JP2007281046A - 薄膜コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】誘電体薄膜の組成変化を防ぐことで耐電圧特性の信頼性を向上させるとともに、ESD耐量が向上でき、小型薄膜化可能な高周波特性に優れた薄膜コンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】有機物からなる基板1の上に第一の金属薄膜2と、スパッタにより形成された誘電体薄膜3と、第二の金属薄膜4とを順次形成し、この誘電体薄膜3にタンタルなどの金属酸化物とマンガンを用いるとともに、この第一の金属薄膜2にアルミニウムなどの弁金属を用いて、その表面に酸化皮膜6を形成する構成とするので、誘電体薄膜3の組成変化による耐電圧特性劣化を抑えるとともに、酸化皮膜6の絶縁性によりESD耐量を向上させる高信頼性の薄膜コンデンサを提供することができる。
【選択図】図1
【解決手段】有機物からなる基板1の上に第一の金属薄膜2と、スパッタにより形成された誘電体薄膜3と、第二の金属薄膜4とを順次形成し、この誘電体薄膜3にタンタルなどの金属酸化物とマンガンを用いるとともに、この第一の金属薄膜2にアルミニウムなどの弁金属を用いて、その表面に酸化皮膜6を形成する構成とするので、誘電体薄膜3の組成変化による耐電圧特性劣化を抑えるとともに、酸化皮膜6の絶縁性によりESD耐量を向上させる高信頼性の薄膜コンデンサを提供することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種電子機器に使用される薄膜コンデンサに関するものである。
近年、電子機器の小型化およびそれに用いるCPU(中央演算処理装置)の高速化に伴い、それに用いられる薄膜コンデンサの小型薄型化および高周波でのフィルター特性の向上に加え、耐電圧特性、特に実装用部品には、静電気に対する耐性、(ESD:静電気放電)耐量の向上も要望されている。
薄膜コンデンサの耐電圧特性を向上させる方法には、誘電体の欠陥を少なくすることと、誘電体の膜厚を厚くすることがあるが、誘電体の薄膜化により薄膜コンデンサを小型化する場合は、誘電体の欠陥を少なくすることが重要になる。
図3は、この種の従来の薄膜コンデンサの構成を示した断面図であり、図3において、26は薄膜コンデンサを示し、この薄膜コンデンサ26は絶縁体からなる基板21と、この基板21の上に形成された第一の金属薄膜22と、この第一の金属薄膜22の上に形成された誘電体薄膜23と、この誘電体薄膜23の上に形成された第二の金属薄膜24とからなるコンデンサ素子25とから構成されている。
上記基板21には、感光性樹脂からなるレジスト樹脂やポリイミドなどの有機物や、SiやGaAsなどの無機物からなるものが用いられている。
この基板21の上に厚みが均一で緻密な上記第一および第二の金属薄膜22、24ならびに誘電体薄膜23を形成するためには、化学的気相成長法(CVD)やスパッタなどの物理的気相成長法(PVD)を用いるのが一般的である。特に、低温での成膜が可能なことから基板温度に制限がある有機物からなる基板21の上に成膜する場合に有用な方法である。
上記誘電体薄膜23には、高周波特性に優れるAnOmで表される金属酸化物(A=Al、Si、Ti、Hf、Ta,n=1、2,m=2、3、5)や、誘電率の高いSrTiO3などのペロブスカイト構造酸化物や、Si3N4が一般的に用いられている。
特に、AnOmで表される金属酸化物の誘電率はスパッタ形成温度の依存性が低いことに加え、エッチングが容易に行えることや、接続する金属薄膜の制限が少ないという特徴を有している。
これらのことから、高周波特性に優れた薄膜コンデンサ26を薄型化するためには、AnOmで表される金属酸化物を誘電体薄膜23に用いるとともに、薄膜フィルムとして形成可能な有機物を基板21に用いることが有用となる。
しかし、スパッタにより金属酸化物からなる誘電体薄膜23を形成すると、誘電体薄膜23は化学量論組成から外れ、酸素不足側の組成となり易く、誘電体薄膜23中に酸素空孔等の欠陥が生じて、これがキャリアのトラップをつくり、薄膜コンデンサ26の絶縁耐圧を低下させる要因になる。
この欠陥は、酸素雰囲気下で500℃以上の高温処理により改善することが可能となるが、有機物を基板21に用いた場合はこの処理が困難である。
そこで、この誘電体薄膜23に複数の原子価を取りうるマンガンをドーパントとして添加し、キャリアのトラップを解消し、絶縁破壊を起さないリーク電流が流れるようにすることにより、誘電体薄膜23の酸素空孔等の欠陥を減少、修復させる方法が知られている。
