JP2007283679A - 取出し機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、取出し機が成形機の構成部品に取り付けられたとしても、成形機の作動に悪影響を及ぼさないように取出し機を制御する制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】取出し機10は射出成形機30に取り付けられる。取出し機10は、成形品を保持する保持部12が設けられたアーム部14を有する。アーム部14を移動させる移動機構16と、移動機構16の駆動を制御する制御装置24とが設けられる。制御装置24は、射出成形機の成形工程のうち、移動機構16の駆動により発生する振動が悪影響を及ぼす所定の工程が開始される時点において、移動機構16が振動を発生しない状態か所定の大きさ以下の振動を発生する状態となるように、移動機構16を制御する。
【選択図】図3
【解決手段】取出し機10は射出成形機30に取り付けられる。取出し機10は、成形品を保持する保持部12が設けられたアーム部14を有する。アーム部14を移動させる移動機構16と、移動機構16の駆動を制御する制御装置24とが設けられる。制御装置24は、射出成形機の成形工程のうち、移動機構16の駆動により発生する振動が悪影響を及ぼす所定の工程が開始される時点において、移動機構16が振動を発生しない状態か所定の大きさ以下の振動を発生する状態となるように、移動機構16を制御する。
【選択図】図3
Description
本発明は取出し機の制御装置に係り、特に射出成形機の金型から成形品を取り出す取出し機の動作を制御する制御装置に関する。
一般的に、射出成形機等の成形機では、金型に溶融樹脂を注入して冷却・個化して成形品とする。金型内の成形品は、金型が開いた後、金型から突き出される。突き出された成形品はそのまま落とされてコンベヤにより運ばれることもあるが、通常、取出し機により保持されて移動され、コンベヤ上等の所定の位置に置かれる。
取出し機は、例えば、3軸移動のアームを備え、アームの先端に成形品を把持する把持部材が設けられる。成形機の金型から成形品を取り出すときは、取出し機は成形機の型締装置の動作に同期して動作する。すなわち、型締装置が型開きを行っている間に、金型装置から成形品を取出し、型閉じ及び型締め動作を行っているときにアームを移動して成形品をコンベヤ等の上に載置する。
取出し機は、成形機の近傍に配置する必要があり、設置スペースを省くために、成形機の一部に取り付けられる場合がある。射出成形機から成形品を取り出す場合、成形品を取り出す位置に近い場所として、固定プラテンのような剛性があり動かない部分に取出し機を取り付けることが多い(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−1378号公報
射出成形機の固定プラテンに取出し機を取り付けた場合、取出し機の作動により発生する振動が固定プラテンに伝播する。取出し機のアーム及び移動機構の重量が大きい場合、アームを移動する際に発生する振動も無視できないほどの大きさとなる。このような振動が固定プラテンに伝播すると、固定プラテンも振動し、結果として金型や、固定プラテンが設けられた型締装置も振動する。
このように、取出し機から発生した振動が金型や型締装置に伝播した場合、この振動が成形工程に悪影響を及ぼすおそれがある。例えば、型締装置が型閉じ動作を行っているときには、固定プラテンを基準として可動プラテンの位置を検出したり、型閉じ完了を検出するために、金型に作用する微小な押圧力を検出したりすることがある。このような位置検出や押圧力の検出に用いられるセンサに振動が加わると、誤検出が発生したり、検出精度が悪くなるなどの問題が発生する。
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、取出し機が成形機の構成部品に取り付けられたとしても、成形機の作動に悪影響を及ぼさないように取出し機を制御する取出し機の制御装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明によれば、射出成形機に用いられる取出し機の制御装置であって、該取出し機は、成形品を保持する保持部が設けられたアーム部を移動させる移動機構を有し、前記制御装置は、前記射出成形機の成形工程のうち、前記移動機構の駆動により発生する振動が悪影響を及ぼす所定の工程が開始される時点において、前記移動機構が振動を発生しない状態か所定の大きさ以下の振動を発生する状態となるように、前記移動機構を制御することを特徴とする取出し機の制御装置が提供される。
