JP2007283233A - 生物脱臭方法及び装置 - Google Patents

生物脱臭方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007283233A
JP2007283233A JP2006114660A JP2006114660A JP2007283233A JP 2007283233 A JP2007283233 A JP 2007283233A JP 2006114660 A JP2006114660 A JP 2006114660A JP 2006114660 A JP2006114660 A JP 2006114660A JP 2007283233 A JP2007283233 A JP 2007283233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier
support
biological deodorization
filling tank
deodorization method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006114660A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Yanase
英司 簗瀬
Kenji Okamoto
賢治 岡本
Hitoshi Izumida
仁 泉田
Kiriko Yamamoto
桐子 山本
Takahide Takadera
貴秀 高寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Tottori University NUC
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Tottori University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd, Tottori University NUC filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2006114660A priority Critical patent/JP2007283233A/ja
Publication of JP2007283233A publication Critical patent/JP2007283233A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

【課題】 菌体が付着した担体の目詰まりによる圧損の上昇を防止し、担体を容易に洗浄することができるようにする。
【解決手段】 臭気成分を分解する微生物菌体を着床させた担体を臭気ガスの通過路途中に配置し、臭気ガスを該担体中に通過させることにより脱臭する。該担体は、外周面に複数の空孔を有するカプセル状の支持体内に収納され、該支持体は、臭気ガスの通過路途中に複数配置される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、主として曝気槽などの活性汚泥中に生息する悪臭成分を分解する菌体を利用して、悪臭ガス中の臭気成分を分解することにより生物学的に脱臭する生物脱臭方法及び装置に関し、詳しくは菌体が付着した担体の目詰まりによる圧損の上昇を防止し、担体を容易に洗浄することができる生物脱臭方法及び装置に関する。
産業排水や下水等の処理施設で発生する悪臭ガスを脱臭処理するための装置として、微生物による臭気成分の分解作用を利用する生物脱臭装置が知られている。この生物脱臭装置は、微生物を担持した担体を臭気ガスの通過路となる処理塔内に充填したものであり、臭気ガスは該充填槽を通過することによって、担体に付着している微生物の酸化分解作用等を受けて脱臭される。
この担体を充填した充填層は、その表面に生息する微生物の活性を保つ観点から、湿潤状態に保持しておく必要がある。このため該充填槽には、通常、水分を供給するための散水手段を設け、連続的又は間欠的に前記充填材槽に給水を行うことによって、安定した脱臭性能の保持が図られている。また散水手段による散水は、微生物の酸化作用によって生じた硫黄酸化物を、充填槽から除去する作用をも有する。
そのため、担体としては、良好な保水性、通気性及び通水性を有すること、水を含んだときにつぶれない程度の強度を有すること等、様々な特性が要求される。これらの特性を備えた担体として、従来、活性炭、ゼオライト、多孔質セラミック、プラスチック、スポンジ等が用いられている(特許文献1〜5等、参照)。
特開平4−281817号公報 特開平8−10557号公報 特開平9−155147号公報 特開平9−313870号公報 特開2004−24996号公報 特公昭55−40号公報 特公昭55−20676号公報 特公昭62−19837号公報
しかしながら、散水を定期的に行ったとしても、プラスチックやセラミックのように水を担体自身が含水できない担体は、担体が水分を安定に維持できないために、脱臭微生物の生育に適した環境を与えることができず、結果的に充填槽あたりの脱臭速度が低くなり処理能力が不十分であった。
