JP2007281266A - 裏面入射型フォトダイオードアレイおよびセンサ - Google Patents

裏面入射型フォトダイオードアレイおよびセンサ Download PDF

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Abstract


【課題】 n型基板の上にn型層、受光層、p型層、p電極というような構造を形成した従来例の上面入射型のフォトダイオードアレイは、入射型のp電極が邪魔になる。入射光が十分に入らないしセルの寸法を小さくすることができない。
【解決手段】 SI基板またはp型基板の上に、p型層、受光層、n型層、n電極という構造にした裏面入射型のフォトダイオードアレイを与える。裏面入射型であるから電極が邪魔にならない。感度を高め、寸法を小さくできる。受光層でできた電子正孔対のうち移動度の低い正孔は短い距離を短時間で走行し光電流を発生する。応答速度が高くなる。
【選択図】 図6

Description

この発明は近赤外領域に感度を持つInGaAs系の裏面入射型フォトダイオードアレイとそれを用いた一次元または二次元センサに関する。フォトダイオードというのは半導体のpn接合に逆バイアスを掛け光入射による電子・正孔のバンド間遷移によって電流が流れるようにした素子である。フォトダイオードアレイというのは同等の小さい受光素子を一次元的にあるいは二次元的に並べたデバイスのことをいう。
Siを用いたフォトダイオードは可視光に感度を持ち既に広く用いられている。小さい同等のSiフォトダイオード素子単位を多数一元的に並べたSiフォトダイオードアレイも既に実用化されている。微少なSiフォトダイオード素子単位を多数縦横に並べた二次元フォトダイオードアレイやそれを用いたカメラ、センサも実用化されており広く用いられている。一つ一つのフォトダイオードのことを画素と呼ぶこともある。
しかしSiはバンドギャップが広いため近赤外光には感度がない。近赤外光というのは0.8μm〜2.5μm程度の波長の光を指す。近赤外光に感度のあるフォトダイオード、フォトダイオードアレイができれば、医療用センサ、環境計測センサ、夜間用の監視装置など広い用途に使うことができる。近赤外光に感度がある材料としてInGa1−xAsがある。これはInとGaの混晶比xを変えることによってバンドギャップEgを変化させることができる。しかも適当な混晶比xにおいてInPと格子整合し、InP単結晶基板の上にエピタキシャル成長させることができる。
光通信の受光素子としてInGaAs受光層を持つフォトダイオードが用いられている。光通信信号の波長は1.3μm、1.55μmなどである。高々1.6μm程度の波長までに感度があればよい。そのため光通信の受光素子は、In0.53Ga0.47Asの受光層が用いられる。それはバンドギャップEg=0.73eVであり、吸収端波長は約1.7μmである。InP基板と整合し、しかも1.6μmまでの光に対する感度を持つ。
n型InP基板の上にn−InPバッファ層、InGaAs受光層、InP窓層というようにInPに格子整合する3−5族結晶をエピタキシャル成長させマスクを通し上からZnを拡散させてp領域を形成し底面にn電極、上面にp電極を設けたものである。光通信のフォトダイオードは500μm角程度のチップサイズを持つ単一の素子である。ここでは一歩進めてフォトダイオードアレイ(一次元、二次元)を問題にする。さらに波長の長い光を感受するには、Inの混晶比がより高いものが必要である。例えば、吸収端波長が2.2μm、2.5μmのInGaAs層も製作可能である。
n型単結晶InP基板として2インチ(直径50mm)ウエハ−、3インチ(直径75mm)ウエハ−を入手できる。単体のInGaAs系のフォトダイオードを作るのであれば、2インチn−InPウエハ−でも十分である。フォトダイオードアレイを作るにはかなり大きい寸法のウエハ−が必要である。例えばフォトダイオード単位の寸法を60μm角とすると、128×128個の画素を持つ場合、一つのアレイの寸法は7680μm角となる。2インチ、3インチウエハ−の上に同等のフォトダイオードアレイを多数作ることができる。
例えば一次元フォトダイオードアレイであれば、n−InP基板、n−InP層、i−InGaAs層、n−InP窓層からなるエピタキシャル成長ウエハ−において、n−InP窓層、i−InGaAs層の上からマスクを通して例えば50μmピッチでZn拡散させp領域をとびとびに形成しp領域に別々のp電極を付けn−InP基板の底部に共通のn電極を形成するということによって作ることができる。それは底面にn電極を付けるので上面入射型のフォトダイオードアレイとなる。
そのようなものは構造が簡単であり作製容易でありフォトダイオードと同じような手法で作製できる。ところがマスク穴からZnを熱拡散する場合、横方向にも拡散しp型領域が横に拡大する可能性がある。そのためどうしても画素面積が広くなる。一つ画素の面積を減らし画素数を増やしたいという場合熱拡散でp型領域を作るというフォトダイオードと同じ手法では難しい。
画素面積を減らすには、InGaAs受光層の上にp−InP層をエピタキシャル成長してp型領域を作るという方法が有望である。以後の説明も亜鉛拡散でp型領域を作るのではなく、エピタキシャル成長によって接合を作る素子構造を述べる。
上面入射形のものは上面にあるp電極が光入射を遮るという問題がある。光を遮らないようにできるだけp電極を小さくする必要がある。平坦なn−InP窓層の上から離散的にp型ドープをしたフォトダイオードアレイは画素寸法が小さくなるにつれ隣接素子間で電流クロストークの問題が重大になってくる。隣のpn接合近くに入った光によって生じた正孔がこちらの画素のpn接合に流れてくるということがありうるからである。