また、このマンガンの添加量が多くなると、リーク電流が大きくなりすぎて、薄膜コンデンサ26の動作に影響することも知られている。
なお、この出願に関する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
特開2001−358303号公報
しかしながら、この従来の薄膜コンデンサ26において、誘電体薄膜23に静電気や電圧印加などによる電界ストレスが加わると、誘電体薄膜23中の酸素が第一の金属薄膜22に拡散して、誘電体薄膜23の酸素が減少するとともに、その組成が変化することで添加したマンガンの誘電体薄膜22中の組成比が相対的に変化するため、薄膜コンデンサ26の耐電圧低下や特性が低下する恐れがあった。
さらに、金属薄板に酸素が入り込み酸化物を形成して、この金属薄板の抵抗が上昇することで薄膜コンデンサ26のESR(等価直列抵抗)を増やし、高周波でのフィルター特性を低下させる恐れもあった。
また、この誘電体薄膜23の酸素が拡散することを防ぐために、第一の金属薄膜22を白金などの酸素が入り込みにくい材料で構成すると、金属酸化物である誘電体薄膜23との付着力が低いため、第一の金属薄膜22と誘電体薄膜23の界面にクラックが発生し、薄膜コンデンサ26の特性を低下させる恐れがあった。
本発明は、このような従来の課題を解決し、高周波でのフィルター特性に優れ、高い耐電圧特性を有するとともに、信頼性が高く、小型薄膜化可能な薄膜コンデンサを提供するものである。
上記課題を解決するために本発明は、有機物からなる基板と、前記基板の表面に形成された第一の金属薄膜と、前記第一の金属薄膜の上にスパッタにより形成された誘電体薄膜と、前記誘電体薄膜の上に形成された第二の金属薄膜とからなり、前記誘電体薄膜がAnOmで表される金属酸化物(A=Al、Si、Ti、Hf、Ta,n=1、2,m=2、3、5)とマンガンからなるとともに、前記第一の金属薄膜に弁金属を用いることで、前記第一の金属薄膜の表面に酸化皮膜を形成した構成にしたものである。
以上のように本発明による薄膜コンデンサは、誘電体薄膜がAnOmで表される金属酸化物とマンガンから形成される状態において、第一の金属薄膜22に弁金属を用いることで、第一の金属薄膜22の表面に緻密な酸化皮膜が形成されて、誘電体薄膜23と第一の金属薄膜22の組成が安定するとともに、誘電体薄膜23と第一の金属薄膜22との付着力が向上する。この結果として、高周波でのフィルター特性に優れ、高い耐電圧特性を有するとともに、信頼性が高く、小型薄膜化可能な薄膜コンデンサを実現できるという効果が得られる。
さらに、第一の金属薄膜22の表面に形成された酸化皮膜が絶縁性を有しているため、薄膜コンデンサの耐電圧特性を向上させることができるという効果も得られる。
以下、本実施の形態について図面を用いて説明する。
図1(a),(b)は本発明の一実施の形態による薄膜コンデンサの構成を示した断面図であり、図1において、10は薄膜コンデンサを示し、この薄膜コンデンサ10は、基板1と、この基板1の上に形成したコンデンサ素子5と、このコンデンサ素子5を覆う絶縁物からなる保護層7とから構成されている。
このコンデンサ素子5は、基板1の上に設けられた第一の金属薄膜2と、その第一の金属薄膜2の上にスパッタにより形成された誘電体薄膜3と、この誘電体薄膜3の上に設けられた第二の金属薄膜4とから形成されている。
そして、その一方が第一の金属薄膜2と接続するとともに、他方が保護層7の表面から露出する第一の外部端子8が設けられるとともに、その一方が第二の金属薄膜4と接続するとともに、他方が保護層7の表面から露出する第二の外部端子9が設けられている。
また、上記基板1は、ポリイミドや、感光性を有するレジスト樹脂などの高温でも変形収縮の小さく、自立性が高く、薄膜化が可能な有機物から形成されている。
そして、第一の金属薄膜2は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウムなどの弁金属から形成され、この第一の金属薄膜2の表面には緻密な酸化皮膜6が形成されている。
さらに、誘電体薄膜3は、高周波特性が優れ、比誘電率が高く、300℃以下の低温形成が可能なAnOmで表される金属酸化物(A=Al、Si、Ti、Hf、Ta,n=1、2,m=2、3、5)とマンガンから形成されている。
