JP2007285259A - 排気消音装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気系の排気管に発生する基本波長の定在波および1/2波長の定在波をともに打ち消して、排気騒音を低減すること。
【解決手段】排気系3にベース経路P0および次のような3つの干渉経路P1〜P3を備えることで、排気管に発生する定在波を干渉によって低減させる。第1干渉経路P1は、ベース経路P0の経路上の1/2位置を上流端とし、ベース経路P0の下流端を下流端とし、経路長がベース経路P0の経路長に等しい経路である。第2干渉経路P2は、ベース経路P0の経路上の上流側の1/4位置を上流端とし、ベース経路P0の下流端を下流端とし、経路長がベース経路P0の経路長に等しい経路である。第3干渉経路P3は、第1干渉経路P1の経路上の上流側の1/4位置を上流端とし、ベース経路P0の下流端を下流端とし、経路長がベース経路P0の経路長に等しい経路である。
【選択図】図2

Description

本発明は、排気管に発生する定在波を干渉によって低減させ、排気音を低減するための排気消音装置に関する。
自動車等に搭載される内燃機関(以下、エンジンともいう)の排気系において、排気管に発生する定在波を低減させて排気音を低減するための排気消音装置として、ベースとなる排気管経路(以下、ベース経路という)に加え、定在波を干渉するための干渉経路が設けられたものが知られている。具体的には、ベース経路と、1つの基本波長の定在波の干渉経路と、1つの基本波長の1/2の波長の定在波の干渉経路とを備えたものが知られている。以下、これについて、詳しく説明する。
ベース経路に発生する定在波に、ベース経路の経路長を1波長として振動する基本波長の定在波があるが、その基本波長の定在波を低減するために、次のような第1の干渉経路を設定するようにしている。第1の干渉経路は、経路長がベース経路の経路長に等しく、ベース経路の経路上の1/2位置からベース経路の下流端まで延びている。この第1の干渉経路には、ベース経路の基本波長の定在波とは逆の位相の基本波長の定在波が発生する。そして、第1の干渉経路に発生した基本波長の定在波が、ベース経路の基本波長の定在波と干渉し、両者が互いに弱め合って相殺される。これにより、ベース経路の下流端、つまり、排気系の末端において、基本波長の定在波が打ち消される。
ところが、ベース経路に発生する定在波には、上述の基本波長の定在波以外にも、その基本波長の半分の波長を1波長として振動する1/2波長の定在波がある。上述の第1の干渉経路には、ベース経路の1/2波長の定在波と同じ位相の1/2波長の定在波が発生する。そして、第1の干渉経路に発生した1/2波長の定在波が、ベース経路の1/2波長の定在波と干渉すると、両者は相殺されず、逆に互いに強め合って増幅される。これにより、排気系の末端において、1/2波長の定在波が2倍に増幅される。
従来では、そのような1/2波長の定在波を低減するために、さらに次のような第2の干渉経路を設定するようにしている。第2の干渉経路は、経路長がベース経路の経路長に等しく、ベース経路の経路上の上流側の1/4位置からベース経路の下流端まで延びている。この第2の干渉経路には、ベース経路の1/2波長の定在波とは逆の位相の1/2波長の定在波とが発生する。そして、第2の干渉経路に発生した1/2波長の定在波が、上述のように増幅される1/2波長の定在波と干渉することによって、第2の干渉経路を設けていない場合に比べ、排気系の末端において、1/2波長の定在波が半分に低減される。
なお、干渉経路を設けて排気音の低減を図るようにした排気消音装置には、例えば、特許文献1記載のものがある。
特開平11−132024号公報
上述したように、従来では、第1の干渉経路とともに、第2の干渉経路を設けて、基本波長の定在波だけでなく、1/2波長の定在波も低減するようにしている。しかしながら、第2の干渉経路によって、1/2波長の定在波はすべて打ち消されるわけではなく、排気系の末端においては、依然として残っている。具体的には、第2の干渉経路の1/2波長の定在波によって、第1の干渉経路の1/2波長の定在波は打ち消すことができるものの、ベース経路の1/2波長の定在波は打ち消すことができず残存する。残存した1/2波長の定在波は、排気騒音の一因となる。したがって、その点で改善の余地がある。
