JP2007280205A - 電子カルテシステムおよび電子カルテシステムへの入力方法 - Google Patents

電子カルテシステムおよび電子カルテシステムへの入力方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フリーハンドで筆記された文書を簡単かつ確実に登録できる電子カルテシステムを提供する。
【解決手段】電子カルテシステム1は、カルテデータファイル受診者IDに対応付けて管理する電子カルテデータベースサーバ20と、医師用端末10と、スキャナ30とを備える。医師用端末10は、用紙に印刷されている用紙IDを読み取るバーコードリーダ13と、用紙IDの読み取り時に開かれているカルテデータファイルに対応する受診者IDと用紙IDとを関連付けてメモリへ記憶するID登録処理部と、スキャナ30で取り込まれた画像から用紙IDを認識し、認識された用紙IDに関連付けられて記憶されている受診者IDに対応付けて、スキャナ30で取り込まれた画像を電子カルテデータベースサーバ20へ登録する画像登録処理部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子カルテシステムに関し、特に、医師や受診者等がフリーハンドで筆記した内容をカルテの一部として登録できる電子カルテシステムに関する。
1999年4月に厚生省(現在の厚生労働省)が、カルテをデータ化してコンピュータ管理することを承認したことにより、近年、多くの病院、医院で電子カルテシステムが利用されている。
電子カルテシステムでは、カルテ入力に必要な様々な項目がメニュー画面から選択できるようになっており、医師は、診断の際に、マウス等の入力デバイスを用いて項目を選択入力したり、キーボードを用いて任意のテキスト入力を行ったりする(例えば特許文献1参照)。
特開2005−242395号公報
ところで、キーボードやマウス操作を行ってデータを入力するよりも、旧来の紙カルテのように、手書きで所見等を記入する方が医師の手間がかからないことがある。あるいは、検査や手術の同意書のように受診者等の直筆による署名が必要な場合もあるので、電子カルテシステムは、フリーハンドで筆記された文書を画像として取り込んで保存できることが好ましい。
このような場合、医師等が、診断時に所見や検査・投薬指示等の必要事項を用紙に記入し、その後、医療補助スタッフがその用紙をスキャナにかけて、取り込んだ画像を電子カルテシステムに登録することとなる。この場合、データの誤登録が起こらないよう、医療スタッフは細心の注意を払わなければならない。すなわち、医師が記入した用紙がどの受診者に関するものかを確認し、電子カルテシステムにおいてその受診者のカルテデータファイルを指定して、スキャナにかけた画像を登録する必要がある。しかし、このような登録作業は医療補助スタッフにとって煩わしいものであり、また、万が一、誤登録が起こると、医療ミスにつながる危険性もある。
そこで、本発明は、上記の問題を鑑み、医師や医療補助スタッフの手間をかけずに、かつ誤登録を生じないように、フリーハンドで筆記された文書を登録できる電子カルテシステムを提供する。
上記の目的を達成するために、本発明にかかる電子カルテシステムは、カルテデータファイルを含む受診者情報を、各受診者に割り当てられた受診者識別子に対応付けて管理する電子カルテデータベースと、用紙に印刷されている用紙識別子を読み取る識別子リーダーと、前記識別子リーダーが用紙識別子を読み取ったときに開かれているカルテデータファイルに対応する受診者識別子と、前記識別子リーダーによって読み取られた用紙識別子とを関連付けてメモリへ記憶する識別子登録処理部と、前記用紙から、前記用紙識別子と当該用紙に記入された内容とを画像として取り込むスキャナと、前記スキャナで取り込まれた画像から前記用紙識別子を認識する用紙識別子認識処理部と、認識された用紙識別子に関連付けられて記憶されている受診者識別子を前記メモリから抽出し、前記スキャナで取り込まれた画像または当該画像から得られたテキスト情報を、抽出された受診者識別子に対応付けて前記電子カルテデータベースへ登録する画像登録処理部とを備えたことを特徴とする。
この電子カルテシステムによれば、以下のとおり、フリーハンドで筆記された文書の画像を簡単かつ確実に登録できる。
