JP2007284264A - 積層セラミック基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐薬品性および機械的強度が大きい積層セラミック基板を提供する。
【解決手段】 この積層セラミック基板100では、4層のセラミック層1aを有する内部セラミック層1と、内部セラミック層1の上面上および下面上にそれぞれ形成された表面セラミック層2とから構成されており、内部セラミック層1を構成するセラミック層1aは、それぞれ、アルミナとディオプサイト系結晶化ガラスまたはアノーサイト系結晶化ガラスとを含んでおり、各層1a中には、ディオプサイト(CaO・MgO・2SiO2)相またはアノーサイト(CaAl2Si2O8)相が存在している。また、表面セラミック層2は、アルミナとディオプサイト系結晶化ガラスを含んでおり、各層2中には、ディオプサイト相とルチル相が存在している。
【選択図】図1
【解決手段】 この積層セラミック基板100では、4層のセラミック層1aを有する内部セラミック層1と、内部セラミック層1の上面上および下面上にそれぞれ形成された表面セラミック層2とから構成されており、内部セラミック層1を構成するセラミック層1aは、それぞれ、アルミナとディオプサイト系結晶化ガラスまたはアノーサイト系結晶化ガラスとを含んでおり、各層1a中には、ディオプサイト(CaO・MgO・2SiO2)相またはアノーサイト(CaAl2Si2O8)相が存在している。また、表面セラミック層2は、アルミナとディオプサイト系結晶化ガラスを含んでおり、各層2中には、ディオプサイト相とルチル相が存在している。
【選択図】図1
Description
本発明は、積層セラミック基板に関し、特に、低温焼成により形成される積層セラミック基板に関する。
従来、電子デバイス用の基板として、融点が低いAgまたはCuを配線層として用いることにより低温焼成が可能な積層セラミック基板が知られている。この積層セラミック基板は、アルミナなどの無機質フィラー、ガラス、有機溶媒およびバインダーなどからなるスラリーをシート状に成形したセラミックグリーンシート上にAgまたはCuを含む金属ペーストからなる配線パターンを形成した後、この配線パターンを有するセラミックグリーンシートを複数積層し、約800℃〜約1000℃で焼成することにより形成することができる。
なお、この積層セラミック基板上にチップコンデンサや半導体素子などの電子部品を搭載するためには、ハンダにより積層セラミック基板の最表面に形成された配線層と電子部品とを接合する。この場合、ハンダに対する溶解性、濡れ性あるいは信頼性などの問題点を改善するために、一般に、AgまたはCuを含む配線層上には、NiおよびAuなどのメッキ層が形成される。このNiおよびAuなどのメッキ層は、セラミック基板を酸性またはアルカリ性のメッキ液中に浸漬することにより形成することができる。
また、低温焼成積層セラミック基板は、ガラスを含んでいるので、抗折強度などの機械的強度が小さくなりやすいが、ディオプサイト相(CaO・MgO・2SiO2)またはアノーサイト相(CaAl2Si2O8)を有する結晶化ガラスを用いることにより、機械的強度を大きくすることができる(例えば、特許文献1、2参照)。この低温焼成セラミック基板は、アルミナなどの無機質フィラーとディオプサイト系結晶化ガラスまたはアノーサイト系結晶化ガラスとから構成されており、約300MPa〜約400MPaの抗折強度を有している。この強度は、ガラス成分を含んでいない高温焼成セラミックであるアルミナセラミックに匹敵する。
特開2002−220276号公報
特開平06−227858号公報
しかしながら、上記した従来のアルミナなどの無機質フィラーとディオプサイト系結晶化ガラスまたはアノーサイト系結晶化ガラスとから構成された低温焼成積層セラミック基板であっても、配線層上にNiおよびAuなどのメッキ層を形成するための酸性またはアルカリ性のメッキ液により侵食されやすいという不具合があった。これにより、上記のメッキ処理を行うことにより、セラミック基板の一部がメッキ液に溶出し、抗折強度が約200MPa〜約250MPaに低下するなど、機械的強度が低下しやすいという問題点があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、耐薬品性および機械的強度が大きい積層セラミック基板を提供することである。
第1の発明は、アルミナとディオプサイト相またはアノーサイト相を有する結晶化ガラスとを含む内部セラミック層と、内部セラミック層の最表面に形成されたアルミナとディオプサイト相及びルチル相を有する結晶化ガラスとを含む表面セラミック層とを備える積層セラミック基板である。