本発明は、そのような点に着目してなされたものであって、排気系の排気管に発生する基本波長の定在波および1/2波長の定在波をともに打ち消すことができ、排気騒音を低減することができるような排気消音装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、内燃機関の排気系において、排気管に発生する定在波を干渉によって低減させるようにした排気消音装置であって、ベースとなる排気管経路と、前記ベースとなる排気管経路の経路上の1/2位置を上流端とし、前記ベースとなる排気管経路の下流端を下流端とし、経路長が前記ベースとなる排気管経路の経路長の整数倍である第1干渉経路と、前記ベースとなる排気管経路の経路上の上流側の1/4位置を上流端とし、前記ベースとなる排気管経路の下流端を下流端とし、経路長が前記ベースとなる排気管経路の経路長の整数倍である第2干渉経路と、前記第1干渉経路の経路上の上流側の1/4位置を上流端とし、前記ベースとなる排気管経路の下流端を下流端とし、経路長が前記ベースとなる排気管経路の経路長の整数倍である第3干渉経路とを備えたことを特徴としている。
上記構成の排気消音装置のベースとなる排気管経路(ベース経路)には、ベース経路の経路長を1波長として振動する基本波長の定在波と、その半分の波長を1波長として振動する1/2波長の定在波とが発生する。第1干渉経路には、ベース経路の基本波長の定在波と逆位相の基本波長の定在波と、ベース経路の1/2波長の定在波と同位相の1/2波長の定在波とが発生する。第2干渉経路には、ベース経路の基本波長の定在波に対し位相が1/4波長分だけずれている基本波長の定在波と、ベース経路の1/2波長の定在波と逆位相の1/2波長の定在波とが発生する。第3干渉経路には、第1干渉経路の基本波長の定在波に対し位相が1/4波長分だけずれている定在波と、第1干渉経路の1/2波長の定在波と逆位相の1/2波長の定在波とが発生する。つまり、第3干渉経路には、ベース経路の基本波長の定在波に対し位相が3/4波長分だけずれている基本波長の定在波と、ベース経路の1/2波長の定在波と逆位相の1/2波長の定在波が発生する。
そして、上記構成によれば、排気消音装置の各経路に発生する定在波が互いに干渉し合う結果、ベース経路の基本波長の定在波と第1干渉経路の基本波長の定在波とが、ベース経路の下流端では互いに逆位相となり、第2干渉経路の基本波長の定在波と第3干渉経路の基本波長の定在波とが、ベース経路の下流端では互いに逆位相となるから、それらが互いに弱め合うように干渉する。これにより、ベース経路の下流端では、基本波長の定在波が相殺され、残存しなくなる。
一方、ベース経路の1/2波長の定在波および第1干渉経路の1/2波長の定在波と、第2干渉経路の1/2波長の定在波および第3干渉経路の1/2波長の定在波とが、ベース経路の下流端で互いに逆位相となるから、それらが互いに弱め合うように干渉する。これにより、ベース経路の下流端では、1/2波長の定在波が相殺され、残存しなくなる。
以上のように、排気系の排気管に発生する基本波長の定在波および1/2波長の定在波をベース経路の下流端でともに打ち消すことができ、これにより、排気騒音を低減することができる。
ここで、排気消音装置をコンパクトで安価な構成とするためには、前記各干渉経路のうち、前記ベース経路と共通していない経路を同一のケース内に設けることが好ましい。
本発明によれば、排気系の排気管に発生する基本波長の定在波および1/2波長の定在波をともに打ち消すことができ、これにより、排気騒音を低減することができる。
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の排気消音装置を適用する内燃機関の排気系の概略構成図である。
内燃機関としてのエンジン1は、例えば、自動車に搭載される直列4気筒エンジンであって、エンジン1には排気マニホールド2が設けられている。排気マニホールド2に排気系3が接続されている。排気系3には、排気ガスの流れ方向(図1の矢印で示す方向;以下、ガス排出方向という)に沿って上流側から順に、エンジン1からの排気ガスを浄化する触媒コンバータ4と、後述する排気消音装置5とが配設されている。具体的には、触媒コンバータ4から上流側に排気管(フロントパイプ)6が延びており、このフロントパイプ6がフランジ7,7を介して排気マニホールド2に接続されている。また、触媒コンバータ4から下流側に排気管(センターパイプ)12が延びており、このセンターパイプ12が消音器本体10に接続されている。さらに、消音器本体10から下流側に排気管(テールパイプ)13が延びており、このテールパイプ13が大気に開放されている。
