JP4930046B2 - 路面判別方法および路面判別装置 - Google Patents
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そして、車両の周囲に存在する障害物を検出するための装置として、例えば、特許文献1に開示された装置がある。この特許文献1に開示された装置では、カメラなどの撮像手段により車両の周囲を撮像して得られた撮像画像において線分を検出し、検出した線分に基づいて障害物の候補を設定し、障害物の候補と路面との運動視差に基づいて、障害物の候補が路面なのか、それとも路面上にある障害物(立体物)であるのかを判断している。
ここで、特徴抽出をした際に特徴が顕著に現れる線分を除いた領域の特徴量が常に算出されるので、特徴量は、領域内に存在する色や細かい模様などの、弱いエッジ強度を持つテクスチャの特徴を反映したものとなる。
よって、弱いエッジ強度を持つテクスチャから算出された特徴量に基づいて、対象領域の区分の特定が常に行われるので、撮像画像内に強いエッジ強度の線分が存在しない場合であっても、弱いエッジ強度を持つテクスチャの特徴量に基づいて対象領域の区分が特定できると共に、特定された区分に基づいて、路面の状態が判別できる。
図1は、本実施形態に係る路面判別装置の構成を示すブロック図である。
路面判別装置1は、カメラCと、画像処理部10と、制御部20と、記憶部30とを含んで構成される。
なお、以下の説明においては、これらカメラ(C1〜C4)を特に区別しない場合は、単にカメラCと表記する。
画像処理部10は、撮像画像生成部11と、撮像画像補正部12とを含んで構成される。
そのため、路面に描かれた白線のように路面と同じ高さにあるものは、撮像画像においても、車両の上方から見た場合と同じように現れる。よって、俯瞰画像においても、車両マークVの側面に対して平行に位置する白線Wは、車両マークVの側面に平行に位置して現れる(図3の(a))。
このように、実際に車両を上方から見た場合とは若干異なる俯瞰画像が、撮像画像として採用されている。
なお、以下の説明においては、撮像画像生成部11が生成する俯瞰画像(撮像画像)は、必要な場合を除いて、図3の(a)のように簡略的に表記するものとする。
広角カメラの場合、レンズの周縁側に入射する光の量は、レンズの中心側に比べて少なくなる。そのため、撮像画像における4隅の領域は、広角カメラの撮像範囲の周縁側の領域に対応するので、撮像画像の中央側に比べて暗い画像となる。
また、広角画像の変換により撮像画像を生成する場合、撮像画像の4隅の領域の画像は、中央側の領域の画像に比べて引き延ばされることになるので、撮像画像の4隅の領域に存在するテクスチャは、その形状が歪んだ状態で撮像画像内に表示される。
制御部20は、線分検索部21と、特徴量算出部22と、種別判別部23とを備えて構成される。
従来公知のエッジを検索する方法として、例えば、Sobelフィルタを用いて求めたエッジにHough変換を行う方法や、Cannyフィルタを用いる方法などが挙げられる。
なお、エッジ長さが所定長さ以上のエッジとは、所定の閾値以上のエッジ強度を有するエッジが連なって形成される直線や曲線などの線分を意味する。また、エッジの長さは、連なっている画素の数に基づいて算出できる。
小領域Aの場合、図6の(b)に示すように、その内部に線分が存在しないので、エッジ検出部21bは、小領域Aには線分が存在しない旨(線分に対応する画素が存在しない旨)のエッジ情報を生成する。
そのため、エッジ検出部21bは、これら二つの線分を検出し、小領域Bを構成する画素のうちのどの画素が、これら二つの線分に対応する画素であるのかを示すエッジ情報を生成する。
そして、エッジ検出部21bは、生成したエッジ情報を、特徴量算出部22に出力する。
図6の(b)に示す小領域Aのように、その内部に所定の閾値を越える直線エッジや曲線エッジなどの線分が検出されない場合、対象領域設定部22aは、小領域Aのすべてを対象領域として設定する。
また、図6の(c)に示す小領域Bのように、その内部に線分が存在する場合、対象領域設定部22aは、小領域Bを構成する画素から線分に対応する画素を除いた画素の範囲を対象領域として設定する。すなわち、符号a、b、cで示す画素範囲が対象領域として設定される。
図6の(d)に示す小領域Cの場合、小領域Bの場合と同様にして、符号d、eで示す画素範囲が対象領域として設定される。
ここで、小領域から線分の領域を除外した領域を対象領域としているのは、特徴抽出の際に顕著な特徴となる線分を除いた領域に存在する細かな模様や色などのテクスチャの特徴を抽出するためである。
