JP2007280041A - 車体色判別装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】道路を走行する車両の車体の、屋根やボンネットのような水平面を抽出し、抽出された水平面の色を判別し、判別された水平面の色に基づいて車体の色を判別する。
【効果】水平面を対象とすれば、フロントガラスやフロントグリルのような角度のある部分が判別から除外されるので、水平面に基づき車体色が明確に判別できる。
【選択図】図12
Description
従来のナンバープレートによって車両を識別する方法では、ナンバープレートの汚れや曲がり等があるので、それだけでは車両を確実に特定できないという問題があった。
そこで、特許文献1で画像処理により車両の塗装色を判別する方法が提案されている。この方法は、撮影した画像の濃度分布から車両の存在有無を判定し、車両が存在する場合には、濃度分布に基づいて車両の特定エリア(具体的には、濃度分布が一様な部分)を抽出し、特定エリアの色を車体色とする。
ところが、特許文献2のように、車体色を判別するのにRGB の平均値を用いると、フロントグリルやフロントガラスなど、色の付いていない領域も対象となり、誤判定の原因となる。
そこで、本発明は、車両を計測し、水平面と判断された領域を対象として車体色を判別することのできる車体色判別装置を提供することを目的とする。
本発明では、車体色を判別するのに水平面を抽出することとしている。例えば屋根やボンネットである。これらの水平面を対象とすれば、車体色が明確に判別できるという利点がある。
撮影画像に基づいて、当該車体のライン部分を検出し、当該ライン部分の高さと長さを算出し、ほぼ同じ高さであってほぼ同じ長さの2つのライン部分で挟まれる面を水平面とすると、さらに確実に水平面が特定できる。
1つの車体から、高さの違うライン部分が複数抽出される場合がある。前記水平面抽出手段は、高さの違うライン部分が複数あれば、高さの高いライン部分のペアから優先的に水平面を抽出していくとよい。これは、経験上、高い水平面ほど面積が広いので、色を判別しやすくなるからである。
前記距離が最も長いライン部分の間に、すでに抽出された水平面が存在するときは、当該2つのライン部分に基づいて水平面を抽出しないことが好ましい。これは、2つのライン部分に囲まれた部分に水平面がすでに抽出されているときは、その水平面を囲む水平面というものは存在し得ないからである。
また、カメラから見て画面が逆光か順光かを判断し、順光/逆光に応じて、水平面の明るさを判別するしきい値を変動させるとよい。順光/逆光によって画面の明るさが違って見えるので、このような補正を行うことによって、色判別の正確性が向上する。
光の反射・吸収の具合によって、水平面の部位により色が異なることがあるが、このときは水平面を構成する画素のうち、画素数の最も多い色を、車体色と判別すればよい。
当該色の画素数が、水平面全体の画素数の一定割合以上あることを条件にしてもよい。水平面の部位により色が多岐にわたって異なる場合、一定割合以上の色が判別できないことがあるが、この場合は、色判別の対象から除くためである。
また、複数の水平面について判別した色が異なる場合、複数の水平面 の色ごとに、複数の車体色として出力してもよい。複数の水平面について別の色を有する車両もあるからである。例えば屋根とボンネットの色が異なる場合である。
図1は、本発明の車体色判別装置の設置図を示す。
道路上方に道路面を俯瞰するように、カメラ2を所定の高さに設置している。カメラ2の視野範囲5は、道路の一車線上にある。
カメラ2の撮影画像は、映像ケーブル3を通して計測装置4に入力される。計測装置4は、通信手段を持ち、計測結果を遠隔地の処理センターに提供することができる。
カメラ2の視野範囲5は、図2のように車両のボンネットや屋根などの、車両の水平面を抽出しやすい程度の視野(左右方向3〜4m、縦方向5〜6m程度)とする。
図3は、計測装置4の構成例を示すブロック図である。
計測装置4は、カメラ2の画像を取り込み、カメラ2の画面上に設定した車両検出用の計測範囲内での車両の有無を判定し、車両が検出された場合に、水平ラインの検出、水平面の特定、車体色判別等の演算処理を実行する。
画像入力部41は、カメラ2の画像を取り込むためのインターフェイスを提供する。A/D変換部42は、画像信号をデジタル変換する。画像メモリ43は、デジタル変換した画像データを一時的に格納する。演算部44は、水平ラインの検出、水平面の特定、車体色判別等の演算処理を実行する。通信部45は、信号機や表示板、交通管制センター等との通信を行って、車体色の情報を伝える。
