JP2007285172A - 始動時異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン始動時に異常が発生した場合に、その原因がバッテリ劣化であるか始動系システムの異常発生であるかを区別して検出できるようにする。
【解決手段】バッテリと始動系システムとの接続回路に介設したバッテリ出力電圧と電流との測定手段と、エンジン始動時におけるバッテリ最大電圧降下時のバッテリ出力電圧(Vst)と電流値(Ist)とを測定手段から取得して、該バッテリ出力電圧と電流値とから始動系システムの抵抗値(Rs)を算出する抵抗値算出手段と、予め記憶させた前記始動系システムの正常範囲の抵抗値に対して、抵抗値算出手段で算出した抵抗値が外れている場合に、始動系システムが異常であると検出する。
【選択図】図1
【解決手段】バッテリと始動系システムとの接続回路に介設したバッテリ出力電圧と電流との測定手段と、エンジン始動時におけるバッテリ最大電圧降下時のバッテリ出力電圧(Vst)と電流値(Ist)とを測定手段から取得して、該バッテリ出力電圧と電流値とから始動系システムの抵抗値(Rs)を算出する抵抗値算出手段と、予め記憶させた前記始動系システムの正常範囲の抵抗値に対して、抵抗値算出手段で算出した抵抗値が外れている場合に、始動系システムが異常であると検出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用の始動時異常検出装置に関し、詳しくは、車両始動時に発生する異常が鉛電池(以下、バッテリと称す)の異常に起因するか、始動系システムの異常に起因するかを区別して診断を行うことができるようにするものである。
自動車の始動は、バッテリによりエンジンに取り付けられたスタータを駆動させることにより行うため、自動車の始動確保においてバッテリは極めて重要である。
このため、従来より、バッテリ状態を検知する方法が考えられてきた。例えば、最新電池ハンドブック(非特許文献1)には、バッテリの内部抵抗はバッテリの電解液比重の低下と共に急激に増加することが記載されている。該電解液比重の低下はバッテリ劣化度の指標となる健康度SOH(State of Health)を示していると考えると、バッテリの内部抵抗とバッテリの健康度には相関関係がある。該相関関係を予め求めておき、バッテリの電圧、電流等を測定して内部抵抗を算出し、該相関関係と比較することでバッテリの健康度を検知することができる。
前記バッテリ状態の検出方法は、バッテリ91と始動系システム92との回路を示す図11(A)および始動系システム92を抵抗Rsに置き換えた図11(B)に当てはめると、エンジン始動時におけるバッテリ1の最大電圧降下時の出力電圧Vstと電流Ist、バッテリの満充電近傍での開放電圧Vo(無負荷でのバッテリの出力電圧)を測定してバッテリ1の内部抵抗Rb(前記r)を求め、バッテリ1の内部抵抗Rbとバッテリの健康度SOHとの相関関係からバッテリ91の劣化状態を推定している。その際、始動系システム92の全体の抵抗値Rsを一定であることを前提としている。
しかしながら、始動系システム92に異常が発生した場合には、始動系システムの抵抗値Rsに変化が生じる。
バッテリの出力電圧と始動系システム92に流れる電流とは図12に示す関係となることが、従来より認められている。図12中の傾きは始動系システムの抵抗値Rsを示し、バッテリが満充電で始動系システムの抵抗値がRs1の場合、バッテリの出力電圧Vst1が始動系システムにかかる電圧となり、バッテリの開放電圧からバッテリの出力電圧Vst1を除いたVb1がバッテリの内部抵抗による電圧降下分となる。
バッテリの出力電圧と始動系システム92に流れる電流とは図12に示す関係となることが、従来より認められている。図12中の傾きは始動系システムの抵抗値Rsを示し、バッテリが満充電で始動系システムの抵抗値がRs1の場合、バッテリの出力電圧Vst1が始動系システムにかかる電圧となり、バッテリの開放電圧からバッテリの出力電圧Vst1を除いたVb1がバッテリの内部抵抗による電圧降下分となる。
始動系システムに異常が生じ、始動系システムの抵抗がRs1からRs2へと小さくなると、バッテリの出力電圧Vst2はVst1よりも小さくなる。
一方、バッテリの劣化によりバッテリの内部抵抗Rb1がRb3へと大きくなると、Vb3がバッテリの内部抵抗Rb3による電圧降下分となり、バッテリの出力電圧Vst3はVst1よりも小さくなる。
このように、バッテリの内部抵抗Rbが変化する場合、始動系システムの抵抗値Rsが変化する場合のいずれにおいても、バッテリの出力電圧Vstに変化が生じる。
一方、バッテリの劣化によりバッテリの内部抵抗Rb1がRb3へと大きくなると、Vb3がバッテリの内部抵抗Rb3による電圧降下分となり、バッテリの出力電圧Vst3はVst1よりも小さくなる。
このように、バッテリの内部抵抗Rbが変化する場合、始動系システムの抵抗値Rsが変化する場合のいずれにおいても、バッテリの出力電圧Vstに変化が生じる。
前記バッテリ状態の検知方法は、バッテリの出力電圧Vst、電流Istからバッテリの内部抵抗Rbを算出してバッテリの劣化状態を推定しているため、始動系システムの異常発生により抵抗値Rsに変化があった場合であっても、バッテリの劣化であるとされる場合がある。