特開2001−144278号
特許文献1は隣接素子間のクロストークを低減したInGaAs系のフォトダイオードアレイを提案している。n−InP基板の上にn−InP層、i−InGaAs層、p−InP層をエピタキシャル成長し、個々のフォトダイオード単位を分離するための格子状溝をエッチングによってn−InP層まで穿ち、単位毎の隆起部を作り、隆起部側壁と上面の一部をSiN絶縁膜によって覆い、上部にp電極を溝の底部のn−InP層にn電極を設けている。
これもInP基板底部にn電極を付けるので裏面から光が入らない。そのために上面入射型でありp電極の隙間から光が受光層へ入るようになっている。素子間を深い溝で分離しているのが特徴である。素子間が分離溝で絶縁されておりあるpn接合で出来た正孔がとなりのpn接合に入ることによる電流クロストークは抑制される。
特許文献1はn−InP基板の上にpinフォトダイオードを作るということの他に半絶縁性(SI:semi−insulating)InP基板の上に厚いn−InP層、i−InGaAs層、p−InP層をエピタキシャル成長し、素子分離のための格子状溝をn−InP層まで穿ち、素子単位の隆起部の側壁、上面をSiN膜によって覆い、n−InP層にn電極を、頂上のp−InP層にp電極を設けたフォトダイオードアレイをも提案している。
n型InPウエハ−は入手しやすいし低抵抗のn型ウエハ−が容易に得られるという利点がある。p型InPウエハ−はもちろん作製できるが多数キャリヤが正孔になり移動度が低いのでドーピング量を上げても低抵抗になりにくい。基板の裏面に電極を付けて電流を縦に通すので基板が高抵抗であってはならない。それでn型InP基板を用いることが多い。それは光素子でなくても当然のことである。
であるからInGaAs系フォトダイオードアレイはn−InPウエハ−の上に、n−InPバッファ層を積みその上にInGaAs層、窓層などを設けマスクを通し上からp型ドーパントをドープしたものが提案され製作されている。実際に製作されたフォトダイオードアレイはそのような構造になっている。提案されているものでもそのようなn−InP基板構造を取っている。それは上から見るとp層、i層、n層が並ぶのでpin型のフォトダイオードであるということができる。
基板として入手しやすいn型InPウエハ−を使いpin形のフォトダイオードアレイとするのはごく自然のことである。
n−InP基板を使うので基板の裏面にn電極を付ける。裏面から光が入らないので上面入射型のフォトダイオードアレイとなる。上面入射側の場合、入射側にp電極がある。p電極が邪魔になるので上面入射型では入射光の損失がある。全ての光が受光層へ入らない。入射側に電極があると電極が邪魔になる。p電極以外の部分に入射した光を受光しなければならない。だからpn接合面積が広くなる。pn接合を広く取る必要があるので画素密度を上げようとしても限度がある。またpn接合が広いと接合容量Cが大きくなるので高速応答性が得られない。
裏面入射型であればp電極が邪魔になるということはない。pn接合面積を小さくできる。裏面入射型というのは、n−InP基板の底の四辺にだけn電極を付け中央部は誘電体窓にし、上面中央p型領域にはp電極を付け裏面から光を入射させるようにしたものである。それだと入射側には電極がなく透明窓とすることができる。全ての光が受光層へ入るようにし感度を上げようとすると、裏面入射型のフォトダイオードアレイの方が望ましいはずである。
n−InP基板を用いた3−5族半導体の裏面入射型フォトダイオードというのは沢山ある。既に実績もある。裏面入射型フォトダイオードは受光部が広くて位置決めが容易で感度も高いという利点がある。n−Si基板上のSi層のpn接合を用いた上面入射型フォトダイオードアレイというものもある。
n−基板を用いその上にn−InP層、i−InGaAs受光層、p−InP窓層をエピタキシャル成長させた裏面入射型フォトダイオードアレイの場合高速応答性の問題があるということに気付いた。10GHz以下の信号応答性でよいのであればあまり問題でないが10GHzを越える高速応答性を得たいという場合は次のような問題がある。
図1は簡略化されたエピタキシャル成長で作ったフォトダイオードの構造図である。n−InP基板2の上にn−InP層3、InGaAs受光層4、p−InP層5が存在する。熱拡散で作ったものでなく、InGaAs受光層4の上にp−InP窓層を付けるのでpn接合が受光層4と窓層5の境界になる。
p−InP層5に付けたp電極6が電源7のマイナス極につながり、n−InP基板2に設けたn電極8が逆バイアス電源7のプラス極につながっているとする。n側が正にp側が負になるよう逆バイアスVbが掛かっている。
逆バイアスVbのために、InGaAs受光層4には上向きの電界Eが存在する。n−InP層3とInGaAs受光層4の境界をF(下境界)とし、InGaAs受光層4とp−InP窓層5の境界をG(上境界)とする。n−InP基板2、n−InP層3、p−InP層5は抵抗が低く、受光層4は抵抗が高いので逆バイアスVbは殆ど受光層4に係る。受光層4の厚みをLとする。受光層4の両端FGの間にVb/Lの電界Eが発生している。電界Eの向きは下境界Fから上境界Gに向かう方向である。
入射光がn−InP基板2から入射し、n−InP層3を透過し、InGaAs受光層4に入る。この層のバンドギャップEgが入射光のエネルギーより低いのでInGaAs受光層4が入射光を吸収する。一つのホトンが一組の電子正孔対を受光層4中に作る。電子eは電界Eのために下境界Fに向かう力を受ける。正孔hは電界Eのために上境界Gに向かう力を受ける。
