JP2007283993A - 車体前部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体前部構造10は、フロントバルクヘッド14の左右の支柱21,22にアッパビーム20が車幅方向に向けて架け渡され、アッパビーム20の車体前側に、バンパーフェース26に取り付けたフロントグリル25が配置されている。この車体前部構造10は、アッパビームを、車体前方に向けて突出するように湾曲状に形成するとともに、弾性変形可能に形成し、さらに中央部46の上面20cにフロントグリル25に係止可能な係止爪48を備える。
【選択図】図4
Description
これにより、ロアークロスメンバーに車体前方から軽衝撃が作用した際に、支持ブラケットが車体後方に移動し、支持ブラケットとともにロアークロスメンバーが車体後方に移動する。
ロアークロスメンバーが塑性変形することを防ぐことで、修理費を抑えることが可能になる。
よって、車体前部構造の剛性を確保するためには、ロアークロスメンバーをラジエータコアサポートに強固に取り付けることが望ましい。
このように、ロアークロスメンバーを車体後方に移動可能に取り付けるために、車体前部構造の剛性を確保することが難しい。
このアッパビームの中央部の上面に係止爪を備え、この係止爪にフロントグリルを係止させるようにした。
軽衝撃が吸収された後、アッパビームは弾性変形前の湾曲状態に復帰する。
これにより、アッパビームを塑性変形させずに軽衝撃を吸収することができるので、修理費を抑えることができるという利点がある。
これにより、アッパビームで車体前部構造を十分に支えることが可能になり、車体前部構造の剛性を確保することができるという利点がある。
車体前部構造10は、車体前部の左右側に前後方向に延びる左右のフロントサイドフレーム11,12を備え、左右のフロントサイドフレーム11,12のそれぞれの前端部11a,12aにフロントバルクヘッド14を備え、フロントバルクヘッド14にラジエータ15およびコンデンサ16を取り付け、コンデンサ16の前方にフロントバンパービーム18が車幅方向を向いて配置され、フロントバンパービーム18が左右のフロントサイドフレーム11,12のそれぞれの前端部11a,12aに架け渡されている。
コンデンサ16は、例えば、エアコン用の冷媒ガスを冷却して液化するものである。
フロントグリル25は、バンパーフェース26の上部26aに取り付けられる下グリル27と、下グリル27に取り付けられる上グリル28が設けられている。
グリル本体部31は、複数の横バー33…が車体幅方向に延び、横バー33…が所定間隔をおいて上下に設けられ、横バー33…に交差させて複数の縦リブ34…(図6、図7参照)が設けられている。
すなわち、左取付ブラケット36は、左支柱21に基部37がボルト止めされ、基部37からブラケット本体38が車体前方に向けて略水平に延び、ブラケット本体38の先端部に上取付孔38aが形成され、先端部から折曲片39が下向きに折り曲げられ、折曲片39に前取付孔39aが形成されている。
具体的には、アッパビーム20の左端部20aが、スペーサ43を介して左取付ブラケット36のブラケット本体38に載置され、左取付ブラケット36に上ボルト44および前ボルト45で取り付けられる。
この係止爪48は、フロントグリル25(図2参照)に係止可能に形成されている。
アッパビーム20の右端部20bは、左端部20aと同様に、上面20cが段差をつけて下げられ、この段差部に上取付孔52が形成され、前張出片20fから前取付片52が下方に向けて折り曲げられ、前取付片52に前取付孔52aが形成されている。
左取付ブラケット36は、ブラケット本体38の裏面で、かつ上取付孔38aと同軸上に上ナット54が溶接されている。
アッパビーム20の左端部20aとブラケット本体38との間にスペーサ43が介在されている。このスペーサ43は、上面20cの上取付孔51およびブラケット本体38の上取付孔38aに対して同軸上に配置されている。
上面20cの上取付孔51、スペーサ43の貫通孔およびブラケット本体38の上取付孔38aに上ボルト44が貫通され、上ナット54にねじ結合されている。
アッパビーム20の前取付孔52aおよびブラケット本体36の前取付孔39aに前ボルト45が貫通され、前ナット55にねじ結合されている。
上ボルト44を上ナット54にねじ結合するとともに、前ボルト45を前ナット55にねじ結合することで、アッパビーム20の左端部20aが左取付ブラケット36に取り付けられる。