また、前記バッテリ状態の検知方法では、内部抵抗Rbが増加すればバッテリの劣化度が低下してバッテリが劣化していると推定している。しかし、実際にはバッテリの劣化時だけでなくバッテリの充電状態が低い場合にもバッテリの内部抵抗Rbは増加する。このため、バッテリの充電状態が低い場合は、バッテリの劣化診断は正確に行うことができないという問題がある。
また、前記バッテリ状態の検知方法では、内部抵抗Rbが増加すればバッテリの劣化度が低下してバッテリが劣化していると推定している。しかし、実際にはバッテリの劣化時だけでなくバッテリの充電状態が低い場合にもバッテリの内部抵抗Rbは増加する。このため、バッテリの充電状態が低い場合は、バッテリの劣化診断は正確に行うことができないという問題がある。
「最新電池ハンドブック」ダヴィット・リンデン編 朝倉書店p384
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、始動時にバッテリ劣化の診断だけでなく始動系システムの異常診断を行い、異常が発生した場合にその原因がバッテリ劣化であるか始動系システムの異常発生であるかを区別して始動時の異常検出が出来るようにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、第1の発明として、車両に搭載したバッテリと始動系システムとの接続回路に介設したバッテリ出力電圧と電流との測定手段と、
前記測定手段で、エンジン始動時に取得するバッテリ最大電圧降下時のバッテリ出力電圧(Vst)と電流値(Ist)とから前記始動系システムの抵抗値(Rs)を算出する抵抗値算出手段と、
予め記憶させた前記始動系システムの抵抗値の正常範囲より前記抵抗値算出手段で算出した抵抗値が外れると始動系システムが異常であるとする判定手段と、
を備えていることを特徴とする始動時異常検出装置を提供している。
前記測定手段で、エンジン始動時に取得するバッテリ最大電圧降下時のバッテリ出力電圧(Vst)と電流値(Ist)とから前記始動系システムの抵抗値(Rs)を算出する抵抗値算出手段と、
予め記憶させた前記始動系システムの抵抗値の正常範囲より前記抵抗値算出手段で算出した抵抗値が外れると始動系システムが異常であるとする判定手段と、
を備えていることを特徴とする始動時異常検出装置を提供している。
前記第1の発明の始動時異常検出装置は、始動時において、バッテリ側ではなく、始動系システム側が異常か否かを検出している。この検出は、バッテリと始動系システムとの接続回路に介設した測定手段でバッテリ出力電圧と電流とを測定するだけでよく、測定したバッテリ出力電圧と電流値から始動系システムの抵抗値を求め、この抵抗値を予め求めている始動系システムの抵抗値の正常範囲内か否かで、簡単かつ精度よく始動系システムの異常を検出できるものである。
また、第2の発明として、車両に搭載したバッテリと始動系システムとの接続回路に介設したバッテリ出力電圧と電流との測定手段と、
前記測定手段で、エンジン始動時に取得するバッテリ開放電圧(Vo)とバッテリ最大電圧降下時の電流値(Ist)、またはバッテリ開放電圧(Vo)とバッテリ最大電圧降下時の電圧値(Vst)からバッテリ健康度SOHを算出するSOH算出手段と、
予め記憶させたバッテリ健康度SOHの正常変動幅より前記SOH算出手段で取得したバッテリ健康度SOHの変動幅が大きいと始動系システムが異常であるとする判定手段と、 を備えていることを特徴とする始動時異常検出装置を提供している。
前記測定手段で、エンジン始動時に取得するバッテリ開放電圧(Vo)とバッテリ最大電圧降下時の電流値(Ist)、またはバッテリ開放電圧(Vo)とバッテリ最大電圧降下時の電圧値(Vst)からバッテリ健康度SOHを算出するSOH算出手段と、
予め記憶させたバッテリ健康度SOHの正常変動幅より前記SOH算出手段で取得したバッテリ健康度SOHの変動幅が大きいと始動系システムが異常であるとする判定手段と、 を備えていることを特徴とする始動時異常検出装置を提供している。
前記第2の発明の始動時異常検出装置は、第1の発明と同様に、バッテリと始動系システムとの接続回路に介設した測定手段でバッテリ開放電圧と電流、あるいは開放電圧と最大電圧降下時の出力電圧を測定するだけで、始動系システムの異常を検出できるようにしている。
第1の発明との相違点は、エンジン始動時のバッテリ健康度SOHの振動幅を測定し、予め記録しているバッテリ健康度の正常振動幅より大きい場合には始動系システムが異常であると検出している点である。
前記検出は、バッテリは年・月単位で徐々に劣化するものであり、急激に劣化することは殆どなく、バッテリ健康度SOHの振動幅は略一定範囲である。この変動幅を正常変動幅とすると、バッテリ健康度SOHが正常変動幅を超えて大きく変化した場合には、バッテリの劣化ではなく、始動系システムに異常が発生したと検出することができる。
第1の発明との相違点は、エンジン始動時のバッテリ健康度SOHの振動幅を測定し、予め記録しているバッテリ健康度の正常振動幅より大きい場合には始動系システムが異常であると検出している点である。
前記検出は、バッテリは年・月単位で徐々に劣化するものであり、急激に劣化することは殆どなく、バッテリ健康度SOHの振動幅は略一定範囲である。この変動幅を正常変動幅とすると、バッテリ健康度SOHが正常変動幅を超えて大きく変化した場合には、バッテリの劣化ではなく、始動系システムに異常が発生したと検出することができる。
さらに、第3の発明として、車両に搭載したバッテリと始動系システムとの接続回路に介設したバッテリ開放電圧と電流の測定手段と、