さらに、壁や支柱などの路面上に存在する立体物の場合、風雨に曝される時間が長く立体物の縦方向に雨だれなどの汚れの模様が形成されることが多いので、縦方向に向かうエッジが、汚れ模様に起因する特徴として抽出できる。
よって、この対象領域から算出されるエッジの方向の頻度は45度の近辺に集中する。また、エッジ強度の頻度は、対象領域の全体に亘ってエッジ強度の弱いエッジがほぼ均一に存在するので、エッジ強度が弱い部分に集中する。
よって、この対象領域から算出されるエッジ方向の頻度は45度の近辺に集中する。また、エッジ強度の頻度は、草のテクスチャaではエッジ強度の弱いエッジが、路面のテクスチャbではエッジ強度の強いエッジが、それぞれ均一に存在するので、エッジ強度が弱い部分と強い部分の二ヶ所に分かれて分布する。
よって、この対象領域から算出されるエッジ方向の頻度は、広範囲に亘って分布する。また、エッジ強度の頻度は、対象領域内に主に2種類のテクスチャが存在するので、エッジ強度が弱い部分と強い部分の二ヶ所に分かれて分布する。
この図8の(a)に示すテクスチャを有する対象領域から特徴量を算出する場合、図7の(a)乃至(c)に示した場合と同様にして、対象領域全体のエッジ強度の頻度とエッジの方位の頻度とを求めても良いが、図8の(b)に示すように、0度、45度、90度などのエッジの方向ごとにエッジ強度の分布を求める構成や、図8の(c)に示すように、エッジの強度ごとにエッジの方向の分布を求める構成としても良い。
これにより、人工的なパターンの模様自体を、エッジ強度の頻度とエッジの方向の頻度とで表現できる。
影判定部22cは、例えば図6の(d)に示す小領域Cの場合、互いに隣接するサブ領域d、eの特徴量と輝度値をそれぞれ比較し、特徴量が同一であり、かつ輝度値が異なる場合に、サブ領域d、eを区画する線分が影線分であると判定する。
続いて、影判定部22cは、輝度値の大きい方のサブ領域が日向の領域であり、輝度値が小さい方のサブ領域が日陰の領域であると決定し、影線分の位置と、日陰領域であるのか日向領域であるのかを区別する情報とからなる影情報を生成し、算出部22bと種別判別部23とに出力する。ちなみに、図6の(d)の場合は、サブ領域dが日向領域であり、サブ領域eが日陰領域であると決定される。
その結果、種別判別部23では、影による影響が除かれた対象領域より算出された特徴量に基づいて、小領域の区分の特定が行われるので、小領域の区分の特定をより正確に行うことができる。
この場合、影判定部22cは、影情報が生成されると、記憶部30(図1参照)の影履歴テーブル34に影情報を記憶すると共に、影情報により特定される影の経時的な変化の有無を確認する。
ここで、影履歴テーブル34には、影データが時系列順に並べて格納されているので、時刻tにおける影情報と時刻t+△tにおける影情報とを比較することで、撮像画像内における影線分の位置と影の範囲の経時変化が判るようになっている。
一方、一致しない場合、影線分は車両の影による線分でないと判断する。すなわち、車両の周囲に存在する立体物(例えば建物)の影による線分であると判断する。
車両が移動している場合、撮像画像内において検出された影が車両の影であれば、車両マークVと影Svとの相対的な位置関係は経時的に変化しない。よって、時刻tの撮像画像において検出された影Svの位置と、時刻t+△tの撮像画像において検出された影Svの位置は同じになる。
これに対して、撮像画像において検出された影が車両以外の立体物の影であれば、車両マークVと影Soとの相対的な位置関係は経時的に変化する。よって、時刻tの撮像画像において検出された影Soの位置は、時刻t+△tの撮像画像では、車両マークVの進行方向における後側(図中、下方向)に移動する。
この場合における処理を、図10の撮像画像の場合を例に挙げて説明をする。
影判定部22cは、車両マークVの影線分Lvの曲点Mの位置が車両側に移動した場合に、撮像画像内において検出されている他の影線分(建物の影線分)Loの形状が変化しているか否かを、影履歴テーブル34を参照して確認する。
具体的には、影履歴テーブル34を参照して、時刻t+△tにおける建物の影線分Loの曲点Mの数が、時刻tにおける建物の影線分Loの曲点Mの数よりも増加しているか否かを確認する。
そして、影判定部22cは、存在するとみなされた立体物の位置を示す位置情報を生成し、これを種別判別部23に出力する。
学習テーブル33は、特徴量とあらかじめ規定された区分との対応関係をまとめたデータベースであり、記憶部30に記憶されている。