内部セラミック層の最表面には、ルチル相を含む表面セラミック層が形成されているので、この積層セラミック基板を酸性またはアルカリ性のメッキ液などの溶液に浸漬した場合であっても、表面セラミック層および内部セラミック層からガラス成分が溶液中に溶出しにくい。これにより、耐薬品性を大きくすることができる。
また、内部セラミック層には、ディオプサイト(CaO・MgO・2SiO2)相またはアノーサイト(CaAl2Si2O8)相が存在しているとともに、表面セラミック層中には、ディオプサイト相が存在しているので、それぞれ、機械的強度を大きくすることができる。さらに、表面セラミック層と内部セラミック層とは、どちらもアルミナを含んでいるので、表面セラミック層と内部セラミック層との整合性が高い。これにより、表面セラミック層と内部セラミック層との間には、クラックや剥離が生じにくく、また、焼成後の積層セラミック基板全体の反りを抑制することができる。その結果、耐薬品性および機械的強度が大きい積層セラミック基板を得ることができる。
表面セラミック層に含まれるルチル相とアルミナとのX線回折強度比(I[ルチル相]/I[アルミナ])が0.1以上0.4以下であることが好ましい。このように構成すれば、表面セラミック層の機械的強度をさらに大きくすることができるので、積層セラミック基板全体の機械的強度をさらに大きくすることができる。
本発明により、ガラスセラミックを用いる積層セラミック基板の耐薬品性向上と機械的強度向上が可能となるため、該セラミック基板を具備した最終製品の信頼性が向上する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態による積層セラミック基板の構造を説明するための断面図である。図1を参照して、本発明の実施形態による積層セラミック基板の構造について説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態による積層セラミック基板の構造を説明するための断面図である。図1を参照して、本発明の実施形態による積層セラミック基板の構造について説明する。
本発明の実施形態による積層セラミック基板100では、図1に示すように、4層のセラミック層1aを有する内部セラミック層1と、内部セラミック層1の上面上および下面上にそれぞれ形成された表面セラミック層2とから構成されている。
内部セラミック層1を構成するセラミック層1aは、それぞれ、約35wt%のアルミナと約65wt%のディオプサイト系結晶化ガラスまたはアノーサイト系結晶化ガラスとを含んでおり、各層1a中には、ディオプサイト(CaO・MgO・2SiO2)相またはアノーサイト(CaAl2Si2O8)相が存在している。
表面セラミック層2は、約30μmの厚みを有し、約35wt%のアルミナと約65wt%のディオプサイト系結晶化ガラスを含んでおり、各層2中には、ディオプサイト相とルチル相が存在している。このようにして、本発明の第1実施形態による積層セラミック基板100が構成されている。
図2乃至図4は、本発明の実施形態による積層セラミック基板の製造プロセスを説明するための断面図である。図2〜図4を参照して、本発明の実施形態による積層セラミック基板の製造プロセスを説明する。
[セラミックグリーンシート原料の作製]
まず、約35wt%のアルミナと約65wt%のディオプサイト系結晶化ガラスまたはアノーサイト系結晶化ガラスとを含む原料粉末を準備し、この原料粉末に溶媒(イソプロピルアルコール、IPA)およびバインダー(ポリビニルブチラール、PVB)を添加、混合することにより第1のスラリーを作製する。
[セラミックグリーンシート原料の作製]
まず、約35wt%のアルミナと約65wt%のディオプサイト系結晶化ガラスまたはアノーサイト系結晶化ガラスとを含む原料粉末を準備し、この原料粉末に溶媒(イソプロピルアルコール、IPA)およびバインダー(ポリビニルブチラール、PVB)を添加、混合することにより第1のスラリーを作製する。
同様に、約35wt%のアルミナと約65wt%のディオプサイト系結晶化ガラスとを含む原料粉末を準備し、この原料粉末に溶媒(IPA)およびバインダー(PVB)を添加、混合することにより第2のスラリーを形成する。
[セラミックグリーンシートの作製]
次に、図2に示すように、第1のスラリーをドクターブレード装置により約45μmの厚みのシート状に成形することにより第1のセラミックグリーンシート1pを形成する。
[セラミックグリーンシートの作製]
