JP2007284012A - フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】小スペースでのフィルタ着脱性に優れ、簡素な構造でありながら十分な強度の確保が可能である、安価に製造可能なフィルタを提供する。
【解決手段】プリーツ状に屈曲可能なシート状フィルタ濾材と、該フィルタ濾材のシート幅方向両側に設けられ、伸長および屈曲自在なフィルタ枠材と、フィルタ濾材のシート幅方向にフィルタ枠材間にわたって延び、シート長手方向に複数配列された支持部材と、を有することを特徴とするフィルタ。
【選択図】図2
【解決手段】プリーツ状に屈曲可能なシート状フィルタ濾材と、該フィルタ濾材のシート幅方向両側に設けられ、伸長および屈曲自在なフィルタ枠材と、フィルタ濾材のシート幅方向にフィルタ枠材間にわたって延び、シート長手方向に複数配列された支持部材と、を有することを特徴とするフィルタ。
【選択図】図2
Description
本発明は、プリーツ形態で使用されるフィルタに関し、とくに、車両用空調装置等に用いて好適な、着脱性に優れたフィルタに関する。
例えば車両用空調装置における車室内空気を清浄化するためのフィルタに対しては、近年の車両用空調装置の小型・軽量化の要求に伴い、簡易構造化、薄型化、コストダウンの要求が高くなっている。また、車両用空調装置は、通常、車両のインパネ内に配設されているため、フィルタの着脱のためのスペースが十分にとれないことが多い。このため、フィルタの一部を屈曲させて着脱を行う構造のフィルタも知られている(例えば、特許文献1)。その他、簡素化、薄型化されたフィルタの強度や変形を空調ケース側で補強する構造、とくに薄型化されたフィルタの外周部と中央部を支持部で補強する構造も知られている(例えば、特許文献2)。
特開2005−7361号公報
特開2000−280737号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構造では、フィルタ濾材が内蔵されたフィルタ枠体が分割された屈曲可能な構造に構成されており、個々のフィルタ枠体はそれ程小型化されたものではないため、フィルタ全体としての小型化が不十分であり、かつ、フィルタ全体としての構造の簡素化、コストダウンも不十分である。そのため、狭いスペース内でフィルタの着脱を行う場合の作業性改善もまた、不十分である。
また、特許文献2に記載されているように、薄型化されたフィルタをその外周部と中央部にて支持部で補強する構造では、次のような問題が残されている。すなわち、簡易構造化、薄型化されたフィルタは強度に対して弱く、長期間使用される間に、フィルタ目詰まりが生じ、それに伴う圧損増加で変形しやすいという欠点がある。一方、特許文献2に記載のようにフィルタの強度をアップしたフィルタ構造では、小スペースでのフィルタ着脱性が悪化する傾向があり、かつ、フィルタ強度アップのための補強はコストアップの原因となっている。
そこで本発明の課題は、とくに小スペースでのフィルタ着脱性に優れ、簡素な構造でありながら十分な強度の確保が可能である、安価に製造可能なフィルタを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るフィルタは、プリーツ状に屈曲可能なシート状フィルタ濾材と、該フィルタ濾材のシート幅方向両側に設けられ、伸長および屈曲自在なフィルタ枠材と、前記フィルタ濾材のシート幅方向に前記フィルタ枠材間にわたって延び、シート長手方向に複数配列された支持部材と、を有することを特徴とするものからなる。すなわち、フィルタ濾材自体は、未装着の場合はシート状形態になり、装着状態では、フィルタ枠材の屈曲に沿ってプリーツ状に屈曲された形態になるように構成し、フィルタ濾材自体の強度を、フィルタ枠材間にわたした複数の支持部材で適宜補強するようにしたものである。そして、屈曲されたプリーツ形態のフィルタ濾材と、屈曲された形態のフィルタ枠材の屈曲形態は、基本的に同一の屈曲形態でよく、フィルタ全体として構成部材に全く無駄が無い。したがって、構造が極めて簡素であり、かつ、全体として容易に小型化できる構造でありながら、フィルタ濾材はフィルタ枠材と支持部材によって確実に目標とする形態に保持可能となり、強度的にも優れた構造が達成される。
この本発明に係るフィルタにおいては、上記フィルタ枠材が、プリーツ状に屈曲されるフィルタ濾材のプリーツ角度規制構造を有していることが好ましい。このように構成すれば、フィルタを所定の装着部に装着した際、プリーツ状に屈曲されるフィルタ濾材を、所定の望ましいプリーツ角度を有する形態に精度良く保つことが可能になる。