まず、一般的な用紙に予め用紙識別子を印刷しておく。この用紙識別子は、識別子リーダーで読み取ることによって用紙の1枚1枚を識別できればどのような種類の識別子であっても良いが、例えば、1次元バーコードや、各種の2次元バーコード(2次元コードともいう。)であることが好ましい。また、用紙識別子は、用紙の1枚1枚を識別できるよう、重複が生じない程度の適当な桁数の記号や数字などを表す。
例えば医師は、診察時に上記の用紙識別子が印刷された用紙を取り、その用紙に印刷されている用紙識別子を、識別子リーダーを用いて読み取る。識別子リーダーは、用紙識別子の種類に応じたデバイスであれば良く、例えば用紙識別子が1次元または2次元バーコードである場合は、バーコードリーダーが用いられる。
識別子リーダーで読み取られた用紙識別子は、識別子登録処理部により、そのときに電子カルテシステムにおいて開かれているカルテデータファイルに対応する受診者識別子と関連付けてメモリへ記憶される。つまり、医師は、ある受診者の診察を開始する際に、必ず、電子カルテシステムからその受診者のカルテデータファイルを呼び出して開き、これまでの診察記録等を確認する。従って、医師がある受診者を診察しているとき、当然に、電子カルテシステムにおいてその受診者のカルテデータファイルが開かれているはずである。そのため、本発明の電子カルテシステムでは、医師が診察をしながら、用紙識別子が印刷された用紙を取り、その用紙に印刷されている用紙識別子を識別子リーダーで読み取ると、そこで読み取られた用紙識別子に対して、そのとき開かれているカルテデータファイルの受診者(すなわち診察中の受診者)の受診者識別子が間違いなく関連付けられ、メモリに記憶されることとなる。
その後、医師が、診察中または診察終了後に、上記の用紙に対してペン等の一般的な筆記具により所見や検査・投薬指示等を記入する。ここで、医師はその場でこの用紙をスキャナにかける必要はなく、所定の回収箱等に保管しておけば良い。そして、診察終了後に、看護師、検査技師、または医療事務員等の医療補助スタッフが、適宜この用紙を回収し、スキャナにかけると、スキャナで取り込まれた画像から用紙識別子が認識される。さらに、認識された用紙識別子に関連付けられて記憶されている受診者識別子が前記メモリから抽出される。そして、抽出された受診者識別子に対応付けて、前記スキャナで取り込まれた画像、または当該画像からOMR/OCR処理等によって得られたテキスト情報が、電子カルテデータベースへ登録される。すなわち、医師および医療補助スタッフが、所見等が記入された用紙がどの受診者に関するものかを意識しなくても、筆記された文書の画像が電子カルテシステムに間違いなく登録されることとなる。また、検査や手術の同意書等のように、受診者本人の直筆が要求される文書も、医師や医療補助スタッフの手間をかけずに、その受診者の受診者識別子に対応付けて電子カルテデータベースへ確実に登録することができる。
以上のとおり、本発明の電子カルテシステムによれば、医師や医療補助スタッフの手間をかけずに、かつ誤登録を生じないように、フリーハンドで筆記された文書を電子カルテデータベースへ登録できる。
また、本発明にかかる上記の電子カルテシステムにおいて、前記2次元バーコードが、前記用紙識別子に加えて、当該用紙に記入されるべき内容に関する文書情報を含み、前記画像登録部は、前記スキャナで取り込まれた画像を登録する際に、前記文書情報に応じた登録処理を行う構成とすることも好ましい。
この好ましい構成によれば、記入されるべき内容の種類別(例えば、所見記入用紙、検査指示用紙、投薬指示用紙、同意書用紙など)に2次元バーコードを印刷した用紙を準備し、この用紙を、例えば診察机上の所定の棚等に保管しておけば良い。そして、医師が、用途に応じた用紙を棚から選んで記入するだけで、2次元バーコードに含まれている文書情報に応じた登録処理がなされる。「文書情報に応じた登録処理」とは、例えば、文書の種類に応じたファイル名を付ける等の処理である。これにより、医師や医療補助スタッフが文書の種別に応じた登録処理を行う必要がなく、フリーハンドで筆記された文書を、より簡便な手順で電子カルテシステムへ登録することができる。