そこで、含水率が高く生物活性の高いスポンジや含水ゲルなどの担体を用いることで、脱臭速度を早くすることが期待できるが、含水率の高い担体は、自重によって圧縮され、悪臭ガスの流路を塞ぎ、圧力損失が増大するという不具合があり、担体を一定以上の高さに充填することが出来ないため、設置面積を大きくする必要があった。
また、脱臭微生物による余剰菌体が発生するため、充填槽に担体のみを充填した場合、余剰菌体による圧損が生じないように洗浄する必要があるが、その洗浄も困難であった。
本発明の目的は、生物活性を損なうことなく、充填槽の圧力損失の増大を抑え、しかも担体を容易に洗浄でき、悪臭ガス中の臭気成分を分解する生物脱臭方法及び装置を提供することにある。
本発明は、
1.臭気成分を分解する微生物菌体を着床させた担体を臭気ガスの通過路途中に配置し、臭気ガスを該担体中に通過させることにより脱臭する生物脱臭方法であって、該担体を外周面に複数の空孔を有するカプセル状の支持体内に収納して、該支持体を臭気ガスの通過路途中に複数配置することを特徴とする生物脱臭方法、
2.支持体が、メッシュ状に空孔を有する1項記載の生物脱臭方法、
3.支持体が、スリット状に空孔を有する1項記載の生物脱臭方法、
4.支持体の大きさが、内径15〜200mmφである1項記載の生物脱臭方法、
5.支持体中に担体を該支持体の内容積の10〜80%収納する1項記載の生物脱臭方法、
6.担体が、多孔質担体又はゲル担体である1項記載の生物脱臭方法、
7.臭気ガスの導入口、処理ガスの排気口、該導入口と該排気口との間に配置された充填槽、該充填槽内に配置され、微生物菌体が付着せしめられた担体、該充填槽に水を散布する散水管とを備えた生物脱臭装置であって、該担体が、外周面に複数の空孔を有する複数のカプセル状の支持体内に収納されていることを特徴とする生物脱臭装置、
8.支持体が、メッシュ状に空孔を有する7項記載の生物脱臭装置、
9.支持体が、スリット状に空孔を有する7項記載の生物脱臭装置、
10.支持体の大きさが、内径15〜200mmφである7項記載の生物脱臭装置、
11.支持体中に担体を該支持体の内容積の10〜80%収納する7項記載の生物脱臭装置、
12.担体が、多孔質担体又はゲル担体である7項記載の生物脱臭装置、
13.充填槽が、支持体を堆積した層を複数層設けてなる多段構造である7項記載の生物脱臭装置、
に関する。
上記のとおり、本発明によると、臭気成分を分解する微生物菌体を着床させた担体を臭気ガスの通過路途中に配置する工程を含む。この工程は、担体に臭気成分を分解する微生物菌体を着床させ、しかる後、微生物菌体を着床させた担体を臭気ガスの通過路途中に配置する場合と、担体を臭気ガスの通過路途中に配置し、しかる後、例えば、散水しながら、担体に臭気成分を分解する微生物菌体を着床させる場合とがある。即ち、担体への微生物菌体の着床は、担体の通過路途中への配置の前の場合と後の場合とがある。
本発明によれば、スポンジや含水ゲルなどの自重で圧縮されやすい担体を特定の支持体内に収納し、該支持体を臭気ガスの通過路途中に複数充填することによって、生物活性を損なうことなく、充填槽の圧力損失の増大を抑え、しかも担体を容易に洗浄でき、悪臭ガス中の臭気成分の分解が長期に可能となる。
以下、本願発明の実施形態をさらに詳しく説明する。図1はカプセル状の支持体の一例を示す説明図であり、図2は本発明の一実施形態にかかる生物脱臭装置の構成を示す概念図である。
図1において、カプセル状の支持体1はその外周面がメッシュ状であり、支持体内の空間に担体2を収納している。該支持体1の外周面の空孔の大きさや形状は、担体2が流出せず内部に保持でき、且つ外周面に複数の空孔を有して悪臭ガスなどが容易に通過できれば、特に制限なく、担体2の大きさに応じて適宜選択することができる。支持体の外周面はメッシュ状に限らず、スリット状に空孔を有していても良い。また支持体の素材としては、例えばプラスチック(ポリエチレンやポリプロピレンなど)、金属(ステンレスなど)などが例示でき、カプセル状の支持体の形状としては、例えば球状、楕円状、立方体などが例示できる。
支持体1の大きさは、内径15〜200mmφ、好ましくは20〜150mmφ程度であることが、ハンドリング性や圧損防止の点から適当である。また該支持体1中に担体2を収納するに際しては、該支持体の内容積の10〜80%、好ましくは20〜60%程度収納することが生物付着性、圧損防止の点から適当である。
図2において、担体13を収納する支持体12を充填した充填槽11の底部に、給水・洗浄のための循環水を貯留する調整槽15が設けられ、該充填槽11の上部には循環水を散布する散水器14が設けられている。散水器14は、通常、調整槽15からポンプ16を介して連結された供給管と、散水器14の先端部に多数取り付けられたスプレーノズルとから構成される。悪臭ガスは、充填槽11の下部である調整槽15の側壁に設けられたガス導入口20から供給され、充填槽11内を通過し、微生物によって悪臭ガス中の悪臭成分が生物学的に分解される。こうして脱臭された処理ガスは、充填槽11の頂部に設けられたガス排出口21から大気中に排出される。