本発明による取出し機の制御装置において、前記所定の工程は、型締め工程及又は充填工程であることが好ましい。また、前記射出成形機の型締装置又は金型の振動の大きさを示す信号を受信し、該信号の示す振動の大きさが所定の値以下となる時点を、前記所定の工程が開始される時点として設定することが好ましい。前記信号から振動の加速度を求め、求めた加速度が所定の値以下となる時点を、前記所定の工程が開始される時点として設定することとしてもよい。前記信号から振動の振幅を求め、求めた振幅が所定の値以下となる時点を、前記所定の工程が開始される時点として設定することとしてもよい。
本発明によれば、金型や型締装置が振動すると成形品の精度や品質に悪影響がでるような成形工程において、取出し機から振動が発生しないか、あるいはごく微小な振動しか発生しない。このため、取出し機を射出成形機の構成部品に取り付けたとしても精度の高い成形を行うことができる。
次に、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態による制御装置を有する取出し機が射出成形機に取り付けられた状態を示す斜視図である。図1において、取出し機10は、射出成形機30の型締装置40の構成部品である固定プラテン42の上面に取り付けられている。
まず、射出成形機30の概要について説明する。射出成形機30は、成形機フレーム32上に設けられた型締装置40と射出装置50とを有する。
型締装置40は、固定プラテン42と、固定プラテンに対して移動可能な可動プラテン44を有する。可動プラテン44は、固定プラテン42に固定されて平行に延在する4本のタイバー46により案内されて移動する。固定プラテン42に固定金型43が取り付けられ、可動プラテン44に可動金型45が取り付けられる。固定金型と可動金型とで金型装置が構成される。型締装置40は、可動プラテン44を駆動する駆動装置としてトグル機構と駆動源のモータ等を有しているが、カバー34により覆われているため、図には示されていない。
射出装置50は、樹脂を加熱しながら溶融する加熱シリンダ52を有する。加熱シリンダ52には、ホッパ54から供給される樹脂材料が樹脂供給部を56を介して供給される。射出装置50は移動機構(図示せず)を有しており、加熱シリンダ52を含む射出装置50全体が固定プラテン42に対して移動することができる。
型締装置40の型閉工程において、可動プラテン44が固定プラテン42に向かって前進し、可動金型45が固定金型43に型タッチすることで、型閉じが行われる。型閉じ工程の終了後に、さらに可動プラテン44に押圧力が加えられ、型締工程が行われる。型締工程の間に、射出装置50の加熱シリンダ52の先端のノズルが固定プラテン42に押し付けられ、溶融樹脂が、固定プラテン42を通じて固定金型43と可動金型45とにより形成されたキャビティに注入される。キャビティに充填された溶融樹脂は冷却されて個化し、成形品となる。
型締工程が終了すると、型開工程に移り、可動プラテン44が後退して、型開きが行われる。可動プラテン44が型開限位置となると、そこで所定の時間停止する。このときに、可動金型44に保持されていた成形品がエジェクタにより突き出されるとともに、取出し機により保持され、射出成形機30の外部に移動される。射出成形機30の外部に移動された成形品は、例えば、コンベヤ上に載置され、次の工程へと搬送される。成形品が取出されると、再び可動プラテン44が前進し、次の成形サイクルに移る。
以上の型締装置40及び射出装置50の動作は、射出成形機の制御部36で制御される。
また、型締装置40のタイバー46に、振動計48が取り付けられる。振動計48は、型締装置40で発生した振動を検出して、その大きさを表す信号(例えば、振動加速度を表す信号)を制御部36に送る。振動計48は型締装置40における振動を検出できる位置であればどこに取り付けられてもよい。あるいは振動計48を固定金型43に取り付けて金型の振動を検出することとしてもよい。