また、本発明にかかる電子カルテシステムへの入力方法は、カルテデータファイルを含む受診者情報を、各受診者に割り当てられた受診者識別子に対応付けて管理する電子カルテデータベースと、用紙に印刷されている用紙識別子を読み取る識別子リーダーと、前記用紙から、前記用紙識別子と当該用紙に記入された内容とを画像として取り込むスキャナとを備えた電子カルテシステムへの入力方法であって、前記識別子リーダーによって、用紙から前記用紙識別子を読み取る処理と、前記識別子リーダーが用紙識別子を読み取ったときに開かれているカルテデータファイルに対応する受診者識別子と、前記識別子リーダーによって読み取られた用紙識別子とを関連付けて前記電子カルテシステムのメモリへ記憶する処理と、前記スキャナで取り込まれた画像から前記用紙識別子を認識する処理と、認識された用紙識別子に関連付けられて記憶されている受診者識別子を前記メモリから抽出し、前記スキャナで取り込まれた画像または当該画像から得られたテキスト情報を、抽出された受診者識別子に対応付けて前記電子カルテデータベースへ登録する処理とを含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるプログラムは、カルテデータファイルを含む受診者情報を、各受診者に割り当てられた受診者識別子に対応付けて管理する電子カルテデータベースと、用紙に印刷されている用紙識別子を読み取る識別子リーダーと、前記用紙から、前記用紙識別子と当該用紙に記入された内容とを画像として取り込むスキャナとを備えた電子カルテシステムにおいて、当該電子カルテシステムのコンピュータで実行されるプログラムであって、前記識別子リーダーが用紙識別子を読み取ったときに開かれているカルテデータファイルに対応する受診者識別子と、前記識別子リーダーによって読み取られた用紙識別子とを関連付けて前記電子カルテシステムのメモリへ記憶する処理と、前記スキャナで取り込まれた画像から前記用紙識別子を認識する処理と、認識された用紙識別子に関連付けられて記憶されている受診者識別子を前記メモリから抽出し、前記スキャナで取り込まれた画像または当該画像から得られたテキスト情報を、抽出された受診者識別子に対応付けて前記電子カルテデータベースへ登録する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、医師や医療補助スタッフの手間をかけずに、かつ、誤登録を生じないように、フリーハンドで筆記された文書を登録できる電子カルテシステムを提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態についてより具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子カルテシステムの概略構成を示すネットワーク図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電子カルテシステム1は、病院や診療所内のLAN(Local Area Network:ローカルエリアネットワーク)40を介して、医師用端末10、電子カルテデータベースサーバ20、スキャナ30が相互に接続された構成である。なお、図1では、ハブやルータ等のネットワーク接続機器等の図示は省略されている。また、図1では、医師用端末10を1台のみ図示しているが、本発明の電子カルテシステムに接続される医師用端末およびスキャナの台数は任意である。なお、図1は、電子カルテシステムの構成要素のうち、本発明の実施に関連する機器のみを図示したが、電子カルテシステムには、図1に示した以外の任意の機器を接続可能である。
医師用端末10は、診察室等に備え付けられるものである。図1に示すように、医師用端末10は、ディスプレイ11と、本体12と、バーコードリーダ13とを備えている。なお、図1では図示を省略しているが、医師用端末10は、キーボードやマウス等の入力デバイスやプリンタ等の任意の周辺機器を備えていても良い。また、図1では、医師用端末の例としていわゆるタワー型のパーソナルコンピュータを例示したが、医師用端末のハードウェア構成はこれに限定されず、任意である。また、図1には一次元バーコード用のバーコードリーダーを例示したが、バーコードリーダーの構成もこれに限定されるものではない。また、図1では、スキャナがLAN40を介して接続された構成を例示したが、スキャナは、医師用端末10に接続されていても良い。