ここで、区分として、「アスファルト」、「草」、「土」、そして「壁」などが用意されており、例えば、「アスファルト」は、車両が走行する路面を意味する「走行路面」という種別に、「草」、「土」は、走行路面以外の平面を意味する「走行外路面」という種別に、「壁」は、平面ではない立体面を意味する「立体物」という種別に、それぞれ属することがあらかじめ設定されている。
よって、撮像画像において設定された小領域から算出された特徴量に基づいて学習テーブル33を検索することで、小領域がどのような区分に属するのかが判るようになっている。
例えば、各小領域において特定された区分がすべて「アスファルト」である場合、アスファルトは「走行路面」に属するので、車両の周囲の路面のすべてが「走行路面」である旨の路面状態情報を生成する。
これらの情報でも車両の周囲の状態が確認できるので、種別判別部23は、各小領域において特定された区分に基づいて判断をした車両の周囲の路面の状態の妥当性を確認することができる。
例えば、「走行路面」であると判定した場合に、当該路面に立体物が位置することが位置情報により確認されるときには、判定結果が妥当でないと判断し、判定結果を「立体物」に変更する、若しくは撮像画像における小領域の設定からやり直して、路面の状態の判定を再度行うなどの措置をとる。
例えば、外部機器が、車両と立体物との離間距離が所定距離以下となったときに警報を発する警報装置(図示せず)である場合には、路面状態情報に基づいて、車両の周囲に存在する立体物の位置と、車両と立体物との離間距離とが特定できるので、必要な場合に車両の運転者に注意を喚起することができる。
また、車両の運転者が、表示部に表示された車両の周囲を示す画像において車両の駐車場所として指定した領域が、「走行外路面」や「立体物」の領域である場合、指定した場所には車両を駐車させることができない旨を運転者に通知して注意喚起することができる。
学習部24は、学習テーブル33を参照して、算出された特徴量に最も近似する特徴量を検索し、算出された特徴量を、検索された特徴量が対応する区分に関連づけて、学習テーブル33に記憶する。
例えば、算出された特徴量が、「草」という区分に関連づけられた特徴量と近似している場合は、この区分に関連づけて学習テーブル33に記憶される。
よって、弱いエッジ強度を持つテクスチャから算出された特徴量に基づいて、対象領域の区分の特定が常に行われるので、撮像画像内に強いエッジ強度の線分が存在しない場合であっても、弱いエッジ強度を持つテクスチャの特徴量に基づいて対象領域の区分が特定できると共に、特定された区分に基づいて、周囲の路面の状態が判別できるという効果が得られる。
しかし、1台のカメラにより車両の周囲を撮像する構成としても良い。この場合には、カメラCから入力される1の画像データに基づいて撮像画像が生成されることになる。
算出された特徴量を何れの区分に関連づけるのかの判断をオペレータ(人)が行い、図示しない入力端末を介して行うようにしても良い。
10 画像処理部
11 撮像画像生成部
12 撮像画像補正部
20 制御部
21 線分検索部
21a 撮像画像処理部
21b エッジ検出部
22 特徴量算出部
22a 対象領域設定部
22b 算出部
22c 影判定部
23 種別判別部
24 学習部
30 記憶部
31 画像メモリ
32 設定テーブル
33 学習テーブル(テーブル)
34 影履歴テーブル
Claims (12)
- カメラで撮像した路面の撮像画像に基づいて、路面の判別を行う路面判別方法であって、
(a)前記撮影画像内において路面上に存在するエッジを抽出し、抽出したエッジの強度であるエッジ強度を算出し、前記エッジ強度が所定の閾値以上であるエッジが所定長さ以上線状に連続する領域をエッジ線分として、検出する線分検出段階と、
(b)検出された前記エッジ線分により区分される領域を対象領域として設定し、当該対象領域の特徴量を算出する特徴量算出段階と、
(c)前記特徴量算出段階で算出される特徴量と、該特徴量に対応する路面種別の区分との関係を示すテーブルを参照して、前記特徴量算出段階により算出された特徴量から、前記対象領域の路面種別の区分を特定すると共に、特定された路面種別の区分に基づいて、路面の状態が、走行路面、走行外路面、および立体物のうちの何れの種別に属するのかを判別する種別判別段階と
を備え、
前記特徴量算出段階では、前記対象領域を設定する際に、前記対象領域を構成する画素のうち、前記エッジ線分に対応する画素を除いて、前記対象領域を設定することを特徴とする路面判別方法。 - 前記線分検出段階の前に、