次に、取出し機10について説明する。
取出し機10は、成形品を保持する保持部12と、保持部12が設けられたアーム部14と、アーム部14を移動させる移動機構16とを有する。保持部12は、成形品を把持して保持する取出しヘッド12aを有する。取出しヘッド12aは、アーム部14の先端部に取り付けられる。移動機構16は、アーム部14を水平方向に移動させる水平移動機構18,20と、アーム部14を垂直方向に移動させる垂直移動機構22とを有する。
保持部12、水平移動機構18,20、及び垂直移動機構22の動作は、取出し機10の制御装置24で制御される。取出し機10の制御装置24は成形機30の制御部36に接続されており、制御部36とデータや信号を交換することができる。
取出し機10による成形品の取り出しは、以下のようにして行われる。まず、金型43,45の型開き後に、待機位置で待機していた保持部12を金型43,45の間に進入させて、成形品の取出し位置まで移動させ、取出し位置に達した時点で停止させる。ここで言う待機位置とは、図1中の可動プラテンが型開位置到達した時点で、保持部12が真上にある位置であり、水平移動機構20が金型の進退する軸と平行な位置である。取出し位置において、保持部12は、その取出しヘッド12aによって、可動金型45から突き出された成形品を保持する。続いて、成形品を保持した保持部12を、垂直移動機構22を駆動することによって待機位置まで上昇させた後、水平移動機構18によって、射出成形機の外側に設けられているコンベア装置の真上である退出位置まで移動させる。そして、垂直移動機構18を移動させて、成形品を保持する保持部12を退出位置から成形品を開放する開放位置まで下降させ、開放位置に達した時点で停止させる。開放位置にて保持部12は成形品の保持をやめ、成形品を開放する。開放位置とは例えばコンベヤ上の位置であり、解放された成形品はコンベヤにより搬送される。成形品を解放すると、保持部12は待機位置に戻され、次の成形品取り出しのために待機する。
以上の保持部12の移動は、水平移動機構18,20及び垂直移動機構22を適宜駆動して、アーム部14を移動することにより行われる。水平移動機構18,20と垂直移動機構22を駆動すると振動が発生し、その振動は固定プラテン42への取付け部26を介して射出成形機30の固定プラテン42に伝播する。
ここで、取出し機10の一般的な動作サイクルと、射出成形機30の動作サイクルの関係について、図2を参照しながら説明する。図2は、射出成形機30の可動プラテン44の位置と、取出し機10の保持部12の位置と、保持部12を有するアーム部14の加速度との時間的変化を示すグラフである。
図2(a)は可動プラテン44の位置を示す。図2(a)において、「型閉」は可動プラテン44が前進して固定プラテン42側にあり、金型が閉じた状態のときの位置を示す。また、「型開」は、可動プラテン44が後退して固定プラテン42から離れた側にあり、金型が開いた状態のときの位置を示す。
図2(b)は取出し機10の保持部12の水平方向の位置を示す。図2(b)において、「コンベヤ」は保持部12が成形品を解放する開放位置を示す。また、「取り出し」は、保持部12が金型43,45の外で待機する待機位置を示す。
図2(c)は、保持部12を含むアーム部14の移動時に加わる水平方向の加速度の大きさを示す。アーム部14に加わる加速度は、水平移動機構18,20及び垂直移動機構22による発生する全ての加速度を足し合わせた加速度とする。図2(c)における「+」側は可動プラテン44の前進方向に作用する加速度を表し、「−」側は可動プラテン44の後退方向の加速度を表す。
図2(a)に示すように可動プラテン44が型開工程において「型閉」から「型開」に移動すると、図2(b)に示すように取出し機10の保持部12は「コンベヤ」から「取り出し」に移動する。つまり、退出位置から待機位置平動する。このとき、取出し機10のアーム部14に加わる加速度は、図2(c)に示すように変化する。すなわち、アーム部14には、まず、前進方向に加速度が加えられて前進の速度が増加される。前進方向とは、アーム部14の保持部12を「コンベヤ」から「取り出し」に移動する方向である。アーム部14が所定の前進速度になった時点で前進速度が維持されるので加速度はゼロ近辺となる。その後、アーム部14の水平方向の移動を停止するために後退方向に加速度が加えられ、可動プラテン44が「型開」に到達した時点で保持部12は「取り出し」に到達し、アーム部14の加速度はゼロとなる。以上の加速度は、水平移動機構18,20の駆動により発生する加速度である。