電子カルテデータベースサーバ20は、電子カルテデータを蓄積するデータベースサーバである。電子カルテデータベースサーバ20には、受診者それぞれのカルテデータを含む受診者情報が、それぞれの受診者に固有に割り当てられた受診者ID(受診者識別子)に対応付けられて格納されている。また、電子カルテデータベースサーバ20には、受診者情報の他に、検査項目に関するマスタデータや、医薬品に関するマスタデータ、あるいは診療報酬に関するデータ等、種々のデータが登録されていても良い。なお、電子カルテデータベースサーバ20における電子カルテデータのデータ構造は任意であり、電子カルテデータベースそのものは周知であるため、詳細な説明は省略する。
図2は、医師用端末10の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、医師用端末10は、カルテデータ処理部101、ID登録処理部102、画像登録処理部103、ID登録メモリ104、および用紙ID認識処理部105を備えている。なお、カルテデータ処理部101、ID登録処理部102、画像登録処理部103、および用紙ID認識処理部105は、医師用端末10の本体12内のCPUが所定のプログラムを実行することによって機能的に実現される機能ブロックである。ID登録メモリ104は、医師用端末10の本体12内の各種メモリによって実現される。
カルテデータ処理部101は、LAN40を介して電子カルテデータベースサーバ20へアクセスし、必要なデータを電子カルテデータベースサーバ20から取得してディスプレイ11に表示したり、医師用端末10から医師が入力したデータを電子カルテデータベースサーバ20へ書き込んだりする。
カルテデータ処理部101は、診察モードでは、複数の受診者のカルテデータファイルを同時に開くことはできない。医師が受診者を取り違えることを防止するためである。医師が、診察開始時に受診者の受診者IDを入力すると、カルテデータ処理部101は、電子カルテデータベースサーバ20へアクセスし、入力された受診者IDに対応付けられているカルテデータファイルを読み込んで、必要な項目をディスプレイ11へ表示する。なお、医師が受診者IDを必ずしも直接入力しなくても良く、各受診者に交付され受診者IDが記録されている磁気カードまたはICカード等、またはバーコード情報が印刷されたカードや用紙等のカードリーダやバーコードリーダを医師用端末10に備え付け、そのカードリーダやバーコードリーダによって受診者IDを取得しても良い。あるいは、受診者の指紋等の生体認証を行って、その認証結果から受診者IDを特定するようなシステム構成とすることも可能である。
ID登録処理部102は、用紙から読み取った用紙ID(用紙識別子)を、受診者の受診者IDと関連づけてID登録メモリ104へ登録する処理を行う。この処理の詳細については、後述する。
用紙ID認識処理部105は、スキャナ30で取り込まれた画像から、用紙IDを認識する。この処理の詳細は後述する。
画像登録処理部103は、認識された用紙IDに関連付けて記憶されている受診者IDをID登録メモリ104から抽出し、スキャナ30で取り込まれた画像を、抽出された受診者IDに対応付けて電子カルテデータベースサーバ20へ登録する処理を行う。この処理の詳細は後述する。
以上のように構成された電子カルテシステム1において、医師や受診者またはその代理人がフリーハンドで記入した文書の画像を、電子カルテデータベースサーバ20へ登録する手順について、以下に説明する。
電子カルテシステム1が導入されている病院等の診察室には、フリーハンド(手書き)記入用の白紙用紙、または所定のフォームの用紙が準備されている。所定のフォームの用紙には、例えば、検査同意書や手術同意書等も含まれる。これらの用紙のそれぞれには、1枚ずつに固有の用紙IDが印刷されている。用紙IDは、1次元バーコードまたは2次元バーコード(「2次元コード」とも呼ばれる。)であることが好ましい。バーコードが印刷されたこれらの用紙を「ID付き用紙」と称することとする。
図3および図4にID付き用紙の具体例を示す。図3は、用紙IDが1次元バーコードとして印刷された白紙用紙である。この1次元バーコードは、用紙IDとして、用紙の1枚1枚を識別するための適当な桁数の数字等を表す。図4は、用紙IDが2次元バーコード(この例ではQRコード)として印刷された所定のフォームの用紙(この例は検査同意書)である。2次元バーコードの場合は、1次元バーコードに比べて情報量が多いので、用紙ID以外の情報も持たせることができる。また、2次元バーコードとしては、図4に示したQRコード以外に、任意のコードを用いることができる。