図4は、計測装置4の行う車体色判別処理方法を示すフローチャートである。計測装置4の各部の機能の全部又は一部は、CD−ROMやハードディスクなど所定の媒体に記録されたプログラムを、計測装置4の演算部44が実行することにより実現される。
演算部44は、画像入力部41を通して画像を取り込み、画像メモリ43に記憶させる(ステップS1)。画像の取り込み間隔は、例えば1秒間に30枚とする。
例えば、予め車両が存在しない場合の路面画像(以下、背景画像と呼ぶ)を作成しておき、取り込んだ画像(以下、入力画像と呼ぶ)との明るさの差を算出し、閾値以上の変化が検出された場合を車両有りとし、閾値以下の変化の場合は車両なしとする(ステップS3)。
車両ありと判定された場合、車両の速度検出を行う(ステップS4)。車両の速度検出には公知の手段を用いることができる。例えば、カメラ2の側に超音波式ドップラーレーダを設置して、車両の速度を測定することができる。また、道路に埋め込み式の車両感知器を2つ設置し、車両がこれらの車両感知器を通過した時間を測定して、車両の速度を知ることができる。
水平ライン検出処理(ステップS5)を、図5を参照して詳しく説明する。
まず、各画素毎に、前時刻と現時刻の明るさの差を算出し、その差が閾値以上ある場合、時間差分変化ありとする(ステップT1)。これは、路面標示等の動かない路面のラインを消すためである。
計算式は、例えば
D=I11 ×1+I12 ×2+I13 ×1-I31 ×1-I32 ×2-I33 ×1
である(Ijkは、行列の第j行第k列の画素の輝度を表す)。
図7は、細線化された水平ライン画像の一例を示す図である。
このヒストグラムに基づいて、画面の上部から下部にかけて(下部から上部でもよい)、水平ライン数が、その水平ラインの上下に隣接する水平ラインと比較して閾値以上大きいラインを検出する(ステップT5)。これは図7に円で囲んだ、尖ったピークの部分に該当する。このラインを「水平ライン」という。
このようにして水平ラインの検出処理が終われば、図4に戻り、ステップS6の水平ラインの高さ算出処理に入る。この高さ算出処理では、車両の速度情報を用いる。
なお、以下説明する水平ラインの高さ算出は車両の速度情報と1台の単眼カメラを使う方法であり、一例である。
図8は、検出された水平ラインの画面上の位置を縦軸に、時刻を横軸にとったグラフである。水平ラインが3本写った場合を例示している。
図8において、各水平ラインの軌跡は、画面上における見かけの動きであり、各時刻における実空間上での位置を射影したものである。車両の走行に従って、水平ラインが画面の上から下へ移動している。
図9のように、実空間での座標系を(x,y,z)とし、カメラ2の撮影面上での座標系を(p,q)とする。
実空間では、垂直方向をz、道路の延びる方向をy、道路を横断する方向をxにとる。
カメラ2は、道路の延長線上に設置されており、その撮影面では、道路横断方向xと平行に横軸pをとり、横軸pと直角に縦軸qをとる。縦軸qは、道路の垂直方向zに対して、俯角に相当する角度αだけ傾いているものとする。
撮影面上での座標q(単位:画素数)と、実空間上での座標点(y,z)には、次の(1)(2)式の関係式が成立する。
z=H−(ftan α−ξ)y/( ξtanメ{f) (1)
ξ=(Sq/Nq)q (2)
ここで、ξは水平ラインの撮影面上の高さである。微小時間(画面上下範囲を通過する時間)内での車両の移動速度vは検出済みであるから、所定時刻からの経過時間に基づいて各時刻でのy座標y(t)が算出できる。
すると(1)式から、前記y(t)に基づいて、 ξ(t)が時間の関数として算出できる。この ξ(t)を使えば、(2)式からq(t)が時間の関数として求まる。
従って、このq(t)を時間の関数として、曲線Uを描くことができる。
水平ラインの実空間上での高さzを変数(パラメータ)とし、高さzを変えていけば、複数のq(t)を描いた曲線群ができる。
同図では、各曲線とも、時刻t0における撮影面上の高さを同一値qsに統一している。また同図で、高さzは、z0>z1>z2の関係がある。
高さz0に対応する曲線U0は、短い時間で撮影面を上端から下端まで(撮影面の上端から下端までを「カメラ2の視野」という)通過していることがわかる。この現象は、高さの高い物体、例えば車両の屋根などは、比較的短時間でカメラ2の視野を横切るという経験則に対応している。
図10のグラフでは、高さz2に対応する曲線U2は、長い時間をかけて撮影面を通過している。