次に、排気系3の排気消音装置5について、図1〜図5を用いて詳しく説明する。排気消音装置5は、排気系3の排気管に発生する定在波(音波)を干渉によって低減させて排気騒音を低減するために設けられるものである。
排気消音装置5には、上流側から順に、センターパイプ12、消音器本体10、および、テールパイプ13が備えられている。センターパイプ12の下流側部分と、テールパイプ13の上流側部分とが、消音器本体10の本体ケース11内に挿入されている。この例では、排気消音装置5は、排気系3において、触媒コンバータ4の下流端(出口)4a、つまり、センターパイプ12の上流端12aよりも下流側の部分で構成されている。言い換えれば、消音器本体10とその前後のセンターパイプ12およびテールパイプ13とを含んで構成されている。
ここで、排気消音装置5のガス排出方向の全長はLとなっている。すなわち、排気消音装置5のセンターパイプ12の上流端12aからテールパイプ13の下流端13b(排気系3の末端)までの全長がLとなっている。そして、消音器本体10の本体ケース11のガス排出方向の全長がほぼ(1/4)Lとなっている。本体ケース11は、全長Lの排気消音装置5の上流端を基準として、その基準位置よりほぼ(1/4)L位置からほぼ(1/2)L位置にわたって配置されている。
また、センターパイプ12のガス排出方向の全長がほぼ(1/2)Lとなっている。このセンターパイプ12は、その上流端12aからほぼ(1/4)Lの部分が本体ケース11外部に突出されており、残りのほぼ(1/4)Lの部分が本体ケース11内に挿入されている。一方、テールパイプ13のガス排出方向の全長がほぼ(3/4)Lとなっている。このテールパイプ13は、その上流端13aからほぼ(1/4)Lの部分が本体ケース11内に挿入されており、残りのほぼ(1/2)Lの部分が本体ケース11外部に突出されている。
次に、消音器本体10の本体ケース11の内部の構造について説明する。本体ケース11内には、複数の部材が配設されており、後述するような複数の音波の経路が形成されている。
本体ケース11内は、ガス排出方向に直交する方向に沿って互いに平行に設けられた2つの仕切り板16,17によって、3つの空間C1,C2,C3に仕切られており、さらに、中間の空間C2は、ガス排出方向に沿って設けられた仕切り板18によって、2つの空間C21,C22に仕切られている。
仕切り板16の上下方向の中間位置と下側位置には、それぞれ連通孔16a,16bが形成されており、空間C21と空間C1とが中間位置の連通孔16aを介して連通されている。また、空間C1と空間C22とが下側位置の連通孔16bを介して連通されている。一方、仕切り板17の上下方向の中間位置には、連通孔17aが形成されており、空間C3と空間C21とが連通孔17aを介して連通されている。
上述したように、本体ケース11内には、センターパイプ12の下流側部分と、テールパイプ13の上流側部分とが平行な状態で挿入されている。センターパイプ12は、仕切り板17を貫通しており、その下流端12bが空間C3に開放されている。つまり、センターパイプ12内部の空間C4が空間C3に連通されている。一方、テールパイプ13は、仕切り板16を貫通しており、その上流端13aが空間C1に開放されている。つまり、テールパイプ13内部の空間C5が空間C1に連通されている。
そして、本体ケース11内で、センターパイプ12は、このセンターパイプ12よりも大径のカバーパイプ14に挿入されている。カバーパイプ14は、仕切り板16を貫通して設けられている。カバーパイプ14のガス排出方向の両端は閉鎖されているが、複数の連通孔14aが下流端近傍に形成されている。センターパイプ12の外周面とカバーパイプ14の内周面との間の空間C6と、空間C21とが連通孔14aを介して連通されている。また、センターパイプ12のガス排出方向の中央位置(つまり、上流端12aから(1/4)L位置)には、複数の連通孔12cが形成されている。センターパイプ12内部の空間C4と、空間C6とが連通孔12cを介して連通されている。
