクラッチC2がオンで第1変速機30が1速で第2変速機40がニュートラルの状態でエンジン22からの動力にモータ50からの動力を付加して走行しているとき、エンジン22の回転数Neが大きくなり変速タイミングに近づくにつれてモータ50の上限トルクTmaxが徐々に小さくなって値0となった時刻t1に2速の変速要求がなされると、クラッチC2がオフされると共に第2変速機40が2速とされ、時刻t2にクラッチC1がオフされると共にクラッチC2がフリクション係合される。これに伴ってモータ50の回転子の慣性トルクによるエンジン22のクランクシャフト26への影響を打ち消す方向にエンジン22の目標トルクTe*が調整される。時刻t3にクラッチC2が完全に係合されて2速の変速が完了すると、目標トルクTe*の調整が解除されると共にモータ50の上限トルクTmaxが時間の経過と共に徐々に大きくなる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22のクランクシャフト26を第1変速機30の入力軸31への接続からクラッチC2のフリクション係合を用いてモータ50が接続された第2変速機40の入力軸41への接続に切り替える際、モータ50の回転子の慣性トルクによるエンジン22のクランクシャフト26への影響が打ち消されるようエンジン22の目標トルクTe*を調整するから、エンジン22のクランクシャフト26をクラッチC1のフリクション係合を用いて第2変速機40の入力軸41への接続から第1変速機30の入力軸31への接続に切り替える際の変速フィーリングとエンジン22のクランクシャフト26をクラッチC2のフリクション係合を用いて第1変速機30の入力軸31への接続から第2変速機40の入力軸41への接続に切り替える際の変速フィーリングとを同様のフィーリングとすることができる。この結果、変速フィーリングをより向上させることができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22の回転数Neが大きくなるにつれて上限トルクTmaxを値0に向けて小さくしモータ50からトルクが出力されない状態としてから変速制御を実行し変速制御が完了したときに時間の経過と共に徐々に上限トルクTmaxを大きくしてモータ50から出力するトルクの制限を解除するから、モータ50からトルクを出力した状態で変速制御を実行することに起因する変速ショックの発生を抑制することができる
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22のクランクシャフト26と駆動軸62とを連結する変速機を第1変速機30からモータ50が接続された第2変速機40に切り替える際、モータ50の回転子の慣性トルクによるエンジン22のクランクシャフト26への影響を打ち消すための目標トルクTe*を式(3)を用いて計算により求めるものとしたが、計算によらずにマップを用いて求めるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータ50の上限トルクTmaxをエンジン22の回転数Neに基づいて変速タイミングが近づくにつれて徐々に小さくなるよう設定したが、エンジン22の回転数Neに代えて車速Vや現在の変速段に基づいて設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータ50の上限トルクTmaxを値0としてモータ50からトルクが出力されないようにしてから変速制御を実行するものとしたが、必ずしも値0とする必要はなく、モータ50から若干のトルクの出力を許容するものとしてもよい。また、若干の変速ショックは生じるもののモータ50から出力するトルクを制限することなく変速制御を実行するものとしても差し支えない。
実施例のハイブリッド自動車20では、第1変速機30としてリバース付きの3段変速の変速機を用い第2変速機40として3段変速機を用いて両者を合わせてリバース付きの6段変速の変速機とするものとしたが、第1変速機30や第2変速機40は、2段以下の変速機や4段以上の変速機を用いるものとしてもよい。この場合、第1変速機30と第2変速機40の変速段数は同じ段数とするものとしてもよく、異なる段数とするものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車産業に利用可能である。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 トルク指令設定用マップの一例を示す説明図である。 変速マップの一例を示す説明図である。 エンジン回転数Neと上限トルクTmaxとの関係の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変速完了時からの経過時間Tと上限トルクTmaxとの関係の一例を示す説明図である。 エンジン22のクランクシャフト26と駆動軸62とを連結する変速段を1速から2速に変速する際のエンジン回転数Neとエンジン22の目標トルクTe*と上限トルクTmaxとクラッチC1のオンオフ状態とクラッチC2のオンオフ状態と第2変速機40の変速段の時間変化の様子を示す説明図である。
符号の説明
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28a〜28c ギヤ、30 第1変速機、31 入力軸、32a〜32d 入力ギヤ、33 出力軸、34a,34b 出力ギヤ、35a〜35c 変速ギヤ、36a,36b 連結ギヤ、37a,37b 操作部材、38 アクチュエータ、39a 反転ギヤ、39b 伝達ギヤ、40 第2変速機、41 入力軸、42a〜42c 入力ギヤ、43 出力軸、44a,44b 出力ギヤ、45a〜45c 変速ギヤ、46a,46b 連結ギヤ、47a,47b 操作部材、48 アクチュエータ、50 モータ、52 インバータ、54 バッテリ、56 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、61a〜61c ギヤ、62 駆動軸、64 デファレンシャルギヤ、66a,66b 駆動輪、ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、C1,C2 クラッチ。