前記測定手段で、エンジン始動時に取得するバッテリ開放電圧(Vo)とバッテリ最大電圧降下時の電流値(Ist)からエンジン始動時におけるバッテリ健康度SOHを算出するSOH算出手段と、
予め記憶させた前記バッテリ健康度SOHの正常範囲より前記SOH算出手段で算出された健康度SOHが外れるとバッテリが劣化であるとする判定手段と、
を備えていることを特徴とする始動時異常検出装置を提供している。
前記測定手段で、エンジン始動時に取得するバッテリ開放電圧(Vo)とバッテリ最大電圧降下時の電流値(Ist)からエンジン始動時におけるバッテリ健康度SOHを算出するSOH算出手段と、
予め記憶させた前記バッテリ健康度SOHの正常範囲より前記SOH算出手段で算出された健康度SOHが外れるとバッテリが劣化であるとする判定手段と、
を備えていることを特徴とする始動時異常検出装置を提供している。
第3の発明は、第1、第2の発明と相違し、バッテリ側の劣化に起因する始動時の異常を検出している。
具体的には、第1、第2の発明と同様に、バッテリと始動系システムとの接続回路に介設した測定手段でバッテリ開放電圧とバッテリ最大電圧降下時の電流値とを測定し、この測定で、始動時の異常がバッテリの劣化によるものと検出できるようにしている。
この第3の発明では、バッテリが劣化してくると、バッテリの出力電圧が同一であっても流すことができる電流値が少なくなることに着目し、バッテリの開放電圧とバッテリ最大電圧降下時の電流値とバッテリの健康度SOHとの関係を予め求めておく。
始動時に測定したバッテリの開放電圧と電流値を前記関係に当てはめ、バッテリの健康度SOHを求める。バッテリの開放電圧、すなわちバッテリの充電状態に対する電流値の関係から健康度SOHを求めるので、充電状態が低い場合であっても電流値の大きさからバッテリの健康度SOH(言い換えれば、劣化度)を正確に求めることができる。
求めたバッテリの健康度SOHが、予め設定した健康度SOHの正常範囲を外れている場合には、バッテリが劣化により異常が生じたと検出できる。
具体的には、第1、第2の発明と同様に、バッテリと始動系システムとの接続回路に介設した測定手段でバッテリ開放電圧とバッテリ最大電圧降下時の電流値とを測定し、この測定で、始動時の異常がバッテリの劣化によるものと検出できるようにしている。
この第3の発明では、バッテリが劣化してくると、バッテリの出力電圧が同一であっても流すことができる電流値が少なくなることに着目し、バッテリの開放電圧とバッテリ最大電圧降下時の電流値とバッテリの健康度SOHとの関係を予め求めておく。
始動時に測定したバッテリの開放電圧と電流値を前記関係に当てはめ、バッテリの健康度SOHを求める。バッテリの開放電圧、すなわちバッテリの充電状態に対する電流値の関係から健康度SOHを求めるので、充電状態が低い場合であっても電流値の大きさからバッテリの健康度SOH(言い換えれば、劣化度)を正確に求めることができる。
求めたバッテリの健康度SOHが、予め設定した健康度SOHの正常範囲を外れている場合には、バッテリが劣化により異常が生じたと検出できる。
さらに、第4の発明として、請求項1または請求項2に記載の始動時異常検出装置と、請求項3に記載の始動時異常検出装置を備え、
前記始動系システムの異常とバッテリの劣化の両方を検出して、始動時異常原因が始動系システム異常あるいは/およびバッテリ劣化かを判別できる構成としている始動時異常検出装置を提供している。
前記始動系システムの異常とバッテリの劣化の両方を検出して、始動時異常原因が始動系システム異常あるいは/およびバッテリ劣化かを判別できる構成としている始動時異常検出装置を提供している。
前記始動時異常検出装置では、エンジン始動時において、バッテリと始動系システムの両方の異常検出を行うことができ、異常の原因を、バッテリ側か始動系システム側かを区別して求めることができ、異常に対する適切な対応を行うことができる。
かつ、バッテリと始動システムの両方の異常検出が、バッテリと始動系システムとの接続回路に介設した電圧と電流の測定手段で測定すれば良いだけであるため、簡単かつコストをかけずに実施することができる。
かつ、バッテリと始動システムの両方の異常検出が、バッテリと始動系システムとの接続回路に介設した電圧と電流の測定手段で測定すれば良いだけであるため、簡単かつコストをかけずに実施することができる。
前述したように、第1の発明によれば、始動系システムの抵抗値を算出し、始動系システムの抵抗値が正常範囲外にある場合に始動系システムに異常があると検出する構成としているため、始動時において始動系システムの異常を検出することができる。
また、第2の発明によれば、バッテリ健康度SOHの変動幅が正常変動幅よりも大きい場合には、バッテリの劣化ではなく、始動系システムに異常が生じたと検出することができる。
さらに、第3の発明によれば、バッテリの開放電圧、すなわちバッテリの充電状態に対する電流値の関係から健康度SOHを求めるので、充電状態が低い場合であってもバッテリの健康度SOH(言い換えれば、劣化度)を正確に求めることができる。求めたバッテリの健康度SOHが予め設定した健康度SOHの正常範囲を外れている場合には、始動時の異常がバッテリの劣化であると検出することができる。
さらに、エンジン始動時にバッテリの劣化検出と始動系システムの異常検出の両方を行うことで、始動時に異常が発生した場合にその原因がバッテリ劣化であるか始動系システムの異常発生であるかを区別して始動時の異常原因を検出することができる。
図1は第一実施形態である始動時異常検出装置100を示す。