さらに、1次元バーコードと2次元バーコードとの両方をID付き用紙に印刷しても良い。その場合は、例えば、1次元バーコードで用紙IDを表し、2次元バーコードにその他の任意のデータ(例えば、診療科、担当医師、文書種別など)を持たせるようにしても良い。
なお、電子カルテシステム1は、ID付き用紙を印刷する機能が備わっていることが好ましい。つまり、電子カルテシステム1の医師用端末10またはその他の適宜の端末において、下記の処理を実行する用紙印刷処理部が設けられていることが好ましい。この用紙印刷処理部は、ID付き用紙の印刷処理実行が指示されると、印刷部数の入力を要求し、入力された部数に応じて、過去に発行済みの用紙IDと重複しないように新たな用紙IDを生成し、それらの用紙IDをバーコード化して白紙用紙または所定のフォーム用紙に印刷する。なお、所定のフォームの用紙については、印刷処理部が、用紙IDと共にそのフォームも印刷するようにすることも好ましい。
ID付き用紙は、医師の診察机上の棚等に保管される。以下、図5のフローチャートを参照し、ID付き用紙に手書きで記入した内容を電子カルテデータベースサーバ20へ登録する手順を説明する。
医師は、診察中に、手書きで何らかの文書を作成する場合は、診察室に備えられているID付き用紙の中から任意の1枚を取る。そして、医師用端末10のバーコードリーダ13を用いて、その用紙に印刷されているバーコードを読み取らせる(ステップS1)。
ステップS1でバーコードリーダ13により読み取られたバーコード情報は、ID登録処理部102へ送られる。ID登録処理部102は、バーコード情報を受け取ると、カルテデータ処理部101より、そのときにカルテデータ処理部101が参照しているカルテデータファイルに対応する受診者IDを取得する(ステップS2)。前述のように、カルテデータ処理部101は、診察開始時に受診者IDを入力し、その受診者IDに対応するカルテデータファイルのみを開いているので、バーコードリーダ13によってバーコードが読み取られたときの受診者IDを特定することができる。なお、ここで、用紙IDと関連づけるべき受診者を確認するメッセージをディスプレイ11に表示し、医師による確認入力がなされた後、次のステップへ進むようにしても良い。
ID登録処理部102は、バーコードリーダ13から取得した用紙IDと、カルテデータ処理部101から取得した受診者IDとを関連づけて、ID登録メモリ104へ記憶する(ステップS3)。上述のように、用紙IDはそれぞれの用紙に固有に割り当てられているので、このステップS3の処理により、それぞれの用紙がどの受診者の診察時に用いられたものかが、電子カルテシステム1に登録されたこととなる。
その後、医師または受診者が、ID付き用紙に必要事項を記入する。そして、その受診者の診察が終了すると、医師は、記入済みのID付き用紙を、所定の回収箱などに収納するか、医療補助スタッフに手渡す。そして、医療補助スタッフは、適当な時間に、記入済みのID付き用紙をとりまとめてスキャナ30にかける。なお、図1に例示したスキャナ30は一例に過ぎず、用紙を連続してスキャンするための用紙フィーダを備えたスキャナを用いることも好ましい。また、本発明に適用されるスキャナは、スキャナ専用機に限定されず、プリンタや複写機の機能も有するいわゆる複合機であっても良い。スキャナ30は、記入済みのID付き用紙を順次スキャンし、それぞれの用紙から読み取った画像を、医師用端末10の用紙ID認識処理部105と画像登録処理部104へ送る(ステップS4)。
用紙ID認識処理部105は、スキャナ30から送られた画像からバーコードを認識し、そのバーコードが表す用紙IDを認識する(ステップS5)。用紙ID認識処理部105は、認識した用紙IDを画像登録処理部104へ送る。なお、この実施形態では、用紙ID認識処理部105が医師用端末10に設けられている構成を例示したが、用紙ID認識処理部105がスキャナ30に設けられていても良い。
画像登録処理部104は、用紙ID認識処理部105から用紙IDを受け取ると、その用紙IDを用いてID登録メモリ104を検索し、その用紙IDに関連づけてID登録メモリ104に記憶されている受診者IDを抽出する(ステップS6)。