一方、本体ケース11内で、テールパイプ13は、このテールパイプ13よりも大径のカバーパイプ15に挿入されている。カバーパイプ15は、仕切り板16,17間に設けられている。カバーパイプ15のガス排出方向の両端は閉鎖されているが、複数の連通孔15aが下流端近傍に形成されている。テールパイプ13の外周面とカバーパイプ15の内周面との間の空間C7と、空間C22とが連通孔15aを介して連通されている。また、テールパイプ13のガス排出方向の上流端13a近傍には、複数の連通孔13cが形成され、さらに、上流端13aから(1/4)L位置には、複数の連通孔13dが形成されている。テールパイプ13内部の空間C5と、空間C7とが連通孔13cを介して連通され、空間C5と空間C3とが連通孔13dを介して連通されている。
ここで、センターパイプ12の連通孔12cからテールパイプ13の連通孔13dまでのガス排出方向の距離が、(1/4)Lとなっている。また、センターパイプ12の連通孔12cからカバーパイプ14の連通孔14aまでのカバーパイプ14の距離が、(1/8)Lとなっている。したがって、カバーパイプ14のガス排出方向の全長が(1/8)Lよりも大きくなっている。また、テールパイプ13の連通孔13cからカバーパイプ15の連通孔15aまでのガス排出方向の距離が、(1/8)Lとなっている。したがって、カバーパイプ15のガス排出方向の全長が(1/8)Lよりも大きくなっている。また、2つの仕切り板16,17のガス排出方向の距離が(1/8)Lよりも小さくなっている。
上述のような構造の排気消音装置5においては、テールパイプ13の下流端13b(排気系3の末端)まで排気ガスが流れる経路(音波の経路)として、次のような経路が設けられている。
まず、ベースとなる排気管経路(以下、ベース経路という)P0として、センターパイプ12から、空間C3、連通孔13d、テールパイプ13を順に流れる経路が設定されている。つまり、ベース経路P0は、空間C4→空間C3→空間C5を順に経由して排気系3の末端に至る(図2、図3の実線で示す経路)。ベース経路P0の経路長はLとなっている。なお、厳密に言えば、ベース経路P0の経路長はLよりも長くなっているが、空間C3で排気ガスがガス排出方向に直交する方向に流れる距離がわずかであるため、排気ガスがガス排出方向に直交する方向に流れる距離については、ベース経路P0の経路長には加えていない(以下のP1〜P3の各経路についても同様)。
そして、ベース経路P0以外にも、排気系3の排気管に発生する定在波を干渉するための経路(以下、干渉経路という)が形成されている。この例では、干渉経路として、次の3つの経路P1〜P3が設定されている。
第1干渉経路P1は、ベース経路P0の経路上の1/2位置から排気系3の末端まで延びる経路である。言い換えれば、第1干渉経路P1の上流端がベース経路P0の経路上の1/2位置となっており、下流端が排気系3の末端となっている。この例では、第1干渉経路P1は、連通孔17aから、空間C21、連通孔16a、空間C1、テールパイプ13を順に流れる経路となっている。つまり、第1干渉経路P1は、空間C21→空間C1→空間C5を順に経由して排気系3の末端に至る(図2、図3の一点鎖線で示す経路)。第1干渉経路P1の経路長は、ベース経路P0の経路長と同じLとなっている。なお、第1干渉経路P1のテールパイプ13の連通孔13dよりも下流側の経路は、ベース経路P0と共通の経路となっている。
第2干渉経路P2は、ベース経路P0の経路上の上流側の1/4位置から排気系3の末端まで延びる経路である。言い換えれば、第2干渉経路P2の上流端がベース経路P0の経路上の上流側の1/4位置となっており、下流端が排気系3の末端となっている。この例では、第2干渉経路P2は、連通孔12cから、空間C6、連通孔14a、空間C21、連通孔16a、空間C1、テールパイプ13を順に流れる経路となっている。つまり、第2干渉経路P2は、空間C6→空間C21→空間C1→空間C5を順に経由して排気系3の末端に至る(図2、図3の破線で示す経路)。第2干渉経路P2の経路長は、ベース経路P0の経路長と同じLとなっている。なお、第2干渉経路P2のテールパイプ13の連通孔13dよりも下流側の経路は、ベース経路P0と共通の経路となっている。また、第2干渉経路P2の連通孔14aよりも下流側の経路は、第1干渉経路P1と共通の経路となっている。