バッテリ1はイグニッションスイッチ2に接続され、イグニッションスイッチ2のオン端子2aはスタータ3に接続されている。バッテリ1は12Vの鉛電池としている。スタータ3はエンジン4に駆動力を伝達しエンジン4を始動させるセルモータ等であり、エンジン4の回転軸(図示せず)に接続されている。エンジン4は発電機5に接続され、発電機5はバッテリ1に接続されている。発電機5はエンジン4が回転すると動作し、発電機5の電力がバッテリ1に供給され、バッテリ1が発電機5により充電される。
前記イグニッションスイッチ2、スタータ3、エンジン4、発電機5、これらを接続するワイヤハーネス等の自動車を始動させるために必要な要素が始動系システムである。
バッテリ1はイグニッションスイッチ2に接続され、イグニッションスイッチ2のオン端子2aはスタータ3に接続されている。バッテリ1は12Vの鉛電池としている。スタータ3はエンジン4に駆動力を伝達しエンジン4を始動させるセルモータ等であり、エンジン4の回転軸(図示せず)に接続されている。エンジン4は発電機5に接続され、発電機5はバッテリ1に接続されている。発電機5はエンジン4が回転すると動作し、発電機5の電力がバッテリ1に供給され、バッテリ1が発電機5により充電される。
前記イグニッションスイッチ2、スタータ3、エンジン4、発電機5、これらを接続するワイヤハーネス等の自動車を始動させるために必要な要素が始動系システムである。
本発明では、バッテリ1と始動系システムのイグニッションスイッチ2の間に、測定手段を構成する電流センサ6と電圧センサ7を取り付け、バッテリの電流値、電圧値を測定している。電流センサ6と電圧センサ7からの測定値を異常検出部20に送信している。
前記異常検出部20は、抵抗値算出手段を構成する演算手段22と、始動系システム異常判定手段を構成する判定手段23、記憶手段24を備えた処理部21を備え、表示部25と接続している。
前記電流センサ6と電圧センサ7からの測定値は処理部21の演算手段22に送信され、演算手段22は前記検出値から始動系システムの抵抗値Rsを求める。判定手段23は、演算手段22と記憶手段24に接続され、演算手段22からの抵抗値を受け取ると同時に記憶手段24に記憶した値を読み込み、始動系システムの異常を判定する。処理部21に接続した表示部25は始動系システムの異常検出時に異常表示するものである。
次に、構成した異常検出部による異常検出方法について説明する。
まず、自動車のエンジン始動時におけるバッテリ1の電圧と電流の関係を図2に基づいて説明する。
始動直前にバッテリは無負荷であるので、バッテリの電圧は開放電圧の値を示す。イグニッションスイッチ2をオンとして始動させると、バッテリ1から接続した始動系システムに電圧が印加される。このとき、始動系システムにかかる電圧はバッテリの内部抵抗により電圧降下が生じるため、バッテリの開放電圧よりも少なくなる。
始動時において、バッテリの電圧降下が最大である時のバッテリの出力電圧値、すなわち始動系システムにかかる電圧の最小値を下限電圧Vstと称し、この時の電流値を突入電流Istと称する。
まず、自動車のエンジン始動時におけるバッテリ1の電圧と電流の関係を図2に基づいて説明する。
始動直前にバッテリは無負荷であるので、バッテリの電圧は開放電圧の値を示す。イグニッションスイッチ2をオンとして始動させると、バッテリ1から接続した始動系システムに電圧が印加される。このとき、始動系システムにかかる電圧はバッテリの内部抵抗により電圧降下が生じるため、バッテリの開放電圧よりも少なくなる。
始動時において、バッテリの電圧降下が最大である時のバッテリの出力電圧値、すなわち始動系システムにかかる電圧の最小値を下限電圧Vstと称し、この時の電流値を突入電流Istと称する。
始動時において、電流センサ6と電圧センサ7は始動系システムの電圧値と電流値を測定し、演算手段22に測定値を入力する。演算手段22では、入力された測定値から下限電圧Vstと突入電流Istを用いて、始動系システムの抵抗値Rsを下式(1)で求める。
Rs=Vst/Ist ・・・(1)
前記始動系システムの抵抗値Rsは自動車の始動毎に算出する。抵抗値Rsは始動系システムを構成するスタータ3、エンジン4、発電機5、ワイヤハーネスなどに依存するため、始動毎に算出する抵抗値Rsは、通常は所定の範囲内で一定の値を示す。
Rs=Vst/Ist ・・・(1)
前記始動系システムの抵抗値Rsは自動車の始動毎に算出する。抵抗値Rsは始動系システムを構成するスタータ3、エンジン4、発電機5、ワイヤハーネスなどに依存するため、始動毎に算出する抵抗値Rsは、通常は所定の範囲内で一定の値を示す。
しかし、始動系システムに異常が発生した場合には、始動系システムの抵抗値Rsに変化が生じると認められる。そこで、判定手段23において、算出した抵抗値Rsを予め設定した正常範囲と比較し、抵抗値Rsが正常範囲を外れる場合は始動系システムの異常であると判定する。
また、始動毎に算出した抵抗値Rsを記憶手段24に記憶しておき、記憶された抵抗値Rsの平均値と算出した抵抗値Rsを比較し、その差が所定の範囲を超えた場合には始動系システムの異常であると判定してもよい。
例えば、算出した抵抗値Rsが平均値よりも20パーセント以上大きい又は小さい場合は、始動系システムに異常が発生したと判定してもよい。
処理部21は、始動系システムに異常があったと検出した場合は、表示部25に始動系システムが異常であることを表示させる。
