JP2007284308A - 水硬性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、土木建築分野の各種注入工法で、優れた流動性、無収縮性、硬化体強度を発揮し、さらに、プレキャスト鉄筋コンクリート部材を現場で接合する工法において、鉄筋を接合するための継手用スリーブに好適に充填できる流動性、施工部位を強固に一体化できる無収縮性、硬化体の強度特性に優れる水硬性組成物を提供することを目的とした。
【解決手段】 水硬性成分と、細骨材と、消泡剤とを含有する水硬性組成物であり、細骨材が、砂の粒子同士を擦り合せ、又は砂を研磨用部材を用いて砂の表面を研磨した研磨砂と、クロマイトサンドとを含むことを特徴とする水硬性組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、各種土木建築構造物の補修や補強に用いられる、流動性および強度特性に優れたグラウト材に関する。
さらに、本発明は、コンクリート部材接合用異形鉄筋の継手用スリーブ空隙部の充填に用いられる、流動性および強度特性に優れたグラウト材とそのモルタル組成物及びその硬化体に関する。
建材の改良や進歩に伴う建物の高層化、技能工不足による建設工事の省力化などを目的とした、プレキャスト鉄筋コンクリート部材を現場で接合する工法用に用いられる継手用スリーブの空隙部に充填するグラウト材として、特許文献1では、セメント、超微粉、膨張材、高性能減水剤、及び重量骨材を含有してなるグラウトモルタル組成物が開示されている。
建築物の超高層化、大規模化及び複雑化の傾向が進み、これらの建築物を建築するために用いられる、圧縮強度が80N/mm2以上の高強度モルタルについて、特許文献2では、セメントと粒状セメントクリンカー並びに減水剤、超微粉又は特定の骨材を用いた、低い水セメント比でも流動性がよく、その硬化体が高強度であるモルタル組成物が開示されている。
原子炉格納建屋の原子炉遮蔽壁(RSW)、放射線遮蔽用壁の逆打ち施工部材等の放射線遮蔽用部材に用いられるモルタル組成物として、特許文献3では、耐食性に優れ、材料分離がなく、流動性が良好な、セメントと単位容積質量7t/m3以上の耐食合金粉末を含有する重量モルタルが開示されている。
砕砂の粒子同士を擦り合わせ、粒子間の摩擦によって、これら粒子を処理した砕砂として、特許文献4では、少なくともセメントと、細骨材と、粗骨材と、水とからなるフレッシュコンクリートであって、前記細骨材として、砕砂の粒子同士を擦り合わせ、粒子間の摩擦によってこれら粒子を球形化加工処理した磨砕砂を、70容積%以上含むことを特徴とするフレッシュコンクリートが開示されている。
特開平6−293549号公報 特開2005−119885号公報 特開2002−321961号公報 特開2004−083336号公報
建設資材や建設工法の改良や進歩に伴う建築物の高層化や、技能工不足による建設工事の省力化等に対応して、プレキャスト鉄筋コンクリート部材を現場で接合する工法が実用化され、鉄筋などの部材間を接合するための継手用スリーブに充填できる流動性、施工部位を強固に一体化できる低収縮性、高い硬化体強度が得られる強度特性など、これらの特性を高性能な領域でバランスよく併せ持つグラウト材が求められている。
本発明は、土木建築分野の各種注入工法で、優れた流動性、無収縮性、硬化体強度を発揮し、特に、プレキャスト鉄筋コンクリート部材を現場で接合する工法において、鉄筋を接合するための継手用スリーブに好適に充填できる流動性、施工部位を強固に一体化できる無収縮性、硬化体の強度特性に優れる水硬性組成物を提供することを目的とした。
本発明者は、前記課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、水硬性成分、研磨砂、クロマイトサンド及び消泡剤を用いて、良好な流動特性及び高い強度特性が得られる水硬性組成物を見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、水硬性成分、細骨材及び消泡剤を含む水硬性組成物であり、
細骨材が、砂の粒子同士を擦り合せ又は砂を研磨用部材を用いて砂の表面を研磨した研磨砂と、クロマイトサンドとを含むことを特徴とする水硬性組成物である。
本発明の水硬性組成物の好ましい態様を示し、これらは複数組み合わせることが出来る。
1)研磨砂とクロマイトサンドとの質量比(研磨砂/クロマイトサンド)が、95/5〜5/95であること。
2)細骨材100質量%に対して、研磨砂とクロマイトサンドの合計質量が70質量%以上であること。
3)細骨材が細砂を含み、細骨材100質量%に対する細砂の含有割合が30質量%未満であること。
4)水硬性組成物が、さらに膨張材、流動化剤及び増粘剤から選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むこと。
5)水硬性組成物が、コンクリート部材接合用異形鉄筋の継手用スリーブ空隙部の充填に使用されること。