ポンプ16によって散水器14に供給された循環水は、充填槽11中の担体13に定期的に散水され、充填槽11を通過して調整槽15に貯留される。調整槽15内の循環水には、通常、微生物用の栄養塩を適切な濃度で溶解しており、担体13への散水時にその栄養塩が微生物に供給される。pH調整槽18は、生物脱臭装置の運転経時でpHが低下し、脱臭性能が低下するので、循環水に中和用のアルカリ液を供給するための供給装置であり、悪臭成分及びその分解生成物として酸性ガスが含まれる場合にこれらを中和するため、ポンプ17によってアルカリ液が調整槽15に供給される。これによって調整槽15中の循環水のpHは、4.5〜9.5程度に調整される。
本発明では充填槽11内に、担体13を収納する支持体12を充填する。該担体としては、特に制限なく従来公知の担体を採用できるが、特に生物活性の高いスポンジや含水ゲルなどの多孔質担体又はゲル担体を採用することが好適である。
上記担体としては、特に比重が1.000〜1.080、好ましくは1.005〜1.035、平均粒子径が2.0〜15.0mm、好ましくは3.0〜7.0mmで、その長径(D)と短径(D)との比(D)/(D)が1.0〜1.3、好ましくは1.0〜1.2であり、且つその50%歪時の圧縮応力が0.2〜1.0MPa、好ましくは0.3〜0.8MPaである担体粒子(A)を用いるのが生物活性の点から好適である。
上記担体粒子(A)の比重や平均粒子径、50%歪時の圧縮応力が上記範囲外では担体粒子の圧密による圧損が起こりやすくなるので望ましくない。尚、50%歪時の圧縮応力は、島津小型卓上試験機 EZ Testを用いて、担体粒子を試験体温度25℃、荷重速度10mm/分の条件で歪が50%に至るまで圧縮試験を行ない、得られた応力−歪線図より50%歪時の応力を読み取ったものである。
また上記担体粒子(A)は、含水率60〜90%、好ましくは70〜90%で、且つその表面とn−パラフィンとのなす接触角が2〜35°、好ましくは5〜30°であることが生物活性や担体強度の点から望ましい。担体表面とn−パラフィンとのなす接触角は、担体表面にn−パラフィンを1滴滴下し接触角測定器を用いて測定することができる。
担体粒子(A)は、上述の要件を満たすものであれば特に材質に制限はないが、比重や平均粒子径、50%歪時の圧縮応力を上述の範囲に制御する点からは、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂(a)、光重合開始剤(b)及びアルカリ金属イオン又は多価金属イオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性高分子多糖類(c)を含んでなる水性液状組成物を、アルカリ金属イオン又は多価金属イオンを含有する水性媒体中に滴下して該組成物を粒状にゲル化させ、次いで得られる粒状ゲルに活性光線を照射して該粒状ゲル中の光硬化性樹脂を硬化させることにより製造される担体粒子であることが望ましい。
上記親水性光硬化性樹脂(a)は、一般に、300〜30000、好ましくは500〜20000の範囲内の数平均分子量を有し、水性媒体中に均一に分散するに充分なイオン性又は非イオン性の親水性基、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、エーテル結合等を含み、かつ波長が約250〜約600nmの範囲内の活性光線を照射したとき、硬化して水に不溶性の樹脂に変わるものが好適に使用される。そのような光硬化性樹脂としては、包括固定化用の固定化担体として既に知られているものを用いることができる(例えば、特許文献6、特許文献7、特許文献8等参照)。代表的なものとしては以下に記載するものを挙げることができる。
(i)ポリアルキレングリコールの両末端に光重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物:例えば、
・分子量400〜6000のポリエチレングリコール1モルの両末端水酸基を(メタ)アクリル酸2モルでエステル化したポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、
・分子量200〜4000のポリプロピレングリコール1モルの両末端水酸基を(メタ)アクリル酸2モルでエステル化したポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類、
・分子量400〜6000のポリエチレングリコール1モルの両末端水酸基をトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物2モルでウレタン化し、次いで(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の不飽和モノヒドロキシエチル化合物2モルを付加した不飽和ポリエチレングリコールウレタン化物、
・分子量200〜4000のポリプロピレングリコール1モルの両末端水酸基をトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物2モルでウレタン化し、次いで(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の不飽和モノヒドロキシ化合物2モルを付加した不飽和ポリプロピレングリコールウレタン化物、など。