そして、画像登録処理部104は、ステップS4でスキャナ30から送られた画像を、ステップS6で抽出された受診者IDに対応付けて、電子カルテデータベースサーバ20へ登録する(ステップS7)。
以上の処理により、診察時に医師または受診者が手書きでID付き用紙に記入した内容が、画像として、電子カルテデータベースサーバ20へ登録されることとなる。また、上述のとおり、医師または医療補助スタッフは、どの用紙がどの受診者のものであるかを認識する必要がなく、用紙IDと受診者IDとの関連づけによって、各受診者の診察中に記載された文書が、電子カルテデータベースサーバ20へ登録される。従って、医師や医療補助スタッフの手間をかけずに、かつ、誤登録を生じないように、フリーハンドで筆記された文書を登録できる電子カルテシステムが実現される。
なお、上記の実施形態では、医師用端末10が1台のみの電子カルテシステムを例示したが、複数の医師が勤務する病院等の電子カルテシステムの場合、医師用端末10が複数台接続されていることが一般的である。この場合は、画像登録処理部103、ID登録メモリ104、および用紙ID認識処理部105を、これら複数の医師用端末10が共有できるシステム構成とすることが好ましい。
この場合、例えば、医師用端末10のそれぞれにはカルテデータ処理部101とID登録処理部102のみを設け、LAN40上で全ての医師用端末10からアクセス可能なサーバ(電子カルテデータベースサーバ20であっても良い)に、画像登録処理部103、ID登録メモリ104、および用紙ID認識処理部105を設ければ良い。
また、用紙IDが2次元バーコードによって用紙に印刷されている場合、前述のように、2次元バーコードが保持できる情報量が多いので、用紙ID以外の情報(例えば、診療科、担当医師、文書種別など)を持たせることが可能である。この場合は、その情報に応じた登録処理を行うことが好ましい。例えば、2次元バーコードに文書種別の情報が含まれている場合は、画像登録処理部103が、その文書種別に応じたファイル名を付けて、スキャナ30で読み込まれた画像を電子カルテデータベースサーバ20へ登録すること等が考えられる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は一具体例に過ぎず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、電子カルテデータベースが、医師用端末10とは別体に設けられた電子カルテデータベースサーバ20によって管理される構成としたが、例えば、小規模なシステムであれば、医師用端末10の記憶装置に電子カルテデータベースが存在する構成も可能である。また、医師用端末10と電子カルテデータベースサーバ20がLAN40によって接続された構成を例示したが、医師用端末10が電子カルテデータベースサーバ20に対して遠隔地にある場合等は、医師用端末10と電子カルテデータベースサーバ20とを広域網を介して接続しても良い。
また、上記の実施形態では、ID付き用紙からスキャナ30で読み取った画像を電子カルテデータベースサーバ20へ登録する例を示したが、ID付き用紙からスキャナ30で読み取った画像に、さらにOMR/OCR処理を施すことによって得られたテキスト情報を、電子カルテデータベースサーバ20へ登録する構成にしても良い。この構成によれば、画像データよりもテキストデータの方がデータ量が少ないので、電子カルテデータベースサーバ20の記憶容量を節約することができる。
本発明は、フリーハンドで筆記された文書を登録できる電子カルテシステム、およびこの電子カルテシステムに対する入力方法、並びにそのようなシステムまたは方法を具現化するプログラムとして、産業上利用可能である。
本発明の一実施形態に係る電子カルテシステムの概略構成を示すネットワーク図である。 本発明の一実施形態に係る電子カルテシステムが備える医師用端末の機能的構成を示すブロック図である。 用紙IDが1次元バーコードにより印刷された用紙の一例を示す平面図である。 用紙IDが2次元バーコードにより印刷された用紙の一例を示す平面図である。 ID付き用紙に手書きで記入した内容を電子カルテデータベースサーバへ登録する手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 電子カルテシステム