可動プラテン44が「型開」に到達すると、成形品の取り出しが行われる。このとき、アーム14は垂直移動機構20により駆動されて保持部12が金型43,45の間に移動されるので、アーム部14に加速度が加わるが、この加速度の方向は垂直方向であり、水平方向の加速度は小さい。
保持部12が成形品を保持してアーム部14が上方に移動し、保持部12が待機位置に移動すると、続いて型閉工程が行われる。型閉工程では、図2(a)に示すように可動プラテン44は「型開」から「型閉」に移動し、図2(b)に示すように取出し機10の保持部12は「取り出し」から「コンベヤ」に移動する。このとき、取出し機10のアーム部14に加わる加速度は、図2(c)に示すように変化する。すなわち、アーム部14には、まず、コンベヤに向かう方向である後退方向に加速度が加えられて後退の速度が増加される。所定の後退速度になった時点で後退速度が維持されるので加速度はゼロ近辺となる。その後、アーム部14の移動を停止するために前進方向に加速度が加えられ、可動プラテン44が「型閉」に到達した時点で、保持部12は「コンベヤ」に到達し、アーム部14の加速度はゼロとなる。
保持部12が「コンベヤ」に到達すると、アーム部14は垂直移動して、コンベヤ上の所定の位置まで下降し、成形品12は解放されてコンベヤ上に載置される。また、可動プラテン44が「型閉」に移動した時点で型締め工程が開始される。型締め工程が終了すると成形サイクルは終了し、次の成形サイクルが開始される。
以上のような一般的な取出し機の動作によると、型閉じ工程において、取出し機が動作しており、アーム部14に大きな加速度が加えられる。したがって、型閉工程において取出し機10に大きな振動が発生し、その振動が取出し機10の取付け部26を介して固定プラテン42に伝播する。型閉工程では、型閉じを検出するために、型締装置40において可動プラテン44に作用する荷重をセンサにより検出したり、可動プラテン44の位置をセンサにより検出したりしている。取出し機10の振動が型締装置40に伝播すると、このようなセンサが誤検出するおそれがあり、また、検出精度が悪くなるおそれがある。 また、型締工程の最初の部分、すなわち充填工程が行われている間も、型締力を検出しており、取出し機10の振動が型締装置40に伝播すると、型締力を精度よく検出することができなくなる。したがって、図2に示すような取出し機10の動作は好ましくない。また、可動金型45と固定金型43とが型タッチする際に外部より振動が伝達されると、金型を型合わせした際の精度が低下してしまい、成形不良の原因となってしまう。
そこで、本実施形態による制御装置24は、型閉工程及び型締工程において、取出し機10から振動が発生しないか、発生してもきわめて小さな振動となるように取出し機10の動作を制御する。これにより、射出成形機30に取出し機10を取り付けても、取出し機10から発生する振動による悪影響がなく、精度の高い成形動作を行うことができる。
図3は、型閉工程及び型締工程において、取出し機10から振動が発生しないよう取出し機10の動作を制御する場合の、射出成形機30の可動プラテン44の位置と、取出し機10の保持部12の位置と、保持部12を有するアーム部14の加速度との時間的変化を示すグラフである。
図3に示すグラフは、図2に示すグラフと同様な条件であり、その説明は省略する。
図3(a)に示すように可動プラテン44が型開き工程において「型閉」から「型開」に移動すると、図3(b)に示すように取出し機10の保持部12は「コンベヤ」から「取り出し」に移動する。このとき、取出し機10のアーム部14に加わる加速度は、図3(c)に示すように変化する。すなわち、アーム部14には、まず、前進方向に加速度が加えられて前進の速度が増加される。前進方向とは、アーム部14の保持部12を「コンベヤ」から「取り出し」に移動する方向である。アーム部14が所定の前進速度になった時点で前進速度が維持されるので加速度はゼロ近辺となる。その後、アーム部14の水平方向の移動を停止するために後退方向に加速度が加えられ、可動プラテン44が「型開」に到達した時点で保持部12は「取り出し」に到達し、アーム部14の加速度はゼロとなる。以上の加速度は、水平移動機構18,20の駆動により発生する加速度である。
