JP2007284773A - ダイヤモンドの合成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱フィラメントCVD法において、フィラメント群の配置の最適化により基材温度の一様性を満足させることによって膜厚、膜質が均一な大面積ダイヤモンド膜の成膜を実現すること。
【解決の手段】基材に対向して配置され、各々がおおむね平行に配置された、1800℃以上に加熱された金属フィラメント群の表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、金属フィラメント群の中央部のフィラメント−フィラメント間隔又はフィラメント−基材間隔を、フィラメント群端部のフィラメント−フィラメント間隔又はフィラメント−基材間隔よりも広くすることによって基材表面の温度が均一になるようにしたダイヤモンドの合成方法。
【選択図】なし
【解決の手段】基材に対向して配置され、各々がおおむね平行に配置された、1800℃以上に加熱された金属フィラメント群の表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、金属フィラメント群の中央部のフィラメント−フィラメント間隔又はフィラメント−基材間隔を、フィラメント群端部のフィラメント−フィラメント間隔又はフィラメント−基材間隔よりも広くすることによって基材表面の温度が均一になるようにしたダイヤモンドの合成方法。
【選択図】なし
Description
本発明は気相法ダイヤモンドの合成法に関し、より詳しくは、熱フィラメントCVD法による大面積のダイヤモンドの合成方法に関するものである。
ダイヤモンドの化学蒸着法(以後は「CVD法」と呼ぶことがある)は、1982年の松本等(非特許文献1)のフィラメントCVD法の研究以来活発な開発が進められ、種々の手法が検討されている。この方法は炭化水素、アルコール、アセトン等の炭素化合物ガスを原料ガスとし、これに水素ガスを混合し、この混合ガスを励起手段を用いて分解励起してダイヤモンドを合成するものである。現在、ガスの励起方法としては様々な方法が提案されており、大別すると加熱フィラメントを用いる方法とマイクロ波等により励起したプラズマを用いる方法とがあり、その他特殊なものとして、火炎法、紫外線放射併用法などがある。そして、これらの励起手段により、前記混合ガスを分解励起し、基材などの上にダイヤモンドを析出させることができる。また、原料ガスに水蒸気、酸素、一酸化炭素などを添加する方法や半導体ダイヤモンド、導電性ダイヤモンドを得るために硼素や隣などを含むドーパントガスを添加する方法も知られている。
一般的に、経済性の観点から、大面積のダイヤモンドを成長することが好ましいが、多数のダイヤモンド気相合成法の中で、熱フィラメントCVD法(非特許文献1参照)は、大面積化が比較的容易な方法と考えられている。この方法は通常、少なくとも1800℃に加熱された1本以上のフィラメントによって導入ガスを励起するものであるが、単純に長尺のフィラメントを複数本設置することで、ガスを励起する領域が拡大できるためダイヤモンドが成長する領域を広げることができ、たとえば、特許文献1には複数の金属フィラメントを1平面を形成するように設置するCVD法が示されている。
しかしながら、フィラメント温度が1800℃以上の高温であるのに対して、好ましい基材温度は一般的に800〜1000℃の範囲内である。これは、基材温度が1000℃を超えるとダイヤモンドよりむしろ非ダイヤモンド成分が成長しやすくなり、また、800℃未満であるとCVD成長速度が小さくなるからである。
しかしながら、フィラメント温度が1800℃以上の高温であるのに対して、好ましい基材温度は一般的に800〜1000℃の範囲内である。これは、基材温度が1000℃を超えるとダイヤモンドよりむしろ非ダイヤモンド成分が成長しやすくなり、また、800℃未満であるとCVD成長速度が小さくなるからである。
上記のように、大面積のダイヤモンドの成長を行う場合、フィラメント群によってガスを励起する方法が好ましいが、この方法は成長面積の拡大が得られる反面、問題点をもたらすことがある。その1つは、フィラメント群によって基材が好適な温度範囲よりも高い温度に過加熱されることであり、この過加熱を防いで基体を好適な範囲内の温度に保つために直接あるいは間接に水冷放熱体によって冷却する必要がある。
もう1つの問題点は基材の表面温度のばらつきが大きいことである。すなわち、フィラメント群によって加熱を行うと、基材の中心付近は高温となり、周辺部は低くなる傾向があるため、膜厚と膜質の均一性が維持できず、大面積に成長させることができても、膜厚と膜質の均一性が問題となる。