(ii)高酸価不飽和ポリエステル樹脂:不飽和多価カルボン酸を含む多価カルボン酸成分と多価アルコールとのエステル化により得られる酸価が40〜200の不飽和ポリエステルの塩類など。
(iii)高酸価不飽和エポキシ樹脂:エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボキシル化合物との付加反応物に残存するヒドロキシル基に酸無水物を付加して得られる酸価40〜200の不飽和エポキシ樹脂など。
(iv)アニオン性不飽和アクリル樹脂:(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも2種の(メタ)アクリル系モノマーを共重合させて得られるカルボキシル基、リン酸基及び/又はスルホン酸基を含有する共重合体に光重合可能なエチレン性不飽和基を導入した樹脂など。
(v)不飽和ポリアミド:トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどのジイソシアネートとアクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのエチレン性不飽和ヒドロキシ化合物との付加物をゼラチンなどの水溶性ポリアミドに付加反応させた不飽和ポリアミドなど。
以上に例示した如き光硬化性樹脂はそれぞれ単独で使用することができ、或いは2種もしくはそれ以上組み合わせて使用してもよい。
これらの光硬化性樹脂のうち、本発明において特に有利に使用しうるものは、前記(i)のポリアルキレングリコールの両末端に光重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物であり、代表的なものとしては、関西ペイント株式会社からENT−1000、ENT−2000、ENT−4000、ENTG−2000、ENTG−3800等の商品名で販売されているものを挙げることができる。
光重合開始剤(b)は、光照射により分解してラジカルを生成し、このものが重合開始種となって重合性不飽和基を有する樹脂間に橋かけ反応をおこさせるものであり、例えば、ベンゾインなどのα−カルボニル類;ベンゾインエチルエーテルなどのアシロインエーテル類:ナフトールなどの多環芳香族化合物類;メチルベンゾインなどのα−置換アシロイン類;2−シアノ−2−ブチルアゾホルムアミドなどのアゾアミド化合物類などを挙げることができる。
水溶性高分子多糖類(c)は、水溶性であり、かつ水性媒体中でアルカリ金属イオンまたは多価金属イオンと接触したときに水に不溶性又は難溶性のゲルに変化する能力のある高分子多糖類であって、一般に約3000〜約2000000の範囲内の数平均分子量を有し、また、アルカリ金属イオンまたは多価金属イオンと接触させる前の水溶性の状態で通常少なくとも約10g/リットル(25℃)の溶解度を示すものが好適に使用される。
かかる特性をもつ水溶性高分子多糖類の具体例には、アルギン酸のアルカリ金属塩、カラギーナン等が包含される。
これら水溶性高分子多糖類は、水性媒体中に溶解した状態で、カラギーナンの場合は、カリウムイオン又はナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンとの接触によって、また、アルギン酸のアルカリ金属塩の場合は、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン等のアルカリ土類金属イオン或いはアルミニウムイオン、セリウムイオン、ニッケルイオン等の他の多価金属イオンのうちの少なくとも1種の多価金属イオンとの接触によってゲル化しうるものである。ゲル化が起るアルカリ金属イオンまたは多価金属イオンの濃度は水溶性高分子多糖類の種類等により異なるが、一般には0.01〜5mol/リットルの範囲内である。
上記(a)、(b)及び(c)の各成分の相互の使用割合は厳密に制限されるものではなく、各成分の種類等に応じて広範にわたって変えることができるが、一般には、(a)成分の親水性光硬化性樹脂100質量部に対し、光重合開始剤(b)は0.1〜5質量部、好ましくは1〜3質量部、水溶性高分子多糖類(c)は0.5〜15質量部、好ましくは1〜8質量部の割合で使用するのが適当である。
以上に述べた(a)〜(c)の各成分は水性媒体中に溶解ないし分散させることにより、水性液状組成物が調製される。この液状組成物の固形分濃度は一般に5〜30質量%の範囲内が適当である。担体粒子(A)の製造に際しては、この水性液状組成物を、細い液流として、アルカリ金属イオン又は多価金属イオンを含有する水性媒体表面上に、所定の時間連続的に注加供給して、該水性媒体表面で該組成物の液滴を所望の粒径状になるまで生長させる。担体粒子(A)の比重を調製する場合には、上記(a)〜(c)成分を含有する水性液状組成物中に、必要に応じて比重調整剤を適宜含有させることができる。