裏面から入射した光は受光層4の下境界F近くで大部分が吸収される。受光層4の厚みLはその厚みで入射光のすべてを吸収できるように決められる。吸収係数をαとし、受光層4の内部の点の下境界Fからの高さをzとすると、Wの強さの光が裏面から入射したときWexp(−αz)というように減衰してゆく。受光層で殆ど吸収されるよう厚みLを決めるのでexp(−αL)は殆ど0に近い。
だから入射光は受光層4の中でも始端である下境界Fの近くで殆ど吸収されるのである。すると電子正孔対も下境界Fの近くで発生することになる。
電子eが下境界Fに到達し且つ正孔hが上境界Gに到達して初めて一単位の光電流が流れる。つまりどちらか遅い方のキャリヤによって光電流発生の時間遅れτが決まってくる。
p型拡散でなく、エピタキシャル成長でp−InP層を作っているから受光層4の全体に電界がかかる。電子eが下境界Fへ移動するのに時間はあまりかからない。InGaAsにおいて電子移動度は大きいからである。InGaAs層の結晶性によるが電子eの移動度は大体10000〜15000cm/Vsecの程度である。正孔hの移動度は大体300〜400cm/Vsecの程度である。正孔hの移動度は電子移動度の1/30程度である。
同じ電界がかかっていても正孔の移動速度は極めて遅い。正孔hが上境界Gへ移動するには長い時間がかかる。つまり光入射から光電流が流れるまでの遅れ時間τは殆ど正孔によって決まるということである。
裏面入射型だから殆どの入射光は下境界Fの近くで吸収されここで電子正孔対ができる。だから常に電子が短い距離を走り正孔hが長い距離を走るということになる。正孔hは移動速度が遅いのに長い距離を走行するのでよけいに遅れてしまう。それが裏面入射型のフォトダイオードの応答速度を著しく下げてしまう。
下境界Fからzの距離での光強度はWexp(−αz)であり、単位長さ当たりの変換効率をβとすると、zに於ける微小厚みdzでβWexp(−αz)dzの電子正孔対が発生する。上境界Gまでの距離は(L−z)であるから、これが上境界Gに到達するまでの時間は(L−z)/μEである。μは正孔の移動度である。簡単のため上境界Gで光の強度は0に減衰していると仮定する。exp(−αL)=0という仮定である。
∫exp(−αz)dz=α−1である。積分範囲はz=0〜Lである。平均の遅延時間τは
τ=(α/μE)∫(L−z)exp(−αz)dz
=(L−α−1)/(μE) (1)
となる。全ての入射光が下境界Fで吸収された場合遅延時間はL/(μE)であるがFの近傍に少し広がっているので、それよりも1/(αμE)だけ短くなる。
平均遅延時間を短縮するには受光層厚みLを減らす、吸収係数αを減らすということが考えられる。しかしInGaAs結晶の光の吸収係数αは波長の関数として決まっており簡単に増減できない。
受光層厚みLはexp(−αL)が0に近いという条件で決められるのであまり薄くすることもできない。
逆バイアスVbを増やすと電界Eが増え遅延時間τが短くなる。しかし逆バイアスVbはできるだけ低くしたいという要望がある。5Vでは大きすぎる。3Vでもまだ大きい。1V程度の逆バイアスで作動することが望まれる。だからこれもあまり大きくできない。
残されたものは分母の正孔移動度である。受光層の結晶のでき具合で正孔移動度は異なる。よい結晶を作れば正孔移動度を上げることができる。しかし先ほど述べた正孔移動度μ=300〜400cm/Vsecというのは良好な結晶での値である。正孔移動度μをこれ以上に高めることは難しい。
そのような訳でエピタキシャル成長によって上からpin構造を構成した裏面入射型のフォトダイオードアレイは正孔移動度による応答速度の限界があることが分かる。
10GHzまでの応答速度であれば正孔移動度μhによる限界はあまり問題ではない。しかし10GHzを越える応答速度を得たいとすれば正孔hに長い距離を走らせるという素子では不十分である。
現在のところそれほど高速応答性を必要とする近赤外カメラや、近赤外センサの需要はない。しかし近赤外域で高速応答するフォトダイオードアレイができれば広大な用途が拓ける。本発明は、10GHz以上の高速の応答速度を実現できる近赤外フォトダイオードアレイを提供することを目的とする。
本発明のフォトダイオードアレイは、エピ層の積層順序を反対にして、上からnipという構造にしたものである。本発明は、上からn型層、受光層、p型層、基板という順序で積層し、p型層に至る分離溝によってフォトダイオード素子単位を分離し、分離溝に露呈した側面は絶縁体の絶縁膜で保護するか絶縁性のInPを埋め込んだ裏面入射型フォトダイオードアレイを提案する。この構造であれば正孔hの移動距離が短いので10GHz以上の高速動作が可能である。
n型層はn−InPあるいはn−InGaAsである。受光層は、InGaAs、InGaAsN、InGaAsNSbあるいはInGaAsNP受光層である。p型層は、p−InP、p−InGaAsである。基板は半絶縁性(SI;semi−insulating)InP基板或あるいはp型InP基板とする。光は基板底面側つまり裏面から入射する。上方から半導体層の構成を列挙すると次のようになる。
n型層 n−InP、又はn−InGaAs
受光層 InGaAs、InGaAsN、InGaAsNSb又はInGaAsNP
p型層 p−InP、又はp−InGaAs
基板 SI−InP、又はp−InP
絶縁膜 SiN、SiON、SiO、ポリイミド樹脂、絶縁性InP埋め込み