例えば、算出した抵抗値Rsが平均値よりも20パーセント以上大きい又は小さい場合は、始動系システムに異常が発生したと判定してもよい。
処理部21は、始動系システムに異常があったと検出した場合は、表示部25に始動系システムが異常であることを表示させる。
図3に異常検出部20の動作のフローチャートを示す。
ステップS1では、始動時の最大電圧降下時の電圧Vst、突入電流Istを測定する。 ステップS2では、ステップS1で求めた電圧値Vstと電流値Istから始動系システムの抵抗値Rsを算出する。
ステップS3では、前記第一実施形態の始動系システムの異常判定を行う。即ち、始動系システムの抵抗値Rsを求め、Rsが所定の範囲内にあるか否かを判定する。Rsが所定の範囲内にない場合には始動系システムの抵抗値Rsに大きな変化があったので始動系システムの異常であると判定して、ステップS4に進む。Rsが所定の範囲内にある場合には、始動系システムに異常はないものとして、動作を終了する。
ステップS4では、始動系システムの異常を表示部25に表示する。
このような動作により、始動系システムに故障等による異常が発生していることを検出することができる。
ステップS1では、始動時の最大電圧降下時の電圧Vst、突入電流Istを測定する。 ステップS2では、ステップS1で求めた電圧値Vstと電流値Istから始動系システムの抵抗値Rsを算出する。
ステップS3では、前記第一実施形態の始動系システムの異常判定を行う。即ち、始動系システムの抵抗値Rsを求め、Rsが所定の範囲内にあるか否かを判定する。Rsが所定の範囲内にない場合には始動系システムの抵抗値Rsに大きな変化があったので始動系システムの異常であると判定して、ステップS4に進む。Rsが所定の範囲内にある場合には、始動系システムに異常はないものとして、動作を終了する。
ステップS4では、始動系システムの異常を表示部25に表示する。
このような動作により、始動系システムに故障等による異常が発生していることを検出することができる。
次に、本発明の第二実施形態を示す。
第一実施形態との相違点は、異常検出部20の演算手段22がSOH算出手段を構成する点と、判定手段23において、バッテリの健康度SOH(言い換えれば劣化度)の振動幅を検出し、振動幅が正常変動値より大きいと始動系システムが異常であると検出する点であり、他の構成は第一実施形態と同様であるため、図示を省略する。
第一実施形態との相違点は、異常検出部20の演算手段22がSOH算出手段を構成する点と、判定手段23において、バッテリの健康度SOH(言い換えれば劣化度)の振動幅を検出し、振動幅が正常変動値より大きいと始動系システムが異常であると検出する点であり、他の構成は第一実施形態と同様であるため、図示を省略する。
バッテリは月、年の単位で徐々に劣化するものであり、急激に劣化することは殆どない。そこで、始動時毎にバッテリの健康度SOH(言い換えれば劣化度)を測定し、記憶手段24に記憶しておく。始動時における劣化度が前回の始動時の劣化度と比較して急激に変化した場合、バッテリが急激に劣化したと判断するのではなく、始動系システムの抵抗値Rsが変化した、即ち、始動系システムに故障等により異常が発生したと検出している。
バッテリの健康度SOHの求め方について以下に説明する。
バッテリが劣化してくると、バッテリが出力する電圧が同じであっても、流すことのできる電流値は少なくなることに着目し、新品のバッテリの充電毎における開放電圧Voとバッテリ最大電圧降下時の電流値Ist(突入電流)とからバッテリの健康度SOHの関係を予め求めておく。測定したバッテリの開放電圧と電流値を前記関係に当てはめ、バッテリの健康度SOH(言い換えれば、劣化度)を求める。バッテリの開放電圧、即ち、バッテリの充電状態に対する電流値の関係から健康度SOHを求めているため、充電状態が低い場合であってもバッテリの健康度SOHを正確に求めることができる。求めたバッテリの健康度SOHが予め設定した健康度SOHの正常範囲を外れている場合には、バッテリの劣化による異常であるとして検出している。
バッテリが劣化してくると、バッテリが出力する電圧が同じであっても、流すことのできる電流値は少なくなることに着目し、新品のバッテリの充電毎における開放電圧Voとバッテリ最大電圧降下時の電流値Ist(突入電流)とからバッテリの健康度SOHの関係を予め求めておく。測定したバッテリの開放電圧と電流値を前記関係に当てはめ、バッテリの健康度SOH(言い換えれば、劣化度)を求める。バッテリの開放電圧、即ち、バッテリの充電状態に対する電流値の関係から健康度SOHを求めているため、充電状態が低い場合であってもバッテリの健康度SOHを正確に求めることができる。求めたバッテリの健康度SOHが予め設定した健康度SOHの正常範囲を外れている場合には、バッテリの劣化による異常であるとして検出している。
図4に開放電圧Voと突入電流Istとバッテリ健康度SOHの関係を表したグラフを示す。
このグラフの、開放電圧Vo、突入電流Ist、バッテリ健康度SOHの関係は下式(2)として求められる。ただし、Vo1を測定した開放電圧、Ist1を測定したバッテリ最大電圧降下時の電流値、Vomをバッテリの定格電圧とする。
SOH=(Vom−Vo1)/(Vom−Vos)・・・・式(2)
ただし、Vos=f(Ist1)
このグラフの、開放電圧Vo、突入電流Ist、バッテリ健康度SOHの関係は下式(2)として求められる。ただし、Vo1を測定した開放電圧、Ist1を測定したバッテリ最大電圧降下時の電流値、Vomをバッテリの定格電圧とする。