6)水硬性組成物と水とを混練して得られる水硬性モルタル組成物であること。
7)水硬性組成物と水との配合物を硬化させて得られる水硬性モルタル組成物の硬化体であること。
本発明の水硬性組成物は、水硬性成分と研磨砂とクロマイトサンドとを含むことにより、モルタルの流動性に際立って優れ、高強度で、無収縮の硬化体を得ることができ、土木建築分野の各種注入工法で優れた特性を発揮するグラウト材として用いることができる。
さらに、本発明の水硬性組成物は、細砂を配合することにより、流動性とともに材料分離抵抗性にも優れた特性を有するモルタルを得ることができ、高強度で、無収縮の硬化体を得ることができる。
特に、プレキャスト鉄筋コンクリート部材接合用異形鉄筋の継手用スリーブの空隙部に充填するグラウト材として優れた性能を有する。
水硬性成分としては特に限定されるものではないが、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメントなどのポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントなどの混合セメント、アルミナセメントなどを用いることができる。
特に、建設工期の短縮のために短期間に良好な強度発現を必要とする場合には、早強ポルトランドセメントや超早強ポルトランドセメントを用いるのが好ましい。
本発明の水硬性組成物は、水硬性成分100質量部に対し、細骨材を好ましくは30〜300質量部、さらに好ましくは40〜250質量部、より好ましくは50〜220質量部、特に好ましくは60〜200質量部を配合する。
本発明に係る細骨材は、研磨砂とクロマイトサンドとを含むものである。研磨砂とクロマイトサンドの合計質量が、細骨材100質量%中に占める割合は、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは74質量%以上、より好ましくは77質量%以上、特に好ましくは80%以上である。
本発明に係る研磨砂とクロマイトサンドとの配合割合(質量比=研磨砂/クロマイトサンド)は、モルタルの流動特性及び硬化体の強度特性から質量比で、好ましくは95/5〜5/95、さらに好ましくは90/10〜5/95、より好ましくは85/15〜10/90、特に好ましくは80/20〜15/85の範囲で配合することにより、流動性に優れるモルタルと優れた強度を有する硬化体とを得ることができる。
本発明に係る研磨砂は、砂の粒子同士を擦り合せ、又は砂を研磨用部材を用いて砂の表面を研磨したものであり、例えば、粒度5mm以下の砂(砕砂、天然砂、砕石のくずなど)と水とを、ドラム式などの骨材研磨機(例えば、サンドガリバー:宇部テクノエンジ社製など)などの攪拌機に投入して、砂の粒子同士、又は砂と研磨用部材とを擦り合せ、砂の表面を研磨したもの、さらに乾燥させたものである。
研磨砂としては、豊工業所製、東北石材工業社製などの商品名:ガリバー砂などを用いることができる。
本発明に係る研磨砂は、粒度が3.5mm以下のものを用いることが好ましく、研磨砂100質量%中に、粒径0.15〜2mmの研磨砂が好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは65質量%以上、特に好ましくは70質量%以上含むものを用いることにより、優れた流動性のモルタルを得られる。
特に研磨砂は、粒径2mm以下の研磨砂が好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは75質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは85質量%以上含み、かつ粒径0.15mm以下の研磨砂が好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは18質量%以下であり、より好ましくは16質量%以下であり、特に好ましくは15質量%以下含むものを用いることで、特に流動性に優れるモルタルを得ることができる。
本発明に係るクロマイトサンドは、天然の新砂及び/又は鋳物工場で使用された砂等を使用することができる。
特にクロマイトサンドは、粒度が2mm以下のものを用いることが好ましく、クロマイトサンド100質量%中に、粒径0.075〜0.6mmのクロマイトサンドが好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは65質量%以上、特に好ましくは70質量%以上含むものを用いることにより、優れた流動性のモルタルを得られる。
さらにクロマイトサンドは、粒径0.6mm以下のクロマイトサンドが好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、特に好ましくは90質量%以上含み、かつ粒径0.075mm以下のクロマイトサンドが好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは18質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下であり、特に好ましくは10質量%以下含むものを用いることで、特に流動性に優れるモルタルを得ることができるために好ましい。