可動プラテン44が「型開」に到達すると、成形品の取り出しが行われる。このとき、アーム14は垂直移動機構20により駆動されて保持部12が金型43,45の間に移動されるので、アーム部14に加速度が加わるが、この加速度の方向は垂直方向であり、水平方向の加速度は小さい。
保持部12が成形品を保持してアーム部14が上方に移動し、保持部12が待機位置に移動すると、続いて型閉じ工程が行われる。型閉じ工程では、図3(a)に示すように可動プラテン44は「型開」から「型閉」に移動し、図3(b)に示すように取出し機10の保持部12は「取り出し」から「コンベヤ」に移動する。このとき、取出し機10は動作せず、取出し機10のアーム部14に加わる加速度は、図3(c)に示すようにゼロのままである。すなわち、保持部12は成形品を保持したまま、待機位置に停止している。
型閉工程が終了し、続いて型締工程が開始されても、保持部12は成形品を保持したまま、待機位置に停止している。型締工程が進んで、所定の型締力に達した後、取出し機10の動作が開始され、図3(b)に示すように保持部12は「取り出し」から「コンベヤ」まで移動する。すなわち、アーム部14には、まず、後退方向に加速度が加えられて後退の速度が増加される。所定の後退速度になった時点で後退速度が維持されるので加速度はゼロ近辺となる。その後、アーム部14の移動を停止するために前進方向に加速度が加えられ、保持部12は「コンベヤ」に到達し、アーム部14のゼロとなる。このとき、アーム部14には図3(c)に示すように大きな加速度が作用するが、所定の型締力に達した後であるので、型締力の検出精度は高くなくてよく、取出し機10の振動が型締装置40の固定プラテン42に伝播しても、悪影響は及ぼさない。以上のアーム14の後退動作は、型締工程中に行われる。
保持部12が「コンベヤ」に到達すると、アーム部14は垂直移動して、コンベヤ上の所定の位置まで下降し、成形品は解放されてコンベヤ上に載置される。この成形品開放時の動作も、型締工程中に行われる。
このように、射出成形30の型閉工程と、型締工程の初期段階の充填工程において、取出し機10が動作しないように制御されるので、型閉工程と充填工程において取出し機10から振動が発生せず、型閉工程と充填工程において振動による悪影響が防止され、射出成形機30は、精度のよい成形を行うことができ、成形品の品質を維持することができる。
すなわち、型閉工程では、型締装置に振動が伝播しないので、型締力を精度よく検出することができ、精度よく型閉じを検出することができる。また、充填工程では精度よく樹脂を金型装置に注入することができる。例えば、口開け成形を行う際に、固定金型と可動金型との間の距離が振動により変化することがなく一定距離に維持することができるので、問題なく口開け成形を行うことができる。
図4は、型閉じ工程及び型締め工程において、取出し機10から所定の大きさ以上の振動が発生しないよう取出し機10の動作を制御する場合の、射出成形機30の可動プラテン44の位置と、取出し機10の保持部12の位置と、保持部12を有するアーム部14の加速度との時間的変化を示すグラフである。
図4に示すグラフは、図2に示すグラフと同様な条件であり、その説明は省略する。
図4(a)に示すように可動プラテン44が型開き工程において「型閉」から「型開」に移動すると、図4(b)に示すように取出し機10の保持部12は「コンベヤ」から「取り出し」に移動する。このとき、取出し機10のアーム部14に加わる加速度は、図4(c)に示すように変化する。
すなわち、アーム部14には、まず、前進方向に加速度が加えられて前進の速度が増加される。前進方向とは、アーム部14の保持部12を「コンベヤ」から「取り出し」に移動する方向である。アーム部14が所定の前進速度になった時点で前進速度が維持されるので加速度はゼロ近辺となる。その後、アーム部14の水平方向の移動を停止するために後退方向に加速度が加えられ、可動プラテン44が「型開」に到達した時点で保持部12は「取り出し」に到達し、アーム部14の加速度はゼロとなる。以上の加速度は、水平移動機構18,20の駆動により発生する加速度である。