なお、上記第一および第二の外部端子8、9には電気伝導度が高い、金、銅、ニッケルなどからなる金属を用いる、または2つ以上の金属を積層するようにして用いても良い。
また、上記保護層7には、絶縁性および水分などの浸入に対するバリア性が高いものがよい、特に絶縁性およびバリア性が高く、スパッタによる薄膜形成および、この薄膜のエッチングが容易な酸化ケイ素などを用いるようにしても良い。
以下、具体的な実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
基板1として厚さ125μmのポリイミドフィルムを使用し、0.5Paの真空中でDCスパッタにより、この基板の上に厚さ100nmのアルミニウム膜を成膜した。
基板1として厚さ125μmのポリイミドフィルムを使用し、0.5Paの真空中でDCスパッタにより、この基板の上に厚さ100nmのアルミニウム膜を成膜した。
次に、このアルミニウム膜の上に感光性を有するレジスト樹脂を用いてパターニングによりレジスト膜からなるマスクレジストを形成して、リン酸、酢酸などからなるエッチング液を用いて、このアルミニウム膜をエッチングした後、このマスクレジストを剥離して、基板表面を洗浄して、200℃で1時間乾燥することにより、表面に緻密な酸化皮膜6を有する400×250μmの第一の金属薄膜2を基板の上に形成した。
以降、スパッタにより形成される金属薄膜は、上記手段と方法を用いてエッチングすることにより所定の形状に形成するものとする。また、スパッタにより形成される金属酸化物薄膜は、CF4およびO2ガスを用いて、金属酸化物薄膜をエッチングすることにより所定の形状に形成した。
次に、0.5Paの真空中でDCスパッタにより、上記基板1の上に誘電体薄膜3となる厚さ400nmの酸化タンタル膜を成膜した。
この酸化タンタル膜は、マンガンが3atom%含まれるタンタルターゲットを用いるとともに、アルゴンと酸素と窒素の流量比が5:5:1としたキャリアガスを用いて成膜したことにより、マンガンがタンタル比で3atom%含まれるとともに、窒素が酸素比で3atom%含まれている。
このマンガンが3atom%含まれるとは、ターゲットに含まれるタンタル原子とマンガン原子の比率が97:3ということであり、また、マンガンがタンタル比で3atom%含まれるとは、酸化タンタル膜に含まれるタンタル原子とマンガン原子の比率が97:3ということであり、窒素が酸素比で3atom%含まれるとは、酸化タンタル膜に含まれる酸素原子と窒素原子の比率が97:3ということである。
続いて、0.5Paの真空中でのDCスパッタにより、この酸化タンタル膜の上に厚さ100nmの白金膜を成膜して、さらにこの白金膜をエッチングして、上記第一の金属薄膜2との対向面積が270×232μmとなる第二の金属薄膜4を基板1の上に形成した。
次に、0.5Paの真空中でのRFスパッタにより、この基板1の上に厚さ100nmの保護層7となる酸化ケイ素膜を成膜して、さらにこの酸化ケイ素膜をエッチングして、保護層7を貫通するように設けられるとともに、第一および第二の金属薄膜2、4の端部と夫々接続する200×200μmの第一および第二の開口部を形成した。
さらに、0.5Paの真空中でのDCスパッタにより、この基板1の上に厚さ10nmの銅膜を形成して、さらに、上記第一および第二の開口部の内面に形成された銅膜を残すようにこの銅膜をエッチングして、さらにこの基板1の表面を銅、ニッケル、金の無電解メッキを順次行い、上記第一および第二の開口部を金属で充填することにより、第一および第二の外部端子8、9を形成した。
そして、この基板1を所定の寸法にすることにより、有機物からなる基板1と、この基板1の表面に順次形成されたアルミニウムからなる第一の金属薄膜2と、酸化タンタルとマンガンからなる誘電体薄膜3と、第二の金属薄膜4とからなるとともに、第一の金属薄膜2の表面に酸化皮膜6を形成した薄膜コンデンサ10を得ることができた(寸法:400×1000×0.9(μm)、静電容量:33(pF))。
このように、第一の金属薄膜2に弁金属を用い、この第一の金属薄膜2の表面に緻密な酸化皮膜6を形成させる構成とすることで、この酸化皮膜6が第一の金属薄膜2の上に形成される誘電体薄膜3に含まれる酸素の拡散を防ぐバリアとして機能する。そのため、誘電体薄膜3と第一の金属薄膜2の組成が変化する恐れが無くなるとともに、金属酸化物である誘電体薄膜3と表面に酸化皮膜6を有する第一の金属薄膜2との付着力が向上して、これらの界面剥離も減少する。この結果として、高周波でのフィルター特性に優れ、高い耐電圧特性を有するとともに、信頼性が高く、小型薄膜化可能な薄膜コンデンサを実現できるという効果が得られる。