比重調整剤としては、通常、担体(A)の比重を大きくする場合には、比重1.9以上、好適には2.0〜4.5の範囲内にある水に不溶ないし難溶性の無機質粉粒体を使用することができ、例えば、重質炭酸カルシウム、クレー、ホワイトカーボン、タルク、炭酸バリウム、硅酸アルミニウム、アルミナ、マイカ粉、シリカ(硅砂、硅石粉)粉などの各種顔料;コロイダルシリカ、微小ガラスビーズなどが挙げられ、具体的には、「ハイミクロンHE−5」(竹原化学工業社製、タルク、比重2.67)、「ミクロマイカMK−100」(コープケミカル社製、マイカ粉、比重2.7)、「ユニビーズUB−03L」、「同UB−23L」、「同UB−34L」(以上いずれも、株式会社ユニオン社製、ガラスビーズ、比重2.5)、「MB−20」(東芝バロティーニ社製、ガラスビーズ、比重2.5)などが例示できる。一方、担体(A)の比重を小さくする場合には、比重0.2〜0.8、好ましくは0.3〜0.6の完全閉鎖型無機質系微小中空ビーズが使用でき、例えば、中空ガラスビーズや中空セライトが挙げられ、具体的には、「Filite200/7」、「同300/7」(以上、いずれも日本フェライト社製、中空ガラスビーズ、比重0.7)、「サンチュライトY02」、「同Y04」、「同Y0C」(以上、いずれも三機工業社製、中空セライト)、「フジバルーンS−35」、「同S−40」、「同S−45」、「同H−30」、「同H−35」、「同H−40X」(以上、いずれも富士シリシア化学社製、中空ガラスビーズ)、「Q−Ce1570」(東芝バロティーニ社製、中空ガラスビーズ、比重0.34)などが例示できる。比重調整剤の添加量は、その種類によっても異なるが、一般には、担体(A)の全樹脂固形分100質量部に対して120質量部以下であることが担体強度や耐久性の面から好ましい。
水性液状組成物の水性媒体表面への供給は、一般には所望の孔径のノズル口から該液状組成物を細い液流として該水性媒体表面上に静かに連続的に注加することによって行なうことができ、該表面上で該液状組成物の液滴が所望の大粒径状にまで生長したら、該液状組成物の注加をとめる。水性液状組成物から形成される大粒径状物の大きさは、ノズルの大きさ、水性液状組成物の水性媒体表面への供給時間及び/又は供給速度、水性媒体の粘度等を調整することによって、平均粒子径2.0〜15.0mmの範囲内で容易に変えることができる。
水性液状組成物の供給速度は、通常、0.5〜10mリットル/秒、好適には1〜5mリットル/秒の範囲内とすることができる。また、水性媒体の粘度は、形成される粒状物が沈降することができる範囲内で、必要に応じてグリセロールやカルボキシメチルセルローズ等の水溶性増粘剤を添加して、任意に調整することができる。水性媒体の粘度は、水の粘度より幾分高い範囲に調整するのが好都合である。
かくして形成される所望の大きさの粒状物は、自然沈降、吸引等により水性媒体中に沈降させて、アルカリ金属イオン又は多価金属と接触させることによりゲル化せしめられる。しかし、アルカリ金属イオン又は多価金属イオンは粒状物の内部にまで浸透し難いため、ゲル化反応が粒状物の表面もしくは比較的浅い領域に限定されるので、粒状物はその表面のみがゲル化した状態になっている。この表面ゲル化粒状物は、そのまま水性媒体中に分散させた状態で、或いは水性媒体から分離した後、活性光線を照射することにより、該粒状物中の親水性光硬化性樹脂を重合硬化せしめる。
上記の光硬化に使用しうる活性光線の波長は、該粒状物中に含まれる光硬化性樹脂の種類等に応じて異なるが、一般には、約250〜約600nmの範囲内の波長の光を発する光源を照射に使用するのが有利である。そのような光源の例としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、蛍光灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯、太陽光等が挙げられる。照射時間は光源の光の強さ、光源からの距離等に応じて変える必要があるが、一般には約0.5〜約10分間の範囲内とすることができる。
本発明方法では、悪臭成分の種類、除去率、反応温度によって異なるが、充填槽11を通過する悪臭ガスの通気速度である空間速度(SV値)が50〜2000h−1程度であることが脱臭処理の点から好適である。また充填槽11における悪臭ガスの線速度(LV値)は、例えば、0.01〜1m/秒程度であることが脱臭処理の点から好適である。
また本発明では脱臭処理能向上の点から、充填槽11として、支持体12を堆積した層を複数層設けてなる多段構造を採用しても良い。多段構造としては、例えば充填槽11の長さ方向に適当間隔で多段層を設けることができ、必要に応じて各層ごとに担体へ散水可能としても良い。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
担体粒子の製造
製造例1
分子量約4,000のポリエチレングリコール2,000gとイソホロンジイソシアネート222g(1モル)及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル130g(1モル)を反応させてなる光硬化性樹脂プレポリマー100質量部と、ベンゾインイソブチルエーテル2質量部、2%アルギン酸ナトリウム水溶液100質量部、蒸留水50質量部をよく混合して得られる水性液状組成物を、1モル濃度の塩化カルシウム水溶液中に、注射器(ノズル径1.99mm)の先端から液面高さ10cmより滴下したところ、粒状物が得られた。