クロマイトサンドは、比重4.3〜4.8のものを用いることでが、特に流動性に優れたモルタルを得るために好ましい。
本発明に係る細骨材には、研磨砂及びクロマイトサンドのほかに、粒度が2mm以下の細砂を用いることができる。
細砂としては、珪砂や石灰石砂等の砕石や砕砂を製造する過程で発生する微細粒の珪砂、石灰石砕砂を好適に使用でき、これらの細砂を配合することによって、モルタルの粘性の増加を最小限の抑制しながら、材料分離抵抗性を大幅に向上させることができる。
特に細砂は、粒径0.6mm以下の細砂が好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、特に好ましくは90質量%以上含み、かつ粒径0.075mm以下の細砂が好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは18質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下であり、特に好ましくは10質量%以下含むものを用いることで、特にモルタルの粘性を大きく増加させることなく、材料分離抵抗性をさらに向上させることができる。
細砂の配合量は、細骨材100質量%中に砕石粉が好ましくは30質量%未満、さらに好ましくは26質量%未満、より好ましくは23質量%未満、特に好ましくは20質量%未満とすることで、モルタルの粘性の増加に伴う流動性の低下を最小限に抑えて、良好な材料分離抵抗性を付与することができる。
細砂の配合量が30質量%を超えると、モルタルの粘性の増加が大きくなるため、所定の流動性を得るための混練水量が増加し、結果的に硬化体強度の低下をもたらすことから好ましくない。
鋳物工場においてクロマイトサンドを使用した後に排出される使用砂には、クロマイトのみを含む使用砂と、クロマイトと珪砂などを含むものとがある。本発明では、これらの使用砂をいずれも好適に使用することができる。
本発明で使用する細骨材に関し、クロマイトと珪砂とを含む使用砂を用いる場合、使用砂中の珪砂を含む細砂の質量%が、細骨材100質量%中に好ましくは30質量%未満、さらに好ましくは26質量%未満、より好ましくは23質量%未満、特に好ましくは20質量%未満とすることが好ましい。
本発明の水硬性組成物は、組織が緻密で優れた強度を有する硬化体を得るために、消泡剤を添加することが好ましい。
消泡剤は、シリコン系、アルコール系、ポリエーテル系などの合成物質、石油精製由来の鉱物油系又は植物由来の天然物質など、公知のものを用いることが出来る。特にポリエーテル系の消泡剤を好適に用いることができる。
消泡剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で一種又は二種以上を添加することができ、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.005〜2質量部、さらに好ましくは0.01〜1.5質量部、より好ましくは0.025〜1質量部、特に0.05〜0.5質量部含むことが好ましい。
消泡剤を上記範囲で添加すると、消泡効果が良好で、さらにモルタル組成物の流動性と硬化体強度の向上効果が高く、特に硬化体強度の向上が著しいため好ましい。
水硬性組成物は、細骨材のほかに、本発明の特性を損なわない範囲で必要に応じて、膨張材、石膏、流動化剤、増粘剤、凝結速度調整剤などの成分を少なくとも1種配合することができる。
本発明に係る膨張材は、モルタル組成物の硬化過程に起こる体積変化を補償し、継手用スリーブや異形鉄筋との密着性向上に有効である。
膨張材としては、アルミニウム粉、鉄粉等の金属系膨張材、カルシウムサルフォアルミネート系、石灰系などの無機系膨張材などの使用が好ましく、特に金属系膨張材と石灰系膨張材を併用して用いることが好ましい。
金属系膨張材としては、比重が小さく反応性が高いことから、アルミニウム粉の使用が特に好ましい。アルミニウム粉は、JIS・K−5906「塗装用アルミニウム粉」の第2種に準ずるものが好適に使用できる。
金属系膨張材の添加量は、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.0001〜0.01質量部、さらに好ましくは0.0002〜0.005質量部、より好ましくは0.0003〜0.004質量部、特に0.0005〜0.003質量部の範囲で用いることが好ましい。
無機系膨張材は、カルシウムサルフォアルミネート系としては、アウイン、石灰系としては生石灰、生石灰−石膏系、仮焼ドロマイト等が挙げられ、これらから選ばれた少なくとも1種を使用できる。特に石灰系としては、生石灰、生石灰−石膏系が好ましい。