10 医師用端末
11 ディスプレイ
12 本体
13 バーコードリーダ
20 電子カルテデータベースサーバ
30 スキャナ
40 LAN
101 カルテデータ処理部
102 ID登録処理部
103 画像登録処理部
104 ID登録メモリ
105 用紙ID認識処理部

Claims (5)

  1. カルテデータファイルを含む受診者情報を、各受診者に割り当てられた受診者識別子に対応付けて管理する電子カルテデータベースと、
    用紙に印刷されている用紙識別子を読み取る識別子リーダーと、
    前記識別子リーダーが用紙識別子を読み取ったときに開かれているカルテデータファイルに対応する受診者識別子と、前記識別子リーダーによって読み取られた用紙識別子とを関連付けてメモリへ記憶する識別子登録処理部と、
    前記用紙から、前記用紙識別子と当該用紙に記入された内容とを画像として取り込むスキャナと、
    前記スキャナで取り込まれた画像から前記用紙識別子を認識する用紙識別子認識処理部と、
    認識された用紙識別子に関連付けられて記憶されている受診者識別子を前記メモリから抽出し、前記スキャナで取り込まれた画像または当該画像から得られたテキスト情報を、抽出された受診者識別子に対応付けて前記電子カルテデータベースへ登録する画像登録処理部とを備えたことを特徴とする電子カルテシステム。
  2. 前記用紙識別子が1次元バーコードまたは2次元バーコードである、請求項1に記載の電子カルテシステム。
  3. 前記2次元バーコードは、前記用紙識別子に加えて、当該用紙に記入されるべき内容に関する文書情報を含み、
    前記画像登録部は、前記スキャナで取り込まれた画像を登録する際に、前記文書情報に応じた登録処理を行う、前記請求項2に記載の電子カルテシステム。
  4. カルテデータファイルを含む受診者情報を、各受診者に割り当てられた受診者識別子に対応付けて管理する電子カルテデータベースと、用紙に印刷されている用紙識別子を読み取る識別子リーダーと、前記用紙から、前記用紙識別子と当該用紙に記入された内容とを画像として取り込むスキャナとを備えた電子カルテシステムへの入力方法であって、
    前記識別子リーダーによって、用紙から前記用紙識別子を読み取る処理と、
    前記識別子リーダーが用紙識別子を読み取ったときに開かれているカルテデータファイルに対応する受診者識別子と、前記識別子リーダーによって読み取られた用紙識別子とを関連付けて前記電子カルテシステムのメモリへ記憶する処理と、
    前記スキャナで取り込まれた画像から前記用紙識別子を認識する処理と、
    認識された用紙識別子に関連付けられて記憶されている受診者識別子を前記メモリから抽出し、前記スキャナで取り込まれた画像または当該画像から得られたテキスト情報を、抽出された受診者識別子に対応付けて前記電子カルテデータベースへ登録する処理とを含むことを特徴とする電子カルテシステムへの入力方法。
  5. カルテデータファイルを含む受診者情報を、各受診者に割り当てられた受診者識別子に対応付けて管理する電子カルテデータベースと、用紙に印刷されている用紙識別子を読み取る識別子リーダーと、前記用紙から、前記用紙識別子と当該用紙に記入された内容とを画像として取り込むスキャナとを備えた電子カルテシステムにおいて、当該電子カルテシステムのコンピュータで実行されるプログラムであって、
    前記識別子リーダーが用紙識別子を読み取ったときに開かれているカルテデータファイルに対応する受診者識別子と、前記識別子リーダーによって読み取られた用紙識別子とを関連付けて前記電子カルテシステムのメモリへ記憶する処理と、
    前記スキャナで取り込まれた画像から前記用紙識別子を認識する処理と、
    認識された用紙識別子に関連付けられて記憶されている受診者識別子を前記メモリから抽出し、前記スキャナで取り込まれた画像または当該画像から得られたテキスト情報を、抽出された受診者識別子に対応付けて前記電子カルテデータベースへ登録する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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