この粒状物を平らな底面を有するペトリ皿に取り、ペトリ皿の上面および下面から波長300〜400nmの活性光線を3分間照射したところ比重1.025、粒径4.3mmの担体粒子(A−1)が得られた。
この担体粒子(A−1)は、(D)/(D)が1.2、50%歪時の圧縮応力が0.42MPa、含水率が84.3%で、その表面とn−パラフィンとのなす接触角が23°であった。
実施例
図1の生物脱臭装置として、内径200mm、高さ1200mmの円筒状の充填槽を用いた。充填担体として、製造例1で得た担体粒子(A−1)を見かけ体積で15.7リットル充填した。充填槽内での担体の高さは、500mmであった。次に、直径40mm,メッシュの大きさ2.0mmのステンレス製支持体に製造例1で得た担体粒子25mリットル収納した。この担体入り支持体628個(担体粒子体積15.7リットル)を充填槽に充填した。充填槽内での支持体は、1100mmであった。
3リットルの調整槽の循環水には、酵母エキス300mg/リットル、尿素100mg/リットル、硫酸マグネシウム100mg/リットル、りん酸水素二カリウム1000mg/リットル、りん酸二水素カリウム500mg/リットルを添加した。さらに該調整槽内の循環水にスチレン分解菌(Pseudomonas属)を加え、この水を8000mリットル/日の流量で散水した。
この充填槽の下部の調整槽の側壁に設けられたガス導入口から、濃度200ppmのスチレンガス(25℃)を1時間に5000リットルの速度で充填槽内に送り込んだ。その結果を図2に示す。この結果から、10日過ぎから安定に分解できるようになり、90%以上の優れた分解率を示した。このときの圧損は200Pa/mであった。
本発明で使用するカプセル状の支持体の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態にかかる生物脱臭装置の構成を示す概念図である。 実施例の結果を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 臭気成分を分解する微生物菌体を着床させた担体を臭気ガスの通過路途中に配置し、臭気ガスを該担体中に通過させることにより脱臭する生物脱臭方法であって、該担体を外周面に複数の空孔を有するカプセル状の支持体内に収納して、該支持体を臭気ガスの通過路途中に複数配置することを特徴とする生物脱臭方法。
  2. 支持体が、メッシュ状に空孔を有する請求項1記載の生物脱臭方法。
  3. 支持体が、スリット状に空孔を有する請求項1記載の生物脱臭方法。
  4. 支持体の大きさが、内径15〜200mmφである請求項1記載の生物脱臭方法。
  5. 支持体中に担体を該支持体の内容積の10〜80%収納する請求項1記載の生物脱臭方法。
  6. 担体が、多孔質担体又はゲル担体である請求項1記載の生物脱臭方法。
  7. 臭気ガスの導入口、処理ガスの排気口、該導入口と該排気口との間に配置された充填槽、該充填槽内に配置され、微生物菌体が付着せしめられた担体、該充填槽に水を散布する散水管とを備えた生物脱臭装置であって、該担体が、外周面に複数の空孔を有する複数のカプセル状の支持体内に収納されていることを特徴とする生物脱臭装置。
  8. 支持体が、メッシュ状に空孔を有する請求項7記載の生物脱臭装置。
  9. 支持体が、スリット状に空孔を有する請求項7記載の生物脱臭装置。
  10. 支持体の大きさが、内径15〜200mmφである請求項7記載の生物脱臭装置。
  11. 支持体中に担体を該支持体の内容積の10〜80%収納する請求項7記載の生物脱臭装置。
  12. 担体が、多孔質担体又はゲル担体である請求項7記載の生物脱臭装置。
  13. 充填槽が、支持体を堆積した層を複数層設けてなる多段構造である請求項7記載の生物脱臭装置。
JP2006114660A 2006-04-18 2006-04-18 生物脱臭方法及び装置 Pending JP2007283233A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006114660A JP2007283233A (ja) 2006-04-18 2006-04-18 生物脱臭方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006114660A JP2007283233A (ja) 2006-04-18 2006-04-18 生物脱臭方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007283233A true JP2007283233A (ja) 2007-11-01

Family

ID=38755494

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006114660A Pending JP2007283233A (ja) 2006-04-18 2006-04-18 生物脱臭方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007283233A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011220985A (ja) * 2010-04-06 2011-11-04 Daiki Rika Kogyo Kk 土壌中揮発性物質抽出装置