無機系膨張材の添加量は、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは1〜40質量部、さらに好ましくは1.5〜30質量部、より好ましくは2〜25質量部、特に3〜20質量部を用いることが好ましい。
水硬性組成物は必要に応じて石膏を配合することができる。
石膏としては、無水石膏、半水石膏、二水石膏等の石膏がその種類を問わず、一種又は二種以上の混合物として使用できる。
本発明の水硬性組成物は、材料分離を抑制しつつ適度な流動性を確保し、硬化体の強度を高め、且つ、乾燥収縮を低減させるために、減水効果を合わせ持つ流動化剤を添加することが好ましい。
流動化剤としては、減水効果を合わせ持つ、メラミンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物、カゼイン、カゼインカルシウム、ポリエーテル系、ポリカルボン酸系、ポリカルボン酸ポリエーテル系等、市販のものが、その種類を問わず使用できる。
流動化剤は、使用する水硬性成分に応じて、特性を損なわない範囲で一種又は二種以上を適宜添加することができ、水硬性成分100質量部に対し、好ましくは0.001〜5質量部、さらに好ましくは0.005〜4質量部、より好ましくは0.01〜3.5質量部、特に好ましくは0.1〜3質量部の範囲で使用する。
増粘剤は、モルタル組成物の流動性を調整し、材料分離を抑制するために添加する。
増粘剤には、セルロース系、蛋白質系、ラテックス系、及び水溶性ポリマー系などを用いることが出来、特にセルロース系などを用いることが好ましい。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で一種又は二種以上を添加することができ、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.001〜2質量部、さらに好ましくは0.002〜1.5質量部、より好ましくは0.0025〜1質量部、特に0.005〜0.5質量部の範囲が好ましい。
本発明の水硬性組成物は、水の添加量を調整することにより、モルタル組成物の流動性、可使時間、材料分離などの性状を調整することができる。
本発明の水硬性組成物は、水と混練して
1)Jロート流下値が、充填性を損なわないために、好ましくは35秒以下、さらに好ましくは34秒以下、より好ましくは32秒以下、特に好ましくは30秒以下であり、
また、Jロート流下値の下限は、材料分離抵抗性を損なわないために、好ましくは10秒以上、さらに好ましくは12秒以上、特に好ましくは15秒以上であり、
2)モルタルフロー値が、好ましくは250mm以上、さらに好ましくは260mm以上のモルタル組成物を得ることが出来、
得られたモルタルを硬化させることにより、
3)圧縮強度(材齢28日)が、好ましくは105N/mm以上、さらに好ましくは110N/mm以上の硬化体を得ることができる。
水の添加量は、本発明の流動特性および強度特性を損なわない範囲で添加でき、水硬性組成物100質量部に対し、好ましくは6〜36質量部、さらに好ましくは6.5〜33質量部、より好ましくは7〜30質量部、特に好ましくは7.5〜27質量部の範囲で添加することが好ましい。
本発明の水硬性組成物は、流動性に優れたモルタル組成物、および、高強度で無収縮のモルタル硬化体を得ることができ、土木建築分野でグラウト材として広く利用され、特にプレキャスト鉄筋コンクリート部材接合用異形鉄筋の継手用スリーブの空隙部に充填するグラウト材として好適に使用できる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
(特性の評価方法)
1)Jロート(秒):土木学会充てんモルタル試験方法(案)(JSCE・F542−1993) J14ロートによる流下値を示す。
2)フロー値(mm):厚さ5mmのみがき板ガラスの上にJIS R 5201の凝結試験に定めるコーン,上端内径75mm、下端内径85mm、高さ40mm(内容積約200ml)を置き、練り混ぜたコンクリート組成物を充填した後、コーンを引き上げる。広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値とする。
3)圧縮強度(N/mm):試験体φ5×10cm、JIS・A−1108に準じて行う。
原料は以下のものを使用した。
1)水硬性成分:
・ポルトランドセメント(宇部早強ポルトランドセメント、ブレーン比表面積4500cm/g)。
2)研磨砂:
・ガリバー砂(豊工業所製)を乾燥、150μmから2mmの篩を用いて選別したもの、粒度(篩)は表3に示す。
3)クロマイトサンド:
・クロマイトサンド(岡崎ヒュッテナス・アルバータス社製、比重4.5)、粒度(篩)は表3に示す。
4)細砂:
・珪砂(瓢屋社製)、粒度(篩)は表3に示す。
5)混和材料:
・無機系膨張材:石灰系膨張材(太平洋マテリアル社製)。