第3干渉経路P3は、第1干渉経路P1の経路上の上流側の1/4位置から排気系3の末端まで延びる経路である。言い換えれば、第3干渉経路P3の上流端が第1干渉経路P1の経路上の上流側の1/4位置となっており、下流端が排気系3の末端となっている。この例では、第3干渉経路P3は、連通孔16bから、空間C22、連通孔15a、空間C7、連通孔13c、テールパイプ13を順に流れる経路となっている。つまり、第3干渉経路P3は、空間C22→空間C7→空間C5を順に経由して排気系3の末端に至る(図2、図3の二点鎖線で示す経路)。第3干渉経路P3の経路長は、ベース経路P0の経路長と同じLとなっている。なお、第3干渉経路P3のテールパイプ13の連通孔13dよりも下流側の経路は、ベース経路P0と共通の経路となっている。また、第3干渉経路P3の連通孔13cよりも下流側の経路は、第1干渉経路P1および第2干渉経路P2と共通の経路となっている。
上述のような複数の経路P0〜P3を備える排気消音装置5によれば、次のような作用効果が得られる。
まず、排気消音装置5の各経路P0〜P3に発生する定在波について、図4、図5を用いて説明する。排気消音装置5のベース経路P0には、図4(a)、図5(a)に示すような定在波A0,B0が発生する。具体的には、ベース経路P0の経路長Lを1波長として振動する基本波長の定在波A0と、その半分の波長を1波長として振動する1/2波長の定在波B0が発生する。このため、ベース経路P0だけしか設けられていないとすれば、これらの定在波A0,B0が排気騒音の一因となる。
次に、第1干渉経路P1には、図4(b)、図5(b)に示すような定在波A1,B1が発生する。具体的には、ベース経路P0の基本波長の定在波A0と同じ波長を1波長として振動する基本波長の定在波A1と、ベース経路P0の1/2波長の定在波B0と同じ波長を1波長として振動する1/2波長の定在波B1である。ここで、上述したように、第1干渉経路P1は、ベース経路P0の経路上の1/2位置から設けられる経路である。このため、基本波長の定在波A1は、図4(b)に示すように、ベース経路P0の基本波長の定在波A0に対し位相が1/2波長分だけずれている。つまり、逆の位相になっている。一方、1/2波長の定在波B1は、図5(b)に示すように、ベース経路P0の1/2波長の定在波B0に対し位相が1波長分だけずれている。つまり、同じ位相になっている。
また、第2干渉経路P2には、図4(c)、図5(c)に示すような定在波A2,B2が発生する。具体的には、ベース経路P0の基本波長の定在波A0と同じ波長を1波長として振動する基本波長の定在波A2と、ベース経路P0の1/2波長の定在波B0と同じ波長を1波長として振動する1/2波長の定在波B2である。ここで、上述したように、第2干渉経路P2は、ベース経路P0の経路上の上流側の1/4位置から設けられる経路である。このため、基本波長の定在波A2は、図4(c)に示すように、ベース経路P0の基本波長の定在波A0に対し位相が1/4波長分だけずれている。一方、1/2波長の定在波B2は、図5(c)に示すように、ベース経路P0の1/2波長の定在波B0に対し位相が1/2波長分だけずれている。つまり、逆の位相になっている。
さらに、第3干渉経路P3には、図4(d)、図5(d)に示すような定在波A3,B3が発生する。具体的には、第1干渉経路P1の基本波長の定在波A1と同じ波長を1波長として振動する基本波長の定在波A3と、第1干渉経路P1の1/2波長の定在波B1と同じ波長を1波長として振動する1/2波長の定在波B3である。ここで、上述したように、第3干渉経路P3は、第1干渉経路P1の経路上の上流側の1/4位置から設けられる経路である。このため、基本波長の定在波A3は、図4(d)に示すように、第1干渉経路P1の基本波長の定在波A1に対し位相が1/4波長分だけずれており、また、ベース経路P0の基本波長の定在波A0に対しては、位相が3/4波長分だけずれている。一方、1/2波長の定在波B3は、図5(d)に示すように、第1干渉経路P1の1/2波長の定在波B1に対し位相が1/2波長分だけずれており、つまり、逆の位相になっている。また、ベース経路P0の1/2波長の定在波B0に対しては、位相が3/2波長分だけずれており、つまり、逆の位相になっている。
排気消音装置5の各経路P0〜P3に発生する上述の定在波は、互いに干渉し合い、これにより、強め合ったり、逆に弱め合ったりする。その結果、基本波長の定在波については、ベース経路P0の基本波長の定在波A0と、第1干渉経路P1の基本波長の定在波A1とが互いに逆位相となり、それらが互いに弱め合うように干渉する。また、第2干渉経路P2の基本波長の定在波A2と、第3干渉経路P3の基本波長の定在波A3とが互いに逆位相となるから、それらが互いに弱め合うように干渉する。これにより、全ての経路P0〜P3に共通のテールパイプ13の連通孔13dよりも下流側の経路では、基本波長の定在波が相殺され、残存しなくなる。