KR101140245B1 (ko) 2012-02-23 2012-05-15 코오롱아로마트릭스(주) 메디아 복층부를 구비한 탈취장치
CN115108643A (zh) * 2022-06-22 2022-09-27 东营市致临环保科技有限公司 一种高效降解污水有机污染物的生物复合剂

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55145589A (en) * 1979-04-28 1980-11-13 Achilles Corp Contact oxidizing apparatus for nitration
JPH09313870A (ja) * 1996-06-04 1997-12-09 Seiko Kakoki Kk 微生物菌体の着床用担体および生物脱臭装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55145589A (en) * 1979-04-28 1980-11-13 Achilles Corp Contact oxidizing apparatus for nitration
JPH09313870A (ja) * 1996-06-04 1997-12-09 Seiko Kakoki Kk 微生物菌体の着床用担体および生物脱臭装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011220985A (ja) * 2010-04-06 2011-11-04 Daiki Rika Kogyo Kk 土壌中揮発性物質抽出装置
KR101140245B1 (ko) 2012-02-23 2012-05-15 코오롱아로마트릭스(주) 메디아 복층부를 구비한 탈취장치
CN115108643A (zh) * 2022-06-22 2022-09-27 东营市致临环保科技有限公司 一种高效降解污水有机污染物的生物复合剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3275032B2 (ja) 環境浄化材料及びその製造方法
JP2775399B2 (ja) 多孔質光触媒及びその製造方法
JPH08103631A (ja) 光触媒フィルター及びその製造方法
JP2007283233A (ja) 生物脱臭方法及び装置
EP1767497B1 (en) Entrapping immobilization pellets, process for producing the same, and method for storing or transporting the same
US20100038311A1 (en) Entrapping immobilization pellets, wastewater treatment system using the entrapping immobilization pellets and wastewater treatment method
JPH0951794A (ja) バイオリアクター用多孔質担体
JP4358413B2 (ja) 微生物固定化担体混合物及びそれを用いたバイオリアクター
EP0864540B1 (en) Method for carrying out a biocatalyst reaction
CN1072511C (zh) 除臭装置
JPH0739376A (ja) 微生物固定化用担体
JP2003170184A (ja) 水処理用担体、その製造方法および水処理用装置
CN113457359B (zh) 一种紫外光催化耦合微生物处理有机废气的装置及处理方法
JP4384338B2 (ja) 酵素又は微生物固定化担体組成物
JP4343562B2 (ja) 酵素又は微生物菌体固定化用粒状担体
CN101439198A (zh) 一种在假花上涂布光催化剂的工艺
JP2003265170A (ja) 固定化微生物担体及びそれを用いた環境浄化方法
JP4526143B2 (ja) 微生物菌体固定化用粒状成形物の製造方法
CN202179158U (zh) 具有空气净化功能的人造工艺花卉
JPH10296284A (ja) 微生物固定化用担体およびその製造法
JP2001292765A (ja) 酵素又は微生物固定化担体混合物及びそれを用いた水処理方法
JPH11349944A (ja) 土壌保水材
JPH0365208B2 (ja)
JPH10152511A (ja) 酵素又は微生物菌体固定化用粒状成形物の比重調整方法
JPH08243346A (ja) 悪臭ガス処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080126

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090416

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110510