n型層、受光層、p型層何れも、3−5族半導体よりなる。3−5族といってもGaAs基板の上に整合するものではない。またGaNのようなものでもない。本発明が3−5族というのはInP基板の上に整合するものである。本発明では、InP基板に整合する3−5族半導体を、フォトダイオードアレイの層の組成として採用する。それは上に述べたように、InP、InGaAs、InGaAsN、InGaAsNSb、InGaAsNPなどを含む。
SI−InP基板は鉄(Fe)やクロム(Cr)などの遷移金属をドープすることによって得られる。現在、2インチ径(50mm)SI−InP基板を容易に入手することができる。抵抗率が高く絶縁体に近い。SI−InP結晶の長所は透明度が高いということである。入射光を殆ど吸収することなく通すことができる。裏面入射型であるからこれは大きな利点である。それに対して、n−InP基板、p−InP基板は何れも不純物による光吸収があり基板による入射光損失がある。
SI基板は絶縁性なので底部に電極を付けるわけに行かない。基板の上のp−InP層までエピ層の一部をエッチング除去しp−InP層にp電極を付ける。p電極は共通の電極である。n電極は一番上のn−InP層に付ける。n電極は素子ごとの個別の電極である。
基板としてp−InP基板を用いることもできる。亜鉛(Zn)をドープすることによってp−InPウエハ−を作ることができる。現在2インチ径(50mm)のp−InPが製造可能である。p型基板の場合は基板の底面の一部にp電極を設けることができる。p−InP結晶は、入射光をかなり吸収し損失がある。また抵抗率が高い。だからp−InP基板の場合は素子を作製したあとp型基板の底面を研磨、エッチングなどで除去し基板厚みを減らすようにする。
基板のすぐ上にはp型層を積層する。これはp−InP層またはp−InGaAs層である。基板と整合する条件によって混晶比が決まる。このp型層のキャリヤ濃度は1×1019cm−3以上とする。1×1019cm−3以上であれば、p電極と良好なオーミック接触を確保することができる。
受光層は低キャリヤ濃度のInGaAs、InGaAsN、InGaAsNSb、InGaAsNPである。InGaAsだと波長0.9μm〜1.7μmの近赤外に感度がある。受光波長上限を2μm以上に延ばすにはInGaAsNを受光層に用いる。InGaAsNSb、InGaAsNPを受光層にすると、受光波長の上限を3μmまで広げることができる。
受光層はi型半導体層の単層とすることもできる。例えばi−InGaAs受光層だけを設ける。受光層はあるいはn型とp型の半導体層の組み合わせ二重層とすることができる。例えばn−InGaAsとp−InGaAsの組み合わせになる二重受光層である。
受光層の上のn型層は、n−InPまたはn−InGaAsとする。InGaAsの場合は基板との整合から混晶比が決まる。
単に層を積んだだけでは素子分離ができない。そこで縦横等間隔平行に多数の分離溝を切って素子間を分離する。4つの溝で囲まれた部分が1つの素子(画素)である。
一次元の場合は、M個の同等の画素が一列に並ぶ(M×1)ようにする。Mの値は16、64、256、…のように2の累乗にするのが便利であるがそれに限らず任意の自然数にすることができる。
二次元の場合は、M×N個の同等の画素が矩形状(M×N)に並ぶようにする。M、Nの値は、16、64、256、512…のように2の累乗にしてもよい。その他任意の自然数にすることができる。
分離溝で素子分離をすると、エピ層の境界が側面に露呈する。pn接合面が外部に露呈するとそこから劣化が始まる。接合が劣化すると整流性が低下し暗電流が増える。劣化を防ぐために分離溝で露呈した側面はSiN、SiO、SiON、ポリイミド樹脂などの絶縁体被膜によって覆うようにする。あるいは分離溝をi−InP単結晶によって埋め込んでpn接合を覆うようにする。SiN、SiO、SiON、ポリイミド樹脂などの絶縁体膜で側面に露呈したpn接合部を被覆すればpn接合部を介した電流リークを防止することができる。動作のために印加する逆バイアス電圧は数ボルトであり、この程度の電圧であればリーク電流を防止する方法としてSiNなどの絶縁膜で被覆することで充分である。さらには、i-InPなどの高抵抗の半導体結晶で埋め込んでpn接合部を保護すれば高電圧でもリーク電流は発生しない。
頂部のn型層にn電極を設ける。上面から光が入射しないのでn電極は邪魔にならない。n電極の寸法をことさら小さくする必要はない。
[1.半絶縁基板の場合]
半絶縁基板を使う第1のタイプのフォトダイオードアレイの層構造を上から書くと次のようになる。簡単のため受光層はi−InGaAsとし上下のn型、p型層はInPだとする。もちろん、他の組み合わせも可能である。
n電極
n−InP層
InGaAs受光層
p−InP層 p電極
SI−InP基板
半絶縁基板フォトダイオードアレイの製造工程を図3〜図7によって説明する。
図3のように半絶縁(SI−)InP基板20を準備する。図4のように、半絶縁InP基板20の上に、p−InP層25、InGaAs受光層24、n−InP層23をエピタキシャル成長する。エピ層にマスクを付け、エッチングによって素子分離溝29、29を等間隔にp−InP層25まで穿つ。アレイの側周に当たる部分には外周溝30を設ける。図5に示した断面になる。フォトダイオード単位素子が分離される。一次元ならM×1に、二次元ならM×Nというようなフォトダイオード単位素子が並んでいる。
フォトダイオード単位の側面と上面を絶縁膜34によって覆う。絶縁膜34はSiN、SiON、SiOなどの絶縁膜をCVD、スパッタリングなどによって形成したものである。図6のような断面構造となる。フォトダイオード単位の上面中央部の絶縁膜34を除去し、n電極28をn−InP層23にオーミック接合する。n電極は例えばAuGeNiである。n電極28は個別電極である。
