JP2007278458A - 滑りブッシュ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数が少ない簡易な構造で、軸方向及び軸回転方向の両方の大きな変位に対応ができ、製造コストを低減することができる滑りブッシュを提供する。
【解決手段】軸と同心で配置される外環10と、外環10の内周側に固着し内周面22に周方向に連続した窪み部23が凹設されていると共に窪み部23の軸方向両端部に突起24が形成されている弾性体20と、軸方向の一端部から他端部に亙るスリット33が形成されていると共に弾性体20の窪み部23に外周面31が嵌合し内周面32が軸に対し所定の締め代を有して組み付けられる樹脂製の内環30とを備えた構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】軸と同心で配置される外環10と、外環10の内周側に固着し内周面22に周方向に連続した窪み部23が凹設されていると共に窪み部23の軸方向両端部に突起24が形成されている弾性体20と、軸方向の一端部から他端部に亙るスリット33が形成されていると共に弾性体20の窪み部23に外周面31が嵌合し内周面32が軸に対し所定の締め代を有して組み付けられる樹脂製の内環30とを備えた構成とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、滑りブッシュに関し、更に詳しくは、軸方向及び軸回転方向に対する大きな変位を吸収し、燃料電池自動車及び燃料電池関連分野で用いられる滑りブッシュに関する。
従来、径方向に物体を保持し、軸方向及び軸回転方向に対する大きな変位を吸収する滑りブッシュの構造としては、軸に嵌合する内環と、その内環と同心で位置する外環と、その間に配置され、内環と外環若しくは何れか一方に固着した弾性体とから構成されるものが知られているが、この構造であると、軸方向及び軸回転方向の両方の変位に対して弾性体の変形で吸収するため、大きな変位に対応できないとの不具合点があった。
そのため下記特許文献1には、軸回転方向に対する大きな変位を吸収するため内環と軸との間に剛性スリーブを設けることが提案されている。この滑りブッシュ100は、図7に示す通り、内環101と、内環101の外径方向に同軸で配置されている外環102と、内環101と外環102との間に固着される弾性部材103とからなるブッシュ104と、前記内環101に嵌合されて前記ブッシュ104を回転自在に支持する剛性スリーブ105とを備え、更に、剛性スリーブ105に嵌合して内環101の両端にそれぞれ当接するリング部材106と、剛性スリーブ105に嵌合しリング部材106の内環101とは反対側に当接し軸方向に弾性変形可能な弾性リング部材107と、弾性リング部材107の軸方向外側への移動を規制する固定リング108とから構成されている。
しかしながら、この構成であると従来の構造に対し、ブッシュ104の他に剛性スリーブ105、リング部材106、弾性リング部材107、固定リング108と部品が増加して構造が複雑となり、しかも部品が増加することによる組立て精度を確保するため各部品の精度を上げる必要があり、製造コストが高くなるとの不具合点があった、
更に下記特許文献2においては、剛性スリーブを設けないで軸方向及び軸回転方向に対する大きな変位を吸収する滑りブッシュの構造が開示されているが、やはり部品点数が多く、構造が複雑になるとの不具合点を有していた。
本発明は、上記不具合点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、部品点数が少ない簡易な構造で、軸方向及び軸回転方向の両方の大きな変位に対応ができ、製造コストを低減することができる滑りブッシュを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る滑りブッシュは、軸と同心で配置される外環と、前記外環の内周面に固着し周方向に連続した窪み部が内周面に凹設されていると共に窪み部の軸方向両端部に突起が形成されている弾性体と、軸方向の一端部から他端部に亙るスリットが形成されていると共に前記弾性体の窪み部に外周面が嵌合し内周面が軸に対し所定の締め代を有して組み付けられる樹脂製の内環と、を備えたことを特徴とするものである。
更に、本発明の請求項2に係る滑りブッシュは、請求項1に記載の滑りブッシュにおいて、前記内環に形成されているスリットが螺旋状スリットであることを特徴とするものである。
本発明は、以下の効果を奏する。
本発明に係る滑りブッシュによれば、外環と、内環と、その間に配置された弾性体とで構成されるので部品点数が少なく簡易に組み立てることができ、また構造が簡易であるので高度の部品精度を要求することなくガタの発生を無くすことができ、製造コストも低減することができる。
また、内環は、スリットが形成されていて所定の締め代を有して軸に組付けられているので、軸寸法のバラツキや軸の偏心に対する追随性を向上することができ、しかも樹脂で成形されているので回転方向に回動可能となるとと共に軸方向にも移動可能となり、耐久性を向上することができる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る滑りブッシュをハウジングの内周面に嵌合させた状態で軸方向に軸心を通る平面で切断して示す要部断面図であり、図2は、図1の滑りブッシュを軸方向と交差する平面で切断して示す要部断面図である。図3と図4は共に本発明の実施形態に係る滑りブッシュの構成部品を示す要部断面図であり、図3は外環に弾性体が固着した状態の要部断面図、図4は内環の要部断面図である。図5は、図4の内環に形成されているスリットの形状を示す斜視図である。また、図6は、滑りブッシュをハウジングと軸との間に組付けた状態を示す要部断面図である。
本発明にかかる滑りブッシュ1は、図1、図2に示す通り、ハウジング2と軸3とで形成する環状空間に組み付けられ、外環10と、弾性体20と、内環30とを備えている。
外環10は、図3に示す通り、金属材料を鋳造又は板金で成形したものであって円筒形状をしており、外周面11がハウジングに嵌合するようになっている。