可動プラテン44が「型開」に到達すると、成形品の取り出しが行われる。このとき、アーム14は垂直移動機構20により駆動されて保持部12が金型43,45の間に移動されるので、アーム部14に加速度が加わるが、この加速度の方向は垂直方向であり、水平方向の加速度は小さい。
保持部12が成形品を保持してアーム部14が上方に移動し、保持部12が待機位置に移動すると、続いて型閉工程が行われる。型閉工程では、図4(a)に示すように可動プラテン44は「型開」から「型閉」に移動し、図4(b)に示すように取出し機10の保持部12は「取り出し」から「コンベヤ」に移動する。型閉工程が開始されると、取出し機10はアーム部14の後退動作を開始するが、図4(c)に示すように、比較的小さな加速度にて徐々に後退速度を増大させる。したがって、このときの加速度により発生する振動は小さく抑えられる。すなわち、このときの振動は、固定プラテン42に伝播しても型開工程での動作に影響を及ぼさないような大きさの振動に抑えられる。言い換えれば、このときの振動が、固定プラテン42に伝播しても型開工程での動作に影響を及ぼさないような振動の許容値以下になるように、アーム部14の加速度の大きさが制御される。さらに、型閉工程の終了時において型タッチをする際には、加速度はゼロとされ、加速運動から等速運動となっている。これにより、アームの運動によって発生する振動を小さく抑えることができる。
このように、小さな加速度で徐々に速度が増加されて所定の後退速度に達した後、その後退速度は、型閉工程が終了して型締工程が開始されても、一定に維持される。したがって、アーム部14には加速度が加えられないので、振動は発生しない。すなわち、振動の影響を受けやすい型閉工程の終了時と型締工程の開始時(充填工程)において、取出し機10のアーム部14は一定の速度で移動されており、取出し機10において振動は発生しない。
この所定の後退速度でアーム部14は後退を続け、「コンベヤ」に到達する前に、反対に前進方向に加速度が加えられる。このときの加速度も、比較的小さな加速度であり、徐々に後退速度を減少させる。したがって、このときの加速度により発生する振動は小さく抑えられる。すなわち、このときの振動は、固定プラテン42に伝播しても型締工程での動作に影響を及ぼさないような大きさの振動に抑えられる。言い換えれば、このときの振動が、固定プラテン42に伝播しても型締工程での動作に影響を及ぼさないような振動の許容値以下になるように、アーム部14の加速度の大きさが制御される。
型締工程が進んで、図4(b)に示すように保持部12が「取り出し」から「コンベヤ」まで移動すると、アーム部14は垂直移動して、コンベヤ上の所定の位置まで下降し、成形品12は解放されてコンベヤ上に載置される。この成形品開放時の動作も、型締工程中に行われる。
このように、射出成形30の型閉工程と、型締工程の初期段階の充填工程において、取出し機10で発生する振動が所定の大きさ以下の振動となるように制御されるので、型閉工程と充填工程において取出し機10が動作していても、型閉工程と充填工程において振動による悪影響が防止され、射出成形機30は、精度のよい成形を行うことができ、成形品の品質を維持することができる。
すなわち、型閉工程では、所定の大きさ以下の振動しか型締装置に伝播しないので、型締力を精度よく検出することができ、精度よく型閉じを検出することができる。また、充填工程では精度よく樹脂を金型装置に注入することができる。例えば、口開け成形を行う際に、固定金型と可動金型との間の距離が振動により変化することがなく一定距離に維持することができるので、問題なく口開け成形を行うことができる。
以上の例は、取出し機10が一台だけ射出成形機30に取り付けられた例であるが、取出し機10を2台取り付けて交互に成形品を取出すこともできる。
図5は、取出し機10を2台用いた場合の、可動プラテン44の位置と、2台の取出し機10の保持部12の位置と、アーム部14の加速度との時間的変化を示すグラフである。
図5(a)は可動プラテン44の位置を示す。図2(a)において、「型開」は可動プラテン44が前進して固定プラテン42側にあり、金型が閉じた状態のときの位置を示す。また、「型閉」は、可動プラテン44が後退して固定プラテン42から離れた側にあり、金型が開いた状態のときの位置を示す。