従って、車両の移動速度が分かっているとして、水平ラインがこのカメラ2の視野を通過する時間Tを測定すれば、当該物体の高さが求まる。
例えば図10では、水平ラインの時々刻々の軌跡例がプロットされており、それらの点がカメラ2の視野を通過するのに時間Tかかっているとする。この時間Tをかけてカメラ2の視野を通過する曲線U*を特定することができる。曲線U*に対応する高さをz*とすると、そのz*が水平ラインの実空間上での高さとなる。
例えば図10では、撮影された水平ラインの時々刻々の軌跡がプロットされているが、それらの点は、曲線U*にフィットしているとする。曲線U*に対応する高さをz*とすると、そのz*が水平ラインの実空間上での高さとして求まる。
しかし、1つの移動速度に対応する曲線群を持っておけば、他の移動速度の曲線群は、時間のスケールを延び縮みさせるだけで簡単に求めることができる。
以上の説明では、図10に示したように、グラフ上で時間を計り、曲線形の一致を調べていたが、これらの処理は、実際には、コンピュータの計算処理機能を利用して行うことは言うまでもない。例えば、前記曲線形の一致を調べるには、最小自乗法など、公知の最尤推定法を用いればよい。
なお、水平ラインの検出処理は、上に述べた方法に限られるものではない。上に述べた方法は、1台のカメラ(単眼カメラ)を使った方法であったが、例えば、2台のカメラ(複眼カメラ)を使って物体の実空間での高さを求めることもできる。
次に、図4のステップS7の水平面の抽出処理を行う。
この処理は、水平ラインのうち、高さが近いペア又は高さと長さが近いペアを選んで、それらに挟まれる面を水平面とする処理である。
なお長さが同じとは、2つの長さをx1,x2とすると、例えば、長さの差の絶対値|x1−x2|がしきい値以下、又は長さの比と1との差の絶対値|(x1/x2)−1|がしきい値以下の場合を言う。
例えば図12に示すように、上から1つ目と2つ目のラインのペアによって車両の屋根を抽出する。上から1つ目と2つ目のラインのペアによってできるボンネットも抽出する。車両の屋根の方が高さが高いので、車両の屋根を優先的に抽出する。
ただし、ペアができても、その間に既に高さの違う水平面がある場合は除く。なぜなら、既に高さの違う水平面がある場合、それを含むような水平面はあり得ないためである。
以下、次に取り込んだ画像に基づいて、ステップS2以下の処理を繰り返す。
ステップS3で、画像内に車両がなくなったと判定された場合、ステップS9に移り、今までの車両検出回数をしきい値nと比較する。
車両検出回数が閾値nを超えていたら、ステップS10に移り、ステップ車体色の判別処理を行う。
いままで抽出した水平面を順に処理する(ステップU1)。複数の画像でそれぞれ水平面を抽出したときは、車体の同じ部位の水平面であっても別個の水平面として扱う。
面積の小さい水平面を除外するため、基準値(例えば1m2)と比較する(ステップU2)。これは、小さな水平面は色の判別が十分にできないからである。
1つの画素の色の判別する(ステップU4)。画素の色を判別するには、RGB をHSI (色相(Hue)、彩度(Saturation) 、輝度(Value) )に変換する。ただし、R,G,B,S,I は0 から1 の値、H は0°≦H<360°の角度をとる。
次に、HIS 値に応じて、各色に分類する。ここでは、赤/オレンジ/黄緑/緑/シアン/青/紫/マゼンタ/黒/灰色/白の11色に分類する場合を例に挙げる。
無彩色と判断された場合は、I (輝度)に応じて、下記の基準で黒/灰色/白に分類する。黒:0.0 ≦I≦0.2 ,灰色:0.2<I ≦0.8 ,白:0.8<I≦1.0 。
ただし、黒/灰色/白に分類する閾値(0.2, 0.8)は、順光/逆光に応じて変動させてもよい。カメラの位置および方向、現在日時から太陽の位置を判断し、カメラから見て逆光か順光かを判断する。逆光の時は、水平面は明るめに見えるので、閾値を上げる。
次に、水平面の色を判別する(ステップU6)。次の(1)(2)の条件を両方とも満たした場合、水平面の色を判別する。該当する色がない場合、当該水平面の色は判別不可とする。
(1)当該色の画素数が、最も多い。(度数が最大)
(2)当該色の画素数が、水平面全体の画素数の一定割合(例えば40%)以上である。
(a)最も面積が大きい水平面の色を車体色とする。(色を一つだけ出力する)
(b)ボンネット、屋根など、水平面ごとに色を出力する。(全ての色を出力する)
このようにして車体色を決定する。
車体色が決定されると、図4のステップS11で、判別された車体色の情報を、通信部45を介して出力する。