もう1つの問題点は基材の表面温度のばらつきが大きいことである。すなわち、フィラメント群によって加熱を行うと、基材の中心付近は高温となり、周辺部は低くなる傾向があるため、膜厚と膜質の均一性が維持できず、大面積に成長させることができても、膜厚と膜質の均一性が問題となる。
また、基材温度の均一化のために基材の下に高熱伝導率材料(ヒートスプレッダ)を設置する(特許文献1、2)ことで基材温度は比較的均一にはなる。しかしながら、基材下のヒートスプレッダの内部温度が一定となったとしても、高温のフィラメントからの輻射により基材に流入する熱量に差があると、基材表面に温度差が生じることは避けられないため、膜厚と膜質の分布は避けられなかった。
松本精一郎他:Jpn. J. Appl. Phys.; 21, 1982, L183
米国特許第4953499号明細書
特開平7−278813号公報
本発明の目的は、フィラメント群の配置の最適化により基材温度の一様性を満足させることによって膜厚、膜質が均一な大面積ダイヤモンド膜の成膜を実現することにある。
本発明者らは、導入ガスを励起する高温に加熱された金属フィラメントあるいはメッシュの配置を、基材の端部において中央部より密にするか、あるいは基材との距離を近くすることにより均一な膜厚、膜質が達成できることを見いだした。
すなわち、本発明は以下に記載する通りのダイヤモンドの合成方法である。
すなわち、本発明は以下に記載する通りのダイヤモンドの合成方法である。
(1)基材に対向して配置され、各々がおおむね平行に配置された、1800℃以上に加熱された金属フィラメント群の表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、金属フィラメント群の中央部付近のフィラメント−フィラメント間隔を、フィラメント群端部付近のフィラメント−フィラメント間隔よりも広くすることによって基材表面の温度が均一になるようにすることを特徴とするダイヤモンドの合成方法。
(2)基材に対向して配置され、各々がおおむね平行に配置された、1800℃以上に加熱された金属フィラメント群の表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、金属フィラメント群の中央部のフィラメント−基材間隔を、フィラメント群端部付近フィラメント−基材間隔よりも広くすることによって基材表面の温度が均一になるようにすることを特徴とするダイヤモンドの合成方法。
(3)基材に対向して配置され、1800℃以上に加熱された金属メッシュの表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、メッシュ中央部付近のメッシュ密度を、メッシュ端部のメッシュ密度よりも小さくすることによって基材表面の温度が均一になるようにすることを特徴とするダイヤモンドの合成方法。
(4)基材に対向して配置され、1800℃以上に加熱された金属メッシュの表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、メッシュ中央部のメッシュ−基材間隔を、メッシュ端部のメッシュ−基材間隔よりも広くすることによって基材表面の温度が均一になるようにすることを特徴とするダイヤモンドの合成方法。
(5)ダイヤモンド合成の際の圧力を70Torr以下とすることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のダイヤモンドの合成方法。
(2)基材に対向して配置され、各々がおおむね平行に配置された、1800℃以上に加熱された金属フィラメント群の表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、金属フィラメント群の中央部のフィラメント−基材間隔を、フィラメント群端部付近フィラメント−基材間隔よりも広くすることによって基材表面の温度が均一になるようにすることを特徴とするダイヤモンドの合成方法。
(3)基材に対向して配置され、1800℃以上に加熱された金属メッシュの表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、メッシュ中央部付近のメッシュ密度を、メッシュ端部のメッシュ密度よりも小さくすることによって基材表面の温度が均一になるようにすることを特徴とするダイヤモンドの合成方法。
(4)基材に対向して配置され、1800℃以上に加熱された金属メッシュの表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、メッシュ中央部のメッシュ−基材間隔を、メッシュ端部のメッシュ−基材間隔よりも広くすることによって基材表面の温度が均一になるようにすることを特徴とするダイヤモンドの合成方法。