SOH=(Vom−Vo1)/(Vom−Vos)・・・・式(2)
ただし、Vos=f(Ist1)
前記グラフにおいて、劣化したバッテリと劣化していないバッテリを比べると、バッテリの開放電圧が同じ場合、すなわちバッテリの充電状態を表すSOC(State of Charge)が同じ場合、劣化していないバッテリは、劣化したバッテリに比べて電流をより多く流す。よって、電流値が小さいほどバッテリは劣化しており、電流値が大きくなるとバッテリは健康であると見なすことができる。従って、測定した開放電圧Vstと突入電流Istの値を図4の関係にあてはめ、バッテリの劣化度を求めることができる。
電流センサ6と電圧センサ7は始動系システムの電圧値と電流値を測定し、演算手段22に測定値を入力する。演算手段22では、入力された測定値から開放電圧Voと突入電流Istを用い、予め記憶手段24に記憶させた図4のグラフに示す式(2)からバッテリ健康度SOH(バッテリ劣化度)を読み取る。
図5は時間の経過に対するバッテリの劣化度の変化を示す。
図5において、横軸の時間は、月、年の長期タームの時間であり、この長期期間にわたり始動時毎に測定したバッテリ劣化度を傾向線Lで示している。時間toから時間t1までの線L1で示すようにバッテリは徐々に一定率で劣化している。
始動時t1でバッテリ劣化度がL2に示すように、急激に低下した場合、バッテリ自体の劣化度は前記傾向線L1に連続する点線の傾向線L1’となるはずであるため、t1における急激なバッテリ劣化は、バッテリ自体の劣化であるとは判定せずに、始動系システムに異常が発生したと判定する。
図5において、横軸の時間は、月、年の長期タームの時間であり、この長期期間にわたり始動時毎に測定したバッテリ劣化度を傾向線Lで示している。時間toから時間t1までの線L1で示すようにバッテリは徐々に一定率で劣化している。
始動時t1でバッテリ劣化度がL2に示すように、急激に低下した場合、バッテリ自体の劣化度は前記傾向線L1に連続する点線の傾向線L1’となるはずであるため、t1における急激なバッテリ劣化は、バッテリ自体の劣化であるとは判定せずに、始動系システムに異常が発生したと判定する。
例えば、劣化度の測定精度が±10%程度の場合は、マージンを含めて±20%以上劣化度が変化すれば、始動系システムの異常と判断する。
図6に前記第二実施形態の異常検出部20の動作のフローチャートを示す。
ステップS1では、開放電圧Vo、突入電流Istを測定している。
ステップS2では、前述した方法で健康度SOHを求める。
ステップS3は、始動系システム異常診断を行っている。時間経過に対するバッテリ健康度SOH(言い換えると劣化度)の変化を測定し、SOHの変化が一定の範囲以上であるか否かを判断している。SOHの変化が一定の範囲以上に大きい場合は始動系システムの異常と判定し、ステップS4に進む。SOHの変化が一定の範囲内であるときは、始動系システムは正常であるとして、動作を終了する。
ステップS4では始動系システムの故障を表示部25に表示する。
上記動作により、始動系システムの故障を診断できる。
ステップS1では、開放電圧Vo、突入電流Istを測定している。
ステップS2では、前述した方法で健康度SOHを求める。
ステップS3は、始動系システム異常診断を行っている。時間経過に対するバッテリ健康度SOH(言い換えると劣化度)の変化を測定し、SOHの変化が一定の範囲以上であるか否かを判断している。SOHの変化が一定の範囲以上に大きい場合は始動系システムの異常と判定し、ステップS4に進む。SOHの変化が一定の範囲内であるときは、始動系システムは正常であるとして、動作を終了する。
ステップS4では始動系システムの故障を表示部25に表示する。
上記動作により、始動系システムの故障を診断できる。
なお、第二実施形態では劣化度を図4により求めているが、始動系システムの抵抗値Rsを一定として開放電圧Voと始動時のバッテリの最大電圧降下時の電圧である下限電圧Vstからバッテリの内部抵抗Rbを求め、内部抵抗Rbと劣化度が比例関係にあるものとして劣化度を求めてもよい。劣化度が急激に変化する場合には、バッテリが劣化したのではなく始動系システムの異常であると考えることができる。
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
第一実施形態との相違点は、異常検出部20の演算手段22はSOH算出手段を構成する点と、判定手段23において、バッテリの健康度SOH(言い換えれば劣化度)が正常値より外れているとバッテリが異常であると判定している点である。
第一実施形態との相違点は、異常検出部20の演算手段22はSOH算出手段を構成する点と、判定手段23において、バッテリの健康度SOH(言い換えれば劣化度)が正常値より外れているとバッテリが異常であると判定している点である。
上述したように、始動時に開放電圧Voと突入電流Istを測定し開放電圧とバッテリ最大電圧降下時の電流値とバッテリの健康度SOH(劣化度)との関係にあてはめることで、バッテリの健康度SOHを求める。
バッテリの健康度SOHが予め設定した正常範囲の外にあれば、バッテリは劣化しており、異常であると判断する。
例えば、劣化度が50%以下であれば劣化と診断すると規定すると、判定手段23において、劣化度が50%以下になった場合にバッテリは劣化しているものと判断して、表示部25にバッテリ劣化の表示を行う。
バッテリの健康度SOHが予め設定した正常範囲の外にあれば、バッテリは劣化しており、異常であると判断する。