図5(b)は2台の取出し機10の保持部12の水平方向の位置を示す。図5(b)において、「コンベヤ」は保持部12が成形品を解放する開放位置を示す。また、「取り出し」は、保持部12が金型43,45の外で待機する待機位置を示す。図5(b)において、実線が第1の取出し機10の保持部12の一を示し、点線が第2の取出し機10の保持部12の位置を示す。
図5(c)は、保持部12を含むアーム部14の移動時に加わる水平方向の加速度の大きさを示す。アーム部14に加わる加速度は、水平移動機構18,20及び垂直移動機構22による発生する全ての加速度を足し合わせた加速度とする。図5(c)における「+」側は可動プラテン44の前進方向に作用する加速度を表し、「−」側は可動プラテン44の後退方向の加速度を表す。また、図5(c)において、実線が第1の取出し機10のアーム部14の加速度を示し、点線が第2の取出し機10のアーム部14の加速度を示す。
図5からわかるように、第1の取出し機10は、型締工程の途中から動作を開始し、型開工程から成形品の取り出しを経て、型開工程の途中までに、一連の取り出し動作を終了する。すなわち、第1の取出し機10の保持部12は、充填工程中は「取り出し」に停止しており、充填工程が終了した型締工程の途中から、「取り出し」から「コンベヤ」に移動して成形品を開放し、直ちに「取り出し」すなわち待機位置に移動する。待機位置に戻った第1の取出し機10の保持部12は、待機位置に停止して成形品取り出しのタイミングを待つ。
一方、第2の取出し機10は、上述の第1の取出機10の一連の動作が停止した後の型締工程の途中から動作を開始し、型開工程から成形品の取り出しを経て、型開工程の途中までに、一連の取り出し動作を終了する。この動作は、その前のサイクルでの第1の取出し機10の動作と同じである。
ここで、第2の取出し機10が動作している間、第1の取出し機10の保持部12は「取り出し」すなわち待機位置に停止しているが、金型が開いたときにアーム部14が下方に移動し、成形品を取り出す動作を行う。成形品を取り出したら再び待機位置で停止して次の型締工程の途中で動作を開始する。同様に、第1の取出し機10が動作している間、第2の取出し機10の保持部12は「取り出し」すなわち待機位置に停止しているが、金型が開いたときにアーム部14が下方に移動し、成形品を取り出す動作を行う。成形品を取り出したら再び待機位置で停止して次の型締工程の途中で動作を開始する。
以上のように、第1及び第2の成形機10が交互に動作することで、型閉工程の終了時、及び型締工程の初期(充填工程)において、第1及び第2の成形機10は両方とも動作を停止している。つまり、型締精度に関係のない型開動作を行っている最中に、取出し機のアームを「取り出し」と「コンベヤ」との間で往復させている。したがって、型閉工程の終了時、及び型締工程の初期(充填工程)において、第1及び第2の成形機10から振動は発生せず、型閉工程と充填工程において振動による悪影響が防止され、射出成形機30は、精度のよい成形を行うことができ、成形品の品質を維持することができる。さらに、常時、どちらか一方の取出し機が取り出し位置に待機しているので、成形サイクルを短縮でき、成形品の生産性を向上させることができる。
すなわち、型閉工程では、型締装置に振動が伝播しないので、型締力を精度よく検出することができ、精度よく型閉じを検出することができる。また、充填工程では精度よく樹脂を金型装置に注入することができる。例えば、口開け成形を行う際に、固定金型と可動金型との間の距離が振動により変化することがなく一定距離に維持することができるので、問題なく口開け成形を行うことができる。
さらに、図6に示すように、第1の取出し機と第2の取出し機とを互いの動作時に、逆方向に動作させてもよい。図6は、2台の取出し機を互いに逆方向に動作させた場合の、可動プラテンの位置と、保持部の位置との時間的変化を示すグラフである。図6(b)において、第1の取出し機の保持部の位置が実線で示され、第2の取出し機の保持部の位置が点線で示されている。この場合、2台の取出し機を、互いの動作時に、逆方向に同時に動作させることで、それぞれが発生する振動を互いにキャンセルすることができる。さらに、型閉工程中は、両方の取出し機が停止しているだけでなく、それぞれ、「取り出し」と「コンベヤ」とにアームが存在するため、バランスのよい位置で待機させることができる。