外周溝30に露呈するp−InP層25に共通のp電極26をオーミック接合する。p電極は例えばAuZnである。
図6にフォトダイオードアレイの断面構造を示す。図7に平面図を示す。
InP基板20の厚みは例えば200μm〜300μm程度である。その上のp型InP層25のキャリヤ濃度はp=1019cm−3あるいはそれ以上である。p型InPは炭素をドープすることによって得られる。
基板20との境界からp電極26迄(平面部)の厚みは1μm〜2μm程度である。p電極26の高さからpn接合(24・25の境界)までの厚みは0.3μm〜0.5μm程度である。ノンドープInGaAs受光層24の厚みは2μm程度である。キャリヤ濃度はn=1014〜1016cm−3である。
その上のn型InP層23の厚みは1μm〜2μmである。キャリヤ濃度は例えばn=1018〜1019cm−3である。n型InPは例えばSiをドープすることによって得られる。
絶縁膜はSiN、SiON、SiO、ポリイミドなどである。SiN、SiONなどはCVDで形成できる。ポリイミドは流動性の材料をスピナーで塗布し硬化させることによって被膜とする。単位素子間の繰り返し周期p(ピッチ)はp=30μm〜50μm程度である。
入射光9は底面から入射し、SI−InP基板20、p−InP層25を通過して受光層24に至りここで吸収される。光の吸収によって電子正孔対ができる。正孔hはp型層25に向かって短い距離を走る。電子eはn型層23へ向かってより長い距離をより高速で走行する。電子eの速度が速いのでより応答速度は高くなる。これは4×4(M×N)のものを描いているが実際にはM、Nは32、64、128、256、512…というような大きな自然数である。
そのようなフォトダイオードアレイ構造を作ったあと、上頂部にあるn電極を電子デバイスの個別の電極に接続して上方部分を樹脂で固めてガラス、樹脂、セラミック、金属などの補強基板に接着したのち、半導体基板20の部分の一部あるいは全部を研磨、エッチングによって除去することもできる。
基板を薄くしあるいは基板を除去すれば基板による入射光の吸収が少なくなり受光層へ入る入射光が増強される、という利点がある。
[2.p型基板の場合]
p型基板を使う第2のタイプのフォトダイオードアレイの層構造を上から書くと次のようになる。簡単のため、受光層はInGaAsとし、上下のn型、p型層はInPだとする。
n電極
n−InP層
InGaAs受光層
p−InP基板
p電極
p型基板InPの上にフォトダイオードアレイを作る工程も先述のSI基板の上にフォトダイオードアレイを作るのとほぼ同様であるから説明を省略する。
[3.CMOS+半絶縁基板よりなるセンサ]
本発明のフォトダイオードアレイは、裏面入射型であるから、上部のn電極の方から光が入らない。だから上部のn電極が開いている(光が入らないということ)。しかも上部のn電極は素子単位(画素)ごとの個別の電極である。個別電極の方が開いているということは有利な性質である。
M×1(一次元)あるいはM×N(二次元)のn電極に対し、同じ寸法・間隔の電極(1:1対応)を持つSi−半導体デバイス(Si−CMOS)を裏返して直接に接合すれば画素信号をSi−CMOSで直接に増幅、整形などの処理をすることができる。そのような電子デバイスとフォトダイオードアレイの複合によって撮像装置やセンサを作製することができる。そのようなCMOSを付けたセンサ構造は上から順に次のように書くことができる。
CMOS
CMOS電極(n電極に1:1対応)
n電極
n−InP層
InGaAs受光層
p−InP層 p電極
SI−InP基板
図8、図9は一次元リニアフォトダイオードアレイの電極を電子回路部(CMOS)の電極と接続した一次元のセンサの例を示す。図8は電子回路無接続部分の平面図である。図9は図8のA−A断面図である。フォトダイオードアレイの個々の単位フォトダイオード素子のn電極28の上に掛かり絶縁膜34の側面を伝うように配線電極35を設ける。配線電極35と電子回路部38の適当な電極とをボンデイングワイヤ36によって接続してある。共通のp電極26は、電子回路部38の他の電極とボンデイングワイヤ37によって接続してある。これによって可視光〜近赤外の一次元センサとすることができる。
図10は二次元フォトダイオードアレイと電子回路部(CMOS等)40の電極42、43を直接に接合した撮像装置の断面図である。電子回路部40は、表面に、n電極用の電極が格子状に形成されている。周辺部にはp電極用の電極が形成されている。電子回路部40を裏返し、単位素子の上頂部にあるn電極28を、電子回路部40の電極42と、周辺部の共通のp電極26を電子回路部40の対応した電極43に直接に接続する。CMOS側の電極を例えばIn金属とすると加熱冷却するだけで簡単にn電極28、p電極26に接続できる。これはワイヤボンデイングなどを使わず接続が容易であるし配線抵抗を減らすことができるという利点がある。
電子回路部40と一体化したフォトダイオードアレイの基板(SI−InP基板又はp−InP基板)をそのまま付けておいても良い。
しかしここでは、基板は殆ど総てを研磨等によって削除している。基板とp−InPは少し残っているが合計厚みは3μm〜5μm程度のごく薄い層であってよい。しかしこれだけでは強度が不十分であるから、p−InP層25には吸収の少ない透明のプラスチック板や、ガラス板を貼付けるようにする。