例えば、劣化度が50%以下であれば劣化と診断すると規定すると、判定手段23において、劣化度が50%以下になった場合にバッテリは劣化しているものと判断して、表示部25にバッテリ劣化の表示を行う。
図7に第三実施形態の異常検出部20の動作のフローチャートを示す。
ステップS1では、開放電圧Vo、突入電流Istを測定している。
ステップS2では、第二実施形態で示した健康度SOHの求め方により健康度SOHを求めている。
ステップS3は、第三実施形態で示したバッテリ異常診断を行っている。バッテリの開放電圧Voと突入電流Istを測定し図4に示すようなグラフからバッテリの異常診断を行う。バッテリ健康度SOH(言い換えると劣化度)と予め設定した正常範囲を比較し、バッテリ健康度SOH(言い換えると劣化度)が正常範囲にある場合は、バッテリは劣化していないものとして始動時異常診断は終了する。バッテリ健康度SOH(言い換えると劣化度)が正常範囲の外にある場合は、バッテリが劣化していると判断しS4に進む。
ステップS4ではバッテリの劣化を表示部25に表示する。
ステップS1では、開放電圧Vo、突入電流Istを測定している。
ステップS2では、第二実施形態で示した健康度SOHの求め方により健康度SOHを求めている。
ステップS3は、第三実施形態で示したバッテリ異常診断を行っている。バッテリの開放電圧Voと突入電流Istを測定し図4に示すようなグラフからバッテリの異常診断を行う。バッテリ健康度SOH(言い換えると劣化度)と予め設定した正常範囲を比較し、バッテリ健康度SOH(言い換えると劣化度)が正常範囲にある場合は、バッテリは劣化していないものとして始動時異常診断は終了する。バッテリ健康度SOH(言い換えると劣化度)が正常範囲の外にある場合は、バッテリが劣化していると判断しS4に進む。
ステップS4ではバッテリの劣化を表示部25に表示する。
次に、本発明の第四実施形態を説明する。
第一実施形態との相違点は、異常検出部20の演算手段22は抵抗値算出手段とSOH算出手段の両方を構成し、判定手段23においては始動システム異常検出とバッテリ異常検出の両方の検出を行う点である。
即ち、第四実施形態は、第一実施形態で述べた始動系システムの抵抗値Rsの値を算出することによる始動系システム異常検出と、第二実施形態で述べたバッテリの劣化度の急激な変化を検出することによる始動系システム異常検出と、第三実施形態で述べたバッテリ異常診検出の全てを行っている。
それぞれの異常検出方法は、前記第一〜第三実施形態で述べた方法と同じである。
第一実施形態との相違点は、異常検出部20の演算手段22は抵抗値算出手段とSOH算出手段の両方を構成し、判定手段23においては始動システム異常検出とバッテリ異常検出の両方の検出を行う点である。
即ち、第四実施形態は、第一実施形態で述べた始動系システムの抵抗値Rsの値を算出することによる始動系システム異常検出と、第二実施形態で述べたバッテリの劣化度の急激な変化を検出することによる始動系システム異常検出と、第三実施形態で述べたバッテリ異常診検出の全てを行っている。
それぞれの異常検出方法は、前記第一〜第三実施形態で述べた方法と同じである。
図8に第四実施形態の異常検出部20の動作のフローチャートを示す。
ステップS1では、開放電圧Vo、始動時の最大電圧降下時の電圧Vst、突入電流Istを測定する。
ステップS2では、ステップS1で求めた電圧値と電流値から始動系システムの抵抗値Rsを算出する。
ステップS3では、第一実施形態と同様に始動系システムの異常判定を行う。即ち、始動系システムの抵抗値Rsを求め、Rsが所定の範囲内にあるか否かを判定する。Rsが所定の範囲内にない場合には始動系システムの抵抗値Rsに大きな変化があったので始動系システムの異常であると検出し、ステップS7に進む。Rsが所定の範囲内にある場合には、ステップS4に進む。
ステップS1では、開放電圧Vo、始動時の最大電圧降下時の電圧Vst、突入電流Istを測定する。
ステップS2では、ステップS1で求めた電圧値と電流値から始動系システムの抵抗値Rsを算出する。
ステップS3では、第一実施形態と同様に始動系システムの異常判定を行う。即ち、始動系システムの抵抗値Rsを求め、Rsが所定の範囲内にあるか否かを判定する。Rsが所定の範囲内にない場合には始動系システムの抵抗値Rsに大きな変化があったので始動系システムの異常であると検出し、ステップS7に進む。Rsが所定の範囲内にある場合には、ステップS4に進む。
ステップS4では、第二実施形態と同様な健康度SOHの求め方により健康度SOHを求める。
ステップS5は、第二実施形態と同様な始動系システムの異常判定を行う。即ち、時間経過に対するバッテリ健康度SOH(言い換えると劣化度)の変化を測定し、SOHの変化が一定の範囲以上であるか否かを判定する。SOHの変化が一定の範囲以上に大きい場合は始動系システムに異常があると検出し、ステップS7に進む。SOHの変化が一定の範囲内であるときは、ステップS6に進む。
ステップS5は、第二実施形態と同様な始動系システムの異常判定を行う。即ち、時間経過に対するバッテリ健康度SOH(言い換えると劣化度)の変化を測定し、SOHの変化が一定の範囲以上であるか否かを判定する。SOHの変化が一定の範囲以上に大きい場合は始動系システムに異常があると検出し、ステップS7に進む。SOHの変化が一定の範囲内であるときは、ステップS6に進む。