弾性体20は、図3に示す通り、円筒形状をしており軸方向両端部には凹部25が形成されている。材質については特に限定されないが、例えば天然ゴム、合成ゴム等のゴム状弾性体で成形されていることが好ましい。この弾性体20は、外周面21が外環10の内周面12に加硫接着し、内周面22には、中央部に円周方向に連続した窪み部23が凹設されている。更に、内周面22に凹設されている窪み部23の軸方向両端部には突起24が一体で形成されている。なお、この突起24は、周方向に連続的に形成されていても、また断続的に形成されていても良い。
内環30は、図4に示す通り、例えばテフロン(登録商標)等である樹脂材で成形されている円筒形であり、前述の弾性体20の内周面22に凹設されている窪み部23に嵌合する大きさに成形されている。また、内環30には軸方向に一端部から他端部に亙るスリット33が形成されている。このスリット33の形状は、図5の(1)に示すように直線状スリット33aであっても、また同(2)に示すように螺旋状スリット33bであっても良い。
これらで構成された本発明の実施形態に係る滑りブッシュ1を組み立てるには、初めに外環10の内周面12に弾性体20の外周面21を加硫接着させ、次いで弾性体20の内周面22に凹設されている窪み部23に内環30の外周面31を嵌合させることにより行う。この場合に、内環30にはスリット33が形成されているので、弾性体20に凹設されている窪み部23の軸方向両端部に突起24が形成されていても、内周側から容易に嵌合させることが可能となる。また、図6に示すように、このように組み立てられた滑りブッシュ1をハウジング2と軸3とで形成する環状空間に組み付ける場合には、外環10の外周面11をハウジング2の内周に嵌合させた後、内環30の内周面32に軸3を挿通することにより行うが、内環30にスリット33が形成されているので容易に挿通させることが可能となり、また軸3に対して締め代を有して滑りブッシュ1を組み付けることが可能となる。
以上の通り、本発明の滑りブッシュ1は構成部品が少なく構造が簡単であり、組立て作業を簡易に行うことが可能になるので高度の部品精度を要求することなくガタの発生を無くすことができ、またハウジング2と軸3とで形成された環状空間に容易に組み付けることが可能となるので、製造コストを低減することができ、安価な滑りブッシュ1を提供することが可能となる。
また、このように構成された滑りブッシュ1は、軸回転方向の変位に対しては内環30の内周面32が軸3の外周面を回動することにより吸収し、軸3に交差する方向への変位に対しては弾性体20が弾性変形することにより吸収する。また軸方向の変異に対しても内環30の内周面32が軸3の外周面を軸方向に往復動することで吸収するので、滑りブッシュ1の耐久性を向上することが可能となる。特に、スリット33が螺旋状スリット33bであると、軸回転方向の変位と軸方向に対する変位に対してバランスよく吸収することが可能となる。
更に、窪み部23の両端部に形成されている突起24により、内環30の弾性体20に対する軸方向の動きが規制され、滑りブッシュ1のガタの発生を無くすことが可能になると共に、内環30に形成されているスリット33が所定の締め代を有して軸3に組付けられているので、軸寸法のバラツキや軸の偏心に対する追随性を向上することが可能となる。
1 滑りブッシュ
2 ハウジング
3 軸
10 外環
11,21,31 外周面
12,22,32 内周面
20 弾性体
23 窪み部
24 突起
25 凹部
30 内環
33,33a,33b スリット
2 ハウジング
3 軸
10 外環
11,21,31 外周面
12,22,32 内周面
20 弾性体
23 窪み部
24 突起
25 凹部
30 内環
33,33a,33b スリット
Claims (2)
- 軸と同心で配置される外環と、前記外環の内周面に固着し周方向に連続した窪み部が内周面に凹設されていると共に窪み部の軸方向両端部に突起が形成されている弾性体と、軸方向の一端部から他端部に亙るスリットが形成されていると共に前記弾性体の窪み部に外周面が嵌合し内周面が軸に対し所定の締め代を有して組み付けられる樹脂製の内環と、を備えたことを特徴とする滑りブッシュ。
- 請求項1に記載の滑りブッシュにおいて、前記内環に形成されているスリットが螺旋状スリットであることを特徴とする滑りブッシュ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006108591A JP2007278458A (ja) | 2006-04-11 | 2006-04-11 | 滑りブッシュ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006108591A JP2007278458A (ja) | 2006-04-11 | 2006-04-11 | 滑りブッシュ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007278458A true JP2007278458A (ja) | 2007-10-25 |
Family
ID=38680096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006108591A Withdrawn JP2007278458A (ja) | 2006-04-11 | 2006-04-11 | 滑りブッシュ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007278458A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014528383A (ja) * | 2011-10-25 | 2014-10-27 | ジョンソン コントロールズ コンポーネンツ ゲーエムベーハー ウントコンパニー カーゲー | 車両シート用取付具及び車両シート |
-
2006
- 2006-04-11 JP JP2006108591A patent/JP2007278458A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014528383A (ja) * | 2011-10-25 | 2014-10-27 | ジョンソン コントロールズ コンポーネンツ ゲーエムベーハー ウントコンパニー カーゲー | 車両シート用取付具及び車両シート |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090707 |