次に、図2に示すように、第1のスラリーをドクターブレード装置により約45μmの厚みのシート状に成形することにより第1のセラミックグリーンシート1pを形成する。
また、図3に示すように、第2のスラリーをドクターブレード装置により約45μmの厚みのシート状に成形することにより第2のセラミックグリーンシート2pを形成する。
[積層セラミック基板の作製]
次に、図4に示すように、第1のセラミックグリーンシート1pを4層重ね合わせた後、最上面に位置する第1のセラミックグリーンシート1pの上面上と最下面に位置する第1のセラミックグリーンシート1pの下面上とに第2のセラミックグリーンシート2pをそれぞれ重ね合わせた積層体100pを形成する。
[積層セラミック基板の作製]
次に、図4に示すように、第1のセラミックグリーンシート1pを4層重ね合わせた後、最上面に位置する第1のセラミックグリーンシート1pの上面上と最下面に位置する第1のセラミックグリーンシート1pの下面上とに第2のセラミックグリーンシート2pをそれぞれ重ね合わせた積層体100pを形成する。
最後に、この積層体100pを大気中で約900℃で焼成することにより、図1に示す積層セラミック基板100を作製する。このようにして、本発明の実施形態による積層セラミック基板を作製する。
上記のように、内部セラミック層1の最表面には、ルチル相を含む表面セラミック層2が形成されているので、この積層セラミック基板100を酸性またはアルカリ性のメッキ液などの溶液に浸漬した場合であっても、表面セラミック層2および内部セラミック層1からガラス成分が溶液中に溶出しにくい。これにより、耐薬品性を大きくすることができる。
また、内部セラミック層1には、ディオプサイト(CaO・MgO・2SiO2)相またはアノーサイト(CaAl2Si2O8)相が存在しているとともに、表面セラミック層2中には、ディオプサイト相が存在しているので、それぞれ、機械的強度を大きくすることができる。さらに、表面セラミック層2と内部セラミック層1とは、どちらもアルミナを含んでいるので、表面セラミック層2と内部セラミック層1との整合性が高い。これにより、表面セラミック層2と内部セラミック層1との間には、クラックや剥離が生じにくく、また、焼成後の積層セラミック基板100全体の反りを抑制することができる。
次に、上記実施形態に従って、評価サンプルを作製し、それぞれ、特性を評価した。
(実施例1)
約35wt%のアルミナと約65wt%のディオプサイト系結晶化ガラス(日本電気硝子社製GA63)とを含む原料粉末にIPAおよびPVBを添加した第1のスラリーを用いて、約45μmの厚みを有する第1のセラミックグリーンシート1pを作製した。
(実施例1)
約35wt%のアルミナと約65wt%のディオプサイト系結晶化ガラス(日本電気硝子社製GA63)とを含む原料粉末にIPAおよびPVBを添加した第1のスラリーを用いて、約45μmの厚みを有する第1のセラミックグリーンシート1pを作製した。
また、約35wt%のアルミナと約65wt%のディオプサイト系結晶化ガラス(日本電気硝子社製GA67)とを含む原料粉末にIPAおよびPVBを添加した第2のスラリーを用いて、約45μmの厚みを有する第2のセラミックグリーンシート2pを作製した。
そして、上記第1のセラミックグリーンシート1pおよび第2のセラミックグリーンシート2pを用いて形成した積層体100pを大気中で約900℃で焼成することにより積層セラミック基板100を作製した。なお、焼成することにより各層1aおよび2の膜厚は、それぞれ、約30μmの厚みに収縮した。
次に、上記実施形態に従って、評価サンプルを作製し、それぞれ、特性を評価した。
(比較例1)
約33.3wt%のアルミナと約61.9wt%のディオプサイト系結晶化ガラス(日本電気硝子社製GA63)と約4.8wt%のB−Zn−Si系非晶質ガラス(日本電気硝子社製GA12)とを含む原料粉末にIPAおよびPVBを添加したスラリーを用いて、約45μmの厚みを有するセラミックグリーンシートを作製した。
(比較例1)
約33.3wt%のアルミナと約61.9wt%のディオプサイト系結晶化ガラス(日本電気硝子社製GA63)と約4.8wt%のB−Zn−Si系非晶質ガラス(日本電気硝子社製GA12)とを含む原料粉末にIPAおよびPVBを添加したスラリーを用いて、約45μmの厚みを有するセラミックグリーンシートを作製した。
前記セラミックグリーンシートを6層積層した積層体100pを作製し、該積層体100pを大気中で約900℃で焼成することにより積層セラミック基板100を作製した。なお、焼成することにより各層の膜厚は、それぞれ、約30μmの厚みに収縮した。