このレーザースキャンによる方法を、図14〜図15を用いて説明する。
図14は、実空間での座標系(x,y,z)と、カメラ2の撮影面上での座標系(p,q)との関係を示す座標図であり、図9と実質的に同じ図である。
したがって、対象物の撮影画面上の座標p,qと、対象物までの距離dがわかる。座標p,qと距離dが分かれば、カメラパラメータ(カメラの位置および方向:既知)を用いて、図14のように対象物の地面からの高さhを求めることができる。
従って、この対象物の地面からの高さhを、カメラの撮影範囲上にプロットすることができる。
高さhが同じ点をまとめて、水平面を抽出することができる。この水平面を、図15に車線ハッチングで示している。
このレーザースキャン法の利点は、カメラのみを用いて水平面を抽出する場合に比べて、水平面を検出する精度が高く、正確に水平面を検出することができることである。なお、このレーザースキャン法と、前述したカメラを用いて水平面を抽出する方法とを併用してもよい。
3 映像ケーブル
4 計測装置
6 レーザー式測距器
41 画像入力部
42 A/D変換部
43 画像メモリ
44 演算部
45 通信部
Claims (15)
- 道路を走行する車両を撮影する撮影手段と、
道路を走行する車両の車体の水平面を抽出する水平面抽出手段と、
前記水平面抽出手段によって抽出された水平面の色を、前記撮影手段の撮影画像に基づいて判別する水平面色判別手段とを備え、
前記水平面色判別手段によって判別された水平面の色に基づいて車体の色を判別することを特徴とする車体色判別装置。 - 前記水平面抽出手段は、撮影画像に基づいて、当該車体のライン部分を検出し、当該ライン部分の高さを算出し、ほぼ同じ高さの2つのライン部分で挟まれる面を水平面とする請求項1記載の車体色判別装置。
- 前記水平面抽出手段は、撮影画像に基づいて、当該車体のライン部分を検出し、当該ライン部分の高さと長さを算出し、ほぼ同じ高さであってほぼ同じ長さの2つのライン部分で挟まれる面を水平面とする請求項1記載の車体色判別装置。
- 道路に向けて電磁波を発射する手段をさらに有し、
前記水平面抽出手段は、発射した電磁波の反射波に基づいて水平面を抽出する請求項1記載の車体色判別装置。 - 前記水平面抽出手段は、高さの違うライン部分が複数あれば、高さの高いライン部分のペアから優先的に水平面を抽出していく請求項2、請求項3のいずれかに記載の車体色判別装置。
- 前記水平面抽出手段は、車両走行方向に沿った距離の違うライン部分が複数あれば、2つのライン部分間の距離の長い水平面から抽出していく請求項2、請求項3、請求項5のいずれかに記載の車体色判別装置。
- 前記2つのライン部分間の距離が最も長いライン部分の間に、すでに抽出された水平面が存在するときは、当該2つのライン部分間の距離が最も長いライン部分に基づいて水平面を抽出しない請求項6記載の車体色判別装置。
- 前記水平面抽出手段は、車両横断方向の長さの違う水平面が複数あれば、長さの長いライン部分のペアから優先的に水平面を抽出していく請求項2、請求項3、請求項5から請求項7のいずれかに記載の車体色判別装置。
- 前記水平面色判別手段は、カメラから見て逆光か順光かを判断し、順光/逆光に応じて、水平面の明るさを判別するしきい値を変動させる請求項1から請求項7のいずれかに記載の車体色判別装置。
- 前記水平面色判別手段は、水平面を構成する画素のうち、
当該色の画素数が、最も多い色を水平面の色と判別する請求項1から請求項9のいずれかに記載の車体色判別装置。 - 前記水平面色判別手段は、水平面を構成する画素のうち、
当該色の画素数が、水平面全体の画素数の一定割合以上であることを条件にして、色を判別する請求項10記載の車体色判別装置。 - 最も面積が大きい水平面の色を車体色とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の車体色判別装置。
- 複数の水平面 の色ごとに、複数の車体色として出力する請求項1から請求項11のいずれかに記載の車体色判別装置。
- 道路を走行する車両の車体の水平面を抽出し、
抽出された水平面の色を判別し、
判別された水平面の色に基づいて車体の色を判別することを特徴とする車体色判別方法。 - 道路を走行する車両を撮影し、
道路を走行する車両の車体の水平面を抽出し、
抽出された水平面の色を撮影した画像に基づいて判別し、
判別された水平面の色に基づいて車体の色を判別することを特徴とする車体色判別プログラム。
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