なお、上述の取出し機の制御装置は、射出成形機内に備えるようにしてもよい。
10 取出し機
12 保持部
12a 取り出しヘッド
14 アーム部
16 移動機構
18,20 水平移動機構
22 垂直移動機構
24 制御装置
26 取付け部
30 射出成形機
32 フレーム
34 カバー
36 制御部
40 型締装置
42 固定プラテン
43 固定金型
44 可動プラテン
45 可動金型
46 タイバー
50 射出装置
52 加熱シリンダ
54 ホッパ
56 樹脂供給部
12 保持部
12a 取り出しヘッド
14 アーム部
16 移動機構
18,20 水平移動機構
22 垂直移動機構
24 制御装置
26 取付け部
30 射出成形機
32 フレーム
34 カバー
36 制御部
40 型締装置
42 固定プラテン
43 固定金型
44 可動プラテン
45 可動金型
46 タイバー
50 射出装置
52 加熱シリンダ
54 ホッパ
56 樹脂供給部
Claims (5)
- 射出成形機に用いられる取出し機の制御装置であって、
該取出し機は、成形品を保持する保持部が設けられたアーム部を移動させる移動機構を有し、
前記制御装置は、前記射出成形機の成形工程のうち、前記移動機構の駆動により発生する振動が悪影響を及ぼす所定の工程が開始される時点において、前記移動機構が振動を発生しない状態か所定の大きさ以下の振動を発生する状態となるように、前記移動機構を制御することを特徴とする取出し機の制御装置。 - 請求項1記載の取出し機の制御装置であって、
前記所定の工程は、型締め工程及又は充填工程であることを特徴とする取出し機の制御装置。 - 請求項1記載の取出し機の制御装置であって、
前記射出成形機の型締装置又は金型の振動の大きさを示す信号を受信し、該信号の示す振動の大きさが所定の値以下となる時点を、前記所定の工程が開始される時点として設定することを特徴とする取出し機の制御装置。 - 請求項3記載の取出し機の制御装置であって、
前記信号から振動の加速度を求め、求めた加速度が所定の値以下となる時点を、前記所定の工程が開始される時点として設定することを特徴とする取出し機の制御装置。 - 請求項3記載の取出し機の制御装置であって、
前記信号から振動の振幅を求め、求めた振幅が所定の値以下となる時点を、前記所定の
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006114865A JP2007283679A (ja) | 2006-04-18 | 2006-04-18 | 取出し機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007283679A true JP2007283679A (ja) | 2007-11-01 |
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JP (1) | JP2007283679A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008229868A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Konica Minolta Opto Inc | 射出成形装置及び成形方法 |
WO2017221566A1 (ja) * | 2016-06-23 | 2017-12-28 | 株式会社エンプラス | 樹脂製アーム及びその製造方法 |
JP2019038200A (ja) * | 2017-08-25 | 2019-03-14 | 株式会社ユーシン精機 | 射出成形システムの監視装置 |
-
2006
- 2006-04-18 JP JP2006114865A patent/JP2007283679A/ja active Pending
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WO2017221566A1 (ja) * | 2016-06-23 | 2017-12-28 | 株式会社エンプラス | 樹脂製アーム及びその製造方法 |
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