(5)ダイヤモンド合成の際の圧力を70Torr以下とすることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のダイヤモンドの合成方法。
上記のとおりに、フィラメント配置を設定することにより、基材表面が受けるフィラメントからの輻射熱を一定化させることができ、その結果、基材の表面温度をより均一にすることが可能となる。さらに、ダイヤモンド合成の際の圧力を70Torr以下とすることで、ラジカル濃度の均一性も十分に維持され成長速度(膜厚)及び膜質の均一化が達成される。
均一な成長を行う際には、基材表面における温度差はできる限り小さくすることが好ましい。
この基材表面の温度差を大きくする最大の要因は、輻射熱の流入である。基材の端部では輻射熱の流入が小さく、200mmφ程度以上の大きな基材を用いた場合、中央部では輻射熱の流入が大きいため、数10〜百数十度の範囲の温度差が形成される。
熱伝導性の高いヒートスプレッダを用いた場合には、温度差は小さくはなり、ヒートスプレッダ内の平面位置による温度差は小さくなるが、基材表面の温度に着目すると50度以上の温度差が起こりうる。
基材に対してフィラメントを設置する領域を大きくする、たとえば、300mm四方の領域に成膜する場合にフィラメントを500mm四方の領域に設置すれば、このような温度差は非常に小さくすることが可能である。しかし、無駄な熱を発生することになるため、経済性の点で好ましくない。
この基材表面の温度差を大きくする最大の要因は、輻射熱の流入である。基材の端部では輻射熱の流入が小さく、200mmφ程度以上の大きな基材を用いた場合、中央部では輻射熱の流入が大きいため、数10〜百数十度の範囲の温度差が形成される。
熱伝導性の高いヒートスプレッダを用いた場合には、温度差は小さくはなり、ヒートスプレッダ内の平面位置による温度差は小さくなるが、基材表面の温度に着目すると50度以上の温度差が起こりうる。
基材に対してフィラメントを設置する領域を大きくする、たとえば、300mm四方の領域に成膜する場合にフィラメントを500mm四方の領域に設置すれば、このような温度差は非常に小さくすることが可能である。しかし、無駄な熱を発生することになるため、経済性の点で好ましくない。
本発明者らは、フィラメントを設置する際に、フィラメント間の間隔(以下、「フィラメント−フィラメント間隔」ともいう。)を基材の端部近傍では狭く、基材の中央部では広くすることで、基材表面への輻射熱の流入を均一化できることを見出した。
フィラメント−フィラメント間隔の調整の仕方としては、中央部付近のフィラメントの間隔を一定の広い間隔とし、端部付近のフィラメントの間隔を一定の狭い間隔とするような配置の仕方及び中央部から端部に向かうに従って徐々にフィラメント−フィラメント間隔が減少していくような配置の仕方が挙げられる。最中央のフィラメントから両側にそれぞれn本のフィラメントが存在する場合に、m=Int(n/3)としたときに、中央から1からm番目までの平均フィラメント−フィラメント間隔と、中央から2m番目以後の平均フィラメント−フィラメント間隔の比率を1.2以上とすることで効果が現れる。ここで関数Int(x)は、数値xを超えない最大の整数とする。
フィラメント−フィラメント間隔の調整の仕方としては、中央部付近のフィラメントの間隔を一定の広い間隔とし、端部付近のフィラメントの間隔を一定の狭い間隔とするような配置の仕方及び中央部から端部に向かうに従って徐々にフィラメント−フィラメント間隔が減少していくような配置の仕方が挙げられる。最中央のフィラメントから両側にそれぞれn本のフィラメントが存在する場合に、m=Int(n/3)としたときに、中央から1からm番目までの平均フィラメント−フィラメント間隔と、中央から2m番目以後の平均フィラメント−フィラメント間隔の比率を1.2以上とすることで効果が現れる。ここで関数Int(x)は、数値xを超えない最大の整数とする。
また、本発明者らは、フィラメントと基材との距離(以下、「フィラメント−基材間隔」ともいう。)を基材中央部では遠く(フィラメント−基材間隔を広く)、基材端部では近く(フィラメント−基材間隔を狭く)することによっても同じような効果が得られることを見出した。最中央のフィラメントから両側にそれぞれn本のフィラメントが存在する場合に、m=Int(n/3)としたときに、中央から1からm番目までの平均フィラメント−基板間隔と、中央から2m番目以後の平均フィラメント−基板間隔の比率を1.1以上とすることで効果が現れる。
上記のことは、フィラメントではなくメッシュを用いた場合でも同様である。