一方、1/2波長の定在波については、ベース経路P0の1/2波長の定在波B0および第1干渉経路P1の1/2波長の定在波B1と、第2干渉経路P2の1/2波長の定在波B2および第3干渉経路P3の1/2波長の定在波B3とが互いに逆位相となるから、それらが互いに弱め合うように干渉する。これにより、各経路P0〜P3に共通のテールパイプ13の連通孔13dよりも下流側の経路では、1/2波長の定在波が相殺され、残存しなくなる。ここで、第3干渉経路P3が設けられていない場合、第2干渉経路P2の1/2波長の定在波B2によって、第1干渉経路P1の1/2波長の定在波B1は打ち消されるものの、ベース経路P0の1/2波長の定在波B0は打ち消されず残存してしまう。これに対し、この例では、第3干渉経路P3において、ベース経路P0の1/2波長の定在波B0とは逆位相の1/2波長の定在波B3が発生するので、この1/2波長の定在波B3によって、ベース経路P0の1/2波長の定在波B0を打ち消すことが可能となる。これにより、全ての経路P0〜P3に共通のテールパイプ13の連通孔13dよりも下流側の経路では、1/2波長の定在波が相殺され、残存しなくなる。
以上のように、排気系3の排気管に発生する基本波長の定在波および1/2波長の定在波をともに打ち消すことができ、これにより、排気騒音を低減することができる。そして、消音器本体10の内部の構造を上述したように工夫することによって、3つの干渉経路P1〜P3のうち、ベース経路P0と共通していない経路を消音器本体10の本体ケース11内に設けるようにしている。言い換えれば、3つの干渉経路P1〜P3のうち、全ての経路P0〜P3に共通する経路(テールパイプ13の連通孔13dよりも下流側の経路)以外の経路を消音器本体10の本体ケース11内に設けるようにしている。具体的には、各干渉経路P1〜P3の上流側の1/2の経路を消音器本体10の本体ケース11内に設けるようにしている。これにより、排気消音装置5をコンパクトで安価に構成できる。
ところで、排気消音装置5では、上述した基本波長の定在波の場合と同様に、mを自然数として、基本波長の定在波の1/(2m+1)の波長を1波長として振動する1/(2m+1)波長の定在波についても、各経路P0〜P3で相殺することが可能である。つまり、排気消音装置5の各経路P0〜P3によって基本波長の定在波の奇数倍の周波数で振動する定在波を全て相殺することが可能となっている。
また、上述した1/2波長の定在波の場合と同様に、nを自然数として、基本波長の定在波の1/(2n)の波長を1波長として振動する1/(2n)波長の定在波についても、各経路P0〜P3で相殺することが可能である。つまり、排気消音装置5の各経路P0〜P3によって基本波長の定在波の偶数倍の周波数で振動する定在波を全て相殺することが可能となっている。このように、排気消音装置5の各経路P0〜P3によって基本波長の定在波の整数倍の周波数で振動する定在波を全て相殺することが可能となっている。
上述した例では、消音器本体10の本体ケース11内の仕切り板16,17,18によって仕切られた空間や、カバーパイプ14,15を設けたことによる空間を積極的に利用して排気消音装置5のベース経路P0および3つの干渉経路P1〜P3を構成するようにしている。しかし、排気消音装置のベース経路および3つの干渉経路は、排気管に発生する基本波長の定在波および1/2波長の定在波をともに打ち消すことができるように構成されていれば、排気消音装置のベース経路および3つの干渉経路の形態は限定されない。
例えば、図6に示すように、消音器本体20の構造を工夫することによって、排気消音装置のベース経路P10および3つの干渉経路P11〜P13を構成してもよい。図6に示す消音器本体20では、本体ケース21内に、センターパイプ22およびテールパイプ23に加え、ストレートなパイプ24,25および折り返し形状のパイプ26が設けられ、排気消音装置のベース経路P10および3つの干渉経路P11〜P13が構成されている。このように、消音器本体20をパイプを多く用いた構造とすることによって、上述した消音器本体10に比べて、消音器本体20の製造が容易となる。