・金属系膨張材:アルミニウム粉(粒度44μm以下を60質量%以上含有、大和金属粉工業社製、ALCファイン及びK−250の混合品)。
・流動化剤 :ポリカルボン酸系流動化剤(花王社製)。
・消泡剤 :ポリエーテル系消泡剤(サンノプコ社製)。
・増粘剤 :メチルセルロース系増粘剤(宇部興産社製)。
表3に示す粒度は、篩を用いて測定した。
[実施例1〜6及び比較例1〜6]
表1及び表2に示す成分を、アイリッヒミキサを使用して混合し、表1及び表2に示すセメント、細骨材及び混和剤からなる水硬性組成物を得た。
温度20℃、相対湿度65%の条件下で、水硬性組成物100質量部に対し、水11.2質量部(実施例5は11.8質量部,実施例6は12.0質量部)を加え、ホバートミキサーを用いて、低速1分間、さらに高速2分間混練して、混練物を調製した。
得られた混練物のJロート及びフロー値、混練物の硬化体の圧縮強度を評価した結果を表1及び表2に示す。
Figure 2007284308
Figure 2007284308
Figure 2007284308
1)消泡剤を配合した実施例2、比較例2及び比較例3は、消泡剤を配合していない比較例4〜6と比較して、流動性が優れた傾向を示し、特に硬化体の圧縮強度においては、消泡剤の配合による強度の向上が顕著である。
2)水硬性組成物の細骨材にクロマイトサンドのみを用いた場合(比較例1)、流動性の評価結果は数値上優れるものの、材料分離が顕著で良好なモルタルが得られなかった。
細骨材として研磨砂のみを用いた場合(比較例2)、硬化体強度は良好なものの、Jロート流下値は大きく、またフロー値は小さく、良好な流動性は得られなかった。
細骨材にクロマイトサンドと珪砂を用いた比較例3の場合、流動性は良好であったが、硬化体の圧縮強度については充分な強度を得られなかった。
3)水硬性組成物の細骨材に研磨砂とクロマイトサンドを用いた実施例4では、優れた流動性が得られるとともに、硬化体強度においても材齢28日で105N/mm以上の強度が得られている。
4)細骨材に研磨砂とクロマイトサンドと珪砂とを用いた実施例1〜3では、安定した良好な流動性が得られるとともに、優れた硬化体強度が得られた。
さらに、実施例1の水硬性組成物の配合で、混練水量を増加させた実施例5及び実施例6では、さらに優れた流動性が得られ、施工性がより向上する結果が得られた。さらに、モルタルの混練性がより向上したことによると考えられるが、混練水量の増加にも関わらず、硬化体強度は実施例1と同等の強度が得られていた。
本発明の水硬性組成物は、水硬性成分と研磨砂とクロマイトサンドとを含むことにより、モルタルの流動性に際立って優れ、高強度で、無収縮の硬化体を得ることができ、土木建築分野の各種注入工法で優れた特性を発揮するグラウト材として用いることができる。
さらに、本発明の水硬性組成物は、細砂を配合することにより、流動性とともに材料分離抵抗性にも優れた特性を有するモルタルを得ることができ、高強度で、無収縮の硬化体を得ることができる。
特に、プレキャスト鉄筋コンクリート部材接合用異形鉄筋の継手用スリーブの空隙部に充填するグラウト材として優れた性能を有する。

Claims (8)

  1. 水硬性成分と、細骨材と、消泡剤とを含有する水硬性組成物であり、
    細骨材が、砂の粒子同士を擦り合せ又は砂を研磨用部材を用いて砂の表面を研磨した研磨砂と、クロマイトサンドとを含むことを特徴とする水硬性組成物。
  2. 研磨砂とクロマイトサンドとの質量比(研磨砂/クロマイトサンド)が、95/5〜5/95であることを特徴とする水硬性組成物。
  3. 細骨材100質量%に対して、研磨砂とクロマイトサンドの合計質量が70質量%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の水硬性組成物。
  4. 細骨材が細砂を含み、細骨材100質量%に対する細砂の含有割合が30質量%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水硬性組成物。
  5. 水硬性組成物が、さらに膨張材、流動化剤及び増粘剤から選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水硬性組成物。
  6. 水硬性組成物が、コンクリート部材接合用異形鉄筋の継手用スリーブ空隙部の充填に使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水硬性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水硬性組成物と水とを混練して得られる水硬性モルタル組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水硬性組成物と、水との配合物を硬化させて得られる水硬性モルタル組成物の硬化体。
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