基材の中央から基材最外部までの距離をRとしてときに、メッシュの任意の点において、基材面上に射影した地点と基材中央からの距離をrとしたときに、r>2R/3となる範囲のメッシュ密度と、r<R/3となる範囲のメッシュ密度の比率を1.2以上とすることで、或いはr<R/3となる範囲の平均メッシュ−基板間隔と、r>2R/3となる範囲の平均メッシュ−基板間隔の比率を1.1以上とすることにより、効果が現れる。
ただし、いずれの場合も成膜時の圧力を70Torr以下とすることが好ましい。より好ましくは50Torr以下である。これは、圧力が高いとフィラメントで励起された活性種の拡散の効果が小さく、温度は均一となっても活性種の分布が不均一となってしまうからである。
上記のことは、フィラメントではなくメッシュを用いた場合でも同様である。
基材の中央から基材最外部までの距離をRとしてときに、メッシュの任意の点において、基材面上に射影した地点と基材中央からの距離をrとしたときに、r>2R/3となる範囲のメッシュ密度と、r<R/3となる範囲のメッシュ密度の比率を1.2以上とすることで、或いはr<R/3となる範囲の平均メッシュ−基板間隔と、r>2R/3となる範囲の平均メッシュ−基板間隔の比率を1.1以上とすることにより、効果が現れる。
ただし、いずれの場合も成膜時の圧力を70Torr以下とすることが好ましい。より好ましくは50Torr以下である。これは、圧力が高いとフィラメントで励起された活性種の拡散の効果が小さく、温度は均一となっても活性種の分布が不均一となってしまうからである。
(比較例1)
基材として、200mm×200mm、厚さ10mmのシリコン基材を用い、これを水冷支持台の上に載置した10mm厚みのモリブデン上に設置した。図1に示すように、基材には1mmφの穴が2つあけられており、一方は基材中央にまで達する(基材表面から3mm)ものであり、もう1つは基材端部から5mmのところまでの穴であった。この2つの穴に熱電対を入れ成長時に温度を測定した。
基材の上に 250mmのタングステンフィラメントを15本 15mm間隔で設置した。フィラメントと基材の間隔は15mmで一定とし、フィラメントを2100℃に加熱し、メタンガスと水素ガスをチャンバーに導入(メタン濃度は水素に対して2体積%)して圧力を30Torrに保持し3時間ダイヤモンドの成長を行った。
成長時の基材中央部の温度は1,030℃であり、基材端部の温度は980℃であった。
成長後に膜厚を測定した。膜厚の測定は、基材中央点からの距離が10mm以内の4点について測定値の平均値、また端部は、基材の4辺中央のエッジから10mm以内の測定点、4カ所についての測定値の平均値を求めた。その結果、中央部の膜厚は3.1μm、端部では2.2μmであった。
基材として、200mm×200mm、厚さ10mmのシリコン基材を用い、これを水冷支持台の上に載置した10mm厚みのモリブデン上に設置した。図1に示すように、基材には1mmφの穴が2つあけられており、一方は基材中央にまで達する(基材表面から3mm)ものであり、もう1つは基材端部から5mmのところまでの穴であった。この2つの穴に熱電対を入れ成長時に温度を測定した。
基材の上に 250mmのタングステンフィラメントを15本 15mm間隔で設置した。フィラメントと基材の間隔は15mmで一定とし、フィラメントを2100℃に加熱し、メタンガスと水素ガスをチャンバーに導入(メタン濃度は水素に対して2体積%)して圧力を30Torrに保持し3時間ダイヤモンドの成長を行った。
成長時の基材中央部の温度は1,030℃であり、基材端部の温度は980℃であった。
成長後に膜厚を測定した。膜厚の測定は、基材中央点からの距離が10mm以内の4点について測定値の平均値、また端部は、基材の4辺中央のエッジから10mm以内の測定点、4カ所についての測定値の平均値を求めた。その結果、中央部の膜厚は3.1μm、端部では2.2μmであった。
(実施例1)
比較例1と同じ装置、同じ基材にダイヤモンドの成膜を行った。
ただし、フィラメントの配置は、中央部7本については基材−フィラメント間隔を22mm、外側8本については基材−フィラメント間隔を12mmとした。
フィラメントを2100℃に加熱し、メタンガスと水素ガスをチャンバーに導入して圧力を30Torrに保持し3時間ダイヤモンドの成長を行った。
成長時の基材中央部の温度は1010℃であり、基材端部の温度は990℃であった。
成長後に膜厚を測定したところ、中央部の膜厚は2.8μm、端部では2.4μmであった。
比較例1と同じ装置、同じ基材にダイヤモンドの成膜を行った。
ただし、フィラメントの配置は、中央部7本については基材−フィラメント間隔を22mm、外側8本については基材−フィラメント間隔を12mmとした。
フィラメントを2100℃に加熱し、メタンガスと水素ガスをチャンバーに導入して圧力を30Torrに保持し3時間ダイヤモンドの成長を行った。