この場合、上記プリーツ角度規制構造におけるプリーツ角度規制部は、フィルタ濾材のシート幅方向両側に設けられた両フィルタ枠材に対し互いに同期した位置に実質的に同じ形態で(同じ構造にて)設けられていることが好ましい。このような同期構造とすることで、シート形態にあったフィルタ濾材を、装着時に、よじれさせたりすることなく、円滑に所望のプリーツ形態に変換することが可能となる。
このように、本発明に係るフィルタでは、フィルタ濾材がシート形態とプリーツ形態とに自由に変換され得る構成が最大の特徴である。例えば、本発明に係るフィルタは、上記フィルタ枠材が伸長された自由状態では上記フィルタ濾材が平面状シート形態に保たれ、上記フィルタ枠材が所定の装着位置に挿入されることにより屈曲された状態では上記フィルタ濾材がプリーツ形態に保たれるように構成されているものからなる。
このような本発明に係るフィルタにおいては、上記支持部材を、上記フィルタ枠材と同一材質で構成することもできる。同一材質で構成することにより、製造が容易化され、構造の一層の簡素化も可能となる。
また、上記フィルタ濾材に、プリーツ状に屈曲させるための折り目が付与されていることが好ましい。予め折り目を付与しておくことにより、フィルタ濾材を平面状シート形態からプリーツ形態とする際に、より円滑で容易な変換が可能となる。したがって、装着性も向上され、ひいては脱着性も向上される。
本発明に係るフィルタの用途は特に限定されないが、代表的には、上記フィルタ濾材が集塵用濾材からなるものに適用できる。また、上記フィルタ濾材が脱臭用濾材からなるものにも適用できる。勿論、集塵と脱臭の両機能が要求されるものにも適用できる。
さらに、本発明に係るフィルタは、小スペースでの着脱性の改善が求められる場合にとくに有効であることから、車両用空調装置に用いて好適なものである。
なお、本発明は、主としてエアフィルタを対象としているが、液体や気液混合流体に対するフィルタに対しても適用可能である。
本発明に係るフィルタによれば、優れたフィルタ着脱性、とくに小スペースでの優れたフィルタ着脱性を達成しつつ、フィルタ全体の構造の簡素化、小型化、強度確保を同時に達成できる。また、簡素な構造であることから、コストダウンをはかることも可能になる。
以下に、本発明に係るフィルタの望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1および図2は、本発明の一実施態様に係るフィルタを示しており、小スペースでのフィルタの着脱が要求される場合に好適な、とくに車両用空調装置に用いて好適な形態のフィルタを示している。図1は、装着前の状態、図2は、装着時の途中状態を、それぞれ示している。
図1および図2は、本発明の一実施態様に係るフィルタを示しており、小スペースでのフィルタの着脱が要求される場合に好適な、とくに車両用空調装置に用いて好適な形態のフィルタを示している。図1は、装着前の状態、図2は、装着時の途中状態を、それぞれ示している。
図1および図2において、1はフィルタ全体を示しており、フィルタ1は、プリーツ状に屈曲可能なシート状のフィルタ濾材2と、該フィルタ濾材2のシート幅方向両側に設けられ、伸長および屈曲自在なフィルタ枠材3と、フィルタ濾材2のシート幅方向にフィルタ枠材3間にわたって延び、シート長手方向に複数配列された支持部材4と、を有している。本実施態様では、両側のフィルタ枠材3と支持部材4とは、同一材質のものから構成されている。フィルタ濾材2には、後述のプリーツ形態への屈曲の際の屈曲部に対応する位置に、予めフィルタ濾材2のシート幅方向に延びる折り目5が付与されている。各折り目5は、フィルタ枠材3間にフィルタ濾材2のシート幅全幅にわたって延びている。
フィルタ濾材2のシート幅方向両側に設けられたフィルタ枠材3は、実質的に同一の形態、つまり、形状変化が同期した形態に構成されている。各フィルタ枠材3は、図1における水平方向断面形状が矩形で、縦断面形状が平行四辺形のフィルタ枠材片3aが連接されたものからなる。この連接構成は、隣接フィルタ枠材片3a同士が一体に連接されているものであってもよく、各々別体構成にて連接されているものであってもよい。別体構成にて連接される場合には、例えば、隣接フィルタ枠材片3aが基本的に別片として形成され、長手方向に連続して延びるフィルタ濾材2によって隣接フィルタ枠材片3a同士が連接されるようにすればよい。隣接フィルタ枠材片3aの上記縦断面平行四辺形の辺間に予め設定された所定の角度が存在するが、隣接フィルタ枠材片3a同士が屈曲されてこれら辺同士が図2に示すように互いに当接することにより、プリーツ状に屈曲されるフィルタ濾材2のプリーツ角度規制構造が構成されている。このプリーツ角度規制構造におけるプリーツ角度規制部、つまり上記縦断面平行四辺形の辺部は、フィルタ濾材2のシート幅方向両側に設けられた両フィルタ枠材3に対し互いに同期した位置に実質的に同じ形態で(同期構造にて)設けられている。