さらに、第一の金属薄膜2の表面に形成された酸化皮膜6が絶縁性を有しているため、薄膜コンデンサ10の耐電圧特性を向上させる。特に、ESDのように高い電圧が瞬間的に印加されても誘電体薄膜3に電流が流れにくくなるため、ESD耐量の向上ができるという効果も得られる。
また、誘電体薄膜3の金属酸化物中のマンガン含有量Xが金属比3.0atom%以上になるとリーク電流が流れやすくなるため、高い耐電気圧特性が得られなくなるため、誘電体薄膜3の金属酸化物中のマンガン含有量Xを金属比0<X≦3.0atom%とすることで誘電体のリーク電流を適度な範囲に調整し、高い耐電圧特性を得ることができるものである。
さらに、誘電体薄膜3に窒素が含まれるようにすることで、マンガンと同様の効果が得られ、耐電圧特性を向上させることができるものである。また、誘電体薄膜3の金属酸化物中の窒素含有量Yが酸素比3.0atom%以上になるとリーク電流が流れやすくなるため、誘電体薄膜3の金属酸化物中の窒素含有量Yを酸素比0<Y≦3.0atom%とすることで高い耐電圧特性を得ることができるものである。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2は、図2から明らかなように、誘電体薄膜3と第二の金属薄膜4との間に新たに酸化皮膜11を形成しているところに特徴を有しており、その他の点については実施の形態1と同様の構成を有している。従ってこの酸化皮膜11以外の構成および製造方法は実施の形態1の説明を援用することで薄膜コンデンサを作製した。
そこで、本実施の形態の特徴構成について具体的に説明すると、誘電体薄膜3となる酸化タンタル膜を形成後、0.5Paの真空中でDCスパッタ法により、上記酸化タンタル膜の上に厚み5nmの酸化アルミニウム膜を形成して、ついで、この酸化アルミニウム膜の上に厚み95nmのアルミニウム膜を形成した。
そして、このアルミニウム膜および酸化アルミニウム膜をエッチングして、上記第一の金属薄膜2との対向面積が270×232μmとなる第二の金属薄膜4が基板上に形成され、さらに、第二の金属薄膜4と誘電体薄膜3の間に酸化皮膜11が形成されて薄膜コンデンサ10が得られる(寸法:400×1000×0.9(μm)、静電容量:33(pF))。
ここで、第二の金属薄膜4に弁金属を用い、この第二の金属薄膜4と誘電体薄膜3との界面に酸化皮膜11を形成させる構成とすることで、誘電体薄膜3に含まれる酸素の拡散を防止することができるため、誘電体薄膜3と第二の金属薄膜4の組成が安定する。
また、酸化皮膜11を介して誘電体薄膜3と第二の金属薄膜4とが接続されるため、これらの界面剥離も減少し、その結果として、薄膜コンデンサの耐電圧特性と、高周波特性をさらに向上させることが可能となる。また、酸化皮膜11が絶縁性を有しているため、薄膜コンデンサの耐電圧特性および、ESD耐量をさらに向上させることも可能となる。
次に、第一および第二の金属薄膜2、4にアルミニウム、またはアルミニウム合金を用い、誘電体薄膜3に酸化タンタルを用いることで、誘電率の高い誘電体と、その誘電体に接続させる電極の電気伝導度が高くなり、薄膜コンデンサの高周波特性の向上と、耐電圧特性の向上を図ることができる。
(比較例)
比較例は、従来の薄膜コンデンサとして、第一の金属薄膜に白金を用いたことが前記実施の形態1と異なり、その他の点については実施の形態1と同様の構成を有している。従ってこの第一の金属薄膜に白金を用いた以外の構成および製造方法は実施の形態1の説明を援用することで薄膜コンデンサを作製した。
比較例は、従来の薄膜コンデンサとして、第一の金属薄膜に白金を用いたことが前記実施の形態1と異なり、その他の点については実施の形態1と同様の構成を有している。従ってこの第一の金属薄膜に白金を用いた以外の構成および製造方法は実施の形態1の説明を援用することで薄膜コンデンサを作製した。
そこで、比較例の特徴構成について具体的に説明すると、基板として厚さ125μmのポリイミドフィルムを使用し、0.5Paの真空中でDCスパッタにより、この基板の上に厚さ100nmの白金膜を形成し、この白金膜を所定形状にエッチングして、400×250μmの第一の金属薄膜が基板の上に形成されて、薄膜コンデンサが得られる(寸法:400×1000×0.9(μm)、静電容量:33(pF))。