基板を除くことによって基板による入射光9の吸収を防ぐことができる。それによって可視光、近赤外の吸収を減らし高感度のフォトダイオードアレイとなる。撮像装置やその他の二次元センサとすることができる。例えば320セル×200セルのフォトダイオードアレイを持つ二次元センサを構成することができる。
[4.CMOS+p型基板の場合]
p型基板を使う第2のタイプのフォトダイオードアレイにCMOSを付けた場合の層構造を上から書くと次のようになる。
CMOS
CMOS電極(n電極に1:1対応)
n電極
n−InP層
InGaAs受光層
p−InP基板
これによっても図8、9と同様の一次元センサ、図10の二次元センサを作ることができる。図10のように基板を削り落としてしまえば基板による吸収がないので、p型基板の上に作製しても同じことである。
基板側から光が入射する裏面入射型のフォトダイオードアレイであって、上からみてnip構造となっている。裏面入射型であるのでp電極が入射光を遮るという従来の上面入射型のデバイスの問題がない。p電極が邪魔にならず素子単位の寸法を小さくできる。感度や分解能を上げることができる。光がp型領域の方から受光層へ入りp領域・受光層の境界近くで殆ど吸収される。だから正孔は短い距離を走行し、電子が長い距離を走行することになる。正孔の移動度は低いので正孔の走行距離が短いということは光電変換の遅延時間が短いということである。そのために高速応答性を持つフォトダイオードアレイを作ることができる。10GHzを越える高速応答性を得ることができる。
図2によって本発明のフォトダイオードアレイの単位フォトダイオード素子において、入射光によって発生した電子正孔対の運動を説明する。単位素子は半絶縁(SI−)InP基板20の上に、p−InP層25、InGaAs受光層24、n−InP層23を積層し、p−InP層25にp電極26を、上頂部にはn電極28を形成したものである。逆バイアス電源27によって、逆バイアスVbが印加されている。それによって受光層24にはn側からp側へ向かう電界Eが生ずる。
SI−InP基板20から入射光9が入る。入射光9のエネルギーより、InPのバンドギャップが広いので、InP基板20、p−InP層25は殆ど入射光9を吸収しない。入射光9はバンドギャップの狭い受光層24で吸収される。
p−InP層25とInGaAs受光層24の境界をKとする。InGaAs受光層24と、n−InP層23の境界をHとする。KH間距離をLとする。Kから上向きの距離をzとする。受光層の吸収係数をαとする。吸収のため、受光層において、光強度はexp(−αz)というように減衰する。電子正孔対の生成は光強度に比例するので微少厚みdzでの電子正孔対生成数はWexp(−αz)dzである。Wは変換率である。そこから電界Eによって正孔hは境界Kへ、電子eは境界Hへと進む。正孔hが走行する距離はzである。これは短い距離である。電子eが走行する距離は(L−z)である。これは長い距離である。
正孔hの走行速度はμEである。正孔がKまで走行するのに要する平均走行時間τ
τ=(α/μE)∫zexp(−αz)dz
= 1/αμE (2)
電子eの走行速度はμEである。電子がhまで走行するのに要する平均走行時間τ
τ=(α/μE)∫(L−z)exp(−αz)dz
=(L−α−1)/μE (3)
というようになる。
μ=10000〜15000cm/Vs
μ=300〜400cm/Vs
の程度である。受光層の厚みLや、受光層の吸収係数αによって、平均走行時間は異なる。例えば受光層厚みをL=3μm、吸収係数をα=2μm−1と仮定し、μ=10000cm/Vs、μ=300cm/Vs、Vb=1V、E=Vb/L=0.33V/μmとすると、
τ=50ps
τ=7ps
となる。但しps=10−12sである。依然として正孔の平均走行時間の方が電子走行時間より長い。しかし従来例の上からpinとなるフォトダイオードの場合の平均走行時間は(1)式から同じ条件で計算すると、
τ=250ps
となる。αとLの関係によるが、上のような仮定であると、本発明のnipフォトダイオードの方が従来例のものよりも光電変換の遅延時間が1/5程度小さいということが分かる。例えば10GHzの信号であると、その逆数が100psであるから、τが250psでは追随できない。それに対して本発明の場合は、平均遅延時間が50psであるから信号に応答できる。
[実施例1: nip一次元フォトダイオードアレイ]
半絶縁性(SI)鉄(Fe)ドープInPウエハ−を基板とする。SI−InP基板に、p型InP層、p型InGaAs受光層、i型InGaAs受光層、n型InP層をMOVPE法によって形成した。具体的な層構造(ドーパント、キャリヤ濃度、層厚み)を上から書くと次のようである。
n型InP層(Siドープ、n=2×1018cm−3、d=1μm)
i型InGaAs受光層(ノンドープ、n=5×1014cm−3、d=3μm)
p型InGaAs受光層(Znドープ、p=1×1018cm−3、d=0.3μm)
p型InP層(Cドープ、p=2×1019cm−3、d=2μm)
SI−InP基板(Feドープ)
SI−InPウエハ−の主オリエンテーションフラット(主OF)と平行に幅5μm、深さ5.5μmの分離溝をドライエッチングによって30μmピッチで形成した。これはp型InP層の途中に至る深さの分離溝である。
その後、ドライエッチングで形成した分離溝と垂直に幅30μmを残してその周辺をウエットエッチングによって除去し、一辺が30μmの矩形(30μm×30μm)のメサ型フォトダイオード素材が512個一列に並んだ一次元のアレイを作製した。
30μm角の周辺をSiN膜で被覆した。個々のフォトダイオード素子単位の上に20μm角のn電極を形成した。n電極はAuGeNiである。エッチングによって露呈したp型InP層の上にp電極を形成した。p電極はAuZnである。