アッパビーム20の右端部20bは、左端部20aと同様に、上ボルト44を上ナット54(図示せず)にねじ結合するとともに、前ボルト45を前ナット55にねじ結合することで右取付ブラケット41(図4参照)に取り付けられる。
さらに、アッパビーム20の右端部20bを上ボルト44および前ボルト45で右取付ブラケット41に取り付けることで、右端部20bを右取付ブラケット41を介して右支柱22に強固に取り付けることができる。
これにより、アッパビーム20で車体前部構造10を十分に支えることが可能になり、車体前部構造10の剛性を確保することができる。
アッパビーム20の係止爪48は、表面20cの後端近傍から脚部57が上向きに略鉛直状に立設され、脚部57の上端から爪部58が車体前方に向けて略鉛直状に延出され、爪部58の先端部が下向き湾曲状に形成されている。よって、この湾曲状の部位(以下、「湾曲部位」という)58aが下方に突出される。
すなわち、下グリル27は、グリル本体部31および取付部32を備える。グリル本体部31は、複数の横バー33…が所定間隔をおいて上下に設けられ、横バー33…に交差させて複数の縦リブ34(1個のみを図示する)が設けられ、最下部の横バー33の下方に下枠部61が設けられ、最下部の横バー33から上側4列目の横バー33に取付部32が設けられている。
グリル脚部62および枠本体63は、バンパーフェース26に沿って車体幅方向に延びる部位である。
よって、枠本体63と最下部の横バー33との間の間隔に、バンパーフェース26の上部26aに備えた差込片26bを差し込むことができる。
この係止孔64aに係止爪48の湾曲部位58aを係止することで、下グリル27をアッパビーム20に係止する。
アッパビーム20は、中央部46がコンデンサ16の前面16aから車体前方に距離寸法D1だけ離れた位置に配置されている。
爪保持突片68は、係止突片64の上方に間隔寸法D2をおいて、係止突片64に対向するように設けられている。
なお、爪保持突片68と係止突片64との間の間隔を間隔寸法D2に設定した理由は図10(a)で説明する。
図8(a),(b)は本発明に係る車体前部構造のバンパーフェースに軽衝撃力が作用した例を示す説明図である。
(a)において、バンパーフェース26に軽衝撃力Fが車体前方側から矢印の如く作用する。
フロントグリル25が矢印Aの如く車体後方に向けて移動する。
下枠部61の係止突片64が係止爪48の脚部57に当接する。これにより、軽衝撃力Fが係止爪48を経てアッパビーム20の中央部46に伝わる。
(a)において、アッパビーム20の中央部46に軽衝撃力Fが伝わることで、湾曲状のアッパビーム20が左端部20aの上ボルト44および右端部20bの上ボルト44を支点にして矢印Bの如く車体後方に向けて弾性変形する。
アッパビーム20が略直線状態になるまで弾性変形することで、(a)に示す軽衝撃力Fが吸収される。
(a)において、アッパビーム20の中央部46がコンデンサ16側に近づき、中央部46とコンデンサ16の前面16aとの間の距離寸法D1が小さくなる。
しかし、中央部46はコンデンサ16の前面16aと非接触状態を保つので、コンデンサ16が損傷する虞はない。
これにより、爪部58が脚部57を支点にして上方に変形した場合に、爪部58の先端部が爪保持突片68に当接して爪部58の変形を阻止することができる。
したがって、フロントグリル25に伝わった軽衝撃力Fを、係止爪48からアッパビーム20の中央部46に確実に伝えることができる。
これにより、アッパビーム20を塑性変形させずに軽衝撃を吸収することができるので、修理費を抑えることができる。
これにより、アッパビーム20で車体前部構造10を十分に支えることが可能になり、車体前部構造10の剛性を確保することができる。
Claims (1)
- フロントバルクヘッドの左右の支柱にアッパビームが車幅方向に向けて架け渡され、このアッパビームの車体前側に、バンパーフェースに取り付けたフロントグリルが配置された車体前部構造であって、
前記アッパビームは、
車体前方に向けて突出するように湾曲状に形成されるとともに、弾性変形可能に形成され、
中央部の上面に前記フロントグリルに係止可能な係止爪を備えたことを特徴とする車体前部構造。
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