(比較例2)
比較例2では、実施例1の表層セラミック2に代えて、内部セラミック1を構成するディオプサイト相を有するセラミック層1aと同じセラミック層を内部セラミック層1の上面上および下面上に形成した。すなわち、比較例2では、セラミックグリーンシート1pを6層積層した積層体を焼成することにより、6層のディオプサイト相を有するセラミック層1aが積層された構造を有している。なお、焼成することにより各層1aの膜厚は、それぞれ、約30μmの厚みに収縮した。
(比較例3)
約50wt%のアルミナと約50wt%の硼珪酸ガラス(日本電気硝子社製GA50)とを含む減量粉末にIPAおよびPVBを添加したスラリーを用いて、約45μmの厚みを有するセラミックグリーンシートを作製した。
(比較例2)
比較例2では、実施例1の表層セラミック2に代えて、内部セラミック1を構成するディオプサイト相を有するセラミック層1aと同じセラミック層を内部セラミック層1の上面上および下面上に形成した。すなわち、比較例2では、セラミックグリーンシート1pを6層積層した積層体を焼成することにより、6層のディオプサイト相を有するセラミック層1aが積層された構造を有している。なお、焼成することにより各層1aの膜厚は、それぞれ、約30μmの厚みに収縮した。
(比較例3)
約50wt%のアルミナと約50wt%の硼珪酸ガラス(日本電気硝子社製GA50)とを含む減量粉末にIPAおよびPVBを添加したスラリーを用いて、約45μmの厚みを有するセラミックグリーンシートを作製した。
前記セラミックグリーンシートを6層積層した積層体100pを作製し、該積層体100pを大気中で約900℃で焼成することにより積層セラミック基板100を作製した。なお、焼成することにより各層の膜厚は、それぞれ、約30μmの厚みに収縮した。
(比較例4)
約35wt%のアルミナと約65wt%のアノーサイト系結晶化ガラス(日本電気硝子社製GA69)とを含む原料粉末にIPAおよびPVBを添加したスラリーを用いて、約45μmの厚みを有するセラミックグリーンシートを作製した。
(比較例4)
約35wt%のアルミナと約65wt%のアノーサイト系結晶化ガラス(日本電気硝子社製GA69)とを含む原料粉末にIPAおよびPVBを添加したスラリーを用いて、約45μmの厚みを有するセラミックグリーンシートを作製した。
前記セラミックグリーンシートを6層積層した積層体100pを作製し、該積層体100pを大気中で約900℃で焼成することにより積層セラミック基板100を作製した。なお、焼成することにより各層の膜厚は、それぞれ、約30μmの厚みに収縮した。
(耐薬品性)
まず、実施例1、及び比較例1乃至4において作製した積層セラミック基板の耐薬品性について検討した。耐薬品性は、各積層セラミック基板を約3Nの塩酸中に約19時間浸漬し、浸漬前後の重量変化を測定することによりガラス成分の溶出量を算出することにより評価した。
(耐薬品性)
まず、実施例1、及び比較例1乃至4において作製した積層セラミック基板の耐薬品性について検討した。耐薬品性は、各積層セラミック基板を約3Nの塩酸中に約19時間浸漬し、浸漬前後の重量変化を測定することによりガラス成分の溶出量を算出することにより評価した。
その結果を図5にまとめた。縦軸は各サンプルの浸漬前後の重量変化、即ち溶出量の相対値である。実施例1で作製した積層セラミック基板100におけるガラス成分の溶出は、検出限界以下のため検出されなかった。それに対して比較例1乃至4で作製した積層セラミック基板では溶出が検出された。
(抗折強度)
次に、実施例1の表面セラミック層2単体の機械的強度について評価した。図6は、実施例1の表面セラミック層2中のルチル相の含有量と抗折強度との関係を示す特性図である。なお、評価に用いた表面セラミック層2は、実施例1で用いた第2のセラミックグリーンシート2pを約1mmの厚さに積層して大気中で焼成することにより作製し、このときのディオプサイト系結晶化ガラスとアルミナとの重量比(W[ディオプサイト系結晶化ガラス]:W[アルミナ])を約40:約60〜約65:約35の範囲で変化させることにより、表面セラミック層2中のルチル相の含有量を変化させた。
(抗折強度)
次に、実施例1の表面セラミック層2単体の機械的強度について評価した。図6は、実施例1の表面セラミック層2中のルチル相の含有量と抗折強度との関係を示す特性図である。なお、評価に用いた表面セラミック層2は、実施例1で用いた第2のセラミックグリーンシート2pを約1mmの厚さに積層して大気中で焼成することにより作製し、このときのディオプサイト系結晶化ガラスとアルミナとの重量比(W[ディオプサイト系結晶化ガラス]:W[アルミナ])を約40:約60〜約65:約35の範囲で変化させることにより、表面セラミック層2中のルチル相の含有量を変化させた。