具体的には、消音器本体20の本体ケース21内において、各パイプ22〜26は、仕切り板27,28,29によって支持されている。仕切り板27,28,29は、本体ケース21内に、ガス排出方向に直交する方向に沿って互いに平行に設けられており、仕切り板27,28,29によって、本体ケース21内に4つの空間C31〜C34が形成されている。ここで、センターパイプ22の連通孔22cからテールパイプ23の連通孔23dまでのガス排出方向の距離が、(1/4)Lとなっている。また、センターパイプ22の連通孔22cからパイプ24の連通孔24aまでのガス排出方向の距離が、(1/8)Lとなっている。また、テールパイプ23の連通孔23cからパイプ26の折り返し位置26aまでのガス排出方向の距離が、(1/8)Lとなっている。
そして、ベース経路P10は、センターパイプ22から、空間C34、連通孔23d、テールパイプ23を順に流れる経路となっている(図6の実線で示す経路)。第1干渉経路P11は、その経路長がベース経路P10の経路長に等しく、ベース経路P10の経路上の1/2位置を上流端とし、ベース経路P10の下流端(排気系の末端)を下流端とする経路であって、パイプ24から、空間C31、テールパイプ23を順に流れる経路となっている(図6の一点鎖線で示す経路)。第2干渉経路P12は、その経路長がベース経路P10の経路長に等しく、ベース経路P10の経路上の上流側の1/4位置を上流端とし、排気系の末端を下流端とする経路であって、連通孔22cから、空間C31、パイプ25、空間C33、連通孔24a、パイプ24、空間C31、テールパイプ13を順に流れる経路となっている(図6の破線で示す経路)。第3干渉経路P13は、その経路長がベース経路P10の経路長に等しく、第1干渉経路P11の経路上の上流側の1/4位置を上流端とし、排気系の末端を下流端とする経路であって、パイプ26から、空間C32、連通孔23c、テールパイプ13を順に流れる経路となっている(図6の二点鎖線で示す経路)。
なお、以上では、排気消音装置の3つの干渉経路の経路長が、全てベース経路の経路長に等しい場合、つまり、ベース経路の経路長の1倍である場合について説明したが、排気消音装置の3つの干渉経路の経路長は、ベース経路の経路長の整数倍であれば特に限定されない。この場合、ベース経路の経路長の整数倍であれば、3つの干渉経路の経路長がそれぞれ異なっていてもよい。
本発明を適用する排気消音装置の一実施形態を示す内燃機関の排気系の概略構成図である。 排気消音装置の消音器本体の内部構造を概略的に示す断面図である。 排気消音装置の各経路を模式的に示す説明図である。 排気消音装置の各経路の基本波長の定在波を示す図である。 排気消音装置の各経路の1/2波長の定在波を示す図である。 排気消音装置の消音器本体の他の例を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1 エンジン
3 排気系
5 排気消音装置
10 排気器本体
11 本体ケース
12 センターパイプ
13 テールパイプ
14,15 カバーパイプ
16,17,18 仕切り板
P0 ベース経路
P1 第1干渉経路
P2 第2干渉経路
P3 第3干渉経路
A0,A1,A2,A3 基本波長の定在波
B0,B1,B2,B3 1/2波長の定在波

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気系において、排気管に発生する定在波を干渉によって低減させるようにした排気消音装置であって、
    ベースとなる排気管経路と、
    前記ベースとなる排気管経路の経路上の1/2位置を上流端とし、前記ベースとなる排気管経路の下流端を下流端とし、経路長が前記ベースとなる排気管経路の経路長の整数倍である第1干渉経路と、
    前記ベースとなる排気管経路の経路上の上流側の1/4位置を上流端とし、前記ベースとなる排気管経路の下流端を下流端とし、経路長が前記ベースとなる排気管経路の経路長の整数倍である第2干渉経路と、
    前記第1干渉経路の経路上の上流側の1/4位置を上流端とし、前記ベースとなる排気管経路の下流端を下流端とし、経路長が前記ベースとなる排気管経路の経路長の整数倍である第3干渉経路とを備えたことを特徴とする排気消音装置。
  2. 前記各干渉経路のうち、前記ベースとなる排気管経路ベース経路と共通していない経路が、同一のケース内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排気消音装置。
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