Claims (7)

  1. 内燃機関を備える自動車に搭載され、前記内燃機関からの動力を車軸に連結された駆動軸に伝達する動力伝達装置であって、
    第1入力軸と前記駆動軸とに接続され、該第1入力軸に入力された動力を変速して前記駆動軸に出力可能な第1変速手段と、
    第2入力軸と前記駆動軸とに接続され、該第2入力軸に入力された動力を変速して前記駆動軸に出力する第2変速手段と、
    第1クラッチにより前記内燃機関の出力軸と前記第1入力軸との接続および該接続の解除が可能な第1接続解除手段と、
    第2クラッチにより前記内燃機関の出力軸と前記第2入力軸との接続および該接続の解除が可能な第2接続解除手段と、
    前記第2入力軸に回転子が接続された電動機と、
    前記内燃機関から動力が出力されている状態で前記第1接続解除手段が接続解除され前記第2接続解除手段が接続された状態から前記第1接続解除手段が接続され前記第2接続解除手段が接続解除された状態への切替が要求されたときには前記第1クラッチの半係合を用いて該切替が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1接続解除手段と前記第2接続解除手段とを制御する第1の切替制御を実行し、前記内燃機関から動力が出力されている状態で前記第1接続解除手段が接続され前記第2接続解除手段が接続解除された状態から前記第1接続解除手段が接続解除され前記第2接続解除手段が接続された状態への切替が要求されたときには前記第1の切替制御とは異なる前記内燃機関の運転状態の調整を伴って前記第2クラッチの半係合を用いて該切替が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1接続解除手段と前記第2接続解除手段とを制御する第2の切替制御を実行する制御手段と
    を備える動力伝達装置。
  2. 前記制御手段は、前記第2の切替制御として前記第2クラッチを半係合する際に前記電動機の回転子の慣性トルクよる前記内燃機関の出力軸への影響が打ち消される方向に該内燃機関の運転状態を調整する手段である請求項1記載の動力伝達装置。
  3. 請求項1または2記載の動力伝達装置であって、
    前記第1変速手段は、前記第1入力軸と前記駆動軸との切り離しが可能な手段であり、
    前記第2変速手段は、前記第2入力軸と前記駆動軸との切り離しが可能な手段であり、
    前記制御手段は、前記第1接続解除手段が接続され前記第1入力軸と前記駆動軸とが接続され前記第2接続解除手段が接続され前記第2入力軸と前記駆動軸とが切り離された状態と前記第1接続解除手段が接続解除され前記第2接続解除手段が接続され前記第2入力軸と前記駆動軸とが接続された状態との切替を行なう際には、前記電動機からの駆動力の出力が制限された状態で該切替が行なわれるよう前記内燃機関と前記電動機と前記第1変速手段と前記第2変速手段と前記第1接続解除手段と前記第2接続解除手段とを制御する手段である
    動力伝達装置。
  4. 前記制御手段は、前記電動機からの駆動力の出力を前記切替のタイミングが近づくにつれて徐々に制限し、前記切替が完了したときに該制限を時間の経過と共に徐々に解除する手段である請求項3記載の動力伝達装置。
  5. 前記制御手段は、前記内燃機関の回転数に基づいて前記電動機からの駆動力の出力を徐々に制限する手段である請求項4記載の動力伝達装置。
  6. 内燃機関と、該内燃機関からの動力を車軸に連結された駆動軸に伝達する請求項1ないし5いずれか記載の動力伝達装置とを搭載する自動車。
  7. 内燃機関を備える自動車に搭載され、第1入力軸と車軸に連結された駆動軸とに接続され該第1入力軸に入力された動力を変速して前記駆動軸に出力可能な第1変速手段と、第2入力軸と前記駆動軸とに接続され該第2入力軸に入力された動力を変速して前記駆動軸に出力する第2変速手段と、第1クラッチにより前記内燃機関の出力軸と前記第1入力軸との接続および該接続の解除が可能な第1接続解除手段と、第2クラッチにより前記内燃機関の出力軸と前記第2入力軸との接続および該接続の解除が可能な第2接続解除手段と、前記第2入力軸に回転子が接続された電動機とを備え、前記内燃機関からの動力を前記駆動軸に伝達する動力伝達装置の制御方法であって、
    前記内燃機関から動力が出力されている状態で前記第1接続解除手段が接続解除され前記第2接続解除手段が接続された状態から前記第1接続解除手段が接続され前記第2接続解除手段が接続解除された状態への切替要求がなされたときには前記第1クラッチの半係合を用いて該切替が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1接続解除手段と前記第2接続解除手段とを制御する第1の切替制御を実行し、前記内燃機関から動力が出力されている状態で前記第1接続解除手段が接続され前記第2接続解除手段が接続解除された状態から前記第1接続解除手段が接続解除され前記第2接続解除手段が接続された状態への切替要求がなされたときには前記第1の切替制御とは異なる前記内燃機関の運転状態の調整を伴って前記第2クラッチの半係合を用いて該切替が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1接続解除手段と前記第2接続解除手段とを制御する第2の切替制御を実行する
    動力伝達装置の制御方法。
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