ここで、実施の形態1〜2および比較例の薄膜コンデンサについて、マシンモデルでのESD試験を300Vまで印加して、その特性劣化試験を行い、結果を(表1)に示す。なお、試験数は72個で行った。
また、前記マシンモデルでのESD試験は、200pFの試験コンデンサに所定の電圧で充電した後、薄膜コンデンサに放電させるものである。
(表1)から明らかなように、本発明における薄膜コンデンサはESD試験による特性劣化が少なく、比較例に比べて大幅にESD耐量を改善することができた。
このように、本発明は第一の金属薄膜2に弁金属を用い、この表面に酸化皮膜6を形成する構成とすることにより、誘電体薄膜3や第一の金属薄膜2などの組成変化を起こさないことで安定した耐電圧特性を得ることが可能となった。
また、酸化皮膜6が絶縁体であるため、ESD耐量も高い薄膜コンデンサを得ることができるものである。
本発明による薄膜コンデンサは、高周波でのフィルター特性に優れ、高い耐電圧特性を有するとともに、信頼性が高く、小型薄膜化可能にするという効果を有し、さらに、ESD耐量の向上も可能とすることから実装用の薄膜コンデンサに対して有用である。
1 基板
2 第一の金属薄膜
3 誘電体薄膜
4 第二の金属薄膜
6、11 酸化皮膜
2 第一の金属薄膜
3 誘電体薄膜
4 第二の金属薄膜
6、11 酸化皮膜
Claims (6)
- 有機物からなる基板と、前記基板の表面に形成された第一の金属薄膜と、前記第一の金属薄膜の上にスパッタにより形成された誘電体薄膜と、前記誘電体薄膜の上に形成された第二の金属薄膜とからなり、前記誘電体薄膜がAnOmで表される金属酸化物(A=Al、Si、Ti、Hf、Ta,n=1、2,m=2、3、5)とマンガンからなるとともに、前記第一の金属薄膜に弁金属を用いることで、前記第一の金属薄膜の表面に酸化皮膜を形成した薄膜コンデンサ。
- 第二の金属薄膜に弁金属を用いるとともに、この第二の金属薄膜と誘電体薄膜の間に酸化皮膜を形成した請求項1に記載の薄膜コンデンサ。
- 第一および第二の金属薄膜がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、誘電体薄膜が酸化タンタルからなる請求項1に記載の薄膜コンデンサ。
- 誘電体薄膜の金属酸化物に対するマンガン含有量Xを金属比0<X≦3.0atom%とする請求項1に記載の薄膜コンデンサ。
- 誘電体薄膜に窒素が含まれる請求項1に記載の薄膜コンデンサ。
- 誘電体薄膜の金属酸化物に対する窒素含有量Yを酸素比0<Y≦3.0atom%とする請求項4に記載の薄膜コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006102706A JP2007281046A (ja) | 2006-04-04 | 2006-04-04 | 薄膜コンデンサ |
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JP (1) | JP2007281046A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60168322A (ja) * | 1984-09-25 | 1985-08-31 | 武田薬品工業株式会社 | ジオウ新品種に属する植物の栽培方法 |
JP2015035570A (ja) * | 2013-08-08 | 2015-02-19 | ツーハイ アドバンスド チップ キャリアーズ アンド エレクトロニック サブストレート ソリューションズ テクノロジーズ カンパニー リミテッド | ポリマー誘電体内に埋め込まれる薄フィルムコンデンサ |
-
2006
- 2006-04-04 JP JP2006102706A patent/JP2007281046A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS60168322A (ja) * | 1984-09-25 | 1985-08-31 | 武田薬品工業株式会社 | ジオウ新品種に属する植物の栽培方法 |
JP2015035570A (ja) * | 2013-08-08 | 2015-02-19 | ツーハイ アドバンスド チップ キャリアーズ アンド エレクトロニック サブストレート ソリューションズ テクノロジーズ カンパニー リミテッド | ポリマー誘電体内に埋め込まれる薄フィルムコンデンサ |
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