ステップS6は、第三実施形態と同様なバッテリの異常判定を行う。即ち、バッテリの開放電圧Voと突入電流Istを測定し、図3に示すグラフからバッテリの異常判定を行う。バッテリ健康度SOHの変動幅と予め設定した正常変動幅を比較し、バッテリ健康度SOHが正常であると判定した場合は、バッテリは劣化していないものとして、始動系システムの異常であると検出し、ステップS7へ進んで、始動系システムの故障を表示部25で表示する。一方、バッテリ健康度SOHの変動幅が正常変動幅より大きい場合には、バッテリが劣化していると判定してステップS8に進み、ステップS8でバッテリの劣化を表示部25に表示する。
上記のような動作を行うことで、始動系システムの異常であるか、バッテリの劣化であるかを区別して始動時の異常検出を行うことができる。
上記のような動作を行うことで、始動系システムの異常であるか、バッテリの劣化であるかを区別して始動時の異常検出を行うことができる。
図9に第四実施形態の第一変形例のフローチャートを示す。
図9に示す変形例では、第四実施形態のうちステップS5を省略している。
第四実施形態の動作と比べてステップS5を省略しているので精度は落ちるが、より簡易に始動系システムの異常検出とバッテリ劣化の検出を行うことができる。
図9に示す変形例では、第四実施形態のうちステップS5を省略している。
第四実施形態の動作と比べてステップS5を省略しているので精度は落ちるが、より簡易に始動系システムの異常検出とバッテリ劣化の検出を行うことができる。
図10は第四実施形態の第二変形例のフローチャートを示す。
図10に示すように、第四実施形態のうち始動系システムの抵抗値Rsを用いて始動系システムの異常検出を行うステップS2とステップS3を省略したものである。第四実施形態と比べてより簡易に始動系システムの異常検出とバッテリ劣化の検出を行うことができる。
図10に示すように、第四実施形態のうち始動系システムの抵抗値Rsを用いて始動系システムの異常検出を行うステップS2とステップS3を省略したものである。第四実施形態と比べてより簡易に始動系システムの異常検出とバッテリ劣化の検出を行うことができる。
1 バッテリ
2 イグニッションスイッチ
3 スタータ
4 エンジン
5 発電機
6 電流センサ
7 電圧センサ
20 異常検出部
21 処理部
22 演算手段
23 判定手段
24 記憶手段
25 表示部
2 イグニッションスイッチ
3 スタータ
4 エンジン
5 発電機
6 電流センサ
7 電圧センサ
20 異常検出部
21 処理部
22 演算手段
23 判定手段
24 記憶手段
25 表示部
Claims (5)
- 車両に搭載したバッテリと始動系システムとの接続回路に介設したバッテリ出力電圧と電流との測定手段と、
前記測定手段で、エンジン始動時に取得するバッテリ最大電圧降下時のバッテリ出力電圧(Vst)と電流値(Ist)とから前記始動系システムの抵抗値(Rs)を算出する抵抗値算出手段と、
予め記憶させた前記始動系システムの抵抗値の正常範囲より前記抵抗値算出手段で算出した抵抗値が外れると始動系システムが異常であるとする判定手段と、
を備えていることを特徴とする始動時異常検出装置。 - 車両に搭載したバッテリと始動系システムとの接続回路に介設したバッテリ出力電圧と電流との測定手段と、
前記測定手段で、エンジン始動時に取得するバッテリ開放電圧(Vo)とバッテリ最大電圧降下時の電流値(Ist)、またはバッテリ開放電圧(Vo)とバッテリ最大電圧降下時の電圧値(Vst)からバッテリ健康度SOHを算出するSOH算出手段と、
予め記憶させたバッテリ健康度SOHの正常変動幅より前記SOH算出手段で取得したバッテリ健康度SOHの変動幅が大きいと始動系システムが異常であるとする判定手段と、
を備えていることを特徴とする始動時異常検出装置。 - 車両に搭載したバッテリと始動系システムとの接続回路に介設したバッテリ開放電圧と電流の測定手段と、
前記測定手段で、エンジン始動時に取得するバッテリ開放電圧(Vo)とバッテリ最大電圧降下時の電流値(Ist)からエンジン始動時におけるバッテリ健康度SOHを算出するSOH算出手段と、
予め記憶させた前記バッテリ健康度SOHの正常範囲より前記SOH算出手段で算出された健康度SOHが外れるとバッテリが劣化であるとする判定手段と、
を備えていることを特徴とする始動時異常検出装置。 - 請求項1または請求項2に記載の始動時異常検出装置と、請求項3に記載の始動時異常検出装置を備え、
前記始動系システムの異常とバッテリの劣化の両方を検出して、始動時異常原因が始動系システム異常あるいは/およびバッテリ劣化かを判別できる構成としている始動時異常検出装置。 - 前記始動系システムは、スタータ、エンジン、発電機、これらを接続するワイヤハーネスを含むエンジンを始動させるために必要な要素からなる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の始動時異常検出装置。
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---|---|---|---|---|
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-
2006
- 2006-04-14 JP JP2006111616A patent/JP2007285172A/ja not_active Withdrawn
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