そのようにして製造したフォトダイオードアレイは、1Vの逆バイアスで10GHzを越える高速の応答速度を得ることができた。
[比較例1: pin一次元フォトダイオードアレイ]
半絶縁性(SI)鉄(Fe)ドープInP基板に、n型InP、i型InGaAs受光層、p型InGaAs受光層、p型InP層をMOVPE法によって形成した。具体的な層構造(ドーパント、キャリヤ濃度、層厚み)を上から書くと次のようである。
p型InP層(Cドープ、p=2×1019cm−3、d=1μm)
p型InGaAs受光層(Znドープ、p=1×1018cm−3、d=0.3μm)
i型InGaAs受光層(ノンドープ、n=5×1014cm−3、d=3μm)
n型InP層(Siドープ、n=2×1018cm−3、d=2μm)
SI−InP基板(Feドープ)
SI−InPウエハ−の主オリエンテーションフラット(主OF)と平行に幅5μm、深さ5.5μmの分離溝をドライエッチングによって30μmピッチで形成した。この分離溝はn型InP層の半ばに達する深さを持っている。その後、ドライエッチングで形成した分離溝と垂直に幅30μmを残してその周辺をウエットエッチングによって除去し、一辺が30μm(30μm×30μm)の矩形のメサ型フォトダイオード素材が512個一列に並んだ一次元のアレイを作製した。
30μm角の周辺をSiN膜で被覆した。個々のフォトダイオード素材の上に20μm角のp電極を形成した。p電極はAuZnである。エッチングによって露呈したn型InP層の上にn電極を形成した。n電極はAuGeNiである。
そのようにして製造した512画素の一次元フォトダイオードアレイは、10GHzを越える高速応答性を得るには5V以上の逆バイアスを掛けなければならなかった。それだけでなく、5V以上の高い逆バイアスを掛けるのでメサの側壁でSiN膜と接触しているpn接合で電流リークが発生し、暗電流が大きくなるという問題もあった。そのため高速応答のフォトダイオードを安定して作製することが困難であった。
[実施例2: nip二次元フォトダイオードアレイ]
半絶縁性(SI)鉄(Fe)ドープInP基板に、p型InGaAs、p型InP層、p型InGaAsN受光層、n型InGaAsN受光層、n型InP層をMOVPE法によって形成した。具体的な層構造(ドーパント、キャリヤ濃度、層厚み)を上から書くと次のようである。
n型InP層(Siドープ、n=2×1018cm−3、d=1μm)
n型InGaAsN受光層(ノンドープ、n=5×1014cm−3、d=3μm)
p型InGaAsN受光層(Znドープ、p=1×1018cm−3、d=0.3μm)
p型InP層(Cドープ、p=2×1019cm−3、d=1μm)
p型InGaAs層(Cドープ、P=2×1019cm−3、d=0.2μm)
SI−InP基板(Feドープ)
SI−InPウエハ−の主オリエンテーションフラット(主OF)と平行と垂直に幅5μm、深さ5.5μmの溝をドライエッチングによって30μmピッチで縦横に形成した。これによって、一辺が30μm角(30μm×30μm)の矩形のメサ型フォトダイオード素材が128個×128個(=16384個)並んだ二次元アレイを作製した。30μm角の周辺の溝に露出するpn接合は絶縁性のポリイミド樹脂によって完全に覆うようにした。
個々のフォトダイオード素材の上に20μm角のn電極を形成した。n電極はAuGeNiである。エッチングによって露呈したp型InP層の上にp電極を形成した。p電極はAuZnである。
そのようにして作製した二次元アレイは、各n電極の上にインジウム半田を形成し、シリコン製のCMOS(電子回路部)と半田で直接接合して近赤外カメラを作製した。インジウム半田でCMOSと接合したのち、二次元アレイのInP基板を除去した。InP基板の除去は研磨あるいはRIEによって行うことができる。
InP基板を除去するのは、厚いInP基板による光の吸収を抑えるためである。こうして、可視光にまで感度を有する高速応答性に優れた近赤外光カメラを作製することができた。
[実施例3: 半導体埋め込み型nip二次元フォトダイオードアレイ]
半絶縁性(SI)鉄(Fe)ドープInP基板に、p型InGaAs、p型InP層、p型InGaAsN受光層、n型InGaAsN受光層、n型InP層をMOVPE法によって形成した。具体的な層構造(ドーパント、キャリヤ濃度、層厚み)を上から書くと次のようである。
n型InP層(Siドープ、n=2×1018cm−3、d=0.5μm)
n型InGaAsN受光層(ノンドープ、n=5×1014cm−3、d=2μm)
p型InGaAsN受光層(Znドープ、p=1×1018cm−3、d=0.3μm)
p型InP層(Cドープ、p=2×1019cm−3、d=2μm)
p型InGaAs層(Cドープ、P=2×1019cm−3、d=0.2μm)
SI−InP基板(Feドープ)
表面のn型InP層の上にSiN膜(厚さ50nm)を全面に形成した後、直径30μmの円形パターンを縦128、横128のアレイ状に50μmピッチで形成し、直径30μmの円形部分以外のSiN膜はフッ酸でエッチング除去した。その後、SiN膜で被覆された円形部の周辺をウエットエッチングにて深さ3μmまでエッチングし、MOVPE法にてノンドープInP(厚さ0.5μm、キャリヤ濃度1×1014cm−3)を成長させエッチングした部分の側壁を被覆した。
個々のフォトダイオード素材の上に20μm角のn電極を形成した。n電極はAuGeNiである。エッチングによって露呈したp型InP層の上にp電極を形成した。p電極はAuZnである。