このルチル相の含有量は、表面セラミック層2のX線回折測定により得られるルチル相の回折ピーク強度(I[ルチル])とアルミナの回折ピーク強度(I[アルミナ])との強度比(I[ルチル相]/I[アルミナ])で評価した。また、抗折強度は、JISR1601(日本工業規格:ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法)に準拠して、3点曲げ強さを測定した。
図6に示すように、I[ルチル相]/I[アルミナ]が約0.1以上約0.4以下の範囲では、約300MPa以上の抗折強度を有していることが判明した。特に、このX線回折強度比が約0.25の場合には、約350MPaの抗折強度が得られることが判明した。抗折強度が300MPa以上であるというのは、一般的な硼珪酸ガラスとアルミナを混合した材料で得られる抗折強度約250MPaと比較して充分に大きな抗折強度を有していることを意味する。なお、これらの範囲においては上記した耐薬品性については有意差は見られなかった。この結果より、表面セラミック層2中のスピネル相の含有量をX線回折強度比(I[ルチル相]/I[アルミナ])で0.1以上0.4以下とすることにより、積層セラミック基板の抗折強度を大きくすることができるといえる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、内部セラミック層はセラミック層1aは4層積層され、表面セラミック層2は、積層セラミック基板100および110の上面上および下面上にそれぞれ、1層のみ形成されていたが、本発明はこれに限らず、内部セラミック層、表面セラミック層ともに、それぞれ、構成するセラミック層の層数は、1層でも複数層であってもよい。
上記実施形態では、いずれの積層セラミック基板にも配線層が形成されていなかったが、本発明はこれに限らず、各セラミック層の層間および基板表面に配線層が形成されていてもよい。また、約45μmのグリーンシートを用い、焼成後約30μmとなる構成で説明を行なったが、構成するセラミック層の厚みは30μmに限ったわけではない。
1 内部セラミック層
1a セラミック層
2 表面セラミック層
100 積層セラミック基板
1a セラミック層
2 表面セラミック層
100 積層セラミック基板
Claims (2)
- アルミナとディオプサイト相またはアノーサイト相を有する結晶化ガラスとを含む内部セラミック層と、
前記内部セラミック層の最表面に形成されたアルミナとディオプサイト相及びルチル相を有する結晶化ガラスとを含む表面セラミック層と、
を備える、ことを特徴とする積層セラミック基板。 - 前記表面セラミック層に含まれるルチル相とアルミナとのX線回折強度比(I[ルチル相]/I[アルミナ])が0.1以上0.4以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006110359A JP2007284264A (ja) | 2006-04-13 | 2006-04-13 | 積層セラミック基板 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010109323A (ja) * | 2008-10-28 | 2010-05-13 | Samsung Electro-Mechanics Co Ltd | 多層セラミック基板の製造方法 |
JP2012188339A (ja) * | 2011-02-24 | 2012-10-04 | Taiyo Yuden Co Ltd | セラミックス組成物、セラミックス焼結体及び電子部品 |
WO2013099944A1 (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-04 | 株式会社村田製作所 | 多層セラミック基板およびそれを用いた電子部品 |
JPWO2020158806A1 (ja) * | 2019-01-30 | 2021-11-25 | 京セラ株式会社 | 耐熱部材 |
-
2006
- 2006-04-13 JP JP2006110359A patent/JP2007284264A/ja active Pending
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