前記撮像画像を補正して、前記カメラのレンズ系の特徴に起因する影響を除去する撮像画像補正段階をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の路面判別方法。 - 前記撮像画像において生ずる画像の歪みや明るさの違いを補正する変換式が、前記レンズ系の特徴に基づいて、前記撮像画像内の位置ごとにあらかじめ設定されており、
前記撮像画像補正段階では、前記変換式に基づいて前記撮像画像を補正する
ことを特徴とする請求項2に記載の路面判別方法。 - 前記特徴量算出段階では、
前記線分検出段階において検出されたエッジ線分を挟んで隣接する領域の特徴量が同じであり、かつ輝度が異なる場合に、前記エッジ線分が影のエッジを示す線分であると判断する共に、
前記影のエッジを示す線分を挟んで隣接する領域の輝度を同じ輝度に補正した上で、前記特徴量を算出する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れか一項に記載の路面判別方法。 - 前記特徴量算出段階では、
前記影のエッジを示す線分に基づいて、前記撮像画像内の影の領域を特定し、
前記種別判別段階では、
前記対象領域の区分と、前記影の領域の経時的な変化の有無とに基づいて、路面の判別を行う
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の路面判別方法。 - 前記影の領域の経時的な変化の有無は、前記影のエッジを示す線分の経時的な変化に基づいて判断される
ことを特徴とする請求項5に記載の路面判別方法。 - 前記線分検出段階では、前記エッジ線分により区分して設定された複数の小領域の各々において前記エッジ線分を検出し、
前記特徴量算出段階では、前記小領域の各々において、前記小領域を構成する画素のうち、前記エッジ線分に対応する画素を除くことにより設定された領域を対象領域として設定し、
前記種別判別段階では、前記小領域の各々の区分を特定し、特定された前記小領域の各々の区分に基づいて、路面の状態が、走行路面、走行外路面、および立体物のうちの何れの種別に属するのかを判別する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れか一項に記載の路面判別方法。 - 前記カメラは、車両に搭載されて車両の周囲の路面を撮像するものである
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちの何れか一項に記載の路面判別方法。 - 前記撮像画像は、前記カメラからの画像データを、車両の上方から見た俯瞰画像に変換したものである
ことを特徴とする請求項8に記載の路面判別方法。 - 前記撮像画像は、前記カメラからの画像データを、車両の上方から見た俯瞰画像に変換したものであり、画像の中央部に配置された車両マークを取り囲むように、車両の周囲の俯瞰画像が配置されている
ことを特徴とする請求項9に記載の路面判別方法。 - 前記特徴量算出段階では、
前記車両の直進走行時に、前記影のエッジを示す線分が所定時間変化しない場合、当該線分を前記車両の影のエッジを示す線分であると判断し、前記車両の影のエッジを示す線分がその後変化した場合に、前記線分が変化した位置に立体物が存在すると判断する
ことを特徴とする請求項8乃至請求項10のうちの何れか一項に記載の路面判定方法。 - カメラで撮像した路面の撮像画像に基づいて、路面の判別を行う路面判別装置であって、
前記撮影画像内において路面上に存在するエッジを抽出し、抽出したエッジの強度であるエッジ強度を算出し、前記エッジ強度が所定の閾値以上であるエッジが所定長さ以上線状に連続する領域をエッジ線分として、検出する線分検出部と、
検出された前記エッジ線分により区分される領域を対象領域として設定し、当該対象領域の特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記特徴量算出部で算出される特徴量と、該特徴量に対応する路面種別の区分との関係を示すテーブルを参照して、前記特徴量算出部により算出された特徴量から、前記対象領域の路面種別の区分を特定すると共に、特定された路面種別の区分に基づいて、路面の状態が、走行路面、走行外路面、および立体物のうちの何れの種別に属するのかを判別する種別判別部と
を備え、
前記特徴量算出部は、前記対象領域を設定する際に、前記対象領域を構成する画素のうち、前記エッジ線分に対応する画素を除いて、前記対象領域を設定することを特徴とする路面判別装置。
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