n−InP基板の上にn−InP、InGaAs受光層、p−InP層を形成したpin型裏面入射型フォトダイオードの概略構造図。
SI−InP基板の上にp−InP、InGaAs受光層、n−InP層を形成したnip型裏面入射型フォトダイオードの概略構造図。
本発明のフォトダイオードアレイの製造工程を説明する図面であって、最初に準備したSI−InP基板の断面図。
本発明のフォトダイオードアレイの製造工程を説明する図面であって、SI−InP基板の上に、p−InP層、InGaAs受光層、n−InP層をエピタキシャル成長させた状態の断面図。
本発明のフォトダイオードアレイの製造工程を説明する図面であって、SI−InP基板の上に、p−InP層、InGaAs受光層、n−InP層をエピタキシャル成長させ、素子間分離のためのp型層に到る分離溝を等間隔に穿ち周辺部もp型層に到る溝をエッチングによって穿った状態の断面図。
本発明のフォトダイオードアレイの製造工程を説明する図面であって、SI−InP基板の上に、p−InP層、InGaAs受光層、n−InP層をエピタキシャル成長させ、素子間分離のためのp型層に到る分離溝を等間隔に穿ち周辺部もp型層に到る溝をエッチングによって穿ち、分離された素子単位の側面と頂面一部を絶縁で被覆し、頂面中央にn電極を形成した状態の断面図。
図6に示すフォトダイオードアレイの平面図。
本発明の一次元フォトダイオードアレイのn電極と電子回路部の電極とを一対一でワイヤボンデイングして接続し一次元センサとしたものの接続部の平面図。
図8の接続部を示すための図8のA−A断面図。
本発明の二次元フォトダイオードアレイのn電極と電子回路部の電極を、電子回路部をひっくり返して電極同士を直接に接合することによって接続し撮像装置など二次元センサとしたものの縦断面図。
符号の説明
2 n−InP基板
3 n−InP層
4 InGaAs受光層
5 p−InP層
6 p電極
7 逆バイアス電源
8 n電極
9 入射光
20 SI−InP基板
23 n−InP層
24 受光層
25 p−InP層
26 p電極
27 逆バイアス電源
28 n電極
29 素子分離溝
30 外周溝
34 絶縁膜
35 配線電極
36 ボンデイングワイヤ
37 ボンデイングワイヤ
38 電子回路部
40 電子回路部
42 電子回路部の電極
43 電子回路部の電極
C 接合容量
E 電界
G p−InP/InGaAsの境界
F InGaAs/n−InPの境界
K p−InP/InGaAsの境界
H InGaAs/n−InPの境界
Eg バンドギャップ
Vb 逆バイアス
e 電子
h 正孔
μh 正孔移動度

Claims (8)

  1. 半絶縁InP基板の上に、InP基板に整合するp型3−5族半導体層、3−5族受光層、n型3−5族半導体層、n電極を順に設けたフォトダイオード素子単位を一次元的にM×1個あるいは二次元的にM×N個形成してあり、隣接フォトダイオード素子単位間はp型半導体層に至る分離溝で分離され、フォトダイオード素子単位の側面および上面の一部は保護膜あるいは埋め込み層によって被覆されており、p−InP層の一部には共通のp電極を形成してあって、半絶縁InP基板の側から光を入射させることを特徴とする裏面入射型フォトダイオードアレイ。
  2. p型InP基板の上に、InP基板に整合するp型3−5族半導体層、3−5族受光層、n型3−5族半導体層、n電極を順に設けたフォトダイオード素子単位を一次元的にM×1個、あるいは二次元的にM×N個形成してあり、隣接フォトダイオード素子単位間はp型半導体層に至る分離溝で分離してあり、フォトダイオード素子単位の側面および上面の一部は保護膜によって被覆されており、p−InP基板の一部に共通のp電極を形成してあり、p−InP基板の側から光を入射させることを特徴とする裏面入射型フォトダイオードアレイ。
  3. フォトダイオード素子単位の側面および上面の一部を保護する保護膜はSiN、SiON、SiOあるいは絶縁性のポリイミド樹脂の何れか一つあるいはその組み合わせであることを特徴とする請求項1又は2に記載の裏面入射型フォトダイオードアレイ。
  4. フォトダイオード素子単位を分離する分離溝は高抵抗のi−InP結晶によって埋め込まれており、フォトダイオード素子単位の側面は埋め込み層によって保護されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の裏面入射型フォトダイオードアレイ。
  5. p型3−5族半導体層はキャリヤ濃度pが1×1019cm−3以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の裏面入射型フォトダイオードアレイ。
  6. p型3−5族半導体層は、p−InP又はp−InGaAsであり、3−5族受光層はInGaAs、InGaAsN、InGaAsNP、あるいはInGaAsNSbの何れかであり、n型3−5族半導体層は、n−InP又はn−InGaAsであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の裏面入射型フォトダイオードアレイ。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の裏面入射型フォトダイオードアレイを用いた一次元あるいは二次元のセンサ。
  8. 基板の一部あるいは全部を除去してあることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
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