フィルタ1は、所定の装着位置に装着される前には、図1に示すように、フィルタ枠材3が伸長された状態で、フィルタ濾材2が平面シート状に伸ばされた自由状態にある。そして、所定の装着位置に装着される時、図2に示すように、フィルタ枠材3が非装着領域Aから所定の装着領域B内の位置へと挿入されることにより、挿入抵抗によって自然に順次屈曲されていく。このとき、上述の縦断面平行四辺形の辺部同士が当接し、プリーツ角度規制構造の機能が自然に発揮される。両側のフィルタ枠材3の屈曲に伴って、フィルタ濾材2が自動的に所定の屈曲角を有するプリーツ形態に順次変換されていく。また、フィルタ濾材2には、プリーツ形態の屈曲位置に相当する位置に予め折り目5が付与されているので、このプリーツ形態への変換は極めて円滑に進められる。装着が終了した段階では、フィルタ枠材3、フィルタ濾材2の実質的に全部、あるいは装着に必要な範囲の全部が、ともに、所定の最終プリーツ形態に形成され、そのプリーツ形態にはシート長手方向に適宜支持部材4が配置された状態となるので、フィルタとしての強度も確保された形態となる。
フィルタ脱着時には、上記と逆の形態変換が生じ、装着領域B内にあったプリーツ形態のフィルタ1が、引き出されることにより自動的に、順次図1に示したような平面シート状に伸ばされた形態とされる。
このように、装脱着に応じて、平面シート形態とプリーツ形態との変換が自動的に自然に行われるので、フィルタ着脱性は極めて良好である。また、装着前は平面シート形態であり大きなスペースは不要であるので、小スペースしか取れない場所においても、取扱い性、操作性は極めて良い。また、所定のフィルタプリーツ形態は、フィルタ濾材2とフィルタ枠材3によって形成されるので、無駄な部材が全く存在しない。しかも、適宜配置した支持部材4によって、所定のプリーツ形態を確実に保持でき、フィルタ濾材2、ひいてはフィルタ1全体としての強度が確実に確保される。さらに、無駄な部材が一切存在しないことから、フィルタ1全体として容易に小型に構成でき、かつ、安価に製造できる。
本発明に係るフィルタは、あらゆる分野のフィルタに適用でき、とくに小スペースしかとれず、着脱性の向上が求められる分野、中でも車両用空調装置のエアフィルタに用いて好適なものである。
1 フィルタ
2 フィルタ濾材
3 フィルタ枠材
3a フィルタ枠材片
4 支持部材
5 折り目
2 フィルタ濾材
3 フィルタ枠材
3a フィルタ枠材片
4 支持部材
5 折り目
Claims (9)
- プリーツ状に屈曲可能なシート状フィルタ濾材と、該フィルタ濾材のシート幅方向両側に設けられ、伸長および屈曲自在なフィルタ枠材と、前記フィルタ濾材のシート幅方向に前記フィルタ枠材間にわたって延び、シート長手方向に複数配列された支持部材と、を有することを特徴とするフィルタ。
- 前記フィルタ枠材が、プリーツ状に屈曲されるフィルタ濾材のプリーツ角度規制構造を有している、請求項1に記載のフィルタ。
- 前記プリーツ角度規制構造におけるプリーツ角度規制部が、フィルタ濾材のシート幅方向両側に設けられた両フィルタ枠材に対し互いに同期した位置に実質的に同じ形態で設けられている、請求項2に記載のフィルタ。
- 前記フィルタ枠材が伸長された自由状態では前記フィルタ濾材が平面状シート形態に保たれ、前記フィルタ枠材が所定の装着位置に挿入されることにより屈曲された状態では前記フィルタ濾材がプリーツ形態に保たれるように構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルタ。
- 前記支持部材が、前記フィルタ枠材と同一材質で構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルタ。
- 前記フィルタ濾材に、プリーツ状に屈曲させるための折り目が付与されている、請求項1〜5のいずれかに記載のフィルタ。
- 前記フィルタ濾材が、集塵用濾材からなる、請求項1〜6のいずれかに記載のフィルタ。
- 前記フィルタ濾材が、脱臭用濾材からなる、請求項1〜6のいずれかに記載のフィルタ。
- 車両用空調装置に用いられるものからなる、請求項1〜8のいずれかに記載のフィルタ。
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