成長時の基材中央部の温度は1010℃であり、基材端部の温度は990℃であった。
成長後に膜厚を測定したところ、中央部の膜厚は2.8μm、端部では2.4μmであった。
(実施例2)
実施例1と同じ装置、同じフィラメント配置で同じ基材にダイヤ製膜を行った。フィラメント温度も2100℃としたが、圧力は120Torrで保持し、3時間ダイヤモンドの成長を行った。
成長時の基材中央部の温度は1000℃であり、基材端部の温度は990℃であった。
成長後に膜厚を測定したところ、中央部の膜厚は2.1μm、端部では2.6μmであった。
実施例1と同じ装置、同じフィラメント配置で同じ基材にダイヤ製膜を行った。フィラメント温度も2100℃としたが、圧力は120Torrで保持し、3時間ダイヤモンドの成長を行った。
成長時の基材中央部の温度は1000℃であり、基材端部の温度は990℃であった。
成長後に膜厚を測定したところ、中央部の膜厚は2.1μm、端部では2.6μmであった。
(実施例3)
比較例1、実施例1と同じ装置、同じ基材にダイヤモンドの成膜を行った。
ただし、フィラメントの配置は、中央部7本についてはフィラメント−フィラメント間隔を19mm、その外側についてはフィラメント−フィラメント間隔を12mmとした。
フィラメントを2100℃に加熱し、メタンガスと水素ガスをチャンバーに導入して圧力を30Torrに保持し3時間ダイヤモンドの成長を行った。
成長時の基材中央部の温度は1010℃であり、基材端部の温度は995℃であった。
成長後に膜厚を測定したところ、中央部の膜厚は2.7μm、端部では2.5μmであった。
以上の結果を表1にまとめた。
比較例1、実施例1と同じ装置、同じ基材にダイヤモンドの成膜を行った。
ただし、フィラメントの配置は、中央部7本についてはフィラメント−フィラメント間隔を19mm、その外側についてはフィラメント−フィラメント間隔を12mmとした。
フィラメントを2100℃に加熱し、メタンガスと水素ガスをチャンバーに導入して圧力を30Torrに保持し3時間ダイヤモンドの成長を行った。
成長時の基材中央部の温度は1010℃であり、基材端部の温度は995℃であった。
成長後に膜厚を測定したところ、中央部の膜厚は2.7μm、端部では2.5μmであった。
以上の結果を表1にまとめた。
本発明のダイヤモンドの合成法により、膜厚、膜質が均一で大面積のダイヤモンドの成膜が可能となるので、半導体材料、電子部品、光学部品などに用いられる大面積で高品質なダイヤモンド膜の製造方法として好適である。
Claims (5)
- 基材に対向して配置され、各々がおおむね平行に配置された、1800℃以上に加熱された金属フィラメント群の表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、金属フィラメント群の中央部付近のフィラメント−フィラメント間隔を、フィラメント群端部付近のフィラメント−フィラメント間隔よりも広くすることによって基材表面の温度が均一になるようにすることを特徴とするダイヤモンドの合成方法。
- 基材に対向して配置され、各々がおおむね平行に配置された、1800℃以上に加熱された金属フィラメント群の表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、金属フィラメント群の中央部のフィラメント−基材間隔を、フィラメント群端部付近フィラメント−基材間隔よりも広くすることによって基材表面の温度が均一になるようにすることを特徴とするダイヤモンドの合成方法。
- 基材に対向して配置され、1800℃以上に加熱された金属メッシュの表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、メッシュ中央部付近のメッシュ密度を、メッシュ端部のメッシュ密度よりも小さくすることによって基材表面の温度が均一になるようにすることを特徴とするダイヤモンドの合成方法。
- 基材に対向して配置され、1800℃以上に加熱された金属メッシュの表面に炭素を含む原料ガスと水素との混合ガスを導入して該混合ガスを分解して基材表面にダイヤモンドを成長させるダイヤモンドの合成法において、メッシュ中央部のメッシュ−基材間隔を、メッシュ端部のメッシュ−基材間隔よりも広くすることによって基材表面の温度が均一になるようにすることを特徴とするダイヤモンドの合成方法。
- ダイヤモンド合成の際の圧力を70Torr以下とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のダイヤモンドの合成方法。
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